JP6573840B2 - 有機半導体素子、並びに、これに用いる有機半導体膜、化合物及び有機半導体組成物 - Google Patents
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Description
これらの有機半導体素子において、有機化合物を含有する有機半導体膜の研究が進められている。このような有機化合物として、例えば、有機ポリマー又は低分子有機化合物が挙げられる。低分子有機化合物の一例を挙げると、フルオレン骨格の9位に2つのオクチル基を持つジチエノフルオレンがある(非特許文献1)。
<1>下記式(2−2)で表される化合物を含有する有機半導体膜を備えた有機半導体素子。
Xは各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
Y1は、CRY1RY2又はSiRY1RY2を示し、RY1及びRY2は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
R1及びR2は各々独立に下記式(Z)で表される基を示す。p及びqは各々独立に0〜2の整数である。ただし、p+qは1以上の整数である。
R3及びR4は各々独立に置換基を示す。r及びsは各々独立に0〜2の整数である。
−L−RZ (Z)
式(Z)中、Lは、単結合、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基、又は、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基を示す。
RZは、アルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を示す。
**は、式(2−2)中のXを環構成原子とする芳香族複素環との連結部位、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示し、*はRZ、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示す。
m1は0〜4の整数であり、m2は各々独立に0〜2の整数である。
RZ1は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
RZ2は各々独立に置換基を示す。
<3>p及びqが、いずれも1である<1>又は<2>に記載の有機半導体素子。
<4>Y1 が、CRY1RY2である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
<5>Xが、酸素原子又は硫黄原子である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
Xは各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
R1及びR2は、それぞれ、式(2−2)のR1及びR2と同義である。
<8>式(2−2)又は式(3−2)におけるR1及びR2が、Lが式(L−1)、式(L−9)、式(L−10)及び式(L−11)のいずれかで表される連結基、又は式(L−1)、式(L−4)、式(L−5)及び式(L−7)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基であり、RZがアルキル基である基を示す<1>〜<7>のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
<9>有機半導体素子が、有機薄膜トランジスタ素子である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
Y1は、CRY1RY2又はSiRY1RY2を示し、RY1及びRY2は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
R1及びR2は各々独立に下記式(Z)で表される基を示す。p及びqは各々独立に0〜2の整数である。ただし、p+qは1以上の整数である。
R3及びR4は各々独立に置換基を示す。r及びsは各々独立に0〜2の整数である。
−L−RZ (Z)
式(Z)中、Lは、単結合、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基、又は、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基を示す。
RZは、アルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を示す。
**は、式(2−2)中のXを環構成原子とする芳香族複素環との連結部位、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示し、*はRZ、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示す。
m1は0〜4の整数であり、m2は各々独立に0〜2の整数である。
RZ1は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
RZ2は各々独立に置換基を示す。
<12>p及びqが、いずれも1である<10>又は<11>に記載の化合物。
<13>Y 1 が、CRY1RY2である<10>〜<12>のいずれか1つに記載の化合物。
<14>Xが、酸素原子又は硫黄原子である<10>〜<13>のいずれか1つに記載の化合物。
Xは各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
R1及びR2は、それぞれ、式(2−2)のR1及びR2と同義である。
<17>式(2−2)又は式(3−2)におけるR1及びR2が、Lが式(L−1)、式(L−9)、式(L−10)及び式(L−11)のいずれかで表される連結基、又は式(L−1)、式(L−4)、式(L−5)及び式(L−7)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基であり、RZがアルキル基である基を示す<10>〜<16>のいずれか1つに記載の化合物。
<18>上記<10>〜<17>のいずれか1つに記載の化合物と溶媒とを含有する有機半導体組成物。
<19>上記<10>〜<17>のいずれか1つに記載の化合物を含有する有機半導体膜。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」と記載するときは、アクリレート、メタアクレート、又は、両者を意味する。
また、置換又は無置換を明記していない化合物については、目的とする効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有するものを含む。このことは、置換基及び連結基等(以下、置換基等という)についても同様である。
また、基の炭素数が限定されている場合、この基の炭素数は、特段の断りがない限り、置換基を含めた全炭素数を意味する。
本発明において、基が非環状骨格及び環状骨格を形成しうる場合、特段の断りがない限り、この基は、非環状骨格の基と環状骨格の基を含む。例えば、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基及び環状(シクロ)アルキル基を含む。基が環状骨格を形成しうる場合、環状骨格を形成する基の原子数の下限は、この基について具体的に記載した原子数の下限にかかわらず、3以上であり、5以上が好ましい。
まず、本発明の、式(1)で表される化合物(以下、本発明の化合物ということがある。)について説明する。
本発明の化合物を含有する有機半導体膜は、有機半導体素子に、高いキャリア移動度及び高温高湿耐性と、優れたヒステリシス特性とを付与できる。その理由は、詳細には定かではないが、次のように考えられる。本発明の化合物は、後述するように、特定の縮合環構造に、式(Z)で表される基を少なくとも1つ有している。この基を有することにより、後述する有機半導体組成物としたときに、溶媒に対する溶解性(溶解度)が向上して、有機半導体膜の生産性が向上する。しかも、形成される有機半導体膜において、有機半導体組成物を適用した被適用基材に対して本発明の化合物が所定の方向(被適用基材に対して上記特定の縮合環構造が起立状態)に密に配列する。更に電極近傍においても配列の秩序性が維持される。そのため、膜質安定性が向上する。その結果、有機半導体膜は、有機半導体素子に用いた場合に、高いキャリア移動度及び高温高湿耐性と、優れたヒステリシス特性とを示すと、考えられる。
RY1及びRY2は、それぞれ、水素原子又は置換基を示す。RY1及びRY2として採りうる置換基としては、特に限定されない。好ましい置換基としては、アルキル基(炭素数は、1〜6が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。)、アルケニル基(炭素数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。)、アルキニル基(炭素数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。)、アルコキシ基(炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。)、芳香族炭化水素基(炭素数は、6〜18が好ましく、6〜10がより好ましい。)、芳香族複素環基(5〜7員環が好ましい。環構成ヘテロ原子としては、特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子又はケイ素原子が好ましい。炭素数は、4〜18が好ましく、6〜10がより好ましい。)。RY1及びRY2は、いずれもアルキル基であることが好ましい。
環A及び環Bとして採りうる芳香族複素環としては、特に限定されず、単環であっても、2環以上の環が縮合した縮合環であってもよい。この芳香族複素環は単環であることが好ましい。
縮合環の芳香族複素環としては、例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾピロール環、インドール環、ベンゾセレノフェン環、インダゾール環、イソインドール環、キノリン環、チエノピリジン環、シクロペンタジフラン環、シクロペンタジチオフェン環、チエノ[3,2−b]チオフェン環、チエノ[2,3−b]チオフェン環、チエノ[3,4−b]チオフェン環、トリチオフェン環等が挙げられる。
下記の芳香族複素環において、R21は、後述するXとして採りうるNR21のR21と同義であり、好ましいものも同じである。
−L−RZ (Z)
式(Z)中、Lは、単結合、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基(2価)、又は、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基を示す。
RZ2は、それぞれ、置換基を示す。
RZ1及びRZ2として採りうる置換基としては、特に限定されないが、下記置換基群GZから選択される基が挙げられる。中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基又は芳香族炭化水素基が好ましく、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は、フェニル基がより好ましい。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子)、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む。)、アルキニル基、芳香族炭化水素基(アリール基ともいう)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基ともいう)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール若しくはヘテロアリールアゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)又はスルファト基(−OSO3H)
式(L−9)〜式(L−12)において、RZ2が結合する位置は特に限定されない。
m2は、それぞれ、0〜2の整数であり、0又は1が好ましく、0が好ましい。
例えば、式(L−4)で表される連結基1つと式(L−7)で表される連結基1つとが結合した連結基として、**−C(=O)−O−*、又は、**−O−C(=O)−*が挙げられる。また、式(L−6)で表される連結基1つと式(L−7)で表される連結基1つとが結合した連結基として、**−C(=O)−NRZ1−*、又は、**−NRZ1−C(=O)−*が挙げられる。ここで、*、**及びRZ1は上記の通りである。
また、上記A環又はB環に結合する、式(L−1)で表される連結基を複数(例えば2〜5個)有するもの(アルキレン基)も好ましい。
本発明において、上記式(Z)で表される基として、置換又は無置換のアルキル基(炭素数n個)のみが存在する場合、式(L−1)で表される基(Lに相当)1個と、炭素数(n−1)のアルキル基(RZに相当)とが結合した基として、解釈する。具体的には、n−オクチル基の場合、Lとして式(L−1)中のRZ1がいずれも水素原子であるメチレン基1個と、RZとしてn−ヘプチル基とが結合した基と解釈する。
ハロアルキル基において、ハロゲン原子で置換される水素原子数は、特に限定されない。例えば、アルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、ベンゼン環基、ナフタレン環基、又は、3環以上の環が縮合した芳香族炭化水素(例えばフルオレン環)から1つの水素原子を取り除いた基が更に好ましい。3環以上の環が縮合した芳香族炭化水素において、縮合する環の数は、3個以上であれば特に限定されないが、例えば、3〜6個が好ましい。3環以上の環が縮合した芳香族炭化水素から水素原子を1つ取り除いた基としては、例えば、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環若しくはピレン環から水素原子を1つ取り除いた基が挙げられる。
アリール基としては、キャリア移動度がより優れたものになるという観点から、ベンゼン環基、又は、ナフタレン環基であることが好ましく、ベンゼン環基であることが好ましい。
ヘテロアリール基を形成する芳香族複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環若しくはトリアジン環等の単環が挙げられる。また、これらの単環うち少なくとも2個の単環を組み合わせた縮合環、又は、少なくとも1個の上記単環と、少なくとも1つのベンゼン環若しくはシクロペンタジエン環との縮合環等が挙げられる。縮合環において、組み合わされる環の数は、2個以上であれば特に限定されないが、例えば、2〜6個が好ましい。
ヘテロアリール基としては、中でも、チオフェン環基、フラン環基が好ましい。
式(2−1)又は式(2−2)におけるY1、R1〜R4及びp〜sは、それぞれ、上記式(1)におけるY1、R1〜R4及びp〜sと同義であり、好ましい範囲も同じである。
Xは、それぞれ、酸素原子又は硫黄原子を示し、硫黄原子が好ましい。
式(3−1)及び式(3−2)におけるR1及びR2は、それぞれ、上記式(1)のR1及びR2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一方で、有機半導体膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。
次に、本発明の有機半導体組成物について、説明する。
この有機半導体組成物は、上述の、式(1)で表される化合物と溶媒とを含有し、本発明の有機半導体膜の形成に好ましく用いられる。
式(1)で表される化合物は、上述の通りであり、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
有機半導体組成物の、化合物の含有率は、特に限定されず、例えば、後述する溶媒を除いた固形分中の含有率で表すことができる。固形分中の含有率としては、例えば、後述する有機半導体膜中の化合物の含有率と同じ範囲にすることが好ましい。
溶媒は、上述の化合物を溶解又は分散させるものであれば特に限定されず、無機溶媒又は有機溶媒が挙げられる。中でも、有機溶媒が好ましい。溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の有機半導体組成物は、本発明の化合物及び溶媒以外の成分を含有してもよい。
このような成分として、バインダーポリマー、又は、各種の添加剤等が挙げられる。
(バインダーポリマー)
本発明の有機半導体組成物は、バインダーポリマーを含有してもよい。バインダーポリマーの種類は、有機半導体組成物に通常用いられるバインダーポリマーを特に制限されることなく、用いることができる。
このようなバインダーポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ジビニルベンゼン)、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(4−メチルスチレン)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、及び、これらの共重合体、ポリシラン、ポリカルバゾール、ポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン若しくはポリヘテロアセンなどの半導体ポリマー、及び、これらの共重合体、ゴム、又は、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
中でも、バインダーポリマーとしては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜1,000万が好ましく、3,000〜500万がより好ましく、5,000〜300万が更に好ましい。
有機半導体組成物の、バインダーポリマーの含有率は、特に限定されず、例えば、固形分中の含有率としては、後述する有機半導体膜中の、バインダーポリマーの含有率と同じ範囲にすることが好ましい。バインダーポリマーの含有率が上記範囲内にある有機半導体組成物を用いて有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体膜を形成すると、有機薄膜トランジスタ素子のキャリア移動度及び耐熱性が更に向上する。
添加剤としては、有機半導体組成物に通常用いられるものを特に制限されることなく、用いることができる。
有機半導体組成物の、添加剤の含有率は、特に限定されず、例えば、固形分中の含有率としては、後述する有機半導体膜中の、添加剤の含有率と同じ範囲にすることが好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れる。例えば、添加剤の含有率が上記範囲内にある有機半導体組成物を用いて有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体膜を形成すると、膜形成性に優れ、有機薄膜トランジスタ素子のキャリア移動度及び耐熱性がより向上する。
有機半導体組成物の調製方法としては、特に制限されず、通常の調製方法を採用できる。例えば、溶媒に所定量の各成分を添加して、適宜攪拌処理することにより、本発明の有機半導体組成物を調製することができる。
本発明の有機半導体膜について、説明する。
本発明の有機半導体膜は、上述の、本発明の化合物を含有し、上記バインダーポリマー又は添加剤を含有していてもよい。本発明の化合物、バインダーポリマー及び添加剤については上述した通りである。
有機半導体膜中の、化合物の含有率は、特に限定されず適宜に設定できる。例えば、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。その上限は、100質量%とすることができ、例えば、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
有機半導体膜中の、バインダーポリマーの含有率は、特に限定されず適宜に設定できる。例えば、90質量%以下が好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。その下限は、0質量%以上とすることができ、例えば、1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。
添加剤は、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
有機半導体膜中の、添加剤の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
本発明の有機半導体膜は、有機半導体素子に好ましく適用され、より好ましくは有機薄膜トランジスタ素子に適用される。
本発明の有機半導体素子は、本発明の有機半導体膜を備えている。
本発明の有機半導体素子としては、特に限定されないが、非発光性の有機半導体デバイスとして好ましく用いられる。非発光性の有機半導体デバイスとしては、発光することを目的としないデバイスであればよく、例えば、有機薄膜トランジスタ素子、有機光電変換素子(光センサ用途の個体撮像素子又はエネルギー変換用途の太陽電池等)、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバーター、情報記録素子等が挙げられる。非発光性の有機半導体デバイスは、有機半導体膜をエレクトロニクス要素として機能させることが好ましい。
本発明の有機半導体膜の好ましい適用態様の一つとして、有機薄膜トランジスタ素子に適用した態様について説明するが、本発明の半導体素子はこれに限定されるものではない。
本発明の有機TFT素子は、基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極及び有機半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。この有機TFT素子においては、有機半導体層とゲート絶縁層が隣接して設けられる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、上記各層を備えていればその構造については特に限定されない。例えば、ボトムコンタクト型(ボトムゲート−ボトムコンタクト型及びトップゲート−ボトムコンタクト型)、又は、トップコンタクト型(ボトムゲート−トップコンタクト型及びトップゲート−トップコンタクト型)などのいずれの構造を有していてもよい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタ素子の一例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子100の断面模式図である。
有機薄膜トランジスタ素子100は、図1に示されるように、基板(基材)10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40及びドレイン電極42と、有機半導体膜50と、封止層60とを、この順で、有する。
以下、基板(基材)、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜(有機半導体層)及び封止層、並びに、それぞれの作製方法について詳述する。
基板は、後述するゲート電極、ソース電極及びドレイン電極等を支持する役割を果たす。
基板の種類は、特に制限されず、例えば、プラスチック基板、シリコン基板、ガラス基板又はセラミック基板等が挙げられる。中でも、各デバイスへの適用性及びコストの観点から、ガラス基板又はプラスチック基板であることが好ましい。
基板の厚みは、特に限定されないが、例えば、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのが更に好ましく、1.5mm以下であるのが特に好ましい。一方、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのが更に好ましい。
ゲート電極は、有機TFT素子のゲート電極として用いられている通常の電極を特に制限されることなく適用できる。
ゲート電極を形成する材料(電極材料)としては、特に限定されず、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、マグネシウム、カルシウム、バリウム若しくはナトリウム等の金属、InO2、SnO2若しくはインジウム錫酸化物(ITO)等の導電性の酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン若しくはポリジアセチレン等の導電性高分子、シリコン、ゲルマニウム若しくはガリウム砒素等の半導体、又は、フラーレン、カーボンナノチューブ若しくはグラファイト等の炭素材料等が挙げられる。中でも、上記金属が好ましく、銀又はアルミニウムがより好ましい。
ゲート電極の厚みは、特に限定されないが、20〜200nmであることが好ましい。
ゲート電極は、上記基板として機能するものでもよく、この場合、上記基板はなくてもよい。
ゲート絶縁層は、絶縁性を有する層であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁膜を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂若しくはフェノール樹脂等のポリマー、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム若しくは酸化チタン等の酸化物、又は、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。中でも、有機半導体膜との相性から、上記ポリマーであることが好ましい。
これらの材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ゲート絶縁膜の膜厚は、特に限定されないが、100〜1000nmであることが好ましい。
本発明の有機TFT素子において、ソース電極は、配線を通じて外部から電流が流入する電極である。また、ドレイン電極は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極である。
ソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、上述したゲート電極を形成する電極材料と同じものを用いることができる。中でも、金属が好ましく、銀がより好ましい。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、特に限定されないが、それぞれ、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、300nm以下が特に好ましい。
ソース電極とドレイン電極との間の間隔(ゲート長)は、適宜に決定できるが、例えば、200μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。また、ゲート幅は、適宜に決定できるが、例えば、5000μm以下が好ましく、1000μm以下が特に好ましい。
ソース電極及びドレイン電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とが形成された基板上に、電極材料を真空蒸着又はスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。パターニングする場合、パターニングする方法は上述したゲート電極の方法と同じである。
有機TFT素子において、有機半導体膜として上述の本発明の有機半導体膜を用いる。
この有機半導体膜は、上述した有機半導体組成物を塗布して形成することができる。具体的には、上述した有機半導体組成物を基板上に塗布して、乾燥させることにより、有機半導体膜を形成することができる。
本発明において、有機半導体組成物を基板上に塗布するとは、有機半導体組成物を基板に直接適用する態様のみならず、基板上に設けられた別の層を介して基板の上方に有機半導体組成物を適用する態様も含むものとする。別の層としては、例えば、ゲート絶縁膜、ソース電極又はドレイン電極が挙げられる。
有機半導体組成物の塗布方法としては、通常の方法を用いることができ、例えば、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法又はスクリーン印刷法が挙げられる。更に、有機半導体組成物の塗布方法としては、特開2013−207085号公報に記載の有機半導体膜の形成方法(いわゆるギャップキャスト法)、国際公開第2014/175351号に記載の有機半導体薄膜の製造方法(いわゆるエッジキャスト法又は連続エッジキャスト法)等も好適に用いられる。
乾燥(乾燥処理)は、有機半導体組成物に含まれる各成分の種類により適宜の条件を選定できる。自然乾燥であってもよいが、生産性を向上させる観点から、加熱処理が好ましい。加熱処理条件は、一義的に決定できないが、例えば、加熱温度としては30〜250℃が好ましく、40〜200℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましく、加熱時間としては10〜300分が好ましく、20〜180分がより好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えるのが好ましい。封止層には、有機TFT素子に通常用いられる封止剤(封止層形成用組成物)を用いることができる。
封止層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜10μmであることが好ましい。
図2は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子200を表す断面模式図である。
有機薄膜トランジスタ素子200は、図2に示されるように、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40及びドレイン電極42と、有機半導体膜50と、封止層60とを、この順で、有する。
有機薄膜トランジスタ素子200は、層構成(積層態様)が異なること以外は、有機薄膜トランジスタ素子100を同じである。したがって、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層については、上述の、ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子におけるものと同じであるので、その説明を省略する。
<合成例1:化合物1の合成>
下記スキームに従い、化合物1を合成した。なお、3,6−ジブロモ−9,9−ジメチルフルオレンは、Journal of Material Chemistry,2012,22,p.4383−4390に記載の方法に従い合成し、中間体1は非特許文献1に記載の方法を参考に合成した。
窒素雰囲気下、中間体1(2g、6.53mmol)及びテトラヒドロフラン(THF、65mL)を混合し、−90℃に冷却した。これに、リチウムテトラメチルピペリジン(TMPLi、14.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液14mLを滴下した後、−90℃で1時間攪拌した。次いで、得られた液に、ジブロモテトラクロロエタン(6.37g、19.6mmol)を20mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液を滴下し、更に30分攪拌した。反応溶液を室温(約20℃)まで昇温した後、水を加えて反応をクエンチした後、反応生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、濃縮した。得られた粗生成物をトルエン/メタノールで2回再結晶し、中間体2(1.97g、収率65%)を得た。
窒素雰囲気下、中間体2(300mg、0.65mmol)、0.5M(モル/L)のブチル臭化亜鉛のテトラヒドロフラン溶液(7.8mL、3.9mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン付加物(53mg、0.06mmol)を混合し、3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、メタノールを加えてアルキル金属試薬を失活させ、反応生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後にろ過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取精製用のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC(Gel Permeation Chromatography)、溶出液:テトラヒドロフラン)で精製し、化合物1(122mg、収率:45%)を得た。
下記スキームに従い、化合物10を合成した。
下記スキームに従い、化合物12を合成した。
0.5Mの塩化亜鉛のテトラヒドロフラン溶液(12.9mL、6.46mmol)を0℃まで冷却し、上記で調製したグリニャール試薬を滴下した。反応溶液を室温まで昇温した後、中間体2(300mg、0.65mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン付加物(53mg、0.06mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、メタノールを加えてアルキル金属試薬を失活させ、反応生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に、ろ過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取精製用のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC、溶出液:テトラヒドロフラン)で精製し、化合物15(125mg、収率43%)を得た。
上記合成例1、2又は3と同様にして、化合物2〜9、11及び13〜19を合成した。
下記に示す比較化合物1〜3を準備した。
比較化合物1及び比較化合物2は、いずれも、非特許文献1に記載の化合物であり、非特許文献1に記載の合成方法に準じて、合成した。
比較化合物3は、非特許文献1に記載の合成方法に準じて、合成した。
トルエン1mLと、表1に示す化合物1mgとを硝子バイヤルに投入し、ミックスローター(アズワン社製)により、60℃で1時間撹拌混合した。次いで、得られた液を0.5μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の有機半導体組成物1〜17、参考のための有機半導体組成物18及び19、並びに比較のための有機半導体組成物c1〜c3を調製した。
得られた各組成物中の化合物の含有率は、いずれも、0.11質量%であった。
図1に示すボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子100を製造し、その特性を評価した。
<有機薄膜トランジスタ素子の製造>
ガラス基板(イーグルXG:コーニング社製、厚み1.1mm)上に、アルミニウムを蒸着してゲート電極(厚み50nm)を形成した。その上に、ゲート絶縁膜形成用組成物(ポリビニルフェノール/メラミン樹脂=1質量部/1質量部のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液(固形分濃度2質量%))をスピンコートし、150℃で60分間ベーク(加熱乾燥)して、膜厚400nmのゲート絶縁膜を形成した。
次いで、その上に、銀インク(銀ナノコロイドH−1(商品名)、三菱マテリアル社製)を、インクジェット装置:DMP−2831(商品名、富士フイルムダイマティクス社製)を用いて、ソース電極及びドレイン電極状(厚み約100nm、ゲート長100μm及びゲート幅200μm)に、印刷(描画)した。その後、オーブンにて180℃で30分ベークし、焼結して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。このようにして素子前駆体を得た。
窒素グローブボックス中で、素子前駆体の上に、表1に示す各有機半導体組成物を300μLキャストした後、ホットプレート上で、60℃で1時間乾燥して、有機半導体層(膜厚200nm)を形成した。このようにして、本発明の有機薄膜トランジスタ素子1〜17、参考のための有機薄膜トランジスタ18及び19、並びに比較のための有機薄膜トランジスタ素子C1〜C3をそれぞれ製造した。
有機半導体層中の化合物の含有率は、いずれも、100質量%であった。
製造した各有機薄膜トランジスタ素子について、半導体特性評価装置:B2900A(商品名、アジレントテクノロジーズ社製)を用いて、大気下で、以下の性能評価をした。その結果を表1に示す。
各有機薄膜トランジスタ素子のソース電極−ドレイン電極間に−60Vの電圧を印加し、ゲート電圧を+20V〜−80Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表す下記式を用いてキャリア移動度μ(cm2/Vs)を算出し、評価した。キャリア移動度μは、高いほど好ましく、本試験において、0.05cm2/Vs以上であることが好ましく、0.1cm2/Vs以上であることがより好ましく、0.2cm2/Vs以上であることが特に好ましい。
式中、Lはゲート長、wはゲート幅、μはキャリア移動度、Ciはゲート絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧を、それぞれ、表す。
上記「キャリア移動度μの測定」試験において、キャリア移動度μが0.01cm2/Vs以上の有機薄膜トランジスタ素子を、それぞれ、50℃、相対湿度80%の環境下で24時間保管した後、上記「キャリア移動度μの測定」と同様の方法により、キャリア移動度μを測定した。
各有機薄膜トランジスタ素子において、保管前のキャリア移動度μBeと保管後のキャリア移動度μAfとを用いて、下記式に基づいて、キャリア移動度維持率(%)を算出し、これを高温高湿環境下での経時安定性の指標とした。得られたキャリア移動度維持率を、下記評価基準により、評価した。キャリア移動度維持率は大きいほど高温高湿環境下での経時安定性が高く、本試験において、「B」以上であることが好ましく、「A」であることがより好ましい。
「A」:90%以上
「B」:75%以上90%未満
「C」:50%以上75%未満
「D」:25%以上50%未満
ソース電極−ドレイン電極間にかかる電圧を−60Vに固定し、ゲート電圧を+20V〜−80Vの範囲で変化させ、閾値電圧Vth +を求めた。また、同様にして、ソース電極−ドレイン電極間にかかる電圧を−60Vに固定し、ゲート電圧を−80V〜+20Vへ変化させたときの閾値電圧Vth −を求めた。Vth +とVth −との差分の絶対値をヒステリシス特性の指標に用いた。上記絶対値が0に近いほど、ヒステリシス特性に優れる。ヒステリシス特性が優れると、有機薄膜膜トランジスタ素子を安定して動作させることができる。
Vth +とVth −との差分の絶対値が、
「A」:0V以上3V未満
「B」:3V以上7V未満
「C」:7V以上
有機薄膜トランジスタ素子C1〜C3は、いずれも、式(Z)で表される基を有しない上述の比較化合物を含有する有機半導体層を備えており、キャリア移動度μ又は高温高湿耐性と、ヒステリシス特性とがともに十分ではなかった。すなわち、比較化合物1及び2を含有する有機半導体膜を備えた有機薄膜トランジスタ素子C1及びC2は、キャリア移動度μが小さすぎ、またヒステリシス特性も低く、有機薄膜トランジスタとして十分に機能しないものであった。また、比較化合物3を含有する有機半導体膜を備えた有機薄膜トランジスタ素子C3は、キャリア移動度μ、高温高湿耐性及びヒステリシス特性のいずれも劣るものであった。
特に、式(Z)のLが式(L−1)又は式(L−11)で表される連結基であると、更にこれらの連結基に結合するRZがアルキル基であると、0.20cm2/Vs以上のキャリア移動度μを示し、キャリア移動度μ、高温高湿耐性及びヒステリシス特性をより高い水準で兼ね備えることができた(素子No.1〜5、10及び16〜19)。
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 ソース電極
42 ドレイン電極
50 有機半導体膜(半導体活性層)
60 封止層
100、200 有機薄膜トランジスタ素子
Claims (19)
- 下記式(2−2)で表される化合物を含有する有機半導体膜を備えた有機半導体素子。
式(2−2)中、
Xは各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
Y1は、CRY1RY2又はSiRY1RY2を示し、RY1及びRY2は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
R1及びR2は各々独立に下記式(Z)で表される基を示す。p及びqは各々独立に0〜2の整数である。ただし、p+qは1以上の整数である。
R3及びR4は各々独立に置換基を示す。r及びsは各々独立に0〜2の整数である。
−L−RZ (Z)
式(Z)中、
Lは、単結合、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基、又は、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基を示す。
RZは、アルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を示す。
式(L−1)〜式(L−12)中、
**は、式(2−2)中のXを環構成原子とする芳香族複素環との連結部位、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示し、*は前記RZ、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示す。
m1は0〜4の整数であり、m2は各々独立に0〜2の整数である。
RZ1は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
RZ2は各々独立に置換基を示す。 - 前記r及びsが、いずれも0である請求項1に記載の有機半導体素子。
- 前記p及びqが、いずれも1である請求項1又は2に記載の有機半導体素子。
- 前記Y 1 が、CR Y1 R Y2 である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
- 前記Xが、酸素原子又は硫黄原子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
- 前記式(2−2)のR Y1 及びR Y2 、又は前記式(3−2)のR 31 及びR 32 が、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
- 前記式(2−2)又は前記式(3−2)におけるR 1 及びR 2 が、Lが前記式(L−1)、前記式(L−9)、前記式(L−10)及び前記式(L−11)のいずれかで表される連結基、又は前記式(L−1)、前記式(L−4)、前記式(L−5)及び前記式(L−7)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基であり、R Z がアルキル基である基を示す請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
- 前記有機半導体素子が、有機薄膜トランジスタ素子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
- 下記式(2−2)で表される化合物。
式(2−2)中、
Xは各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
Y 1 は、CR Y1 R Y2 又はSiR Y1 R Y2 を示し、R Y1 及びR Y2 は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
R 1 及びR 2 は各々独立に下記式(Z)で表される基を示す。p及びqは各々独立に0〜2の整数である。ただし、p+qは1以上の整数である。
R 3 及びR 4 は各々独立に置換基を示す。r及びsは各々独立に0〜2の整数である。
−L−R Z (Z)
式(Z)中、
Lは、単結合、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基、又は、下記式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基を示す。
R Z は、アルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を示す。
式(L−1)〜式(L−12)中、
**は、式(2−2)中のXを環構成原子とする芳香族複素環との連結部位、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示し、*は前記R Z 、又は式(L−1)〜式(L−12)のいずれかで表される他の連結基との結合部位を示す。
m1は0〜4の整数であり、m2は各々独立に0〜2の整数である。
R Z1 は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
R Z2 は各々独立に置換基を示す。 - 前記r及びsが、いずれも0である請求項10に記載の化合物。
- 前記p及びqが、いずれも1である請求項10又は11に記載の化合物。
- 前記式Y 1 が、CR Y1 R Y2 である請求項10〜12のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記Xが、酸素原子又は硫黄原子である請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記式(2−2)のR Y1 及びR Y2 、又は前記式(3−2)のR 31 及びR 32 が、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基である請求項10〜15のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記式(2−2)又は前記式(3−2)におけるR 1 及びR 2 が、Lが前記式(L−1)、前記式(L−9)、前記式(L−10)及び前記式(L−11)のいずれかで表される連結基、又は前記式(L−1)、前記式(L−4)、前記式(L−5)及び前記式(L−7)のいずれかで表される連結基が2つ以上結合した連結基であり、R Z がアルキル基である基を示す請求項10〜16のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項10〜17のいずれか1項に記載の化合物と溶媒とを含有する有機半導体組成物。
- 請求項10〜17のいずれか1項に記載の化合物を含有する有機半導体膜。
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