[go: up one dir, main page]

JP6677885B2 - スパッタリングターゲット、及び、積層膜 - Google Patents

スパッタリングターゲット、及び、積層膜 Download PDF

Info

Publication number
JP6677885B2
JP6677885B2 JP2015248971A JP2015248971A JP6677885B2 JP 6677885 B2 JP6677885 B2 JP 6677885B2 JP 2015248971 A JP2015248971 A JP 2015248971A JP 2015248971 A JP2015248971 A JP 2015248971A JP 6677885 B2 JP6677885 B2 JP 6677885B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
atomic
oxide film
less
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015248971A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016153525A (ja
Inventor
悠人 歳森
悠人 歳森
齋藤 淳
淳 齋藤
一郎 塩野
一郎 塩野
張 守斌
守斌 張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to PCT/JP2016/052110 priority Critical patent/WO2016132825A1/ja
Priority to TW105102710A priority patent/TWI685477B/zh
Publication of JP2016153525A publication Critical patent/JP2016153525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6677885B2 publication Critical patent/JP6677885B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Description

本発明は、酸化物膜を形成する際に用いられるスパッタリングターゲット、及び、酸化物膜と金属膜とを備えた積層膜に関するものである。
一般に、タッチパネルや太陽電池、有機ELデバイス等の電子デバイスには、パターニングされた配線膜が広く使用されている。
Ag及びAg合金は、優れた導電性と反射率を有し、または薄く成膜した場合には優れた透過率が得られるため、これら電子デバイスの配線膜への応用が期待されている。
しかしながら、Ag及びAg合金は、ガラス基板や樹脂フィルム基板への密着性が低く、製造プロセス及び使用中の環境の湿気、硫黄等による腐食に起因する特性の劣化、また膜外観の変化(斑点等)が発生しやすいという問題があった。
そこで、Ag及びAg合金等からなる金属膜を保護し、かつ、配線膜として導電性を確保するために、この金属膜の上に透明導電酸化物膜を積層した積層膜が提案されている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
ここで、透明導電酸化物膜としては、ITO、IZOといった酸化インジウムを主体とした透明導電材料や、AZO、GZOといった酸化亜鉛を主体とした透明導電材料が用いられている。
このような透明導電酸化物膜は、スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法によって成膜される。例えば、特許文献2,3には、酸化亜鉛に各種元素を添加して特性を向上された透明導電膜材料からなるスパッタリングターゲットが提案されている。
特開2012−246511号公報 特開2009−097088号公報 特開2009−097089号公報
透明導電膜の技術 改訂2版 日本学術振興会透明酸化物光・電子材料第166委員会編 P.171−172
ところで、上述のような透明導電酸化物膜をスパッタリングターゲットによって成膜する場合、DC(直流)スパッタが困難であることから、通常、RF(高周波)スパッタを行っている。このRF(高周波)スパッタにおいては、成膜速度が遅いため、積層膜の生産性が悪くなるといった問題があった。
また、最近では、タッチパネルや太陽電池、有機ELデバイス等の電子デバイスにおいては、配線膜の微細化(幅狭化)が図られており、上述の積層膜においてもエッチングによって配線パターンを形成する必要がある。
このようなエッチング処理を行う場合には、生産性の観点から、上述の積層膜を1回のエッチング処理で加工することが望まれる。
ここで、ITOやIZOといった酸化インジウムを主体とした透明導電酸化物膜のエッチング液としては、例えばシュウ酸及びカルボン酸を主体とするものが提供されている。しかし、これらのITO及びIZO用のエッチング液では、Ag又はAg合金からなる金属膜のエッチングは困難である。一方、Ag又はAg合金からなる金属膜のエッチング液としては、リン酸、硝酸、酢酸を主体とするものが提供されている。しかし、これらのAg及びAg合金用のエッチング液では、ITOやIZOといった酸化インジウムを主体とした透明導電酸化物膜をエッチングすることは困難であった。あるいは、エッチング速度が遅く工業的には使用できなかった。
このように、ITOやIZOといった酸化インジウムを主体とした透明導電酸化物膜を用いた積層膜では、金属膜と透明導電酸化物膜とを1回のエッチング処理によってエッチングして配線パターンを形成することはできなかった。
これに対して、GZO、AZO等の酸化亜鉛を主体とした透明導電酸化物膜は、上述したAg及びAg合金用のエッチング液によってエッチングを行うことができることから、GZO、AZO等の酸化亜鉛を主体とした透明導電酸化物膜を用いた積層膜では、金属膜と透明導電酸化物膜とを1回のエッチング処理によってエッチングすることができ、配線パターンを効率良く形成することが可能となる。
しかしながら、GZO、AZO等の酸化亜鉛を主体とした透明導電酸化物膜は、耐熱性、耐環境性(耐湿環境への耐性)が、ITOに比べて劣っており、金属膜を保護する機能が不足するといった問題があった。
