以下、本発明の回転電機について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。但し、最初は、本発明の回転電機の理解を助けるため、前提となる回転電機の技術的概要について説明する。
図1は、本発明の前提となる回転電機10の技術的概要を説明するために示した外観斜視図である。図2は、この回転電機10に適用可能な別構造の回転子を説明するために示す平面図であり、同図(a)は12極の回転子に関する図、同図(b)は6極の回転子に関する図である。
図1を参照すれば、この回転電機10は、24極の発電機として機能するもので、回転軸11と同心に且つ回転軸11と並行して等間隔で且つ磁化方向が交番するように配置した複数(ここでは24個)の永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)、及びこれらの永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の間に非磁性体板12Cを挟んで配置した磁性体板12F、12Rを介在させた構成の円板状回転体による回転子12と、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の回転軸11の延在方向(軸方向と呼ばれても良い)の前面端部(図1中では上側面)と背面端部(図1中では下側面)との間をそれぞれ空隙を介して接続するように配置された複数(ここでは21個)のC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)と、21極数分のC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、21)における鉄心部の各直線部に巻回されたコイル14(14a、14b、14c、14d、14e)と、を備えて構成される。
但し、ここでのC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)は、図示されないハウジングに収容されるもので、回転子12を貫通する回転軸11が図示されない軸受を介してハウジングに支持されている。
このうち、回転子12の回転軸11の周方向(回転子12の回転方向W)において隣り合う永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の間には、非磁性体板12Cとこの両隣りに配置した各磁性体板12F、12Rとが介在される。非磁性体板12Cにはステンレス鋼板、ベークライト板等を用いる場合を例示でき、磁性体板12F、12Rには電磁鋼鈑を用いる場合を例示できる。永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…,12M−24)と磁性体板12F、12R及び非磁性体板12Cとの積層体における各部の円周方向に占める角度θは、等しくなるように設定する。
例えば、回転子12が図2(a)に示されるように12極の場合にはθ1=θ2、図2(b)に示されるように6極の場合にはθ3=θ4(但し、θ3=θ4>θ1=θ2なる関係が成立する)となるように設定する。C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の各直線部に巻回したコイル14(14a、14b、14c、14d、14e)は、例えば直列に接続する。これにより、例えば、回転軸11を外部から駆動すると、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)→C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)→永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)を通る磁束が断続し、コイル14(14a、14b、14c、14d、14e)から交流出力を得ることができる。
因みに、コイル14(14a、14b、14c、14d、14e)は、21極数分のC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の鉄心部における各直線部に全て設けるのではなく、直線部を選択して少なくとも1箇所としても良く、例えば回転子12の円板状回転体に近い場所のコイル14a、14eにのみに巻回した構成を例示できる。
ところで、回転子12の永久磁石12Mの極数は、図1に示すものは24極、図2(a)に示すものは12極、図2(b)に示すものは6極であり、何れの場合もC字型ステータ鉄心13の極数21との比が整数とならないように設定されており、これによって回転電機10の回転子12をよりスムーズに回転することができる。
図3は、この回転電機10に備えられる回転子12に働くトルクの一形態を説明するために一部破断して示した要部の概略図である。また、図4は同様な回転子12に働くトルクの他形態、図5は同様な回転子12に働くトルクの別形態、図6は同様な回転子12に働くトルクの更に他の形態に関する要部の概略図である。尚、図3〜図6は回転電機10を構成する永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)、磁性体板12F、12R、非磁性体板12C、及びC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)と対向する部分を永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の外表面に沿って展開して示した局部の図となっている。
図3を参照すれば、ここでは回転子12に配置された永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の前面がC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の前面に全面で対向し、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の背面がC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の背面に全面で対向する位置にある様子を示している。
図4を参照すれば、ここでは回転子12が回転し、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が左方向に磁石幅の1/2移動した状態を示しており、この状態で永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の移動方向の後半部分を示す永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の右半分と磁性体板12RとがC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の前面及び背面に対向している様子を示している。
図5を参照すれば、ここでは更に回転子12が回転し、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が左方向に磁石幅の1/2移動した状態を示し、この状態で永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)はC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の前面及び背面の何れとも対向していない様子を示している。
図6を参照すれば、ここでは更に回転子12が回転し、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が左方向に磁石幅の1/2移動した状態を示し、この状態で永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の回転方向の前半部分と磁性体板12FとがC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の前面及び背面に対向している様子を示している。
ところで、回転電機10には、一般に磁石が鉄心等の磁性体を引きつける力に基づくトルクである「リラクタンストルク」と、磁極が互いに反発したり、或いは吸引したりする力に基づくトルクである「マグネットトルク」と、が作用する。
永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が図3に示す位置にあるとき、例えば永久磁石12M−2による磁束φmは、永久磁石12M−2→C字型ステータ鉄心13−1の前面→C字型ステータ鉄心13−1の背面→永久磁石12M−2を通り、C字型ステータ鉄心13−1に巻回したコイル14と鎖交する。この鎖交に伴い、コイル14には起電力eが誘起される。
コイル14に起電力eが発生して負荷電流iが流れると負荷磁束2φcが発生する。この負荷磁束2φcは、主として永久磁石12M−2の回転方向の前後に配置された磁性体板12F、12Rを通過する。例えば永久磁石12M−2の比透磁率μs=1、磁性体板12F、12Rの比透磁率μs=6000であれば、負荷磁束2φcは大部分が磁性体板12F、12Rを通ることになる。
また、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が図4に示す位置にあるとき、例えば永久磁石12M−2による磁束φmの一部αφmは、永久磁石12M−2→C字型ステータ鉄心13−1の前面→C字型ステータ鉄心13−1の背面→永久磁石12M−2を通る。このとき、永久磁石12M−2には回転子12を右方向に回転させようとするリラクタンストルクが働いている。このリラクタンストルクは脈動トルク原因となる。また、上述した磁束φmの一部αφmはコイル14と鎖交し、磁性体板12F、12Rを通過して永久磁石12M−2に戻る。この鎖交に伴い、C字型ステータ鉄心13−1に巻回したコイル14には起電力eが誘起され、コイル14には負荷電流icが流れ、負荷磁束2φc(φc1+φc2)が発生する。
負荷磁束2φcは、主として永久磁石12M−2の回転方向の前後に配置された磁性体板12F、12Rを通過する。即ち、負荷磁束2φcの一部φc1は磁性体板12Rを通り、他部φc2は磁性体板12Fを通る。このようにして、回転子12の磁性体板12F、12Rには、それぞれ磁束φc1+βφm、磁束φc2−βφmが通過する。これらの磁束φc1+βφm、φc2−βφmにより回転子12にはそれを左方向に駆動するようなトルクが発生する。
この回転子12を左方向に駆動するようなトルクは永久磁石12M−2とC字型ステータ鉄心13−1との間に働く上述したリラクタンストルクとは逆方向であるため、永久磁石12M−2とC字型ステータ鉄心13−1との間に働くリラクタンストルクに基づく脈動トルクが抑制されることになる。
更に、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が図5の位置にあるとき、例えば永久磁石12M−2からC字型ステータ鉄心13−1に流れ込む磁束は、コイル14内で打ち消し合うため、コイル14に起電力eは誘起されない。
加えて、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が図6の位置にあるとき、例えば永久磁石12M−2による磁束φmの一部αφmは、永久磁石12M−2→C字型ステータ鉄心13−1の前面→C字型ステータ鉄心13−1の背面→永久磁石12M−2を通る。このとき、永久磁石12M−2には回転子12を左方向に回転させようとするリラクタンストルクが働く。このリラクタンストルクは脈動トルクの原因となる。また、上述した磁束φmの一部αφmはコイル14と鎖交し、磁性体板12F、12Rを通過して永久磁石12M−2に戻る。この鎖交に伴い、背面C字型ステータ鉄心13−1に巻回したコイル14には起電力eが誘起され、コイル14には負荷電流icが流れ、負荷磁束2φcが発生する。
負荷磁束2φcは、主として永久磁石12M−2の回転方向の前後に配置された磁性体板12F、12Rを通過する。即ち、負荷磁束2φcの一部φc1は磁性体板12Fを通り、他部φc2は磁性体板12Rを通る。
このようにして、回転子12の磁性体板12F、12Rには、それぞれ磁束φc1+βφm、磁束φC2−βφmが通過する。これらの磁束φc1+βφm、φC2−βφmにより回転子12にはそれを右方向に駆動するようなトルクが発生する。
この回転子12を右方向に駆動するようなトルクは永久磁石12M−2とC字型ステータ鉄心13−1との間に働く上述したリラクタンストルクとは逆方向であるため、永久磁石12M−2とC字型ステータ鉄心13−1との間に働くリラクタンストルクに基づく脈動トルクが抑制されることになる。尚、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の形状は、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の前面端部(図1中での下側面)と背面端部(図1中での上側面)との間を空隙を介して接続できるものであれば、その他の形状を適用させることが可能である。
以上に説明したように、この回転電機10によれば、リラクタンストルクに基づく脈動トルクを抑制することができる。
ところで、以上に説明した回転電機10では、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)を回転子12の回転方向に間隔を空けて配置している。このため、例えば回転子12が図5に示す位置あるとき、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)から出る磁束φmは有効に利用されない。
図7は、上述した回転電機10に備えられる回転子12に別なC字型ステータ鉄心(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)を具備させた場合に働くトルクの更に別の形態を説明するために一部破断して示した要部の概略図である。
図7を参照すれば、ここでは第1のステータ鉄心となるC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)と同一形状の第2のステータ鉄心となる別なC字型ステータ鉄心(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)を用意し、これを第1のステータ鉄心となるC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の間に挿入する。こうした構成にすれば、回転子12の永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)は、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…13−21′)の何れかに影響を及ぼす位置に置かれることになるため、回転電機10の出力を増大することができる。
また、以上に説明した回転電機10では、リラクタンストルクに基づく脈動トルクを抑制するのに、回転子12の磁性体板12F、12Rを通る磁束φc1+βφm、及び磁束φc2−βφmにより発生する反抗トルクを利用したが、この反抗トルクをC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)に巻回したコイル14を励磁することにより生成することができる。
図8−1は、上述した回転電機10に備えられる回転子12を図7で説明したC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)としてそれらに巻回したコイル14に供給したパルス電流による脈動トルクの抑制動作の一形態を説明するために示した要部の状態推移図である。また、図8−2は同様なコイル14に供給したパルス電流による脈動トルクの抑制動作の他形態に関するものである。尚、図8−1、図8−2では、回転電機10の回転子12及び電機子部分を周方向に展開した図として示す他、(1)〜(5)、(6)〜(10)を各時点毎の回転子12の移動位置を示すものとする。
図8−1(2)〜(3)、図8−2(6)〜(7)に示されるように、例えば永久磁石12M−1に対向するC字型ステータ鉄心13−1、13−1′の辺のうち、回転方向(図示の例では左方向)に先行するC字型ステータ鉄心13−1の辺aと永久磁石12M−1との対向面積が、回転方向に後行するC字型ステータ鉄心13−1′の辺bと永久磁石12M−1との対向面積よりも少ないとき、即ち、回転方向に先行するC字型ステータ鉄心13−1の辺aと永久磁石12M−1との間に働くリラクタンストルクが、回転方向に後行するC字型ステータ鉄心13−1′の辺bと永久磁石12M−1との間に働くリラクタンストルクよりも少ないとき(このような場合には、回転電機10の回転子12は回転方向に後行するC字型ステータ鉄心13−1′の辺bと永久磁石12M−1との間に働くリラクタンストルクにより、回転方向とは逆の方向に駆動される)、回転方向に先行するC字型ステータ鉄心13−1に巻回したコイル14に永久磁石12M−1を吸引する方向に磁極が生成されるようにパルス電流を供給するか、或いはC字型ステータ鉄心13−1′に巻回したコイル14に永久磁石12M−1を反発する方向に磁極が生成されるようにパルス電流を供給する。因みに、ここでの脈動抑制用のコイル14は発電用としても共用することができる。
ここで、図8−1、図8−2において、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)上に「N」、「S」で示した位置にある磁極は、磁極に巻回したコイル14に供給したパルス電流により形成された磁極を示す。このように磁極を生起させることにより、例えば永久磁石12M−1と回転方向に後行するC字型ステータ鉄心13−1′の辺bとの間に働くリラクタンストルクを抑制して、係るリラクタンストルクに基づく脈動トルクを抑制することができる。
また、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)を吸引あるいは反発する方向に磁極が生成されるようにパルス電流を供給して回転子12を駆動することによっても同様に脈動トルクを抑制することができる。
永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)と対向するC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)の間に働く吸引力による回転子12の回転方向が回転子12の回転方向(駆動方向)と異なるとき、例えば図4に示すように永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)の中心がC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の中心よりも回転方向前方にずれており、回転子12に回転方向とは逆方向にトルクが発生するとき、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)に巻回したコイル14に永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)を吸引又は反発する方向のパルス電流を供給すれば、脈動トルクに反抗するトルクを生成して脈動トルクを抑制することができる。
尚、脈動抑制用のコイル14は、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)の1箇所(例えばC字型ステータ鉄心13−1)に巻回すれば良い、別なC字型ステータ鉄心(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)の全てに巻回してこれらを直列に接続した回路にパルス電流を供給しても良い。因みに、脈動抑制用のコイル14に供給するパルス電流の供給タイミングは、回転子12の回転位置を検出する周知な位置センサ等から取得することができる。
以上に説明した回転電機10は、本発明者によって提案された特許文献2に係る構成のものであるが、この場合には回転子12の磁界供給手段となる永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−24)が回転軸11の延在方向で単一な円環状の構造体で構成され、磁力発生の性能に限界があるため、脈動トルクの回転子12の回転に与える影響を十分に抑制できるとは言えない。そこで、本発明では、脈動トルクの回転子12の回転に与える影響を極力抑制できて一層スムーズに回転子12を回転させることができる回転電機を提供することを技術的課題としている。
図9は、本発明の実施例に係る回転電機100の基本構成を説明するために示した外観斜視図である。図10は、この回転電機100の内部構造を説明するための図であり、同図(a)は回転電機100の回転軸11の軸方向における側面断面図、同図(b)は同図(a)中のA−A線方向で断面にした図、同図(c)は同図(a)中のB−B線方向で断面にした図である。
図9を参照すれば、この回転電機100は、12極の発電機として機能するもので、回転軸11と同心に且つ回転軸11と並行して等間隔で且つ磁化方向が交番するように配置した複数の永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)、及びこれらの永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の間に非磁性体板12Cを挟んで配置した磁性体板12F、12Rを介在させた構成の複数(ここでは3個)の円板状回転磁石体15a、15b、15cを回転軸11上に回転軸11の延在方向で複数(ここでは2個)の円板状ステータ鉄心16a、16bを介在させて積層するように配置して構成される回転子120と、各円板状回転磁石体15a、15b、15cを構成する各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)のうち、最前面に配置される箇所での回転軸11の延在方向における前面端部と最背面に配置される箇所での回転軸11の延在方向における背面端部との間をそれぞれ空隙を介して接続すると共に、回転子120における各円板状回転磁石体15a、15b、15cと円板状ステータ鉄心16a、16bとにより形成される磁路の両端を閉じるように回転軸11の周方向で等間隔で回転子120を囲うように配置した複数(ここでは14個)のC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)と、を備え、円板状ステータ鉄心16a、16bが各円板状回転磁石体15a、15b、15cのうち、最前面を除く前面側に配置される箇所での各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の回転軸11の延在方向における背面側端部と最背面を除く背面側に配置される箇所での各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の回転軸11の延在方向における前面側端部との間をそれぞれ空隙を介して接続するように配置され、円板状ステータ鉄心16a、16bの回転軸11の周方向で等間隔に配置された14極数分の鉄心部にはそれぞれコイル17a、17bが巻回され、12極数分の各C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)における鉄心部における各直線部の選択された箇所にはコイル14、14a、14eが巻回(但し、図9中では回転子120の露呈箇所の近傍箇所のみの巻回状態を示している)されて構成されている。
但し、ここでのC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)についても、図7で説明したような別なC字型ステータ鉄心(13−1′、13−2′、…、13−14′)を適用する構成にできる他、回転電機100自体は図示されないハウジングに収容され、回転子120を貫通する回転軸11が図示されない軸受を介してハウジングに支持されるようになっている。尚、ここでのC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)は、図1に示したC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、13−3、…、13−21)、(13−1′、13−2′、13−3′、…、13−21′)と比べ、回転軸11の延在方向の寸法が背高になっている。
このうち、回転子120の回転軸11の周方向(回転子120の回転方向W)において隣り合う永久磁石12M(12M−1、12M−2、…12M−12)の間には、非磁性体板12Cとこの両隣りに配置した各磁性体板12F、12Rとが介在される。ここでも非磁性体板12Cにはステンレス鋼板、ベークライト板等を用いる場合を例示でき、磁性体板12F、12Rには電磁鋼鈑を用いる場合を例示できる。
また、図9及び図10(b)に示されるように、ここでの各円板状回転磁石体15a、15b、15cを構成する各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の円周方向幅は、各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の間に介在される非磁性体板12Cを挟んで配置した磁性体板12F、Rの積層体の円周方向幅以上となっており、図2(a)に示す関係ではθ1≧θ2、図2(b)に示す関係ではθ3≧θ4となるように設定されている。
更に、図10(b)及び図10(c)に示されるように、円板状ステータ鉄心16a、16bの極数は各C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)、(13−1′、13−2′、…、13−14′)の極数と同数の14であるが、ここでも各円板状回転磁石体15a、15b、15cを構成する各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の極数の12との比が整数とならないように設定されている。これにより、回転電機100の回転子120をよりスムーズに回転することができる。
この回転電機100では、回転子120について各円板状回転磁石体15a、15b、15cを構成する各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)が各円板状回転磁石体15a、15bの間、並びに各円板状回転磁石体15b、15cの間にそれぞれ配置した円板状ステータ鉄心16a、16bと共に回転軸11に並行する磁路を形成する積層体構造とし、積層体における最前面(図9中での上側面)に配置された各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の前面端部と、最背面(図9中での下側面)に配置した各永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の背面端間をC字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)、(13−1′、13−2′、…、13−14′)を介して磁気的に連結することで磁路の両端を閉じ、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)、(13−1′、13−2′、…、13−14′)及び円板状ステータ鉄心16a、16bにおけるそれぞれの極数分の鉄心部にはコイル14、14a、14b、17a、17bを巻回し、これらのコイル14、14a、14b、17a、17bについては、例えば直列に接続してパルス電流を供給することで回転子120に働く脈動トルクを抑制するようにすれば、永久磁石12M(12M−1、12M−2、12M−3、…、12M−12)が回転軸11の延在方向で多段な円環状の構造体(円板状回転磁石体15a、15b、15c)で構成され、磁力発生の性能が向上されるため、脈動トルクの回転子120の回転に与える影響を極力抑制することが可能となり、結果として磁路に巻回されたコイル14、14a、14b、17a、17bから効率良く起電力eを取得できるようになる。
即ち、係る積層体構造の回転子120を持つ回転電機100では、例えば回転軸11を外部から駆動すると、各円板状回転磁石体15a、15bの永久磁石12M(12M−1、12M−2、…12M−12)→円板状ステータ鉄心16a→各円板状回転磁石体15b、15cの永久磁石12M(12M−1、12M−2、…12M−12)→円板状ステータ鉄心16b→各円板状回転磁石体15a、15cの永久磁石12M(12M−1、12M−2、…12M−12)→C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)、(13−1′、13−2′、…、13−14′)を通る磁束が断続され、コイル14、14a、14b、17a、17bから効率良く交流出力を得ることができる。特に、磁路に巻回されたコイル14、14a、14b、17a、17bに対して特許文献2の技術で説明した場合と同様な手法でパルス電流を供給すれば、回転子120に働く脈動トルクの影響が顕著に抑制され、回転子120が一層スムーズに回転する。
尚、実施例に係る回転電機100では、回転子120を構成する3個の円板状回転磁石体15a、15b、15cの相互間に2個の円板状ステータ鉄心16a、16bを介在させて回転軸11の延在方向で積層した構成を説明したが、回転子120は2個の円板状回転磁石体15a、15bの間に1個の円板状ステータ鉄心16aを介在させて回転軸11の延在方向で積層する構成としたり、4個以上の円板状回転磁石体の相互間に3個以上の円板状ステータ鉄心を介在させて回転軸11の延在方向で積層する構成とすることも可能である。また、実施例に係る回転電機100では、図9及び図10(b)に示されるように、永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の磁化方向を回転軸11と並行に設定した場合を説明したが、永久磁石12M(12M−1、12M−2、…、12M−12)の単体構造を一対の永久磁石を組み付けて接合するようにした上、回転軸11に対して磁化方向を傾斜させて勾配させる(但し、この場合には単体構造が実施例で説明したような同一体の場合にも同様に適用できる他、捩じれ方向を含むものとする)ようにしたり、或いは磁化方向を回転軸11の延在方向と左右対称に斜交するように設定する(ここでも捩じれ方向を含むものとする)ことが有効であり、こうした場合には回転電機100の回転子120をよりスムーズに回転維持させることができる。更に、実施例に係る回転電機100では、C字型ステータ鉄心13(13−1、13−2、…、13−14)、(13−1′、13−2′、…、13−14′)及び円板状ステータ鉄心16a、16bにおけるそれぞれの極数分の鉄心部を対象にしてコイル14、14a、14b、17a、17bを巻回した構成を説明したが、これらの極数分の鉄心部における少なくとも1箇所にコイルを巻回した構成としても回転子120を基本機能上で回転動作させることができ、同様に脈動トルクの回転子120の回転に与える影響を適度に抑制できるので、係る構成にしても良い。加えて、実施例に係る回転電機100では、発電機としての適用を例示して説明したが、その他にも電動機にも同様に適用することができる。従って、本発明の回転電機は実施例で開示して説明した形態に限定されない。