[液状の高純度ケイ素化合物又はその組成物の製造方法]
本発明の第1の態様は、
分子内に有機変性構造を有する、液状のケイ素化合物及び該ケイ素化合物の有機変性剤に由来する不純物を含有する不純物含有組成物を、該不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子と接触させて、該有機性不純物を該固体粒子に捕捉させる捕捉工程、及び、
前記ケイ素化合物及び前記固体粒子を分離する分離工程
を含む、液状の高純度ケイ素化合物又はその組成物の製造方法である。
[架橋型高分子有機化合物]
前記固体粒子は、有機性不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含むものである。架橋型高分子有機化合物は、該有機性不純物と相互作用可能(例えば、水素結合形成、イオン結合形成またはファンデルワールス結合形成等)して有機性不純物を選択的に捕捉するものであれば特に制限されないが、ケイ素原子不含の架橋型高分子有機化合物、特にはケイ素原子不含の架橋型親水性高分子有機化合物、ケイ素原子不含の架橋型疎水性高分子有機化合物、ケイ素原子不含の架橋型両親媒性高分子有機化合物、から選ばれる1以上の物質を含むことが好ましい。
例えば、有機性不純物が親水基を含有する有機性不純物である場合には、当該有機性不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物から選ばれる1以上の物質を含む固体粒子としては、ケイ素原子不含の架橋型親水性高分子化合物を含む固体粒子が最も好ましく使用可能である。
このような架橋型親水性高分子化合物として特に好適には、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)などの架橋型ポリアクリレートやこれらの塩、部分中和物、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)などのアルキル変性架橋型ポリアクリレートやこれらの塩、部分中和物、架橋型ポリアクリルアミド、架橋ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)ポリマー、無水マレイン酸や(メタ)アクリル酸(エステル)系モノマー類、反応性C=C不飽和基含有ポリエーテル類などの親水性(マクロ)モノマー類を架橋剤と共に反応させて得られる架橋型親水性高分子(これらも、広義には前述の架橋型ポリアクリレートやアルキル変性架橋型ポリアクリレートの群に含まれるものとして扱う)などが上げられるが、これらに限定されない。特に、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)やアルキル変性カルボキシビニルポリマー、PEG鎖を含有する架橋型ポリアクリレート等の架橋型親水性有機高分子が好ましい。なお、後述する固体粒子が、有機性不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含まない場合、本発明の技術的効果を発揮することはできない。
本発明に係る架橋型高分子有機化合物は、多孔質であってよい。
前記架橋型高分子有機化合物は、少なくとも1種の水素結合形成性基及び/又は少なくとも一種のイオン結合形成性基及び/又はファンデルワールス結合形成性基を含むことが好ましい。例えば、親水性不純物の多くは、親水性であるが故に水素結合形成性及び/又はイオン結合形成性であるので、前記架橋型高分子有機化合物が水素結合形成性基及び/又はイオン結合形成性基を含む場合は、水素結合及び/又はイオン結合により、親水性不純物を効果的に捕捉することができる。逆に、低極性或いは非極性の有機性不純物の場合には、ファンデルワールス結合による不純物と架橋型高分子有機化合物との分子間凝集力や、架橋型高分子有機化合物の細孔内或いは粒子間の隙間等に生じる毛細管現象等が、前記有機性不純物を効果的に捕捉する主要な駆動力となってもよく、特に制限されない。
前記架橋型高分子有機化合物に含まれる水素結合形成性基は、水素結合を形成可能な基である限り特に限定されるものではないが、酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基等が例示される。また、一般に親水性不純物が酸性を示すものの場合にはアミノ基などの塩基性基を含有する架橋型高分子有機化合物を用いることがより好ましく、逆に親水性不純物が塩基性を示すものの場合には、カルボキシル基など酸基を含有する架橋型高分子有機化合物を用いることが高純度化の実効の観点からより好ましい。
前記架橋型高分子有機化合物に含まれるイオン結合形成性基は、イオン結合を形成可能な固体である限り特に限定されるものではないが、カルボキシル基、アミノ基、カルボン酸陰イオン基、スルホン酸陰イオン基、第4級アンモニウム陽イオン基等のイオン結合可能な官能基を有することが好ましく、金属元素(主に陽イオン)と非金属元素(主に陰イオン)から構成される塩や、金属元素(陽イオン)と非金属の多原子イオン(陰イオン)とからなる塩、非金属の多原子イオン(陽イオン)と非金属元素(陰イオン)からなる塩であってもよい。
[固体粒子]
本発明の製造方法は、不純物含有組成物を、該不純物を捕捉可能な前記の架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子と接触させて、有機性不純物を該固体粒子に捕捉させる捕捉工程を有することを特徴とする。当該固体粒子は1種類であってもよく、また、2種類以上の当該固体粒子を組み合わせて使用してもよい。
上記「固体」とは前記不純物と接触する環境下で固体であることを意味しており、好ましくは20〜150℃の範囲内、より好ましくは20〜120℃の範囲内、更により好ましくは室温(25℃)〜90℃において固体である。なお、前記固体粒子は、好ましくは室温で粉末或いは粒子状である。
上記「接触」の態様は限定されるものではなく、前記混合物を前記固体粒子に何らかの形式で接触させればよく、例えば、前記固体粒子を含む層を前記混合物が通過する形式でもよいが、前記混合物と前記固体粒子とを混合して攪拌する形式でもよい。
本発明の第1の態様の原理は、液状の有機ケイ素化合物及び該有機ケイ素化合物の有機変性剤に由来する有機性不純物を含有する混合物中の当該有機性不純物を、当該有機性不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物から選ばれる1以上の物質を含む固体粒子で処理することにより、当該混合物の濁り原因或いは当該有機ケイ素化合物の性能低下原因である前記有機性不純物が効果的に当該固体粒子に捕捉され、当該固体粒子群に取り込まれ、又は、当該固体粒子群に吸収若しくは保持され、液体である主成分(有機ケイ素化合物)からの固液分離が可能なように固体化されるというものである。すなわち、前記固体粒子は前記有機性不純物を選択的にゲル化或いは固化する。固体化された有機性不純物は通常の固液分離によって液状の有機ケイ素化合物から分離することができる。したがって、高純度の液状の有機ケイ素化合物を容易に得ることができる。
上記「捕捉」とは、有機性不純物が前記固体粒子に何らかの形態で結合することを意味しており、例えば、前記固体粒子表面への有機性不純物の付着、前記固体粒子内部への有機性不純物の吸収、前記固体粒子の群により形成されるネットワーク内への取り込み等が挙げられる。前記結合は物理的又は化学的な結合のいずれであってもよい。例えば、有機性不純物は前記固体粒子とファンデルワールス力などの分子間力により物理的に結合してもよく、また、イオン結合などの静電相互作用や共有結合により化学的に結合してもよく、或いは水素結合など分極に基づく分子間力により結合してもよい。すなわち、前記固体粒子は前記不純物と相互作用可能である。なお、前記有機性不純物が液体又は混合物中に溶解している場合は、前記固体粒子の群により形成されるネットワーク内への取り込みによるゲル化等により、前記有機性不純物それ自体が固体化されて前記固体粒子と一体化することが好ましい。
例えば、有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物中に、前記固体粒子として、架橋型高分子有機化合物の固体粒子を加えることにより、この高分子の三次元的網目構造内或いはこの固体粒子の群により形成されるネットワーク内に不純物が吸収されて保持されることにより、当該有機性不純物を固体またはゲルとして固定化し、有機ケイ素化合物から分離することを容易とすることができる。
また、親水性基を含有する有機ケイ素化合物及び親水性の有機性不純物を含有する混合物中に、前記固体粒子として、架橋型親水性高分子有機化合物の固体粒子を加えることにより、この高分子の三次元的網目構造内或いはこの固体粒子の群により形成されるネットワーク内に不純物が吸収されて保持されることにより、当該親水性の有機性不純物を固体またはゲルとして固定化し、親水性基を含有する有機ケイ素化合物から分離することを容易とすることができる。
更に、有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物中に、前記固体粒子として、多孔質である架橋型高分子有機化合物の固体粒子を加えることにより、この細孔内或いは粒子間の隙間等に毛細管現象等により前記有機性不純物が取り込まれ、保持されることにより、当該有機性不純物を固体化して有機ケイ素化合物液から分離することを容易とするものであってもよい。
前記固体粒子は有機性不純物を好適に捕捉可能であるが、液状の有機ケイ素化合物を捕捉する能力は全く或いはほとんど無い。したがって、前記混合物を前記固体粒子と接触させることによって、有機性不純物だけが前記固体粒子に捕捉されるので、液状の有機ケイ素化合物から有機性不純物を分離することができる。すなわち、有機性不純物は、選択的に当該固体粒子に捕捉され、液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物は分離される。
前記固体粒子の構成材料は、架橋型高分子有機化合物から選ばれる1以上の物質を含んでいる限り特に限定されるものではなく、各種の無機物質、有機物質又はこれらの混合物から構成されることが可能である。これらの固体粒子は表面処理されたものであってもよいし、表面処理されていないものでもよいが、表面処理を行なう場合は取り除きたい不純物との親和性が適合するように、固体粒子の表面処理を行なうことが好ましい。例えば、有機性不純物の親水性が大きい場合には、固体粒子表面の親水性が強いほうが高純度化の実効の観点から有利である。逆に、有機性不純物の親油性が大きい場合には、固体粒子の表面親油性が強いほうが高純度化の実効の観点から有利である。前記固体粒子の構成材料は、有機性不純物と分子間力或いは静電相互作用、或いは、共有結合を介して結びつくことのできる化学構造及び/又は物理的形状を有することが好ましい。前記固体粒子の構成材料として、架橋型高分子有機化合物が特に好ましく、より具体的には架橋型親水性高分子有機化合物、架橋型疎水性高分子有機化合物、架橋型両親媒性高分子有機化合物から選択されることが好ましい。これらの架橋型高分子有機化合物はケイ素原子を含有していてもよいが、好ましくはその構造中にケイ素原子を含有しない。また、前記固体粒子の形状にも限定はなく、球状、立方体状、棒状、針状、板状、柱状、片状、粒状、多孔状、不定形状、紡錘状、繭状、繊維状、塊状、樹枝状、海綿状、角状、けい角状、丸み状、或いはこれらの粒子が房状等に凝集した形状でもよい。無機物質としては、炭素、ケイ素、金属元素等の無機物単体、並びに、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ等の金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。また、無機物質は、架橋型高分子有機化合物の対イオンとして固体粒子の構成材料の一部を形成していてもよいし、架橋型高分子有機化合物と混合されてバインダーにより結合された形で、固体粒子の構成材料の一部を形成していてもよい。更に、前記固体粒子は架橋型高分子有機化合物と、これ以外の任意の有機材料を含んでいてもよい。
前記固体粒子は多孔質であることが好ましい。前記固体粒子の構成材料の一つとしての多孔性無機物質としては、例えば、活性炭、ゼオライト、珪藻土、パーライト等が挙げられ、同様に多孔性有機物質としては、デンプン−アクリル酸グラフト系、ポリアクリル酸(塩)系、ポリビニルアルコール系、酢酸ビニル−アクリル酸(塩)系、イソブチレン−マレイン酸系、ポリN−ビニルアセトアミド系など吸水性樹脂の多孔質体等が挙げられる。前記固体粒子としては多孔性無機物質を含むものが好ましく、特に、珪藻土が好ましい。前記固体粒子としては多孔性有機物質を含むものが好ましく、特にポリアクリル酸(塩)系の高吸水性樹脂が好ましい。
前記固体粒子の粒径は特に限定されるものではない。この理由は、ほとんどの粒子の形状は、球や立方体といった単純かつ定量的に表現できるものではなく、複雑かつ不規則であることから、直接的に粒子径を定義することはできず、従って、測定原理が異なれば粒径の定義すなわち測定基準となるスケールそのものが異なるため、一般的に固体粒子の粒度分布が測定原理に依存するためである。また、利用する固体粒子の種類や性質に応じて、適した粒径に違いが有ると考えられるためである。前記固体粒子の粒度分布測定の原理としては、画像解析法、コールター法、遠心沈降法、レーザー回折・散乱法など公知の手法を利用できるが、累積重量百分率における積算値50%の粒度を中間粒度(メジアン径)として考えた場合、目安としてはその中間粒度が1μm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。具体的には、前記固体粒子の中間粒度は1〜500μmの範囲が好ましく、5〜200μmがより好ましく、10〜100μmが更により好ましい。中間粒度が1mmを超えるような大粒子(群)の場合、単位質量あたりの粒子の総表面積が小さくなるため、有機性不純物の除去能力が低下する。逆に、中間粒度が1μmに満たないような微細な粒子群の場合、総表面積が非常に大きくなるため有機性不純物の除去能力には優れるものの目詰まりを起こしやすく、有機ケイ素化合物からの濾別に時間やコスト、追加の工夫を要すことから、商業的規模の大量生産という観点からの魅力が低下する。なお、ここでの中間粒度はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して測定された体積(重量)粒度分布におけるメジアン径を意味する。
前記固体粒子は最終的に層の形態となることが好ましい。前記固体粒子の層は、例えば、液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物と前記固体粒子とを混合・攪拌し、所定時間放置し、前記固体粒子を沈降させることによって形成することができる。但し、前記混合物と前記固体粒子とを混合攪拌して接触させることにより、前記有機性不純物の前記固体粒子内への効果的な捕捉は既に起こっているため、その後の静置や沈降操作は必ずしも必須ではない。これら一連の操作により、有機性不純物を前記固体粒子内により効果的に捕捉することが可能となり、前記混合物の濁り原因である有機性不純物を層内に取り込み、或いは、層内に吸収して保持することができる。また、前記固体粒子を予め出入り口を供えた筐体内部に充填し、漏れのないよう出入り口にフィルターをセットして、前記液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物をこの筐体内部を繰り返し通過させる手法等によっても、有機性不純物の前記固体粒子による補足が可能である。この場合は、予め前記固体粒子を含む層が筐体内に形成されていることになる。
[濾過材および濾過工程]
前記有機性不純物を捕捉した固体粒子は、適当な手段により、液状の有機ケイ素化合物から分離されることが好ましい。前記固体粒子は固体である一方、前記有機ケイ素化合物は液体であるので、前記分離手段としては、濾過、遠心分離等の公知の固液分離手段を使用することができる。商業的規模での実施には濾過が好ましい。したがって、本発明における有機ケイ素化合物及び有機性不純物を分離する工程としては、濾過材を含む濾過工程が好ましく、当該濾過材によって、液状の有機ケイ素化合物を濾過して前記固体粒子から分離することがより好ましい。
例えば、前記固体粒子が0.5μm以上の範囲に粒度分布を持つ場合には、0.5μm以上の粒子を除去可能な濾過材によって、液状の有機ケイ素化合物と前記固体粒子を分離することができる。具体的には、前記混合物を前記固体粒子に接触させた後に、前記濾過材を用いて前記固体粒子を濾過することにより、前記混合物から前記固体粒子を分離することができる。前記固体粒子には有機性不純物が捕捉されているので、これにより、前記混合物から有機性不純物を分離することができる。
前記固体粒子を液状の有機ケイ素化合物から分離する濾過材としては、特に限定されるものではないが、例えば、セルロース等の天然繊維、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルホン、セルロースアセテート、PTFE、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、ステンレススチール、ガラス繊維或いは、これらの混合物からなる各種の繊維から構成される濾紙、織布、不織布等、或いは、前記多孔質無機物質又は多孔質有機物質からなる各種のフィルターが挙げられる。
前記濾過工程においては濾過助剤を更に用いることが好ましい。この理由は、前記固体粒子は有機性不純物を選択的にゲル化して内部に取り込むことにより膨潤するため、濾過助剤なしでは濾過時に目詰まりを起こしやすいためである。前記濾過助剤は、粉末状又は繊維状であることが好ましく、活性炭、珪藻土、パーライト、ガラス(粒子又は繊維)、セルロース(粉末又は繊維)及びその誘導体から選択される1つ以上を使用することがより好ましい。
前記濾過助剤が粉末状の場合は、その中間粒度が5μm以上であることが好ましい。具体的には、濾過助剤の中間粒度は5〜100μmの範囲が好ましく、10〜60μmがより好ましく、20〜50μmが更により好ましい。中間粒度は、画像解析法、コールター法、遠心沈降法、レーザー回折・散乱法等を用いた公知の測定装置により測定することができる。なお、ここでの中間粒度はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を使用して測定された体積(重量)粒度分布におけるメジアン径を意味する。
[分離工程]
前記分離工程は、0〜120℃の範囲内で実施することが好ましく、15〜100℃の範囲内がより好ましく、25〜80℃の範囲内が更により好ましい。
本発明では、上記の第1の態様のうち有機ケイ素化合物及び固体粒子を分離する分離工程において、前記有機ケイ素化合物及び前記固体粒子が前記有機ケイ素化合物の良溶媒により希釈された状態で分離されることが好ましい。すなわち、液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物の混合物を、前記有機ケイ素化合物の良溶媒である溶媒により希釈後に前記固体粒子と接触させて不純物の捕捉を行い、しかるのちに前記分離工程に移ることができる。また、液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物の混合物を前記固体粒子と接触させて不純物の捕捉を行った後、前記有機ケイ素化合物の良溶媒である溶媒により希釈をして、前記分離工程に供することもできる。
前記溶媒は、前記有機ケイ素化合物の良溶媒であれば特に限定なく使用できるが、好ましくは前記有機ケイ素化合物の良溶媒且つ前記有機性不純物の貧溶媒である溶媒であってもよく、かつ好ましい。
液状の有機ケイ素化合物の良溶媒としては、例えば疎水性溶媒が挙げられ、ハロゲン系溶剤、ペンタン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンやヘキサンなど各種有機溶媒の他、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィンなど化粧品用油剤としても利用可能な炭化水素油剤が好ましい。また、ジカプリリルエーテルなどのエーテル系油剤や炭酸ジカプリリルなど化粧品用油剤としても利用可能な各種のエステル系油剤、各種のシリコーン系油剤も好ましい。液状の有機ケイ素化合物を前記溶媒で希釈することにより、未希釈状態では非常に粘稠な有機ケイ素化合物であっても、その粘度を効果的に下げることができるので、固液分離操作も容易となる。
液状の有機ケイ素化合物の良溶媒且つ有機性不純物の貧溶媒である溶媒としては、シリコーン系油剤が最適であり、代表的なものとしてはジメチルポリシロキサン、フェニル基含有ポリシロキサン、環状シリコーン、カプリリルメチコン等が挙げられる。液状の有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物を、これらの溶媒で希釈することにより、有機性不純物同士が凝集してそのサイズが大きくなり、前記固体粒子に捕捉されやすくなり、液状の有機ケイ素化合物から分離させ易くなる効果がある。前記溶媒は、有機ケイ素化合物の最終用途や目的に応じて揮発性或いは不揮発性の選択をすることが好ましい。
前記溶媒で希釈する場合には、高純度の有機ケイ素化合物の溶液を容易に製造することができ、高純度の有機ケイ素化合物の組成物の商業的規模の生産に好適である。
[溶媒を除去する工程]
一方、本発明の製造方法は、前記分離工程後の前記混合液を加熱及び/又は減圧して前記溶媒を除去する工程を含んでもよい。加熱温度は特に限定されるものではなく、例えば、40〜120℃とすることができる。減圧の程度も特に限定されるものではなく、例えば、0.01〜0.8気圧とすることができる。加熱時間及び減圧時間も特に限定されるものではなく、例えば、10分〜24時間とすることができる。
前記溶媒を除去する場合には、高純度の有機ケイ素化合物を容易に製造することができ、高純度の有機ケイ素化合物の商業的規模の生産に好適である。
[有機性不純物]
本発明に係る前記有機性不純物は、典型的には、有機ケイ素化合物の製造原料の1つである有機性変性剤又はこれに由来するものである。有機性変性剤としては、例えば、後述する、分子鎖末端に位置する炭素−炭素二重結合(反応性不飽和基)を1分子中に少なくとも1つ有する有機化合物が挙げられる。一例として、前記有機性変性剤が親水性基を含有する有機性変性剤である場合、このような親水性変性剤として一般的なものの一つはモノアリルエーテル化ポリオキシアルキレンであり、対応する有機ケイ素化合物は所謂ポリエーテル変性シリコーンと呼ばれる一群に属する。当該ポリエーテル変性シリコーンの合成反応後には、当該変性剤の余剰分の大半はモノプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンに異性化しており、これが着臭を発生させる原因となるため、合成工程に引き続き、後述する酸処理工程を実施してプロペニルエーテル体を加水分解させ、ヒドロキシ末端を有するポリオキシアルキレンに変換することが好ましい。従って、前記酸処理工程後、前記不純物にはポリオキシアルキレンそれ自体が含まれることになる。本発明に係る前記有機性不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物から選ばれる1以上の物質を含む固体粒子による高純度化処理は、前記酸処理工程後に行なっても優れた不純物除去効果を発揮するし、酸処理工程を行なわずに直接合成反応終了後の反応混合物に対して実施しても著しい効果を発揮する。従って、後者の手順をとった場合には通常の酸処理低臭化工程を省略することが可能である。このため、本発明は、高純度の有機ケイ素化合物の製造工程の短縮および得られる有機ケイ素化合物の品質および純度に優れ、特に、商業的規模の生産に好適である。
[酸処理および臭気物質等の除去]
本発明の製造方法において、高純度の有機ケイ素化合物及び有機性不純物を含有する混合物は、酸性物質によって処理され、得られた不純物含有組成物を、該不純物を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子と接触させて、該有機性不純物を該固体粒子に捕捉させる捕捉工程、及び、前記ケイ素化合物及び前記固体粒子を分離する分離工程を含むことが好ましい。なお、当該酸性物質の処理によって発生した臭気物質及び低沸点成分が、さらに、加熱又は減圧により取り除かることが好ましい。この場合は、より高品質の高純度の有機ケイ素化合物又はその組成物を得ることができる。前記処理は非極性溶媒及び/又は極性溶媒及び/又は水の存在下で実施することが可能であるが、酸性物質は、水等の極性溶媒に溶解あるいは分散させて使用することが好ましく、酸性水溶液を含む形態で前記処理に供するのがより好ましい。また、既述のとおり、酸処理工程は本発明の高純度化処理の前に行うと、より優れた高純度化が達成されるため、好ましい。なお、製造プロセスの合理性とコスト、得られる効果等を総合的に考慮すると、「有機ケイ素化合物の合成」→「酸処理と臭気低減」→「架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子との接触/分離を含む高純度化処理」の順でステップを踏むのが最善である。但し、合成工程がヒドロシリル化反応以外の場合など酸処理の必要性が低い場合には、酸処理工程をスキップすることができる。
前記酸性水溶液に含まれる酸性物質については任意に選択可能であるが、25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液の25℃におけるpHが4以下であることを特徴とする1種類以上の酸性無機塩を用いるのが最適である。このような酸性無機塩としては、25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液のpHが4以下であることが必要であり、より好適にはpHが3.5以下であることが好ましく、2.0以下であることが特に好ましい。かかる水溶性の酸性無機塩を用いて該組成物の加水分解処理を行うことにより、C−O結合やSi−O結合の切断をほとんど生じることなく、有機ケイ素化合物又はその組成物を高いレベルで低臭化し、経時での着臭を有効に抑制することができる。
より具体的には、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素ルビジウム、硫酸水素セシウム、硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム又は、これらの水和物が具体的に例示される。低臭化という技術的効果から、pHが2.0以下の水溶性の酸性無機塩として、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム及び硫酸水素アンモニウムからなる群から選択される1種以上の酸性無機塩の使用がもっとも好適である。
前記の酸性無機塩存在下の処理は、例えば、(1)ヒドロシリル化反応により合成された有機ケイ素化合物を主成分として含む反応混合物の反応系(例えば、フラスコ等の反応容器)中に、上記の酸性無機塩を添加して、撹拌する分解処理、(2)酸性無機塩と水若しくは酸性無機塩と水と親水性溶媒を添加して、撹拌する加水分解処理等を意味する。酸性無機塩を用いた処理工程は、水及び/又は親水性媒体の存在下に行うことが好ましい。
前記酸処理後に、臭気の原因物質である低沸分(プロピオンアルデヒド等)を除去するストリッピング工程を含むことが好ましい。また、ストリッピング後に、再び酸性無機塩存在下の処理を行うことでより多くのプロペニルエーテル基含有誘導体等を加水分解することができ、臭気原因物質であるプロピオンアルデヒド等を除去することができる。このとき、酸性無機塩が残存しているので、新たに酸性無機塩を追加する必要はなく、水に代表される親水性溶媒のみを添加すればよいという利点がある。すなわち、上記の酸処理工程及びストリッピング工程は、低臭化の程度を高める目的等で2回以上繰り返し行うことができる。
なお、ストリッピング工程によって留去される「低沸物」には、臭気の原因物質であるプロピオンアルデヒドのほか、ヒドロシリル化反応等に使用した反応溶媒、低臭化処理工程で使用した水、その他の親水性溶媒等が含まれる。
