[go: up one dir, main page]

JP6431362B2 - 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー - Google Patents

透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー Download PDF

Info

Publication number
JP6431362B2
JP6431362B2 JP2014261279A JP2014261279A JP6431362B2 JP 6431362 B2 JP6431362 B2 JP 6431362B2 JP 2014261279 A JP2014261279 A JP 2014261279A JP 2014261279 A JP2014261279 A JP 2014261279A JP 6431362 B2 JP6431362 B2 JP 6431362B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
upper body
apex
resin composition
egg
rear end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014261279A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016120802A (ja
Inventor
帆高 寿昌
寿昌 帆高
邦男 岩▲崎▼
邦男 岩▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2014261279A priority Critical patent/JP6431362B2/ja
Publication of JP2016120802A publication Critical patent/JP2016120802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6431362B2 publication Critical patent/JP6431362B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデーに関するものであって、特に、超小型電気自動車等の超小型モビリティの車体に適した、軽量で、製造が簡単で、運転者が周囲の状況を的確に視認・把握でき、搭乗者が周囲の景色を全面的に歪みなく見通すことができ、必要とされる剛性を備えた自動車車体の上部ボデーである。
近年、超小型電気自動車等のいわゆる超小型モビリティの開発及び普及が図られている。
これは、省エネ・CO2削減が求められるとともに、高齢化、過疎化、地方の公共交通機関の廃止等が進行している状況において、小さな動力で駆動でき、年配者にも運転しやすく、低価格で提供できる超小型モビリティが新たな交通手段として期待されているためである。例えば、このような超小型モビリティとして、1人乗り超小型電気自動車である「コムス」がトヨタ車体株式会社から販売されている。
本発明は、特に、超小型電気自動車等の超小型モビリティに適した、軽量で、製造が簡単で、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができ、必要とされる剛性を備えた自動車車体の上部ボデーを提供するものである。
車体の軽量化等を目的として、車体を合成樹脂で形成することは、特許文献1〜2に開示されるように、従来から行われている。
特許文献1には、1〜2人乗用の小型車両の車体として、FRP等の繊維強化合成樹脂材により一体成形された上部車体半部を用い、この上部車体半部をフランジで下部車体半部と一体に接合したものが開示されている。
また、特許文献2には、合成樹脂で作成したアッパボデー・インナ、アッパボデー・アウタ、フ―ド、前バンパ、後バンパ、ルーフ等の部材を接着して組立てた車体の上部ボデーが開示されている。
しかしながら、特許文献1の上部車体半部は、FRP等の繊維強化合成樹脂材で形成されたものであって、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通せるような透明なものではない。また、特許文献2の上部ボデーは、複数の部材を組立てるものであって、製造が簡単ではなく、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通せるような透明なものでもない。
さらに、超小型自動車の上部ボデーを略卵型上半部の形状とすることは、特許文献3〜4に開示されている。
特許文献3には、略卵型上半部の形状をした上部ボデーを、アルミ製の車体フレーム、開閉式のフード等で形成した、略卵型上半部の形状をした上部ボデーが開示されている。
また、特許文献4には、超小型モビリティのボデーの上部に配置されるキャノピー(上部蔽)が、略卵型上半部の形状をしていること、閉まった状態にある駐車位置と、駐車位置よりも開いた状態にある走行位置と、走行位置よりもさらに開いた状態にある乗降位置と、に可動とされていること、ポリカーボネート等の透明樹脂製であることが開示されている。
しかしながら、特許文献3の上部ボデーは、アルミ製の車体フレームを有するものであって、軽量、製造が簡単ではなく、また、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に見通せないものである。
また、特許文献4のキャノピーは、図33に符号30で示されているように、回動軸芯Pを中心として、駐車位置30a、走行位置30b、乗降位置30cに回動可動である自動車の上部カバーである。このキャノピーを設けた自動車では、運転者は車体の下方近傍を十分に見通せず、タイヤの位置や切れ角、障害物等を直接視認できないため、特に、小型モビリティを利用することの多い年配者が安全に運転することが難しい。さらに、搭乗者が閉塞感を感じることなく、快適にドライブを楽しむには、キャノピーのような上部カバーを通して周囲の景色は歪みなく見えるようにする必要があるが、特許文献4では透視歪、上部カバーの曲率と透視歪との関係等についての考察は全く行われていない。
特開昭61−166776号公報 特開昭59−040980号公報 特開平06−156314号公報 特開2014−113907号公報
本発明の主要な課題は、軽量で、製造が簡単で、運転者が周囲の状況を的確に視認・把握でき、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができる自動車車体の上部ボデーを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者らは鋭意検討の結果、本発明に到達した。本発明の要旨を以下に示す。
(1)上部ボデー、下部ボデーを接着および/または締結することにより形成される自動車車体の上部ボデーであって、
前記上部ボデーは、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成されており、
前記上部ボデーは、卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしており、
前記上部ボデーの上曲面は、前記2つの頂点を含む地面に垂直な断面において、前記上曲面への接線が水平となる上部頂点から、前記先端部頂点及び前記後端部頂点に向けて、前記上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、前記先端部頂点側及び前記後端部頂点側の終端部で、前記上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、
前記上部ボデーは、前記上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であり、また、ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下である、
ことを特徴とする自動車車体の上部ボデー。
(2)上部ボデー、下部ボデーを接着および/または締結することにより形成される自動車車体の上部ボデーであって、
前記上部ボデーは、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成されており、
前記上部ボデーは、卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしており、
前記上部ボデーの上曲面は、前記2つの頂点を含む地面に垂直な断面において、前記上曲面への接線が水平となる上部頂点から、前記先端部頂点及び前記後端部頂点に向けて、前記上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、前記先端部頂点側及び前記後端部頂点側の終端部で、前記上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、
前記上部ボデーには、前記先端部頂点、前記上部頂点及び前記後端部頂点を結ぶ最短の曲線に対して左右対称で、前記最短の曲線に略平行な2本の稜線部が設けられており、
前記上部ボデーの前記2本の稜線部から5cm以内の部分を除く部分は、前記上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であり、また、ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下である、
