以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、本発明の一実施形態に係る光ビーム照射装置の概要を説明する。図1は、本実施形態に係る光ビーム照射装置10の概略構成図である。この光ビーム照射装置10は、所望の角度に光ビームを照射する高速駆動が可能な装置であり、光ビームLを出力する光源部(光源)1と、光源部1から出力された光ビームLを所望の偏向角度に反射させる光偏向部(光反射部)2と、光偏向部2によって反射された光ビームLの偏向角度を検出する光偏向角度検出部(位置検出部)3と、光偏向部2の動作を制御する動作制御部(補正部)4とを含んで構成される。光偏向角度検出部3と動作制御部4とは信号線S1によって電気的に接続され、光偏向部2と動作制御部4とは信号線S2によって電気的に接続されている。信号線S1は、光偏向角度検出部3において検出された後述する光偏向角度信号Sangleを動作制御部4に対して出力するために設けられている。また、信号線S2は、動作制御部4によって生成される後述する光偏向角度制御信号Sctrlを光偏向部2に対して出力するために設けられている。
光源部1は、平行光である光ビームL、あるいは、光偏向部2上で集光する光ビームLの生成及び照射が可能な光源装置であり、例えば、レーザダイオード(LD:Laser Diode)素子とコリメートレンズとを含んで構成される。また、光源部1は、LED(Light Emitting Diode)等の他の発光素子と、レンズ等の光学デバイスとが組み合わされて構成されていてもよい。光源部1は、生成および照射される平行光である光ビームL、あるいは、光偏向部2上で集光する光ビームLにおけるスポット径、照射強度、及び作動距離が、光偏向部2および光偏向角度検出部3の各部において最適な状態となるように予め調整される。また、光源部1には、平行光である光ビームL、あるいは、光偏向部2上で集光する光ビームLにおけるスポット径、照射強度、及び作動距離を任意の値に調整あるいは制御するための1つ以上の手段あるいは機構が備えられていてもよい。
光偏向部2は、光源部1から照射された光ビームLを第1の方向及び第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ偏向させる。例えば、光偏向部2として、微小電気機械素子により構成される小型ミラーデバイスであるMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーが採用される。MEMSミラーを採用することにより、光ビームLを反射させるミラーの角度を任意の角度に高速で変化させることが可能となる。
図2は、MEMSミラーによって実現される光偏向部2の駆動部分の要部における代表的な一例を示す平面図である。図2では、光偏向部2における駆動部分において、一般的な2次元円形MEMSミラーを用いる場合を仮定して以降の説明を行う。また、光偏向部2における駆動部分に用いられるMEMSミラーの形状は、円形、長方形、正方形、およびその他の形状により構成されていてもよい。この光偏向部2は、光源部1から照射される光ビームLを受ける反射ミラー21と、2つの矩形状のコイル22a,22b、及び2本の揺動軸(弾性体)23a,23bを有する駆動部24とを含んでいる。反射ミラー21は、ばね等の弾性体によって構成される揺動軸23aを介してその外側からコイル22aによって支持され、反射ミラー21及びコイル22aは搖動軸23aを回転軸として一体的に揺動可能である。さらに、コイル22aは揺動軸23aに交差する、ばね等の弾性体によって構成される揺動軸23bを介してその外側からコイル22bによって支持され、反射ミラー21及びコイル22a,22bは搖動軸23bを回転軸として一体的に揺動可能である。加えて、これらのコイル22a,22bの下部には図示しない強磁石が備えられている。
上記の構成の光偏向部2は、コイル22a,22bのそれぞれに動作制御部4から光偏向角度制御信号(駆動信号)Sctrlが供給される。この光偏向角度制御信号Sctrlは、信号線S2(図1)を介して電圧信号もしくは電流信号として供給される。光偏向角度制御信号Sctrlの供給により、光偏向部2においては、強磁石によって生じる強磁場中に配置されたコイル22a及びコイル22bのそれぞれに個別に光偏向角度制御信号Sctrlに応じた電流が流れることにより、それぞれのコイル22a及びコイル22bにローレンツ力が発生する。このローレンツ力の作用により、反射ミラー21は、搖動軸23b(X方向)および搖動軸23a(Y方向)を回転軸としてそれぞれ搖動される。このとき、揺動軸23a及び揺動軸23bにおける揺動角度の向き及び揺動角度の大きさは、光偏向角度制御信号Sctrlを制御することにより、それぞれ個別に調整することが可能である。これにより、光偏向部2は、光源部1より照射された光ビームLを反射ミラー21でX方向およびY方向にそれぞれ反射させることにより、X方向及びY方向に2次元的な広がりをもって出力させることができる。
図3は、光偏向部2による光ビームLの反射状態を示す斜視図である。図3に示すように、2次元的に揺動可能な光偏向部2は、光源部1から照射される光ビームLを、2次元空間内の所定面上のX1方向及び該所定面上でX1方向に交差するY1方向に沿って、それぞれ非共振駆動で偏向させるように駆動する。この光偏向部2の駆動時の共振周波数は、弾性体を含む揺動軸23a,23bの弾性係数等の特性や、反射ミラー21、コイル22a,22b等の部材の材質又は形状等の特性、あるいは温度や湿度等の環境条件等によって決定される。
図4は、光偏向角度検出部3の構成を示す斜視図であり、図5は、図4の光偏向角度検出モジュール32の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、光偏向角度検出部3は、2次元的に偏向された光ビームLの偏向角を検出するユニットであり、レンズユニット31と光偏向角度検出モジュール32とによって構成されている。この光偏向角度検出モジュール32には、動作制御部4に対して光偏向角度信号Sangleを出力するための信号線S1が電気的に接続されている。光偏向角度検出部3は、光偏向部2における反射ミラー21の可動範囲全域にわたって光ビームLの偏向角の検出が可能なように構成される。また、光偏向角度検出部3は、光偏向角度を、上述した光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数で検出可能であるように構成されている。
レンズユニット31は、光偏向部2によってX1方向及びY1方向に沿って偏向された光ビームLを光偏向角度検出モジュール32にロス無く伝達するための光伝達手段である。このレンズユニット31は、光ビームLを光偏向角度検出モジュール32にロスなく伝達させるために最適な性能を持つレンズが選択され、複数枚のレンズが組み合わされた構成であってもよいし、単一のレンズで構成されたものであってもよい。なお、前記レンズユニット31は、装置の小型化等においては省略されてもよく、その場合は光ビームLが光偏向角度検出モジュール32に直接入射してもよい。
光偏向角度検出モジュール32は、光偏向角度検出用素子33、光偏向角度演算部34、及び制御通信部35を含んで構成されている。光偏向角度検出用素子33は、複数の画素を有し、画素毎に輝度情報を数値として出力する光検出素子が1次元又は2次元に複数配列された光検出器である。このような光検出器としては、例えば、エリアセンサ、リニアセンサ、光センサ等がある。光偏向角度検出用素子33は、光偏向部2によって反射された光ビームLを受ける受光面33aを有し、受光面33a上における光ビームLの受光位置を検出し受光位置を示す検出信号を光偏向角度演算部34に出力する。光偏向角度演算部34は、マイクロプロセッサ等の演算回路を内蔵し、光偏向角度検出用素子33から出力された検出信号を基に所定の演算アルゴリズムを用いて光ビームLの偏向角度を算出し、その偏向角度を示す光偏向角度信号Sangleを生成する。制御通信部35は、光偏向角度検出用素子33及び光偏向角度演算部34の動作を制御するとともに、光偏向角度演算部34から光偏向角度信号Sangleを受けて、その光偏向角度信号Sangleを信号線S1を介して動作制御部4に送信する。
