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JP6518130B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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JP6518130B2
JP6518130B2 JP2015102778A JP2015102778A JP6518130B2 JP 6518130 B2 JP6518130 B2 JP 6518130B2 JP 2015102778 A JP2015102778 A JP 2015102778A JP 2015102778 A JP2015102778 A JP 2015102778A JP 6518130 B2 JP6518130 B2 JP 6518130B2
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Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に心臓内における血流を診断する技術に関する。
血流に超音波を送受して得られる受信信号から血流の移動情報(運動情報)を得る技術が知られている。例えば、特許文献1には、生体内における血流などの流体に対して超音波を送受して得られる受信信号に基づいて、観測面内の複数点において流体に関する2次元の速度ベクトルを得る技術が記載されている。観測面内の複数点における2次元の速度ベクトルの分布から、流体の流れを示す流線などの診断情報を得ることが可能になり、例えば、心臓等の診断への応用が期待される。
また、特許文献2には、生体内の血流を複数の表示要素の運動として表現した画像を形成する超音波診断装置が開示されている。各表示要素としては、血流の仮想的な粒子が好適であり、特許文献2に記載された装置は、各粒子の現フレームにおける速度ベクトルに基づいて、その粒子の次フレームにおける位置(移動先)を決定し、例えば、複数フレームに亘って各粒子の移動先を追跡することにより得られる各粒子の軌跡等を表示する。これにより、例えば、血流内における渦流、乱流、停滞などの状態を視覚的に直感的に確認できるようになる。
特開2013−192643号公報 特開2008−73279号公報
特許文献1,2に記載された技術は、血流の移動情報(運動情報)を得るにあたって実用面での利用価値が極めて高い画期的な技術であり、これらの技術の更なる応用や改良が期待されている。特に、心臓内における血流の診断への応用が期待される。
ところで、生体内の心臓は拡張収縮運動を繰り返しており、心臓内における血流は拡張収縮運動によって複雑に変化する。そのため、従来から、複雑に変化する血流の状態を適切に分かり易く表現する試みが成されてきた。
本発明は、上述した背景技術に鑑みて成されたものであり、その目的は、心臓内における血流の状態を表現する新たな表示態様を提供することにある。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、超音波を送受して得られた信号に基づいて心臓の心腔内における血流の血流ベクトルを得るベクトル演算部と、前記心腔内における血流の仮想的な複数粒子を生成する粒子生成部と、前記血流ベクトルに基づいて前記各粒子の移動先を導出する粒子演算部と、前記複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。
上記構成において、血流ベクトルとは、血流の運動に関するベクトル情報であり、例えば、血流内の各座標(各血流部分)における速度と方向を示す速度ベクトルや、血流内の各座標における移動量と方向を示す移動ベクトルなどが好適な具体例である。血流ベクトルは、例えば、特許文献1(特開2013−192643号公報)に記載された技術、つまり2次元の速度ベクトル分布を利用して得ることができるものの、他の公知の技術を利用して血流ベクトルが得られてもよい。
また、血流の仮想的な各粒子は、血流(血液の流れ)を解析するにあたって利用される演算上の仮想的な要素であり、例えば、診断対象となる血流内に複数の仮想的な粒子が生成される。
さらに、上記構成においては、複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流画像が形成される。例えば、複数粒子の移動先を互いに密接に関連付ける表示態様により血流画像が形成される。具体的には、複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通るラインにより、それら複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流画像が好適であるものの、ライン以外の表示態様により複数粒子の移動先が互いに結び付けられてもよい。
そして、上記構成を備えた装置によれば、複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した新たな表示態様の血流画像が提供される。この血流画像により、医師や検査技師などのユーザは、例えば、複数粒子のうちのどの粒子が心臓内のどの部分に到達しているのか等を視覚的に直感的に把握することが可能になる。