ことを特徴とする自動車車体の上部ボデー。
(3)前記2本の稜線部から5cm以内の部分が、上部ボデーの側面に設けられることを特徴とする(2)に記載の自動車車体の上部ボデー。
(4)側面に搭乗するための開口部を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
(5)前記上部ボデーの法線方向の厚み(mm)Aと、曲率[1/曲率半径(mm)]Bとが次の式(I)を満足する(ただし、稜線部を有する場合は、稜線部から5cm以内の部分を除く)ことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
A×B≦1.07×10−3 (I)
(6)前記先端部頂点及び前記後端部頂点における曲率が、それぞれ、6.7×10−4〜1.1×10−3の範囲にあることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
(7)前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
(8)前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、イソソルビドからなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂組成物であることを特徴とする(7)に記載の自動車車体の上部ボデー。
(9)前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、紫外線吸収剤、赤外線遮蔽材および/または赤外線吸収剤を含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
(10)前記上部ボデーに、ハードコート層が積層されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
(11)前記上部ボデーに、着色層が積層されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
第1に、本発明の自動車車体の上部ボデーは、熱可塑性樹脂組成物により形成されたものであるので、金属あるいはFRP等の繊維強化合成樹脂材を用いたものに比べ、軽量であり、また、製造が簡単にできる。
上部ボデーが軽量であることは、特に、小さな動力で駆動される超小型電気自動車等の超小型モビリティにおいて、大きなメリットとなる。また、上部ボデーを製造が簡単にできることは、ひいては、この上部ボデーを用いた自動車を低価格で提供できることとなり、超小型モビリティの普及を図るために大きなメリットとなる。
第2に、本発明の自動車車体の上部ボデーは、
1)卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしており、
2)上部ボデーの上曲面は、前記2つの先端部頂点及び後端部頂点を含む地面に垂直な断面において、上曲面への接線が水平となる上部頂点から、先端部頂点及び後端部頂点に向けて、上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、先端部頂点側及び後端部頂点側の終端部で、上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、
3)本発明の自動車車体の上部ボデーは、略卵型上半部の形状をしており、応力が集中する角部がないため、高い強度を持たせることができ、また、先端部頂点側及び後端部頂点側の終端部の接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、下部ボデーと強固に接着および/または締結することができるため、高い剛性を持たせることができる。
超小型電気自動車等の超小型モビリティは、通常比較的低速で走行することから、上部ボデーに必要とされる強度・剛性は通常の自動車に比べてそれほど高いものではないが、本発明の自動車車体の上部ボデーは、上記のような形状とすることにより、特に、超小型電気自動車等の超小型モビリティ車体の上部ボデーに必要とされる強度・剛性を十分に備えることができる。
第3に、本発明の自動車車体の上部ボデーは、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成されると共に、上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であり、また、ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下であるため、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができる。
運転者は、自動車の周囲の状況を的確に視認・把握できるので、年配者でも安全に運転をすることができる。例えば、自動車の下方近傍に幼児、小型動物等が存在していてもこれを直接視認できるため、事故を未然に防ぐことができる。また、タイヤの位置や切れ角を直接視認できるため、脱輪や乗り上げ等のトラブルを未然に防ぐことできる。また、自動車の前方及び後方の視認性が向上するため、衝突等の事故を未然に防ぐことができる。
また、超小型電気自動車等の超小型モビリティは室内が狭いため、一般に搭乗者は閉塞感を感じるが、本発明の自動車車体の上部ボデーは周囲の景色を全面的に歪みなく見通すことができるため、搭乗者は閉塞感を感じることなく、周囲の景色を見ながら快適にドライブを楽しむことができる。
さらに、本発明の上部ボデーは、透明なキャンパスとして子供たちが自由にペイントすることができる楽しさも持ち合わせている。また、本発明の効果を発揮できる程度に、調光フィルムやデジタルサイネージの貼合わせを行うことや、全面ディスプレイデバイスとして利用することもでき、車の運転がこれまで以上に楽しくなる未来型自動車としての多くの可能性を秘めている。
本発明の一例である車両の側面図。 図1におけるA−A断面図。(前方の車軸中心での断面図) 図1におけるB−B断面図。(後方の車軸中心での断面図) 図1におけるX−X断面図。(車体中央部での断面図) 図1に示した車体を、ルーフ、前アッパーボデー、後アッパーボデー、下部ボデー、フロア、前サブフレーム、後サブフレーム、枠部材に分離して示す斜視図。 枠部材をシートベルトの取付部材として使用した例を示す斜視図。 枠部材を転落防止部材の取付部材として使用した例を示す斜視図。 枠部材を雨よけドアの取付部材として使用した例を示す斜視図。 本発明の車両の一例を示す斜視図。 図9のE−E断面図。 実施例1〜2及び比較例1〜2で製造された上部ボデーの側面図。 実施例3及び比較例3で製造された上部ボデーの側面図。 実施例4で製造された上部ボデーの側面図。 実施例5、実施例7、比較例4及び比較例6で製造された上部ボデーの側面図。 実施例6で製造された上部ボデーの側面図。 実施例8及び比較例5で製造された上部ボデーの側面図。 実施例1〜2及び比較例1〜2で製造された上部ボデーの正面図。 実施例3及び比較例3で製造された上部ボデーの正面図。 実施例4で製造された上部ボデーの正面図。 実施例5、実施例7、比較例4及び比較例6で製造された上部ボデーの正面図。 実施例6で製造された上部ボデーの正面図。 実施例8及び比較例5で製造された上部ボデーの正面図。 実施例1〜3で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 比較例1〜3で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 実施例4で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 実施例5及び7〜8で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 比較例4〜6で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 実施例6で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 実施例1〜4で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分と直交し上部ボデーの重心を含む面において、上部頂点から左右に渡る曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 比較例1〜3で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分と直交し上部ボデーの重心を含む面において、上部頂点から左右に渡る曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 実施例5〜8で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分と直交し上部ボデーの重心を含む面において、上部頂点から左右に渡る曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 比較例4〜6で製造された上部ボデーの、先端部頂点側の終端部、上部頂点及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分と直交し上部ボデーの重心を含む面において、上部頂点から左右に渡る曲線部分における透視歪量(分)を示すグラフ。 特許文献4(特開2014−113907号公報)の図1。
