JP6598250B2 - ナノインプリントリソグラフィ用モールドパターンの設計方法 - Google Patents
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Description
ナノインプリントリソグラフィは、パターンが形成されているモールドを、基板上の樹脂に押しつけることで、パターンの反転形状を転写する手法である。ナノインプリントリソグラフィでは、形状を転写した際に形成される転写パターンは残膜(パターン形成時に基板上に残る樹脂層)と呼ばれる部分を有する。
パターンドメディアやフォトニッククリスタルのような、パターンの粗密が均一な場合には均一な厚みの残膜を実現することは容易であるが、パターンに粗密がある場合では、転写パターンにおける残膜の厚みは不均一になる。
このモールドを基板上の均一な厚さのインプリント成形樹脂に押し付けると、樹脂がパターンの内部に完全に充填された後、逃げ場を失った樹脂は基板上に残留して残膜となる。
モールドのパターン密度が低いほどパターン形成に使用される樹脂量が少ないため、その残留物である残膜はパターン密度が低いほど厚くなる。図1に示すように、左側のパターンほど残膜が厚くなり、右側のパターンほど残膜が薄くなるというように、ナノインプリントではモールドのパターン密度に応じて残膜の厚さに差が生じてしまう。
さらに、残膜の厚さの変動があまりに大きい場合などでは、厚い残膜の除去中に薄い残膜部分の残すべき転写パターンそのものが除去されてしまう恐れもある。
これまでに残膜厚の不均一化を抑止する方法として、パターンの粗密に応じてウエハに適応的に樹脂を供給する手法や、モールドへのダミーパターンの追加、パターンの再配置によりパターン密度を均一化する手法などが提案されている。
特許文献2には、一定面積におけるモールド凹部の容積を均一化して、パターンにおける開口率の変化に関わりなく残膜を均一化することが提案されている。
特許文献1で提案されてインクジェット方式では、必要な樹脂量を算出するプログラムの開発とともに、樹脂量を精緻にコントロールするためのハードウエアに多大なコストを要し、さらに、成形材料をインクジェットにより液滴状にして飛ばすため成形材料は低粘度でなければならないという制限がある。
そこで、本発明の目的は、容積均一化モールドの製作方法において、モールド面上に形成する所望のパターンを作製するためのパターンデザインがいかに複雑であっても、これを部分的に覆う重畳パターンWijを、自動的に生成することで、複雑な密度分布のデバイスパターンに対してもパターン容積の均一化を低コストで実現することにある。
(1)モールド表面を複数の要素セル(Cij)に分割し、各要素セル(Cij)のそれぞれについて、元パターン(Pij)のパターン密度(Aij)を算出し、このパターン密度(Aij)の最大値(Amax)と最小値(Amin)を検出する第1の工程
(2)パターン密度(Aij)が0<Aij<1の要素セル(Cij)に対し、パターン密度(Aij)の最大値(Amax)と最小値(Amin)に基づいて、元パターン(Pij)におけるパターン容積を均一化する補助パターン(Qij)の加工深さ(dB)を算出する第2の工程
(3)補助パターンの加工深さ(dB)が加工可能範囲外にあるとき、第1の工程における要素セルを再分割し、補助パターンの加工深さ(dB)が加工可能な範囲内になるまで、再分割を繰り返す第3の工程
(4)補助パターンが加工可能範囲内にあるとき、当該セル内に補正用重畳パターン(Wij)の初期値を設定し、ブーリアン処理により、当該補正用重畳パターン(Wij)内で設定される補助パターンの加工深さ(dB)に基づいて、当該セルのパターン容積が均一化(最大パターン密度のセルのパターン容積と一致)するか否かを判断する第4の工程
(5)前記パターン容積が均一化されないとき、前記補正用重畳パターンのサイズを拡大または縮小し、前記パターン容積が均一化されるまで前記第4の工程を繰り返す第5の工程
(6)前記第5の工程により前記パターン容積が均一化されたとき、補助パターン(Qij)を決定する第6の工程
なお、図2は、要素セルCij内でのPijのパターン密度Aijが、最小値Amin=0.25となる(a)から、最大値Amax=1となる(f)のモデルケースを示している。
Pijを形成するマスクを第1マスクとし、Pijに対し、一部重複する部分集合をなすQijのパターンを形成するマスクを第2マスクとする。モールド加工では第1マスクによりPijの元パターンをモールドに彫り込んだ後、第2マスクにより、補助パターンQijがPijの所定の部分に重畳するように配置され、追加的な彫り込み加工が行われる。
第1マスクを利用した元パターンPijの加工深さをdAとし、第2マスクを利用した補助パターンによる加工深さをdBとすると、補助パターンQijはパターンPijに重畳しているため、補助パターンQijの最終的な深さdBfは、パターンPijの初めの加工深さdAと補助パターンQijによる追加の加工深さdBの和となる。
元パターンPijの密度をAij、補助パターンQijの密度をBijとするとVijは、次の式1で表すことができる。
Vij=Sc×Aij×dA+Sc×Bij×dB・・・・・(式1)
ここで、dBとdAの比をRとおき、dB=R×dAを代入すると、Vijは次の式2で表される。
Vij=Sc×Aij×dA+Sc×Bij×(R×dA)
=Sc×(Aij+Bij×R)×dA・・・・・(式2)
また、Bijは、元パターンPijの部分をなす補助パターンQijのパターン密度であるので、必ず、0≦Bij≦Aijである。
Vij=Sc×(Aij+(t×Aij)×R)×dA
=Sc×Aij×(1+t×R)×dA・・・・・(式3)
Aminなる要素セルCijでは、Qij=Pijとして追加工を行い、Amaxなる要素セルCijではQij=φ(空集合)として全く追加工を行わないことを考えると、AminなるCijの容積Vmin、AmaxなるCijの容積Vmaxは、それぞれt=1およびt=0の場合に相当し、VminおよびVmaxはそれぞれ次の式4、式5で表される。
Vmin=Sc×Amin×(1+1×R)×dA・・・・・(式4)
Vmax=Sc×Amax×(1+0×R)×dA・・・・・(式5)
このとき容積が均一になるためには、Vmin=Vmaxとおき、次の式6によって決定されるRを採用することが必要である。
R=(Amax/Amin)−1・・・・・(式6)
V=Sc×Amax×dA・・・・・(式7)
任意の要素セルCijの容積Vijは、式3に基づいて次の式8で表される。
Vij=Sc×Aij×(1+t×((Amax/Amin)−1)×dA・・・・・(式8)
これがVに一致するtを求めるには、次の式9のようにV=Vijとおき、
Sc×Amax×dA=Sc×Aij×(1+t×((Amax/Amin)−1)×dA・・・(式9)
式9をtについて解けば良く、Vij=Amax×dAとなるtは,次の式10により、決定することができる。
t=(Amin/Aij)(Amax−Aij)/(Amax−Amin)・・・・・(式10)
すなわち、図2において、Amin(t=1)となる(a)ではQijとしてPijを、Amax(t=0)となる(f)では、Qijとしてφ(空集合)を、Aij(0<t<1)となる(b)から(e)では、QijとしてPijの一部をパターンとすることで、容積均一化が実現できることが分かる。
より具体的には、(a)Amin=0.25、(f)Amax=1の場合、式6よりR=3であり、(a)から(f)のパターン密度Aijがそれぞれ、0.25、0.33、0.5、0.66、0.75、1に対して、式10よりtが1、0.66、0.33、0.16、0.11、0となり、補助パターンの密度Bijはその積の0.25、0.22、0.17、0.11、0.08、0.00となる。
所望のパターン密度Bijは上述に従い一意に決定できるが、補助パターンQijや重畳パターンWijは無数に存在する。
図3と図4は、それぞれ第2マスクパターンの設計方法において、前処理工程と補正用重畳パターンおよび補助パターンの発生工程をそれぞれ示すフローチャートである。
また、図5は所望デバイスチップI(a)を矩形要素セル(Cij)に分割した状態(b)を示している。
図3のステップ1では、まず、図5(a)に示す所望デバイスチップIの表面を、例えば、図5(b)のように分割する。この例では、例えば、GDSII形式で表された描画データ上の元パターンである1段目パターンを16の矩形要素セル(Cij)に分割し、各Cijに含まれるパターン群をPijとする。
続いて、要素セル面積SCの上限Slim、R(1段目パターンと2段目補助パターンの加工深さの比;dB/dA)、実効的なパターン密度の許容誤差Eを、例えば、以下のように設定する。
すなわち、要素セル面積SCの上限Slimを成形の際の樹脂の変形挙動(流動距離等)に基づいて設定する。例えば、東洋合成社製のナノインプリント用樹脂(PAK−01)を用いる場合、Slimは1mm2以下とする。
セル内に存在する溝のアスペクト比が高く、第2マスクを利用した加工深さdBが非常に大きい場合は、エッチング中にレジストが失われてしまうため、実質的に加工が不可能であり、補助パターンの加工深さ制限を示す指標として、1段目パターンと2段目補助パターンの加工深さの比R=(dB/dA)に基づいて、例えば、R≦4など上限値を設定する。
また、実効的なパターン密度の誤差に対し、許容誤差±E(例えば、±0.01)を設定する。
次に、すべてのセルCijについて、パターン密度Aijを算出し、その最大値(Amax)と最小値(Amin)を検出する。
図5(b)の例では、パターン密度Aijは、上から1段目、左から1列目のセルから、上から4段目、左から4列目のセルまで順番に選定される対象セルにおけるパターン密度で、この場合、16個のセルのパターン密度を求めてメモリに記録し、その中から最大値(Amax)と最小値(Amin)を抽出する。
なお、図5の例では、デバイスチップIの全体形状が矩形であるが、チップの外縁や、パターンが存在しない領域の外縁がパターンが形成された領域内に任意の形状で点在するような場合は、手動あるいは自動解析により解析範囲を設定する。
無図形セルがない場合(任意のセルCijでAij≠0)、ステップS3に進み、Amax/Amin≦1+R(式6参照)が満たされているかを判断することによって、補助パターン加工深さdBが加工可能範囲内であるかを確認する。
Amax/Amin≦1+Rの条件が満たされている場合、ステップS4に進み、満たされていない場合、つまり、加工可能範囲外と判断された場合には、ステップS1に戻り、セルを拡大し(例えば、セルの幅を2倍とする等)、ステップS3の条件をクリアするまで、工程を繰り返す。
ステップS4では、分割された矩形の面積SCが上限値Slimに対し、SC≦Slimを満たしているかを確認する。満たされている場合、容積均一化が可能であるということで、図4のステップS6に進み、満たされていない場合、つまり、要素セルの面積が制限値を超えた場合、容積均一化が不適当であるため、そのまま終了する。
一方、ステップS2において、無図形セルが存在する場合(あるセルCijでAij=0)、S5に進み、Aij=0なるセルの存在の許容可否を判断する。ここで、Aij=0となるセルの存在を許容しない場合、S1に戻り、Aij=0なるセルが存在しないように、例えば、セルの幅を2倍とする等、セルを拡大する処理を行う。
一方、Aij=0なるセルを許容する場合、Aij≠0なる最小のAijをAminとし、Aij=0なるCijを除外し、後述する図8のステップS11により別途処理する。
あるセルCijにおいて、Aij≠Aminの場合、ステップS7に進み、Aij=Aminの場合には重畳パターン(Wij)はCijと同一の矩形とする。
あるセルCijにおいて、Aij≠Amaxの場合、ステップS8に進み、Aij=Amaxの場合、Wijは面積0の矩形になる。
ステップS8では、ブーリアン処理のための、初期値となる補正用重畳パターンWijを発生させる。補正用重畳パターンWijの生成例を図7に示す。
例えば、図7(a)、(b)で示すように、チップを要素セルに分解し、図7(c)で示すように、あるセルCijについて、初期値となる重畳パターンWijを発生させ、図7(d)で示すように、Wijとパターン群Pijとのブーリアン積となる補助パターン群Qijを発生させる。
例えば、初期補正用重畳パターンの図形は、セルと同じ中心点を有する矩形にする。また、初期補正用重畳パターンの図形における一片の長さは、例えば、セルの1/2にする。
ステップS9では、セルの容積が均一化するか否かを判断する。
ここでは、あるセルCijについて、パターン群Qijのパターン密度Bijを計算した後、容積均一化補正後の実効的なパターン密度(Aij+R・Bij)を計算する。ここで得られた、重畳パターンの密度が、S1で決めた実効的なパターン密度の許容誤差±E(例えば、±0.01)内であるか確認する。
Amax−E<(Aij+R・Bij)<Amax+Eが成立している場合には、ステップS10に移動する。
容積均一化が成立していないと判断されたセル領域内については、図7(f)で示すように、補正用重畳パターンサイズを増加(Over補正)あるいは減少(Under補正)しながら、図7(c)から図7(e)で示すような、図形の重ね合わせによるブーリアン演算を繰り返す。
例えば、Amax−E<(Aij+R・Bij)の条件が成立していない場合、S8に戻り、Wijを大きくし、上述の工程を繰り返し、(Aij+R・Bij)<Amax+Eの条件が満たされない場合には、S8に戻り、Wijを小さくし、上述の工程を繰り返す。
ステップS10では、あるセルCijについての補正用重畳パターンWij、補助パターン群Qijを例えばGDSIIファイル形式で出力する。
以上までは、特許文献2で提案したように、第1マスク、第2マスクにより、エッチングを行い、パターンと第2段補正パターンを形成する例を前提としていた。
この方式では、第1マスクパターニングのマスクとして採用するCr等を除去せず、第2マスクを用いて、追加的にドライエッチングを行うことで溝の深さを変化させている。
このように、既に形成されているCr膜マスクパターンを再利用し、既に形成した溝部分を追加的にエッチングするセルフアライメントプロセスとなっているため、高精度の描画位置制御は必要ない。しかし、プロセスの特徴上、第1マスクパターニングの際に、パターンがない領域については、Cr膜の存在のため、第2パターニングの際にはエッチングができない。
一方、離型工程制御やアライメントパターン形成等の場合には、ステップS13に移動し、任意パターンの追加を手動で行う。
Aij=0なるCij領域内に、モールド面内のパターン密度均一化を目的にダミーパターンを形成する場合、加工プロセスのサイクルや費用の面において、ダミーパターンの加工深さ(dC)はパターンが存在する領域においての補助パターンQijの加工深さ(dB)と同じにすることが望ましい。また、ダミーパターンの密度Dijは、密度分布が異なる他パターン領域とモールド凹み部の容積を均一化することにより、求められる。例えば、図9で示すように、図中のダミーパターン(Xij)により、図2の任意パターン領域と、容積を均一化させた場合、Dijは0.33となる。なお、図中、Aijは元パターン密度、dAは加工深さ、Xijはダミーパターン、dC(= dB)は加工深さ、hiは初期膜厚、hrは残膜厚である。
最終的に、補助パターンの図面を例えばGDSII形式で出力する。
ステップS13では、Aij=0なるCij領域内に、手動で任意パターンを入力し、最終的に第2マスクパターンを例えばGDSII形式で出力する。
Claims (3)
- モールド表面を複数の要素セル(Cij)に分割し、各要素セル(Cij)のそれぞれについて、元パターン(Pij)のパターン密度(Aij)を算出し、このパターン密度(Aij)の最大値(Amax)と最小値(Amin)を検出する第1の工程、
前記パターン密度(Aij)が0<Aij<1の要素セル(Cij)に対し、パターン密度(Aij)の最大値(Amax)と最小値(Amin)に基づいて、前記元パターン(Pij)におけるパターン容積を均一化する補助パターン(Qij)の加工深さ(dB)を算出する第2の工程、
前記補助パターンの加工深さ(dB)が加工可能範囲外にあるとき、前記第1の工程における要素セルを再分割し、前記補助パターンの加工深さ(dB)が加工可能な範囲内になるまで、再分割を繰り返す第3の工程、
前記補助パターンが加工可能範囲内にあるとき、当該セル内に補正用重畳パターン(Wij)の初期値を設定し、ブーリアン処理により、当該補正用重畳パターン(Wij)内で設定される前記補助パターンの加工深さ(dB)に基づいて、当該セルのパターン容積が均一化するか否かを判断する第4の工程、
前記パターン容積が均一化されないとき、前記補正用重畳パターン(Wij)のサイズを拡大ないし縮小し、前記パターン容積が均一化されるまで前記第4の工程を繰り返す第5の工程、
前記第5の工程により前記パターン容積が均一化されたとき、前記補正用重畳パターン(Wij)および前記補助パターン(Qij)を決定する第6の工程からなるナノインプリントリソグラフィ用モールドパターン設計方法。 - 前記第2の工程において、前記パターン密度(Aij)が0<Aij<1の場合、前記補助パターン(Qij)の元パターン(Pij)に対する占有率tに基づいて、前記補助パターン(Qij)の加工深さ(dB)を算出する請求項1に記載されたナノインプリントリソグラフィ用モールドパターン設計方法。
ただし、t=(Amin/Aij)(Amax−Aij)/(Amax−Amin)とし、各要素セル(Cij)における前記元パターン(Pij)のパターン密度をAij、前記補助パターン(Qij)のパターン密度をBijとしたとき、Bij=t×Aij(0≦t≦1)とする。 - 前記元パターン(Pij)の前記パターン密度(Aij)が0(パターンが存在しない)の場合、パターン密度を均一化するため、ダミーパターンを生成する請求項1あるいは請求項2に記載されたナノインプリントリソグラフィ用モールドパターン設計方法。
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