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、前記複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通るラインを示すことにより、当該ラインにより当該複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した前記血流画像を形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、前記ライン上において前記各粒子の移動先に対応したライン部分を当該各粒子が生成された位置に応じた色で表現した前記血流画像を形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、複数時相に亘って各時相ごとに当該時相における前記複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通る前記ラインを形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、前記複数粒子の各粒子ごとに当該粒子の生成位置から移動先までの距離を示したグラフを形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、前記各粒子の生成位置を一方軸に示して前記各粒子の距離を他方軸に示した前記グラフを形成する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記画像形成部は、前記各粒子の距離を当該各粒子が生成された位置に応じた色で表現した前記グラフを形成する、ことを特徴とする。
本発明により、心臓内における血流の状態を表現する新たな表示態様が提供される。例えば、本発明の好適な態様によれば、複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した新たな表示態様の血流画像が提供され、これにより、医師や検査技師などのユーザは、例えば、複数粒子のうちのどの粒子が心臓内のどの部分に到達しているのか等を視覚的に直感的に把握することが可能になる。
本発明の実施において好適な超音波診断装置の全体構成を示す図である。 心臓内腔に対応した関心領域の具体例を示す図である。 流入ラインと流出ラインの他の具体例を示す図である。 速度ベクトル分布の具体例を示す図である。 フレーム列を説明するための図である。 フレーム間の補間処理を説明するための図である。 複数粒子の生成を説明するための図である。 各粒子の移動先の演算の具体例を説明するための図である。 各粒子の移動先の演算の例外処理を説明するための図である。 各粒子の移動先の演算の終了条件を説明するための図である。 波面ラインの具体例を示す図である。 血流表示画像の具体例を示す図である。 健常例と疾患例の血流表示画像を示す図である。 粒子距離グラフの具体例を示す図である。 生成位置に応じた色付け処理の具体例を説明するための図である。
図1は、本発明の実施において好適な超音波診断装置の全体構成図である。図1の超音波診断装置は、血流(血液の流れ)の移動情報を得る機能を備えており、特に、生体の心臓内における血流の診断に好適である。
プローブ10は、例えば生体内の心臓などの診断対象を含む領域に超音波を送受波する超音波探触子である。プローブ10は、複数の振動素子を備えており、複数の振動素子が電子的に走査制御されて、心臓を含む空間内で超音波ビームが走査される。プローブ10は、例えば、医師等のユーザ(検査者)に把持されて被検者の体表面上に当接して用いられる。なお、プローブ10は、被検者の体腔内に挿入して用いられるものであってもよいし、電子的な走査と機械的な走査とを組み合わせた探触子であってもよい。プローブ10としては例えばコンベックス型が望ましいもののセクタ型やリニア型等であってもよい。
送受信部12は、送信ビームフォーマーおよび受信ビームフォーマーとしての機能を備えている。つまり、送受信部12は、プローブ10が備える複数の振動素子の各々に対して送信信号を出力することにより送信ビームを形成し、さらに、複数の振動素子から得られる複数の受波信号に対して整相加算処理などを施して受信ビームを形成する。これにより、超音波ビーム(送信ビームと受信ビーム)が走査面内において走査され、超音波ビームに対応した受信信号が形成される。
なお、送受信部12において、超音波の受信信号に対して、検波処理やフィルタ処理やAD変換処理等が施されてもよい。また、超音波の受信信号を得るにあたって、超音波ビームが三次空間内で立体的に走査されてもよいし、送信開口合成等の技術が利用されてもよい。
超音波画像形成部20は、走査面内から得られる超音波の受信信号に基づいて、超音波画像のデータ(画像データ)を形成する。超音波画像形成部20は、例えば、検波処理やフィルタ処理やAD変換処理等が施された超音波の受信信号に基づいて、Bモード画像用のフレームデータを形成する。もちろん、Bモード画像以外の公知の超音波画像に係る画像データが形成されてもよい。
ドプラ処理部30は、超音波ビームに対応した受信信号に含まれるドプラシフト量を計測する。ドプラ処理部30は、例えば公知のドプラ処理により、血流によって超音波の受信信号内に生じるドプラシフトを計測し、血流についての超音波ビーム方向の速度情報(ドプラ情報)を得る。
速度ベクトル演算部40は、血流についての超音波ビーム方向の速度情報から、走査面内における2次元の速度ベクトルの分布を形成する。速度ベクトル演算部40は、例えば特許文献1(特開2013−192643号公報)に説明されるように、血流についての超音波ビーム方向の速度情報に加えて、心臓壁の運動情報を利用して、走査面内の各位置における血流の2次元速度ベクトルを得る。
なお、超音波ビーム方向に沿った1次元の速度情報を利用して、走査面内における2次元の速度ベクトルの分布を形成するにあたっては、公知の様々な手法を利用することができる。もちろん、互いに方向が異なる2本の超音波ビームを形成して、2本の超音波ビームの各々から速度情報を得て、2次元の速度ベクトルを形成するようにしてもよい。
速度ベクトル演算部40は、超音波が送受される空間に対応した演算用座標系において複数のサンプル点について、各サンプル点ごとに速度ベクトルを得る。例えば、演算用座標系をxyz直交座標系で表し、超音波の走査面に対応したxy平面内で、各サンプル点ごとに速度ベクトルを得て2次元の速度ベクトルの分布を形成する。なお、超音波の走査に対応した走査座標系、例えばビームの深さ方向rとビームの走査方向θによるrθ座標系において2次元の速度ベクトルの分布が形成されてもよい。
速度ベクトル演算部40は、複数のサンプル点(複数座標)に対応した速度ベクトルで構成される2次元の速度ベクトルの分布を示す各ベクトルフレームを生成する。また、速度ベクトル演算部40は、複数時相に亘って複数のベクトルフレームを次々に生成する。