本実施形態の光ビーム照射装置10では、光ビームLの照射位置を、既定の制御範囲において、任意の位置から任意の位置へ高速かつ高精度に変えるように制御することを可能にするため、光偏向角度検出部3には光ビームLの制御範囲の全域における高速かつ高精度の計測が求められる。このような観点から、光偏向角度検出モジュール32としては、光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数に対応するフレームレートのセンサを有するものが選択される。さらに、より高速かつ高精度に偏向角度を制御するためには、光偏向角度検出モジュール32は、光偏向部2の共振周波数の5倍以上の周波数に対応するフレームレートを有するものであることが好ましく、光偏向部2の共振周波数の10倍以上の周波数に対応するフレームレートを有するものであることがさらに好ましい。例えば、光偏向角度検出モジュール32としては、1次元あるいは2次元CMOSセンサと高速並列画像処理部とを併せ持つセンサ、2次元射影データ取得用のCMOSセンサを備えるセンサ、又はアナログ位置検出センサであるPSD(Position Sensitive Detector)等が挙げられる。高速2次元CMOSセンサを備えるセンサによれば、A/Dコンバータを列並列に配置しセンサ上に集積化した構造を有するので、高速読出しが実現可能である。
図6には、2次元射影データ取得用のCMOSセンサを備える光偏向角度検出用素子33の構造の一例が示されている。図6に示すように、CMOSセンサ36は、受光面33aを構成する2次元配列された各画素が、1つの列方向画素37aと1つの行方向画素37bとの組み合わせによって構成される。複数の列方向画素37aは、列毎にそれぞれ結線され1列分の画素ラインとして列方向シフトレジスタ38aに接続される。同様に、複数の行方向画素37bは、行毎にそれぞれ結線され1行分の画素ラインとして行方向シフトレジスタ38bに接続されている。このような構造のCMOSセンサ36により、受光面33aに入射した光ビームLのスポット光の輝度分布は、列方向及び行方向にそれぞれ積算されて列方向シフトレジスタ38a及び行方向シフトレジスタ38bに読み出される。また、列方向シフトレジスタ38a及び行方向シフトレジスタ38bのそれぞれから、内蔵されたA/D変換器を経由して8ビットあるいは10ビットのデジタル値がシリアル出力されることにより、デジタル信号である検出信号が出力される。このようにして列方向シフトレジスタ38a及び行方向シフトレジスタ38bから出力された検出信号の示すデジタル信号の示す輝度分布は、光ビームLのスポット光を列方向及び行方向に射影したようなガウシアン分布に似たものとなる。
図7には、図6のCMOSセンサ36から出力される検出信号の輝度分布の一例を示している。図7に示すように、受光面33aに入射した光ビームLのスポット光39に対して、CMOSセンサ36の列方向シフトレジスタ38a及び行方向シフトレジスタ38bのそれぞれから、検出信号Souta及び検出信号Soutbが出力される。これらの検出信号Souta,Soutbにおいては、受光面33a上のスポット光39の行方向及び列方向の径が、それぞれの半値幅Xw,Ywとして現れる。また、検出信号Souta,Soutbの最大輝度値Xh,Yhは、入射するスポット光39の最大輝度値を表す。さらに、検出信号Souta,Soutbの最大輝度値Xh,Yhに対応する受光面33a上の位置Xc,Ycは、最大輝度を検出した画素の2次元位置を表す。このとき、光偏向角度演算部34は、検出信号Souta,Soutbを基に最大輝度値Xh,Yhに対応する受光面33a上の位置Xc,Ycを画素単位で検出する。そして、光偏向角度演算部34は、2次元位置Xc,Ycを対象に、半値幅Xw,Ywを基に演算領域を適切に設定したうえで1次元重心演算を実行することにより、最大輝度の画素の2次元位置Xc,Ycを、サブピクセル単位の精度で再計算する。さらに、光偏向角度演算部34は、2次元位置Xc,Ycを基に光ビームLの偏向角度を算出する。
上記構造のCMOSセンサ36は、CMOSラインセンサを列方向及び行方向に組み合わせたものと同等である。通常の2次元CMOSセンサにおいては、行方向画素数がm、列方向画素数がn(m、nは任意の自然数)の場合、出力データ量は1画素のデータ量のm×n倍となるが、CMOSセンサ36では、出力データ量は1画素のデータ量のm+n倍となる。従って、CMOSセンサ36を採用することにより、入射光の2次元位置情報を高速フレームレートで出力することが可能となる。例えば、CMOSセンサ36に2次元位置情報検出用CMOS機能センサであるプロファイルセンサを用いる場合には、最大3,200Hz(8ビットの出力モードの場合)のフレームレートで高速に直接出力することができる。また、出力データ量が大幅に少なくなるため、センサ後段の信号処理回路の大幅な簡素化が可能となる。また、CMOSセンサ36においては、センサ駆動のための電源供給の他、駆動クロック信号とスタートパルス信号との2種類の信号の供給のみでセンサを駆動させることができるので取り扱いが容易であるという利点を有する。また、CMOSセンサ36におけるセンサフレームレートは、CMOSセンサ36に内蔵されるA/D変換器の変換速度により決定され、A/D変換器の改良等により、現状の変換速度に比べて10倍から100倍程度のフレームレートの高速化が可能である。ただし、前記A/D変換器の変換速度を向上させた場合には、センサにおける消費電力も上昇することとなるため、前記A/D変換器の変換速度を目的に応じて適切に選択する。
図8は、動作制御部4の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、動作制御部4は、光偏向角度信号入力部43、制御演算通信部44、及び光偏向角度制御信号出力部45を含んで構成され、光ビーム照射装置10の全体の動作制御を実行する。この動作制御部4の動作制御は、光偏向角度検出部3の検出周波数に対応して、光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数で繰り返し実行される。ここで、この動作制御部4の動作制御は、光偏向角度検出部3の検出周波数に対応して、光偏向部2の共振周波数の5倍以上の周波数で実行されることが好ましく、光偏向部2の共振周波数の10倍以上の周波数で実行されることがさらに好ましい。光偏向角度信号入力部43は、信号線S1を介して、光偏向角度検出部3から光偏向角度信号Sangleを受信し、その光偏向角度信号Sangleを制御演算通信部44に出力する。制御演算通信部44は、光偏向角度信号入力部43から出力された光偏向角度信号Sangleを基に光偏向角度制御信号Sctrlを補正するように光偏向角度制御信号出力部45を制御する。光偏向角度制御信号出力部45は、制御演算通信部44による制御により補正した光偏向角度制御信号Sctrlを生成し、光偏向角度制御信号Sctrlを信号線S2を介して光偏向部2に向けて出力する。上記構成の動作制御部4は、例えば、プロセッサを内蔵するコンピュータ、フレームグラバボード等の信号取得デバイス、及びDAボード等の信号出力デバイス等によって構成されてもよいし、上記動作制御に特化した専用の制御装置等で構成されてもよい。