除去方法としては、常圧下或いは減圧下でのストリッピングが好ましく、120℃以下で行うことが好ましい。効率よくストリッピングするためには、減圧下で行うか、例えば窒素ガスのような不活性ガス注入下で行うことが好ましい。低沸物の留去操作の一例を具体的に示せば、低沸物が含まれている有機ケイ素化合物を主成分として含む反応混合物の粗製品を、還流冷却管、窒素挿入口等を備えたフラスコに仕込み、窒素ガスを供給しながら内部を減圧して昇温し、圧力と温度を一定に保持することにより軽質物を留去させる。ここに減圧条件としては、0.1〜10.0KPaとされ、加熱温度としては40〜120℃とされ、処理時間としては10分間〜24時間とすることが一般的である。
更に、前記酸処理工程後に、塩基性物質によって有機ケイ素化合物を主成分として含む反応混合物を中和処理してもよい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニア水、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、各種アミン類、塩基性アミノ酸等の有機塩基等を挙げることができる。塩基性物質の量は目的である高純度のケイ素化合物を主成分として含む反応混合物を含む反応系を中和する量が好ましいが、必要に応じて、弱酸性又は弱アルカリ性となるよう添加量を加減することもできる。
なお、前記酸処理工程後に得られた有機ケイ素化合物を主成分として含む反応混合物に対して、更に、100ppm〜50000ppmに相当する量のアルカリ性緩衝剤を添加してもよい。前記有機ケイ素化合物を主成分として含む反応混合物は、中和や濾過工程を経ても微量の酸が局所的に溶存している場合がある。アルカリ性緩衝剤を添加しておくことにより、当該有機ケイ素化合物を配合した化粧料等の液性がアルカリ側に保たれるため、有機ケイ素化合物の不純物に由来する着臭発生のリスクをさらに減らすことができる。有用なアルカリ性緩衝剤は、強塩基と弱酸の組み合わせからなるアルカリ性緩衝剤であれば特に制限されるものではないが、リン酸3ナトリウム,リン酸3カリウム,クエン酸3ナトリウム,酢酸ナトリウム等のアルカリ性緩衝剤が例示される。なお、これらのアルカリ性緩衝剤は、有機ケイ素化合物又はその組成物、ないしはそれを主成分として含む混合物からなる化粧料原料等に添加しても良く、その他の化粧料原料や水を含む有機ケイ素化合物や化粧料の調製段階や配合後の組成物に添加しても良い。これにより、経時での処方中の着臭を、更に有効に抑制することができる。
前記有機ケイ素化合物又はそれを主成分として含む混合物に対して、酸性水溶液による処理の前工程又は後工程として、水素添加処理を行うこともできる。ただし、水素添加処理は、一般的には製品製造時のコスト増につながる場合がある。
[ケイ素化合物]
本発明の製造方法にかかるケイ素化合物は、液状のものであり、好ましくは少なくとも100℃で液体である。
本発明において「液状」又は「液体」であるとは、所定の容器内のオルガノポリシロキサンの液面を水平とした後、当該容器を傾斜させ、1時間後、好ましくは30分後、より好ましくは10分後に、当該液面が再度水平となりうることを意味する。ここで、「水平」とは、重力の作用方向に対して直角に交差する平面を形成することを意味する。前記ケイ素化合物は、少なくとも100℃において液体であることが好ましいが、100℃以下〜室温の範囲でも液状を呈することがより好ましい。具体的には、好ましくは80℃においても液体であり、より好ましくは40℃においても液体であり、更により好ましくは室温(25℃)においても液体である。なお、100℃以上で液状であるものは当然であるが、室温(25℃)以下の温度において流動性を呈さない半ゲル状或いは軟質固形状であっても、例えば、100℃に加温すれば液状を呈する有機ケイ素化合物は、液状のケイ素化合物の範囲内に包含される。
このような液状のケイ素化合物は、さらに、有機変性剤により、分子内に有機変性構造を有するものである。このようなケイ素化合物は、親水性の有機変性構造を含有する有機ケイ素化合物であることが好ましく、水酸基又はオキシアルキレン部分を含有する有機ケイ素化合物であることがより好ましい。ここで、有機ケイ素化合物は、1分子中に含まれるケイ素原子数が通常1個〜数個の比較的低分子量の化合物群である有機変性シラン、1分子中に含まれるケイ素原子数が2個以上の重合体であり一般に高分子化合物に分類される有機変性シリコーン、分子中に非シリコーン構造単位を含む液状の含ケイ素架橋物および含ケイ素交互交差重合体を含むものである。
例えば、前記有機ケイ素化合物が(ポリ)オキシエチレン部分を有する場合、前記有機ケイ素化合物は(ポリ)オキシエチレン部分を有する有機変性剤によって変性されたものである。そして、前記有機性不純物は前記有機変性剤に由来するものであることが好ましい。
前記有機ケイ素化合物としては、(ポリ)オキシアルキレン部位を有するものを好適に使用することができる。前記(ポリ)オキシアルキレンとしては、(ポリ)オキシエチレン、(ポリ)オキシプロピレン、(ポリ)オキシブチレン又はこれらの組み合わせ等が挙げられるが(ポリ)オキシエチレン、(ポリ)オキシプロピレン又はこれらの組み合わせが好ましく、(ポリ)オキシエチレンがより好ましい。
このようなケイ素化合物は、(ポリ)オキシアルキレン部分を有するケイ素化合物であり、且つ
(I)(ポリ)オキシアルキレン基含有有機変性シリコーン、
(II)分子内にケイ素原子に結合した(ポリ)オキシアルキレン部分からなる架橋構造を有し、且つ、架橋部にSi−C結合を含む架橋構造を有する有機変性シリコーン、
(III)(ポリ)オキシアルキレン部分/ポリオルガノシロキサン含有交互共重合体である有機変性シリコーン、
(IV)分子内に(ポリ)オキシアルキレン部分からなる架橋構造とポリオルガノシロキサン部分とを有し、且つ、架橋部にSi−O−C結合を含む架橋構造を有する有機変性シリコーン、および
(V) (ポリ)オキシアルキレン基を含有する有機変性シラン
から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。以下、これらについてより詳細に説明する。
(有機変性シリコーン)
前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(1):
{式中、
R
1は一価有機基(但し、R
2、L
1及びQを除く)、水素原子又は水酸基を表し、
R
2は炭素原子数9〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、又は、下記一般式(2−1);
(式中、R
11はそれぞれ独立して置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基、水酸基又は水素原子であり、R
11の少なくとも一つは前記一価炭化水素基である。tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜500の範囲の数である)若しくは下記一般式(2−2);
(式中、R
11及びrは上記のとおりである)で表される鎖状のオルガノシロキサン基を表し、
L
1はi=1のときの下記一般式(3);
(式中、
R
3はそれぞれ独立して炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、
R
4はそれぞれ独立して炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、
Zは二価有機基を表し、
iはL
iで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がkのとき1〜kの整数であり、階層数kは1〜10の整数であり、L
i+1はiがk未満のときは該シリルアルキル基であり、i=kのときはR
4であり、h
iは0〜3の範囲の数である)で表される、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基を表し、
Qは(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を表し、
a 、b 、c及びdは、それぞれ、1.0≦a≦2.5、0≦b≦1.5、0≦c≦1.5、0.0001≦d≦1.5の範囲にある数である}で表される(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンであることができる。
ここで、一般式(1)で表わされる(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンが、上記のR2で表わされる長鎖型の有機基又は鎖状のオルガノシロキサン基を有する場合、bは0より大きい数であり、0.0001≦b≦1.5であることが好ましく、0.001≦b≦1.5であることがより好ましい。同様に、一般式(1)で表わされる(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンが、上記のL1で表わされるシロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基を有する場合、cは0より大きい数であり、0.0001≦c≦1.5であることが好ましく、0.001≦c≦1.5であることがより好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンとしては、Qである(ポリ)オキシエチレン基含有有機基と共に、R2で表わされる長鎖型有機基若しくは鎖状のオルガノシロキサン基又はL1で表わされるシロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基を有することが好ましい。
このとき、好適なb及びcの値は、必須とする官能基により以下のように表わされる。
(1)R2で表わされる基を有する場合:0.001≦b≦1.5であり、かつ0≦c≦1.5
(2)L1で表わされる基を有する場合:0≦b≦1.5であり、かつ0.001≦c≦1.5
(3)R2で表わされる基とL1で表わされる基を両方有する場合:0.001≦b≦1.5であり、かつ0.001≦c≦1.5
一般式(1)のR1である一価有機基は互いに同一でも異なっていてもよく、R2、L1及びQに該当する官能基でない限り、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜8の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、−R5O(AO)nR6(式中、AOは炭素原子数3〜4のオキシアルキレン基を表し、R5は炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R6は水素原子、炭素原子数1〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、又は、炭素原子数2〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアシル基を表し、n=1〜100である)で表される(ポリ)オキシアルキレン基、アルコキシ基、水酸基、水素原子であることが好ましい。但し、R1が全て水酸基、水素原子、前記アルコキシ基又は前記(ポリ)オキシアルキレン基になることはない。
炭素原子数1〜8の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基(但し、総炭素原子数は1〜8)が挙げられる。一価炭化水素基は、アルケニル基以外の基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。また、アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等低級アルコキシ基や、ラウリルアルコキシ基、ミリスチルアルコキシ基、パルミチルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、ベへニルアルコキシ基等高級アルコキシ基等が例示される。
特に、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基又は一価フッ化炭化水素基であることが好ましい。R1に属する脂肪族不飽和結合を有しない一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基のようなアラルキル基が例示され、一価フッ化炭化水素基は、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基等のパーフルオロアルキル基が例示される。工業的には、R1がメチル基、エチル基、又は、フェニル基であることが好ましく、特に、全てのR1の90モル%〜100モル%が、メチル基、エチル基、又は、フェニル基から選択される基であることが好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、更なる機能性の付与を目的として、親水性基(−Q)以外の変性基、特に短鎖又は中鎖炭化水素ベースの基、をR1として導入し、或いは設計することが可能である。すなわち、R1が置換の一価炭化水素基である場合、置換基を、付与したい特性及び用途に合わせて適宜選択することができる。例えば、化粧料や繊維処理剤原料として使用する場合に、使用感、感触や持続性の向上等を目的として、アミノ基、アミド基、アミノエチルアミノプロピル基、カルボキシル基等を一価炭化水素基の置換基として導入することができる。
一般式(1)のR2の、炭素原子数9〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基は長鎖炭化水素基又は上記一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される鎖状のオルガノシロキサン基であり、ポリシロキサンの主鎖及び/又は側鎖に導入されることにより、外用剤又は化粧料中に配合される油剤、粉体等の各種成分に対する親和性、乳化性及び分散性、更に、使用感をより改善することができる。更に、前記一価長鎖炭化水素基又は鎖状のオルガノポリシロキサン基は疎水性官能基であるために、アルキル基の含有量の多い有機油に対する相溶性・配合安定性がより改善される。R2は、全部が前記一価長鎖炭化水素基又は鎖状のオルガノポリシロキサン基であってもよく、これら両方の官能基であってよい。前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンにおいては、特に、R2の一部又は全部が、一価長鎖炭化水素基であることが好ましく、かかる一価長鎖炭化水素基を分子中に有することにより、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、シリコーン油だけでなく、アルキル基含有量の多い非シリコーン油に対してもより優れた相溶性を示し、例えば、非シリコーン油からなる熱安定性、経時安定性に優れた乳化物、分散物を得ることができる。
一般式(1)のR2で表される、ケイ素原子に結合した、炭素原子数9〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基は、互いに同一でも異なっていてもよく、更に、その構造は、直鎖状、分岐状、部分分岐状の中から選択される。本発明においては、特に、非置換且つ直鎖状の一価炭化水素基が好適に用いられる。非置換一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数9〜60、好ましくは炭素原子数9〜30、より好ましくは炭素原子数10〜25のアルキル基、アリール基又はアラルキル基が挙げられる。一方、置換一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数9〜30、好ましくは炭素原子数9〜30、より好ましくは炭素原子数10〜24のパーフルオロアルキル基、アミノアルキル基、アミドアルキル基、エステル基が挙げられる。また、前記一価炭化水素基の炭素原子の一部がアルコキシ基で置換されていてもよく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。このような一価炭化水素基は、特に、炭素原子数9〜30のアルキル基であることが好ましく、一般式:−(CH2)v−CH3(vは8〜29の範囲の数)で表される基が例示される。炭素原子数10〜24のアルキル基が特に好ましい。
一般式(2−1)又は(2−2)で示される鎖状のオルガノシロキサン基は、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基とは異なり、直鎖状のポリシロキサン鎖構造を有する。一般式(2−1)又は(2−2)において、R11は各々独立に、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基、水酸基又は水素原子である。置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基は、好ましくは、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアラルキル基、炭素原子数6〜30のシクロアルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基が例示され、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換されていてもよい。R11として特に好適には、メチル基,フェニル基又は水酸基が上げられ、R11の一部がメチル基であり、一部が炭素原子数8〜30の長鎖アルキル基であるような形態も好適である。
一般式(2−1)又は(2−2)において、tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜500の範囲の数であり、rが2〜500の範囲の数であることが好ましい。かかる直鎖状のオルガノシロキサン基は疎水性であり、各種油剤との相溶性の観点から、rは1〜100の範囲の数であることが好ましく、2〜30の範囲の数であることが特に好ましい。
一般式(3)で示される、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基は、カルボシロキサン単位がデンドリマー状に広がった構造を包含し、高撥水性を呈する官能基であり、親水性基との組み合わせのバランスに優れ、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンを配合した外用剤又は化粧料の使用時に、不快なベトツキ感を抑え、さっぱりした、自然な感触を与えることができる。更に、前記シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基は、化学的に安定であるために幅広い成分と組み合わせて使用することができるという有利な特性を付与する官能基である。
一般式(3)のR3で表される、炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基(但し、総炭素原子数は1〜30)が挙げられる。
一般式(3)のR4で表される、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基のうち、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル等の直鎖状、分岐状或いは環状のアルキル基が挙げられる。
一般式(3)において、i=kのとき、R4はメチル基又はフェニル基であることが好ましい。特に、i=kのときはメチル基であることが好ましい。
階層数kは、工業的には1〜3の整数であることが好適であり、より好適には、1又は2である。各階層数において、L1で示される基は以下のように表される。式中、R3、R4及びZは前記と同様の基である。
階層数k=1である場合、L
1は下記一般式(3−1)で表される。
階層数k=2である場合、L
1は下記一般式(3−2)で表される。
階層数k=3である場合、L
1は下記一般式(3−3)で表される。
階層数が1〜3の場合における一般式(3−1)〜(3−3)で示される構造において、h1、h2及びh3は各々独立に0〜3の範囲の数である。これらのhiは特に0〜1の範囲の数であることが好ましく、hiが0であることが特に好ましい。
一般式(3)及び(3−1)〜(3−3)において、Zは、各々独立に、二価有機基であり、具体的には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和炭化水素基を末端に有する官能基を付加反応させることにより形成される二価の有機基が挙げられるが、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基の導入法に応じて、これらの官能基に限らず、適宜選択することができる。好ましくは、Zは、各々独立に、下記一般式:
で示される二価の有機基から選ばれる基である。特に、L
1におけるZは、好適には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基の反応により導入される一般式−R
7−で示される2価の有機基である。同様に、Zはケイ素結合水素原子と、不飽和カルボン酸エステル基との反応により導入される−R
7−COO−R
8−で示される2価の有機基が好適である。
一方、階層数kが2以上であり、L2〜LkであるLiで示されるシリルアルキル基において、Zは炭素原子数2〜10のアルキレン基または−R7−COO−R8−で示される2価の有機基であることが好ましく、エチレン基,プロピレン基,メチルエチレン基又はヘキシレン基、−CH2C(CH3)COO−C3H6−から選択される基であることが特に好ましい。
上記一般式中、R7は、各々独立に、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐鎖状の、炭素原子数2〜22のアルキレン基若しくはアルケニレン基、又は、炭素原子数6〜22のアリーレン基を表す。より具体的には、R7はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示され、R8は、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基又はヘキシレン基から選択される基であることが好ましい。
上記一般式中、R
8は下記式で示される二価の有機基から選択される基である。
一般式(1)において、Qは(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であり、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの親水性部位を構成する。Qは(ポリ)オキシエチレン部位を有する限りその構造は限定されるものではないが、二価有機基を介して(ポリ)オキシエチレン部位がケイ素原子に結合することが好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機基は、(ポリ)オキシエチレン構造を有する親水基であり、式:−(C2H4O)t1(C3H6O)t2(C4H8O)t3−で示される単位(式中、t1、t2及びt3は、1≦t1≦100、0≦t2≦100、及び、0≦t3≦50の数であり、好ましくは1≦t1≦50、0≦t2≦50、及び、0≦t3≦30の数であり、より好ましくは1≦t1≦30、0≦t2≦30、及び、0≦t3≦10の数である)を有することが好ましい。また、その末端水酸基の一部または全部がアルキル基やアシル基等により封鎖されていてもよい。更に、(ポリ)オキシエチレン構造は、直鎖状でも分岐状でもよく、樹状に分岐した構造であってもよい。
このような(ポリ)オキシエチレン基含有有機基(Q)は、二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ下記構造式(3―3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなる(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンであることができる。
(3−3)
(3−4)
(3−5)
(rは1〜6の範囲の数)
式(3−3)〜(3−5)中、Wは水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基であり、水素原子であることが好ましい。特に、Wが水素原子である場合、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので環境適合性が高いという利点がある。
上記構造式(3−3)〜(3−5)で示される親水性単位は、主としてグリセリンを含む多価アルコール類、ポリグリセリン類(ポリグリセロール類ともいう)、ポリグリシジルエーテル類又はこれらの末端水酸基を部分的に炭化水素基により封鎖した化合物から選択される親水性化合物から誘導される親水性基に含まれる親水性単位である。
一般式(1)において、Qは、当該官能基中の一部に分岐構造を有する親水性基であってもよい。
例えば、(ポリ)オキシエチレン基含有有機基(Q)は、二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、上記構造式(3―3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位が直鎖状に結合してなる(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であってもよい。同様に、Qは二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ上記構造式(3―3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなり、かつ下記構造式(3−7)〜(3−9)で表される基から選択される分岐単位を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機基でもよい。
上記構造式(3−7)〜(3−9)の2つの酸素原子には、各々独立に、上記一般式(3−3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される、少なくとも1種以上の親水性単位が結合する。当該親水性単位は、更に、構造式(3−7)〜(3−9)で表される基から選択される分岐単位に結合してもよく、親水性単位が多階層に分岐してなる樹状のポリエーテル構造を形成していてもよい。
二価以上の連結基は、Qである親水性基に含まれる、ケイ素原子への結合部位であって、その構造は特に限定されるものではないが、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基;エチレンフェニレン基、プロピレンフェニレン基等のアルキレンフェニレン基、エチレンベンジレン基等のアルキレンアラルキレン基;エチレノキシフェニレン基、プロピレノキシフェニレン基等のアルキレノキシフェニレン基;メチレノキシベンジレン基、エチレノキシベンジレン基、プロピレノキシベンジレン基等のアルキレノキシベンジレン基、更には以下に示される基が例示される。なお、二価以上の連結基中のエーテル結合は、0〜3個までが好ましく、0又は1個がより好ましい。
Qは、より好適には、下記構造式(4−1)〜(4−4)で示される親水性基である。
式(4−1)〜(4−4)において、R9は(p+1)価の有機基であり、pは1以上3以下の数である。かかるR9として、前記の二価以上の連結基と同一の基を例示することができる。
特に好適には、pは1であり、好適なR
9として下記一般式で示される2価の有機基から選択される基が例示できる。
(式中、R
12は、各々独立に、置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜22のアリーレン基である。)
X
1は各々独立に、下記一般式(3−3−1)〜(3−5−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位であり、mは0〜5の範囲の数であり、特に好適には0〜3である。
(3−3−1)
(3−4−1)
(3−5−1)
X2は、(ポリ)オキシエチレン単位であり、qは1〜100の範囲の数である。qは1〜50の範囲の数であることが好ましく、1〜30であることが好ましい。なお、X2が(ポリ)オキシエチレン単位と共に(ポリ)オキシプロピレン単位及び/又は(ポリ)オキシブチレン単位を含むこともできる。この場合、X2は式:−(C2H4O)t1(C3H6O)t2(C4H8O)t3−で示される単位(式中、t1、t2及びt3は、1≦t1≦100、0≦t2≦100、及び、0≦t3≦50の数であり、好ましくは1≦t1≦50、0≦t2≦50、及び、0≦t3≦30の数であり、より好ましくは1≦t1≦30、0≦t2≦30、及び、0≦t3≦10の数である)で示される(ポリ)オキシアルキレン単位としてQに含まれることもできる。
ここで、X1及びX2の結合の形式は、ブロック状であってもランダム状であってもよい。すなわち、Qである親水基は、上記一般式(3−3−1)〜(3−5−1)で表される親水性単位がブロック状に結合してなる親水性セグメントと、(ポリ)オキシアルキレン単位からなる親水性セグメントが結合してなる親水性基であってもよく、これらを構成する単位がランダムに結合してなる親水性基であってもよい。例えば、−(X2)m1−X1−(X2)m2−X1−のような結合形式が例示できる。
R10は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アシル基及びグリシジル基からなる群から選択される基である。
一般式(1)で表される、(ポリ)オキシエチレン基含有有機基(−Q)を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、少なくとも100℃において液体であるものが好ましい。また、そのポリシロキサン主鎖は、直鎖状、分岐鎖状、網状(微架橋及びエラストマー状を含む)のいずれであってもよい。本発明の製造方法により、低粘度の(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンだけでなく、高粘度〜室温では固体状(可塑度を有し、流動性に乏しいガム状を含む)の(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンであっても、その不透明な外観を簡便に改善し、半透明〜透明均一液状に安定化することが可能である。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、特に、下記構造式(1−1):
式中、
R
2、L
1及びQは、各々独立に、上記のとおりであり、
Xはメチル基、R
2、L
1及びQからなる群から選択される基であり、
n1、n2、n3及びn4は、それぞれ独立して、0〜2,000の範囲の数であり、n1+n2+n3+n4は0〜2,000の範囲の数である。但し、n4=0のとき、Xの少なくとも一方はQである)で表される直鎖状のポリシロキサン構造を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンであることが好ましい。
式(1−1)中、(n1+n2+n3+n4)は10〜2,000の範囲の数であることが好ましく、25〜1500の範囲がより好ましく、50〜1000の範囲の数であることが特に好ましい。n1は10〜2,000の範囲の数であることが好ましく、25〜1500の範囲がより好ましく、50〜1000の範囲であることが更により好ましい。n2は、0〜250の範囲の数であることが好ましく、0〜150の範囲の数であることがより好ましい。
R2が前記の長鎖アルキル基である場合、界面活性及びシリコーン以外の油剤との相溶性の点から、特にn2>1であることが好ましい。n3は0〜250の範囲の数であることが好ましく、特にn3>1であって側鎖部分に、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基(−L1)を1以上有することが特に好ましい。n4は0〜100の範囲の数であり、0〜50の範囲の数であることが好ましい。但し、n4=0のとき、Xの少なくとも一方はQであることが必要である。
上記構造式(1−1)において、Qは各々独立に上記一般式(4−1)〜一般式(4−4)のいずれかにより表される(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であることが好ましく、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンにおいては、Qが全て一般式(4−1)〜一般式(4−4)のいずれかにより表される1種類の(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であってもよく、一分子中のQの一部が上記一般式(4−1)〜一般式(4−4)のいずれかによりで表される(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であり、残りのQが、その他の(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であってもよい。
更に、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、上記一般式(1)で示される1種類又は2種類以上の(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの混合物であってもよい。より具体的には、シロキサン主鎖の重合度や変性率、変性基の種類の異なる2種類以上の(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの混合物であってもよい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンとしては、下記構造式(1−1−1):
(式中、
R
2、Q、X、Z、n1、n2、n3及びn4は上記のとおりである)、又は、下記構造式(1−1−2):
(式中、
R
2、Q、X、Z、n1、n2、n3及びn4は上記のとおりである)で表される(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンがより好ましい。
(ポリ)オキシエチレン基含有有機基によるオルガノポリシロキサンの変性率は、主鎖であるポリシロキサンに結合した全ての官能基のうち0.001〜50モル%の範囲であることが好ましく、0.01〜30モル%の範囲であることがより好ましく、0.1〜10モル%の範囲であることが更により好ましい。なお、構造式(1−1)で示される(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンにおいて、(ポリ)オキシエチレン基含有有機基による変性率(モル%)は下式:
変性率(モル%)=(1分子あたりの珪素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基の数)/{6+2×(n1+n2+n3+n4)}×100
で示される。例えば、10個の(ポリ)オキシエチレン基(POE基)含有有機基を有するドデシルシロキサンからなる(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン{MDPOE 10Mの構造式で表される}の場合には、26個の珪素原子結合官能基のうち、10個が(ポリ)オキシエチレン基含有有機基により変性されているから、(ポリ)オキシエチレン基含有有機基による変性率は、38.5モル%である。
((ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン及びそれを主成分として含む混合物の製造)
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、例えば、ヒドロシリル化反応触媒の存在下において、(a1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する(ポリ)オキシエチレン誘導体、(b1)ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、及び、(c1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する有機化合物、更に必要に応じて(d1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物、及び/又は(e1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する長鎖炭化水素化合物又は鎖状オルガノポリシロキサン化合物、を反応させることにより、得ることができる。上記の反応性不飽和基は、好適には、炭素−炭素二重結合を有する不飽和性の官能基である、アルケニル基又は不飽和脂肪酸エステル基が例示できる。成分(c1)により上記の−R1が導入され、成分(d1)により上記の−L1が導入され、成分(e1)により上記の−R2が導入される。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、例えば、更に具体的には、以下のように得ることができる。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、ケイ素−水素結合を有するオルガノポリシロキサンに対して、分子鎖の片末端に炭素−炭素二重結合を有する不飽和有機化合物、及び、分子中に炭素−炭素二重結合を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体の不飽和エーテル化合物を付加反応させることにより得ることができる。なお、分子鎖の片末端に炭素−炭素二重結合を有するシロキサンデンドロン化合物、及び/又は、分子鎖の片末端に炭素−炭素二重結合を有する不飽和長鎖炭化水素化合物又は分子鎖の片末端に炭素−炭素二重結合を有する鎖状オルガノポリシロキサンを更に付加反応させてもよい。
上記の場合、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、前記不飽和有機化合物、及び、前記(ポリ)オキシエチレン誘導体の不飽和エーテル化合物、並びに、任意に、前記シロキサンデンドロン化合物、及び/又は、不飽和長鎖炭化水素化合物又は分子鎖の片末端に炭素−炭素二重結合を有する鎖状オルガノポリシロキサンとSiH基含有シロキサンとのヒドロシリル化反応生成物として得ることができる。これにより、有機基及び(ポリ)オキシエチレン基含有有機基、並びに、任意に、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基、及び/又は、長鎖炭化水素基又は鎖状オルガノポリシロキサン基、を前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンのポリシロキサン鎖に導入することができる。この反応は、一括で行うこともできるし、逐次反応の形式をとることもできるが、逐次反応の方が安全面や品質管理の側面から好ましい。
例えば、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、ヒドロシリル化反応触媒の存在下において、下記一般式(1’):
(式中、
R
1、a 、b、c及びdは上記のとおりである)で表される(b2)オルガノハイドロジェンシロキサンと、(a2)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する(ポリ)オキシエチレン誘導体を少なくとも反応させて得ることができる。(d)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物、及び/又は、(e)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物又は反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンを更に反応させることが好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、(a2)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する(ポリ)オキシエチレン誘導体、及び、任意に、(d)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物、及び/又は、(e)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物又は反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンが共存する状態として、前記(a2)成分、前記(d)成分及び/又は前記(e)成分、並びに、(b2)上記一般式(1’) で表されるオルガノハイドロジェンシロキサンを一緒に反応させるか、或いは、前記(b2)オルガノハイドロジェンシロキサンと任意に前記(d)成分、及び/又は、前記(e)成分とを逐次付加反応させた後、前記(a2)成分を更に付加反応させること等により、好適に製造することができる。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの合成に用いる、(b2)オルガノハイドロジェンシロキサンとしては、例えば、下記構造式(1−1)’:
(式中、
R
1は、各々独立に、上記のとおりであり、
X’はR
1又は水素原子から選択される基であり、
n1、n2、n3及びn4は上記のとおりである。但し、n2+n3+n4=0のとき、X’の少なくとも一方は水素原子である)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンは、好適には、(a)分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体と、(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサン とをヒドロシリル化反応させることにより合成されるものであり、この際、成分(b)であるオルガノハイドロジェンシロキサンは、逐次付加反応により、前記(d1)成分、及び/又は、前記(e1)成分と反応させて得たオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましい。この際、成分(a)と反応させる直前(その他の成分との逐次反応後)のオルガノハイドロジェンシロキサンは、好適には、下記構造式(1−1A)で示される。
(1−1A)
(式中、
R
2及びL
1は、各々独立に、上記のとおりであり、
Xはメチル基、R
2、L
1及び水素原子(H)からなる群から選択される基であり、
n1、n2、n3及びn4は、それぞれ独立して、0〜2,000の範囲の数であり、n1+n2+n3+n4は0〜2,000の範囲の数である。但し、n4=0のとき、Xの少なくとも一方は水素原子である。)
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの合成に用いる、反応性不飽和基を1分子中に1つ有する(ポリ)オキシエチレン誘導体は、好適には、(a)分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体である。これらは、アリル(ポリ)オキシエチレン等の分子鎖末端にアルケニル基等の反応性官能基を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体であり、公知の方法により合成することができる。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンにおいて、界面活性剤(乳化剤)、各種処理剤(粉体分散剤又は表面処理剤)としての性能や化粧料原料としての使用の観点からは、成分(a)は、具体的には、(ポリ)オキシエチレンモノアリルエーテルが好ましく、油剤成分に対する増粘効果及びゲル化能と界面活性剤(乳化剤)の性能や化粧料原料としての使用の観点からは、成分(a)は、具体的には、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンモノアリルエーテルが好ましい。
その他に成分(a)として、下記構造式(4−1´)〜(4−4´)で示される分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体が例示できる。式中のX
1,X
2,R
10は前記同様の基であり、m,qは前記同様の数である。R´は末端に炭素−炭素二重結合を有する不飽和有機基であり、炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の不飽和炭化水素基が好ましい。炭素原子数3〜5の不飽和炭化水素基としては、アリル基、ブテニル基、メタリル基等のアルケニル基を挙げることができる。好適には、アリル基である。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの合成に用いる、(d)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物としては、下記一般式(3’):
{式中、
R
3及びR
4は上記のとおりであり、R
Dは水素原子又はメチル基であり、
Z´は二価有機基を表し、
h
1は0〜3の範囲の数であり、
L´
1は、R
4、又は、j=1のときの下記一般式(3’’):
(式中、R
3及びR
4は上記のとおりであり、
Zは二価有機基を表し、
jはL
jで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がk´のとき1〜k´の整数であり、階層数k´は1〜9の整数であり、L
j+1はjがk´未満のときは該シリルアルキル基であり、j=k´のときはR
4である。
h
jは0〜3の範囲の数である)で表されるシリルアルキル基を表す}で表される分子鎖末端に1個の炭素−炭素二重結合を有するシロキサンデンドロン構造を有する化合物が好ましい。
前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーンの合成に用いる、(e)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物又は反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式:(2’)
(2’)
(式中、R’は上記のとおりであり、
R
2’は炭素原子数7〜58の、置換若しくは非置換の、直鎖状又は分岐状の一価炭化水素基を表す)、又は下記一般式(2−1);
(式中、R
11、t及びrは上記のとおりである)若しくは下記一般式(2−2);
(式中、R
11及びrは上記のとおりである)で表されるモノ不飽和有機化合物が好ましい。
(e)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物としては、炭素原子数9〜30のモノ不飽和炭化水素が好ましく、1−アルケンがより好ましい。1−アルケンとしては、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等が例示される。反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンとしては、片末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン、片末端ビニル基封鎖メチルフェニルポリシロキサン等が例示される。
(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン又はそれを含む組成物を合成するためのヒドロシリル化反応は、溶媒の存在下又は不存在下、公知の方法にしたがって行うことができる。ここに、反応溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;四塩化炭素等の塩素化炭化水素系の有機溶剤を挙げることができる。
ヒドロシリル化反応は、触媒の不存在下で行ってもよいが、触媒の存在下に行うことにより低温かつ短時間で反応が進行するので好ましい。かかる触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の化合物を挙げることができ、その触媒活性が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合物の例としては、塩化白金酸;金属白金;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の坦体に金属白金を坦持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフイン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコラート触媒等の白金錯体を挙げることができる。触媒の使用量は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.0001〜0.1質量%程度であり、0.0005〜0.05質量%の範囲が好適であるが、これに限定されない。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、通常30〜120℃であり、反応時間は、通常10分間〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
上記のヒドロシリル化反応を行う際に、[(ポリ)オキシエチレン基含有化合物中の炭素−炭素二重結合の物質量/オルガノハイドロジェンポリシロキサン中の、前記(ポリ)オキシエチレン基含有化合物の炭素−炭素二重結合に付加させたい珪素結合水素原子の物質量]の比は0.8〜1.5となる範囲が好ましく、1.0〜1.3となる範囲がより好ましい。すなわち、前記(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン又は(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン含有組成物を合成する場合には、(ポリ)オキシエチレン基含有化合物を若干過剰に使用することがより好ましい。上記の比が1.5を超える仕込みも可能であるが、残存原料の割合が増えるために非経済的である。なお、ヒロドシリル化反応中に(ポリ)オキシエチレン基含有化合物中の末端炭素−炭素二重結合が内部転移して不活性化する副反応が同時に起こるため、上記の比が0.8〜1.0の場合にはヒドロシリル化反応によって消費される珪素結合水素原子は理論値である0.8〜1.0の範囲よりも若干少ない範囲内に落ち着き、従って0〜0.2よりも若干多い比率で珪素結合水素原子が残存する。しかし、反応条件により、(ポリ)オキシエチレン含有有機基中に含まれる水酸基や反応溶媒のアルコール性水酸基等との脱水素反応を生じさせ、当該残存珪素結合水素原子を消費することも可能である。
一方、上記の比が0.8未満では、未反応のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが残存するおそれがある。このような(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン又は(ポリ)オキシエチレン基含有有機変性シリコーン含有組成物を外用剤又は化粧料原料として用いた場合には、残存するオルガノハイドロジェンポリシロキサンまたはSi−H基が他の原料と反応し、水素ガスが発生する原因となり、配合先の外用剤又は化粧料の変質、火災の原因、容器の膨張等の好ましくない影響をもたらしうる。また、上記の比が0.8未満の状況下で、脱水素反応により残存した珪素結合水素原子を消費しようとした場合、Si−O−C 架橋結合の割合が増えるため製造中にゲル化する危険が高まる。したがって、安全にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを完全消費できるように、上記の比が0.8を超える、すなわち、(ポリ)オキシエチレン基含有化合物を0.8当量より多い条件で反応させることが好ましい。
(架橋部にSi−C結合を有する有機変性シリコーン)
前記有機ケイ素化合物は、ケイ素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状の有機変性シリコーンであってもよい。
前記有機変性シリコーンは、
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(B)1分子中に1以上の反応性不飽和基を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機化合物、並びに
(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物{但し、前記(C)成分が(ポリ)オキシエチレン基を含有する場合は前記(B)成分の使用は任意である}
を反応させることにより得ることができる。
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子水素原子を有する限り、特に限定されるものではないが、1分子中に平均で1個より多くの、好ましくは1.01〜100、より好ましくは1.1〜50、更により好ましくは1.2〜25の、特に好ましくは1.3〜10のケイ素原子結合水素原子を有するものが好ましく、直鎖状、分岐状又は網状のオルガノポリシロキサンを使用することができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサン上のケイ素原子結合水素原子の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。(A)成分としては1種類のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用してもよく、2種類以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用してもよい。
(A)成分としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体が例示される。
前記(A)成分は、平均組成式(1):
R1 eHfSiO(4−e−f)/2 (1)
(式中、R1は、互いに独立して、一価有機基を表し、1.0≦e≦3.0、及び、0.001≦f≦1.5である)で表されるものが好ましい。
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は限定されず、直鎖状、一部分岐状を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、樹枝状が例示され、好ましくは直鎖状である。またその分子量は特に限定されず、低分子量体から高分子量体まで使用できる。具体的には、数平均分子量が100〜100万の範囲であることが好ましく、300〜50万の範囲がより好ましい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記構造式
(i)R1 3SiO(R1 2SiO)v(R1SiHO)wSiR1 3
(ii)HR1 2SiO(R1 2SiO)v(R1SiHO)zSiR1 3
(iii)HR1 2SiO(R1 2SiO)v(R1SiHO)zSiR1 2H
(式中、R1は上記のとおりであり、vは0又は正の整数であり、wは正の整数であり、zは0又は正の整数である)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが例示される。これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(i)側鎖のみ、(ii)側鎖又は分子鎖の片末端、(iii)側鎖又は分子鎖の両末端にケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
一価有機基は、特に限定されるものではないが、以下の(D1)〜(D10)
(D1)炭素原子数1〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、
(D2)−R
8O(AO)
zR
9 (式中、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、R
8は炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R
9は水素原子、炭素原子数1〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、又は、炭素原子数2〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアシル基を表し、z=1〜100である)で表されるポリオキシアルキレン基、
(D3)炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、
(D4)水酸基、
(D5)−R
10−COOR
11 (式中、R
10は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R
11は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基、
(D6)−R
17−OCOR
18 (式中、R
17は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R
18は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基
(D7) L
1
ここで、L
1はi=1のときの下記一般式(3);
(式中、
R
12は、炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、
R
13は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、
Zは二価有機基を表し、
iはL
iで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がkのとき1〜kの整数であり、階層数kは1〜10の整数であり、L
i+1はiがk未満のときは該シリルアルキル基であり、i=kのときはR
13であり、h
iは0〜3の範囲の数である)で表される、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基、
(D8)下記一般式(4)
(式中、R
14は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30の一価炭化水素基、水酸基又は水素原子であり、R
14のうち少なくとも一つは前記一価炭化水素基である。tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜100の範囲の数である)で表される、鎖状ポリシロキサン構造で置換されたアルキル基、
(D9)下記一般式(5)
(5)
(式中、R
15は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表す)で表される、エポキシ基、
(D10)下記一般式(6)
(6)
(式中、R
16は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表し、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基を表す)で表される、脂環式エポキシ基
から選ばれることが好ましい。
(D1)、(D2)、(D5)〜(D8)及び(D10)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。一価炭化水素基は、アルケニル基以外の基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
(D2)、(D5)、(D6)、(D9)及び(D10)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基としては、以下のものが挙げられる。炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素原子数2〜30のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、炭素原子数1〜30のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数3〜5のアルキレン基がより好ましい。
(D3)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等低級アルコキシ基や、ラウリルアルコキシ基、ミリスチルアルコキシ基、パルミチルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、ベへニルアルコキシ基等高級アルコキシ基等が例示される。
(D7)における炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基のうち、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル等の直鎖状、分岐状或いは環状のアルキル基が挙げられる。
一般式(3)において、i=kのとき、R4はメチル基又はフェニル基であることが好ましい。特に、i=kのときはメチル基であることが好ましい。
階層数kは、工業的には1〜3の整数であることが好適であり、より好適には、1又は2である。各階層数において、L1で示される基は以下のように表される。式中、R12、R13及びZは前記と同様の基である。
階層数k=1である場合、L
1は下記一般式(3−1)で表される。
階層数k=2である場合、L
1は下記一般式(3−2)で表される。
階層数k=3である場合、L
1は下記一般式(3−3)で表される。
階層数が1〜3の場合における一般式(3−1)〜(3−3)で示される構造において、h1、h2及びh3は各々独立に0〜3の範囲の数である。これらのhiは特に0〜1の範囲の数であることが好ましく、hiが0であることが特に好ましい。
一般式(3)及び(3−1)〜(3−3)において、Zは、各々独立に、二価有機基であり、具体的には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和炭化水素基を末端に有する官能基を付加反応させることにより形成される二価の有機基が挙げられるが、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基の導入法に応じて、これらの官能基に限らず、適宜選択することができる。好ましくは、Zは、各々独立に、下記一般式:
で示される二価の有機基から選ばれる基である。特に、L
1におけるZは、好適には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基の反応により導入される一般式−R
19−で示される2価の有機基である。同様に、Zはケイ素結合水素原子と、不飽和カルボン酸エステル基との反応により導入される−R
19−COO−R
20−で示される2価の有機基が好適である。一方、階層数kが2以上であり、L
2〜L
kであるL
iで示されるシリルアルキル基において、Zは炭素原子数2〜10のアルキレン基または−R
19−COO−R
20−で示される2価の有機基であることが好ましく、エチレン基,プロピレン基,メチルエチレン基又はヘキシレン基、−CH
2C(CH
3)COO−C
3H
6−から選択される基であることが特に好ましい。
上記一般式中、R19は、各々独立に、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐鎖状の、炭素原子数2〜22のアルキレン基若しくはアルケニレン基、又は、炭素原子数6〜22のアリーレン基を表す。より具体的には、R19はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示され、R20は、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基又はヘキシレン基から選択される基であることが好ましい。
上記一般式中、R
20は下記式で示される二価の有機基から選択される基である。
(B)反応性不飽和基を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機化合物は、反応性不飽和基及び(ポリ)オキシエチレン変性基をそれぞれ1分子中に1以上有する限り、特に限定されるものではないが、好適には、分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体である。これらは、例えば、アリル(ポリ)オキシエチレン等の分子鎖末端にアルケニル基等の反応性官能基を有する(ポリ)オキシエチレン誘導体であり、公知の方法により合成することができる。(B)成分としては、(ポリ)オキシエチレンモノアリルエーテル、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンモノアリルエーテル、あるいはこれらの末端水酸基がメチル基などの低級アルキル基やアセチル基などで封鎖されたもの、(ポリ)オキシエチレンジアリルエーテル、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンジアリルエーテル、(ポリ)オキシエチレンジメタリルエーテル、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンジメタリルエーテルが好ましく、中でも、(ポリ)オキシエチレンモノアリルエーテル、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンモノアリルエーテル、あるいはこれらの末端水酸基がメチル基またはアセチル基で封鎖されたものが特に好ましい。
(C)成分としての(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物としては、1分子中に平均で1個より多くの、好ましくは1.01〜10、より好ましくは1.2〜8、更により好ましくは1.5〜6の、特に好ましくは2.0〜4.5の反応性不飽和基、好ましくは炭素−炭素二重結合、を有する限り構造上の制限はなく、直鎖状、分岐状又は網状の、有機化合物を使用することができる。有機化合物としては、オルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。有機化合物、好ましくはオルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素、上の反応性不飽和基の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。但し、架橋密度コントロールの容易さの点からは、一分子中に2つの不飽和基を有し、たとえばそれらが両末端に位置する高純度の化合物を用いることが好ましい。
反応性不飽和基は不飽和脂肪族炭化水素基中に存在することが好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数2〜30のものが好ましく、2〜20のものがより好ましい。炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の直鎖又は分岐状のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;シクロペンテニルエチル基、シクロヘキセニルエチル基、シクロヘキセニルプロピル基等のシクロアルケニルアルキル基;及び、エチニル基、プロパルギル基等のアルキニル基が挙げられる。アルケニル基が好ましく、ビニル基及びヘキセニル基が特に好ましい。
(C1)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、反応性不飽和基を含む不飽和脂肪族炭化水素基はケイ素原子に結合することが好ましい。また、(C1)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、不飽和脂肪族炭化水素以外のケイ素原子に結合する基は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、反応性官能基を有する一価有機基とすることができる。
置換若しくは非置換の一価炭化水素基は、典型的には、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜4の一価の飽和炭化水素基、炭素原子数6〜30、より好ましくは炭素原子数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。なお、(C1)成分は、一価有機基として水酸基やメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。
炭素原子数1〜30の一価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
炭素原子数6〜30の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等のアリール基が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と脂肪族飽和炭化水素が複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
上記の一価炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、水酸基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、及び、イソシアネート基からなる群から選択される。上記置換基を少なくとも1つ有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、3,3,3−トリフロロプロピル基、3―クロロプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。
反応性官能基を有する一価有機基としては、例えば、水酸基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、及び、イソシアネート基からなる群から選択される反応性官能基を有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基が挙げられる。一価有機基に存在する反応性官能基は1つであっても、複数であってもよい。好ましいR1は、上記の反応性官能性基を少なくとも1つ有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基である。反応性官能基としては、具体的には、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−メルカプトプロピル基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、アミノプロピル基、N−メチルアミノプロピル基、N−ブチルアミノプロピル基、N,N−ジブチルアミノプロピル基、3−(2−アミノエトキシ)プロピル基、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。
(C1)成分としては、直鎖状若しくは分岐状のポリシロキサンが好ましい。直鎖状の(C1)成分としては、ジオルガノシロキサン単位及びトリオルガノシロキシ単位を含む重合体であることが好ましく、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、これらの重合体のメチル基の一部がエチル基、プロピル基等のメチル基以外のアルキル基や3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換された重合体、及び、これらの重合体の2種以上の混合物が例示され、特に、分子鎖両末端のみに不飽和脂肪族炭化水素基、特にアルケニル基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
分枝鎖状の(C1)成分としては、特に、ジオルガノシロキサン単位、オルガノシルセスキオキサン単位、及びトリオルガノシロキシ単位を含む重合体であることが好ましい。これらの単位中のケイ素原子結合有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の一価炭化水素基が好ましく、極少量の水酸基、更にはメトキシ基等のアルコキシ基を有していてもよいが、この重合体中の少なくとも2個のケイ素原子結合有機基は不飽和脂肪族炭化水素基、特にアルケニル基であることが必要である。また、これらの単位の比率は限定されないが、この重合体において、ジオルガノシロキサン単位が80.00〜99.65モル%の範囲内の量であり、オルガノシルセスキオキサン単位が0.10〜10.00モル%の範囲内の量であり、及び残りのモル%がトリオルガノシロキシ単位であることが好ましい。
(C1)成分としては、例えば、平均組成式(2−5):
R5 pR6 qSiO(4−p−q)/2 (2−5)
(式中、R5は、互いに独立してもよいがR6とは異なる一価有機基を表し、
R6は、互いに独立して、炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基を表し、1.0≦p≦2.5、及び、0.001≦q≦1.5である)で表される不飽和基含有シリコーン化合物が挙げられる。炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基は既述のとおりである。
平均組成式(2−5)において、R5である一価有機基は特に限定されるものではないが、以下の(E1)〜(E6):
(E1)炭素原子数1〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基を有する炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を除く)
(E2)水酸基
(E3)−R10−COOR11 (式中、R10及びR11は上記の通りである)で表されるエステル基
(E4)−R17−OCOR18 (式中、R17及びR18は上記の通りである)で表されるエステル基
(E5)−R21−NR22COR23 (式中、R21は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R22は水素原子又は炭素原子数1〜20の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、R23は炭素原子数1〜30の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるアミド基
(E6)−R24−CONR25R26 (式中、R24は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R25及びR26は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるアミド基
から選ばれるものが好ましい。置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基又は二価炭化水素基の定義、種類等は既述のとおりである。
一方、(C1)成分は、不飽和脂肪族炭化水素であってもよい。不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、各種の、ジエン、ジイン、エンイン等の2以上の反応性不飽和基を有するものが挙げられる。架橋の点ではジエン、ジイン、及び エンインが好ましい。ジエン、ジイン、及び、エンインは、少なくとも2つの反応性不飽和基が分子内で1以上、好ましくは2以上、の単結合によって隔てられた構造を有する化合物群である。これらの不飽和脂肪族炭化水素基は分子鎖末端に存在してもよく、分子鎖途中にペンダント基として存在してもよい。
(C1)成分としての不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素原子数2〜30のα,ω−不飽和アルケン及びアルキンが挙げられる。(C1)成分としては、例えば、一般式(2−1):
CH2=CH(CH2)xCH=CH2 (2−1)
(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジエン、一般式(2−2):
CH≡C(CH2)xC≡CH (2−2)
(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジイン、 一般式(2−3):
CH2=CH(CH2)xC≡CH (2−3)
(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−エン−インが挙げられる。
(C1)成分としての不飽和脂肪族炭化水素としては、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,19−エイコサジエン、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジイン、1−ヘキセン−5−イン等が挙げられる。
(C1)成分は単独で使用することもできるし、構造の異なる2種以上の成分を併用することも可能である。すなわち、(C1)成分は、1種類以上のオルガノポリシロキサン及び1種類以上の不飽和脂肪族炭化水素の混合物であってもよい。したがって、ここでの「平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する」とは、2種以上のオルガノポリシロキサン及び/又は不飽和脂肪族炭化水素を使用した場合には、平均して、1分子当たり1個より多くの反応性不飽和基を有するという意味である。
(C)成分としての(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物としては、1分子中に合計で2以上の、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜7、更により好ましくは2〜5の、特に好ましくは2〜4の反応性不飽和基及びエポキシ基を有する限り構造上の制限はなく、直鎖状、分岐状又は網状の、有機化合物を使用することができる。有機化合物としては、オルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。有機化合物、好ましくはオルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素、上の反応性不飽和基の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。但し、架橋密度コントロールの容易さの点からは、一分子中の不飽和基とエポキシ基の合計が2である、高純度の化合物を用いることが好ましい。
反応性不飽和基は不飽和脂肪族炭化水素基中に存在することが好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基としては既述したものを挙げることができる。
(C2)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、反応性不飽和基を含む不飽和脂肪族炭化水素基及び/又はエポキシ基含有有機基はケイ素原子に結合することが好ましい。また、(C2)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、不飽和脂肪族炭化水素又はエポキシ基含有有機基以外のケイ素原子に結合する基は、既述の、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、反応性官能基を有する一価有機基とすることができる。
(C2)成分としては、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、既述した、不飽和脂肪族炭化水素基を有する化合物が挙げられる。一価不飽和脂肪族炭化水素基を有する化合物が好ましい。
(C2)成分としては、例えば、一般式 (2−6):
(2−6)
(式中、R
4は、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表す)で表される不飽和エポキシ化合物、一般式(2−7):
(2−7)
(式中、R
5は、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表し、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基を表す)で表される、不飽和基含有脂環式エポキシ化合物が挙げられる。上記一般式における反応性不飽和基、及び、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基の定義、種類等は既述のとおりである。
(C2)成分としてのエポキシ基含有不飽和脂肪族炭化水素としては、具体的には、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシド、1,4−ジメチルシクロヘキセンオキシド、4−ビニルシクロヘキセンオキシド、ビニルノルボルネンモノオキシド、ジシクロペンタジエンモノオキシド、ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセン、2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテンが例示される。これらの中でも、4−ビニルシクロヘキセンオキシドが好ましい。
(C2)成分は単独で使用することもできるし、構造の異なる2種以上の成分を併用することも可能である。
前記有機変性シリコーンを製造するための反応は、反応溶媒の存在下又は不存在下、公知の方法に従って行うことができる。本発明における不飽和基とSi−H基との反応はヒドロシリル化反応である。また、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物エポキシドを利用して架橋を行う場合には、不飽和基とSi−H基との反応による結合と、エポキシ基同士の自己開環重合(SiH基と白金触媒の存在下で生じるカチオン性の重合反応)によるエーテル結合生成の両方が起こり、架橋が形成される。この反応を促進するため、紫外線等高エネルギー線の照射や一般的なカチオン重合用触媒を更に追加することもできる。
反応溶媒としては、非反応性であれば特に限定されるものではないが、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;四塩化炭素等の塩素化炭化水素系の有機溶剤を挙げることができる。後述する油剤を反応溶媒として使用してもよい。反応溶媒として油剤を用いた場合、架橋反応後に、ケイ素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状の有機変性シリコーン及び油剤からなる組成物を直接得ることができる。
ヒドロシリル化反応は、触媒の不存在下で行ってもよいが、触媒の存在下に行うことにより低温で、短時間に反応が進行するので好ましい。ヒドロシリル化反応触媒としては、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の化合物を挙げることができ、その触媒活性が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合物の例としては、塩化白金酸;金属白金;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の坦体に金属白金を坦持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフイン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコラート触媒等の白金錯体を挙げることができる。触媒の使用量は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.5〜1000ppm程度である。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、通常30〜150℃であり、反応時間は、通常10分間〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
ヒドロシリル化反応又はエポキシ基のカチオン性重合反応により、(A)成分は(C)成分によって架橋され、(A)成分由来のポリシロキサン鎖が(C)成分由来の炭素−ケイ素結合を含む架橋部によって連結される。また、(A)成分は(B)成分由来の(ポリ)オキシエチレン変性基を備える。このようにして、本発明に係るケイ素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状の有機変性シリコーンを得ることができる。
なお、本発明に係るケイ素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状の有機変性シリコーンは、本質的に、(C)成分由来の炭素−ケイ素結合を含む架橋部により連結されてなる構造を有するものであるが、一部にSi-O-C結合による架橋部を有していてもよい。当該構造は、(A)〜(C)成分にシラノール基、アルコキシ基等の縮合反応可能な官能基を有する場合に、ポリシロキサン鎖間に形成されうる他、架橋条件がシビアである場合に、(B)成分由来の(ポリ)オキシエチレン基含有有機基中の水酸基が(A)のSi-H基と一部反応して、副次的に形成されうるためである。
本発明に係るケイ素原子に結合した(ポリ)オキシエチレン基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状の有機変性シリコーンの製造にあたっては、(A)成分と(B)成分の反応後に、(C)成分を(A)成分と更に反応させてもよいし、(A)成分と(C)成分の反応後に(B)成分を(A)成分と更に反応させてもよい。
(A)成分と(B)成分の反応後に、(C)成分を(A)成分と更に反応させる場合、(C)成分の反応性不飽和基と反応する(A)成分の1分子当たりのケイ素原子結合水素原子数の平均値は1.0以上が好ましい。すなわち、架橋部を構成し、(C)成分中の反応性不飽和基と反応する、(A)成分中の1分子あたりのケイ素原子結合水素原子の数は、平均して、1.0以上であり、0.2〜1.5の範囲であることが好ましく、0.6〜1.3の範囲が特に好ましい。
(架橋部にSi−O−C結合を含む有機変性シリコーン)
前記有機ケイ素化合物は、架橋部にSi−O−C連鎖を含む架橋構造を有し、架橋部を構成する(ポリ)オキシエチレン基含有有機ブロックは、該有機ブロックにつき少なくとも2の炭素原子結合価を有して前記連鎖によりシロキサンブロックに結合しており、該シロキサンブロックは1〜3の一価有機基がケイ素原子に結合したシロキサン単位からなり、該シロキサンブロックにつき少なくとも2のケイ素原子結合価を有して前記連鎖に結合している、架橋構造を有する有機変性シリコーンであってもよい。このような架橋部にSi−O−C結合を含む有機変性シリコーンは、例えば、米国特許3867420号公報に開示されている。
前記シロキサンブロックは下記一般式(5):
R
13 gR
14 sSiO
(4−g−s)/2 (5)
(式中、
R
13は、互いに独立してもよいがR
14とは異なり、Si−C結合により前記一般式(5)のケイ素原子に結合する一価有機基を表し、
R
14は、当該ケイ素原子に結合して(ポリ)オキシエチレン基含有有機ブロックの炭素原子と連結させている酸素原子を表し、1.0≦g≦3.0、及び、0≦s≦2.0、及び1.0≦g+s≦3.0である)で表され、
前記架橋部を構成する(ポリ)オキシエチレン基含有有機ブロックが下記一般式(6):
(6)
(式中、Yは多価の有機基でありy1+y2の結合価を有し、R
15は水素原子、R
13NHCO−,R
13CO−,及びR
13から成る群から選択される基であり、2≦n≦4、yはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位の繰返し数の合計値であり、1≦y≦180であり、2≦y1、及び、0≦y2≦14、及び2≦y1+y2≦14である)で表され、
更に、架橋部を構成する(ポリ)オキシエチレン基含有有機ブロック以外の(ポリ)オキシエチレン基含有有機ブロックとして、下記一般式(7):
(7)
(式中、Xは多価の有機基でありy3+1の結合価を有し、R
15,n,yは前記のとおりであり、1≦y3である)で表される有機ブロックを含み得る。
前記一価有機基としては、既述したものを使用することができる。また、前記多価有機基としては、特に限定されるものではないが、例えば、二価有機基として既述したものを使用することができる。
(有機変性シラン)
前記有機変性シランは、下記一般式(8):
(8)
(式中、R
16は水素原子及び置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30の一価炭化水素基から選択される基であり、X
1はアルコキシ基、アリーロキシ基、アシロキシ基、2級アミノ基、アミノキシ基から選択される加水分解性基であり、Z
1はSi−C結合により前記一般式(8)のケイ素原子に連結しているR
16とは異なる一価有機基であり、1≦k≦3、及び0≦j≦2、k+j≦3である)で表される有機変性シランであることができる。Z
1は二価有機基を介して(ポリ)オキシエチレン部位がケイ素原子に結合する構造を有する(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であることが好ましく、式:−(C
2H
4O)
t1(C
3H
6O)
t2(C
4H
8O)
t3−R
10で示される一価有機基(式中、t1、t2及びt3は、1≦t1≦100、0≦t2≦100、及び、0≦t3≦50の数であり、好ましくは1≦t1≦50、0≦t2≦50、及び、0≦t3≦30の数であり、より好ましくは1≦t1≦30、0≦t2≦30、及び、0≦t3≦10の数であり、R
10は炭素原子数1〜20のアルキル基、アシル基及びグリシジル基からなる群から選択される基である)で示される(ポリ)オキシエチレン基含有有機基であることが特に好ましい。上記一価炭化水素基及び一価有機基は既述のとおりである。
((ポリ)オキシアルキレン基含有交互共重合体)
前記有機ケイ素化合物は、少なくとも、
(D)分子鎖の両末端に反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン、及び
(E)分子中に前記(D)オルガノポリシロキサンの分子鎖両末端に位置する反応性官能基と反応し得る2つの反応性官能基を有する有機化合物
を少なくとも反応させて得られる直鎖状の(ポリ)オキシアルキレン基含有交互共重合体の形式の有機変性シリコーンであってもよい。
ここで、(ポリ)オキシアルキレン基は前記(D)の分子構造中に含まれていてもよいし、前記(E)の分子構造中に含まれていてもよく、また、(F)前記(D)または(E)の分子鎖両末端に位置する反応性官能基と反応し得る2つの反応性官能基を有する(ポリ)オキシアルキレン基含有化合物であって、前記(D),(E)とは異なるものを更に反応させて得られる直鎖状の(ポリ)オキシアルキレン基含有交互共重合体の形式の有機変性シリコーンであってもよい。
ここでの反応性官能基の組み合わせは、特には限定されるものではないが、例えば、Si-H基とC=C基の組み合わせや、アミノ基とそれと反応性の有機基(エポキシ基、カルボン酸基、カルボニル基、エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基など)との組み合わせ、水酸基とそれと反応性の有機基(エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、アルコキシ基、アルデヒド基、イソシアナート基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基など)との組み合わせ等が挙げられる。
上記の(ポリ)オキシアルキレン基含有交互共重合体の具体例として、日本ユニカー株式会社の特開平05-310944号公報、特開平04-234307号公報、特開平04-211605号公報に記載のブロック共重合体、ダウコーニング社の特表2010-523790号公報(国際公開公報WO2008/127519)に記載のシリコーンポリエーテルブロック共重合体等が例示される。同様に、特開昭56-062824号公報、特開平01-249109号公報、特開平07-126392号公報、特開平08-073596号公報、特開平06-100676号公報、特開平10-279807号公報、特表2004-528412号公報、特開2000-063523号公報、特表2005-535760号公報、特開2004-331977号公報、特開2005-344116号公報、特表2008-534721号公報、特開2008-156637号公報、特開2008-156638号公報に記載の(ポリ)オキシアルキレン基含有交互共重合体が例示されるが、これらに限定されるものではない。
[酸化防止剤の添加]
本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物は、所望により、フェノール類、ヒドロキノン類、ベンゾキノン類、芳香族アミン類、又はビタミン類等の酸化防止剤を入れ、酸化安定性をさらに改善してもよい。例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、ビタミンE等を添加すると更に安定性が向上する。このとき、使用する酸化防止剤の添加量は、その重量(質量)において、前記高純度有機ケイ素化合物に対し10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppmとなる範囲である。
[液状油剤添加工程]
本発明の液状の高純度ケイ素化合物又はその組成物の製造方法は、前記高純度化処理工程前及び/又は後に、及び/又は前記高純度化処理工程と同時に、前記液状の高純度ケイ素化合物又はその組成物に液状油剤を添加する液状油剤添加工程を更に含むことができる。ここで、「液状」とは既述のとおりの意味である。
前記液状油剤は前記液状のケイ素化合物と親和性を有することが好ましい。好適には、5〜100℃で液状であるシリコーンオイル、非極性有機化合物又は低極性〜高極性有機化合物から選択される1以上の油剤であり、非極性有機化合物及び低極性〜高極性有機化合物としては、炭化水素油及び脂肪酸エステル油及び液状脂肪酸トリグリセライドが好ましい。これらは、特に化粧料の基材として広く用いられている成分であるが、これらの油剤には、公知の植物性油脂類、動物性油脂類、高級アルコール類、脂肪酸トリグリセライド、人工皮脂、フッ素系油から選択される1種類又は2種類以上を併用してもよい。特に、前記ケイ素化合物であって、(ポリ)オキシアルキレン部分を有するケイ素化合物、またはそれを含む組成物は、当該ケイ素化合物がさらに長鎖アルキル基を有する場合には非シリコーン系油剤に対しても優れた相溶性・分散性を示すので、炭化水素油及び脂肪酸エステル油等を安定に化粧料に配合でき、これらの非シリコーン系油剤による保湿特性をも活かすことができる。したがって、本発明により得られた高純度の液状ケイ素化合物、特に、(ポリ)オキシアルキレン部分を有するケイ素化合物またはそれを含む組成物は、これら非シリコーン系油剤の化粧料中における配合安定性を改善することができる。
また、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油をシリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経時安定性を損なわないという利点がある。更に、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油とシリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分(炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油)を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができるので、保湿成分の肌上の保湿効果が向上する。したがって、非シリコーン系油剤(炭化水素油、脂肪酸エステル油等)のみを含む化粧料に比して、非シリコーン系油剤と共にシリコーンオイルを含む化粧料は、より滑らかでしっとりした感触を付与することができるという利点がある。
これらの油剤は、出願人らが特開2012−246446号公報の段落0141〜0150等に開示したものと共通である。
前記液状油剤添加工程における液状油剤の添加量は特に限定されるものではないが、前記液状のケイ素化合物又はその組成物100質量部に対して5〜1000質量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜200重量部の液状油剤を添加することができる。
前記液状油剤添加工程においては、前記液状のケイ素化合物又はその組成物及び前記液状油剤を、混合して均質化することが好ましい。混合均質化は、機械力を用いた混合により行うことが好ましく、例えばパドルミキサーやプロペラ撹拌機、撹拌羽根を備えた反応器や容器内で行うことができ、必要に応じて乳化機や混練機等も利用できる。また、混合均質化は必ずしも常温下で行う必要は無く、組成や流動性等に応じて温度を加減できる。通常は0〜70℃付近までの範囲内で行うことが好ましい。
[得られた透明乃至半透明の液状の高純度有機ケイ素化合物又はその組成物]
本発明により得られた高純度有機ケイ素化合物またはその組成物からは、有機性不純物、特に、有機変性剤に由来する(ポリ)オキシアルキレン基含有変性剤またはその誘導体である親水性の有機性不純物が大部分取り除かれたために、好適には外観が透明乃至半透明である。
前記のとおり、これらの有機性不純物は、ケイ素化合物への着臭や使用感触・分散系の安定化効果の低下、副反応や各種製剤における配合安定性の低下や外観の悪化等の不利益をもたらす場合がある。しかしながら、本発明の製法により得られた高純度有機ケイ素化合物は、これらの有機性不純物の含有量が、通常の製法に比べて低減されており、かつ、有機変性剤の種類によらず適用でき、商業的規模での生産にも無理なく対応可能であるという利点を有する。これにより、比較的安価に、液状で高純度な有機ケイ素化合物又はこれを含む組成物を提供することができることが可能である。
[光透過率]
本発明の製造方法により得られた液状で高純度なケイ素化合物、それを含む組成物(前記の液状油剤添加により得られた組成物を含む)は、その外観が透明ないし半透明であるが、その可視光透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。可視光としては、360〜830nmの波長の光が好適であるが、400〜760nmの波長の光がより好ましい。例えば、750nmの波長光を使用することができる。また、透過率測定は1〜30mmの光路長が好適であるが、5〜20mmの光路長がより好ましい。例えば、10mmの光路長にて行うことができる。特に、波長750nmの光を用いて、光路長10mmで測定される光透過率が50%以上であり、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。
[用途]
本発明の第2の態様は、本発明の製造方法により得られた高純度有機ケイ素化合物を含む外用剤若しくは化粧料又は工業用材料である。特に、前記ケイ素化合物であって、(ポリ)オキシアルキレン部分を有するケイ素化合物、またはそれを含む組成物は、シリコーン系の界面活性剤(乳化剤、粉体分散剤、粉体表面処理剤およびベシクル基材としての用途を含む)、洗浄剤、油剤、皮膜形成剤、増粘剤等の公知の用途に特に制限なく適用することができる。
特に、本発明の製造方法により得られる高純度の(ポリ)オキシアルキレン変性シリコーン(=ポリエーテル変性シリコーン)は、当該変性シリコーンとは極性の大きく異なる親水性変性剤の残存量が低減されているため、化粧料・外用剤の処方を設計するにあたり各種原料配合時の相溶性不良の問題が起き難く、処方設計の幅が広がるという利点がある。同時に、最終製品の安定性に関する懸念やリスクも減らすことが出来る。高純度であるため、不純物含有量の多い一般的なポリエーテル変性シリコーン組成物と比較して、感触改良効果、保湿効果、経時着臭等の劣化現象の少なさ、界面活性効果、乳化性能、粉体分散安定能、粉体表面処理効果、或いはこれら効果の持続性等の点で有利である。特に、粉体を含む処方や水の配合量の少ない処方においては、本発明により得られる高純度のポリエーテル変性シリコーンの特性により、薬効成分や粉体を化粧料・外用剤中に従来よりも安定に微分散させることが可能となる結果、塗りむらがなくなり、化粧持ちや発色性の向上、スキンケアやUVフィルター効果の向上等、その処方本来の効果が増進されるという大きな利点が生まれる。また、粉体を含まない処方においては、本発明により得られる高純度のポリエーテル変性シリコーンの特性により、透明性に優れ、低粘度であっても安定な製品を容易に得ることが出来る。
<外用剤・化粧料>
本発明の製造方法により得られる高純度有機ケイ素化合物は、外用剤又は化粧料に好適に配合することができ、本発明の外用剤又は化粧料を構成することができる。また、本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物を含む外用剤及び化粧料用の原料を製造し、外用剤又は化粧料に配合することもできる。
特に、本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物は、有機性不純物の含有量が少なく、特異臭がなく、処方中や経時による着臭もほとんどない。したがって、本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物は人体に使用される外用剤及び化粧料の原料として好適に利用することができる。
前記高純度有機ケイ素化合物は、シリコーン油、有機油、アルコール類等の適当な媒体で希釈して外用剤又は化粧料用の原料することができる。外用剤又は化粧料用の原料中に占める、前記高純度有機ケイ素化合物の割合は、原料の全重量(質量)を基準にして、10〜100重量(質量)%が好ましく、20〜100重量(質量)%がより好ましく、30〜100重量(質量)%が更により好ましい。外用剤又は化粧料に配合される原料の割合は特に限定されるものではないが、例えば、外用剤又は化粧料の全重量(質量)を基準にして、0.1〜40重量(質量)%、好ましくは1〜30重量(質量)%、より好ましくは2〜20重量(質量)%、更により好ましくは3〜10重量(質量)%の範囲とすることができる。
本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物は、その構造及び所有する官能基の種類に応じて、国際公開特許 WO2011/049248号公報(以下、「WO2011/049248」という)、国際公開特許 WO2011/049247号公報及び特開2012−046507号公報に記載された共変性オルガノポリシロキサン、又は、国際公開特許 WO2011/049246号公報に記載された新規オルガノポリシロキサン共重合体と共通の用途に適用することが可能である。また、本発明の製造方法により得られる高純度有機ケイ素化合物は、任意の化粧料原料成分との組み合わせ、外用剤、特に化粧料の剤形、種類及び処方例においても、これらの特許文献に記載された共変性オルガノポリシロキサン、又は、新規オルガノポリシロキサン共重合体と同様に使用でき、各種化粧料等に配合することができる。
本発明に係る外用剤は、化粧料又は医薬として人体に適用される組成物であれば、特にその制限はない。本発明の化粧料は、具体的な製品としては、皮膚洗浄剤製品、スキンケア製品、メイクアップ製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の皮膚用化粧品;毛髪用洗浄剤製品、整髪料製品、毛髪用着色料製品、養毛料製品、ヘアリンス製品、ヘアコンディショナー製品、ヘアトリートメント製品等の頭髪用化粧品;浴用化粧品が例示される。本発明の医薬は、発毛剤、育毛剤、鎮痛剤、殺菌剤、抗炎症剤、清涼剤、皮膚老化防止剤が例示されるが、これらに限定されない。
外用剤は人体の皮膚、爪、毛髪等に適用されるものであり、例えば、医薬有効成分を配合して各種疾患の治療に使用することができる。化粧料も人体の皮膚、爪、毛髪等に適用されるものであるが、美容目的で使用されるものである。外用剤又は化粧料としては、制汗剤、皮膚洗浄剤、皮膚外用剤若しくは皮膚化粧料、又は、毛髪洗浄剤、毛髪外用剤又は毛髪化粧料が好ましい。
本発明に係る制汗剤、皮膚洗浄剤、皮膚外用剤又は皮膚化粧料は、本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物を含有しており、その形態は特に限定されないが、溶液状、乳液状、クリーム状、固形状、半固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、油中水型或いは水中油型の乳化組成物(エマルジョン組成物)のいずれであってもよい。具体的には、前記の皮膚用化粧品は、頭皮、顔面(口唇、眉毛、頬を含む)、手指、爪、全身のいずれの部位についても用いることができる。具体的には、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗顔クリーム、アイメークアップリムーバー、洗顔フォーム、液体石鹸(ボディソープ)、ハンドソープ、ゲル状石鹸、固形石鹸、フェイシャルリンス、ボディリンス、シェービングクリーム、除光液、アクネ対策化粧料等の皮膚洗浄剤製品;肌用クリーム、頭皮用トリートメント、スキンミルク、ミルクローション、乳液、化粧水、保湿液、美容液、フェイシャルパック、ボディパウダー、エッセンス、シェービングローション、マッサージ料等のスキンケア製品;ファンデーション、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、メークアップベース、白粉、フェースパウダー、コンシーラー、Blemish Balm (BB)クリーム、Color Control (CC)クリーム、リップスティック、リップクリーム、練紅、リップグロス、アイシャドウ、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧品、アイブローペンシル、アイブローブラッシュ、マスカラ、頬紅、頬化粧料(チークカラー、チークルージュ)、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルポリッシュ等のメイクアップ製品;デオドラント等の制汗剤;サンスクリーン剤、日焼け用薬剤(サンタン剤)等の紫外線防御製品等が例示される。
同様に、本発明に係る毛髪洗浄剤、毛髪外用剤又は毛髪化粧料は、本発明の製造方法で得られる高純度有機ケイ素化合物を含有しており、様々な形態で使用できる。例えば、それらをアルコール類、炭化水素類、揮発性環状シリコーン類等に溶解又は分散させて用いてもよいし、更には乳化剤を用いて水に分散させてエマルジョンの形態で用いることもできる。また、プロパン、ブタン、トリクロルモノフルオロメタン、ジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン、炭酸ガス、窒素ガス等の噴射剤を併用してスプレーとして用いることもできる。この他の形態としては、乳液状、クリーム状、固形状、半固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状等が例示される。これらの様々な形態でシャンプー剤、リンス剤、コンディショニング剤、セットローション剤、ヘアスプレー剤、パーマネントウエーブ剤、ムース剤、染毛剤等として使用できる。
前記の頭髪用化粧品は、シャンプー、リンスインシャプー等の毛髪用洗浄剤;ヘアオイル、ヘアワックス、髪用カール保持剤、セット剤、ヘアクリーム、へアスプレー、ヘアリキッド等の整髪料製品;染毛料、ヘアカラースプレー、ヘアカラーリンス、ヘアカラースティック等の毛髪用着色料製品;ヘアトニック、ヘアトリートメントエッセンス、ヘアパック等の養毛料製品;オイルリンス、クリームリンス、トリートメントリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等のヘアリンス又はヘアコンディショニング製品が例示される。また、前記の浴用化粧品は、バスオイル、バスソルト、フォームバスが例示される。
本発明に係る外用剤組成物、特に化粧料の形態は特に限定されるものではなく、液状、W/O(油中水型)乳液状、O/W(水中油型)乳液状、W/Oクリーム状、O/Wクリーム状、固体状(スティック状等)、油中ポリオール型エマルション状、ポリオール中油型エマルション状、W/O/WやO/W/Oなどの多層エマルション状、二層分離状(使用前振り混ぜタイプ)、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、ミスト状、顆粒状、フレーク状、碎石状等に好ましく適用が可能である。特に好ましい形態は、W/O乳液状、W/Oクリーム状、固体状、ペースト状、ゲル状、粉末状である。
本発明に係る外用剤組成物、特に化粧料の容器についても特に限定されるものではなく、ジャー、ポンプ、チューブ、ボトル、圧力缶吐出容器、耐圧エアゾール容器、遮光容器、コンパクト容器、金皿、スティック容器、繰り出し容器、噴霧容器、混合液吐出口を備えた仕切り付き容器等の任意の容器に充填することができる。チューブは、通常のシリコーン系製剤では分離が起きやすい傾向があるが、本発明にかかる外用剤組成物、特に化粧料は安定性に優れるため、かかるチューブ容器に充填されても安定に保管することが可能であるというメリットがある。
なお、その他の本発明に係る化粧料又は外用剤組成物の種類、形態及び容器は、WO2011/049248の段落0230〜0233等に開示されたものと共通であってもよい。
本発明の外用剤又は化粧料は、本発明の効果を妨げない範囲で通常の外用剤又は化粧料に使用される成分、水、粉体又は着色剤、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、油剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、界面活性剤、樹脂、紫外線吸収剤、塩類、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等、生理活性物質、医薬有効成分、香料を添加することができ、これらは特に限定されるものではない。
本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる水は、人体に有害な成分を含有せず、清浄であればよく、水道水、精製水、ミネラルウォーター、海洋深層水等が例示される。
(油剤)
本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる油剤は、好適には、5〜100℃で液状であるシリコーンオイル、非極性有機化合物又は低極性〜高極性有機化合物から選択される1以上の油剤であり、非極性有機化合物及び低極性〜高極性有機化合物としては、炭化水素油及び脂肪酸エステル油及び液状脂肪酸トリグリセライドが好ましい。これらは、特に化粧料の基材として広く用いられている成分であるが、これらの油剤には、公知の植物性油脂類、動物性油脂類、高級アルコール類、脂肪酸トリグリセライド、人工皮脂、フッ素系油から選択される1種類又は2種類以上を併用しても良い。
また、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油をシリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経時安定性を損なわないという利点がある。更に、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油とシリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分(炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油)を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができるので、保湿成分の肌上の保湿効果が向上する。したがって、非シリコーン系油剤(炭化水素油、脂肪酸エステル油等)のみを含む化粧料に比して、非シリコーン系油剤と共にシリコーンオイルを含む化粧料は、より滑らかでしっとりした感触を付与することができるという利点がある。また、鎖状または環状の揮発性シリコーンオイルを用いてもよい。
これらの油剤は、WO2011/049248の段落0130〜0135、段落0206等に開示されたものと共通である。なお、フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
(粉体又は着色剤)
本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる粉体又は着色剤は、化粧料の成分として一般に使用されるものであり、白色及び着色顔料、並びに、体質顔料を含む。白色及び着色顔料は化粧料の着色等に使用され、一方、体質顔料は、化粧料の感触改良等に使用される。本発明における「粉体」としては、化粧料に通常使用される白色及び着色顔料、並びに、体質顔料を特に制限なく使用することができる。本発明において、1種類又は2種類以上の粉体を配合することが好ましい。粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、紡錘状、繭状等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、及び、粒子構造(多孔質、無孔質等)は何ら限定されるものではないが、平均一次粒子径が1nm〜100μmの範囲にあることが好ましい。特に、これらの粉体又は着色剤を顔料として配合する場合、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、樹脂粉体から選択される1種類又は2種類以上を配合することが好ましい。
粉体としては、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が挙げられ、これらを複合化したものを使用することができる。更に、これらの表面に撥水化処理を行ったものを挙げることができる。
これらの具体例は、WO2011/049248の段落0150〜0152等に開示された粉体又は着色剤と共通である。
例示された粉体のうち、シリコーンエラストマー粉体について特に説明する。シリコーンエラストマー粉体は、主としてジオルガノシロキシ単位(D単位)からなる直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、側鎖若しくは末端に珪素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと側鎖若しくは末端にアルケニル基等の不飽和炭化水素基を有するジオルガノポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応触媒下で架橋反応させることによって好適に得ることができる。シリコーンエラストマー粉体は、T単位及びQ単位からなるシリコーン樹脂粉体に比して、柔らかく、弾力があり、また、吸油性に優れるため、肌上の油脂を吸収し、化粧崩れを防ぐことができる。そして、前記本発明の製法により得られる高純度有機ケイ素化合物により表面処理を行うと、処理効率がよく均質な処理が可能であるため、シリコーンエラストマー粉体のスエード調の感触を減じることなく、当該高純度有機ケイ素化合物の種類に応じた特有の効果や感触を付与することができる。更に、シリコーンエラストマー粉体と共に前記高純度有機ケイ素化合物を化粧料に配合する場合は、化粧料全体における当該粉体の分散安定性が改善され、経時的に安定な化粧料を得ることができる。
シリコーンエラストマー粉体は、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうる。シリコーンエラストマー粉体は油分散体の形態であってもよい。本発明の化粧料には、粒子形状を有するシリコーンエラストマー粉体であり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析/散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、且つ、一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉体を好適に配合することができる。シリコーンエラストマー粉体を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下のものが好ましく、65以下のものがより好ましい。
かかるシリコーンエラストマー粉体のうち、特にシリコーンエラストマー球状粉体の具体例は、WO2011/049248の段落0168に開示されたものと共通であり、同段落0150〜0152にも例示される通り、撥水化等各種表面処理を行ったシリコーンエラストマー粉体でもよい。
本発明の化粧料又は外用剤には、更に、その他の界面活性剤を配合することができる。これらの界面活性剤は、皮膚や髪の洗浄成分或いは油剤の乳化剤として機能する成分であり、化粧料の種類及び機能に応じて所望のものを選択しうる。より具体的には、他の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選択することができるが、特に、シリコーン系のノニオン性界面活性剤を併用することが好ましい。
これらの界面活性剤は、WO2011/049248の段落0162,0163,0195〜0201等に開示されたものと共通である。本発明の製法により得られる高純度有機ケイ素化合物が、分子内に極性基と非極性基とを有する場合、分散剤としての機能を有する。このため、ノニオン性界面活性剤と併用した場合に、ノニオン性界面活性剤の安定性を向上させる助剤として機能して、製剤全体としての安定性を改善できる場合がある。特に、本発明の製法により得られる高純度有機ケイ素化合物ないしは高純度有機ケイ素化合物を含有する溶液は、各種変性シリコーンとの相溶性・親和性が改善されているため、他のポリオキシアルキレン変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン)、(ポリ)グリセリン誘導体変性シリコーン、糖誘導体変性シリコーン等と併用することが可能であり、これらのシリコーン系のノニオン性界面活性剤は、アルキル分岐、直鎖シリコーン分岐、シロキサンデンドリマー分岐等が親水基と同時に必要に応じ施されていているものも好適に用いることができる。
本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の多価アルコール及び/又は低級一価アルコールを用いることができる。これらのアルコール類は、WO2011/049248の段落0159,0160等に開示されたものと共通である。
本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の無機塩類及び/又は有機酸塩を用いることができる。これらの塩類は、出願人らがWO2011/049248の段落0161等に開示されたものと共通である。
本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、架橋性オルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体、シリコーン樹脂、アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、シリコーン生ゴム、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーンワックス、アルキル変性シリコーンレジンワックスからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらのシリコーン系成分は、WO2011/049248の段落0162〜0194等に開示されたものと共通である。
本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の水溶性高分子を用いることができる。これらの水溶性高分子は、WO2011/049248の段落0201等に開示されたものと共通である。
本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の紫外線防御成分を用いることができる。これらの紫外線防御成分は、WO2011/049248の段落0202〜0204等に開示された有機系及び無機系の紫外線防御成分と共通であるが、特に、好適に使用できる紫外線防御成分は、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2―シアノ―3,3―ジフェニルプロパ―2―エン酸2―エチルヘキシルエステル(別名オクトクリレン)、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオン(別名アボベンゾン、商品名:パラソール1789)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(これを含む商品名:チノソーブM)及び2,4,6-トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン」{INCI:オクチルトリアゾン}、2,4−ビス{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン {INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、商品名:登録商標チノソーブS}等のトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの紫外線防御成分は、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系の紫外線防御成分を併用することが好ましく、UV−Aに対応した紫外線防御成分とUV−Bに対応した紫外線防御成分を併用することが更に好ましい。
本発明の化粧料又は外用剤において、前記高純度有機ケイ素化合物と紫外線防御成分を併用することにより、化粧料全体の感触及び保存安定性を改善しつつ、紫外線防御成分を化粧料中に安定に分散させることができるので、化粧料に優れた紫外線防御機能を付与することができる。
本発明の化粧料又は外用剤には、上記の各成分の他に、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、防菌防腐剤、生理活性成分、美肌用成分、pH調整剤、酸化防止剤、溶媒、キレート剤、保湿成分、香料等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。これらの化粧品用任意成分は、WO2011/049248の段落0207,0208,0220〜0228等に開示されたものと共通である。
また、本発明に係る化粧料又は外用剤が制汗剤である場合、或いは、その目的に応じて、制汗活性成分、デオドラント剤を配合することができる。これらの制汗成分、デオドラント成分は、WO2011/049248の段落0209〜0219等に開示されたものと共通である。同様に、本発明に係る化粧料又は外用剤が制汗剤組成物である場合、各種制汗剤組成物の調製、用法等については、WO2011/049248の段落0234〜0275等に開示されたものと共通である。
[ベシクル製剤]
前記のとおり、本発明に係る高純度ケイ素化合物の製造方法は、特に、有機構造に水酸基又はオキシアルキレン部分を含有するケイ素化合物の製造に好適であるが、これらの製法で得られた(ポリ)オキシアルキレン部分を有するケイ素化合物、またはそれを含む組成物は、公知のシリコーン系界面活性剤同様、ベシクルやリポソームを形成する目的で用いることができる。特に、高純度の(ポリ)オキシアルキレン変性シリコーン(=ポリエーテル変性シリコーン)は、これらのベシクル製剤の基材として好適である。本発明にかかる高純度ケイ素化合物は、親水性の有機性不純物が低減されているため、得られた高純度ポリエーテル変性シリコーンを用いることでベシクル製剤の形成や安定性の改善、着臭の除去、外観の改善等が期待される。さらに、使用時における親水性不純物の有機性不純物に由来するべたつきの低減等、感触面の改善も期待される。
前記のベシクルやリポソームの形成は、特に制限されるものではないが、本発明の製造法により得られた、、高純度の(ポリ)オキシアルキレン変性シリコーン(=ポリエーテル変性シリコーン)は、特開平07-323222(シリコーン・ベシクル及び閉じ込め法)、特表2006-513280(シリコーン界面活性剤に基づく極性有機油のベシクル及びミクロエマルション組成物)、特開2008-024681(ベシクル含有組成物及びその製造方法)、特表2007-533747(活性剤を含むシリコーン小胞)等に開示された、(ポリ)オキシアルキレン変性シリコーンを含むシリコーン系界面活性剤と同様にしてベシクル製剤を製造することができる。なお、特開2008-024681では、水溶性低分子界面活性剤を、シリコーン系界面活性剤と同時に添加・混合した試験例33〜42において、ベシクルを形成することができなかった旨が開示されているが、本願発明に係る、高純度ポリエーテル変性シリコーンにおいては、前記の水溶性低分子界面活性剤に相当する、親水性の有機性不純物が低減されているので、一般的なシリコーン系界面活性剤を用いた場合に比して、ベシクル製剤として安定性に優れ、かつ、外観、使用感に優れ、臭気の問題が殆どないベシクル製剤を形成可能である。
なお、本発明に係る高純度ケイ素化合物、特に、高純度ポリエーテル変性シリコーンを用いて得たベシクル製剤には、前記の各種油剤を配合してもよい。これらの技術は、前記の特開平07-323222及び特表2006-513280に記載されたものと同様であるが、本発明に係る高純度ケイ素化合物は、当該変性シリコーンとは極性の大きく異なる親水性変性剤の残存量が低減されているため、ベシクル製剤自体の安定性が改善されることに加え、各種油剤を含む処方を設計するにあたり原料配合時の相溶性不良の問題が起き難く、従来のポリエーテル変性シリコーンを用いたベシクル製剤に比べて、処方設計の幅および自由度が広がるという利点を有する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下、分子中にポリオキシエチレン変性基またはポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性基を有するシリコーン化合物を、併せて「ポリエーテル変性シリコーン」と略記する。
なお、以下の製造例、比較例においては、「ポリエーテル変性シリコーンNo.Xの製造」等と便宜的に記述しているが、得られた生成物は、主成分の他に少量の未反応原料等をも含有する混合物の形態となっている。
以下、各実験例に示す構造式において、Meはメチル(−CH3)基を表し、Me3SiO基(又は、Me3Si基)を「M」、Me2SiO基を「D」、MeHSiO基を「DH」と表記し、M及びD中のメチル基をいずれかの置換基によって変性した単位を「MR」及び「DR」と表記する。また、製造例中、IPAはイソプロピルアルコールを示す。また、実験例および表中、「D5」はデカメチルシクロペンタシロキサンを示す。
[液状ポリエーテル変性シリコーンの製造例]
まず、高純度化処理を行う前の、以下の各種ポリエーテル変性シリコーン(SPE)の製造例を、製造例1、1−2、2、3、4により示す。これらの製造例で得られるポリエーテル変性シリコーンおよびその構造等は、表1に示す通りである。なお、製造例1−1および1−2では、製造条件が異なる他は、同一の構造のポリエーテル変性シリコーンの合成を行っている。なお、表中、「EO/PO質量比」とは、各ポリエーテル変性シリコーンのポリエーテル変性基部分に占める、エチレンオキシ(EO)部分とプロピレンオキシ(PO)部分の、質量比を示すものである。
注
*1)主成分であるポリエーテル変性シリコーンの化学構造を平均組成式により示す。
注
*2)HLB=20×親水部(EO部、OH基)の式量の総和/分子量により計算した値。
表1中、官能基の構造及びその分類は、以下の通りである。
<ポリエーテル基:R
*2>
R
*21= −C
3H
6O−(C
2H
4O)
n−H, n=9.3
R
*22= −C
3H
6O−(C
2H
4O)
n(C
3H
6O)
m−H, n=19、m=19
R
*23= −C
3H
6O−(C
2H
4O)
n(C
3H
6O)
m−H, n=11、m=3.5
R
*24= −C
3H
6O−(C
2H
4O)
n−H, n=12
[製造例1−1]
<ポリエーテル変性シリコーンNo.1の合成>
反応器に平均組成式MD45DH 2Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン1616.0g、ポリオキシエチレン(9.3)モノアリルエーテル 601.1g、天然ビタミンEを1.1g を仕込み、窒素流通下で攪拌しながら、80℃のオイルバスで加熱を開始した。白濁したフラスコ内液が50℃に達したところで、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA溶液(Pt濃度0.45重量%)を2.0mL添加した。1時間後に反応液は発熱により最高温度の86℃に到達し、外観は透明に変化していた。
更に液温80℃で75分間反応を継続した後、反応液を2g採取してアルカリ分解ガス発生法(残存したSi−H基をKOHのエタノール/水溶液によって分解し、発生した水素ガスの体積から反応率を計算する)により確認したところ、反応は完結していた。従って、平均組成式:MD45DR*21 2Mで表されるポリエーテル変性シリコーンが生成していることが分かった。式中、R*21は下記のとおりである。
R*21= −C3H6O−(C2H4O)n−H, n=9.3
次いで、反応液に硫酸水素ナトリウム一水和物 0.23g/イオン交換水 33.5gからなる水溶液を添加して70−80℃で35分間の処理を行ない、更に、10Torr以下まで減圧して発生した臭い成分と水とを留去した。この後、再度イオン交換水 33.5gを添加して、同様に減圧して臭い成分と水とを留去する操作を2回繰り返す(最後の減圧操作では、-70−80℃、10Torr以下で2.5時間維持)ことにより、平均組成式:MD45DR*21 2Mで表されるポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物2205gを、半透明白〜微褐色液体として得た。ここで、R*21は上述のとおりである。
更に、得られた組成物中の主成分(ポリエーテル変性シリコーンNo.1)と不純物である余剰ポリエーテルとの質量比を概算した。製造例1では、ポリオキシエチレン(9.3)モノアリルエーテルのC=C基のモル数は、それを反応させたいDH基のモル数の1.43倍となるように処方された。従って、使用した601.1gのうちヒドロシリル化により消費されたものは601.1g/1.43=420.3g、余剰分が180.8gと計算された。そうすると、主成分たる変性シリコーンの質量は、原料メチルハイドロジェンポリシロキサンの質量と消費されたポリエーテルの質量の合計より2036.3gと計算された。以上から、主成分と余剰ポリエーテルとの存在比は2036.3g:180.8g=91.85:8.15 (不純物は主成分の8.9%相当)であることが分かる。
[製造例1−2]
<ポリエーテル変性シリコーンNo.1の合成>
反応器に平均組成式MD45DH 2Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン824.0g、ポリオキシエチレン(9.3)モノアリルエーテル 306.0g、天然ビタミンEを0.57g を仕込み、窒素流通下で攪拌しながらオイルバスにより加熱を開始した。白濁したフラスコ内液が55−60℃に達したところで、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA溶液(Pt濃度0.45重量%)を2.3mL添加した。オイルバスの温度を80℃として45分間反応を行なったところ、反応液は発熱により最高温度の91℃に到達し、外観は半透明に変化していた。
反応液を2g採取してアルカリ分解ガス発生法により確認したところ、反応は完結していた。そこで、80℃で10Torr以下まで減圧して1時間保持することにより、軽質分を除去した。これにより、平均組成式:MD45DR*21 2Mで表されるポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物を、淡褐色半透明液体として1129g 得た。式中、R*21は下記のとおりである。
R*21= −C3H6O−(C2H4O)n−H, n=9.3
[製造例2]
<ポリエーテル変性シリコーンNo.2の合成>
反応器に平均組成式MD404DH 4Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン639.1g、ポリオキシエチレン(19)ポリオキシプロピレン(19)モノアリルエーテル 187.8g、IPA 245g、天然ビタミンEを0.42g仕込み、窒素流通下で攪拌しながら85℃のオイルバスで加熱を開始した。フラスコ内液が70−75℃になったところで白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA溶液(Pt濃度0.45wt%)を0.20mL添加し、2.5時間反応を継続した。
白濁した反応液を2g採取してアルカリ分解ガス発生法により確認したところ、反応は完結していた。従って、平均組成式:MD404DR*22 4Mで表されるポリエーテル変性シリコーンが生成していることが分かった。式中、R*22は下記のとおりである。
R*22= −C3H6O−(C2H4O)n(C3H6O)m−H, n=19、m=19
次いで、反応液にD5を1422g 添加して混合したのち、65−75℃で15Torr以下まで減圧し、IPAを除去した。更に、硫酸水素ナトリウム一水和物 0.09g/イオン交換水 12.6gからなる水溶液を添加して70−80℃で1時間の処理を行ない、更に、15Torr以下まで減圧して発生した臭い成分と水とを留去した。この後、再度イオン交換水 12.6gを添加して30分間の処理を行い、同様に減圧して臭い成分と水とを留去する操作を2回繰り返す(最後の減圧操作では、-70−80℃、15Torr以下で2.5時間維持)ことにより、平均組成式:MD404DR*22 4Mで表されるポリエーテル変性シリコーンNo.2{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}2062g を白濁不透明液体として得た。ここで、上記変性シリコーン組成物の濃度は36質量%であり、R*22は上述のとおりである。
更に、得られた組成物中の主成分(ポリエーテル変性シリコーンNo.2)と濁り原因となっている不純物余剰ポリエーテルとの質量比を概算した。製造例2では、ポリオキシエチレン(19)ポリオキシプロピレン(19)モノアリルエーテルのC=C基のモル数は、それを反応させたいDH基のモル数の1.16倍となるように処方された。従って、使用した187.8gのうちヒドロシリル化により消費されたものは187.8g/1.16=161.9g、余剰分が25.9gと計算された。そうすると、主成分たる変性シリコーンの質量は、原料メチルハイドロジェンポリシロキサンの質量と消費されたポリエーテルの質量の合計より801.0gと計算された。以上から、主成分と濁り成分である余剰ポリエーテルとの存在比は801.0g:25.9g=96.87:3.13 (濁り成分は主成分の3.2%相当)であり、この事例では僅か3%程度の親水性不純物がポリエーテル変性シリコーン組成物に強烈な濁りをもたらしたということが分かる。
[製造例3]
<ポリエーテル変性シリコーンNo.3の合成>
反応器に平均組成式MD50DH 7Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン674.1g、ポリオキシエチレン(11)ポリオキシプロピレン(3.5)モノアリルエーテル 1275.9gを仕込み、窒素流通下で攪拌しながら白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA 溶液(Pt濃度4.0wt%)を0.46g を添加した。90℃のオイルバスで加熱を行い、フラスコ内液の温度が80℃に達したところから2時間キープして反応を進めた後、反応液を2g採取し、アルカリ分解ガス発生法により確認したところ反応は完結していた。従って、平均組成式:MD50DR*23 7Mで表されるポリエーテル変性シリコーンが生成していることが分かった。式中、R*23は下記のとおりである。
R*23= −C3H6O−(C2H4O)n(C3H6O)m−H, n=11、m=3.5
次いで、反応液に硫酸水素ナトリウム一水和物 0.195g/イオン交換水 29.4gからなる水溶液を添加して70−80℃で20分間の処理を行ない、更に、40Torr以下まで減圧して発生した臭い成分と水とを留去した。この後、再度イオン交換水 29.4gを添加して20分間の処理を行ない、同様に減圧して臭い成分と水とを留去する操作を2回繰り返す(最後の減圧操作では、-70−80℃、40Torr以下で1.5時間維持)ことにより、平均組成式:MD50DR*23 7Mで表されるポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む組成物1929gを、暗褐色透明液体として得た。ここで、R*23は上述のとおりである。
更に、得られた組成物中の主成分(ポリエーテル変性シリコーンNo.3)と不純物である余剰ポリエーテルとの質量比を概算した。製造例3では、ポリオキシエチレン(11)ポリオキシプロピレン(3.5)モノアリルエーテルのC=C基のモル数は、それを反応させたいDH基のモル数の1.40倍となるように処方された。従って、使用した1275.9gのうちヒドロシリル化により消費されたものは1275.9g/1.40=911.4g、余剰分が364.5gと計算された。そうすると、主成分たる変性シリコーンの質量は、原料メチルハイドロジェンポリシロキサンの質量と消費されたポリエーテルの質量の合計より1585.5gと計算された。以上から、主成分と余剰ポリエーテルとの存在比は1585.5g:364.5g=81.3:18.7 (不純物は主成分の23%相当)であることが分かる。なお、この事例においては主成分である変性シリコーンの構造中に占めるポリエーテル部分の割合が大きく親水性が高いため、主成分と余剰ポリエーテルとが完全に相溶している。
[製造例4]
<ポリエーテル変性シリコーンNo.4の合成>
反応器に平均組成式MD27DH 3Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン 871.9g、ポリオキシエチレン(12)モノアリルエーテル 773.0g、IPA 494g、天然ビタミンEを0.33g仕込み、窒素流通下で攪拌しながら白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA 溶液(Pt濃度0.45wt%)を1.20g 添加した。80℃のオイルバスで加熱を行い、フラスコ内液の温度が77℃に達したところから1.5時間キープして反応を進めた後、反応液を2g採取し、アルカリ分解ガス発生法により確認したところ反応は完結していた。従って、平均組成式:MD27DR*24 3Mで表されるポリエーテル変性シリコーンが生成していることが分かった。この後、常圧下105℃まで昇温してIPAを留去したのち、更に110〜125℃で10Torr以下まで減圧して1時間保持することにより、軽質分を除去した。前記式中、R*24は下記のとおりである。
R*24= −C3H6O−(C2H4O)n−H, n=12
次いで、反応液に硫酸水素ナトリウム一水和物 0.411g/イオン交換水 24.7gからなる水溶液を添加して70−80℃で20分間の処理を行ない、更に、50Torr以下まで減圧して発生した臭い成分と水とを留去した。この後、再度イオン交換水 24.7gを添加して20分間の処理を行ない、同様に減圧して臭い成分と水とを留去する操作を2回繰り返す(最後の減圧操作では、-70−80℃、25Torr以下で1.5時間維持)ことにより、平均組成式:MD27DR*24 3Mで表されるポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む組成物1580gを、淡褐色透明液体として得た。ここで、R*24は上述のとおりである。
更に、得られた組成物中の主成分(ポリエーテル変性シリコーンNo.4)と不純物である余剰ポリエーテルとの質量比を概算した。製造例4では、ポリオキシエチレン(12)モノアリルエーテルのC=C基のモル数は、それを反応させたいDH基のモル数の1.2倍となるように処方された。従って、使用した773gのうちヒドロシリル化により消費されたものは773g/1.2=644g、余剰分が129gと計算された。そうすると、主成分たる変性シリコーンの質量は、原料メチルハイドロジェンポリシロキサンの質量と消費されたポリエーテルの質量の合計より1516gと計算された。以上から、主成分と余剰ポリエーテルとの存在比は1516g:129g=92.2:7.8 (不純物は主成分の8.6%相当)であることが分かる。なお、この事例においては主成分である変性シリコーンの構造中に占めるポリエーテル部分の割合が大きく親水性が高いため、主成分と余剰ポリエーテルとが完全に相溶している。
[実施例1−1〜4−3、比較例1−1〜4]
以下、上記の方法で合成したポリエーテル変性シリコーンNo.1〜4について、本発明の製法を用いて高純度化処理を行った各実施例、それ以外の各比較例を示す。なお、同種のポリエーテル変性シリコーンについて、異なる処理を行った実験例については、「実施例1−1」「実施例1−2」のように表記し、その結果を表2にまとめた。
[実施例1−1:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.1の調製(組成物<P1−1>)]
フラスコに製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、カルボキシビニルポリマー(別名:カルボマー、架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)を5.4g 仕込み、70−80℃で45−50分間攪拌混合を行なうことにより白濁分散液を得た。これを室温まで放冷したのち、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
タンク付きステンレスホルダーADVANTEC KST−90に、直径90mmのガラス繊維濾紙GC−90(保留粒子径0.5μm)をセットし、漏れの起こらないようタンク部とベースプレート(O−リング、濾紙、サポートスクリーンを置く部分)とを専用のボルト、ワッシャー、ナットにより締め付けて固定した。
タンク上部の開口部より前記スラリーを投入したのち、開口部をタンクキャップで閉じ、窒素圧0.4MPaをかけて濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む高純度化組成物<P1−1>を、微褐色透明液体として得た。(収量163g)
[実施例1−2:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.1の調製(組成物<P1−2>)]
フラスコに製造例1−2で得られた淡褐色半透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、カルボキシビニルポリマー(別名:カルボマー、架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)を5.4g 仕込み、70−80℃で45−50分間攪拌混合を行なうことにより白濁分散液を得た。これを室温まで放冷したのち、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む高純度化組成物<P1−2>を、驚いたことに無色透明液体として得た。(収量154g)
[実施例2:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物の調製(組成物<P2>)]
フラスコに製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を150g、Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer(別名:アルキル変性カルボキシビニルポリマー、長鎖アルキル基含有架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)4.5gを仕込み、75−85℃に加温して50分間攪拌混合した。その後、攪拌下に室温まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末4gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む高純度化組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<P2>を、驚いたことに無色ほぼ透明液体として得た。(収量129g)
[実施例3−1:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.3の調製(組成物<P3−1>)]
フラスコに製造例3で得られた暗褐色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.3を主成分として含む組成物)300g、カルボキシビニルポリマー(別名:カルボマー、架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)を9.0g 仕込み、減圧して脱気及び脱水したのち、復圧して70−90℃で50分間攪拌混合を行なうことにより白濁分散液を得た。これを室温まで放冷したのち、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末9gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む高純度化組成物<P3−1>262gを、淡黄褐色透明液体として得た。
[実施例3−2:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.3の調製(組成物<P3−2>)]
フラスコに実施例3で得られた淡黄褐色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む高純度化組成物<P3−1>)252g、カルボキシビニルポリマー(別名:カルボマー、架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)を7.6g 仕込み、減圧して脱気及び脱水したのち、復圧して70−85℃で45分間攪拌混合を行なうことにより白濁分散液を得た。これを室温まで放冷したのち、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末7gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、実施例1−1と同様の条件で、このスラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む高純度化組成物<P3−2>213gを、淡褐色透明液体として得た。
[実施例3−3:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.3の調製(組成物<P3−3>)]
フラスコに実施例3−2で得られた淡褐色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む高純度化組成物<P3−2>)201g、カルボキシビニルポリマー(別名:カルボマー、架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)を6.0g 仕込み、減圧して脱気及び脱水したのち、復圧して70−85℃で1時間攪拌混合を行なうことにより白濁分散液を得た。これを室温まで放冷したのち、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末6gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、リボンヒーターによりろ過器を70℃に加温しながら濾過作業を実施した以外は、実施例1−1と同様の条件で、このスラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む高純度化組成物<P3−3>130gを、微褐色透明液体として得た。
[実施例4−1:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.4の調製(組成物<P4−1>)]
フラスコに製造例4で得られた淡褐色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.4を主成分として含む組成物)180g、トルエン 90gを仕込み、室温で30分間攪拌して透明溶液を得た。
別に、ガラス瓶にAcrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer(別名:アルキル変性カルボキシビニルポリマー、長鎖アルキル基含有架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)5.4gとトルエン 72gとを仕込み、栓をして振り混ぜることによって油中粉体分散液(ディスパージョン)を作成した。
前記フラスコ内の透明溶液を攪拌下に、前記ディスパージョンをスポイトにより22分かけて滴下投入する事によって混合した。その後、この混合液を室温で40分間攪拌して処理を行なった。
攪拌を止めて一夜間静置したところ、白色の沈殿物(凝集により一体化して軟餅状となっていた)と上澄み液とに二層分離していた。
タンク付きステンレスホルダーADVANTEC KST−90に、直径90mmのガラス繊維濾紙GC−90(保留粒子径0.5μm)をセットし、漏れの起こらないようタンク部とベースプレート(O−リング、濾紙、サポートスクリーンを置く部分)とを専用のボルト、ワッシャー、ナットにより締め付けて固定した。タンク上部の開口部より前記上澄み液を全量投入したのち、開口部をタンクキャップで閉じ、窒素圧0.01MPaをかけて濾過を行った。この結果、濾液として微黄色透明液体269gが得られた。
この濾液の全量を清浄なフラスコに仕込み、80−100℃で15Torr以下まで減圧して1時間保持する事によりトルエンを取り除き、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む高純度化組成物<P4−1>159.4gを、淡黄色透明液体として得た。
[実施例4−2:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.4の調製(組成物<P4−2>)]
フラスコに実施例4で得られた淡黄色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む高純度化組成物<P4−1>)149g、トルエン 75gを仕込み、室温で15分間攪拌して透明溶液を得た。
別に、ガラス瓶にAcrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer(別名:アルキル変性カルボキシビニルポリマー、長鎖アルキル基含有架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)4.5gとトルエン 60gとを仕込み、栓をして振り混ぜることによって油中粉体分散液(ディスパージョン)を作成した。
前記フラスコ内の透明溶液を攪拌下に、前記ディスパージョンをスポイトにより15分かけて滴下投入する事によって混合した。その後、この混合液を室温で50分間攪拌して処理を行なった。次いで、前記混合液の攪拌下、中間粒度29μmの珪藻土粉末10gを更に加えてスラリー状とした。
以下、上澄み液の代わりにスラリーを用いた以外は、実施例4−1と同様の条件で、このスラリーの濾過を行った。この結果、濾液として微黄色透明液体251gが得られた。
この濾液の全量を清浄なフラスコに仕込み、80−100℃で20Torr以下まで減圧して40分間保持する事によりトルエンを取り除き、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む高純度化組成物<P4−2>132gを、淡黄色透明液体として得た。
[実施例4−3:液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.4の調製(組成物<P4−3>)]
フラスコに実施例4−2で得られた淡黄色透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む高純度化組成物<P4−2>)122g、トルエン 61gを仕込み、室温で15分間攪拌して透明溶液を得た。
別に、ガラス瓶にAcrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer(別名:アルキル変性カルボキシビニルポリマー、長鎖アルキル基含有架橋型ポリアクリレート、白色微粉末)3.66gとトルエン 49gとを仕込み、栓をして振り混ぜることによって油中粉体分散液(ディスパージョン)を作成した。
前記フラスコ内の透明溶液を攪拌下に、前記ディスパージョンをスポイトにより20分かけて滴下投入する事によって混合した。その後、この混合液を室温で45分間攪拌して処理を行なった。次いで、前記混合液の攪拌下、中間粒度29μmの珪藻土粉末12gを更に加えてスラリー状とした。
以下、濾過時の窒素圧を最終的に0.4MPaまで上げた以外は、前記実施例4−2の場合と同様の方法で、このスラリーの濾過と濾液からのトルエン除去を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む高純度化組成物<P4−3>105gを、淡黄色透明液体として得た。
[比較例1−1:比較用組成物<C1−1>]
製造例1−1で得られた、半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を、そのまま試料として用いた。
[比較例1−2:比較用組成物<C1−2>]
製造例1−2で得られた、淡褐色半透明液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を、そのまま試料として用いた。
[比較例1−3:比較用組成物<C1−3>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリビニルアルコール(別名:PVA、重合度1500、白色粉粒状)5.4gを仕込み、70−85℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−3>を、淡黄白色半透明液体として得た(収量169g)。
[比較例1−4:比較用組成物<C1−4>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレンオキサイド(別名:PEO、平均分子量500万、融点約65℃、白色粉粒状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−4>を、淡黄色半透明液体として得た(収量166g)。
[比較例1−5:比較用組成物<C1−5>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレンオキサイド(別名:PEO、平均分子量40万、融点約65℃、白色粉粒状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−5>を、微黄白色半透明液体として得た(収量164g)。
[比較例1−6:比較用組成物<C1−6>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレンオキサイド(別名:PEO、平均分子量28万、融点約65℃、白色粉粒状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−6>を、微黄色透明液体として得た(収量166g)。
[比較例1−7:比較用組成物<C1−7>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレンオキサイド(別名:PEO、平均分子量15万、融点約65℃、白色粉粒状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−7>を、半透明液体として得た(収量164g)。
[比較例1−8:比較用組成物<C1−8>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレンオキサイド(別名:PEO、平均分子量6万、融点約67℃、白色粉末状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−8>を、微褐色透明液体として得た(収量163g)。
[比較例1−9:比較用組成物<C1−9>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレングリコール(別名:PEG、平均分子量2万、融点約60℃、白色粉末状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−9>を、微黄色ほぼ透明液体として得た(収量167g)。
[比較例1−10:比較用組成物<C1−10>]
反応器に製造例1−1で得られた半透明白〜微褐色液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.1を主成分として含む組成物)を180g、ポリエチレングリコール(別名:PEG、平均分子量6千、融点約60℃、白色粉末状)5.4gを仕込み、50℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.1を含む組成物<C1−10>を、微黄白色半透明〜かなり透明液体として得た(収量167g)。
[比較例2−1:比較用組成物<C2−1>]
製造例2で得られた、白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を、そのまま試料として用いた。
[比較例2−2:比較用組成物<C2−2>]
反応器に製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を180g、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)(別名:PEO/PPO、平均分子量80万、EO/POモル比=6/1、融点約50℃、白色粉粒状)5.4gを仕込み、40−45℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に30℃まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<C2−2>を、乳白色液体として得た(収量162g)。
[比較例2−3:比較用組成物<C2−3>]
反応器に製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を180g、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)(別名:PEO/PPO、平均分子量10万、EO/POモル比=12/1、融点約50℃、白色粉末状)5.4gを仕込み、40℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に30℃まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<C2−3>を、乳白色液体として得た(収量158g)。
[比較例2−4:比較用組成物<C2−4>]
反応器に製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を180g、ポリアクリル酸(別名:PAA、平均分子量100万、白色微粉末)5.4gを仕込み、70−85℃に加温して20分間攪拌混合したところ、白色のゲル状塊が生成した。その後、室温まで放冷し、これに濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<C2−4>を、乳白色液体として得た(収量137g)。
[比較例2−5:比較用組成物<C2−5>]
反応器に製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を180g、ポリアクリル酸(別名:PAA、平均分子量25万、白色微粉末)5.4gを仕込み、70−85℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<C2−5>を、白濁液体として得た(収量161g)。
[比較例2−6:比較用組成物<C2−6>]
反応器に製造例2で得られた白濁不透明液体{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}を180g、ポリアクリル酸Na(別名:NaPA、平均分子量500万、白色粉末状)5.4gを仕込み、70−85℃に加温して40分間攪拌混合した。その後、攪拌下に40℃以下まで放冷し、乳濁液状物を得た。これに、濾過時の目詰まりを抑制する目的で中間粒度30.1μmの珪藻土粉末5gを加え、ヘラでよくかき混ぜてスラリー状とした。
以下、窒素圧を0.2MPaとした以外は、実施例1−1と同様の条件で、スラリーの濾過を行った。この結果、前記のポリエーテル変性シリコーンNo.2を含む組成物{ポリエーテル変性シリコーンNo.2を主成分として含む組成物と、D5(希釈剤或いは溶媒)とからなる組成物}<C2−6>を、白濁液体として得た(収量164g)。
[比較例3:比較用組成物<C3>]
製造例3で得られた、暗褐色透明均一液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.3を含む組成物)を、そのまま試料として用いた。
[比較例4:比較用組成物<C4>]
製造例4で得られた、淡褐色透明均一液体(ポリエーテル変性シリコーンNo.4を含む組成物)を、そのまま試料として用いた。
[表2に関する説明]
上記の方法で調製された、本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーン、あるいはそれを含む組成物である、組成物<P1−1>〜<P4−3>、本発明の製造方法と異なる処理を行った、あるいは製造後の処理を行っていない比較用組成物<C1−1>〜<C4>の内容を、以下の表2に示す。本発明に係る製法を用いて高純度化処理を行った液状の高純度ポリエーテル変性シリコーン、あるいはそれを含む組成物は、全て無色透明〜淡色透明であり、外観に優れる。一方、表中に示すとおり、有機性不純物の捕捉能を有しない、PVA,PAA,NaPA,PEO,PEG,PEO/PPO等の粉末状物質を用いた処理においては、外観は殆ど改善されず、後述のように、安定性の改善や有機性不純物の低減も実現できない(表3〜8参照)。
[表3、4(安定性試験結果)、表5、6、7、8(GPCによる親水性不純物の分析結果)]
以下に示す方法で、実施例1−1、2−1〜2−6;比較例1−1、1−3〜1−10、2−1〜2−6に係る組成物について、外観から経時安定性を評価した結果(透明性の変化)を表3および表4に示す。
また、以下に示す方法で、実施例1−1〜1−2、2、3−1〜3−3、4−1〜4−4;比較例1−1、1−3〜1−10、2−1、2−4〜2−5、3、4に係る組成物について、残存する親水性不純物を測定した結果を表5、6、7、8に各々示す。
[安定性試験1]
200mLガラス瓶に入れた実施例1−1、比較例1−1、比較例1−3〜比較例1−10の試料を、25℃、20℃で各1週間、15℃で各1夜間静置した後、各試料の外観(透明性)変化を観察した。結果を表3に示す。なお、表中、「析出」とは、成分の析出による相分離が見られることを示す。
以上より、比較例の試料は全て低温になるほど透明性が低下し、白濁化や析出による相分離が観察された。これらには主成分のポリエーテル変性シリコーンと相溶性の低い親水性不純物(余剰ポリエーテル)が多量に含まれるため、これが濁りや析出物となって現れてくるのに対し、本発明の高純度化処理を行なった実施例試料は、外観の透明性が大きく改善され、特に低温下での透明性に格段に優れていることが分かる。この事実は、本発明の高純度化処理によって、濁り原因であった親水性不純物の大部分が効果的に取り除かれたことを示唆している。
また、本発明にかかる高純度化は、取り除きたい有機性不純物(この場合は親水性不純物)を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子による処理によって、最も有効且つ明確に成し遂げられるものであり、それ以外の固体粒子、例えば非架橋型の高分子有機化合物を含む固体粒子による処理等によっては、高純度化の達成は困難であることが分かる。
[安定性試験2]
200mLガラス瓶に入れた実施例2、比較例2−1〜比較例2−6の試料を、25℃で各2週間静置した後、各試料の外観(透明性)変化を観察した。結果を表4に示す。
以上より、比較例の試料は全て、25℃保管にもかかわらず調製後僅か2週間で相分離が明確に観察された。この原因は、主成分のポリエーテル変性シリコーンや溶媒のD5との相溶性が極めて悪い親水性不純物(高分子量の余剰ポリエーテル)が含まれる(主成分に対して僅か3.2質量%)ため、これが短期間で析出物となって沈降したものである。一方、本発明の高純度化処理を行なった実施例試料は、外観の透明性が大きく改善され、保存安定性も極めて良好であることが分かる。この事実は、本発明の高純度化処理によって、濁り原因であった親水性不純物の大半が効果的に取り除かれたことを示している。
また、本発明にかかる高純度化は、取り除きたい有機性不純物(この場合は親水性不純物)を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子による処理によって、最も有効且つ明確に成し遂げられるものであり、それ以外の固体粒子、例えば非架橋型の高分子有機化合物を含む固体粒子による処理等によっては、高純度化の達成は困難であることが分かる。
[GPCによる組成分布の測定1]
実施例1−1、比較例1−1、比較例1−3〜比較例1−10の試料について、前処理により水酸基をトリメチルシリル化(TMS)封鎖したのち、トルエンを溶離液としてGPC測定を行なう(検出器:RI)ことにより、主成分のポリエーテル変性シリコーンに由来するピークと残存親水性不純物に由来するピークとの面積比を求めた。以下に前処理及びGPC測定の条件を示す。また、結果を表5に示す。
「前処理」
試料約0.5gを試験管に精秤し、試薬特級グレードのトルエン1mLで希釈した。
試料中に含まれる水酸基のモル数の3倍モルに相当する、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド{以下、BTAと略記する場合がある}を添加し、軽く振り混ぜ混合した。この段階では、混合液は白濁ないしは不均質であった。
試験管に冷却管を取り付けてトルエン還流下で1時間処理を行った。この反応液の外観を確認した所、ほとんど透明均一な液体に変化していた。
試験管内の反応液を適量バイアル瓶に精秤し、試薬特級グレードのトルエンを添加し希釈することによって、計算上の試料濃度1質量%であるGPC測定用サンプル溶液を得た。
「GPC測定条件1」
溶離液: トルエン(試薬特級)
測定温度: 40℃
検出器: 屈折率計(マイナス側にピーク検出)
流速: 1.0mL/min
校正: 標準ポリスチレンにより実施
サンプル溶液の注入量: 15μL (試料濃度1質量%)
[GPCによる組成分布の測定1−2]
前記GPCによる組成分布の測定1の結果の妥当性確認をするため、前記とは異なる測定条件でもGPC分析を行なった。即ち、実施例1−1、比較例1−1、比較例1−3〜比較例1−10の試料について、クロロホルムを溶離液としてIR検出器(波数1465cm−1)によりGPC測定を行なうことにより、主成分のポリエーテル変性シリコーンに由来するピークと残存親水性不純物に由来するピークとの面積比を求めた。以下にGPC測定の条件を示す。また、結果を表5に示す。
「GPC測定条件1−2」
溶離液: クロロホルム(試薬特級)
測定温度: 40℃
検出器: IR分光装置(波数1465cm−1:メチレンのCH変角振動に対応)
流速: 1.0mL/min
校正: 標準ポリスチレンにより実施
サンプル溶液の注入量: 100μL (試料濃度1質量%:クロロホルムにより希釈して調製)
「主成分と親水性不純物のピーク面積比」
本発明に係る高純度化処理を行なった試料(実施例1−1)と、そうでない試料(比較例1−1、比較例1−3〜比較例1−10)を前述のとおり2種類の条件でGPC測定に供し、得られた分子量分布曲線の解析により、主成分たるポリエーテル変性シリコーン由来のピーク面積に対する残存親水性不純物由来のピーク面積の比率を求め、下表5にまとめた。
なお、表中、「トルエン(TMS処理)−RI」は前記のGPC測定条件1−1(=トルエン溶離液、屈折率計)の測定結果であり、「クロロホルム−IR」は前記のGPC測定条件1−2(=クロロホルム溶離液、IR)の測定結果である。
また、主成分のピーク形状は、底部に幅を持つシングルピークであり、形状を「1つの山」と表現した。
以上のGPC分析の結果より、比較例の試料には確かに親水性不純物が多く含まれていることが分かる(仕込み比からの計算によると、当該不純物は主成分の8.9質量%に相当)。更に、比較例1の試料に対し本発明の高純度化処理を適用して得られた実施例1−1の試料は、比較例の試料に比べ、親水性不純物が効果的に低減されていることが分かる。そして、2種類の条件下での測定結果について言えば、各々検出器や検出感度、分離条件が異なるにもかかわらず、主成分に対する不純物のピーク面積比は、実施例では比較例の約1/3に低減されているというデータが一貫して得られていた。即ち、本発明の高純度化処理により、親水性不純物は処理前の1/3にまで低減されたことが実証された。また、この事例では一回のカルボマー処理により5.9質量%もの不純物が効率的に除去できたことから、工業的規模での大量生産への適用という観点からも極めて有用といえる。
[GPCによる組成分布の測定2]
実施例1−2、比較例1−2、実施例2、比較例2、比較例2−4、比較例2−5の試料について、クロロホルムを溶離液としてIR検出器(波数1465cm−1)によりGPC測定を行なうことにより、主成分のポリエーテル変性シリコーンに由来するピークと残存親水性不純物に由来するピークとの面積比を求めた。以下にGPC測定の条件を示す。また、結果を表6に示す。なお、主成分のピーク形状は、底部に幅を持つシングルピークであり、形状を「1つの山」と表現した。
「GPC測定条件1−2」
溶離液: クロロホルム(試薬特級)
測定温度: 40℃
検出器: IR分光装置(波数1465cm−1:メチレンのCH変角振動に対応)
流速: 1.0mL/min
校正: 標準ポリスチレンにより実施
サンプル溶液の注入量: 100μL {試料濃度1質量%:希釈剤(D5)を含む試料の場合には、そを除いた成分の濃度が1質量%となるようにクロロホルムで希釈を行い、GPCサンプル溶液とした}
まず、実施例1−2と比較例1−2との比較により、ポリエーテル変性シリコーン及び余剰ポリエーテル不純物を含有する混合物が酸性水溶液によって処理されていない場合であっても、本発明の高純度化処理が極めて有効に機能したことが分かった。
また、実施例2と比較例2−1、比較例2−4、比較例2−5との比較により、本発明にかかる高純度化は、取り除きたい有機性不純物(この場合は親水性不純物)を捕捉可能な架橋型高分子有機化合物を含む固体粒子による処理によって、最も有効且つ明確に成し遂げられるものであり、それ以外の固体粒子、例えば非架橋型の高分子有機化合物を含む固体粒子による処理等によっては、高純度化の達成は困難或いは非効率的であることが改めて示された。
以上のGPC分析の結果より、比較例2の試料には親水性不純物が明確に含まれており(仕込み比からの計算によると、当該不純物は主成分の3.2質量%に相当)、主成分に対する不純物のピーク面積比は、実施例では比較例の1/6以下に低減されていることが分かった。即ち、本発明の高純度化処理により、親水性不純物は処理前の1/6以下にまで低減されたことが確認された。また、本事例は濁りや分離が生じ易く安定化の難しい設計事例であったが、一回のアルキル変性カルボキシビニルポリマー処理により2.7質量%の不純物が除去でき、製品のほぼ完全な透明化も達成されたことから、工業的規模での大量生産への適用という観点からも極めて有用である。
[GPCによる組成分布の測定3]
実施例3−1〜3−3、比較例3の試料について、前記した「GPCによる組成分布の測定2」と同様の条件でクロロホルムを溶離液としてIR検出器(波数1465cm−1)によりGPC測定を行なうことにより、主成分のポリエーテル変性シリコーンに由来するピークと残存親水性不純物に由来するピークとの面積比を求めた。結果を表7に示す。なお、主成分のピーク形状は、底部に幅を持つシングルピークであり、形状を「1つの山」と表現した。
この製造例3の組成物を用いた試験例においては、主成分である変性シリコーンの構造中に占めるポリエーテル部分の割合が大きく親水性が高いため、主成分と余剰ポリエーテルとが完全に相溶している。従って、このような安定系から余剰ポリエーテルのみを選択的に除去することは、先の2つの事例(製造例1、製造例2の組成物からの不純物除去)と比較しても更に困難な課題と考えられていた。しかしながら、驚くべきことに本発明の基盤をなす動作原理の着想および発見により、こうした不利な状況下でも高純度化が十分可能である事が実証されるに至った。
上記GPC分析の結果から、比較例3の試料には確かに親水性不純物が多く含まれていることが分かる(仕込み比からの計算によると、当該不純物は主成分の23質量%に相当)。しかし、実施例3、実施例3−2、実施例3−3と本発明の高純度化処理を繰り返し適用することにより、着実に親水性不純物が低減されていることが分かる。この事例では、一回のカルボマー処理により平均して4.4質量%もの不純物が効果的に除去できたことから、工業的規模での大量生産への適用という観点からも有用性が高いと考えられる。
[GPCによる組成分布の測定4]
実施例4−1〜実施例4−3、比較例4の試料について、クロロホルムを溶離液としてGPC測定を行なう(検出器:RI)ことにより、主成分のポリエーテル変性シリコーンに由来するピークと残存親水性不純物に由来するピークとの面積比を求めた。以下にGPC測定の条件を示す。また、結果を表8に示す。
「GPC測定条件2」
溶離液: クロロホルム(試薬特級)
測定温度: 40℃
検出器: 屈折率計(プラス側にピーク検出)
流速: 1.0mL/min
校正: 標準ポリスチレンにより実施
サンプル溶液の注入量: 200μL (試料濃度1質量%:クロロホルムにより希釈して調製)
この製造例4の組成物を用いた試験例は、主成分である変性シリコーンの構造中に占めるポリエーテル部分の割合が大きく親水性が高いため、主成分と余剰ポリエーテルとが完全に相溶している安定系である。しかも、主成分のシリコーン鎖長が短いため、主成分と不純物とが一緒にゲル化されやすいと予想され、不純物のみを選択的にゲル化しつつ主成分は液のまま維持させて固液分離を実現することは極めて困難な課題と考えられていた。しかしながら、驚くべきことに本発明の基盤をなす動作原理の応用により、こうした非常に不利な状況下でも高純度化が十分可能である事が実証されるに至った。特に、先の実施例2では主成分の良溶媒且つ不純物の貧溶媒である溶媒(一例としてD5)により希釈された状態で、本発明の固体粒子との接触及び不純物の捕捉、更には分離までを行なって効果を確認できたのに対し、本実施例4−1〜4−3では、主成分と不純物双方の良溶媒である溶媒(一例としてトルエン)により希釈された状態で、当該固体粒子との接触及び不純物の捕捉、更には分離までを行なった点が異なるが、同様に効果を確認できた。従って、本発明で希釈溶媒を用いる場合、それは必ずしも不純物の貧溶媒でなくても良いことが示された。
上記GPC分析の結果から、比較例の試料には確かに親水性不純物が多く含まれていることが分かる(仕込み比からの計算によると、当該不純物は主成分の8.6質量%に相当)。しかし、実施例4、実施例4−2、実施例4−3と本発明の高純度化処理を繰り返し適用することにより、着実に親水性不純物が低減されていることが分かる。この事例では、一回の処理により平均して2.5質量%もの不純物が効果的に除去できたことから、工業的規模での大量生産への適用という観点からも有用性が高いと考えられる。
以上の結果より、実施例の試料は比較例の試料よりも親水性不純物の含有量の少なさという点で遥かに高純度であり、外観上の透明性と均質性、安定性という点でも遥かに優れており、温度や保管期間によってもその優位性は変わらないことが確認された。
[処方例]
以下、本発明に係る化粧料及び外用剤についてその処方例を示して説明するが、本発明に係る化粧料及び外用剤はこれらの処方例に記載の種類、組成に限定されるものではない。
本発明に係る液状の高純度有機ケイ素化合物或いはこれを含む組成物は、様々な外用剤、化粧料に用いることができる。その具体的な処方例としては、例えば、国際公開特許 WO2011/049248号公報に記載した実施例等に開示された各種化粧料・外用剤の処方例中の「シリコーン化合物No.1〜No.16」に相当する成分を、先に例示した本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンまたはその組成物である、No.P1-1~P4-3で置き換えたもの等が挙げられる。また、例えば、特開2013−151660号公報に記載された各種化粧料・外用剤の処方例1〜62中の「シリコーン化合物No.1」に相当する成分を、先に例示した本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンまたはその組成物である、No.P1-1~P4-3で置き換えたもの等も挙げられる。また、これらの特許文献に記載された各種化粧料・外用剤の処方例中で用いられた合成例組成物、製造例組成物、シリコーン化合物を、本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーン或いはこれを含む組成物で置き換えたもの等も挙げられる。また、特開2008-024681に記載された処方例1〜3中の「ポリオキシアルキレン変性シリコーン」に相当する成分や、特開2012-092084に記載された処方例1〜4の化粧水(〔表5〕、〔表6〕)、美容液(〔表7〕)、および美容液含侵マスク(〔表8〕)中の「POE(12)ジメチルポリシロキサン」に相当する成分や、特表2007-533747に記載された実施例2〜7に用いられている「シリコーン小胞」を成す実施例1の「レーキSPE」に相当する成分を、先に例示した本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンNo. P4-3で置き換えたもの等も挙げられる。
同様に、本発明に係る液状の高純度ポリエーテル変性シリコーンまたはその組成物である、No.P1-1~P4-3は、容易にベシクルやリポソームを形成することができ、そこへ各種油剤を配合することができる。具体的には、特開平07-323222、特表2006-513280、特開2008-024681等に開示された処方において、ポリエーテル変性シリコーンとして用いることができ、かかる用法は本願発明の範囲に包含される。
また、本発明に係る化粧料及び外用剤の処方例として以下のものが挙げられる。なお、下記において「部」は(重量)質量部を表す。なお、「液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P“X”」は、表2等に示した本願実施例Xにより得られた高純度ポリエーテル変性シリコーン(SPE)またはそれを含む組成物を指すものとする。
[処方例:炭化水素系の化粧料基材を主体とするリキッドファンデーション(W/O)]
(成分)
1. イソドデカン 20部
2. イソヘキサデカン 10部
3. イソノナン酸イソトリデシル 3部
4. トリカプリルカプリン酸グリセリル 2部
5. ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1部
6. 液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1 1部
7. 有機変性粘土鉱物(ベントン38V) 1.5部
8. メトキシケイ皮酸オクチル 5部
9. オクチルシラン処理酸化チタン 8.5部
10.オクチルシラン処理赤酸化鉄 0.4部
11.オクチルシラン処理黄酸化鉄 1部
12.オクチルシラン処理黒酸化鉄 0.1部
13.ジメチコン、ジメチコンクロスポリマー(注2) 2部
14.イソドデカン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(注3) 1部
15.トリメチルシロキシケイ酸 1部
16.1,3−ブチレングリコール 5部
17.グリセリン 3部
18.塩化ナトリウム 0.5部
19.防腐剤 適量
20.精製水 残量
21.香料 適量
注1)東レ・ダウコーニング社製ES−5300
注2)Dow Corning社製DC9045
注3)東レ・ダウコーニング社製FA−4002ID
(製造方法)
工程1: 成分1、2、5、6、7、8、13、14、15を撹拌混合する。
工程2: 成分3、4、9〜12を、3本ロールを用いて混練混合する。
工程3: 撹拌下、工程1で得られた混合物に工程2の混合物を加え、更に撹拌混合する。
工程4: 成分16〜21を均一に溶解した水相を、工程3で得られた混合物に攪拌下に加えて乳化し(乳化機を使用)、容器に充填して製品を得る。
得られるW/O型リキッドファンデーションは、不快な着臭がなく、使用時に、乳化安定性に優れ、耐水性、化粧持続性に優れ、肌理、シワが目立ちにくい。密着性にも優れている。
[処方例:W/O乳化型サンスクリーン乳液]
(成分)(重量%)
1.D5(デカメチルシクロペンタシロキサン) 26.6
2.カプリリルメチコン(注4) 5.0
3.BY 11−018(注5) 5.0
4.ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
5.トリイソステアリン酸PEG−20水添ヒマシ油 0.3
6.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.2
7.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1 0.8
8.ジステアリルジモニウムヘクトライト 0.3
9.ジメチコン/メチコンポリマー処理酸化亜鉛 15.0
10.ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン 13.0
11.メチルパラベン 0.1
12.95%エタノール 5.0
13.硫酸マグネシウム 0.7
14.香料 適量
15.精製水 17.0
注4)東レ・ダウコーニング社製FZ−3196
注5)東レ・ダウコーニング社製、トリメチルシロキシケイ酸30%含有のD5希釈液
注1)東レ・ダウコーニング社製ES−5300
(製造方法)
A:成分1〜11をよく混合して均一な分散体とする。
B:成分12〜15を混合し、均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化する(乳化機を使用)。
(効果)
非常に軽く良く伸び広がり、べたつきやきしみが少ない。また、密着性に非常に優れ、さらっとしたシリコーン的な肌触りが得られる。乳液の安定性に優れ、温度や経時に対しても増粘等の粘度変化が少ない。サンカット効果とその持続性にも優れる。
[処方例:2層分離型(使用前振り混ぜタイプ)サンカットローション]
(成分)(重量%)
1.D5(デカメチルシクロペンタシロキサン) 23.6
2.カプリリルメチコン(注4) 7.5
3.DC 670 Fluid(注6) 5.0
4.流動パラフィン 3.0
5.メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 7.5
6.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
7.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1 1.0
8.有機変性ベントナイト(ベントン38) 0.2
9.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化亜鉛 22.5
10.95%エタノール 5.0
11.1,3−ブチレングリコール 3.0
12.クエン酸ナトリウム 0.2
13.塩化ナトリウム 0.5
14.香料 適量
15.精製水 20.0
注4)東レ・ダウコーニング社製FZ−3196
注6)ダウコーニング社製、ポリプロピルシルセスキオキサン50%含有のD5希釈液
注1)東レ・ダウコーニング社製ES−5300
(製造方法)
A:成分1〜9をよく混合して均一な分散体とする。
B:成分10〜15を混合し、均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化する(乳化機を使用)。
(効果)
水のさわやかな感触が活きており非常に軽く良く伸び広がる。また、本発明品の優れた粉体分散効果によって微粒子酸化亜鉛を安定に微分散できるので、塗布後に肌が白っぽくなりにくい利点がある。更に、突っ張り感等の違和感もなく紫外線防御効果も優れている。
[処方例:W/O乳化型サンカットクリーム]
(成分)(重量%)
1.EL−8040 ID(注7) 5.0
2.MQ−1640 FLAKE RESIN(注8) 1.0
3.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1 1.0
4.イソノナン酸イソトリデシル 2.0
5.イソヘキサデカン 1.7
6.油中粉体分散物(液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1/D5/微粒子酸化チタン=3/15/12の重量比の混合物) 22.5
7.油中粉体分散物(液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P1-1/D5/微粒子酸化亜鉛1.5/10.5/18の重量比の混合物) 31.5
8.1,3−ブチレングリコール 2.0
9.食塩 0.5
10. 精製水 32.8
注7)ダウコーニング社製、ジメチコンクロスポリマー16%含有のイソドデカン希釈物
注8)ダウコーニング社製、トリメチルシロキシケイ酸とポリプロピルシルセスキオキサンのブレンド物
(製造方法)
A:成分2〜5を混合して均一な溶液とした後、成分1を加えて良く混合し、均質な分散体とする。
B:成分8〜10を混合し、均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化(乳化機を使用)の後、成分6及び7を加えて混合し均質なクリームを得る。
(効果)
独特のベルベットのような厚みのあるスムースな塗布感が得られる。べたつきや油っぽさのない自然な使用感で、紫外線防御効果とその持続性にも優れている。
[処方例:Polyol/O 乳化型ビタミンC 配合スキンケアクリーム]
(成分)(重量%)
1.D5(デカメチルシクロペンタシロキサン) 17.9
2.ジメチコン(5cst) 5.0
3.液状高純度ポリエーテル変性シリコーン(D5組成物)No.P2 4.0
4.9040 Silicone Elastomer Blend(注9) 10.0
5.プロピレングリコール 7.6
6.グリセリン 45.0
7.ビタミンC 10.5
注9)ダウコーニング社製、ジメチコンクロスポリマー12%含有のD5希釈物
(製造方法)
A:成分1〜4をよく混合して均一な分散体とする。
B:成分5〜7を混合し、70℃で加熱と攪拌とを行い、均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化し(乳化機を使用)、均質なクリームを得る。
(効果)
非水系の安定な乳化物が得られるため、ビタミンC の安定性も良好に保持される結果、生理活性物質であるビタミンC 固有の効果が皮膚上又は皮内にて温和かつ持続的に発揮されると期待される。クリームの感触がやわらかい。
[処方例:Polyol/O 乳化型ビタミンC 配合皮膚外用剤]
(成分)(重量%)
1.カプリリルメチコン(注4) 3.0
2.ミネラルオイル 2.0
3.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 3.0
4.液状高純度ポリエーテル変性シリコーン(D5組成物)No.P2 2.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
6.EL−8050 ID Silicone Organic Elastomer Blend(注10) 8.0
7.ジプロピレンングリコール 3.0
8.グリセリン 60.0
9.ビタミンC 15.0
注4)東レ・ダウコーニング社製FZ−3196
注1)東レ・ダウコーニング社製ES−5300
注10)ダウコーニング社製(ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20)クロスポリマー 15%含有のイソドデカン希釈物
(製造方法)
A:成分1〜6をよく混合して均一な分散体とする。
B:成分7〜9を混合し、70℃で加熱と攪拌とを行い、均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化し(乳化機を使用)、均質なクリームを得る。
(効果)
非水系の安定な乳化物が得られるため、ビタミンC の安定性も良好に保持される結果、生理活性物質であるビタミンC 固有の効果が皮膚上又は皮内にて温和かつ持続的に発揮されると期待される。クリームの感触が柔らかい。
[処方例:美白用化粧水]
(成分)(重量%)
1.精製水 79.26
2.エタノール 3.0
3.グリセリン 8.0
4.ジプロピレングリコール 7.0
5.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P4-3 1.0
6.ポリオキシエチレン(2)アルキル(12〜15)エーテルリン酸 0.05
7.コハク酸ジエチルヘキシル 0.04
8.カプリリルメチコン(注11) 0.01
9.4−メトキシサリチル酸カリウム塩 1.0
10.クエン酸 0.03
11.クエン酸ナトリウム 0.07
12.EDTA−2Na・2H2O 0.03
13.フェノキシエタノール 0.5
14.香料 0.01
注11)東レ・ダウコーニング社製SS−3408(低臭グレード)
(製造方法)
A:成分1、3、4、9〜12を混合して溶解させる。
B:別に、成分2、5、7、8、13、14を混合して溶解させた後、Aに添加して混合均質化する。
C:最後に成分6を添加して、混合溶解させる。
(効果)
透明性が高く安定で、肌なじみがよく保湿効果と使用感触の良好なベシクル含有化粧水が得られる。経時や保管中に異臭が発生することもない。
[処方例:美白用化粧水]
(成分)(重量%)
1.精製水 83.15
2.エタノール 8.0
3.グリセリン 1.0
4.1,3−ブチレングリコール 5.0
5.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P4-3 1.3
6.ポリオキシエチレン(2)アルキル(12〜15)エーテルリン酸 0.01
7.ジピバリン酸トリプロピレングリコール 0.06
8.カプリリルメチコン(注11) 0.04
9.トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩 1.0
10.クエン酸 0.02
11.クエン酸ナトリウム 0.08
12.ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
13.フェノキシエタノール 0.3
14.香料 0.01
注11)東レ・ダウコーニング社製SS−3408(低臭グレード)
(製造方法)
A:成分1、3、4、9〜12を混合して溶解させる。
B:別に、成分2、5、7、8、13、14を混合して溶解させた後、Aに添加して混合均質化する。
C:最後に成分6を添加して、混合溶解させる。
(効果)
透明性が高く安定で、肌なじみがよくさらっとした爽やかな使用感触の良好なベシクル含有化粧水が得られる。経時や保管中に異臭が発生することもない。
[処方例:O/Wタイプ美白美容液]
(成分)(重量%)
1.精製水 79.00
2.グリセリン 5.0
3.ジプロピレングリコール 7.0
4.1,3−ブチレングリコール 3.0
5.PEG−20 2.0
6.カルボマー 0.2
7.水酸化カリウム 0.05
8.液状高純度ポリエーテル変性シリコーンNo.P3-3 2.0
9.ステアロイルグルタミン酸カリウム 0.1
10.イソステアリン酸 0.15
11.トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩 1.0
12.4−メトキシサリチル酸カリウム塩 1.0
13.EDTA−3Na・2H2O 0.03
14.フェノキシエタノール 0.3
15.メチルパラベン 0.15
16.香料 0.02
(製造方法)
A:成分1、2、4〜6、11〜13を混合して溶解させた水相に、成分7を添加してよく混合し、中和および溶解をさせる。
B:別に、成分3、8、10、14〜16を混合して溶解させた後、Aに添加して混合均質化する。
C:最後に成分9を添加して、混合溶解させる。
(効果)
透明性が高く安定で、肌なじみがよく滑らかな使用感触の良好な美容液が得られる。美容液として適度な粘性を有しているため、塗布時にも扱いやすい利点がある。経時や保管中に異臭が発生することもなく、美容効果にも優れる。
[処方例:W/O 乳化型サンケアクリーム]
(成分)(重量%)
1.フェニルトリメチコン(注12) 4.0
2.ポリエーテル変性シリコーン(注13) 2.0
3.液状高純度ポリエーテル変性シリコーン(D5組成物)No.P2 1.4
4.C12/C15アルコールベンゾエート 8.0
5.カプリリルメチコン(注4) 2.0
6.TINOSORB M 「メチレンビス(テトラメチルブチルヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)」
平均粒径: 150nm〜200nm 5.0
7.TINOSORB S 「2、4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1、3、5)−トリアジン」 2.0
8.酸化チタン 3.0
9.グリセリン 5.0
10.ブチレングリコール 2.0
11.硫酸マグネシウム 0.7
12.防腐剤 適 量
13.精製水 64.9
注12)ダウコーニング社製556 Cosmetic Grade Fluid
注13)セチル PEG/PPG−10/1ジメチコン(東レ・ダウコーニング社製ES−5288)
注4)東レ・ダウコーニング社製FZ−3196
(製造方法)
A:成分1〜8をよく混合して均一な分散体とする。
B:成分9〜13をよく混合して均一な溶液とする。
C:Aを攪拌下、Bを徐々に添加して乳化し(乳化機を使用)、均質なクリームを得る。
(効果)
UVA〜UVBまで幅広い紫外線遮蔽効果が持続的に発揮される。耐水性が良好なので日常用のケアだけでなくレジャー用途でのサンケアにも有効である。