以下に、本発明の実施の形態について、図面で具体例も示した上、順次説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
図1〜4は本発明の自動車車体の上部ボデーの一つの実施例を示すものであって、一体成形された上部ボデー2が、下部ボデー1の上部に接着および/または締結された状態を示している。図1は側面図、図2は図1のA〜A断面(前方の車軸中心での断面)、図3は図1のB〜B断面(後方の車軸中心での断面)、図4は図1のX−X断面図(車体中央部での断面図)である。
図5は本発明の自動車車体の上部ボデーの他の実施例を示すものであって、上部ボデー2が前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3といった複数の部品に分けて成形され、これらの部品を接着および/または締結して上部ボデー2とし、これが下部ボデー1に接着および/または締結される。
本発明の自動車車体の上部ボデー2は、部品の成形のしやすさ、部品の接着および/または締結のしやすさ等を考慮して、図1〜4に示すように一体成形物として成形されても良いし、また、図5に示しように、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3等の複数の部品をそれぞれ成形した後に、これらを接着および/または締結して形成しても良い。
〇本発明の上部ボデーの形状について
本発明の自動車車体の上部ボデーは、図1に示されるように、
卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、
卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、
地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしている。
この上部ボデーの上曲面は、前記2つの頂点を含む地面に垂直な断面において、前記上曲面への接線が水平となる上部頂点から、前記先端部頂点及び前記後端部頂点に向けて、前記上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、前記先端部頂点側及び前記後端部頂点側の終端部で、前記上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されている。
このような形状とすることにより、本発明の小型自動車車体の上部ボデーに必要とされる強度・剛性を備えることができる。すなわち、本発明の自動車車体の上部ボデーは、略卵型上半部の形状をしており、応力が集中する曲率半径が5mm未満の角部がないため、高い強度を持たせることができ、また、先端部頂点側及び後端部頂点側の終端部の接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、運転者が自動車の下方近傍を直接視認することができ、また、下部ボデーと強固に接着および/または締結することができる。また、曲率半径が5mm未満の角部がないため、走行時の風切り音を低減でき、衝突時にも人等の被衝突物に与える損傷を低減することができる。
本発明の上部ボデーにおける、先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線は、地面と略平行であるが、先端部頂点側の終端部と後端部頂点側の終端部とを結ぶ直線の傾斜としては、通常、平行から、前下がりに20°までを採用することができる。設計上、前下がりに傾斜させることにより、搭乗者位置における車高を確保することができる。
また、本発明の上部ボデーは、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状である。この切り取り部分が1/3〜1/2の範囲である場合には、上部ボデーと下部ボデーとのバランスが良好となり、上部ボデーの強度・剛性が十分となり好ましい。
〇本発明の上部ボデーの材質について
上部ボデー2を形成する透明な熱可塑性樹脂組成物としては、運転時の視界を良好なものとするために用いられるものであって、JIS K7105で測定された6mm厚みのヘーズが5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下を満足する熱可塑性樹脂組成物を好適に用いることができる。
本発明の自動車車体の上部ボデーは、前述のように、一体成形物として成形されても良いし、また、前アッパーボデー、後アッパーボデー、ルーフ等の複数の部品をそれぞれ成形した後にこれらを接着および/または締結して形成しても良いが、本発明の効果を発揮できなくなる程にガラス繊維、炭素繊維等の繊維補強材製の織布を積層したり、このような織布に樹脂を含浸・賦形して得られる成形品は含まないものである。
透明な熱可塑性樹脂組成物から、上部ボデー2を成形する方法としては、射出圧縮成形で三次元構造を成形する方法、射出圧縮成形した二次元の成形版を三次元構造に熱プレスする方法、射出成形で三次元構造を成形する方法、射出成形した二次元の成形版を三次元構造に熱プレスする方法、および二次元の押出シートを三次元構造に熱プレスする方法があり、透視歪量を抑制させるためには、射出成形で三次元構造を成形する方法が好ましく、射出圧縮成形した二次元の成形版を三次元構造に熱プレスする方法がより好ましく、射出圧縮成形で三次元構造を成形する方法が最も好ましい。
上部ボデー2を構成する透明な熱可塑性樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物等を用いることができるが、この中でもポリカーボネート組成物は透明性に優れるとともに、衝撃吸収性が高く衝突時の安全性が向上し、さらに、耐衝撃性に優れ軽衝突においては破損しにくいので好ましい。
透明な熱可塑性樹脂組成物として用いられる、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物等には、本発明の上部ボデーの特性が損なわれない範囲で、主成分の樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。
さらに、必要に応じて公知の添加剤(赤外線遮蔽材、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、染顔料、熱線吸収能を有する化合物、各種安定剤、酸化防止剤、離型剤、ブルーイング剤、加水分解改良剤、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤等)、各種充填材等を配合してもよい。
特に、本発明の上部ボデー2は透明であることから、日射による自動車室内の温度上昇を低減するために、透明な熱可塑性樹脂組成物に、無機系赤外線遮蔽材を含有させることが好ましい。
無機系赤外線遮蔽材は、粒子径が1nm〜800nmであることが好ましく、1nm〜600nmがより好ましく、1nm〜300nmがさらに好ましい。粒子径が1nmより小さいと凝集効果が大きくなるため分散性不良が生じやすくなり、800nmより大きいと透明樹脂成形品の曇り度が高くなる等不良が生じることがある。この無機系赤外線遮蔽材料としては、タングステン系無機系赤外線遮蔽材料、ランタン系無機系赤外線遮蔽材料、スズ系無機系赤外線遮蔽材料等が挙げられる。この中でも赤外線遮蔽性能と曇り度の観点よりタングステン系無機系赤外線遮蔽材料が好ましく、その中でも複合タングステン酸化物微粒子が特に好ましい。
上部ボデー2の透明性を備えるには、透明性を阻害する添加剤、充填材等はできるだけ配合しないことが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性等に優れることから、ポリカーボネート樹脂組成物が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、それ自体公知のものを採用でき、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、イソソルビド、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が例示され、これらはホモポリマーに限られず、共重合されても良い。特に好ましいのは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、イソソルビドからなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂組成物である。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量としては、10,000〜40,000であることが好ましい。粘度平均分子量が10,000以上であると強度に優れる点で好ましく、また、粘度平均分子量が40,000以下であると成形性に優れる点で好ましい。
上記のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηSP)を次式に代入して求めたものである。
式:ηSP/c=[η]+0.45×[η]2
上記の式において、[η]は極限粘度を表し、[η]=1.23×10-40.83であり、また、c=0.7である。
このようなポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を求める手法は、例えば、特開2002−129003号公報の段落[0033]〜[0034]に説明されている。
さらに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、イソソルビドからなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂組成物について詳述する。
まず、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAと言われるポリカーボネート樹脂であり、他のポリカーボネート樹脂に比べ優れた耐衝撃性を有することから好ましい。つぎに、イソソルビドを繰り返し単位に有するポリカーボネート樹脂とは、下記式(1)で表されるカーボネート構成単位を含有するポリカーボネート樹脂であって、特に、イソソルビドを用いる場合には、樹脂製部品の硬度を高くすることができ、また樹脂の屈折率が他のポリカーボネート樹脂に比べて低いことから、透視歪量の変化をより小さくできるので好ましい。さらに、ビスフェノールAとイソソルビドを併用する場合には、樹脂製部品の耐衝撃性を保持したまま、硬度を高くすることができるので好ましい。
Figure 0006431362
最後に、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンを繰り返し単位に有するポリカーボネート樹脂は、樹脂製部品の硬度を高くすることができることから、透視歪量の変化をより小さくできるので好ましい。さらに、ビスフェノールAと併用する場合には、樹脂製部品の耐衝撃性を保持したまま、硬度を高くすることができるので好ましい。
このように、本発明の自動車車体の上部ボデーは、熱可塑性樹脂組成物により形成されたものであるので、金属あるいはFRP等の繊維強化合成樹脂材を用いたものに比べ、軽量で、製造が簡単にできる。
〇本発明の上部ボデーの歪物性について
前述のように、本発明の自動車車体の上部ボデーの最大の特徴は、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができることであるが、このためには、上記のように、上部ボデーの材質として、透明な熱可塑性樹脂組成物を用いると共に、上部ボデーが、
a)上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下、
b)ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下、
との物性を備えることが重要である。
なお、本発明における「透視歪量」は、特開2002−128909号公報の段落[0089]に示されているようなJIS R3212に準拠した測定方法により測定されるものである。また、「上部ボデーの重心」とは、上部ボデーの質量に対して働く万有引力の合力の作用点であり、運転者の目の位置に近い基準点としてこの位置を選定したものである。上部ボデーの重心を決める際の上部ボデーの質量は、上部ボデーの底板の質量を除くものとする。
上記の事項a)は、上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値を1.0分以下と低く抑えることにより、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通せるようにするとの思想に基づいて規定されたものである。上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値は、0.9分以下とすることが好ましく、0.8分以下とすることがより好ましい。下限は特に制限されないが0.2分程度である。
本発明の上部ボデーは、上記のように、卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側としたような形状をしているので、先端部等の曲率の大きな部分においては、上部ボデーの厚さが均一である場合には、透過光の透過距離が長くなり光路差が大きくなるため、透視歪量が大きくなってしまう。
しがしながら、先端部等の曲率の大きな部分で透視歪量が多少大きくなったとしても、運転者が周囲の状況を的確に視認・把握できる、搭乗者が周囲の景色を全面的に歪みなく見通すことができるとの本発明効果は支障なく発揮することができる。すなわち、先端部等の曲率の大きな部分を通して、運転者は自動車の下方近傍に幼児、小型動物等が存在するか否か、タイヤの位置や切れ角が適切か否かを直接視認・確認するが、これら視認・確認する対象物は近傍にあるため、透視歪量が多少大きくなっても、視認・確認に支障は生じない。また、先端部等の曲率の大きな部分は、運転者、搭乗者が周囲の状況、景色を見る際の視野の外にあるため、運転者、搭乗者が周囲の状況、景色を見る際の障害とはならない。
また、上記の事項b)は、上部ボデーの各部分の透視歪量を1.0分以下と低く抑えた場合であっても、隣接する部分で透視歪量が急激に変動する場合には、周囲の状況・景色が歪んで見えることとなるため、これを防止するとの思想に基づいて規定されたものである。ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差は、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下であり、1.0分以下であることがより好ましい。ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差の上限は、人が成形体の歪みを脳で補正できずに、歪んでいると感じる値を規定したものである。
透視歪量についての上記a)及びb)の事項を備えた上部ボデーを得るためには、各種の公知の手段を採用することができるが、例えば、上部ボデーを成形する際に射出圧縮成形または射出プレス成形を用いる、上部ボデーを成形する際に用いる金型表面を極力凹凸のないように表面仕上げを行う、上部ボデーの厚さを極力均一にすること等が挙げられる。
射出圧縮成形または射出プレス成形は、特開2007−062316号公報にも記載されているように、溶融した熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に射出した後、樹脂を圧縮して最終型締めを行う成形方法であって、透視歪量が大幅に低減された成形品を製造するのに有効な手段である。射出圧縮成形も射出プレス成型も共に樹脂を圧縮して最終型締めを行う点では同じであるが、射出圧縮成形は型を締めた状態で樹脂を射出するのに対して、射出プレスはわずかに型を開いた状態で樹脂を射出する点で異なる。
本発明の上部ボデーは、射出成形単独で成形するか、または、射出成形により部材を作成した後、この部材を熱プレス成形で成形することが好ましいが、いずれの場合でも、射出成形として、上記の射出圧縮成形または射出プレス成形を採用することが望ましい。
上部ボデーの両表面の表面粗さ(Ra)等が大きくなると、透視歪量が大きくなったり、ばらついたりするため、上部ボデーを成形する際に用いる金型は、表面を光学研磨することにより、キャビティ面の表面粗さRaを0.05μm以下、うねりの振幅Waを0.30μm以下とすることが好ましい。なお、Ra、Waの値は、特開2002−128909号公報に記載された測定の方法に従って求めたものである。
また、上部ボデーの厚さが均一でない場合には、上部ボデーを透過する光の光路差が変動し、隣接する部分で透視歪量が変動して、外部の景色が歪んで見えることとなるので、上部ボデーの厚さは極力均一にすることが好ましい。但し、ここでいう極力均一にというのは、後述の透視歪量の変動を小さくするために、意図的に厚さに差を持たせることまで排除するものではない。
上部ボデーの厚みは3〜8mmが好ましく、4〜6mmがより好ましい。上部ボデーの厚みが上限以下では、車体が軽量となり本発明の効果が発揮されやすい。一方、下限以上では、本発明に必要とされる剛性が得られるため好ましい。ここで規定する上部ボデーの厚みは、稜線部分や屈曲部分を除く部分の厚みをいう。
このように、本発明の自動車車体の上部ボデーは、上記a)及びb)の事項を備えることにより、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができる。
〇稜線部を設けることについて
本発明の上部ボデーの形状としては、図6〜8に示すような略卵型上半部の形状が一般的に採用される。この理由としては、樹脂材料は金属に比較して許容応力が小さいことから、応力集中し易い角部が無く、また、搭乗者のスペースも確保できる卵型が一般的には好ましいからである。
しかしながら、図9に示すように、車体の上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3)の側面には、通常、乗降口を形成する開口部8が設けられるため、上部ボデー2の車両横方向の断面積が小さくなる。したがって、この部分の剛性を向上させるためには、上部ボデー2には、先端部頂点、上部頂点及び後端部頂点を結ぶ最短の曲線に対して左右対称で、この最短の曲線に略平行な2本の稜線部7、7’が設けることが好ましい。