次に、上述した光偏向部2および光偏向角度検出部3における光ビームLの光偏向角度の検出の例を示す。図9は、光偏向部2において光偏向角度の制御を停止した場合に光偏向角度検出部3によって検出された光偏向角度信号Sangleの波形を示すグラフである。図9において、グラフG1は光偏向角度制御信号Sctrlの時間変化を示し、グラフG2は、検出された光偏向角度の時間変化を示し、グラフG3は、光偏向角度の目標値を示している。なお、光偏向角度およびその目標値は、光偏向角度検出モジュール32によって検出される光ビームLのスポット光の一次元位置で表されており、光偏向角度制御信号Sctrlは信号電流値で表されている。この例では、光偏向角度制御信号Sctrlとして−1mAから+1mAまでステップ状に変化する信号が設定された。この結果から、検出された光偏向角度の時間変化においては、光偏向角度制御信号Sctrlの−1mAから+1mAへの切り替え時に振動の振幅幅が最大となり、徐々に振動が減衰して光偏向角度の目標時に近づくような減衰振動応答を示すことがわかる。この減衰振動応答は、MEMSミラーで構成される光偏向部2におけるばね等の弾性体によって構成される揺動軸23a,23bのばね剛性とMEMSミラーの各部品の形状及び大きさから決定されること、および、その振動の持続時間は数十ミリ秒程度であることが判明した。本実施形態のように、光偏向部2としてMEMSミラーが用いられた場合、減衰振動応答は光偏向角制御の高速化および高精度化を制限する要因となる。そこで、本実施形態では、減衰振動応答を抑制し高精度の光偏向角制御を実現するために、動作制御部4において減衰振動応答の抑制制御処理を実行する。
以下、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御処理の詳細について説明する。図10は、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
まず、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御処理が開始されると、光偏向角度検出部3から出力された光偏向角度信号Sangleから、光偏向部2によって反射された光ビームの現在の光偏向角度(角度情報)が特定される(ステップS01)。この偏向角度は、光ビームLのスポット光の位置によって表されてもよいし、光ビームLの入射角度そのものによって表されてもよい。ここでは、スポット光の位置を基に制御する例を示す。次に、動作制御部4により、現在位置と光偏向角度の目標値を示す目標位置との差分値が演算される(ステップS02)。この光偏向角度の目標値は、予め求められて動作制御部4内に記憶されていてもよいし、減衰振動応答の抑制制御処理の前段階の処理として目標値が事前に計測されて設定されてもよい。さらに、動作制御部4により、現在位置と目標位置との差分値と前回の差分値とを加えた積分値が演算される(ステップS03)。そして、動作制御部4により、現在位置と目標位置との差分値と前回の差分値との差を求めることで微分値が演算される(ステップS04)。
その後、動作制御部4により、光偏向角度制御信号Sctrlの現在の信号値(電流値)が決定される(ステップS05)。この信号値は、光偏向角度が切り替えられて光偏向角度の目標値が遷移したタイミングからの所定の初期期間においては所定波形のプリパルスを設定するように決定され、その所定の初期期間後はその目標値に対応した信号値に設定される。次に、現在のタイミングが、プリパルスが設定される初期期間が経過したタイミングである場合には、動作制御部4により、ステップS02〜S04で求めた差分値、積分値、微分値のそれぞれに係数を乗じてそれらの加算値が求められ、その加算値を基にPID制御が実行されることにより、今回の制御タイミングにおける光偏向角度制御信号Sctrlの信号値が、前回の制御タイミングにおける光偏向角度制御信号Sctrlの信号値から補正される(ステップS06)。ここでは、PID制御が実行されているが、前記差分値、微分値、積分値がそれぞれ単独で用いられて制御が行われても良く、前記各値が目的に応じて適切に複数組み合わされて制御が行われても良い。すなわち、差分値のみを用いるP制御が実行されてもよいし、差分値及び積分値のみを用いるPI制御が実行されてもよい。最後に、動作制御部4により、補正された信号値の光偏向角度制御信号Sctrlが出力されて光偏向部2の動作が制御される(ステップS07)。上記のステップS01〜S07の処理は、光偏向角度検出部3の検出周期に合わせて、光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数で繰り返し実行される。
図11および図12は、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御処理を動作させた場合と動作させなかった場合に光偏向角度検出部3によって検出された光偏向角度信号Sangleの波形を示すグラフである。それぞれのグラフにおいて、グラフG1は動作制御部4から出力された光偏向角度制御信号Sctrlの時間変化を示し、グラフG2は、光偏向角度検出部3によって検出された光偏向角度の時間変化を示し、グラフG3は、光偏向角度の目標値を示している。
図11に示すように、減衰振動応答の抑制制御処理を動作させなかった場合には、目標値を中心にして減衰振動応答が計測されているが、図12に示すように、減衰振動応答の抑制制御処理を動作させた場合には、1.5msec程度の時間で減衰振動が十分に抑制されており、目標値に対して高速高精度に収束していることがわかる。ここで、図12に示すように、減衰振動応答の抑制制御処理を動作させた場合には、動作制御部4により目標値の切り換えタイミングの直後の初期期間(図12における約0.0msec〜約0.7msecの間の期間)にプリパルスが設定されている。このプリパルスは、光偏向角度制御の応答をより速くするために設定される。
以上説明した光ビーム照射装置10によれば、光源部1から出力された光ビームLが光偏向部2によって反射されて照射される。その際、光偏向部2の反射ミラー21を揺動させる駆動部24に光偏向角度制御信号Sctrlが供給されることによって、光偏向部2の偏向角度が所定の角度に制御されて光ビームLの照射角度が所望の角度に設定される。それと同時に、光偏向角度検出部3によって光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数で受光面33a上の光ビームLの受光位置が検出され、その検出結果を基に駆動部24に供給される光偏向角度制御信号Sctrlが補正される。これにより、反射ミラー21の共振振動に追随して光ビームLの照射角度を補正することができ、その結果、光ビームLの照射角度の変動を十分に抑制することができる。さらに、光ビームの照射角度の変動を十分に抑制することにより、光ビームの照射を所望の角度に高精度に制御することができる。
従来の光ビーム制御装置には、ガルバノミラー等を用いた光偏向部が用いられてきた。当該光ビーム制御装置におけるミラー角度制御の高速性や精度は、ガルバノミラーに含まれるサーボモータの角度分解能又は回転速度、あるいは、エンコーダの位置分解能等の各部品の性能及び精度によって決定される。そのため、性能又は精度が異なる部品が組み合わされた装置においては、最も低い性能又は精度の部品により装置全体の性能又は精度が決定される。その結果、装置の高速化及び高精度化を図る場合、各部品の大型化及び高性能化が必要とされ、装置全体の大型化及び高コスト化を招く傾向にある。
一方で、近年、微小電気機械システム(MEMS)技術を応用してMEMSミラーの開発が進められている。このMEMSミラーは、高速応答性と高精度な角度制御特性とを併せ持ち、小型で低消費電力であり低コストであるという特徴を有する光学デバイスである。本発明者らは、このMEMSミラーの特性を評価した結果、MEMSミラーに含まれるばね構造のばね剛性と内蔵するミラーの形状に起因する減衰振動応答が存在し、その応答持続時間が数十ミリ秒程度であることを新たに見出した。このことから、MEMSミラーを光ビーム制御装置に用いた場合、光偏向角度の制御の高速化及び高精度化を図るため、減衰振動応答を抑制する必要があることが判明した。本実施形態の光ビーム照射装置10によれば、光ビームLの光偏向角度の計測及びその帰還制御を、MEMSミラーを含む光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数で行うため、上述したMEMSミラーの減衰振動応答が数ミリ秒程度にまで抑制可能である。
