JP6673320B2 - 厚鋼板および厚鋼板の製造方法 - Google Patents
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C :0.02〜0.20%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.05%以下、および
S :0.02%以下を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚方向に、表面から表面下100μmまでの範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以上のフェライト相を含み、
表面下100μmから板厚1/2位置の範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以下のフェライト相を含み、残部がベイナイト相、パーライト相、またはベイナイト相とパーライト相との混合層からなり、
表面から表面下100μmまでの範囲における平均結晶粒径SD(μm)と、表面下100μmから板厚1/2位置の範囲における平均結晶粒径CD(μm)が、下記(1)式を満足する、厚鋼板。
2.0≦SD/CD・・・(1)
C :0.02〜0.20%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.05%以下、および
S :0.02%以下を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚方向に、表面から表面下100μmまでの範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以上のフェライト相を含み、
板厚1/2位置におけるミクロ組織が、面積率で80%以下のフェライト相を含み、残部がベイナイト相、パーライト相、またはベイナイト相とパーライト相との混合層からなり、
表面から表面下100μmまでの範囲における平均結晶粒径SD(μm)と、板厚1/2位置における平均結晶粒径CD(μm)が、下記(1)式を満足する、厚鋼板。
2.0≦SD/CD・・・(1)
Cu:1.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Cr:1.0%以下、
Mo:1.0%以下、
Nb:0.1%以下、
V :0.1%以下、
Ti:0.1%以下、
B :0.005%以下、
Ca:0.005%以下、および
W :0.05%以下からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記1または2に記載の厚鋼板。
加熱された前記鋼素材に累積圧下率50%以上の熱間圧延を施して熱延板とし、
前記熱延板を冷却し、
冷却された前記熱延板をAc1変態点以上Ac3変態点未満の再加熱温度に再加熱し、
再加熱された前記熱延板を3〜20℃/sの平均冷却速度で400℃〜600℃の冷却停止温度まで冷却し、
冷却された前記熱延板に焼入れを施す、厚鋼板の製造方法。
本発明の厚鋼板、および前記厚鋼板の製造に用いる鋼素材は、上述した成分組成を有する必要がある。前記成分組成の限定理由を以下に説明する。なお、以下の説明における「%」は、特に断らない限り「質量%」を表すものとする。
Cは、基地相(マトリクス)硬さを増加させ、強度を向上させる効果を有する元素である。前記効果を得るためには、C含有量を0.02%以上とすることが必要である。一方、C含有量が0.20%を超えると、基地相の硬度が過度に上昇し、伸びが劣化する。このため、C含有量は0.20%以下とする。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼中に固溶して固溶強化により基地相の硬さを増加させる元素である。前記効果を得るためには、Si含有量を0.01%以上とする必要がある。一方、Si含有量が0.50%を超えると、延性、靭性が低下するとともに、疲労き裂の発生源となる介在物量が増加する。また、Siが過剰であると、SiとFeの複合酸化物が鋼板表面に生成し、強固なスケールとして残存する。その結果、鋼板表面の凹凸形成が助長され、凹凸溝を起点としたき裂伝播が進行しやすくなる。このため、Si含有量は0.50%以下とする。
Mnは、基地相の硬さを増加させ、強度を向上させる効果を有する元素である。前記効果を得るためには、Mn含有量を0.50%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、溶接性が低下することに加えて、ミクロ偏析が多くなり鋼板表面の凹凸形成を助長し、凹凸溝を起点としたき裂伝播が進行しやすくなる。このため、Mn含有量は2.00%以下とする。
Pは、不可避的不純物として鋼に含まれる元素である。Pは、粒界に偏析し、母材および溶接部の靱性を低下させるなど、悪影響を及ぼすため、できるだけ低減することが好ましいが、0.05%以下の含有は許容できる。このため、P含有量は0.05%以下とする。一方、P含有量の下限は限定されないが、過度の低減は精錬コストの高騰を招くため、P含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、不可避的不純物として鋼に含まれる元素である。Sは、MnS等の硫化物系介在物として鋼中に存在し、破壊の発生起点となるなど、悪影響を及ぼす元素であるため、できるだけ低減することが好ましいが、0.02%以下の含有は許容できる。このため、S含有量は0.02%以下とする。S含有量は0.01%以下とすることが好ましい。一方、S含有量の下限は限定されないが、過度の低減は精錬コストの高騰を招くため、S含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
Cuは、基地相の硬さを増加させるとともに、鋼板の耐候性を向上させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Cu含有量が1.0%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材製造時に疵が生じやすくなるので、添加する場合は、Cu含有量を1.0%以下とする。
Niは、低温靭性や耐候性を向上させ、またCuを添加した場合の熱間脆性を改善する効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Ni含有量が2.0%を超えると溶接性が損なわれ、また、鋼材コストが上昇するので、添加する場合は、Ni含有量を2.0%以下とする。
Crは、基地相の硬さを増加させ、また耐候性を向上させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Cr含有量が1.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので、添加する場合は、Cr含有量を1.0%以下とする。
Moは、基地相の硬さを増加させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Mo含有量が1.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので、添加する場合は、Mo含有量を1.0%以下とする。
Nbは、熱間圧延時におけるオーステナイトの再結晶を抑制して細粒化するとともに、熱間圧延後の空冷過程において析出することで強度を上昇させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Nb含有量が0.1%を超えるとNbCが多量に析出し、靭性が損なわれるので、添加する場合は、Nb含有量を0.1%以下とする。
Vは、Nbと同様、熱間圧延時におけるオーステナイトの再結晶を抑制して細粒化するとともに、熱間圧延後の空冷過程において析出することで強度を上昇させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、V含有量が0.1%を超えるとVCが多量に析出し、靭性が損なわれるので、添加する場合はV含有量を0.1%以下とする。
Tiは、窒化物形成傾向が強く、Nを固定して固溶Nを低減するため、母材および溶接部の靭性を向上させる効果を有する。また、Bを添加する場合には、Tiを合わせて添加することにより、TiがNを固定し、BがBNとして析出してしまうことを抑制できる。その結果、Bの焼入れ性向上効果を助長して、強度をさらに向上させることができる。そのため、所望する特性に応じて任意に添加することができる。しかし、Ti含有量が0.1%を超えるとTiCが多量に析出し、靭性が損なわれる。そのため、添加する場合はTi含有量を0.1%以下とする。
Bは、微量の添加でも焼入れ性を著しく向上させ、強度を上昇させる効果を有する元素であり、所望する特性に応じて添加することができる。しかし、B含有量が0.005%を超えるとその効果が飽和するだけでなく、溶接性を低下させるため、添加する場合はB含有量を0.005%以下とする。
Caは、Sと結合し、圧延方向に長く伸びるMnS等の形成を抑制して、硫化物系介在物が球状を呈するように形態制御し、溶接部等の靭性向上に寄与するため、所望する特性に応じて添加することができる。しかし、Ca含有量が0.005%を超えるとその効果が飽和するだけでなく、鋼の清浄度が低下し、表面疵が多発し表面性状が低下するため、添加する場合はCa含有量を0.005%以下とする。
Wは、基地相の硬さを増加させ、また耐候性を向上させるので、所望する特性に応じて添加することができる。しかし、W含有量が0.05%を超えると溶接性の劣化、あるいは合金コストの上昇を招くので、添加する場合はW含有量を0.05%以下とする。
次に、厚鋼板のミクロ組織を上記のように限定する理由について説明する。なお、ミクロ組織の説明における「%」は、特に断らない限り面積率を指すものとする。また、以下の説明における厚鋼板の「先端」とは、鋼板の圧延方向先端より尾端側へ500mm入った位置と定義する。同様に、厚鋼板の「尾端」とは、鋼板の圧延方向尾端より先端側へ500mm入った位置と定義する。
厚鋼板の、板厚方向に、表面から表面下100μmまでの範囲(以下、単に「表層部」という場合がある)におけるミクロ組織を、面積率で80%以上のフェライト相を含むミクロ組織とする。表層部に80%以上のフェライトを生成させて厚鋼板の表層を軟化させることにより、全厚での伸び特性を顕著に向上させることができる。表層部におけるフェライト相の面積率が80%未満であると、ベイナイト相、パーライト相、マルテンサイト相、またはそれらの混合相からなる硬質な残部組織が多く存在することになる。その結果、表層部の硬度が増大して所望の全厚での伸び特性を得ることができない。また、引張強さが過大となる場合がある。
本発明の一実施形態においては、厚鋼板の、板厚方向に、表面下100μmから板厚1/2位置までの範囲(以下、単に「板厚中央部」という場合がある)におけるミクロ組織を、面積率で80%以下のフェライト相を含み、残部がベイナイト相、パーライト相、またはベイナイト相とパーライト相との混合層からなるミクロ組織とする。板厚中央部のミクロ組織が前記条件を満たすことにより、所望の強度及び耐疲労き裂伝播特性を得ることができる。
本発明の一実施形態における厚鋼板は、上記成分組成およびミクロ組織を有することに加えて、表面から表面下100μmまでの範囲(表層部)における平均結晶粒径SD(μm)と、表面下100μmから板厚1/2位置の範囲(板厚中央部)における平均結晶粒径CD(μm)が、下記(1)式を満足する。
2.0≦SD/CD・・・(1)
厚鋼板の引張強度(TS)は、特に限定されないが、490MPa以上であることが好ましい。また、TSの上限も特に限定されないが、例えば、JISにおける490MPa(50kgf/mm2)級とする場合には、TSを610MPa以下とすればよい。また、JISにおける570MPa(60kgf/mm2)級とする場合には、TSの上下限をそれぞれ570MPaおよび720MPaとすればよい。本発明においては、厚鋼板の圧延方向における先端、中央、および尾端の3カ所すべてにおいて、上記TSの条件を満たすことが好ましい。なお、通常は、先端、中央、および尾端の3カ所が前記条件を満たしていれば、厚鋼板の圧延方向全長に渡って前記条件を満たしている。また、前記TSは、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明における「厚鋼板」とは、本技術分野における通常の定義に従い、厚さ6mm以上の鋼板を指すものとする。一方、本発明における厚鋼板の板厚の上限は特に限定されず、任意の値とすることができる。しかし、先に述べたように鋼板先尾端での温度偏差が大きくなりやすく、また全厚での伸び特性が優れることが求められる薄物において、本発明の効果は特に顕著となる。そのため、厚鋼板の板厚は、25mm以下とすることが好ましく、20mm以下とすることがより好ましい。
本発明の一実施形態においては、上述した成分組成を有する鋼素材に対し、下記の処理を順次施すことによって厚鋼板とする。
(1)加熱
(2)熱間圧延
(3)冷却
(4)再加熱
(5)冷却
(6)焼入れ
上記鋼素材としては、上記成分組成を有し、熱間圧延が可能なものであれば任意のものを用いることができるが、通常は鋼スラブとすればよい。例えば、前記成分組成を有する溶鋼を、転炉等の手段により溶製し、連続鋳造法等の鋳造方法で、スラブ等の鋼素材とすることができる。また、造塊−分解圧延法によりスラブ等の鋼素材とすることもできる。
上記成分組成を有する鋼素材を、900〜1200℃に加熱する。加熱温度が900℃未満であると、次の熱間圧延工程における鋼素材の変形抵抗が高くなり、熱間圧延機への負荷が増大し、熱間圧延が困難になる。そのため、加熱温度は900℃以上とする。前記加熱温度は950℃以上とすることが好ましい。一方、前記加熱温度が1200℃を超えると、板厚中央部の結晶粒が粗大化して耐疲労き裂伝播特性が低下するだけでなく、スラブ表面の酸化が著しくなり、地鉄−スケール界面の凹凸が鋭くなるため、製品後も表面の凹凸が残りやすくなる。このような表面の凹凸は、応力集中により疲労き裂の発生起点となるおそれがある。そのため、前記加熱温度は1200℃以下とする。前記加熱温度は1150℃以下とすることが好ましい。
次いで、加熱された前記鋼素材を熱間圧延して熱延板とする。その際、製品鋼板の基本性能である靭性を確保するため、板厚中央部において、オーステナイト粒の微細化を通じたフェライト粒の微細化が必要なことから、累積圧下率を50%以上とする。累積圧下率が50%未満の場合は、板厚中央部のフェライト粒が微細化せず、局所的に脆性が低い領域が発生し、脆性き裂が発生しやすくなる。熱間圧延工程に関する他の条件は特に限定されない。
次に、熱間圧延終了後の熱延板を冷却する(第1の冷却工程)。前記冷却工程では、室温まで冷却することが好ましい。なお、前記冷却は、任意の方法、例えば、空冷または加速冷却により行うことができる。
次いで、冷却された前記熱延板を、Ac1変態点以上Ac3変態点未満の温度(再加熱温度)に再加熱する。このようにフェライトとオーステナイトの2相域に加熱することにより、加熱前の熱延板組織を損なうことなく、鋼板全長にわたって導入された冷却偏差に起因する機械的特性のバラツキを解消することができる。再加熱温度がAc3点以上であると、熱延板組織のうち板厚中央部のオーステナイトが成長して粗大化する結果、局所的に靭性が低い領域が発生し、疲労き裂が発生しやすくなる。一方、再加熱温度がAc1点未満であると、熱延板組織の表層が適度に粗大化せず、表層軟質化による全厚伸び効果が得られない。また熱延板の組織がフェライトを含まない場合は再結晶フェライトが得られず、前工程における冷却偏差に伴う機械的特性のバラツキを解消することができない。
Ac1(℃)=723+22×Si−14×Mn−14.4×Ni+23.3×Cr…(2)
また、Ac3変態点は、例えば、下記(3)式により求めることができる。
Ac3(℃)=912.0−230.5×C+31.6×Si−20.4×Mn−39.8×Cu−18.1×Ni−14.8×Cr+16.8×Mo…(3)
ここで、上記(2)、(3)式における元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味し、当該元素が含有されていない場合にはゼロとする。
上記再加熱工程で再加熱された熱延板を、400℃〜600℃の冷却停止温度まで冷却する(第2の冷却工程)。その際、平均冷却速度を3〜20℃/sとする。前記平均冷却速度が3℃/s未満であると、パーライトがバンド状に生成し、バンド組織に沿ったき裂伝播が生じやすくなるため、疲労き裂伝搬速度が上昇してしまう。また、前記平均冷却速度が3℃/s未満であると、板厚中央部においてフェライトが過剰に生成し鋼板全体が軟質化し所望の機械特性を得ることが出来ない。一方、前記平均冷却速度が20℃/sを超える場合、鋼板表層の結晶粒が微細化し硬化するため、全厚引張試験における伸びが低下する。また、冷却停止温度が400℃未満の場合は、板厚中央部においてフェライトが過剰に生成するため鋼板全体が軟質化し、所望の機械特性を得ることが出来ない。一方、冷却停止温度が600℃を超える場合、その後の焼入れ工程にて鋼板表層の結晶粒が微細化し硬化する、あるいは硬質なベイナイトやマルテンサイトが過剰に生成するため、全厚引張試験における伸びが低下する。
上記冷却停止温度まで冷却された前記熱延板に焼入れを施す。したがって、焼入れ温度は、400℃〜600℃の範囲となる。前記焼入れは、特に限定されることなく、任意の条件で行うことができるが、Mf点以下の温度、好ましくは200℃以下まで水冷することが好ましい。なお、Mf点は、例えば、下記(4)式により求めることができる。
Mf(℃)=410.5−407.3×C−7.3×Si−37.8×Mn−20.5×Cu−19.5×Ni−19.8×Cr−4.5×Mo…(4)
ここで、上記(4)式における元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味し、当該元素が含有されていない場合にはゼロとする。
以下の手順でミクロ組織を観察し、(a)表層部におけるフェライト相の面積率、(b)板厚中央部におけるフェライト相の面積率、(c)板厚中央部におけるフェライト相以外の残部組織、(d)板厚1/2位置におけるフェライト相の面積率、および(e)板厚1/2位置におけるフェライト相以外の残部組織を評価した。
まず、得られた厚鋼板から、観察面が圧延方向に垂直な断面(板厚方向断面)となるように組織観察用試験片を採取し、鏡面となるまで研磨した後、腐食液(硝酸メタノール溶液)で腐食し、光学顕微鏡(倍率:400倍)を用いて、鋼板表面から板厚方向に板厚中央位置まで観察し、画面が連続するように撮像した。得られた組織写真を用い、画像解析により相を同定し、(a)厚鋼板の、表面から表面下100μmまでの範囲におけるフェライト相の面積率の平均値、(b)表面下100μmから板厚1/2位置までの範囲におけるフェライト相の面積率の平均値、および(c)表面下100μmから板厚1/2位置までの範囲におけるフェライト相以外の残部組織を求めた。
同様に、上記組織観察用試験片に対して光学顕微鏡(倍率:400倍)を用いて、板厚1/2位置での組織写真を撮像した。得られた組織写真を用い、画像解析により相を同定し、(d)板厚1/2位置におけるフェライト相の面積率の平均値、および(e)板厚1/2位置におけるフェライト相以外の残部組織を求めた。
さらに、上記ミクロ組織観察において得た組織写真から、線分法を用いて、表面から表面下100μmまでの範囲における平均結晶粒径SD(μm)と、表面下100μmから板厚1/2位置の範囲における平均結晶粒径CD(μm)を算出した。得られたSDおよびCDを用いて、結晶粒径の比SD/CDを算出した。
厚鋼板の幅中央部から板幅方向が引張方向と一致するように採取したJIS Z 2201 1A号の全厚試験片を用いて引張試験を実施し、引張強度(TS)および全厚伸びを求めた。引張強度は490MPa以上を合格とした。伸び特性は板厚16mm以下の場合は15%以上、板厚16mmを超える場合は19%以上を合格とした。
図1に示す片側切欠単純引張型疲労試験片を用いて疲労き裂伝搬試験を行い、板厚方向にき裂が進展する時の疲労き裂伝播挙動を評価した。試験条件は、ASTM E647に準拠し、応力比0.1、周波数15Hzとし、室温大気中で実施した。本発明では溶接構造物において溶接部などから発生した亀裂が鋼材中を進展するときの伝播速度を低減することが目的であるため、このような状況を想定し、応力拡大係数範囲(ΔK)が10〜30MPa√mの範囲で試験を行った。ΔK=25MPa√mでの疲労き裂伝播速度4.25×10-8m/cycle以下を合格とした。
Claims (4)
- 質量%で、
C :0.02〜0.20%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.05%以下、および
S :0.02%以下を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚方向に、表面から表面下100μmまでの範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以上のフェライト相を含み、
表面下100μmから板厚1/2位置の範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以下のフェライト相を含み、残部がベイナイト相、パーライト相、またはベイナイト相とパーライト相との混合層からなり、
表面から表面下100μmまでの範囲における平均結晶粒径SD(μm)と、表面下100μmから板厚1/2位置の範囲における平均結晶粒径CD(μm)が、下記(1)式を満足する、厚鋼板。
2.0≦SD/CD・・・(1) - 質量%で、
C :0.02〜0.20%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.05%以下、および
S :0.02%以下を含み、
残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚方向に、表面から表面下100μmまでの範囲におけるミクロ組織が、面積率で80%以上のフェライト相を含み、
板厚1/2位置におけるミクロ組織が、面積率で80%以下のフェライト相を含み、残部がベイナイト相、パーライト相、またはベイナイト相とパーライト相との混合層からなり、
表面から表面下100μmまでの範囲における平均結晶粒径SD(μm)と、板厚1/2位置における平均結晶粒径CD(μm)が、下記(1)式を満足する、厚鋼板。
2.0≦SD/CD・・・(1) - 前記成分組成が、質量%で、
Cu:1.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Cr:1.0%以下、
Mo:1.0%以下、
Nb:0.1%以下、
V :0.1%以下、
Ti:0.1%以下、
B :0.005%以下、
Ca:0.005%以下、および
W :0.05%以下からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項1または2に記載の厚鋼板。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の成分組成を有する鋼素材を900〜1200℃に加熱し、
加熱された前記鋼素材に累積圧下率50%以上の熱間圧延を施して熱延板とし、
前記熱延板を冷却し、
冷却された前記熱延板をAc1変態点以上Ac3変態点未満の再加熱温度に再加熱し、
再加熱された前記熱延板を3〜20℃/sの平均冷却速度で400℃〜600℃の冷却停止温度まで冷却し、
冷却された前記熱延板に焼入れを施す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の厚鋼板の製造方法。
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