このような稜線部7、7’を設けた場合には、この近辺で透視歪量及びその変動がどうしても大きくなってしまうため、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通せるようにするためには、その他の部分で視認性を十分に確保すること、稜線部7、7’が視認性を妨げないように配置することが必要となる。
このためには、上記のように、上部ボデーの材質として、透明な熱可塑性樹脂組成物を用いると共に、上部ボデーが、
a’)透視歪量の平均値が、2本の稜線部7、7’から5cm以内にある部分を除く全ての部分において、1.0分以下、
b’)ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、2本の稜線部7、7’から5cm以内にある部分を除く重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下
との物性を備えることが重要である。
また、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通せるようにするためには、この2本の稜線部7、7’ から5cm以内の部分は、上部ボデーの側面に設けられることが好ましい。
図10に示すように、稜線部7、7’の曲率Rは、上部ボデー2のいずれの部分の曲率(前方の曲率R1、側方の曲率R2)より小さく、かつ曲率半径が5mm以上であることが好ましい。稜線部7、7’の曲率半径が5mmに満たない場合には、稜線部7、7’によって形成される角部が鋭角となり、歩行者と衝突したような場合の安全性が低下するので好ましくない。(車両の前面から上面そして後面に至る折り曲げ形状のすべての断面についても、図10の断面E−Eに準ずる。)
このような稜線部7、7’を設けることにより、図6〜8に示すような卵型で稜線部が無いものに比べ、上部ボデー2の、より高い剛性を与えることができる。
さらに、このような稜線部7、7’を設けることにより、図1〜4に示すように、上部ボデー2の両側面を曲率のない平面とすることができるので、搭乗者は、自動車の両側面側の景色をより一層歪みなく見通すことができる。
さらに、図6〜8に示すように、上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2)に乗降口を形成する開口部8を設け、形成された乗降口の全周に枠部材4を設けることにより、車体の剛性をさらに向上させるとともに、この枠部材4を、シートベルトショルダーアンカー4−1、転落防止用部材4−2、雨よけドア4−3を取り付ける部材等に利用することができる。この枠部材4としては、アルミ製で、円形状のものが好ましく、また、外周面の断面形状を外向き凹状とすることにより、乗降口の雨樋の役割を果たすこともできる。
〇曲率の大きい箇所の厚さを薄くすることについて
上記のように、上部ボデーの隣接する部分において透視歪量が急激に変化するのを防ぐためには、上部ボデーの厚さを極力均一とすることにより、上部ボデーを透過する透過光の光路差を均一にして透視歪量を均一にするのが好ましい。
しかしながら、上部ボデーの厚さを均一とした場合であっても、曲率の大きな部分では、透過光の透過距離が長くなり光路差が大きくなるため、透視歪量が大きくなってしまう。
請求項5で規定した、
c)前記上部ボデーの法線方向の厚み(mm)Aと、曲率[1/曲率半径(mm)]Bとが式:A×B2≦1.07×10-3を満足する(ただし、稜線部を有する場合は、稜線部から5cm以内の部分を除く)
との事項c)は、上部ボデーの曲率の大きい部分では、厚さを薄くすることにより、透過光の光路差を小さく抑え、透視歪量が変動を小さくするとの思想に基づいて規定されたものである。前記上部ボデーの厚さ(mm)Aと、前記曲率Bとが式:A×B2≦4.03×10-4を満足することがより好ましい。
上記c)の事項を備えた上部ボデーを得るためには、例えば、射出圧縮成形または射出プレス成形に用いる金型のキャビティを、曲率の大きい部分で狭くすること等が挙げられる。
また、上部ボデーの曲率の大きい部分の厚さを薄くすることにより、自動車の走行時に生じる振動がこの部分で吸収され、上部ボデーの振動を低減することができるので、上部ボデーの耐久性の改善を図ることができる。
〇上部ボデーの形状について
本発明の上部ボデーは、上記のように略卵型上半部の形状をしたものである。
図1からもわかるように、搭乗者が前後の2箇所に搭乗する場合には、搭乗者位置における車高を2箇所で確保する必要があるため、上部ボデーを、先端部頂点における曲率が比較的大きく、後端部頂点における曲率が比較的小さい略卵型の上半部の形状とする。このように先細の略卵型上半部の形状とすることにより、走行時の空気抵抗を小さくすることもできる。
一方、搭乗者が1箇所に搭乗する場合には、車高を1箇所で確保すれば良いため、上部ボデーを、先端部頂点における曲率と、後端部頂点における曲率とが近似した略卵型の上半部の形状とすることができる。このように半球状の略卵型上半部の形状とすることにより、上部ボデーの強度・剛性を高くすることができる。走行時の空気抵抗は大きくなるものの、超小型モビリティは高速で走行するものではないため、それほど大きな問題とはならない。
また、側面に搭乗するための開口部を有することが好ましく、開口部の大きさは、投影面積で5,000cm2〜18,000cm2であることが、車体の剛性を保ちつつ乗り降りしやすいため好ましい。開口部を有すると稜線による透視歪が気になりにくいという好ましい利点もある。
請求項6で規定した、
d)先端部頂点及び前記後端部頂点における曲率が、それぞれ、6.7×10-4〜1.1×10-3の範囲にある
との事項は、この思想に基づき、上部ボデーを、先端部頂点における曲率と、後端部頂点における曲率とが近似した、半球状の略卵型の上半部の形状とすることを規定したものである。
〇上部ボデーの物性改善について
本発明の上部ボデーには、耐摩耗性を改善するために、ハードコート層を設けてもよく、耐摩耗性の観点からは好ましい態様である。ハードコート層としては、それ自体公知のものを採用でき、アクリル樹脂層を湿式コーティングする方法、オルガノシロキサン系樹脂の硬化膜を湿式コーティングする方法、有機珪素化合物のプラズマCVD層を設ける方法、特開2013−170209号公報等に記載の鱗片状の金属酸化物微粒子からなるナノシート層を積層する方法などを上げることができ、これらは単独に限らず組合せて用いても良い。
好ましいハードコート層としては、例えば、上部ボデーの表面にアクリル樹脂層を湿式コーティングし、さらにその上にオルガノシロキサン系樹脂の硬化膜を、上部ボデーに湿式コーティングする方法で形成することができる。
また、有機珪素化合物のプラズマCVD層は、例えば、オルガノシロキサン、オルガノシランまたはシラザン等の有機珪素化合物の蒸気と酸素ガスとを共存させてプラズマ重合により、上部ボデーに有機珪素系の酸化重合物を堆積する方法で形成することができる。
また、鱗片状の金属酸化物微粒子からなるナノシート層は、例えば、最短幅10nm以上、厚み10nm以下、最短幅/厚み10以上の鱗片状の金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させた分散液を、上部ボデーに塗布、乾燥および固定化する方法で形成することができる。
さらに、本発明の上部ボデーには、加飾のため、インキ層を積層することができる。加飾においては、上部ボデーに文字、マーク、その他の模様のインキ層が形成される。この際も視認性確保の点から、着色層の可視光透過率(波長380nm〜780nm)は、70%以上であることが好ましい。ところで、本発明においては、視認性確保の点から透明熱可塑性樹脂を用いるが、上部ボデー周縁部に形成される接着剤や構造部材の目隠しのため、黒色等のインキ層が形成されることまで除外するものではない。ただし、この場合、視認性を損なわないように、前述の重心よりも上部には形成しないことが好ましい。
着色層は、例えば、模様を備えた転写箔を金型パーティング面に挟み、熱可塑性樹脂組成物を射出し射出成形と同時にそれら模様を成形品へ一体化する方法(インモールド成形法)で形成することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜8、比較例1〜6
実施例1〜8、比較例1〜6においては、図11〜図22で表される卵型形状をした卵型上部ボデーを成形した。
なお、下記実施例3などではこの卵型上部ボデーに「屈曲部」が設けられ、また、下記実施例5などではこの卵型上部ボデーに「稜線」が設けられるが、これらの上部ボデーの形状は、あくまでも上記式で表される卵型を基本とし、これに所定の「屈曲部」、「稜線」を設けたものである。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図11に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、先端の終端部において、上部ボデーの上曲面への接線が水平面となす角度(図1のα、以下、「先端角度」という。)が118°、後端の終端部において、上部ボデーの上曲面への接線が水平面となす角度(図1のβ、以下、「後端角度」という。)が101°である。
[樹脂材料]
ビスフェノールAとホスゲンから界面縮重合法により製造された粘度平均分子量22,400のポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WP)を用いた。
[樹脂組成物]