また、光ビーム照射装置10の動作制御部4は、光偏向角度検出部3における検出信号に基づいて算出された角度情報を基に、帰還制御を実行することで駆動信号を補正することにより、反射ミラー21の共振振動に追随して光ビームLの照射角度を補正することができる。
さらに、光偏向角度検出部3は、複数の画素を有し、画素毎に輝度情報を数値として出力する光検出素子が1次元又は2次元に複数配列された光検出器である。光検出器は、例えば、エリアセンサ、リニアセンサ、光センサ等である。このような構成により、光偏向角度検出部3における構造をより単純化することができる。
次に、本実施形態にかかる光ビーム照射装置10による減衰振動応答の抑制制御処理の動作例を示す。
図13は、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御の制御周波数を変化させた場合に光偏向角度検出部3によって検出された光偏向角度信号Sangleの波形を示すグラフであり、図14は、図13における動作時に対応した光偏向角度制御信号Sctrlの波形を示すグラフである。この場合、光偏向角度制御信号Sctrlは、光偏向角度制御の応答をより速くするためのプリパルスが付加されないように設定された。これらの測定結果により、減衰振動応答の抑制制御が実行されない場合(オープンループ駆動の場合)、及び制御周波数が光偏向部2の共振周波数の1倍及び3倍の場合には、光偏向角度の減衰振動の影響が残っていることが判明した。これに対して、制御周波数が光偏向部2の共振周波数の4倍以上の5倍及び10倍の場合には、光偏向角度の減衰振動が十分に抑制されていることがわかった。
また、図15は、動作制御部4による減衰振動応答の抑制制御の制御周波数を変化させた場合に光偏向角度検出部3によって検出された光偏向角度信号Sangleの波形を示すグラフであり、図16は、図15における動作時に対応した光偏向角度制御信号Sctrlの波形を示すグラフである。この場合、光偏向角度制御信号Sctrlは、オープンループ駆動の場合以外は、プリパルスが付加されるように設定された。これらの測定結果によっても、制御周波数が光偏向部2の共振周波数の1倍及び3倍の場合には、光偏向角度の減衰振動の影響が残っており、制御周波数が共振周波数の4倍以上の5倍及び10倍の場合には、光偏向角度の減衰振動が十分に抑制されていることがわかった。また、図13〜図16の測定結果から、光偏向角度制御信号Sctrlにプリパルスが付加されているか否かに関わらず、制御周波数が共振周波数の4倍以上に設定されることが減衰振動の抑制に効果的であることが判明した。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
例えば、上記実施形態に係る光ビーム照射装置10では、光偏向部2は、光ビームLを第1の方向及び第1の方向と交差する第2の方向に2次元的に偏向させることが可能な構成を採用していたが、光ビームLを1次元的に偏向させる構成の組み合わせが複数採用されてもよい。例えば、当該構成の一例として、1つの方向に沿って反射ミラーを揺動させることが可能な1次元MEMSミラーを複数用いる構成がある。図17は、当該構成を採用した変形例における光偏向部2による光ビームLの反射状態を示す斜視図である。このような変形例においては、2つの1次元MEMSミラー102a,102bが備えられており、一方のMEMSミラー102aが光ビームLを受けて他方のMEMSミラー102bに向けて反射させ、他方のMEMSミラー102bがさらに光ビームLを反射させて受光面33a上に出力する。このとき、一方のMEMSミラー102aは、光源部1から照射される光ビームLを、受光面33a上のX1方向に沿って非共振駆動で偏向させるように駆動され、他方のMEMSミラー102bは、MEMSミラー102aによって反射された光ビームLを受光面33a上のX1方向に交差するY1方向に沿って非共振駆動で偏向させるように駆動される。このようなMEMSミラー102a,102bは、光偏向角度制御信号Sctrlを伝送するための信号線S2を介して、動作制御部4に接続される。以上説明したような変形例によっても、光ビームLの照射角度を高速かつ高精度に制御することができる。
また、上記実施形態に係る光ビーム照射装置10では、光偏向部2により反射される光ビームLの一部を光偏向角度検出部3に分割する光分岐部26を備え、光偏向角度検出部3の受光面33aにおいて光分割部で分割された光を受けるように構成されてもよい。例えば、光分岐部26により、光ビームLの光強度の1%から数%程度が分岐され光偏向角度検出部3に入射するように構成される。このような光分岐部26を備えることで、光ビームLにおける光強度に影響を与えることなく照射角度の制御を実現することができる。光分岐部26としては、ビームサンプラー等の光学素子あるいは前記目的を満足する性能を持つ光学デバイスを含む構成が使用される。図18は、本変形例にかかる光偏向部2における光ビームLの反射状態を示す斜視図である。このように、光源部1から出力された光ビームLは光偏向部2に入射され、光偏向部2で反射された光ビームLの一部が光分岐部26によって分岐され、光偏向角度検出部3における受光面33aに入射する。
また、図19には、本発明の別の変形例にかかる光ビーム照射装置10Aの構成を示している。この光ビーム照射装置10Aの上述した実施形態との相違点は、光源部1とは別の計測光源部(モニタ用光源)6をさらに備え、計測光源部6が光ビームLの偏向角度の計測(モニタ)用の計測用光ビームLmを光偏向部2に照射する点である。計測光源部6の構成は光源部1と同様である。この光ビーム照射装置10Aにおいては、光偏向角度検出部3の受光面33aが、計測光源部6から照射され、光偏向部2によって偏向された計測用光ビームLmを受光する。また、計測光源部6と光偏向部2との間の空間において、計測用光ビームLmの光路上の任意の位置には、計測用光ビームLmの照射強度の調整を目的としたNDフィルタ5が単数あるいは複数枚配置されていてもよい。同様に、光源部1と光偏向部2との間の空間において、光ビームLの光路上の任意の位置にも、NDフィルタ5が単数あるいは複数枚配置されていてもよいし、光偏向部2と光偏向角度検出部3との間の空間にも、計測用光ビームLmの照射強度の調整を目的としたNDフィルタ5が配置されていてもよい。このような変形例によれば、光ビームLの出力強度に影響を与えることなく照射角度の制御を実現することができる。
また、図20には、本発明の別の変形例にかかる光ビーム照射装置10Bの構成を示している。この光ビーム照射装置10Bにおける、上記変形例に係る光ビーム照射装置10Aとの相違点は、動作制御部4と光源部1及び動作制御部4と計測光源部6がそれぞれ信号線S3によって電気的に接続され、動作制御部4により光源部1及び計測光源部6の点灯タイミングの制御が可能である点である。詳細には、動作制御部4は、光源部1及び計測光源部6のそれぞれに対して、信号線S3を介して、点灯タイミングを制御する光源制御信号Spulseを出力可能である。このような変形例では、光源部1及び計測光源部6から任意のタイミングでパルス光を照射することが可能となり、光偏向角度検出部3における光偏向角度の検出速度及び動作制御部4における光偏向角度制御の周期に合わせて光ビームをパルス照射させることが可能となる。
また、図21には、本発明の別の変形例にかかる光ビーム照射装置10Cの構成を示している。この光ビーム照射装置10Cの上述した実施形態との相違点は、光偏向角度検出制御部7をさらに備え、この光偏向角度検出制御部7の制御により光偏向角度検出部3に含まれるセンサの画素読み出し方法の制御が可能にされている点である。通常は、センサの画素数が増加するほどフレームレートが低下するが、このような変形例によれば、センサの画素読み出し方法を適切に制御することによりセンサのフレームレートを向上させることが可能となるため、光偏向角度検出部3における光偏向角度検出速度をより向上させることが可能となる。