また、エッチング処理を行う場合、マスキング部をアルカリ処理液で剥離することがあるが、GZO、AZO等の酸化亜鉛を主体とした透明導電酸化物膜は、耐アルカリ性が不十分であることから、マスキング部の剥離時に透明導電酸化物膜が変色してしまうおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、DC(直流)スパッタが可能で、エッチング性、耐アルカリ性、耐環境性(耐湿環境への耐性)に優れた透明導電酸化物膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、及び、上述の透明導電酸化物膜を有し、金属膜と透明導電酸化物膜とを一括でエッチング処理可能な積層膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスパッタリングターゲットは、金属成分元素の含有割合が、全金属成分元素量に対してAl,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、Snが1.0原子%以上10.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされた酸化物からなることを特徴としている。
本発明のスパッタリングターゲットによれば、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種を合計で0.1原子%以上含有しているので、導電性が確保され、DC(直流)スパッタによって酸化物膜を成膜することができる。また、成膜された酸化物膜の導電性を確保することができる。
また、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が15.0原子%以下とされているので、成膜された酸化物膜の結晶性が増加することを抑制でき、均一な酸化物膜を成膜することができる。
さらに、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上を合計で1.0原子%以上含有しているので、耐アルカリ性に優れた酸化物膜を成膜することができる。
また、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%以下とされているので、導電性が確保され、DC(直流)スパッタによって酸化物膜を成膜することができる。また、成膜された酸化物膜の導電性を確保することができる。
さらに、Snを1.0原子%以上含有しているので、熱湿環境に対する耐性に優れた酸化物膜を成膜することができ、また、Y、La、Nd、Bi原子群との相乗効果で耐アルカリ性に優れた酸化物膜を成膜することができる。
また、Snの含有量は10.0原子%以下とされているので、金属膜との積層膜において一括にエッチングすることが可能となる。
ここで、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上5.0原子%以下とされていることが好ましい。
この場合、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が5.0原子%以下とされているので、成膜された酸化物膜の結晶性が増加することを確実に抑制でき、さらに均一な酸化物膜を成膜することができる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、結晶粒の平均粒径が20μm以下とされていることが好ましい。
この場合、結晶粒の平均粒径が20μm以下とされているので、DC(直流)スパッタ時における異常放電の発生を抑制でき、酸化物膜の成膜を安定して行うことができる。
本発明の積層膜は、Ag又はAg合金からなる金属膜と、この金属膜の片面又は両面に形成された酸化物膜と、を備えた積層膜であって、前記酸化物膜は、金属成分元素の含有割合が、全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、Snが1.0原子%以上10.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされた酸化物からなることを特徴としている。
上述の構成の積層膜によれば、酸化物膜が、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされた酸化物で構成されていることから、耐アルカリ性、耐環境性に優れており、Ag又はAg合金からなる金属膜を保護することができる。
また、酸化物膜がエッチング性に優れているので、酸化物膜と金属膜とを一括してエッチング処理することができ、配線パターンを簡単に形成することが可能となる。
Snの含有量は1.0原子%以上とされているので、熱湿環境に対する耐性に優れ、かつ、耐アルカリ性に優れた酸化物膜とすることができる。また、Snの含有量は10.0原子%以下とされているので、金属膜と酸化物膜とを一括にエッチングすることが可能となる。
ここで、本発明の積層膜においては、全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上5.0原子%以下とされていることが好ましい。
この場合、酸化物膜の結晶性が増加することを確実に抑制でき、均一な酸化物膜とすることができる。
さらに、本発明の積層膜においては、前記金属膜におけるAgの含有量が80原子%以上とされていることが好ましい。
この場合、金属膜におけるAgの含有量が80原子%以上とされているので、金属膜の電気抵抗が小さくなり、積層膜全体の導電性を確保することができ、微細パターンの配線膜として使用することができる。
また、本発明の積層膜においては、前記酸化物膜の膜厚が5nm以上100nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記酸化物膜の膜厚が5nm以上100nm以下の範囲内とされているので、金属膜を十分に保護することができるとともに、積層膜全体のエッチング速度を確保することができ、配線パターンの形成を効率良く行うことができる。
さらに、本発明の積層膜においては、前記金属膜の膜厚が5nm以上500nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記金属膜の膜厚が5nm以上500nm以下の範囲内とされているので、積層膜としての導電性を確保できるとともに、金属膜と酸化物膜との密着性を確保することができる。