内腔ライン設定部42は、超音波画像形成部20による処理で得られた画像データ内において心臓内腔の外縁となる内腔ラインを設定する。また流入流出ライン設定部44は、画像データ内において、心臓内腔へ流入する血流の流路に流入ラインを設定し、心臓内腔から流出する血流の流路に流出ラインを設定する。そして、内腔ラインと流入ラインと流出ラインにより囲まれた領域が関心領域とされる。
図2は、心臓内腔に対応した関心領域の具体例を示す図である。図2には超音波画像形成部20において得られる画像データ22の具体例が図示されており、図2の画像データ22内には、周囲を心筋や弁によって囲まれた心臓左室の内腔(心腔)が含まれている。
内腔ライン52は、心腔(例えば心臓左室の内腔)の外縁に対応した複数のトレースポイントに基づいて形成される。例えば、画像データ22に対応した表示画像が表示部82に表示され、医師等のユーザがその表示画像を見ながら操作デバイス90を利用して、心腔と心筋の境界上または境界付近にいくつかの(数個程度でよい)トレース基準ポイントを設定する。また、内腔ライン設定部42が、ユーザによって設定されたトレース基準ポイントに基づいて、例えば補間処理等によりトレース基準ポイント間に複数のトレースポイントを追加する。
そして、いくつかのトレース基準ポイントと追加された複数のトレースポイントからなる複数のサンプル点(例えば100点程度)に基づいて、内腔ライン設定部42が内腔ライン52を形成する。例えば、複数のサンプル点を互いに連結するように内腔ライン52が形成される。なお、画像データ22に対する二値化処理等の画像処理により、心腔と心筋の境界が特定され、その境界に沿って内腔ライン52が形成されてもよい。
流入ライン54と流出ライン56は、ユーザからの操作に応じて、流入流出ライン設定部44により設定される。例えば、画像データ22に対応した表示画像を見ながら、医師等のユーザが、流入ライン54と流出ライン56のそれぞれの始点Sと終点Eの位置を指定する。例えば、流入ライン54の始点Sと終点E、流出ライン56の始点Sと終点Eの順にこれら4点が設定される。
ユーザにより流入ライン54と流出ライン56のそれぞれの始点Sと終点Eの位置が設定されると、流入流出ライン設定部44は、内腔ライン52と流入ライン54を接続するように流入ライン54を設定し、内腔ライン52と流出ライン56を接続するように流出ライン56を設定する。
例えば、流入流出ライン設定部44は、流入ライン54の始点Sを、その始点Sに最も近い内腔ライン52上のサンプル点(トレースポイント又はトレース基準ポイント)の位置に移動し、流入ライン54の終点Eを、その終点Eに最も近い内腔ライン52上のサンプル点(トレースポイント又はトレース基準ポイント)の位置に移動する。
また、流入流出ライン設定部44は、流出ライン56の始点Sを、その始点Sに最も近い内腔ライン52上のサンプル点(トレースポイント又はトレース基準ポイント)の位置に移動し、流出ライン56の終点Eを、その終点Eに最も近い内腔ライン52上のサンプル点(トレースポイント又はトレース基準ポイント)の位置に移動する。なお、流入ライン54の終点Eと流出ライン56の始点Sとを結ぶ直線または曲線が形成されることが望ましい。
こうして、内腔ライン52と流入ライン54と流出ライン56によって囲まれた領域が形成され、その領域が関心領域とされる。なお、図2には、流入ライン54と流出ライン56を直線とする具体例を示したが、直線以外のラインが利用されてもよい。
図3は、流入ライン54と流出ライン56の他の具体例を示す図である。例えば、図3(A)に示す具体例のように、閉曲線の内腔ライン52が得られている場合には、図3(B)に示すように、始点Sと終点Eを内腔ライン52に沿って結んだ曲線状の流入ライン54と流出ライン56が形成されてもよい。
図1に戻り、内腔ライン速度演算部46は、超音波画像形成部20において形成された画像データに基づいて、内腔ライン(図2の符号52)上における心筋(心臓壁)の速度情報を生成する。内腔ライン速度演算部46は、内腔ライン上の複数サンプル点について、各サンプル点ごとに心筋の速度情報を生成する。
内腔ライン速度演算部46は、例えば、複数フレームに亘って得られる超音波画像の画像データのフレーム間において、画像データの画素値(輝度値等)に基づく相関演算等を利用したパターンマッチングにより、内腔ライン上の各サンプル点ごとに、複数フレームに亘ってそのサンプル点の移動位置を2次元平面内で追跡する。これにより、各サンプル点ごとに、2次元的な移動情報が得られ、例えば、フレーム間における移動量(移動ベクトル)とフレーム間の時間に基づいて、2次元の速度ベクトルが算出される。画像データがxy直交座標系に対応したデータであれば、xy直交座標系における速度ベクトルが算出され、画像データがrθ座標系に対応したデータであれば、rθ座標系における速度ベクトルが算出される。
また、内腔ライン速度演算部46による内腔ライン上の各サンプル点の追跡結果は、内腔ライン設定部42に送られ、内腔ライン設定部42は、複数サンプル点の移動に追従するように内腔ラインの形状を変化させる。
さらに、流入ライン54と流出ライン56のそれぞれの始点Sと終点E(図2参照)がそれらに対応した各サンプル点(内腔ライン上の各サンプル点)の移動に追従する。こうして、流入流出ライン設定部44により、内腔ラインの形状の変化に応じて、つまり画像データ内における心臓の運動に追従するように、流入ライン54と流出ライン56が設定される。
なお、速度ベクトル演算部40において、特許文献1に説明される手法により血流の2次元速度ベクトルを得る場合には、心臓壁の運動情報を利用するが、この場合には、心臓壁の運動情報として、内腔ライン速度演算部44において算出された内腔ライン上の各サンプル点における速度ベクトルが利用される。
補間処理部50と粒子生成部60と粒子演算部70における処理と機能については、後に図面を参照して詳述する。表示画像形成部80は、超音波画像形成部20から得られる超音波画像の画像データと、粒子演算部70から得られる演算結果に基づいて、血流表示画像を形成する、表示画像形成部80において形成された血流表示画像は表示部82に表示される。
制御部100は、図1の超音波診断装置内を全体的に制御する。制御部100による全体的な制御には、操作デバイス90を介して、医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付された各部)のうち、送受信部12,超音波画像形成部20,ドプラ処理部30,速度ベクトル演算部40,内腔ライン設定部42,流入流出ライン設定部44,内腔ライン速度演算部46,補間処理部50,粒子生成部60,粒子演算部70,表示画像形成部80の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
表示部82の好適な具体例は、液晶ディスプレイ等であり、操作デバイス90は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部100は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波診断装置の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の超音波診断装置により実現される機能の具体例について詳述する。なお、図1に示した構成(符号を付された各部)については、以下の説明において図1の符号を利用する。
図4は、速度ベクトル分布の具体例を示す図である。速度ベクトル演算部40は、例えば特許文献1(特開2013−192643号公報)に説明されるように、血流についての超音波ビーム方向の速度情報と心臓壁の運動情報を利用して、走査面内の各位置における血流の2次元速度ベクトルを得る。具体的には、ドプラ処理部30から得られる超音波ビーム方向の速度情報(ドプラ情報)と、内腔ライン速度演算部46から得られる内腔ライン52上の各サンプル点における速度情報に基づいて、例えば、図4に示す速度ベクトル分布が形成される。
図4に示す速度ベクトル分布は、心臓の内腔ライン52(図2参照)を含むxy座標系(直交座標系)で表現されており、xy座標系内の複数座標において算出された複数の速度ベクトル(血流の速度ベクトル)Vで構成されている。速度ベクトル演算部40は、例えば、超音波の走査に対応した走査座標系、例えばビームの深さ方向rとビームの走査方向θによるrθ座標系において2次元の速度ベクトル分布を形成してから、座標変換処理を行って図4に示すxy座標系の速度ベクトル分布を得る。
速度ベクトル演算部40は、複数のサンプル点(複数座標)に対応した速度ベクトルVで構成される各ベクトルフレーム、つまり2次元の速度ベクトル分布を示す各ベクトルフレームを生成する。速度ベクトル演算部40は、複数時相に亘って複数のベクトルフレームを次々に生成する。これにより、複数のベクトルフレームからなるベクトルフレーム列が得られる。
図5は、フレーム列を説明するための図であり、図5(A)には、ベクトルフレーム列の具体例が図示されている。図5(A)に示す具体例において、ベクトルフレーム列は、複数のベクトルフレーム(1〜5を代表的に図示)で構成される。
複数座標における速度ベクトルで構成された各ベクトルフレームは、ドプラ処理部30から得られる超音波ビーム方向の速度情報(ドプラ情報)を利用して生成される。ドプラ情報を得るにあたり、例えばカラードプラ法の送受信を利用すると、同じビーム方向に超音波が繰り返し送受されるため、例えばBモード画像を得る場合等に比べて、ドプラ情報を得る場合の送受信フレームレートは低くなってしまう。各ベクトルフレームを構成する速度ベクトルはドプラ情報を利用して算出されるため、ベクトルフレーム列のフレームレートも比較的低いものとなる。
そこで、補間処理部50により、ベクトルフレーム列に対してフレーム間補間処理が実行される。図5(B)は、フレーム間補間処理を施された補間後のフレーム列の具体例が図示されている。図5(B)に示す具体例において、補正後のフレーム列は、複数のベクトルフレーム(図5(A)に代表的に図示された1〜5)と、それらのベクトルフレーム間に追加された複数の補間フレームで構成される。各補間フレームは、互いに隣接する2つのベクトルフレーム間に速度ベクトルに基づく補間処理を適用して生成される。
なお、補間後のフレーム列のフレームレートは、例えば、表示部82における表示フレームレートに応じて決定するようにしてもよい。具体的には、例えば、表示フレームレートが60Hzであれば、補間後のフレーム列のフレームレートも60Hzとなるように、追加される補間フレームの枚数等が決定される。もちろん、表示フレームレートと補間後のフレーム列のフレームレートは必ずしも一致させる必要はない。
図6は、フレーム間の補間処理を説明するための図である。補間処理部50は、複数のベクトルフレームからなるベクトルフレーム列(図5参照)内において、互いに隣接する2つのベクトルフレーム間に補間処理を適用し、そのベクトルフレーム間に1又は複数の補間フレームを追加する。各補間フレームは、複数座標における補間ベクトルで構成される。
補間処理部50は、各座標ごとに、互いに隣接する2つのベクトルフレームから得られる当該座標に対応した2つの速度ベクトルに基づく補間処理により、当該座標に対応した補間ベクトルを算出する。
図6には、座標(x,y)におけるフレーム間補間処理の具体例が図示されている。図6において、ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)は、ベクトルフレーム列内において互いに隣接する2つのベクトルフレームである。図6に示す具体例では、ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)の間に、等間隔で4つの補間フレーム(1)〜(4)が追加される。ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)の時間間隔はΔTであり、ΔT内において4つの補間フレーム(1)〜(4)が等間隔Δtで追加される。したがって、ΔT=5×Δtとなる。
補間処理部50は、例えば、時間間隔に応じた線形補間により、各補間フレームを構成する補間ベクトルを算出する。例えば、ベクトルフレーム(n)内の座標(x,y)における速度ベクトル(x方向成分,y方向成分)が(Vx0,Vy0)であり、ベクトルフレーム(n+1)内の座標(x,y)における速度ベクトル(x方向成分,y方向成分)が(Vx1,Vy1)である場合に、補間フレーム(1)〜(4)の各々の座標(x,y)における補間ベクトルのx方向成分とy方向成分は、それぞれ数1式から数4式により算出される。
[数1]
補間フレーム(1)の座標(x,y)における補間ベクトル
x方向成分={(Vx0・4Δt)+(Vx1・Δt)}/5Δt
y方向成分={(Vy0・4Δt)+(Vy1・Δt)}/5Δt
[数2]
補間フレーム(2)の座標(x,y)における補間ベクトル
x方向成分={(Vx0・3Δt)+(Vx1・2Δt)}/5Δt
y方向成分={(Vy0・3Δt)+(Vy1・2Δt)}/5Δt
[数3]
補間フレーム(3)の座標(x,y)における補間ベクトル
x方向成分={(Vx0・2Δt)+(Vx1・3Δt)}/5Δt
y方向成分={(Vy0・2Δt)+(Vy1・3Δt)}/5Δt
[数4]
補間フレーム(4)の座標(x,y)における補間ベクトル
x方向成分={(Vx0・Δt)+(Vx1・4Δt)}/5Δt
y方向成分={(Vy0・Δt)+(Vy1・4Δt)}/5Δt
なお、数1式から数4式は、時間間隔に応じた線形補間を利用した場合における一つの具体例に過ぎず、他の数式を利用して線形補間が実現されてもよいし、線形補間以外の補間処理を利用して補間ベクトルが算出されてもよい。さらに、各座標における補間ベクトルを算出する際に、その座標以外の、例えばその座標近傍の速度ベクトルが参照されてもよい。また、例えば、ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)の間における補間処理に、これら2つのベクトルフレーム以外の、例えばこれら2つのベクトルフレームの近傍のベクトルフレーム内における速度ベクトルが利用されてもよい。
補間処理部50は、速度ベクトル分布が得られた複数座標について、各座標ごとにフレーム間補間処理を実行して補間ベクトルを得ることにより、複数座標における補間ベクトルで構成された各補間フレームを形成する。こうして、複数のベクトルフレームとそれらのベクトルフレーム間に追加された複数の補間フレームで構成される補間後のフレーム列(図5(B)参照)が得られる。そして、補間後のフレーム列に基づいて、血流に関する仮想的な複数粒子の移動先が算出される。仮想的な複数粒子は、粒子生成部60により生成される。
図7は、複数粒子の生成を説明するための図である。粒子生成部60は、血流が含まれる座標系内、つまり超音波画像と2次元速度ベクトル分布が形成された座標系内に、血流に関する複数粒子を設定する。粒子生成部60は、例えば、超音波画像内において心臓に対して設定された流入ライン54上に複数粒子を生成する。この場合には、流入ライン54が複数粒子を生成する生成ラインとなる。
例えば、図7に示す基本例のように、始点Sと終点Eを直線で結んだ流入ライン54上に、等間隔で一例に並ぶ複数粒子が生成される。例えば50個の粒子が流入ライン54上に等間隔で生成される。なお、流入ライン54の長さが50画素(ピクセル)以下の場合には、流入ライン54上の1画素につき1個の粒子が生成される。もちろん、50個以外の設定個数で複数粒子が生成されてもよい。ユーザが複数粒子の個数を設定又は変更できるようにしてもよい。
粒子生成部60は、特定の1フレームのみ(1時相のみ)で複数粒子を発生させることが望ましい。粒子生成部60は、例えば、演算の起点となる最初のフレームにおいて複数粒子を発生される。なお、粒子生成部60は、複数フレームに亘って定期的に各フレーム内に複数粒子を発生させてもよい。例えば、後に説明する血流表示画像の視認性を損なわない程度に数フレーム間隔で各フレーム内に複数粒子が生成されてもよい。
粒子生成部60により複数粒子が生成されると、粒子演算部70は、補正後のフレーム列(図5(B))に基づいて、各粒子ごとにその粒子の移動先を算出する。
図8は、各粒子の移動先の演算の具体例を説明するための図である。図8には、ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)の間に、等間隔で4つの補間フレーム(1)〜(4)が追加された補正後のフレーム列(図6参照)に基づく、一つの粒子Pに関する演算の具体例が示されている。
ベクトルフレーム(n)内において粒子Pが位置P0(座標P0)に存在する場合、例えばベクトルフレーム(n)内の位置P0に粒子Pが生成された場合、まず、位置P0における血流の速度ベクトルV0が利用される。ベクトルフレーム(n)を構成する複数座標の速度ベクトルの中に、位置P0(座標P0)に対応する座標の速度ベクトルが存在すれば当該速度ベクトルが速度ベクトルV0とされる。もし、位置P0に対応する座標の速度ベクトルがなければ、位置P0の近傍にある複数座標の速度ベクトルに基づく線形補間処理(フレーム内補間処理)等により速度ベクトルV0が算出される。
そして、速度ベクトルV0とフレーム間隔Δt(図6参照)を乗算することにより移動ベクトル(大きさが速度ベクトルV0のΔt倍で速度ベクトルV0と同じ方向)が算出され、位置P0からその移動ベクトルだけ移動した位置P1(座標P1)が導出される。これにより得られた位置P1が、ベクトルフレーム(n)の次のフレーム(次の時相)である補間フレーム(1)における粒子Pの位置(移動先の座標)となる。
次に、位置P1における血流の速度ベクトルV1が利用される。補間フレーム(1)を構成する複数座標の補間ベクトルの中に、位置P1(座標P1)に対応する座標の補間ベクトルが存在すれば当該補間ベクトルが速度ベクトルV1とされ、位置P1に対応する座標の補間ベクトルがなければ、位置P1の近傍にある複数座標の補間ベクトルに基づく線形補間処理(フレーム内補間処理)等により速度ベクトルV1が算出される。
そして、速度ベクトルV1とフレーム間隔Δtを乗算することにより移動ベクトル(大きさが速度ベクトルV1のΔt倍で速度ベクトルV1と同じ方向)が算出され、位置P1からその移動ベクトルだけ移動した位置P2(座標P2)が導出される。これにより得られた位置P2が、補間フレーム(1)の次のフレーム(次の時相)である補間フレーム(2)における粒子Pの位置(移動先の座標)となる。
補間フレーム(2)に続く補間フレーム(3)と補間フレーム(4)についても、上記と同様な処理が実行される。つまり、粒子Pの位置における速度ベクトル(V2,V3)とフレーム間隔Δtを乗算することにより得られる移動ベクトルに基づいて粒子Pの移動先の座標が算出される。図8の具体例において、補間フレーム(3)における位置P3と補間フレーム(4)における位置P4が粒子Pの移動先の座標である。
さらに、位置P4における血流の速度ベクトルV4が利用される。補間フレーム(4)を構成する複数座標の補間ベクトルの中に、位置P4(座標P4)に対応する座標の補間ベクトルが存在すれば当該補間ベクトルが速度ベクトルV4とされ、位置P4に対応する座標の補間ベクトルがなければ、位置P4の近傍にある複数座標の補間ベクトルに基づく線形補間処理(フレーム内補間処理)等により速度ベクトルV4が算出される。
そして、速度ベクトルV4とフレーム間隔Δtを乗算することにより移動ベクトル(大きさが速度ベクトルV4のΔt倍で速度ベクトルV4と同じ方向)が算出され、位置P4からその移動ベクトルだけ移動した位置P5(座標P5)が導出される。これにより得られた位置P5が、補間フレーム(5)の次のフレーム(次の時相)であるベクトルフレーム(n+1)における粒子Pの位置(移動先の座標)となる。
こうして、粒子演算部70は、ベクトルフレーム(n+1)の以降に続く複数フレーム(補間フレームまたはベクトルフレーム)においても、上記と同様な処理を実行し、後に説明する終了条件が満たされるまで、次々に粒子Pの移動先を導出する。また、粒子演算部70は、粒子生成部60が生成した複数粒子の各々について、各粒子が生成されたフレーム(時相)から、その粒子の移動先を導出する。
図8に示す具体例によれば、ベクトルフレーム間に複数の補間フレームが追加された補間後のフレーム列に基づいて各粒子の移動先が導出されるため、複数の補間フレームを追加しない場合に比べて、移動先の推定精度が高められる。
例えば、図8において補間フレーム(1)〜(4)を利用せずに、ベクトルフレーム(n)における粒子Pの位置P0から、速度ベクトルV0にベクトルフレーム間隔ΔT(図6参照)を乗算して得られる移動ベクトル(大きさが速度ベクトルV0のΔT倍で速度ベクトルV0と同じ方向)だけ移動した位置をベクトルフレーム(n+1)における粒子Pの移動先としてしまうと、図8の具体例で得られる位置P5(座標P5)とは大きく異なる移動先が得られてしまう。補間フレーム(1)〜(4)を利用しないと、ベクトルフレーム(n)とベクトルフレーム(n+1)との間における粒子Pの速度ベクトルの変化が反映されないためである。
図9は、各粒子の移動先の演算の例外処理を説明するための図である。粒子演算部70は、図8を利用して説明した基本処理により各粒子の移動先を導出するが、図9に示すように、各粒子の移動先が内腔ライン52を超えてしまう場合には、各粒子の移動先を内腔ライン52上または内腔ライン52の内側(心腔側)近傍に移動先を修正する。
例えば、図9に示す具体例のように、各フレーム(ベクトルフレーム又は補間フレーム)において粒子Pが位置P6にあり、基本処理により得られる次フレーム(ベクトルフレーム又は補間フレーム)における移動先が位置P7となる場合、つまり移動ベクトル(破線矢印)と内腔ライン52が交差する場合には、次フレームにおける移動先が位置P7から位置P7´に修正される。図9の具体例において、位置P7´は、内腔ライン52と移動ベクトルの交点であるが、当該交点の近傍に、例えば内腔ライン52の内側(心腔側)の近傍が位置P7´とされてもよい。
図10は、各粒子の移動先の演算の終了条件を説明するための図である。粒子演算部70は、図8を利用して説明した基本処理と図9を利用して説明した例外処理により各粒子の移動先を次々に導出し、図10に示すように、各粒子の移動先が流出ライン56を通過した場合に、その粒子の移動先の演算を終了する。
例えば、図10に示す具体例のように、各フレーム(ベクトルフレーム又は補間フレーム)において粒子Pが位置P8にあり、次フレーム(ベクトルフレーム又は補間フレーム)における移動先が位置P9となる場合、つまり移動ベクトル(破線矢印)と流出ライン56が交差する場合に、粒子演算部70は、次フレームにおける移動先を位置P9から位置P9´に修正して、粒子Pの移動先の演算を終了する。
なお、図10の具体例において、位置P9´は、流出ライン56と移動ベクトルの交点であるが、当該交点の近傍、例えば流出ライン56の上側(心腔側)の近傍が位置P9´とされてもよい。
粒子生成部60により複数粒子が生成され、粒子演算部70により各粒子ごとにその粒子の複数時相(複数フレーム)に亘る移動先が次々に算出されると、表示画像形成部80は、複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流表示画像を形成する。表示画像形成部80は、複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通る波面ラインにより、それら複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流表示画像を形成する。
図11は、波面ラインの具体例を示す図である。図11には、始点Sと終点Eを直線で結んだ流入ライン54上に生成された複数粒子(1)〜(18)が図示されている。図11において、各黒丸(塗りつぶされた円)が各粒子の生成位置を示している。なお、流入ライン54上には、例えば50個の粒子が生成されるが、図11においては、図示の都合上により18個のみが示されている。
粒子演算部70により各粒子ごとにその粒子の複数時相(複数フレーム)に亘る移動先の座標値が次々に算出される。図11には、ある1時相(1フレーム)における複数粒子(1)〜(18)の移動先が図示されている。図11において、各破線円が各粒子の移動先を示している。
表示画像形成部80は、各時相ごとに、複数粒子(1)〜(18)の移動先に対応した複数の位置を通る波面ラインWを形成する。例えば、図11に示す具体例のように、生成時に隣接していた2粒子間を直線で結び、複数粒子(1)〜(18)を折れ線で結んだ波面ラインWが形成される。なお、複数粒子(1)〜(18)の移動先を通る曲線や、複数粒子(1)〜(18)の移動先の近傍を通る近似曲線などにより、波面ラインWが形成されてもよい。また、追跡された全ての粒子のうちのいくつかの粒子に基づいて波面ラインWが形成されてもよい。
図11には、複数時相のうちの1時相のみの波面ラインWが図示されているが、表示画像形成部80は、複数時相に亘って各時相ごとに、その時相における複数粒子(1)〜(18)の移動先に対応した複数の位置を通る波面ラインWを形成し、波面ラインWを示した血流表示画像を形成する。
図12は、血流表示画像の具体例を示す図である。表示画像形成部80は、複数時相に亘って各時相ごとに波面ラインWを形成し、例えば、超音波画像形成部20から得られる心臓の超音波画像上に波面ラインWを示した血流表示画像を形成する。また、ドプラ処理部30から得られるドプラ情報を利用して形成されるカラードプラ画像上に波面ラインWを示した血流表示画像が形成されてもよい。
図12には、流入ライン54上に生成された複数粒子に関する複数時相の波面ラインW1〜W5が図示されている。例えば、補間後のフレーム列(図5参照)の各フレームごとに、波面ラインW1,W2,W3,W4,W5,・・・の順に波面ラインWが次々に形成される。
なお、波面ラインWが形成される時相間隔の好適な具体例は、補間後のフレーム列(図5参照)のフレーム間隔であるが、波面ラインWが形成される時相間隔は、例えば20mSec(20ミリ秒)等の任意の時間に設定されてもよいし、例えばユーザが好みの長さに調整できるようにしてもよい。
さらに、血流表示画像内に一度に(同じ表示フレームで)表示させる波面ラインWの個数(図12の具体例では5個)や、一度に表示させる波面ラインWの選択条件(どの時相からどの時相までを表示させるか等)についても、例えば、診断内容やユーザの好み等に応じて適宜に調整されることが望ましい。
医師や検査技師などのユーザは、血流表示画像から、例えば、複数粒子のうちのどの粒子が心臓内のどの部分に到達しているのか等を視覚的に直感的に把握することが可能になる。そのため、血流表示画像は、心臓に関する様々な疾患の発見や診断への利用が期待される。
図13は、健常例と疾患例の血流表示画像を示す図である。図13<A>に示す健常例は、健常な心臓の左室内における血流表示画像の具体例であり、画像内の僧帽弁上または僧帽弁の近傍に流入ライン54が設定されている。図13<A>の健常例では、流入ライン54上に発生した複数粒子の波面ラインWが、左室内(内腔ライン52内)において、全体的に広がるように形成されている。つまり、僧帽弁を介して左室内に流れ込んだ血流が、左室内の全体に広く行きわたっている。
これに対し、図13<B>に示す疾患例は、例えば、心筋梗塞などにより心臓壁の動きが健常ではない心臓の左室内における血流表示画像の具体例である。図13<B>の疾患例では、流入ライン54上に発生した複数粒子の波面ラインWが図の左側に偏っている。つまり、僧帽弁を介して左室内に流れ込んだ血流が、左室内の全体に行きわたっていないことが分かる。
また、図13<C>に示す疾患例は、瘤ができた心臓の左室内における血流表示画像の具体例である。図13<C>の疾患例では、瘤の領域に血液が流れていない又は血流が不足していることが分かる。
このように、血流表示画像から視覚的に心臓の状態を診断できることが期待される。なお、実際の診断においては、医師等の専門家の診断により症例等が判別されるべきことは言うまでもない。
また、表示画像形成部80は、複数粒子の各粒子ごとに、その粒子の生成位置から移動先までの距離を示した粒子距離グラフを形成する。
図14は、粒子距離グラフの具体例を示す図である。表示画像形成部80は、例えば図14に示す具体例のように、各粒子の生成位置を横軸に示し、各粒子の距離を縦軸に示した粒子距離グラフを形成する。
流入ライン54上に複数粒子が生成されていれば(図7,図11参照)、図14に示す粒子距離グラフの横軸が流入ライン54に対応する。
縦軸の距離は、各粒子が生成された位置(例えば流入ライン54上)から、その粒子の移動先までの距離であり、例えば、各粒子の生成位置から移動先までの直線距離が好適であるものの、各粒子の生成位置から移動先までの移動距離(追跡された経路に沿った距離)が利用されてもよい。図14に示す具体例では、各粒子の距離が破線直線の長さで示されている。
表示画像形成部80は、複数時相に亘って各時相ごとに複数粒子の距離を示した粒子距離グラフを形成する。例えば、図14に示す具体例のように、時相1,2,3,4,5,6,・・・の順に、各時相ごとに複数粒子の距離が示される。なお、図14の具体例では各時相ごとに示され得る黒丸(塗りつぶされた円)の位置が各粒子の距離を示している。
図14の粒子距離グラフには、複数粒子に関する各粒子の最大距離が示される。粒子距離グラフ内において各粒子の距離の最大値が維持(ピークホールド)され、複数粒子の最大距離を折れ線または曲線で結んだ最大距離ラインが形成される。
さらに、表示画像形成部80は、血流表示画像(図12,図13)と粒子距離グラフ(図14)に対して、各粒子が生成された位置に応じた色付け処理を施す。
図15は、生成位置に応じた色付け処理の具体例を説明するための図である。図15には、血流表示画像と粒子距離グラフに対する色付け処理に利用されるカラーパレットの具体例が図示されている。
図15のカラーパレットには、各粒子が生成された位置を横軸として各位置における色が対応付けられている。流入ライン54上に複数粒子が生成されていれば(図7,図11参照)、図15に示すカラーパレットの横軸が流入ライン54に対応する。つまり、カラーパレット内には、始点Sから終点Eまでの流入ライン54上の各位置に対応した色が示される。
RGBカーブ(1)は、カラーパレット内における配色パターンの具体例である。RGBカーブ(1)の横軸はカラーパレットと同じであり、始点Sから終点Eまでの流入ライン54上の各位置に対応している。また、RGBカーブ(1)の縦軸は、赤(R),緑(G),青(B)の各原色の輝度値を示している。
RGBカーブ(1)では、始点Sの位置において、青の輝度値が最大値(例えば255)とされ、緑と赤の輝度値が最小値(例えば0)とされる。また、始点Sの位置から中間位置Mにかけて、青の輝度値を低下させつつ緑の輝度値を増加させ、中間位置Mにおいて緑の輝度値が最大値とされ、青と赤の輝度値が最小値とされる。さらに、中間位置Mから終点Eの位置にかけて、緑の輝度値を低下させつつ赤の輝度値を増加させ、終点Eの位置において、赤の輝度値が最大値とされ、青と緑の輝度値が最小値とされる。
また、RGBカーブ(2)に示すように、オフセットを加えることにより赤(R),緑(G),青(B)の各原色の輝度値を全体的に上昇させてもよい。オフセットの大きさは例えば、輝度値の最大値と最小値の差の1/3程度とされる。もちろん、オフセットの大きさを例えばユーザが調整できるようにしてもよい。
表示画像形成部80は、血流表示画像(図12,図13)と粒子距離グラフ(図14)に対して、例えば図15のカラーパレットに従って色付け処理を施す。
表示画像形成部80は、血流表示画像内の各時相に対応した波面ラインW内において、各粒子の移動先に対応したライン部分をその各粒子が生成された位置に応じた色で表現する。例えば、図11に示す波面ラインW内において、粒子(1)の移動先(破線円)の近傍におけるライン部分を、粒子(1)が生成された位置(塗りつぶし円)に対応した色で表現する。粒子(1)が生成された位置に対応した色は、例えば図15のカラーパレットから選択される。同様に、図11に示す波面ラインW内における他のライン部分についても、その部分における粒子(破線円)が生成された位置(塗りつぶし円)に対応した色が割り当てられる。
また、表示画像形成部80は、各粒子の距離をその各粒子が生成された位置に応じた色で表現した粒子距離グラフを形成する。例えば図14に示す粒子距離グラフ内において、各粒子の距離を示す破線直線をその粒子が生成された位置に対応した色で表現する。各粒子が生成された位置に対応した色は、例えば図15のカラーパレットから選択される。なお、粒子距離グラフ内に示される最大距離ラインにも、各粒子が生成された位置に対応した色付け処理を施すことが望ましい。
そして、血流表示画像と粒子距離グラフに対して共通のカラーパレット(例えば図15のカラーパレット)を利用することにより、血流表示画像内における各粒子と粒子距離グラフ内における各粒子との対応関係が視覚的に把握することが容易になる。
表示画像形成部80は、血流表示画像と粒子距離グラフを並べた表示画像を形成してもよいし、血流表示画像と粒子距離グラフを個別に示した表示画像を形成してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 プローブ、12 送受信部、20 超音波画像形成部、30 ドプラ処理部、40 速度ベクトル演算部、42 内腔ライン設定部、44 流入流出ライン設定部、46 内腔ライン速度演算部、50 補間処理部、60 粒子生成部、70 粒子演算部、80 表示画像形成部、100 制御部。

Claims (6)

  1. 超音波を送受して得られた信号に基づいて心臓の心腔内における血流の血流ベクトルを得るベクトル演算部と、
    前記心腔内における血流の仮想的な複数粒子を生成する粒子生成部と、
    前記血流ベクトルに基づいて前記各粒子の移動先を導出する粒子演算部と、
    前記複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した血流画像を形成する画像形成部と、
    を有し、
    前記画像形成部は、前記複数粒子の各粒子ごとに当該粒子の生成位置から移動先までの距離を示したグラフを形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置において、
    前記画像形成部は、前記複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通るラインを示すことにより、当該ラインにより当該複数粒子の移動先を互いに結び付けて示した前記血流画像を形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の超音波診断装置において、
    前記画像形成部は、前記ライン上において前記各粒子の移動先に対応したライン部分を当該各粒子が生成された位置に応じた色で表現した前記血流画像を形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項2または3に記載の超音波診断装置において、
    前記画像形成部は、複数時相に亘って各時相ごとに当該時相における前記複数粒子の移動先に対応した複数の位置を通る前記ラインを形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記画像形成部は、前記各粒子の生成位置を一方軸に示して前記各粒子の距離を他方軸に示した前記グラフを形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項に記載の超音波診断装置において、
    前記画像形成部は、前記各粒子の距離を当該各粒子が生成された位置に応じた色で表現した前記グラフを形成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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