前記ポリカーボネート樹脂パウダー99.430重量部、Cs0.33WO3(平均粒子径5nm)約23%および有機分散樹脂からなる赤外線遮蔽剤(住友金属鉱山(株)製YMDS−874)0.07(0.16)重量部、ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Tinuvin1577)0.300重量部、リン系安定剤(クラリアントジャパン(株)製P−EPQ)0.030重量部、ヒンダードフェノール系安定剤(旭電化工業(株)製AO412S)0.050重量部、脂肪酸フルエステル(コグニスジャパン(株)製:VPG861)0.100重量部、脂肪酸部分エステル(理研ビタミン(株)製:リケマールS−100A)0.020重量部の割合で計量して混合しブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
なお、赤外線遮蔽剤の含有量は括弧内に示したYMDS−874に含まれる無機系赤外線遮蔽材料Cs0.33WO3の量である。(括弧外の数字はYMDS−874の樹脂組成物中の重量部を表す。)PCに添加する添加剤はそれぞれ配合量の10〜100倍の濃度を目安に予めPCとの予備混合物として作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。混練ゾーンはベント口手前に1箇所のタイプとした。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで280℃とした。尚、上記の樹脂組成物の製造はHEPAフィルターを通した清浄な空気が循環する雰囲気において実施し、また作業時に異物の混入がないよう十分に注意して行った。得られた樹脂組成物について、厚み6mmの成形板を作製してJIS K7105の規格でヘーズを測定したところ1.3であった。
[成形方法:射出圧縮成形]
上記の樹脂材料のペレットをプラテンの4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて、上部ボデー2の部品である、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3を射出圧縮成形した後、これらの部品を接着して上部ボデーを製造した。
射出成形用金型としては、日立金属(株)社製HPM38で作製し、キャビティ面を光学研磨した金型を用いた。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.18μmであった。なお、RaおよびWaの値は、特開2002−128909号公報に記載された測定の方法に従って求めたものである。
射出圧縮成形はシリンダ温度300℃、ホットランナー設定温度290℃、金型温度は固定側105℃、可動側95℃、プレスストローク:0.5mm、中間型締め状態から最終型締め状態までの金型の移動速度0.02mm/秒、および加圧の保持時間:600秒の条件で行った。圧縮時の圧力は25MPaとし、該圧力で加圧の保持時間中保持した。射出速度はゲート部充填までの領域で5mm/秒、それ以降の領域で18mm/秒とした。また可動側金型パーティング面は最終の前進位置において固定側金型パーティング面に接触しないものとした。ランナはモールドマスターズ社製のバルブゲート型のホットランナー(直径8mmφ)を用いた。充填完了直前に型圧縮を開始し、オーバーラップは0.5秒とした。充填完了後直ちにバルブゲートを閉じて溶融樹脂がゲートからシリンダへ逆流しない条件とした。かかる成形においては、その4軸平行制御機構により、傾き量および捩れ量を表すtanθは約0.000025以下で保持された。
得られた上部ボデーの部品(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3)を取り出し、各部品に特開2004−26871号公報に記載のハードコート処理を施した後に、これらの部品を接着して上部ボデーを製造した。
実施例1の上部ボデーの材料樹脂を、ポリカーボネート樹脂から、次のようなイソソルビド系ポリカーボネート樹脂に変更し、射出圧縮成形の際のシリンダ温度を230℃、ホットランナー設定温度を220℃、金型温度を固定側90℃、可動側80℃に変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.18μmであった。得られた樹脂組成物について、厚み6mmの成形板を作製してJIS K7105の規格でヘーズを測定したところ1.4であった。
[イソソルビド系ポリカーボネート樹脂の製造方法]
イソソルビド(以下ISSと略す)426部、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(以下DEPと略す)83部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)750部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.8×10-2部と水酸化ナトリウム0.6×10-4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。
比較例1
実施例1の上部ボデーの部品の成形方法を、射出圧縮成形から、次のような、押出しシートを成形した後に、熱プレス成形する方法に変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。
[成形方法:押出しシートの成形+熱プレス成形]
特開2005−081757号公報に記載された方法により、上記実施例1の樹脂材料のペレットを用いて、厚み6mmの押出しシートを成形し、この押出しシートをESPEC製熱風乾燥機で170℃の10分間加熱し、これを80℃に加熱した金型を装着した熱プレス機ではさむことにより、上部ボデーの部品を成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.18μmであった。
比較例2
実施例1の上部ボデーの成形方法において、射出圧縮成形に用いる金型を、次の金型に変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。
[射出圧縮成形に用いた金型]
射出成形用金型として、日立金属(株)社製HPM50で作製し、キャビティ面の表面粗さRaが0.07μm、うねりの振幅Waが0.40μmである金型を用いた。なお、Ra及びWaの値は、特開2002−128909号公報に記載された測定の方法に従って求めたものである。
比較例3
実施例1の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.16μmであった。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図12に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、先端角度及び後端角度は実施例1のものと同じであるが、上部ボデーの上面には、車体の前後方向と直交する方向に、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線が設けられている。
実施例1の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.17μmであった。
[上部ボデーの形状]
この上部ボデーは、先端角度及び後端角度は実施例1のものと同じで、上部ボデーの上面に、比較例2と同様、車体の前後方向と直交する方向に、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線が設けられたものであるが、この屈曲線の部分の厚さを5mm、その他の部分の厚さを6mmとしたものである。
実施例1のように、上部ボデー2の部品(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3)を射出圧縮成形した後これらを接着するのではなく、上部ボデー2を射出圧縮成形で一体成形物として成形するように変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.19μmであった。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図13に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、先端角度が85°及び後端角度が87°である。
実施例1の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例1と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.17μmであった。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図14に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、先端角度及び後端角度は実施例1のものと同じであるが、上部ボデーには、先端部頂点、上部頂点及び後端部頂点を結ぶ最短の曲線に対して左右対称で、この最短の曲線に略平行な2本の稜線部7が、60cmの間隔を隔てて設けられている。
実施例5の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.16μmであった。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図15に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、先端角度が85°及び後端角度が87°である。