本発明によれば、DC(直流)スパッタが可能で、エッチング性、耐アルカリ性、耐環境性(耐湿環境への耐性)に優れた透明導電酸化物膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、及び、上述の透明導電酸化物膜を有し、金属膜と透明導電酸化物膜とを一括でエッチング処理可能な積層膜を提供することができる。
本発明の一実施形態である積層膜の断面説明図である。 本発明の他の実施形態である積層膜の断面説明図である。 実施例における本発明例105のNaOH水溶液中に浸漬後の外観観察写真である。 実施例における比較例105のNaOH水溶液中に浸漬後の外観観察写真である。 実施例における本発明例101の恒温恒湿試験(85℃−85%)後の外観観察写真である。 実施例における本発明例134の恒温恒湿試験(85℃−85%)後の外観観察写真である。 実施例における発明例134の恒温恒湿試験(60℃−90%)後の外観観察写真である。 実施例における比較例118の恒温恒湿試験(60℃−90%)後の外観観察写真である。
以下に、本発明の一実施形態であるスパッタリングターゲット、および、積層膜10について説明する。
本実施形態である積層膜10は、例えば液晶や有機ELパネルなどのフラットパネルディスプレイや、タッチパネル等の電子デバイスの配線膜として用いられるものである。また、本実施形態であるスパッタリングターゲットは、AgまたはAg合金からなる金属膜11の上に酸化物膜12を成膜して、上述の積層膜10を形成する際に使用されるものである。
本実施形態であるスパッタリングターゲットは、金属酸化物からなり、この金属酸化物における金属成分元素の含有割合が、全金属成分元素量に対してAl,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされている。
なお、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上5.0原子%以下であることが好ましい。さらに、Snを1.0原子%以上10.0原子%以下の範囲内で含んでいることが好ましい。
また、このスパッタリングターゲットにおいては、結晶粒の平均粒径が20μm以下とされている。
また、本実施形態である積層膜10は、図1に示すように、基板21の上に成膜された金属膜11と、この金属膜11の上に成膜された酸化物膜12と、を備えている。
ここで、基板21は、特に限定されるものではないが、フラットパネルディスプレイやタッチパネル等においては、光を透過可能なガラス、樹脂フィルム等からなるものが用いられている。
金属膜11は、AgまたはAg合金で構成されており、本実施形態では、Agの含有量が80原子%以上のAgまたはAg合金で構成されている。
また、金属膜11の厚さAは、5nm≦A≦500nmの範囲内に設定されている。
酸化物膜12は、上述した本実施形態であるスパッタリングターゲットによって成膜されており、スパッタリングターゲットと同様の組成の酸化物で構成されている。
この酸化物膜12の厚さBは、5nm≦B≦100nmの範囲内に設定されている。
以下に、本実施形態であるスパッタリングターゲット及び酸化物膜12を構成する酸化物における金属成分元素の含有割合、スパッタリングターゲットの結晶粒の平均粒径、金属膜11のAg含有量及び厚さ、酸化物膜12の厚さを上述のように規定した理由について説明する。
(Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種)
Al及びGaは、酸化亜鉛(ZnO)のドーパントとして作用し、電気抵抗を下げる効果を有する元素であることから、これらの元素を添加することにより、スパッタリングターゲット及び酸化物膜12の導電性を確保することが可能となる。
ここで、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が0.1原子%未満の場合には、スパッタリングターゲットの導電性を確保できず、DC(直流)スパッタを行うことができなくなるおそれがある。また、成膜された酸化物膜12の導電性が確保できなくなるおそれがある。一方、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が15.0原子%を超える場合には、成膜された酸化物膜12の結晶性が増加し、金属膜11との界面の均一性が低下し、積層膜10の耐環境性が低下してしまうおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量を、0.1原子%以上15.0原子%以下の範囲内に設定している。なお、スパッタリングターゲット及び成膜された酸化物膜12の導電性を確実に向上させるためには、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量の下限を1.0原子%以上とすることが好ましく、1.5原子%以上とすることがさらに好ましい。また、積層膜10の耐環境性をさらに向上させるためには、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量の上限を5.0原子%以下とすることが好ましく、3.0原子%以下とすることがさらに好ましく、2.5原子%以下とすることがさらに好ましい。
(Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上)
Y,La,Nd,Biといった元素は、酸化物膜12の耐アルカリ性を向上させる作用効果を有する元素であることから、これらの元素を添加することにより、エッチング工程で使用したマスキング部をアルカリ処理液で剥離する際に、酸化物膜12が劣化することを抑制できる。
ここで、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が1.0原子%未満の場合には、成膜された酸化物膜12の耐アルカリ性を十分に向上させることができないおそれがある。一方、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%を超える場合には、スパッタリングターゲットの電気抵抗が上昇し、DC(直流)スパッタを行うことができなくなるおそれがある。また、成膜された酸化物膜12の電気抵抗が上昇し、導電性を確保できなくなるおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量を、1.0原子%以上20.0原子%以下の範囲内に設定している。なお、積層膜10(酸化物膜12)の耐アルカリ性を十分に確保するためには、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量の下限を2.0原子%以上とすることが好ましく、4.0原子%以上とすることがさらに好ましい。また、スパッタリングターゲット及び成膜された酸化物膜12の導電性を確実に向上させるためには、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量の上限を16.0原子%以下とすることが好ましく、12.0原子%以下とすることがさらに好ましい。
(Sn)
Snは、酸化物膜12のバリア性に寄与し、金属膜に対する保護性能を向上させることで熱湿環境下での積層膜の特性劣化の抑制に対し効果を及ぼす元素であり、また、上記元素群Y,La,Nd,Biとの相乗効果により酸化物膜12の耐アルカリ性を更に向上させる効果も有する。このため、要求特性に応じて適宜添加してもよい。
ここで、Snの添加量が1.0原子%未満の場合には、積層膜10の熱湿環境下における特性劣化の抑制が十分にできなくなるおそれがあり、また成膜された酸化物膜12の耐アルカリ性を十分に向上させることができなくなるおそれがある。一方、Snの添加量が10.0原子%を超える場合には、リン酸、硝酸、酢酸の混酸といったAg・Ag合金用のエッチング液によってエッチングができなくなり、積層膜が一括でエッチングできなくなるおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、Snを添加する場合には、Snの含有量を、1.0原子%以上10.0原子%以下の範囲内に設定している。なお、積層膜10の熱湿環境下での積層膜の特性劣化の抑制及び耐アルカリ性を十分に確保するためには、Snの添加量の下限を2.0原子%以上とすることが好ましく、4,0原子%以上とすることがさらに好ましい。また、積層膜を確実に一括でエッチングするためには、Snの添加量の上限を9.0原子%以下とすることが好ましく、8.0原子%以下とすることがさらに好ましい。
(スパッタリングターゲットの平均粒径)
DC(直流)スパッタによって酸化物膜12を成膜する場合、異常放電が発生して、安定して成膜をできなくなることがある。ここで、スパッタリングターゲットの平均粒径を20μm以下と比較的微細とすることにより、異常放電の発生を抑制することが可能となる。
なお、スパッタ時の異常放電を確実に抑制するためには、スパッタリングターゲットの平均粒径を15μm以下とすることが好ましい。
(金属膜11のAg含有量)
積層膜10全体の導電性を確保するためには、金属膜11の電気抵抗を低くする必要がある。ここで、金属膜11におけるAg含有量が80原子%未満となると、金属膜11における電気抵抗が上昇して導電性を確保できなくなるおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、金属膜11におけるAg含有量を80原子%以上に規定している。なお、積層膜10の導電性をさらに確保するためには、金属膜11におけるAg含有量を90原子%以上とすることが好ましく、95原子%以上とすることがさらに好ましい。
(金属膜11の厚さ)
金属膜11の厚さAが5nm未満の場合には、積層膜10としての導電性を確保できなくなるおそれがある。一方、金属膜11の厚さAが500nmを超える場合には、金属膜11の表面粗さが粗くなり、酸化物膜12によって金属膜11を保護することが困難となり、耐環境性が低下するおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、金属膜11の厚さAを、5nm以上500nm以下の範囲内に規定している。なお、積層膜10における導電性を確実に確保するためには、金属膜11の厚さAの下限を8nm以上とすることが好ましく、20nm以上とすることがさらに好ましい。また、金属膜11の表面粗さを平滑として積層膜10の耐環境性を確実に向上させるためには、金属膜11の厚さAの上限を200nm以下とすることが好ましく、100nm以下とすることがさらに好ましい。
(酸化物膜12の厚さ)
酸化物膜12の厚さBが5nm未満の場合には、金属膜11を十分に保護することができず、耐環境性を確保できなくなるおそれがある。一方、酸化物膜12の厚さBが100nmを超える場合には、酸化物膜12のエッチング速度が遅いため、積層膜10を一括してエッチング処理して配線パターンを形成する際に、生産効率が低下してしまうおそれがある。
このような理由から、本実施形態では、酸化物膜12の厚さBを、5nm以上100nm以下の範囲内に規定している。なお、積層膜10における耐環境性を確実に確保するためには、酸化物膜12の厚さBの下限を10nm以上とすることが好ましく、20nm以上とすることがさらに好ましい。また、積層膜10全体のエッチング速度を確保するためには、酸化物膜12の厚さBの上限を80nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることがさらに好ましい。
(スパッタリングターゲットの製造方法)
次に、本実施形態であるスパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガリウム(Ga)、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタン(La)、酸化ネオジウム(Nd)、酸化ビスマス(Bi)の粉末を準備し、金属元素の含有割合が上述の範囲内となるように、これらの酸化物元素を選択して秤量する。この秤量した酸化物粉末を混合装置によって混合し、混合粉末を得る。
得られた混合粉末を造粒し、ホットプレス等を用いて焼結して焼結体を得る。この焼結体を機械加工することで、本実施形態であるスパッタリングターゲットが製造される。
(積層膜10の製造方法)
次に、本実施形態である積層膜10の製造方法について説明する。
まず、Ag又はAg合金からなるスパッタリングターゲットを用いて、DC(直流)スパッタにより、基板21の上に金属膜11を成膜する。
金属膜11を成膜後、本実施形態であるスパッタリングターゲットを用いて、DC(直流)スパッタにより、金属膜11の上に酸化物膜12を成膜する。
以上のようにして、積層膜10が形成される。
以上のような構成とされた本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいては、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が0.1原子%以上とされるとともに、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%以下とされているので、スパッタリングターゲットにおける導電性が確保され、DC(直流)スパッタによって酸化物膜12を成膜することが可能となる。よって、酸化物膜12の成膜速度が速くなり、積層膜10の生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態であるスパッタリングターゲットによれば、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が15.0原子%以下、好ましくは5.0原子%以下とされているので、成膜された酸化物膜12の結晶性が増加することを抑制し、均一な酸化物膜12を成膜することができる。
さらに、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上を合計で1.0原子%以上含有しているので、耐アルカリ性に優れた酸化物膜12を成膜することができる。
また、本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいて、Snを1.0原子%以上10.0原子%以下の範囲内で含む場合には、熱湿環境に対する耐性に優れ、かつ、耐アルカリ性に優れた酸化物膜12を成膜することができる。また、Snの含有量は10.0原子%以下とされているので、金属膜11と一括にエッチングすることが可能な酸化物膜12を成膜することができる。
また、本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいては、結晶粒の平均粒径が20μm以下とされているので、DC(直流)スパッタ時における異常放電の発生を抑制でき、酸化物膜12の成膜を安定して行うことができる。
本実施形態である積層膜10においては、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が0.1原子%以上とされるとともに、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%以下とされているので、酸化物膜12における導電性を確保することができる。
また、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が15.0原子%以下、好ましくは5.0原子%以下とされているので、成膜された酸化物膜12の結晶性が増加することを抑制し、金属膜11との界面の均一性を確保でき、積層膜10の耐環境性を向上させることができる。
さらに、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上を合計で1.0原子%以上含有しているので、積層膜10の耐アルカリ性を向上させることができる。よって、エッチング処理後にマスキング部をアルカリ処理液で剥離する際に、積層膜10が変色等することを抑制できる。
また、酸化物膜12がエッチング性に優れているので、酸化物膜12と金属膜11とを一括してエッチング処理することができ、配線パターンを簡単に形成することが可能となる。
さらに、本実施形態である積層膜10において、酸化物膜12が、Snを1.0原子%以上10.0原子%以下の範囲内で含む場合には、熱湿環境に対する耐性に優れ、かつ、耐アルカリ性に優れているとともに、金属膜11と酸化物膜12とを一括にエッチングすることが可能となる。
さらに、本実施形態である積層膜10においては、金属膜11におけるAgの含有量が80原子%以上とされているので、金属膜11の電気抵抗が小さくなり、積層膜10全体の導電性を確保することができ、微細パターンの配線膜として使用することができる。
また、金属膜11の膜厚Aが5nm以上とされているので、積層膜10としての導電性を確保できる。さらに、金属膜11の膜厚Aが500nm以下とされているので、金属膜11の表面が比較的平滑となり、酸化物膜12によって金属膜11を十分に保護することができる。
また、本実施形態である積層膜10においては、酸化物膜12の膜厚Bが5nm以上とされているので、金属膜を十分に保護することができ、耐環境性を向上させることができる。さらに、酸化物膜12の膜厚Bが100nm以下とされているので、積層膜10全体のエッチング速度を確保することができ、配線パターンの形成を効率良く行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、金属膜の片面に酸化物膜を成膜した構造を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、金属膜の両面に酸化物を成膜したものであってもよい。具体的には、図2に示すように、金属膜111の一面側および他面側に、それぞれ酸化物膜112A,112Bを形成した積層膜110であってもよい。この場合、耐環境性をさらに向上させることができる。なお、酸化物膜112Aと酸化物膜112Bとは、互いに異なる組成の酸化物で構成してもよい。
さらに、金属膜と酸化物膜とを4層以上、任意の数だけ積層してもよい。
また、本実施形態では、スパッタリングターゲットの結晶粒の平均粒径を20μm以下に規定したもので説明したが、これに限定されることはなく、スパッタ条件等によっては、スパッタリングターゲットの結晶粒の平均粒径が20μmを超えるものであってもよい。
さらに、本実施形態では、金属膜におけるAg含有量を80原子%以上に規定したもので説明したが、これに限定されることはなく、積層膜に対する要求特性によっては、金属膜におけるAg含有量は80原子%未満であってもよい。
また、本実施形態では、金属膜の厚さを5nm以上500nm以下、酸化物膜の厚さを5nm以上100nm以下に規定したものとして説明したが、これに限定されることはなく、積層膜に対する要求特性によっては、金属膜の厚さ及び酸化物膜の厚さが上述の範囲内から外れていてもよい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
(スパッタリングターゲット)
原料粉末として、酸化亜鉛(ZnO:純度99.9mass%)、酸化アルミニウム(Al:純度99.9mass%)、酸化ガリウム(Ga:純度99.9mass%)、酸化イットリウム(Y純度:99.9mass%)、酸化ランタン(La:純度99.99mass%)、酸化ネオジウム(Nd:99.9mass%)、酸化ビスマス(Bi:99.9mass%)、酸化スズ(SnO:99.9mass%)の粉末を準備し、金属元素の含有割合が表1、表2の範囲内となるように、これらの酸化物を選択して秤量した。
秤量した原料粉末を、質量比で原料粉末の3倍のジルコニアボールとともにポリ容器に装入し、ボールミル装置によって16時間湿式混合し、混合粉末を得た。このとき、溶媒としてアルコールを用いた。
得られた混合粉末を乾燥後に造粒し、保持温度800〜1300℃、保持時間2〜9時間、圧力350kgf/cmの条件で真空雰囲気(5Pa以下)においてホットプレス(HP)を行い、酸化物焼結体を得た。
得られた酸化物焼結体を機械加工することにより、直径152.4mm×厚さ6mmとされた本発明例及び比較例のスパッタリングターゲットを製造した。なお、表1、表2に示すスパッタリングターゲットの組成は、スパッタリングターゲットから採取した測定試料を用いてICP法によって測定した。
本発明例及び比較例のスパッタリングターゲットの結晶粒径をSEMによる結晶解析(EBSD)によって測定した。なお、測定試料は、上記と同様の条件で焼結した直径50mmのサンプル片から採取し、測定領域は80μm×80μmとした。評価結果を表1、表2に示す。
また、本発明例及び比較例のスパッタリングターゲットを用いて、成膜試験を行った。
マグネトロンスパッタ装置に、はんだ付けした上述のスパッタリングターゲットを取り付け、1×10−4Paまで排気した後、Arガス圧0.5Pa、直流電力密度2.0W/cm、ターゲット基板間距離60mmの条件で、DC(直流)スパッタを行い、DC(直流)スパッタの可否を確認した。また、スパッタ時の異常放回数を、MKSインスツルメンツ社製DC電源(型番:RPDG−50A)のアークカウント機能により、放電開始から30分間の発生回数を計測した。結果を表1、表2に示す。
Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が0.1原子%未満とされた比較例1、3、17、19においては、DC(直流)スパッタによって成膜することができなかった。
また、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%を超える比較例6、8、10、12、22、24、26、28においては、DC(直流)スパッタによって成膜することができなかった。
さらに、スパッタリングターゲットの結晶粒の平均粒径が20μm以下とされた本発明例1−11、13、15−33、35、37−39においては、結晶粒の平均粒径が20μmを超える本発明例12、14、34、36に比べて異常放電発生回数が低減されていることが確認された。
(酸化物膜の組成)
本発明例及び比較例のスパッタリングターゲットを用いて、Si基板上に1000mmの厚さで酸化物膜を形成した。なお、DC(直流)スパッタができなかったスパッタリングターゲットは、RF(高周波)スパッタによって酸化物膜を成膜した。
得られた酸化物膜をSi基板から剥がし、これをICP分析することで、酸化物膜の組成を測定した。評価結果を表3、表4に示す。
(金属膜の組成)
また、Ag及びAg合金からなるスパッタリングターゲットを準備し、Si基板上に1000mmの厚さで金属膜を形成した。得られた金属膜をSi基板から剥がし、これをICP分析することで、金属膜の組成を測定した。評価結果を表5に示す。
(積層膜)
ガラス基板(無アルカリガラス:コーニング社製EagleXG)の上に、表6、表9に示す構造の積層膜を形成した。なお、酸化物膜及び金属膜の厚みは、断面TEM観察によって確認した。なお、従来例1として、ITO(In+10質量%SnO)スパッタリングターゲットで成膜したITO膜を形成したもの、従来例2として、AZO(ZnO+1質量%Al)スパッタリングターゲットで成膜したAZO膜を形成したものを準備した。
ここで、酸化物膜の成膜条件は、Arガス圧0.6Pa、直流電力密度2.0W/cm、ターゲット基板間距離60mmの条件として、スパッタガスに酸素を1〜6体積%含有させた。なお、DC(直流)スパッタができない酸化物膜形成用スパッタリングターゲットを用いる場合には、RF(高周波)スパッタによって酸化物膜を成膜した。
金属膜の成膜条件は、Arガス圧0.6Pa、直流電力密度1.0W/cm、ターゲット基板間距離60mmの条件とした。
得られた積層膜について、比抵抗、耐環境性、耐アルカリ性、エッチング性について以下のようにして評価した。
(比抵抗)
三菱化学製抵抗測定器ロレスタGPを用いて、四探針法を用いて積層膜の膜抵抗を測定した。そして、下記の式により比抵抗値を算出した。評価結果を表7、表10に示す。
(積層膜の比抵抗値)=(積層膜のシート抵抗)×(金属膜の膜厚)
(耐アルカリ性)
積層膜を、40℃の5質量%NaOH水溶液中に10分間浸漬し、積層膜の外観の変化を確認した。評価結果を表7、表10に示す。また、NaOH水溶液浸漬後の積層膜の外観観察結果の一例を図3及び図4に示す。
また、積層膜を、40℃のレジスト剥離液(関東化学製KP−401AG)中に10分間浸漬し、積層膜の外観の変化を確認した。評価結果を表7、表10に示す。
(エッチング性)
積層膜を成膜した基板を40℃に加熱した関東化学製エッチング液SEA−2:リン酸・硝酸・酢酸に浸漬し、エッチングを行った。目視観察によって積層膜の溶解の有無を確認した。さらに、浸漬後の積層膜の抵抗値及び光学特性を測定することで、積層膜の溶解の有無を確認した。
浸漬後3分以内に溶解したものを○、10分以内に溶解したものを△、10分で溶解しなかったものを×と評価した。評価結果を表7、表10に示す。
(耐環境性)
積層膜を、温度85℃、湿度85%の雰囲気中に250時間放置する恒温恒湿試験を行い、恒温恒湿試験(85℃−85%)後の積層膜の比抵抗を上述のように測定した。そして、恒温恒湿試験(85℃−85%)前後における比抵抗の変化率を算出した。評価結果を表8、11に示す。
また、恒温恒湿試験(85℃−85%)後の積層膜の外観観察を目視で行い、変色や斑点の有無を確認した。評価結果を表8、11に示す。また、恒温恒湿試験(85℃−85%)後の積層膜の外観観察結果の一例を図5及び図6に示す。
さらに、積層膜を、温度60℃、湿度90%の雰囲気中に250時間放置する恒温恒湿試験を行い、恒温恒湿試験(60℃−90%)後の積層膜の比抵抗を上述のように測定した。そして、恒温恒湿試験(60℃−90%)前後における比抵抗の変化率を算出した。評価結果を表10、11に示す。
また、恒温恒湿試験(60℃−90%)後の積層膜の外観観察を目視で行い、変色や斑点の有無を確認した。評価結果を表10、11に示す。また、恒温恒湿試験(60℃−90%)後の積層膜の外観観察結果の一例を図7及び図8に示す。
Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が0.1原子%未満とされた比較例101、103、117、119においては、抵抗値が高すぎて測定できなかった。
Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が15.0原子%を超える比較例115、116、118、120においては、恒温恒湿試験(85℃−85%)および恒温恒湿試験(60℃−90%)後の比抵抗の変化率が大きく変色も認められており、耐環境性が不十分であった。
Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が1.0原子%未満とされた比較例105、107、109、111、121、123、125、127においては、NaOH水溶液浸漬後およびレジスト剥離液浸漬後に変色が認められており、耐アルカリ性が不十分であった。
Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上の合計含有量が20.0原子%を超える比較例106、108、110、112、122、124、126、128においては、抵抗値が高すぎて測定できなかった。
Snの含有量が10.0原子%を超える比較例114においては、積層膜をエッチングすることができなかった。
ITO膜を成膜した従来例1では、積層膜をエッチングすることができなかった。
AZO膜を成膜した従来例2では、恒温恒湿試験でわずかに変色が認められ、NaOH水溶液に浸漬後に変色が認められており、耐環境性及び耐アルカリ性が不十分であった。
これに対して、本発明例の積層膜においては、比抵抗が低く、耐環境性、耐アルカリ性、エッチング性に優れていることが確認された。
特に、金属膜におけるAgの含有量が80原子%以上とされた本発明例101−131は、金属膜におけるAgの含有量が80原子%未満とされた本発明例132,133に比べて比抵抗値が小さくなっていることが確認された。
本発明例129のエッチング性が△であるのは、酸化物膜が厚く、その分エッチングに時間を要しているためである。
また、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量が5.0原子%を超える本発明例134−137、143、145においては、60℃−90%の恒温恒湿試験後には変色が認められなかったが、85℃−85%の恒温恒湿試験後には変色が認められた。このため、耐環境性をさらに向上させるためには、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種の合計含有量を5.0原子%以下に制限することが好ましい。
さらに、Snを含有しない本発明例138−153及びSnの含有量が0.05原子%と少ない本発明例154においては、弱アルカリであるレジスト剥離液浸漬後には変色は認められなかったが、強アルカリであるNaOH水溶液浸漬後に変色が認められた。また、60℃−90%の恒温恒湿試験後には変色が認められなかったが、85℃−85%の恒温恒湿試験後には変色が認められた。このため、耐アルカリ性および耐環境性をさらに向上させるためには、Snを1.0原子%以上10.0原子%以下の範囲で含むことが好ましい。
10、110 積層膜
11、111 金属膜
12、112A、112B 酸化物膜

Claims (8)

  1. 金属成分元素の含有割合が、全金属成分元素量に対してAl,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、Snが1.0原子%以上10.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされた酸化物からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上5.0原子%以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 結晶粒の平均粒径が20μm以下とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. Ag又はAg合金からなる金属膜と、この金属膜の片面又は両面に形成された酸化物膜と、を備えた積層膜であって、
    前記酸化物膜は、金属成分元素の含有割合が、全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上15.0原子%以下、Y,La,Nd,Biのうちの少なくとも1種又は2種以上が合計で1.0原子%以上20.0原子%以下、Snが1.0原子%以上10.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とされた酸化物からなることを特徴とする積層膜。
  5. 全金属成分元素量に対して、Al,Gaのうちの少なくとも1種または2種が合計で0.1原子%以上5.0原子%以下とされていることを特徴とする請求項4に記載の積層膜。
  6. 前記金属膜におけるAgの含有量が80原子%以上とされていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の積層膜。
  7. 前記酸化物膜の膜厚が5nm以上100nm未満の範囲内とされていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の積層膜。
  8. 前記金属膜の膜厚が5nm以上500nm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の積層膜。
JP2015248971A 2015-02-18 2015-12-21 スパッタリングターゲット、及び、積層膜 Expired - Fee Related JP6677885B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/052110 WO2016132825A1 (ja) 2015-02-18 2016-01-26 スパッタリングターゲット、及び、積層膜
TW105102710A TWI685477B (zh) 2015-02-18 2016-01-28 濺鍍靶、及層合膜

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029801 2015-02-18
JP2015029801 2015-02-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016153525A JP2016153525A (ja) 2016-08-25
JP6677885B2 true JP6677885B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=56760489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015248971A Expired - Fee Related JP6677885B2 (ja) 2015-02-18 2015-12-21 スパッタリングターゲット、及び、積層膜

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6677885B2 (ja)
TW (1) TWI685477B (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999045163A1 (en) * 1998-03-05 1999-09-10 Asahi Glass Company Ltd. Sputtering target, transparent conductive film, and method for producing the same
JPH11322332A (ja) * 1998-05-21 1999-11-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ZnO系焼結体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016153525A (ja) 2016-08-25
TWI685477B (zh) 2020-02-21
TW201638045A (zh) 2016-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI400215B (zh) 氧化物燒結體、標靶、與使用它所得到之透明導電膜及透明導電性基材
CN108885922B (zh) 层叠透明导电膜、层叠布线膜及层叠布线膜的制造方法
JP6016083B2 (ja) 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材
CN107709584B (zh) Ag合金膜及其制造方法、Ag合金溅射靶以及层叠膜
JP6361957B2 (ja) 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材
JP2016065308A (ja) Ag合金スパッタリングターゲット、Ag合金スパッタリングターゲットの製造方法、Ag合金膜およびAg合金膜の製造方法
KR101777549B1 (ko) 투명 도전 배선 및 투명 도전 배선의 제조 방법
JP6398645B2 (ja) スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム
KR101350648B1 (ko) 전자부품용 적층 배선막 및 피복층 형성용 스퍼터링 타겟재
JP6677885B2 (ja) スパッタリングターゲット、及び、積層膜
WO2016132825A1 (ja) スパッタリングターゲット、及び、積層膜
WO2016111202A1 (ja) 積層膜
JP4779798B2 (ja) 酸化物焼結体、ターゲット、およびそれを用いて得られる透明導電膜
JP6850981B2 (ja) 酸化物スパッタリングターゲット
JP6686730B2 (ja) 導電酸化物膜および導電積層膜
WO2016043183A1 (ja) Ag合金スパッタリングターゲット、Ag合金スパッタリングターゲットの製造方法、Ag合金膜およびAg合金膜の製造方法
JP2016130010A (ja) 積層膜
JP6398643B2 (ja) スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム
WO2016132847A1 (ja) Cu合金膜およびCu積層膜
WO2015052927A1 (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6961925B2 (ja) 酸化物スパッタリングターゲット
JP6853458B2 (ja) Ag合金スパッタリングターゲット、及び、Ag合金膜
JP6398644B2 (ja) スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム
TW202120724A (zh) Ag合金濺鍍靶及Ag合金膜
JP6327121B2 (ja) スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6677885

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees