JP6593395B2 - 蓄圧器用ライナー、蓄圧器、複合容器蓄圧器、および蓄圧器用ライナーの製造方法 - Google Patents
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Description
C :0.30〜0.60%、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.5〜3.0%、
P :0.0005〜0.060%、
S :0.0001〜0.010%、
N :0.0001〜0.010%、および
Al:0.01〜0.08%、を含有し、
残部Feおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、
肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイト面積分率の合計が70%以上、かつ、フェライト面積分率が30%未満である金属組織を有する鋼材からなり、
長手方向中央部における肉厚が30mm以上である蓄圧器用ライナー。
Mo:0.005〜2.0%、
Cr:0.005〜3.0%、および
Ni:0.005〜5.0%
からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記1に記載の蓄圧器用ライナー。
B :0.0005〜0.003%、
Cu:1.0%以下、
Ca:0.005%以下、および
V :0.05〜0.35%
からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記1または2に記載の蓄圧器用ライナー。
記
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.15 … (1)
(ただし、(1)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする)
記
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.90 … (2)
(ただし、(2)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする)
上記1〜3のいずれか一項に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:5.0℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:1.0℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。
上記4に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:3.0℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:0.5℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。
上記5に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:0.2℃/s以上かつ400〜200℃に平均冷却速度:0.01℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。
・長手方向中央部における肉厚:30mm以上
ライナーの長手方向中央部は、水素を充填した際にもっとも高い応力がかかる位置であり、破断しやすい部分である。長手方向中央部における肉厚が30mm未満であると、ライナーに十分な荷重を分担させることが困難である。さらに複合容器用蓄圧器用ライナーとして用いる場合には、ライナーに十分な荷重を分担させることができない場合には、破断を防止するためにはCFRPの量を増やす必要があり、したがって複合容器蓄圧器のコストを低減することが困難となる。そのため、ライナーの長手方向中央部における肉厚を30mm以上とする。長手方向中央部における肉厚は36mm以上とすることが好ましく、40mm以上とすることがより好ましい。一方、肉厚が厚すぎると蓄圧時にライナー外側の応力が高くなりすぎ、またライナーの組織を所望のものとするために必要な合金添加量が増加してコストアップの要因となる。そのため、長手方向中央部における肉厚は80mm以下とすることが好ましく、60mm以下とすることがより好ましい。
焼戻しマルテンサイト+ベイナイト:70%以上
焼戻しマルテンサイト組織およびベイナイト組織は疲労特性に優れるため、本発明の蓄圧器用ライナーにおいては、肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイトの面積分率の合計を70%以上とする。一方、前記焼戻しマルテンサイトとベイナイトの合計面積分率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
フェライトの面積分率が増大すると、水素環境中の疲労特性が低下する。そのため、フェライトの面積分率は少ないほど好ましい。しかし、フェライト面積分率が30%未満であれば、組織の影響はそれほど大きくないため、本発明の蓄圧器用ライナーにおいては、肉厚中心位置におけるフェライトの面積分率を30%未満とする。なお、焼入れ時の冷却速度は肉厚中心に近いほど遅くなり、フェライト組織は冷却速度が遅い場合に出現する。そのため肉厚中心位置におけるフェライト組織の面積分率が30%未満であれば、肉厚全域に渡ってフェライトの面積分率が30%未満であるといえる。一方、ライナーの金属組織に占めるフェライトの面積分率の下限は特に規定されないが、低いほど好ましく、0%であってもよい。
本発明においては、さらに、蓄圧器用ライナーが所定の成分組成を有する鋼材からなる必要がある。そこで、次に、本発明における成分組成の限定理由を説明する。なお、成分組成に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
Cは、ライナーの強度を上昇させるために必要な元素である。本発明では、ライナーの強度を高めるために、C含有量を0.30%以上とする。C含有量は、0.33%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.60%を超えると、ライナー製造時に焼入れを行った場合に焼き割れが生じることがあるため、C含有量を0.60%以下とする。C含有量は0.50%以下とすることが好ましく、0.45%以下とすることがより好ましい。
Siは、固溶強化により強度向上および疲労限の向上に寄与する元素である。Si含有量が0.01%以上であれば前記効果が得られる。そのため、Si含有量を0.01%以上とする。Si含有量は0.10%以上とすることが好ましく、0.15%以上とすることがより好ましい。一方、Si含有量が2.0%を超えると効果が飽和し、さらに鋼材の表面性状が劣化するとともに、圧延性も低下する。そのため、Si含有量は2.0%以下とする。Si含有量は1.0%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることがより好ましい。
Mnは、固溶強化および焼き入れ性の向上により強度向上に寄与するとともに、疲労限を向上させる機能を有する元素である。前記効果を得るために、Mn含有量を0.5%以上とする。Mn含有量は0.6%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が3.0%を超えると効果が飽和し、さらに製造時に圧延を行うことが困難となる。また、Mnが過剰であると、オーステナイトが残留し、疲労特性が劣化する。よって、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は2.0%以下とすることが好ましく、1.5%以下とすることがより好ましく、1.0%以下とすることがさらに好ましい。
Pは、不可避不純物であり、材料の強度には大きな影響を及ぼさないが、靭性を劣化させる元素でもある。P含有量が0.060%を超えると、靭性の劣化が顕著となるため、P含有量は0.060%以下とする。P含有量は0.040%以下とすることが好ましく、0.025%以下とすることがより好ましく、0.010%以下とすることがさらに好ましい。一方、P含有量を0.0005%未満とするような過度のP低減は製鋼工程における製造コストの増加を伴う。よって、P含有量は0.0005%以上とする。
Sは不可避不純物であり、介在物MnSを形成して靭性を低下させる。これらの影響は、S含有量が0.010%以下であれば問題とならない。よって、S含有量は0.010%以下とする。S含有量は0.0030%以下とすることが好ましい。一方、S含有量を0.0001%未満とするような過度の低減は製鋼工程における脱硫コストの増加を伴う。よって、S含有量は0.0001%以上とする。
鋼材の疲労特性に及ぼすNの影響は小さく、N含有量が0.010%以下であれば本発明の効果を損なわない。よって、N含有量は0.010%以下とする。N含有量は0.004%以下とすることが好ましい。一方、靭性向上の観点からはN含有量が少ないことが望ましいが、過度の低減は製鋼上のコストを増大させるので、N含有量は0.0001%以上とする。
Alは、製鋼工程において脱酸剤として有効な元素である。その効果を得るため、Al含有量は0.01%以上とする。Al含有量は0.02%以上とすることが好ましい。一方、Al含有量が0.08%を超えると清浄度の低下により延性を低下させるため、0.08%以下とする。Al含有量は0.06%以下とすることが好ましい。
Moは焼き入れ性を向上させる元素であり、ライナーの強度上昇に寄与する。また、焼入れ性が向上する結果、肉厚が30mm以上であるような、冷却速度が遅い部分が生じやすいライナーにおいても、疲労限や疲労限度比等の特性を向上させることができる。さらに、Moは、固溶強化によって疲労強度の上昇にも寄与する。前記効果を得るために、Moを添加する場合には、含有量を0.005%以上とする。Mo含有量は0.1%以上とすることが好ましい。一方、Mo含有量が2.0%を超えると、効果が飽和し、コストアップの要因となるため、Mo含有量は2.0%以下とする。Mo含有量は1.0%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることがより好ましい。
Crは焼き入れ性を向上させる元素であり、ライナーの強度上昇に寄与する。また、焼入れ性が向上する結果、肉厚が30mm以上であるような、冷却速度が遅い部分が生じやすいライナーにおいても、疲労限や疲労限度比等の特性を向上させることができる。前記効果を得るために、Crを添加する場合には、含有量を0.005%以上とする。Cr含有量は0.5%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が3.0%を超えると効果が飽和し、コストアップの要因となるため、Cr含有量は3.0%以下とする。Cr含有量は2.0%以下とすることが好ましく、1.5%以下とすることがより好ましい。
Niは、焼き入れ性を向上させる元素であり、ライナーの強度上昇に寄与する。また、焼入れ性が向上する結果、肉厚が30mm以上であるような、冷却速度が遅い部分が生じやすいライナーにおいても、疲労限や疲労限度比等の特性を向上させることができる。前記効果を得るために、Niを添加する場合には、その含有量を0.005%以上とする。Ni含有量は0.5%以上とすることが好ましい。一方、Ni含有量が5.0%を超えると効果が減少し、コストアップの要因となるため、Ni含有量は5.0%以下とする。Ni含有量は2.0%以下とすることが好ましい。
Bは焼入れ性を高め、強度上昇に極めて有用な元素である。その効果を得るためには、0.0005%以上の添加が必要であるが、0.003%を超えて添加してもその効果は飽和する。そのため、Bを添加する場合、含有量を0.0005〜0.003%とする。
Cuは、靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、1.0%を超えて添加すると加工による形成時の表面割れを生じる。したがって、Cuを添加する場合、含有量を1.0%以下とする。
Caは硫黄化物系介在物の形態を制御し、延性改善に有効な元素であるが、0.005%を超えて添加してもその効果は飽和し、むしろ清浄度の低下により靭性が低下する。したがってCaを添加する場合、含有量を0.005%以下とする。
Vは、Cr、Moなど他の元素と組み合わせて使用されることで硬度、強度(降伏点、引張強さ)の改善に有効な元素であるが、V含有量が0.05%未満ではその効果が得られない。一方、0.35%を超えて添加すると炭化物が粗大化して鋼が脆化することがある。そのため、Vを添加する場合、含有量を0.05〜0.35%の範囲に限定した。
C :0.30〜0.60%、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.5〜3.0%、
P :0.0005〜0.060%、
S :0.0001〜0.010%、
N :0.0001〜0.010%、
Al:0.01〜0.08%、
任意に、Mo:0.005〜2.0%、Cr:0.005〜3.0%、およびNi:0.005〜5.0%からなる群より選択される1または2以上、
任意に、B:0.0005〜0.003%、Cu:1.0%以下、Ca:0.005%以下、およびV:0.05〜0.35%からなる群より選択される1または2以上、ならびに
残部のFeおよび不可避不純物、からなる成分組成を有することができる。
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.15 … (1)
(ただし、(1)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする)
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.90 … (2)
(ただし、(2)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする)
本発明の複合容器蓄圧器用ライナーにおいては、引張強さは特に限定されないが、引張強さが低い場合にはライナー肉厚が増大しコスト増大につながるため、引張強さを750MPa以上とすることが好ましく、800MPa以上とすることがより好ましく、850MPa以上とすることがさらに好ましい。一方、前記引張強さの上限は特に限定されないが、ライナーの靭性確保の観点からは、前記引張強さを1200MPa以下とすることが好ましく、1150MPa以下とすることがより好ましい。
上記蓄圧器用ライナーを用いて、蓄圧器を製造することができる。ここで「蓄圧器」とは、前記蓄圧器ラーナーの周囲に炭素繊維強化樹脂などを被覆して製作される「複合容器蓄圧器」だけでなく、炭素繊維強化樹脂などの被覆を備えない(複合容器ではない)「蓄圧器」も包含するものとする。後者の場合、蓄圧器用ライナーを加工して蓄圧器とすればよい。
上記蓄圧器用ライナーの外周に被覆を設けることで、複合容器蓄圧器とすることができる。前記被覆としては、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いることが好ましい。また、前記炭素繊維としては、PAN系炭素繊維およびPITCH系炭素繊維の少なくとも一方を用いることが好ましい。
次に、本発明の一実施形態における複合容器蓄圧器用ライナーの製造方法について説明する。
本発明の複合容器蓄圧器用ライナーは、上述した成分組成を有する鋼管に対して、次の(1)および(2)の工程を順次施すことによって製造することができる。
(1)焼入れ工程、および
(2)焼戻し工程。
以下、各工程について説明する。なお、以下の説明における温度は、特に断らない限り、鋼管の長手方向中央部における、肉厚中心部における温度を意味する。
焼入れ工程においては、上述した成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央部の肉厚中心の部分で800〜400℃における平均冷却速度:5.0℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:1.0℃/s以上の条件で冷却する。前記鋼管としては、鍛接鋼管、電気抵抗溶接鋼管などの溶接鋼管や、継目無鋼管など、任意のものを用いることができるが、継目無鋼管を使用することが好ましい。また、任意に、前記鋼管に対して加工を施すこともできる。前記加工は焼入れ前に行ってもよいし、焼入れ、焼戻し後に行うこともできる。以下、焼入れ工程における条件の限定理由について説明する。
焼入れ工程における加熱温度がAc3点未満であると、焼入れ後のライナー中にフェライトが残存し、ライナーの強度および疲労限が低下する。そのため、加熱温度はAc3点以上とする。一方、前記加熱温度が950℃より高いと、オーステナイト結晶粒が粗大化し、熱処理後の材料の衝撃吸収エネルギー値や靱性の低下を引き起こす。そのため、前記加熱温度を950℃以下とする。
前記加熱温度に保持される時間(保持時間)が10分未満であると、焼入れ後のライナー中にフェライトが残存し、ライナーの強度および疲労限が低下する。そのため、前記保持時間を10分以上とする。前記保持時間は、60分以上とすることが好ましく、100分以上とすることがより好ましい。一方、保持時間の上限は特に限定されないが、製造効率の観点からは600分以下とすることが好ましく、400分以下とすることがより好ましく、200分以下とすることがさらに好ましい。
冷却を行う際、800〜400℃における平均冷却速度が5.0℃/s未満であると、上部ベイナイトやフェライト等が生成し、疲労限が低下する。そのため、本発明においては、肉厚中心部分での800〜400℃における平均冷却速度を5.0℃/s以上とする。前記平均冷却速度は10℃/s以上とすることが好ましい。さらに400〜200℃における平均冷却速度が1.0℃/s未満であると、ライナー強度が低下し疲労限応力が低下する。そのため、本発明においては400〜200℃における平均冷却速度:1.0℃/s以上とする。
次に、焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻しを行う。焼戻しを行うことによりマルテンサイト中の固溶炭素と転位を低減し、引張強さ等、疲労限以外の高圧水素環境下で必要な特性を調整することができる。以下、焼戻し条件の限定理由を説明する。
焼戻しの際の再加熱温度が450℃未満であると、引張強さが過大となり、一方、750℃を超えるとフェライトが生成してしまう。そのため、再加熱温度は450℃以上750℃以下とする。再加熱温度は600℃以上700℃以下とすることが好ましい。
前記再加熱温度で保持される時間(保持時間)が10分未満であると、固溶炭素と転位を十分に低減することができない。そのため、保持時間を10分以上とする。保持時間は、60分以上とすることが好ましく、120分以上とすることがより好ましい。保持時間の上限は特に限定されないが、600分を超えると効果が飽和し、コストアップとなるため、保持時間は600分以下とすることが好ましく、400分以下とすることがより好ましく、300分以下とすることがさらに好ましい。
得られたライナーの肉厚中心位置における金属組織を以下のようにして評価した。ライナーの長手方向中央より、肉厚中心位置が観察位置となるように、それぞれ試験片を採取し、採取された試験片の断面を3vol%ナイタール溶液を用いてエッチングした。500〜5000倍間の適切な倍率で走査電子顕微鏡(scanning electron microscope)(SEM)写真を撮影し、焼戻しマルテンサイト、フェライト、ベイナイト、パーライト、残留オーステナイトを観察した。組織の規定は、焼戻しマルテンサイト、フェライト、ベイナイト、パーライト、残留オーステナイトを目視で判断し、組織分率は、上記したSEM写真を用いて、画像解析(image analysis)により求め、これを各々の相の面積分率とした。面積分率の算出は5視野以上の領域の平均値とした。これらの相以外の部分を硬質な焼き戻しされていないマルテンサイトやオーステナイトとした。
ライナーから、JIS Z 2201に準じて直径7mmの丸棒試験片を採取し、肉厚中心部における引張強さを測定した。
疲労限は、陰極水素チャージ環境下における疲労試験により測定した。肉厚中心部から採取した評価部直径7mmの試験片を、該試験片の軸方向(長さ方向)がライナーの表面と平行となるように採取した。得られた試験片を用い、応力比:−1の条件で、115MPaの高圧水素中で侵入する水素量と同程度の水素が侵入する条件で疲労試験を行った。前記疲労試験において、繰り返し数200万回で試験片が破断しない応力を疲労限とした。試験片に加える応力は、25MPaきざみで変化させた。陰極水素チャージの条件は0.1N NaOH溶液中で100A/m2の電流密度とした。
Claims (10)
- 質量%で、
C :0.30〜0.60%、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.5〜3.0%、
P :0.0005〜0.060%、
S :0.0001〜0.010%、
N :0.0001〜0.010%、および
Al:0.01〜0.08%、を含有し、
残部Feおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、
肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイトの面積分率の合計が70%以上、かつ、肉厚全域におけるフェライト面積分率が30%未満である金属組織を有する鋼材からなる蓄圧器用ライナーであって、
脱炭層の厚さが3mm以下であり、
長手方向中央部における肉厚が30mm以上であり、
肉厚中心部から軸方向が前記蓄圧器用ライナーの表面と平行となるように採取した評価部直径7mmの試験片を用いて、0.1N NaOH溶液中、100A/m 2 の電流密度での陰極水素チャージ環境下において、応力比:−1で疲労試験を行った際の、繰り返し数200万回で試験片が破断しない応力として定義される疲労限が、340MPa以上である、蓄圧器用ライナー。 - 前記成分組成が、質量%で、
Mo:0.005〜2.0%、
Cr:0.005〜3.0%、および
Ni:0.005〜5.0%
からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項1に記載の蓄圧器用ライナー。 - 前記成分組成が、質量%で、
B :0.0005〜0.003%、
Cu:1.0%以下、および
Ca:0.005%以下
からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項1または2に記載の蓄圧器用ライナー。 - 前記成分組成が、さらに下記(1)式の関係を満足する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄圧器用ライナー。
記
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.15 … (1)
(ただし、(1)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする) - 前記成分組成が、さらに下記(2)式の関係を満足する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄圧器用ライナー。
記
[Mn]+1.30×[Cr]+2.67×[Mo]+0.30×[Ni]≧2.90 … (2)
(ただし、(2)式における括弧は、括弧内に記した元素の含有量(質量%)を表し、当該元素が含有されていない場合には0とする) - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄圧器用ライナーを備える蓄圧器。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄圧器用ライナーと、前記蓄圧器用ライナーの外周に炭素繊維強化樹脂を備え、前記炭素繊維が、PAN系炭素繊維およびPITCH系炭素繊維の少なくとも一方である、複合容器蓄圧器。
- 蓄圧器用ライナーの製造方法であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:5.0℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:1.0℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有し、
前記蓄圧器用ライナーにおける脱炭層の厚さが3mm以下であり、
前記蓄圧器用ライナーの長手方向中央部における肉厚が30mm以上であり、肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイトの面積分率の合計が70%以上、かつ、肉厚全域におけるフェライト面積分率が30%未満である金属組織を有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。 - 蓄圧器用ライナーの製造方法であって、
請求項4に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:3.0℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:0.5℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有し、
前記蓄圧器用ライナーにおける脱炭層の厚さが3mm以下であり、
前記蓄圧器用ライナーの長手方向中央部における肉厚が30mm以上であり、肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイトの面積分率の合計が70%以上、かつ、肉厚全域におけるフェライト面積分率が30%未満である金属組織を有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。 - 蓄圧器用ライナーの製造方法であって、
請求項5に記載の成分組成を有する鋼管をAc3点以上950℃以下の温度に加熱し、前記温度に10分以上保持した後、長手方向中央の肉厚中心での800〜400℃における平均冷却速度:0.2℃/s以上かつ400〜200℃における平均冷却速度:0.01℃/s以上の条件で冷却する焼入れ工程と、
前記焼入れ工程後の鋼管を、450℃以上750℃以下の温度に再加熱し、前記温度に10分以上保持する焼戻し工程とを有し、
前記蓄圧器用ライナーにおける脱炭層の厚さが3mm以下であり、
前記蓄圧器用ライナーの長手方向中央部における肉厚が30mm以上であり、肉厚中心位置における焼戻しマルテンサイトおよびベイナイトの面積分率の合計が70%以上、かつ、肉厚全域におけるフェライト面積分率が30%未満である金属組織を有する、蓄圧器用ライナーの製造方法。
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