図21に示すように、光ビーム照射装置10Cの光偏向角度検出制御部7は、信号線S2によって動作制御部4と、信号線S1,S3によって光偏向角度検出部3と、それぞれ電気的に接続されている。このような構成により、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度検出部3から光偏向角度信号Sangleが入力され、動作制御部4から光偏向角度制御信号Sctrlが入力される。この光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangle、光偏向角度制御信号Sctrl、及び光ビーム照射装置10Cのユーザから入力された検出制御信号を基に、光偏向角度検出部3における画素読み出しの方法を制御するための光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成し、その光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを光偏向角度検出部3に出力する。光偏向角度検出制御部7によって制御される画素読み出しの方法としては、「部分読み出し」、「ビニング読み出し」、「飛ばし読み出し」の方法が挙げられる。これらの画素読み出し方法は単独で制御されてもよいし、複数の方法が組み合わされて制御されてもよい。
光偏向角度検出制御部7は、画素読み出し方法の制御の各周期において最初に、直前の光偏向角度制御信号Sctrl、及びユーザから入力された動作条件を基に、動作制御パラメータを決定する。この動作条件は、例えば、制御速度に関する情報等の読み出し条件を設定する情報である。詳細には、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度制御信号Sctrl及び動作条件を基に、画素読み出しの制御速度を示す情報と、読み出し対象の画素の範囲を示す情報とを含む動作制御パラメータを決定する。このとき、動作制御パラメータは、光偏向角度制御信号Sctrlと動作条件との両方を用いて決定されるが、どちらか一方のみを用いて決定されてもよい。
以下、光偏向角度検出部3の光偏向角度検出モジュール32として2次元CMOSセンサを含むセンサが採用された場合の画素読み出し方法の制御の詳細について説明する。
図22は、本変形例にかかる2次元CMOSセンサの構造を示す概略構成図である。このように、2次元CMOSセンサ36Cは、m行n列(m,n:0以上の整数)で二次元配列された画素ユニットP00,P01,P02,…Pmnを有し、画素ユニットの総数は画素数と同数のm×n個である。各画素ユニットは、フォトダイオード、アンプ、トランジスタ等を含んで構成される。なお、図22において、説明の簡略化のため、各画素ユニットにおけるアンプやCDS回路等は図示されていない。この2次元CMOSセンサ36Cは、各画素ユニット内のフォトダイオードによって光電変換された電荷をアンプで増幅し、垂直シフトレジスタ138b及び水平シフトレジスタ138aによるアドレスの指定により、任意の画素から電荷量に対応した信号を選択して読み出すことが可能に構成されている。上記構成の2次元CMOSセンサ36Cの全画素を対象に画素読み出しを実施する方法では、光偏向部2の共振周波数の4倍以上の周波数に比較してセンサのフレームレートが遅く、制御が追いつかずに制御性低下につながる恐れがある。本変形例では、光偏向角度検出制御部7によって画素読み出しの方法を制御することにより、センサのフレームレートを向上させ、より高速な光偏向角制御が可能とされる。
図23は、光偏向角度検出制御部7によって制御された部分読み出しの原理を示す模式図であり、(a)には2次元CMOSセンサ36C上の読み出し対象の画素ユニットを示し、(b)には読出し対象の画素ユニットと光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図23(a)に示す例においては、部分読み出しの領域として、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、読み出し対象の画素を特定するために、m=1,2,3、n=1,2,3が設定されている。このような光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、水平シフトレジスタ138a及び垂直シフトレジスタ138bによるアドレス指定が為されることにより、画素ユニットP11〜P13,P21〜P23,P31〜P33の領域が選択的に読み出される。部分読み出しの方法は、m×n画素を全画素読み出す場合と比較して、読み出す画素数が少なくなるため、より高速に読み出すことが可能となる。
また、図23(b)に示すように、2次元CMOSセンサ36Cの読み出し対象の画素ユニットはスポット光39の位置及び大きさに応じて制御される。図23(b)中、塗りつぶされた画素ユニットが読み出し対象であることを示している。ここで、2次元CMOSセンサ36C上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1と2次元CMOSセンサ36Cとの間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、部分読み出し領域の1画素以上の大きさであり、スポット光39が振動等によって位置変動した場合においても部分読み出し領域から外れることなく検出可能な大きさとなるように設定される。例えば、図23(b)の例によれば、スポット光39の大きさは、3×3画素の部分読み出し領域における1画素以上の大きさであり、かつ、3×3画素の部分読み出し領域から外れない大きさとなるように設定される。
光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基に2次元CMOSセンサ36C上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得する。そして、光偏向角度検出制御部7は、部分読み出し領域を取得した位置及び大きさに合わせて移動及び変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成する。このとき、光偏向角度検出制御部7は、動作制御パラメータに従って、読み出し範囲における行方向及び列方向の読み出し開始アドレスおよび読出し終了アドレスを設定する。なお、この部分読み出し領域の大きさは、2次元CMOSセンサ36Cのフレームレートが光偏向部2の共振周波数の4倍以上となるように設定される。これにより、スポット光39が振動等により部分読み出し領域の外に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随して部分読み出し領域を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。また、スポット光39が存在する領域のみを選択的に読み出すことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。
図24は、光偏向角度検出制御部7によって制御されたビニング読み出しの原理を示す模式図であり、(a)には2次元CMOSセンサ36C上の読み出し対象の画素ユニットを示し、(b)には読出し対象の画素ユニットと光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図24(a)に示す例においては、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、画素ユニットP00,P01,P10,P11の4画素ユニットを1画素に統合して読み出すように、垂直シフトレジスタ138b及び水平シフトレジスタ138aが制御される。このとき、読み出される4画素ユニットを統合した1画素の輝度は、4画素ユニットの合計値として読み出されてもよいし、4画素ユニットの平均値として読み出されてもよい。特に、4画素ユニットの合計値とした読み出される場合は、1画素ユニットの輝度に比較して輝度が増加するため、相対的に1画素あたりの感度を向上させることができる。同様にして、光偏向角度検出制御部7により、画素ユニットP02,P03,P12,P13、画素ユニットP20,P21,P30,P31、画素ユニットP22,P23,P32,P33、…等の隣接する4つの画素ユニットのそれぞれを1画素として読み出すように制御される。ビニング読み出しの方法は、m×n画素を全画素読み出す場合と比較して、読み出す画素の絶対数が少なくなるため、解像度は低下するが、より高速に読み出すことが可能となる。
図24(b)に示す例においては、2次元CMOSセンサ36Cは、隣接する4つの画素ユニット毎にビニング読み出しが為されるように制御される。図24(b)中、異なるパターンで塗りつぶされた画素ユニット毎に読み出されることが示されており、このように読み出しが制御された画素ユニットに対するスポット光39の位置及び大きさも示されている。ここで、2次元CMOSセンサ36C上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1と2次元CMOSセンサ36Cとの間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、ビニング読み出しにより1画素相当として処理される領域以上の大きさとなるように設定される。例えば、図24(b)の例によれば、スポット光39の大きさは、2×2画素ユニットの各領域がそれぞれビニング読み出しにおける1画素相当の領域として設定されているので、2×2画素ユニットの大きさ以上となるように設定される。
光偏向角度検出制御部7は、ビニング読み出しの範囲を指定する情報と、ビニング読み出し範囲における読み出し開始アドレスおよび読み出し終了アドレスとを、光偏向角度制御信号Sdtct_ctrlに設定する。この範囲指定および読み出し開始アドレスおよび読み出し終了アドレス設定により、「何画素を1画素として読み出すか」が指定される。このビニング読み出し範囲の指定は、2次元CMOSセンサ36Cの場合、垂直シフトレジスタ138b及び水平シフトレジスタ138aにより画素単位で指定される。以上のように、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度検出におけるフレームレートが、光偏向部2における共振周波数の4倍以上となるように駆動条件を制御する。また、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基に2次元CMOSセンサ36C上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得することができる。そして、光偏向角度検出制御部7は、取得したスポット光39の位置及び大きさに合わせてビニング読み出しの範囲を変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成してもよい。これにより、スポット光39が振動等によりビニング読み出し範囲の外に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随してビニング読み出し範囲を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。以上説明したように、複数の画素を1画素としてまとめて読み出すビニング読み出しを行うことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。
図25は、光偏向角度検出制御部7によって制御された飛ばし読み出しの原理を示す模式図であり、(a)には2次元CMOSセンサ36C上の読み出し対象の画素ユニットを示し、(b)には読出し対象の画素ユニットと光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図25(a)に示す例においては、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、画素ユニットP00,P01,…P0nの1行分の画素ユニットを読み出した後、画素ユニットP10,P20のそれぞれを先頭とする2行の画素ユニットを読み飛ばした後、画素ユニットP30,P31,…P3nの1行分の画素ユニットを読み出すように、垂直シフトレジスタ138b及び水平シフトレジスタ138aが制御される。この飛ばし読み出しは、不必要な行及び列を間引くように読み出す方法であるため、m×n画素を全画素読み出す場合と比較して、読み出す画素の絶対数が少なくなるため、より高速に読み出すことが可能となる。
また、図25(b)に示すように、2次元CMOSセンサ36Cにおける飛ばし読み出しにおける読み飛ばし領域の設定はスポット光39の位置及び大きさに応じて制御することにより、2次元CMOSセンサ36Cにおけるフレームレートを高速化することが可能となる。図25(b)において、塗りつぶされた画素ユニットが読み出し領域の画素ユニットであることを示しており、このように読み出しが制御された画素ユニットに対するスポット光39の位置及び大きさも示されている。また、図25(b)中において点線で示すように、読み出し領域として設定された画素ユニットの間に挟まれた2行が、読み飛ばし領域として設定され、この読み出し領域として設定された画素ユニットより前の行の画素ユニット、及び読み出し領域として設定された画素ユニットより後の行の画素ユニットも同様に読み飛ばし領域として設定される。ここで、2次元CMOSセンサ36C上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1と2次元CMOSセンサ36Cとの間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、飛ばし読み出しの読み飛ばし領域の行数(あるいは列数)以上となるように設定される。例えば、図25(b)の例によれば、スポット光39の大きさは、行方向で読み飛ばされる行数である2行の画素ユニット以上の大きさとなるように設定される。
光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleと動作制御パラメータを用いて、飛ばし読み出しにおける読み出し領域を指定する情報と、読み飛ばす領域を指定する情報とを示す読み出し開始アドレスと読み出し終了アドレスとを、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlに設定する。この読み出し領域指定および読み飛ばし領域指定を示す読み出し開始アドレスと読み出し終了アドレス設定により、何画素を読み出し、何画素を読み飛ばすかが指定される。このとき、読み出し領域及び読み飛ばし領域の指定は、2次元CMOSセンサ36Cの場合、垂直シフトレジスタ138b及び水平シフトレジスタ138aにより画素単位で指定される。以上のように、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度検出におけるフレームレートが、光偏向部2における共振周波数の4倍以上となるように駆動条件を制御する。また、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基に2次元CMOSセンサ36C上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得することができる。そして、光偏向角度検出制御部7は、取得したスポット光39の位置及び大きさに合わせて飛ばし読み出しにおける読み飛ばし領域を変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成してもよい。これにより、スポット光39が振動等により読み飛ばし領域に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随して読み飛ばし領域を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。以上説明したように、不必要な行及び列を間引くように読み出す飛ばし読み出しを行うことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。
上記の2次元CMOSセンサが採用された本変形例によれば、読み出し時間を短縮することが可能とされ、2次元CMOSセンサをより高速なフレームレートで駆動できる。これにより、より高速でより高精度な光偏向角制御が可能となる。
次に、本変形例において、光偏向角度検出部3の光偏向角度検出モジュール32として2次元射影データ取得用のCMOSセンサを含むセンサが採用された場合の画素読み出し方法の制御の詳細について説明する。ここでは、図6に示した構成のCMOSセンサ36が採用される。CMOSセンサ36を用いた場合でも、2次元CMOSセンサ36Cを用いた場合と同様に、光偏向角度検出制御部7によって画素読み出しの方法を制御することにより、センサのフレームレートを向上させ、より高速な光偏向角制御が可能となる。
図26は、光偏向角度検出制御部7によって制御された部分読み出しの原理を示す模式図であり、(a)にはCMOSセンサ36上の読み出し対象の画素を示し、(b)には読出し対象の画素と光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図26(a)に示す例においては、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、画素の3行分の領域137aが行方向シフトレジスタ38bによる読み出し領域として設定され、画素の3列分の領域137bが列方向シフトレジスタ38aによる読み出し領域として設定されている。このような光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、行方向シフトレジスタ38b及び列方向シフトレジスタ38aにより読み出される領域が部分的に指定して選択される。部分読み出しの方法は、全画素を読み出す場合と比較して、読み出す画素数が少なくなるため、より高速に読み出すことが可能となる。
また、図26(b)に示すように、CMOSセンサ36の読み出し対象の画素ユニットはスポット光39の位置及び大きさに応じて制御される。なお、図26(b)および以降示される、読出し対象の画素と光ビームLのスポット光との位置関係を示す図においては、説明の簡単化のため、二等辺三角形で表された1つの列方向画素37aと、同様に二等辺三角形で表された1つの行方向画素37bとの組み合わせによりCMOSセンサ36における1画素が表現されており、CMOSセンサ36の行方向256画素×列方向256画素の全画素のうちの一部の画素が示されている。さらに、図26(b)には、列方向シフトレジスタ38aから出力される検出信号Souta、及び行方向シフトレジスタ38bから出力される検出信号Soutbの出力イメージも併せて示されている。ここで、CMOSセンサ36上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1とCMOSセンサ36との間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、部分読み出し領域として設定された行方向画素ライン及び列方向画素ラインにおける1ラインの大きさ以上であり、スポット光39が振動等によって位置変動した場合においても部分読み出し領域から外れることなく検出可能な大きさとなるように設定される。例えば、図26(b)の例によれば、行方向においては3行の画素ラインの領域、及び列方向には3列の画素ラインの領域が、部分読み出し領域として設定されている。この場合、スポット光39の大きさは、行方向及び列方向における部分読み出し領域の画素ラインの1画素の大きさ以上となり、かつ、行方向及び列方向において読み出し領域から外れない大きさとなるように設定される。
光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基にCMOSセンサ36上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得する。そして、光偏向角度検出制御部7は、部分読み出し領域を取得した位置及び大きさに合わせて移動及び変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成する。すなわち、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleと動作制御パラメータとから、部分読み出し位置を指定する。さらに、光偏向角度検出制御部7は、動作制御パラメータに従って、読み出し範囲における行方向及び列方向の読み出し開始アドレスおよび読出し終了アドレスを、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlに設定する。このとき、部分読み出しで指定される範囲は、行方向及び列方向の画素ライン単位で指定される。なお、この部分読み出し領域の大きさ(画素ライン数)は、CMOSセンサ36のフレームレートが光偏向部2の共振周波数の4倍以上となるように設定される。これにより、スポット光39が振動等により部分読み出し領域の外に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随して部分読み出し領域を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。また、スポット光39が存在する領域のみを選択的に読み出すことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。
図27は、光偏向角度検出制御部7によって制御されたビニング読み出しの原理を示す模式図であり、(a)にはCMOSセンサ36上の読み出し対象の画素を示し、(b)には読出し対象の画素と光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図27(a)に示す例においては、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、画素ラインの2行分の領域137c及び領域137dのそれぞれが、統合されて1行分の画素ラインとして行方向シフトレジスタ38bによって読み出される読み出し領域として設定され、同様に画素ラインの2列分の領域137e及び領域137fのそれぞれが、統合されて1列分の画素ラインとして列方向シフトレジスタ38aによって読み出される読み出し領域として設定されている。このとき、1行分及び1列分の画素ラインとして読み出される読み出し領域の輝度値は、複数行及び複数列の画素ラインの合計値とされてもよいし、複数行及び複数列の画素ラインの平均値であってもよい。特に、画素ラインの合計値を輝度値に設定する場合は、ビニング読出し前と比較して輝度値が増加するため、相対的に感度を向上させることができる。ビニング読み出しによって複数行及び複数列の画素ラインを1行分及び1列分の画素ラインとして読み出すことが可能となるため、全画素ラインを読み出す場合と比較して、解像度は低下するが、読み出す画素ラインが少なくなるため、より高速に読み出すことが可能となる。
また、図27(b)に示すように、CMOSセンサ36の読み出し対象の画素ユニットはスポット光39の位置及び大きさに応じて制御される。CMOSセンサ36上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1とCMOSセンサ36との間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、ビニング読み出しにおいて1画素ライン分として設定された行方向画素ライン及び列方向画素ラインの大きさ以上となるように設定される。例えば、図27(b)の例によれば、行方向においては2行の画素ラインの領域、及び列方向には2列の画素ラインの領域が、ビニング読み出しの対象の画素ライン領域として設定されている。この場合、スポット光39の大きさは、行方向及び列方向における1画素ライン分としてビニング読み出しが行われる領域(2行及び2列)以上の大きさとなるように設定される。
光偏向角度検出制御部7は、ビニング読み出しの範囲を指定する情報と、上述した行方向及び列方向の読み出し開始アドレスおよび読出し終了アドレスとを、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlに設定する。この範囲指定および読み出し開始アドレスおよび読み出し終了アドレス設定により、「何画素ラインを1画素ラインとして読み出すか」が指定される。このビニング読み出し範囲の指定は、CMOSセンサ36の場合、行方向シフトレジスタ38b及び列方向シフトレジスタ38aにより画素ライン単位で指定される。以上のように、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度検出におけるフレームレートが、光偏向部2における共振周波数の4倍以上となるように駆動条件を制御する。また、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基にCMOSセンサ36上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得することができる。そして、光偏向角度検出制御部7は、取得したスポット光39の位置及び大きさに合わせてビニング読み出しの範囲を変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成してもよい。これにより、スポット光39が振動等によりビニング読み出し範囲の外に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随してビニング読み出し範囲を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。以上説明したように、複数行及び複数列をまとめて読み出すビニング読み出しを行うことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。
図28は、光偏向角度検出制御部7によって制御された飛ばし読み出しの原理を示す模式図であり、(a)にはCMOSセンサ36上の読み出し対象の画素ユニットを示し、(b)には読出し対象の画素ユニットと光ビームLのスポット光39との位置関係を示している。
図28(a)に示す例においては、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlにより、画素ラインの1行分の領域137gが行方向シフトレジスタ38bによって読み出される読み出し領域として設定され、続く画素ラインの2行が読み飛ばし領域として設定され、その次の画素ラインの1行分の領域137hが行方向シフトレジスタ38bによって読み出される読み出し領域として設定される。同様に、画素ラインの1列分の領域137jが列方向シフトレジスタ38aによって読み出される読み出し領域として設定され、続く画素ラインの2列が読み飛ばし領域として設定され、その次の画素ラインの1列分の領域137kが列方向シフトレジスタ38aによって読み出される読み出し領域として設定される。飛ばし読み出しによって、不要な行及び列の画素ライン(スポット光の存在しない領域)を間引き、必要な領域の画素ラインのみを読み出すことが可能である。その結果、全画素を読み出す場合と比較して、読み出す画素ライン数(画素数)が少なくなるため、より高速に読み出すことが可能となる。
また、図28(b)に示すように、CMOSセンサ36における飛ばし読み出しにおける読み飛ばし領域の設定はスポット光39の位置及び大きさに応じて制御することにより、CMOSセンサ36におけるフレームレートを高速化することが可能となる。図28(b)においては、行方向において、1画素ライン分を読み出し、その後2画素ライン分を読み飛ばした後、再び1画素ライン分を読み出すように制御される。同様に、列方向においても、1画素ライン分を読み出し、その後2画素ライン分を読み飛ばした後、再び1画素ライン分を読み出すように制御される。CMOSセンサ36上の受光面におけるスポット光39の大きさは、スポット光39を生成する光源部1及び光源部1とCMOSセンサ36との間に設けられる光学系により予め設定される。すなわち、スポット光39の大きさは、スポット光39の2次元位置を1次元重心計算によりサブピクセル精度で計算できるようにするため、飛ばし読み出しによって行方向及び列方向に読み飛ばされる画素ラインとして設定された領域以上の大きさとなるように設定される。例えば、図28(b)の例によれば、スポット光39の大きさは、行方向及ぶ列方向で読み飛ばされる画素ライン数(2画素ライン)以上の大きさとなるように設定される。なお、このときの検出信号Soutb,Soutbにおいては、読み飛ばされた画素ラインの出力は現れず、読み出された画素ラインの出力のみが現れる。
光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleと動作制御パラメータを用いて、飛ばし読み出しにおける読み出し領域を指定する情報と、読み飛ばす領域を指定する情報とを示す読み出し開始アドレスと読み出し終了アドレスとを、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlに設定する。この読み出し領域指定および読み飛ばし領域指定を示す読み出し開始アドレスと読み出し終了アドレス設定により、何画素ラインを読み出し、何画素ラインを読み飛ばすかが指定される。このとき、読み出し領域及び読み飛ばし領域の指定は、CMOSセンサ36の場合、列方向シフトレジスタ38a及び行方向シフトレジスタ38bにより画素ライン単位で指定される。なお、この読み飛ばし領域の行方向及び列方向の画素ラインの大きさ(読み飛ばす画素ライン数)は、CMOSセンサ36のフレームレートが光偏向部2の共振周波数の4倍以上となるように設定される。また、光偏向角度検出制御部7は、光偏向角度信号Sangleを基にCMOSセンサ36上の受光面に入射しているスポット光39の受光面上における位置及び大きさに関する情報を取得することができる。そして、光偏向角度検出制御部7は、取得したスポット光39の位置及び大きさに合わせて飛ばし読み出しにおける読み飛ばし領域を変更させるように、光偏向角度検出制御信号Sdtct_ctrlを生成してもよい。これにより、スポット光39が振動等により読み出し領域から外れた位置に位置変動した場合であっても、その位置変動に追随して読み出し領域を新たに設定することにより精度よく重心位置を計算することができる。以上説明したように、不必要な行及び列を間引くように読み出す飛ばし読み出しを行うことにより、全画素を読み出す場合に比較して、より高速な読み出しが可能となり、より高精度な光偏向角制御が可能となる。さらに、上記の飛ばし読み出しをより高速に行うために、前述した部分読み出しが併用されて用いられてもよい。
上記の次元射影データ取得用のCMOSセンサが採用された本変形例によれば、読み出し時間を短縮することが可能とされ、CMOSセンサをより高速なフレームレートで駆動できる。これにより、より高速でより高精度な光偏向角制御が可能となる。