実施例5の上部ボデーの材料樹脂を、ポリカーボネート樹脂から、実施例2で用いたイソソルビド系ポリカーボネート樹脂に変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.17μmであった。
比較例4
実施例5の上部ボデーの部品の成形方法を、射出圧縮成形から、比較例2で用いた、押出しシートを成形した後に、熱プレス成形する方法に変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.16μmであった。
比較例5
実施例5の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.03μmであり、うねりの振幅Waは0.17μmであった。
[上部ボデーの形状]
厚みが6mmであり、図16に示すような側面形状の上部ボデーを成形した。
この上部ボデーは、実施例5と同様に、2本の稜線部7が設けられていると共に、比較例3と同様に、車体の前後方向と直交する方向に、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線が設けられている。
比較例6
実施例5の上部ボデーの成形方法において、射出圧縮成形に用いる金型を、キャビティ面の表面粗さRaが0.08μmであり、うねりの振幅Waが0.43μmである金型に変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。
実施例5の上部ボデーの成形方法において、上部ボデーの形状を次のように変更した以外は実施例5と同様にして、上部ボデーを成形した。キャビティ面の表面粗さRaは0.04μmであり、うねりの振幅Waは0.21μmであった。
[上部ボデーの形状]
この上部ボデーは、比較例5と同様、2本の稜線部7と、車体の前後方向と直交する方向に、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線が設けられているが、車体の前後方向と直交する方向に、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線が設けられたものであるが、この屈曲線の部分の厚さを5mm、その他の部分の厚さを6mmとしたものである。
上記実施例1〜8及び比較例1〜6における上部ボデーの形状、材料、成形等の条件を下記の表1に整理して示す。
Figure 0006431362
上記実施例1〜8及び比較例1〜6で製造された上部ボデーの透視歪量を測定し、先端部頂点側の終端部、上部頂点側及び後端部頂点側の終端部を結ぶ最短の曲線部分における透視歪量(分)を、図23〜28において示す。ここで、横軸で規定する位置の0mmは、先端部頂点側の終端部とした。また、該曲線部分と直交し上部ボデーの重心を含む面において、上部頂点から左右に渡る曲線部分における透視歪量(分)を、図29〜32において示す。ここで、横軸で規定する位置の0mmは、上部頂点部とした。
実施例3および比較例3で製造された上部ボデーの透視歪量の測定は、車体の前後方向と直交する方向に2本の屈曲線を設けたことにより生じた車体の前後方向と平行する方向の2本の稜線から5cmを除いた部分で行った。なお、本発明における「透視歪量」は、特開2002−128909号公報の段落[0089]に示されているようなJIS R3212に準拠した測定方法により、上部ボデーの重心に光源を置いて測定したものである。
上記実施例1〜8及び比較例1〜6で製造された上部ボデーを通した周囲の状況、景色の視認性の評価を、下記表2に示す。
また、目視観察は、屋外で天気の良い日中に行い、上部ボデーの重心から、上部ボデーを通して遠方の外部を見て、外部の状況・景色をほとんど歪なく見ることができる場合を〇、視認性に支障をきたす歪が観察される場合を×と評価した。目視観察は、大人5名で行い過半数以上の評価を採用したが、各成形体における評価のバラつきはほとんどみられなかった。
Figure 0006431362
実施例1〜8の結果からわかるように、本発明の自動車車体の上部ボデーは、運転者が下方近傍を直接確認でき、さらに、搭乗者が外部の状況・景色をほとんど歪なく見ることができるという視認性に優れるという優れた効果を奏する。
本発明の自動車車体の上部ボデーは、
1)先端部頂点側及び後端部頂点側の終端部で、上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されていること、
2)上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であること、及び
3)ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下であること
を最大の特徴として備えるものであるが、上記特徴1)を備えない上部ボデーは、搭乗者が外部の状況・景色をほとんど歪なく見ることができるという視認性を確保することができない。
また、上記特徴2)及び3)のいずれも備えない比較例1及び比較例4の上部ボデーについては視認性が劣っている。
また、上記特徴2)は備えるが上記特徴3)を備えない比較例2〜3及び5〜6の上部ボデーは視認性が劣っていることから、上記2)の特徴を備えるだけでは十分に視認性が確保できず、上記特徴3)を併せて備えることが重要であるといえる。
なお、比較例2、比較例5の上部ボデーは、曲率[1/曲率半径(mm)]が1.4×10-2である2本の屈曲線の部分において透視歪量が大きくなっているが、実施例3、実施例8のように、この屈曲線の部分の厚さを薄くすることにより、透視歪量を低減し、上記特徴2)及び3)を満足するようにできる。屈曲線の部分におけるA×B2の値は、比較例2、比較例5では1.18×10-3[6(mm)×(1.4×10-22]であり、実施例3、実施例8では0.98×10-3[5(mm)×(1.4×10-22]である。
本発明に係る自動車車体の上部ボデーは、軽量で、製造が簡単で、搭乗者が周囲の状況・景色を全面的に歪みなく見通すことができ、必要とされる剛性を備えたものであり、特に、超小型電気自動車等の超小型モビリティの自動車車体の上部ボデー車体に適したものである。
1:下部ボデー
1−1:底面
1−2:フランジ部
1−3:凸条部
1−4:サイドシル形状部
2:上部ボデー
2−1:前アッパーボデー
2−2:後アッパーボデー
2−3:ルーフ
3:フロア
4:枠部材
4−1:シートベルトショルダーアンカー
4−2:転落防止用部材
4−3:雨よけドア
5:前サスペンションサブフレーム
6:後サスペンションサブフレーム
7,7’:上部ボデー(ルーフ)の稜線部
8:乗降口を形成する開口部
9:バッテリー等の自動車部品

Claims (11)

  1. 上部ボデー、下部ボデーを接着および/または締結することにより形成される自動車車体の上部ボデーであって、
    前記上部ボデーは、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成されており、
    前記上部ボデーは、卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしており、
    前記上部ボデーの上曲面は、前記2つの頂点を含む地面に垂直な断面において、前記上曲面への接線が水平となる上部頂点から、前記先端部頂点及び前記後端部頂点に向けて、前記上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、前記先端部頂点側及び前記後端部頂点側の終端部で、前記上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、
    前記上部ボデーは、前記上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であり、また、ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下である、
    ことを特徴とする自動車車体の上部ボデー。
  2. 上部ボデー、下部ボデーを接着および/または締結することにより形成される自動車車体の上部ボデーであって、
    前記上部ボデーは、透明な熱可塑性樹脂組成物により形成されており、
    前記上部ボデーは、卵の細く窄んだ先端部を車体前方側、卵の太く膨らんだ後端部を車体後方側とし、卵の先端部頂点と後端部頂点とを結ぶ直線を地面と略平行とし、地面側から下部の略1/3〜1/2を切り取ったような、略卵型上半部の形状をしており、
    前記上部ボデーの上曲面は、前記2つの頂点を含む地面に垂直な断面において、前記上曲面への接線が水平となる上部頂点から、前記先端部頂点及び前記後端部頂点に向けて、前記上曲面への接線が水平面となす角度が連続的に増加し、前記先端部頂点側及び前記後端部頂点側の終端部で、前記上曲面への接線が水平面となす角度が85〜125°となるように形成されており、
    前記上部ボデーには、前記先端部頂点、前記上部頂点及び前記後端部頂点を結ぶ最短の曲線に対して左右対称で、前記最短の曲線に略平行な2本の稜線部が設けられており、
    前記上部ボデーの前記2本の稜線部から5cm以内の部分を除く部分は、前記上部ボデーの重心から見た透視歪量の平均値が1.0分以下であり、また、ある部分とその部分と5cm隔てて隣接する部分との透視歪量の差が、重心を含む地面に平行な面より上の部分において1.5分以下である、
    ことを特徴とする自動車車体の上部ボデー。
  3. 前記2本の稜線部から5cm以内の部分が、上部ボデーの側面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の自動車車体の上部ボデー。
  4. 側面に搭乗するための開口部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
  5. 前記上部ボデーの法線方向の厚み(mm)Aと、曲率[1/曲率半径(mm)]Bとが次の式(I)を満足する(ただし、稜線部を有する場合は、稜線部から5cm以内の部分を除く)ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
    A×B≦1.07×10−3 (I)
  6. 前記先端部頂点及び前記後端部頂点における曲率が、それぞれ、6.7×10−4〜1.1×10−3の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
  7. 前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
  8. 前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、イソソルビドからなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂組成物であることを特徴とする請求項7に記載の自動車車体の上部ボデー。
  9. 前記透明な熱可塑性樹脂組成物が、紫外線吸収剤、赤外線遮蔽材および/または赤外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
  10. 前記上部ボデーに、ハードコート層が積層されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
  11. 前記上部ボデーに、着色層が積層されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の自動車車体の上部ボデー。
JP2014261279A 2014-12-24 2014-12-24 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー Expired - Fee Related JP6431362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014261279A JP6431362B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014261279A JP6431362B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016120802A JP2016120802A (ja) 2016-07-07
JP6431362B2 true JP6431362B2 (ja) 2018-11-28

Family

ID=56327028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014261279A Expired - Fee Related JP6431362B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6431362B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6915458B2 (ja) * 2017-08-30 2021-08-04 トヨタ自動車株式会社 超小型モビリティの外気導入構造
JP7235472B2 (ja) * 2017-10-24 2023-03-08 旭化成株式会社 メタクリル系樹脂組成物、成形体

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5940980A (ja) * 1982-08-31 1984-03-06 Yamaha Motor Co Ltd 車体
JPS6061237A (ja) * 1983-09-14 1985-04-09 Yamaha Motor Co Ltd 合成樹脂製車体の製造方法
JPS61166776A (ja) * 1985-01-18 1986-07-28 Honda Motor Co Ltd 小型車両の車体
JPH06156314A (ja) * 1992-11-19 1994-06-03 Toray Ind Inc 2人乗り自動車
JP2002128909A (ja) * 2000-10-25 2002-05-09 Teijin Chem Ltd 樹脂製窓製品
JP3108250U (ja) * 2004-10-15 2005-04-14 鈴木 茂 自動車のボデー構造
US8690226B2 (en) * 2010-09-21 2014-04-08 Tata Technologies Pte Limited Cost-effective, lightweight, thermoplastic automotive body structure manufactured by single step roto-molding process
JP5623881B2 (ja) * 2010-11-25 2014-11-12 帝人株式会社 色調安定性に優れた耐候性樹脂グレージング
JP2014113907A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Kojima Press Industry Co Ltd 超小型モビリティ
WO2014203782A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 帝人株式会社 熱可塑性樹脂部材で形成されたモノコック構造の車体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016120802A (ja) 2016-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3012175B1 (en) Vehicle of monocoque construction formed from thermoplastic resin members
EP2632750B1 (de) Fugenlose heckklappe
EP2496464B1 (de) Kraftfahrzeug-frontend
EP2377703A1 (de) Türstrukturmodul
US6916545B2 (en) Resin composition, thermoplastic resin laminate, and production methods thereof
PL190583B1 (pl) Szyba zespolona i jej zastosowanie
JP6431362B2 (ja) 透明な熱可塑性樹脂組成物により形成された自動車車体の略卵型上部ボデー
KR101401715B1 (ko) 내후성 다층 제품 및 그의 제조방법
JP2021127286A (ja) 合わせガラス、車両
CN106432617B (zh) 用于制备轻质透明复合材料的组合物、制备复合材料的方法以及由此制备的复合材料
JP6799505B2 (ja) ピラーレスフロントウインドウ用樹脂基板
JP2003201114A (ja) 改質シリカ組成物、透明樹脂組成物、およびこれらを用いた熱可塑性樹脂積層体、自動車用部品、それらの製造方法
JP3862075B2 (ja) 樹脂組成物、それを用いた積層体、自動車用部品およびそれらの製造方法
CN101039819A (zh) 框架嵌板
GB2419330A (en) Structural element for a vehicle
JP2004292698A (ja) 樹脂組成物、充填材及び樹脂組成物の製造方法
US20140087144A1 (en) Resin molded product
JP3991939B2 (ja) 自動車用窓材
EP3519217B1 (de) Kraftfahrzeug, aufweisend zwei a-säulen und eine frontscheibe
KR20250154173A (ko) 차량용 투명 에이필러
JP2005015519A (ja) 樹脂組成物とその製造方法
KR200299074Y1 (ko) 자동차용 햇빛가리개
KR200405123Y1 (ko) 전면유리상단몰딩 성에제거장치
KR101002502B1 (ko) 차종의 구분없이 장착가능한 자동차용 썬바이저
JPS61150875A (ja) 乗客の視界を改良した乗合自動車

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170830

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6431362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees