実施形態は、本発明を限定するように意図されていない例示的な実施形態に関して説明される。本開示では、条件および/または構造が特定されていない場合、当業者は、日常の実験の事項として、本開示を考慮してこのような条件および/または構造を容易に提供することができる。
発色団化合物は、ルミネセンス色素または蛍光色素と時に呼ばれ、特定の波長または波長範囲の光子を吸収し、異なる波長または波長範囲で光子を再放出する化合物である。フィルム媒体中に使用される発色団は、太陽電池および光起電力デバイスの性能を大いに増強することができる。しかし、このようなデバイスは、長時間、例えば、20年を超える年数にわたって極端な環境条件に曝露されることが多い。したがって、長時間にわたって発色団の安定性を維持することは、重要である。
有機発色団の使用は、無機発色団とは対照的に、有機材料が典型的には、より安価で、より使用し易く、これらをより良好な経済的な選択肢にする点で魅力的である。しかし、有機ルミネセンス色素の乏しい光安定性が、これらの開発を阻害してきた。さらに、文献の多くは、フォトルミネセンス有機媒体を使用することに対して注意しており、理由は、これらの材料の安定性が不十分であるためである。例えば、米国特許出願公開第2010号/0012183号を参照。したがって、安定な有機発色団について未だ対処されていないニーズが存在する。複数の有機発色団化合物を含む高度に光安定な波長変換層が本明細書に提供される。
一部の実施形態は、ポリマーマトリックス、第1の波長を有する光子を吸収するように構成された第1の有機発色団、および第2の波長を有する光子を吸収するように構成された第2の有機発色団を含む波長変換フィルムを提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載の発色団は、改善された光安定性を有する。複数の発色団化合物を含む波長変換フィルムは、様々な用途において有用である。
発色団は、アップコンバージョンのものであっても、ダウンコンバージョンのものであってもよい。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、高エネルギー(短波長)の光子をより低いエネルギー(長波長)に変換する発色団を意味するダウンシフト発色団である少なくとも2種の発色団を含む。一部の実施形態では、ダウンシフト発色団は、独立して、米国特許出願第13/626,679号および同第13/978,370号、ならびに米国仮特許出願61/430,053号、同第61/485,093号、および同第61/539,392号に記載されているように、ペリレン、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾールの誘導体、またはこれらの組合せであり得、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第61/749,225号に記載されているように、ベンゾ複素環系である少なくとも1種の発色団を含む。
一部の実施形態では、一般式I、II−a、II−b、III−a、III−b、IV−a、IV−b、V−a、V−b、VI、VII−a、VII−b、VIII、IX−a、IX−b、X−a、およびX−bによって表される波長変換発色団は、波長変換フィルムを含めた様々な用途における蛍光色素として有用である。式に示したように、色素は、一部の実施形態では、ベンゾ複素環系を含む。一部の実施形態では、ベンゾトリアゾール誘導体色素を使用することができる。一部の実施形態では、ベンゾチアジアゾール誘導体色素を使用することができる。一部の実施形態では、ペリレン誘導体色素が使用され得る。使用され得る化合物のタイプについての追加の詳細および例を、本発明の範囲を限定することなく、以下に記載する。
本明細書において、「ベンゾトリアゾール型構造」は、以下の構造モチーフを含む:
本明細書において、「ベンゾチアジアゾール型構造」は、以下の構造モチーフを含む:
本明細書において、「電子供与基」は、2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系の電子密度を増大させる任意の基として定義される。
「電子供与体リンカー」は、2つの2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系を連結してこれらのπ軌道の共役をもたらすことができる任意の基として定義され、これはまた、これらが接続されている2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールの電子密度を増大させ、またはその電子密度に対して中性の効果を有することができる。
「電子受容体基」は、2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系の電子密度を減少させる任意の基として定義される。2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位における電子受容体基の配置。
用語「アルキル」は、分岐または直鎖の完全飽和非環式脂肪族炭化水素基(すなわち、二重結合または三重結合を含有しない炭素および水素から構成される)を指す。アルキルとしては、それだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、3級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがある。
本明細書で使用する用語「ヘテロアルキル」は、1種または複数のヘテロ原子を含むアルキル基を指す。2個以上のヘテロ原子が存在する場合、これらは、同じであっても、異なっていてもよい。
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、3〜25個の炭素原子を有する飽和脂肪族環系ラジカルを指し、これとしては、それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがある。
本明細書で使用する用語「ポリシクロアルキル」は、複数のシクロアルキル環系を有する飽和脂肪族環系ラジカルを指す。
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素二重結合を含有する2〜25個の炭素原子の一価の直鎖または分岐鎖ラジカルを指し、これとしては、それだけに限らないが、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどがある。
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、炭素三重結合を含有する2〜25個の炭素原子の一価の直鎖または分岐鎖ラジカルを指し、これとしては、それだけに限らないが、1−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルなどがある。
本明細書で使用する用語「アリール」は、1つの環であっても、複数の縮合環であっても、同素環式芳香族ラジカルを指す。アリール基の例としては、それだけに限らないが、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ナフタセニル、フルオレニル、ピレニルなどがある。さらなる例としては:
がある。
本明細書で使用する用語「アルカリール」または「アルキルアリール」は、アルキル置換アリールラジカルを指す。アルカリールの例としては、それだけに限らないが、エチルフェニル、9,9−ジヘキシル−9H−フルオレンなどがある。
本明細書で使用する用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール置換アルキルラジカルを指す。アラルキルの例としては、それだけに限らないが、フェニルプロピル、フェニルエチルなどがある。
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、1つの環であっても、複数の縮合環であっても、1個または複数のヘテロ原子を含む芳香族基を指す。2個以上のヘテロ原子が存在する場合、これらは、同じであっても、異なっていてもよい。縮合環系では、1個または複数のヘテロ原子は、環のうちの1つだけに存在し得る。ヘテロアリール基の例としては、それだけに限らないが、ベンゾチアジル、ベンゾオキサジル(benzoxazyl)、キナゾリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリル、チアジルなどがある。置換および非置換ヘテロアリール環のさらなる例としては:
がある。
本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、−−O−−連結によって親分子に共有結合的に結合した直鎖または分岐鎖アルキルラジカルを指す。アルコキシ基の例としては、それだけに限らないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなどがある。
本明細書で使用する用語「ヘテロ原子」は、C(炭素)またはH(水素)でない任意の原子を指す。ヘテロ原子の例としては、S(硫黄)、N(窒素)、およびO(酸素)がある。
本明細書で使用する用語「環状アミノ」は、環状部分中の2級または3級アミンを指す。環状アミノ基の例としては、それだけに限らないが、アジリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペリジニルなどがある。
本明細書で使用する用語「環状イミド」は、2個のカルボニル炭素が炭素鎖によって接続されているラジカル中のイミドを指す。環状イミド基の例としては、それだけに限らないが、1,8−ナフタルイミド、ピロリジン−2,5−ジオン、1H−ピロール−2,5−ジオンなどがある。
本明細書で使用する用語「アルコール」は、ラジカル−OHを指す。
本明細書で使用する用語「アシル」は、ラジカル−C(=O)Rを指す。
本明細書で使用する用語「アリールオキシ」は、−−O−−連結によって親分子に共有結合的に結合したアリールラジカルを指す。
本明細書で使用する用語「アシルオキシ」は、ラジカル−O−C(=O)Rを指す。
本明細書で使用する用語「カルバモイル」は、ラジカル−C(=O)NH2を指す。
本明細書で使用する用語「カルボニル」は、官能基C=Oを指す。
本明細書で使用する用語「カルボキシ」は、ラジカル−COORを指す。
本明細書で使用する用語「エステル」は、官能基RC(=O)OR’を指す。
本明細書で使用する用語「アミド」は、ラジカル−C(=O)NR’R”を指す。
本明細書で使用する用語「アミノ」は、ラジカル−NR’R”を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロアミノ(heteroamino)」は、ラジカル−NR’R”を指し、式中、R’および/またはR”は、ヘテロ原子を含む。
本明細書で使用する用語「複素環アミノ」は、基がヘテロ原子をさらに含む環状部分中の2級または3級アミンを指す。
本明細書で使用する用語「シクロアミド(cycloamido)」は、R’およびR”が炭素鎖によって接続されている−C(=O)NR’R”のアミドラジカルを指す。
本明細書で使用する用語「スルホン」は、−S(=O)2Rのスルホニルラジカルを指す。
本明細書で使用する用語「スルホンアミド」は、アミン基に接続されたスルホニル基を指し、そのラジカルは、−S(=O)2−NR’R”である。
本明細書において、置換基は、1個または複数の水素原子が別の原子または基と交換されている非置換の親構造に由来する。置換されているとき、置換基は、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、C2〜C25アルキニル、C3〜C25シクロアルキル(ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコール、カルボキシル、ハロアルキル、CN、OH、−SO2−アルキル、−CF3、および−OCF3からなる群から選択される部分で任意選択で置換された)、ジェミナルに付着したシクロアルキル、C1〜C25ヘテロアルキル、C3〜C25ヘテロシクロアルキル(例えば、テトラヒドロフリル)(ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコール、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3、および−OCF3からなる群から選択される部分で任意選択で置換された)、アリール(ハロ、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコール、アリールオキシ、カルボキシル、アミノ、イミド、アミド(カルバモイル)、任意選択で置換された環状イミド、環状アミド(cylic amido)、CN、−NH−C(=O)−アルキル、−CF3,−OCF3、およびC1〜C25アルキルで任意選択で置換されたアリールからなる群から選択される部分で任意選択で置換された)、アリールアルキル(ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコール、アリール、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3、および−OCF3からなる群から選択される部分で任意選択で置換された)、ヘテロアリール(ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコール、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3、および−OCF3からなる群から選択される部分で任意選択で置換された)、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロ)、シアノ、ヒドロキシ、任意選択で置換された環状イミド、アミノ、イミド、アミド、−CF3、C1〜C25アルコキシ(ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、カルボキシル、CN、OH、−SO2−アルキル、−CF3、および−OCF3で任意選択で置換された)、アリールオキシ、アシルオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、モノ−およびジ−(C1〜C6)アルキルアミノ、四級アンモニウム塩、アミノ(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ、アミノ(C1〜C6)アルキルチオ、シアノアミノ、ニトロ、カルバモイル、ケト(オキシ)、カルボニル、カルボキシ、アシル、グリコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、スルファミル、スルホニル、スルフィニル、チオカルボニル、チオカルボキシ、スルホンアミド、エステル、C−アミド、N−アミド、N−カルバメート、O−カルバメート、尿素、ならびにこれらの組合せから個々にかつ独立して選択される1個または複数の基である。置換基が「任意選択で置換された」と記載されているときはいつでも、その置換基は、上記置換基で置換され得る。
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団の少なくとも1種は、以下の一般式(I):
で表される色素であり、式中、R
1、R
2、およびR
3は、アルキル、置換アルキル、またはアリールを含む。一部の実施形態では、R
1、R
2、およびR
3は、C
1〜10アルキル、C
1〜25置換アルキル、またはC
1〜25アリールである。一般式(I)の例示的な化合物としては、以下のものがある:
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団の少なくとも1種は、式(II−a)または(II−b):
によって表され、式中、R
3は、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、および任意選択で置換されたカルボキシ、任意選択で置換されたカルボニル、任意選択で置換されたエーテル、任意選択で置換されたケトン、任意選択で置換されたスルホン、および任意選択で置換されたスルホンアミドからなる群から選択され;またはR
3は、任意選択で置換された多環式環系であり、各環は、独立して、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、もしくはヘテロアリールであり;R
4、R
5、およびR
6は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールアルキル、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、および任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニル、任意選択で置換されたエーテル、任意選択で置換されたケトン、任意選択で置換されたスルホン、および任意選択で置換されたスルホンアミドからなる群から選択され;またはR
4とR
5、R
4とR
6、R
5とR
6、もしくはR
4とR
5とR
6は、一緒に、任意選択で置換された環もしくは任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立して、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、もしくはヘテロアリールであり;Lは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアルキレン、および任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、式II−aおよび式II−b中のR3は、C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキルからなる群から選択され;R3は、以下の置換基のいずれかの1個または複数で任意選択で置換され得る:C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、CmH2m+1Oエーテル、CmH2m+1COケトン、CmH2m+1CO2カルボン酸エステル、CmH2m+1OCOカルボン酸エステル、ArOアリールオキシ、ArCOアリールケトン、アリールカルボン酸のArCO2エステル、フェノールのArOCOカルボン酸エステル、(CmH2m+1)(CpH2p+1)Nアミン、c−(CH2)sNアミン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NCOアミド、c−(CH2)sNCOアミド、CmH2m+1CON(CpH2p+1)アミド、CN、CmH2m+1SO2スルホン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NSO2スルホンアミド、CmH2m+1SO2N(CpH2p+1)スルホンアミド、またはc−(CH2)sNSO2スルホンアミド(式中、mは、1〜20の範囲内の整数であり、pは、1〜20の範囲内の整数であり、sは、2〜6の範囲内の整数であり、Arは、任意の芳香族またはヘテロ芳香族環である)。式II−aおよび式II−b中のR4、R5、およびR6は、独立して、C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、CO2CmH2m+1カルボン酸エステル、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NCOアミド、c−(CH2)sNCOアミド、COCmH2m+1ケトン、COAr、SO2CmH2m+1スルホン、SO2Arスルホン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)SO2スルホンアミド、c−(CH2)sSO2スルホンアミドからなる群から選択され;R4、R5、およびR6は、独立して、以下の置換基のいずれかの1個または複数で任意選択で置換されている:C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、CmH2m+1Oエーテル、CmH2m+1COケトン、CmH2m+1CO2カルボン酸エステル、CmH2m+1OCOカルボン酸エステル、ArOアリールオキシ、ArCOアリールケトン、アリールカルボン酸のArCO2エステル、フェノールのArOCOカルボン酸エステル、(CmH2m+1)(CpH2p+1)Nアミン、c−(CH2)sNアミン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NCOアミド、c−(CH2)sNCOアミド、CmH2m+1CON(CpH2p+1)アミド、CmH2m+1SO2スルホン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NSO2スルホンアミド、CmH2m+1SO2N(CpH2p+1)スルホンアミド、またはc−(CH2)sNSO2スルホンアミド(式中、mは、1〜20の範囲内の整数であり、pは、1〜20の範囲内の整数であり、sは、2〜6の範囲内の整数であり、Arは、任意の芳香族またはヘテロ芳香族環である)。式II−b中のLは、C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニルからなる群から選択され;Lは、以下の置換基のいずれかの1個または複数で任意選択で置換され得る:C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、CmH2m+1Oエーテル、CmH2m+1COケトン、CmH2m+1CO2カルボン酸エステル、CmH2m+1OCOカルボン酸エステル、ArOアリールオキシ、ArCOアリールケトン、アリールカルボン酸のArCO2エステル、フェノールのArOCOカルボン酸エステル、(CmH2m+1)(CpH2p+1)Nアミン、c−(CH2)sNアミン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NCOアミド、c−(CH2)sNCOアミド、CmH2m+1CON(CpH2p+1)アミド、CN、CmH2m+1SO2スルホン、(CmH2m+1)(CpH2p+1)NSO2スルホンアミド、CmH2m+1SO2N(CpH2p+1)スルホンアミド、またはc−(CH2)sNSO2スルホンアミド(式中、mは、1〜20の範囲内の整数であり、pは、1〜20の範囲内の整数であり、sは、2〜6の範囲内の整数であり、Arは、任意の芳香族またはヘテロ芳香族環である)。
一部の実施形態では、式II−aおよび式II−b中のR3は、C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、C5〜25ポリシクロアルキル、C1〜25ヘテロシクロアルキル、C1〜25アリールアルキルからなる群から選択され;R4、R5、およびR6は、独立して、以下の置換基のいずれかの1個または複数で任意選択で置換されている:C1〜25アルキル、C1〜25ヘテロアルキル、C2〜25アルケニル、C3〜25シクロアルキル、C1〜25アリール、およびC1〜25ヘテロアリール。
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団は、
からなる群から選択される。
(式III−aおよびIII−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(III−a)または(III−b):
によって表され、式中、D
1およびD
2は、電子供与基であり、L
iは、電子供与体リンカーであり、A
0およびA
iは、電子受容体基である。一部の実施形態では、1つを超える電子供与基が存在する場合、他の電子供与基は、別の電子供与体、水素原子、または別の中性置換基によって占有されていてもよい。一部の実施形態では、D
1、D
2、およびL
iの少なくとも1つは、それが付着している2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系の電子密度を増大させる基である。
式III−aおよびIII−bにおいて、iは、0〜100の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0〜50、0〜30、0〜10、0〜5、または0〜3の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
式III−aおよびIII−bにおいて、A0およびAiは、それぞれ独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、および任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択される。
一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ独立して、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたC1〜8アルキル、および任意選択で置換されたC1〜8アルケニルからなる群から選択され;任意選択で置換されたヘテロアリールの置換基は、アルキル、アリール、およびハロゲンからなる群から選択され;任意選択で置換されたアリールの置換基(substitutent)は、=NR7−C(=O)R8または任意選択で置換された環状イミドであり、式中、R7は、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルカリールからなる群から選択され;R8は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、ケトン、およびエステルからなる群から選択され;またはR7およびR8は、一緒に接続されて環を形成してもよい。
一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ独立して、−NR7−C(=O)R8および任意選択で置換された環状イミドからなる群から選択される部分で置換されたフェニルであり、式中、R7およびR8は、上述した通りである。
一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ、任意選択で置換されたヘテロアリールまたは任意選択で置換された環状イミドであり、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換された環状イミドの置換基は、アルキル、アリール、およびハロゲンからなる群から選択される。一部の実施形態では、A0およびAiの少なくとも1つは、任意選択で置換されたピリジニル、任意選択で置換されたピリダジニル、任意選択で置換されたピリミジニル、任意選択で置換されたピラジニル、任意選択で置換されたトリアジニル、任意選択で置換されたキノリニル、任意選択で置換されたイソキノリニル、任意選択で置換されたキナゾリニル、任意選択で置換されたフタラジニル、任意選択で置換されたキノキサリニル、任意選択で置換されたナフチリジニル、および任意選択で置換されたプリニルからなる群から選択される。
他の実施形態では、A
0およびA
iは、それぞれ、任意選択で置換されたアルキルである。他の実施形態では、A
0およびA
iは、それぞれ、任意選択で置換されたアルケニルである。一部の実施形態では、A
0およびA
iの少なくとも1つは、
からなる群から選択され、式中、Rは、任意選択で置換されたアルキルである。
式III−aおよびIII−bにおいて、A
2は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、ケトン、エステル、および
からなる群から選択され;式中、Arは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールである。R
7は、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルカリールからなる群から選択され;R
8は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、ケトン、およびエステルからなる群から選択され;またはR
7およびR
8は、一緒に接続されて環を形成してもよい。
一部の実施形態では、A
2は、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、および
からなる群から選択され、式中、Ar、R
7、およびR
8は、上述した通りである。
式III−aおよびIII−bにおいて、D1およびD2は、それぞれ独立して、水素、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、アミド、環状アミド、および環状イミドからなる群から選択され、ただしD1およびD2は、両方が水素ではない。
一部の実施形態では、D1およびD2は、それぞれ独立して、水素、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、およびアミノからなる群から選択され、ただしD1およびD2は、両方が水素ではない。一部の実施形態では、D1およびD2は、それぞれ独立して、水素、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、およびジフェニルアミノからなる群から選択され、ただしD1およびD2は、両方が水素ではない。
一部の実施形態では、D1およびD2は、それぞれ独立して、任意選択で置換されたアリールである。一部の実施形態では、D1およびD2は、それぞれ独立して、アルコキシまたはアミノによって任意選択で置換されたフェニルである。他の実施形態では、D1およびD2は、それぞれ独立して、水素、任意選択で置換されたベンゾフラニル、任意選択で置換されたチオフェニル、任意選択で置換されたフラニル、ジヒドロチエノジオキシニル、任意選択で置換されたベンゾチオフェニル、および任意選択で置換されたジベンゾチオフェニルから選択され、ただしD1およびD2は、両方が水素ではない。
一部の実施形態では、任意選択で置換されたアリールおよび任意選択で置換されたヘテロアリールの置換基は、アルコキシ、アリールオキシ、アリール、ヘテロアリール、およびアミノからなる群から選択され得る。
式III−aおよびIII−bにおいて、Liは、独立して、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。一部の実施形態では、Liは、任意選択で置換されたヘテロアリーレンおよび任意選択で置換されたアリーレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、Liの少なくとも1つは、1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、またはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルボゾール−3,6−ジイル、9H−カルボゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイル、および10H−フェノチアジン−2,8−ジイルからなる群から選択され、各部分は、任意選択で置換されている。
(式IV−aおよびIV−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(IV−a)または(IV−b):
によって表され、式中、iは、0〜100の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0〜50、0〜30、0〜10、0〜5、または0〜3の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
式IV−aおよびIV−bにおいて、Arは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールである。一部の実施形態では、2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位においてアミドまたは環状イミド基で置換されたアリールは、予想外の、かつ改善された利点をもたらす。
式IV−aおよびIV−bにおいて、R
9は、
または任意選択で置換された環状イミドであり;R
7は、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルカリールからなる群から選択され;R
10は、それぞれ独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;またはR
7およびR
10は、一緒に接続されて環を形成してもよい。
一部の実施形態では、R
9は:
からなる群から選択される任意選択で置換された環状イミドであり、式中、R’は、それぞれ、任意選択で置換されたアルキルまたは任意選択で置換されたアリールであり;Xは、任意選択で置換されたヘテロアルキルである。
式IV−aおよびIV−bにおいて、R8は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
式IV−aおよびIV−bにおいて、D1およびD2は、それぞれ独立して、水素、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、アミド、環状アミド、および環状イミドからなる群から選択され、ただしD1およびD2は、両方が水素ではない。
式IV−aおよびIV−bにおいて、Liは、独立して、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、Liの少なくとも1つは、1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、またはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルボゾール−3,6−ジイル、9H−カルボゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイル、および10H−フェノチアジン−2,8−ジイルからなる群から選択され、各部分は、任意選択で置換されている。
(式V−aおよびV−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(V−a)または(V−b):
によって表される。C−4およびC−7位における置換フェニルとともに、2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位において式(V−a)および(V−b)中にアルキル基を配置すると、予想外の、かつ改善された利点がもたらされる。式V−aおよびV−bにおいて、iは、0〜100の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0〜50、0〜30、0〜10、0〜5、または0〜3の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
式V−aおよびV−bにおいて、A0およびAiは、それぞれ独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボニル(cabonyl)、および任意選択で置換されたカルボキシからなる群から選択される。
一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ独立して、非置換アルキル、または−NRR”、−OR、−COOR、−COR、−CONHR、−CONRR”、ハロ、および−CNからなる群から選択される部分によって置換されたアルキルであり;式中、Rは、C1〜C20アルキルであり、R”は、水素またはC1〜C20アルキルである。一部の実施形態では、任意選択で置換されたアルキルは、任意選択で置換されたC1〜C40アルキルであり得る。一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ独立して、C1〜C40アルキルまたはC1〜C20ハロアルキルである。
一部の実施形態では、A0およびAiは、それぞれ独立して、C1〜C20ハロアルキル、C1〜C40アリールアルキル、またはC1〜C20アルケニルである。
式V−aおよびV−bにおいて、各R11は、独立して、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、およびアミノからなる群から選択される。一部の実施形態では、各R11は、独立して、任意選択で置換されたC1〜C20アルコキシ、任意選択で置換されたC1〜C20アリールオキシ、任意選択で置換されたC1〜C20アシルオキシ、およびC1〜C20アミノからなる群から選択される。一部の実施形態では、R11は、オルトおよび/またはパラ位でフェニル環に付着することができる。一部の実施形態では、R11は、式OCnH2n+1によって表されるアルコキシであり得、式中、n=1〜40である。一部の実施形態では、R11は、以下の式:ArOまたはO−CR−OArによって表されるアリールオキシであり得、式中、Rは、アルキル、置換アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、Arは、任意の置換または非置換アリール、または置換または非置換ヘテロアリールである。一部の実施形態では、R11は、式OCOCnH2n+1によって表されるアシルオキシであり得、式中、n=1〜40である。
式V−aおよびV−bにおいて、A
2は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、ケトン、エステル、および
からなる群から選択され;式中、Arは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、R
7は、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、およびアルカリールからなる群から選択され;R
8は、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、ケトン、およびエステルからなる群から選択され;またはR
7およびR
8は、一緒に接続されて環を形成してもよい。一部の実施形態では、R
7は、H、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20アルケニル、C
1〜C
20アリール、C
1〜C
20ヘテロアリール、C
1〜C
20アラルキル、およびC
1〜C
20アルカリールからなる群から選択され;R
8は、任意選択で置換されたC
1〜C
20アルキレン、任意選択で置換されたC
1〜C
20アルケニレン、任意選択で置換されたC
1〜C
20アリーレン、任意選択で置換されたC
1〜C
20ヘテロアリーレン、ケトン、およびエステルからなる群から選択される。
式V−aおよびV−bにおいて、Liは、独立して、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、Liの少なくとも1つは、1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、またはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルボゾール−3,6−ジイル、9H−カルボゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイル、および10H−フェノチアジン−2,8−ジイルからなる群から選択され、各部分は、任意選択で置換されている。
(式VI)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(VI):
によって表され、式中、iは、0〜100の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0〜50、0〜30、0〜10、0〜5、または0〜3の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
式VIにおいて、ZおよびZiは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−Se−、−Te−、−NR6−、−CR6=CR6−、および−CR6=N−からなる群から選択され、式中、R6は、水素、任意選択で置換されたC1〜C6アルキル、または任意選択で置換されたC1〜C10アリールである。
式VIにおいて、D1およびD2は、独立して、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、アミド、環状アミド、および環状イミドからなる群から選択され;jは、0、1、または2であり、kは、0、1、または2である。一部の実施形態では、−C(=O)Y1および−C(=O)Y2基は、D1およびD2の任意選択で置換された部分の置換基に付着することができる。
式VIにおいて、Y1およびY2は、独立して、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、および任意選択で置換されたアミノからなる群から選択される。
式VIにおいて、Liは、独立して、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、Liの少なくとも1つは、1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、またはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルボゾール−3,6−ジイル、9H−カルボゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイル、および10H−フェノチアジン−2,8−ジイルからなる群から選択され、各部分は、任意選択で置換されている。
上記式のいずれかにおけるL
iに関しては、電子リンカーは、共役電子系を表し、これは、中性であり得、または電子供与体自体として機能を果たし得る。一部の実施形態では、いくつかの例が以下に提供されており、これらは、追加の付着した置換基を含有してもよく、または含有しなくてもよい。
(式VII−aおよびVII−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(VII−a)または(VII−b):
によって表され、式(VII−a)中のR
13およびR
14は、それぞれ独立して、水素、C
1〜C
10アルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、C
1〜C
10アルコキシ、C
6〜C
18アリール、およびC
6〜C
20アラルキルからなる群から選択され;式(VII−a)中のmおよびnは、それぞれ独立して、1〜5の範囲内であり;式(VII−b)中のR
15およびR
16は、それぞれ独立して、C
6〜C
18アリールおよびC
6〜C
20アラルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、式(VII−b)のシアノ基の1つがペリレン環の4位に存在する場合、他のシアノ基は、ペリレン環の10位に存在しない。一部の実施形態では、式(VII−b)のシアノ基の1つがペリレン環の10位に存在する場合、他のシアノ基は、ペリレン環の4位に存在しない。
一部の実施形態では、R13およびR14は、独立して、水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルコキシアルキル、およびC6〜C18アリールからなる群から選択される。一部の実施形態では、R13およびR14は、それぞれ独立して、イソプロピル、イソブチル、イソヘキシル、イソオクチル、2−エチル−ヘキシル、ジフェニルメチル、トリチル、およびジフェニルからなる群から選択される。一部の実施形態では、R15およびR16は、独立して、ジフェニルメチル、トリチル、およびジフェニルからなる群から選択される。一部の実施形態では、式(VII−a)中の各mおよびnは、独立して、1〜4の範囲内である。
一般式(VII−a)または一般式(VII−b)によって表されるペリレンジエステル誘導体は、公知の方法、例えば、国際公開第WO2012/094409号に記載されたものなどによって作製することができる。この文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
(式VIII)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(VIII):
によって表され、式中、Hetは、
からなる群から選択され、iは、0、または1〜100の範囲内の整数であり、Xは、−N(A
0)−、−O−、S−、−Se−、および−Teからなる群から選択され、Zは、−N(R
a)−、−O−、S−、−Se−、および−Te−からなる群から選択される。
式VIII中の各A0は、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアシル、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択される。
式VIIIの各Ra、Rb、およびRcは、独立して,水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル(cylcoalkyl)、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択され;またはRaとRb、もしくはRbとRc、もしくはRaとRcは、一緒に、任意選択で置換された環または任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立してシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。
一部の実施形態では、式VIIIの各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、任意選択で置換されたC
1〜8アルキル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、および任意選択で置換されたC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択される。一部の実施形態では、式VIIIの各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールは、それぞれ、任意選択で置換されたC
3〜10シクロアルキル、任意選択で置換されたC
1〜8アルコキシ、ハロ、シアノ、カルボキシル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、任意選択で置換されたC
6〜10アリールオキシ、
によって任意選択で置換されていてもよい。一部の実施形態では、R
aとR
b、またはR
bとR
c、またはR
aとR
cは、一緒に、
からなる群から選択される任意選択で置換された環系を形成する。
D1およびD2は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、アミド、環状アミド、および環状イミド、−アリール−NR’R”、−アリール−アリール−NR’R”、および−ヘテロアリール−ヘテロアリール−R’からなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアリールからなる群から選択され;ただし、D1およびD2は、両方が水素ではなく、D1およびD2は、任意選択で置換されたチオフェンまたは任意選択で置換されたフランでない。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、式中、D1およびD2は、それぞれ独立して、アルコキシアリール、−アリール−NR’R”および−アリール−アリール−NR’R”からなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、アルキルおよびアルキル、アルコキシ、もしくは−C(=O)Rによって任意選択で置換されたアリールからなる群から選択され;Rは、任意選択で置換されたアリールもしくは任意選択で置換されたアルキルであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、式VIIIの各D1およびD2は、独立して、C6〜10アリール、または任意選択で置換されたC6〜10アリールである。C6〜10アリール上の置換基は、−NR’R”、−C6〜10アリール−NR’R”、C1〜8アルキル、およびC1〜8アルコキシからなる群から選択することができ;式中、R’およびR”は、独立して、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C6〜10アリール、C6〜10アリール−C1〜8アルキル、C6〜10アリール−C1〜8アルコキシ、およびC6〜10アリール−C(=O)Rからなる群から選択され、Rは、任意選択で置換されたC1〜8アルキル、任意選択で置換されたC1〜8アルコキシ、もしくは任意選択で置換されたC6〜10アリールであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
式VIIIのLは、独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、アミノ、アミド、イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、アシル、カルボキシからなる群から選択され、ただし、Lは、任意選択で置換されたチオフェンまたは任意選択で置換されたフランでない。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、式中、Lは、独立して、ハロアルキル、アルキルアリール、アルキル置換ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアミノ、複素環アミノ、シクロアミド、シクロイミド(cycloimido)、アリールオキシ、アシルオキシ、アルキルアシル、アリールアシル、アルキルカルボキシ、アリールカルボキシ、任意選択で置換されたフェニル、および任意選択で置換されたナフチルからなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、ただし、Hetが:
であるとき、R
aおよびR
bは、両方が水素ではなく、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、ただし、Hetが
であるとき、R
aおよびR
bは、両方が水素ではない。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、式中、Hetは、
であり、Xは、−N(A
0)および−Se−からなる群から選択され、Zは、−N(R
a)−および−S−からなる群から選択され、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、式中、Hetは:
であり、Xは、−S−および−Se−からなる群から選択され、Zは、−S−であり、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式VIIIによって表され、式中、Hetは、
であり、D
1およびD
2は、ヒドロキシまたは
でなく、D
1およびD
2は、臭素を含まない。
式VIIIにおいて、iは、0、または1〜100の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、または1〜50、1〜30、1〜10、1〜5、もしくは1〜3の範囲内の整数である。一部の実施形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
(式IX−aおよびIX−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(IX−a)または(IX−b):
によって表され、式中、Het
2は:
からなる群から選択され、Zは、−N(R
a)−、−O−、−S−、−Se−、および−Te−からなる群から選択される。
式IX−aおよび式IX−b中のRa、Rb、およびRcのそれぞれは、独立して,水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択され;またはRaとRb、もしくはRbとRc、もしくはRaとRcは、一緒に、任意選択で置換された環または任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立してシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。
一部の実施形態では、各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、任意選択で置換されたC
1〜8アルキル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、および任意選択で置換されたC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択される。一部の実施形態では、式(IX−a)および式(IX−b)の各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールは、それぞれ、任意選択で置換されたC
3〜10シクロアルキル、任意選択で置換されたC
1〜8アルコキシ、ハロ、シアノ、カルボキシル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、任意選択で置換されたC
6〜10アリールオキシ、
によって任意選択で置換されていてもよい。一部の実施形態では、R
aとR
b、またはR
bとR
c、またはR
aとR
cは、一緒に、
からなる群から選択される任意選択で置換された環系を形成する。
式IX−aおよび式IX−b中のRdおよびReのそれぞれは、独立して,水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択され;またはRdとReは、一緒に、任意選択で置換された環または任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立してシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。
式IX−aおよび式IX−b中のD1、D2、D3、およびD4のそれぞれは、それぞれ独立して、C6〜10アリールまたは任意選択で置換されたC6〜10アリールである。C6〜10アリール上の置換基は、−NR’R”、−C6〜10アリール−NR’R”、C1〜8アルキル、およびC1〜8アルコキシからなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C6〜10アリール、C6〜10アリール−C1〜8アルキル、C6〜10アリール−C1〜8アルコキシ、およびC6〜10アリール−C(=O)Rからなる群から選択され、Rは、任意選択で置換されたC1〜8アルキル、任意選択で置換されたC1〜8アルコキシ、もしくは任意選択で置換されたC6〜10アリールであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、発色団は、式IX−aまたはIX−bによって表され、式中、D1およびD2は、それぞれ独立して、アルコキシアリール、−アリール−NR’R”および−アリール−アリール−NR’R”からなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、アルキルおよびアルキル、アルコキシ、もしくは−C(=O)Rによって任意選択で置換されたアリールからなる群から選択され;Rは、任意選択で置換されたアリールもしくは任意選択で置換されたアルキルであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、式IX−aおよび式IX−b中のD1、D2、D3、およびD4のそれぞれは、それぞれ独立して、C6〜10アリールまたは任意選択で置換されたC6〜10アリールである。C6〜10アリール上の置換基は、−NR’R”、−C6〜10アリール−NR’R”、C1〜8アルキル、およびC1〜8アルコキシからなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C6〜10アリール、C6〜10アリール−C1〜8アルキル、C6〜10アリール−C1〜8アルコキシ、およびC6〜10アリール−C(=O)Rからなる群から選択され、Rは、任意選択で置換されたC1〜8アルキル、任意選択で置換されたC1〜8アルコキシ、もしくは任意選択で置換されたC6〜10アリールであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、発色団は、式IX−aまたは式IX−bによって表され、式中、Het
2は、
であり、ただし、R
aおよびR
bは、両方が水素ではなく、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式IX−aまたは式IX−bによって表され、式中、Het
2は、
であり、ただし、R
aおよびR
bは、両方が水素ではない。
一部の実施形態では、発色団は、式IX−aまたは式IX−bによって表され、式中、Het
2は、
であり、ただし、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式IX−aまたはIX−bによって表され、式中、Het
2は、
であり、ただし、D
1およびD
2は、ヒドロキシまたは
でなく、D
1およびD
2は、臭素を含まない。
(式X−aおよびX−b)
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団または第2の有機光安定発色団の少なくとも1つは、式(X−a)または(X−b):
によって表され、式中、Het
3は:
からなる群から選択され、Xは、−N(A
0)−、−O−、−S−、−Se−、および−Te−からなる群から選択される。
式X−aおよび式X−bの各A0は、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアシル、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択される。一部の実施形態では、A0は、C1〜8アルキルである。
式X−aおよび式X−bの各Ra、Rb、およびRcは、独立して,水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択され;またはRaとRb、もしくはRbとRc、もしくはRaとRcは、一緒に、任意選択で置換された環または任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立してシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。
一部の実施形態では、各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、任意選択で置換されたC
1〜8アルキル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、および任意選択で置換されたC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択される。一部の実施形態では、式X−aおよび式X−bの各R
a、R
b、およびR
cは、独立して、水素、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、C
1〜8アルキル、C
6〜10アリール、およびC
6〜10ヘテロアリールは、それぞれ、任意選択で置換されたC
3〜10シクロアルキル、任意選択で置換されたC
1〜8アルコキシ、ハロ、シアノ、カルボキシル、任意選択で置換されたC
6〜10アリール、任意選択で置換されたC
6〜10アリールオキシ、
によって任意選択で置換されていてもよい。一部の実施形態では、R
aとR
b、またはR
bとR
c、またはR
aとR
cは、一緒に、
からなる群から選択される任意選択で置換された環系を形成する。
式X−aおよび式X−bの各RdおよびReは、独立して,水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたシクロアルケニル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルキル、任意選択で置換されたシクロヘテロアルケニル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアミド、任意選択で置換された環状アミド、任意選択で置換された環状イミド、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたカルボキシ、および任意選択で置換されたカルボニルからなる群から選択され;またはRdとReは、一緒に、任意選択で置換された環または任意選択で置換された多環式環系を形成し、各環は、独立してシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。
式X−aおよび式X−bの各D1、D2、D3、およびD4は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアシルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたアミノ、アミド、環状アミド、および環状イミド、−アリール−NR’R”、−アリール(ary)−アリール−NR’R”、および−ヘテロアリール−ヘテロアリール−R’からなる群から選択され、R’およびR”は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、および任意選択で置換されたアリールからなる群から選択され;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成し;ただし、D1およびD2は、両方が水素ではなく、D1およびD2は、任意選択で置換されたチオフェンまたは任意選択で置換されたフランでない。
一部の実施形態では、発色団は、式X−aおよび式X−bによって表され、式中、D1およびD2は、それぞれ独立して、アルコキシアリール、−アリール−NR’R”および−アリール−アリール−NR’R”からなる群から選択され、式中、R’およびR”は、独立して、アルキルおよびアルキル、アルコキシ、もしくは−C(=O)Rによって任意選択で置換されたアリールからなる群から選択され;Rは、任意選択で置換されたアリールもしくは任意選択で置換されたアルキルであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、式X−aおよび式X−b中のD1、D2、D3、およびD4のそれぞれは、それぞれ独立して、C6〜10アリール、または任意選択で置換されたC6〜10アリールである。C6〜10アリール上の置換基は、−NR’R”、−C6〜10アリール−NR’R”、C1〜8アルキル、およびC1〜8アルコキシからなる群から選択することができ、式中、R’およびR”は、独立して、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C6〜10アリール、C6〜10アリール−C1〜8アルキル、C6〜10アリール−C1〜8アルコキシ、およびC6〜10アリール−C(=O)Rからなる群から選択され、Rは、任意選択で置換されたC1〜8アルキル、任意選択で置換されたC1〜8アルコキシ、もしくは任意選択で置換されたC6〜10アリールであり;またはR’およびR”の一方もしくは両方は、Nが付着しているアリールと縮合複素環を形成する。
一部の実施形態では、発色団は、式X−aまたは式X−bによって表され、式中、Het
3は、
であり、ただし、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式X−aまたは式X−bによって表され、式中、Het
3は、
であり、ただし、D
1およびD
2は、独立して:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、発色団は、式(formual)X−aまたは式X−bによって表され、式中、Het
3は、
であり、ただし、D
1およびD
2は、ヒドロキシまたは
でなく、D
1およびD
2は、臭素を含まない。
一部の実施形態では、式VIII、式X−a、および式X−b中のXは、−N(A0)−、−S−、および−Se−からなる群から選択される。
一部の実施形態では、式VIII、式IX−a、および式IX−b中のZは、−N(Ra)−、−S−、および−Se−からなる群から選択される。
一部の実施形態では、式VIII、式IX−a、式IX−b、式X−a、および式X−b中のA
0は、水素、任意選択で置換されたC
1〜10アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、および任意選択で置換されたアルコキシアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、A
0は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
からなる群から選択される。一部の実施形態では、A
0は、水素またはC
1〜8アルキルである。一部の実施形態では、A
0は、イソブチルである。一部の実施形態では、A
0は、tert−ブチルである。一部の実施形態では、A
0は、
である。一部の実施形態では、A
0は、
である。
一部の実施形態では、式VIII、式IX−a、式IX−b、式X−a、および式X−b中のRa、Rb、またはRcは、独立して、水素、任意選択で置換されたC1〜10アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、および任意選択で置換されたアルコキシアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、RaとRb、またはRbとRc、またはRaとRcは、一緒に、任意選択で置換された多環式環系を形成する。
一部の実施形態では、式VIII、式IX−a、式IX−b、式X−a、および式X−b中のR
a、R
b、またはR
cは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、R
aとR
bまたはR
bとR
cは、一緒に、以下の環状構造
の1つを形成する。
一部の実施形態では、D
1およびD
2は、それぞれ独立して、以下の構造:
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、式VIII中のLの少なくとも1つは:1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイル、またはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルボゾール−3,6−ジイル、9H−カルボゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイル、および10H−フェノチアジン−2,8−ジイルからなる群から選択され、各部分は、任意選択で置換されている。
上記式のいずれかにおけるLに関しては、電子リンカーは、共役電子系を表し、これは、中性であり得、または電子供与体自体として機能を果たし得る。一部の実施形態では、いくつかの例が以下に提供されており、これらは、追加の付着した置換基を含有してもよく、または含有しなくてもよい。
発色団の上述した組合せは、太陽電池および農業用途での使用に特に適しており、理由は、これらが現在利用可能な波長変換発色団より、厳しい環境条件において驚くほど安定であるためである。この安定性は、これらの発色団を、太陽電池および農業用途用の波長変換材料としてこれらを使用することにおいて有利にする。このような光安定性がない場合、これらの発色団は、劣化し、効率を失うはずである。
一部の実施形態では、発色団の光安定性は、発色団化合物を含有する波長変換フィルムを製作し、次いで、周囲温度で連続的な1サン(AM1.5G)照射に曝露する前、および曝露した後に吸収ピークを測定することによって測定され得る。このような波長変換フィルムの調製は、以下の実施例セクションに記載されている。照射後に残っている発色団の量は、以下の式を使用して、照射前後の発色団の極大吸収を使用して測定され得る:
%劣化は、以下の式を使用して測定され得る:
容易に劣化される発色団は、典型的には、1サン照射をして数時間以内に吸収ピークの実質的な減衰を示す。優れた光安定性を有するフィルムは、1サン照射に曝露して長時間にわたってピーク吸収を維持する。一部の実施形態では、光安定発色団は、周囲温度で連続的な1サン(AM1.5G)照射をして24時間後に、極大吸収ピーク強度の30%、20%、15%、10%、5%、2.5%、1.0%、または0.5%未満の劣化を示す。一部の実施形態では、光安定発色団は、周囲温度で連続的な1サン(AM1.5G)照射をして24時間後に、約70%、80%、85%、90%、95%、97.5%、99.0%、または99.5%超の残っている発色団を有する(極大吸収ピーク強度によって測定した場合)。
有利には、波長変換フィルムの開示したポリマーマトリックスの一部の実施形態は、光学的に透明である。光透明性により、波長変換フィルムを通じた光の透過率が改善され、より多くのエネルギーが光から捕捉されることが可能になる。さらに、例えば、窓として使用される場合、波長変換フィルムを通って移動する追加の光により、窓を通じた明るさが増強される。一部の実施形態では、光学的に透明な材料(例えば、ポリマー層、波長変換層、ポリマーマトリックス、ガラス層など)は、可視光スペクトルおよびUVスペクトルの約80%、90%、95%、97.5%、99.0%、99.5%、または99.9%超の透過率を可能にする。
一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団および第2の有機光安定発色団は、独立して、ポリマーマトリックスの重量によって、約0.01重量%〜約10.0重量%の範囲内の量で波長変換層のポリマーマトリックス中に存在する。一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団および第2の有機光安定発色団は、独立して、ポリマーマトリックスの重量によって、約0.01重量%〜約3.0重量%の範囲内の量で波長変換層のポリマーマトリックス中に存在する。一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団および第2の有機光安定発色団は、独立して、ポリマーマトリックスの重量によって、約0.05重量%〜約2.0重量%の範囲内の量で波長変換層のポリマーマトリックス中に存在する。一部の実施形態では、第1の有機光安定発色団および第2の有機光安定発色団は、独立して、ポリマーマトリックスの重量によって、約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲内の量で波長変換層のポリマーマトリックス中に存在する。
波長変換フィルムの全体的な厚さも広い範囲にわたって変化し得る。一部の実施形態では、波長変換フィルム厚は、約0.1μm〜約1mmの範囲内である。一部の実施形態では、波長変換フィルム厚は、約0.5μm〜約0.5mmの範囲内である。
波長変換フィルムの一部の実施形態では、ポリマーマトリックスは、1種のホストポリマー、ホストポリマーとコポリマー、または複数のポリマーから作製され得る。
一部の実施形態では、波長変換フィルム中に使用されるポリマーマトリックス材料は、約1.4〜約1.7の範囲内の屈折率を有する。一部の実施形態では、波長変換層中に使用されるポリマーマトリックス材料の屈折率は、約1.45〜約1.55の範囲内である。
(光起電力用途)
本開示は、光起電力デバイスの光電変換効率を増強するための、波長変換フィルム、およびこれを利用する光起電力モジュールに関する。これらの光起電力デバイスおよび太陽電池デバイス中にダウンシフト媒体を使用すると、デバイスの光入射側に適用される場合、より短い波長の光を、より長い(より高い)より好都合な波長で励起され、媒体から再放出される状態にされ、次いでこれは、光起電力デバイスまたは太陽電池によって利用され得る。しかし、これらの波長変換フィルム中にダウンシフト媒体として有機発色団を使用することは、特に、有害なUV放射線に曝露されるとき、その乏しい光安定性に起因して非常に難しかった。
一部の実施形態は、約410nm未満の波長(例えば、UV放射線範囲内)で吸収ピークを呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および約410nm以上の波長で吸収ピークを呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を含む波長変換フィルムを提供する。一部の実施形態は、約400nm未満の波長(例えば、UV放射線範囲内)で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および約400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を含む波長変換フィルムを提供する。一部の実施形態では、約400nm未満の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を含む波長変換フィルムは、著しく改善された光安定性を示す。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、少なくとも1種の太陽電池または光起電力デバイスに適用され得る。本明細書に記載の波長変換フィルムを使用すると、太陽電池、ソーラーパネル、および光起電力デバイスの太陽光捕集効率が著しく増強される。
波長変換フィルムの一部の実施形態では、少なくとも1種の発色団は、有害なUV放射線を吸収し、それをより低いエネルギー光子に変換するように設計され(例えば、UV吸収発色団)、一方、他の発色団も、典型的には可視光スペクトル中の高エネルギー光子を吸収し、これらの光子を、太陽電池によって電気に最も効率的に変換されるより低いエネルギー波長に変換するように設計される。例えば、第1のUV吸収発色団は、約350〜約410nmの範囲内の吸収ピーク極大、および約410〜約450nmの範囲内の発光ピーク極大を有し得、一方、第2の発色団は、約425nm〜約475nmの範囲内の吸収ピーク極大、および約500nm〜約550nmの範囲内の発光ピーク極大を有し得、フィルムの光安定性は、第2の発色団のUV放射線曝露を低減する一方、太陽電池の等価なまたはより良好な太陽光捕集効率も維持する第1の発色団に起因して改善される。一部の実施形態では、第1のUV吸収発色団は、約350nm〜約410nmの範囲内の吸収ピーク極大、および約410nm〜約450nmの範囲内の発光ピーク極大を有し得る。
波長変換フィルム中に2種以上の発色団、すなわち、約400nm未満の波長(例えば、UV放射線範囲内)で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を使用することによって、UV吸収発色団が第2の発色団のUV放射線への曝露を低減するので、フィルムの光安定性が著しく改善されることが現在発見されている。したがって、光学的に透明なポリマーマトリックス、約400nm未満の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および約400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を含む波長変換フィルムは、単一の波長変換発色団のみを含む同様の波長変換フィルムと比較して光安定性の増大を示す。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、追加のUV吸収発色団を含む。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、追加の波長変換発色団を含む。
さらに、本明細書に記載の波長変換フィルム中の、約400nm未満の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および約400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団はともに、これらが高エネルギー光子を、光起電力デバイスによって電気により有効に変換されるより低いエネルギー光子に変換するように選択され得る。これは、光起電力デバイスの効率をさらに増大させる。一部の実施形態では、400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する発色団は、より高いエネルギー光子を、光起電力デバイスによって電気により有効に変換されるより低いエネルギー光子に変換する。波長変換フィルムは、様々な用途、例えば、2〜3例をあげると、光集光システム、蛍光ベースソーラーコレクター、蛍光活性化ディスプレイ、および一分子分光法などで有用である。
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、光学的に透明なポリマーマトリックス、および約400nm未満の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団、および約400nm以上の波長で吸収ピーク極大を呈する少なくとも1種の光安定有機発色団を含む。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、第1の波長を有する少なくとも1個の光子を入力として受け取り、第1のものと異なる第2の波長を有する少なくとも1個の光子を出力として提供する。一部の実施形態では、光安定性は、1種の波長変換発色団のみを含む波長変換フィルムと比較して増大される。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、波長1で吸収ピークを呈する第1の発色団、および波長2で吸収ピークを呈する第2の発色団を含み、波長2は、波長1より長い。一部の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収発色団は、ベンゾトリアゾール型構造を含む。一部の実施形態では、ベンゾトリアゾール型構造は、以下の構造によって表される:
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、少なくとも3種の異なる発色団を含む。構造体内で使用されるソーラーモジュールに応じて、波長変換フィルム中に複数の発色団を有することが望ましい場合がある。例えば、約500nmの波長で最適の光電変換を有するソーラーモジュールシステムでは、このようなシステムの効率は、他の波長の光子を500nmの波長に変換することによって改善され得、一方、安定性も、有害なUV光子を吸収し、他の発色団のUV放射線への曝露を低減する発色団を使用することによって改善され得る。このような場合では、第1の発色団は、約400nm未満のピーク極大吸収波長を有する光子を、約430nmのピーク極大発光波長の光子に変換するように作用することができ、一方、第2の発色団は、約420nm〜約450nmの範囲内のピーク極大吸収波長を有する光子を、約470nmのピーク極大発光波長を有する光子に変換するように作用することができ、第3の発色団は、約450nm〜約480nmの範囲内のピーク極大吸収波長を有する光子を、約500nm以上のピーク極大発光波長を有する光子に変換するように作用することができる。特定の波長制御が、利用される発色団に基づいて選択され得る。
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、1種または複数の増感剤をさらに含む。一部の実施形態では、増感剤は、ナノ粒子、ナノメタル、ナノワイヤー、またはカーボンナノチューブを含む。一部の実施形態では、増感剤は、フラーレンを含む。一部の実施形態では、フラーレンは、任意選択で置換されたC60、任意選択で置換されたC70、任意選択で置換されたC84、任意選択で置換された単一壁カーボンナノチューブ、および任意選択で置換された多重壁カーボンナノチューブからなる群から選択される。一部の実施形態では、フラーレンは、[6,6]−フェニル−C61−酪酸−メチルエステル、[6,6]−フェニル−C71−酪酸−メチルエステル、および[6,6]−フェニル−C85−酪酸−メチルエステルからなる群から選択される。一部の実施形態では、増感剤は、任意選択で置換されたフタロシアニン、任意選択で置換されたペリレン、任意選択で置換されたポルフィリン、および任意選択で置換されたテリレンからなる群から選択される。一部の実施形態では、構造体の波長変換層は、増感剤の組合せをさらに含み、増感剤の組合せは、任意選択で置換されたフラーレン、任意選択で置換されたフタロシアニン、任意選択で置換されたペリレン、任意選択で置換されたポルフィリン、および任意選択で置換されたテリレンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、組成物の総重量に基づいて約0.01重量%〜約5重量%の範囲内の量で増感剤を含む。
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、1種または複数の可塑剤をさらに含む。一部の実施形態では、可塑剤は、N−アルキルカルバゾール誘導体、およびトリフェニルアミン誘導体から選択される。
本発明の一態様は、少なくとも1つの光起電力デバイスまたは太陽電池、および本明細書に記載の波長変換フィルムを備える、太陽エネルギーを電気に変換するための光起電力モジュールを提供する。波長変換フィルムは、光起電力デバイスまたは太陽電池の上にあり、またはその中に被包されており、その結果入射光は、太陽光エネルギーが電気に変換されるモジュールの範囲に到達する前に波長変換フィルムを通過する。
一部の実施形態では、追加の材料、例えば、ガラス板またはポリマー層などを光起電力モジュール中に使用してもよい。この材料は、波長変換フィルムを被包するのに使用することができ、またはこれらは、太陽電池および波長変換フィルムの両方を保護もしくは被包するのに使用することができる。一部の実施形態では、低鉄ガラス、ホウケイ酸ガラス、またはソーダ石灰ガラスから選択されるガラス板を、モジュール中に使用することができる。モジュールの一部の実施形態では、ガラス板またはポリマー層の組成物は、太陽電池内への有害な高エネルギー放射線を遮断するための強いUV吸収材もさらに含み得る。
一部の実施形態では、追加の発色団を、光起電力モジュール内の別個の層または副層中に位置させることができる。例えば、波長変換フィルムは、少なくとも1種のUV吸収発色団および少なくとも1種の波長変換発色団を含み、太陽電池と波長変換フィルムとの間の追加のポリマー副層は、追加のUV吸収発色団および/または追加の波長変換発色団を含む。
本発明の別の態様は、光起電力デバイスまたは太陽電池の性能を改善するための方法であって、例えば、図1に例示したように、太陽電池または光起電力デバイスの光入射側に直接波長変換フィルムを適用するステップを含む、方法である。一部の実施形態では、波長変換フィルムは、少なくとも1つの光起電力デバイスを被包するように構成されており、その結果、入射光は、少なくとも1つの光起電力デバイスに到達する前に波長変換フィルムを通過する。本発明の別の態様は、光起電力デバイスまたは太陽電池の性能を改善するための方法であって、例えば、図2に例示したように、波長変換フィルムが光起電力デバイスまたは太陽電池とその光入射側のカバー基板との間に被包されるように、製作中に光起電力デバイスまたは太陽電池中に波長変換フィルムを直接組み込むステップを含む、方法である。一部の実施形態では、本方法は、波長変換フィルムを少なくとも1つの光起電力デバイスに直接適用し、波長変換フィルムは、少なくとも1つの光起電力デバイスを被包するように構成されており、その結果、入射光は、光起電力デバイスに到達する前に波長変換フィルムを通過する。
一部の実施形態では、カバー基板は、ガラス板である。一部の実施形態では、カバー基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、エチレンビニルアセテート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリアクリレート、およびこれらの組合せからなる群から選択されるポリマー材料を含む。
一部の実施形態では、本方法は、追加の材料または層、例えば、ガラスシート、エッジシールテープ、フレーム材料、ポリマー材料、または追加の層をシステムに接着させるための接着剤層などを使用する。
波長変換フィルムは、シリコンベースデバイス、III−V族およびII−VI族PN接合デバイス、CIGS薄膜デバイス、有機増感剤デバイス、有機薄膜デバイス、CdS/CdTe薄膜デバイス、色素増感型デバイスなどを含めた、すべての異なるタイプおよびサイズの太陽電池およびソーラーパネルと適合性であるように構築され得る。非晶質シリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、および結晶シリコン太陽電池などのデバイスも改善され得る。
モジュールの一部の実施形態では、追加の材料または層、例えば、エッジシールテープ、フレーム材料、ポリマー材料、または追加の層をシステムに接着させるための接着剤層などを使用することができる。一部の実施形態では、モジュールは、UV吸収剤を含有する追加のポリマー層をさらに備える。
モジュールの一部の実施形態では、波長変換フィルムの組成物は、発色団化合物のさらなる劣化を防止するように作用し得る抗酸化剤をさらに含む。一部の実施形態では、波長変換フィルムの厚さは、約10μmから約2mmの間である。
一部の実施形態では、モジュールは、接着剤層をさらに備える。一部の実施形態では、接着剤層は、波長変換フィルムを太陽電池の光入射面に接着させる。様々なタイプの接着剤を使用することができる。一部の実施形態では、接着剤層は、ゴム、アクリル樹脂、シリコーン、ビニルアルキルエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン、フッ素、エポキシ、エチレンビニルアセテート、およびこれらの組合せからなる群から選択される物質を含む。接着剤は、永続的であっても非永続的であってもよい。一部の実施形態では、接着剤層の厚さは、約1μmから100μmの間である。一部の実施形態では、接着剤層の屈折率は、約1.4〜約1.7の範囲内である。
ソーラーモジュールの光電変換効率をさらに増強するために、他の層もさらに含めることができる。例えば、モジュールは、ソーラーモジュールデバイスの光電変換層から離れる方向で、吸収および波長変換後に発色団から再放出されることが多い、環境への光子の損失を減少させることによって、ソーラーモジュールの太陽光捕集効率をさらに増強するように設計された微細構造層をさらに有し得る(参照により本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第61/555,799号を参照)。表面上に様々な微細構造(すなわち、角錐または円錐)を有する層は、デバイスの光電変換層への光子の内部反射および屈折を増大させ、デバイスの太陽光捕集効率をさらに増強することができる。
一部の実施形態では、波長変換フィルム、および少なくとも1つの太陽電池または光起電力デバイスを備えるモジュールの波長変換フィルムであって、少なくとも1種のUV吸収発色団、少なくとも1種の波長変換発色団、および光学的に透明なポリマーマトリックスを含む、波長変換フィルムは、液体またはゲルの形態でUV吸収発色団/波長変換発色団/ポリマー溶液を最初に合成し、適用の標準方法、例えば、スピンコーティングまたはドロップキャスティングなどを使用してガラス板にUV吸収発色団/波長変換/ポリマー溶液を適用し、次いで配合物設計によって決定されるように発色団/ポリマー溶液を固体形態に硬化する(すなわち、加熱処理、UV曝露など)ことによって形成される。乾燥させた後、次いでフィルムを太陽電池の光入射面に接着させることができる。
一部の実施形態では、波長変換フィルム、および少なくとも1つの太陽電池または光起電力デバイスを備えるモジュールの波長変換フィルムは、UV吸収発色団/波長変換/ポリマー薄膜を最初に合成し、次いでUV吸収発色団/波長変換/ポリマー薄膜を、光学的に透明で光安定性の接着剤および/またはラミネーターを使用して太陽電池の光入射面に接着させることによって形成される。
一部の実施形態では、波長変換フィルム100は、図1に示したように、太陽電池103の光入射面102上に直接付着される。
一部の実施形態では、モジュールは、屈折率整合物質をさらに備える。一部の実施形態では、屈折率整合物質は、液体または光学接着剤を含む。一部の実施形態では、屈折率整合物質101が、波長変換フィルムと太陽電池の前面基板との間に適用されて、より良好な光取出し効率(light out-coupling efficiency)が保証される。一部の実施形態では、使用される屈折率整合液は、Cargille−Sacher Labratories、Inc製の脂肪族および脂環式炭化水素、ならびに水素化テルフェニルを含むシリーズA鉱油である。
一部の実施形態では、波長変換フィルム100は、図2に示したように、太陽電池製作中に被包層として直接適用される。この構成は、本明細書に開示の波長変換フィルムの優れた光安定性に起因して可能である。波長変換フィルム100は、太陽電池モジュール103とその前面カバー基板102との間に被包される。
波長変換フィルム、および少なくとも1つの太陽電池または光起電力デバイスを備えるモジュールは、本明細書に開示するように、すべての異なるタイプの太陽電池デバイスに適用可能である。シリコンベースデバイス、III−V族もしくはII−VI族PN接合デバイス、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS)薄膜デバイス、有機増感剤デバイス、有機薄膜デバイス、または硫化カドミウム/テルル化カドミウム(CdS/CdTe)薄膜デバイスなどのデバイスが改善され得る。一部の実施形態では、モジュールは、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池を備える少なくとも1つの光起電力デバイスまたは太陽電池を備える。一部の実施形態では、光起電力デバイスまたは太陽電池は、銅インジウムガリウムジセレニド太陽電池を備える。一部の実施形態では、光起電力装置または太陽電池は、III−V族またはII−VI族PN接合デバイスを備える。一部の実施形態では、光起電力装置または太陽電池は、有機増感剤デバイスを備える。一部の実施形態では、光起電力装置または太陽電池は、有機薄膜デバイスを備える。一部の実施形態では、光起電力デバイスまたは太陽電池は、非晶質シリコン(a−Si)太陽電池を備える。一部の実施形態では、光起電力デバイスまたは太陽電池は、微結晶シリコン(μc−Si)太陽電池を備える。一部の実施形態では、光起電力デバイスまたは太陽電池は、結晶シリコン(c−Si)太陽電池を備える。
一部の実施形態では、太陽電池効率の増強は、Newportソーラーシミュレーターシステムを使用することによって、1サン照射(AM1.5G)下で、最初に波長変換フィルムを用いないで、次いで波長変換フィルムを用いて測定される。CdS/CdTe太陽電池の効率の増強は、以下の式によって判定される:
効率の増強=(η電池+フィルム−η電池)/η電池 *100%
一部の実施形態では、CdS/CdTe太陽電池は、本明細書に開示の方法によって波長変換フィルムで改良され、効率の増強は、5%超であると判定される。一部の実施形態では、CdS/CdTe太陽電池は、波長変換フィルムで改良され、効率の増強は、10%超であると判定される。一部の実施形態では、CdS/CdTe太陽電池は、波長変換フィルムで改良され、効率の増強は、13%超であると判定される。一部の実施形態では、CdS/CdTe太陽電池は、波長変換フィルムで改良され、効率の増強は、14%超であると判定される。一部の実施形態では、CdS/CdTe太陽電池は、波長変換フィルムで改良され、効率の増強は、15%超であると判定される。
一部の実施形態では、波長変換フィルムは、光学的に透明なポリマーマトリックスおよび2種以上の発色団を含む。一部の実施形態では、フィルムは、(i)所定の比で、シクロペンタノン、ジオキサン、テトラクロロエチレン(TCE)などの溶媒中に溶解したポリマー粉末を有するポリマー溶液を調製し、(ii)所定の重量比でポリマー溶液を2種以上の発色団と混合することによって発色団含有ポリマー混合物を調製して、発色団含有ポリマー溶液を得、(iii)ガラス基板上に発色団含有ポリマー溶液を直接キャスティングすることによって発色団/ポリマー薄膜を形成し、次いで2時間で室温から最大100℃まで基板を加熱処理し、130℃で一晩さらに真空加熱することによって残っている溶媒を完全に除去し、(iv)水中で発色団/ポリマー薄膜を剥がし、次いで使用前に自立ポリマーフィルムを乾燥させることによって製作することができ;(v)フィルム厚は、発色団/ポリマー溶液濃度および蒸発速度を変更することによって、0.1μm〜1mmに制御することができる。
(温室用途)
波長変換フィルムの追加の使用には、温室屋根材が含まれる。植物は、大気および水からの二酸化炭素を単糖に変換するために太陽光中のエネルギーを使用する。次いで植物は、これらの糖を構造的な構成要素として使用する。糖は、植物の主な構造成分を形成する。植物は、その発育中の光の強度および波長に対して異なって反応することが理解されている。米国特許出願第2011/0016779号に記載されているように、植物成長の改善は、青紫色〜青色領域および橙色〜赤色領域における光を使用して実現される。緑色領域中の光は、通常、植物によって使用されない(かつ葉によって反射されることが多い)。
一部の場合では、光起電力デバイス(例えば、太陽電池)が、入射太陽放射線を電気に変換するために温室屋根材中に組み込まれてきた。次いでこの電気は、温室システム内の他の用途に使用される。太陽エネルギーを利用すると、有望な代替エネルギー源がもたらされる一方、光起電力モジュールを使用すると、植物種のための利用可能な光の量が低下する。
許容し得るコストで十分な発電効率および所望の植物成長をもたらす光起電力デバイスを有する温室屋根材を見つけるために、かなりの量の開発取り組みが進行中である。例えば、米国特許第6135665号に開示されているように、無機ルミネセンス物質、イットリウム−ユウロピウムを含むポリマーシートが、温室で使用するために記載されている。しかし、これらの無機ルミネセンス化合物を合成するコストは、有機ルミネセンス化合物を合成するコストより相当に高く、したがって、実現可能でない場合がある。米国特許出願第2011/0016779号に記載されているように、有機ルミネセンス色素を組み込む温室屋根材の使用は、これらの色素の乏しい光安定性に起因して可能でなく、公知の市販の色素は、典型的には太陽放射線に曝露して数日以内に光退色を呈した。
温室屋根材中のルミネセンス色素の使用は、典型的にはダウンシフト色素を含んでおり、この色素は、より短い波長の光を、より長い(より高い)より好都合な波長で、ルミネセンスパネル内で励起され、再放出される状態にさせる。植物種の成長は、青色光および赤色光への植物の曝露で起こることが十分に確立されている。典型的には、植物は、緑色光を使用せず、この光を熱として吸収し、またはこれを反射して逃す。さらに、スペクトルのUV部分は、ほとんどの植物種によって使用されないだけでなく、通常、植物にとってかなり有害である。光のUV部分の排除は、屋根材中にUV吸収剤を組み込むことによってUV放射線のすべてを吸収し、温室内部の植物に到達するスペクトルからそれを有効に除去することによって行われることが多い。UVは、植物種にとって非常に有害であるので、光のUV部分を遮断すると、植物成長が増強され得る。しかし、そのときこの太陽エネルギーは、熱として環境へと失われる。植物成長をさらに増強するための以前の試みでは、緑色光を赤色光に変換し、植物に向けられる使用可能な太陽エネルギーを基本的に増大させるルミネセンス色素が温室屋根パネル中に組み込まれた。温室のためのUV波長の光の変換および使用は報告されていない。
本発明の一部の実施形態では、UVエネルギーを青色光に変換し得る有機光安定発色団は、植物に利用可能な使用可能な光の量をさらに増大させることによって、植物成長をさらに増強することが判明した。
本発明の一部の実施形態は、有機光安定発色団化合物を含むルミネセンスパネルに関する。ルミネセンスパネルは、有機光安定発色団化合物を組み込んでいないパネルと比較して改善された波長プロファイルおよび植物成長をもたらす温室屋根として有用である。発色団化合物は、UV波長範囲内に吸収極大波長を有し、青色波長範囲内に発光極大波長(wavelength emission maximum)を有する第1の有機光安定発色団(A)、および緑色波長範囲内に吸収極大波長を有し、赤色波長範囲内に発光極大波長を有する第2の有機光安定発色団(B)を含む。2種の発色団は、同じ波長変換層内で混合されていてもよく、またはこれらは、別個の層中に存在してもよい。一部の実施形態では、ルミネセンス太陽光収集パネルは、ルミネセンスパネル中に少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイスを組み込むことによって形成され得る。本開示は、温室屋根材用ルミネセンスパネルに関する。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、少なくとも1種の有機光安定発色団化合物を含む。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、少なくとも2種の有機光安定発色団化合物の混合物を含む。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、長時間光安定性であるルミネセンス発色団を組み込んでいないパネルと比較して、改善された植物成長をもたらす温室屋根として有用である。一部の実施形態では、少なくとも2種の発色団化合物を含む実施形態において、発色団化合物は、UV波長範囲内に吸収極大波長を有し、青色波長範囲内に発光極大波長を有する第1の有機光安定発色団(A)、および緑色波長範囲内に吸収極大波長を有し、赤色波長範囲内に発光極大波長を有する第2の有機光安定発色団(B)を含む。一部の実施形態では、2種の発色団は、同じ波長変換層内で混合され得る。一部の実施形態では、1つを超える波長変換層が存在する場合、2種の発色団は、異なる波長変換層内に存在し得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの波長変換層は、ポリマーマトリックスをさらに含む。
一部の実施形態では、吸収および発光スペクトルが重ならない発色団を使用することが望ましい場合がある。これは、光子の再吸収を最小限にするのに役立ち、効率を改善する。例えば、一部の実施形態では、(A)の発光スペクトルおよび(B)の吸収スペクトルは、最小限の重なりを有する。一部の実施形態では、最小限の重なりは、約0%〜約3%、約3%〜約5%、約5%〜約10%、約10%〜約15%、約15%〜約25%、または約25%〜約35%の範囲の重なりであり、この場合、重なり率は、発光または吸収曲線下面積によって除された、重なっているスペクトルの部分の下の面積の尺度である。一部の実施形態では、最小限の重なりは、約35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、3%、2%、または1%未満である。
ルミネセンスパネルに使用され得る発色団の数に制限はない。一部の実施形態では、2種の発色団(A)および(B)は、1つの波長変換層中に混合される。一部の実施形態では、2種の発色団(A)および(B)は、別個の波長変換層中に位置される。一部の実施形態では、所望の性質をもたらすために、追加の発色団をルミネセンスパネル中に組み込むことができる。一部の実施形態では、ルミネセンスパネル中に利用される発色団は、温室内で成長させられる特定の植物種に最適である特定の発光スペクトルをもたらすように適応させることができる。一部の実施形態では、波長変換層は、3種以上の発色団を含む。一部の実施形態では、波長変換層は、4種以上の発色団を含む。一部の実施形態では、波長変換層は、5種以上の発色団を含む。
発色団が、入射太陽光に関してルミネセンスパネル中に配置され得る位置についての要件もない。一部の実施形態では、発色団(A)は、発色団(B)を含む波長変換層の前の、入射太陽エネルギーを受け取る波長変換層内に存在し得る。一部の実施形態では、発色団(B)は、発色団(A)を含む波長変換層の前の、入射太陽エネルギーを受け取る波長変換層内に存在し得る。一部の実施形態では、発色団(A)を含む波長変換層に太陽エネルギーを最初に受け取らせることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、発色団(A)は、UV波長を青色波長に変換するように作用する。発色団化合物は、UV波長に曝露されるとはるかに速く劣化することが多い。したがって、入射太陽放射線に最初に曝露される発色団(A)を含む波長変換層を有することによって、UV光の多くが青色光に変換され得、下にある層は、UV光に曝露されないことになる。UV光のこの変換により、発色団(B)を含む波長変換層の安定性が、この層のUV放射線への曝露を低減することによって有効に増大する。したがって、一部の実施形態では、波長変換層は、これらの波長吸収性の昇順で配置される。
一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、ガラス層またはポリマー層をさらに備え得る。ガラス層またはポリマー層は、1つまたは複数の波長変換層を保護するように作用し得る。ガラス層またはポリマー層は、1つまたは複数の波長変換層を上に接着させる基板としても作用し得る。
ルミネセンスパネルの一部の実施形態では、1つまたは複数の波長変換層は、ガラス板またはポリマー板同士間に挟むことができ、ガラス板またはポリマー板は、1つまたは複数の波長変換層を水分または酸素の浸透から保護するように作用し得る。
ルミネセンスパネルの一部の実施形態では、1つまたは複数の波長変換層のポリマーマトリックスは、独立して、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、エチレンビニルアセテート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、ポリスチレン、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリアクリレート、およびこれらの組合せからなる群から選択される物質から形成される。
ルミネセンスパネルの一部の実施形態では、1つまたは複数の波長変換層のポリマーマトリックスは、1種のホストポリマー、ホストポリマーとコポリマー、または複数のポリマーから作製され得る。
一部の実施形態では、1つまたは複数の波長変換層中に使用されるポリマーマトリックス材料は、約1.40〜約1.70の範囲内の屈折率を有する。一部の実施形態では、波長変換層中に使用されるポリマーマトリックス材料の屈折率は、約1.45〜約1.55の範囲内である。一部の実施形態では、1つまたは複数の波長変換層中に使用されるポリマーマトリックス材料の屈折率は、約1.45〜約1.55、約1.40〜約1.50、約1.50〜約1.60、または約1.60〜約1.70の範囲内である。
一部の実施形態では、波長変換層は、光学的に透明なポリマーマトリックス、および発色団(A)または発色団(B)の少なくとも一方を含む。一部の実施形態では、波長変換層は、(i)所定の比で、シクロペンタノン、ジオキサン、テトラクロロエチレン(TCE)などの溶媒中に溶解したポリマー粉末を有するポリマー溶液を調製し、(ii)所定の重量比でポリマー溶液を1種または複数の発色団と混合することによって発色団含有ポリマー混合物を調製して、発色団含有ポリマー溶液を得、(iii)ガラス基板上に発色団含有ポリマー溶液を直接キャスティングすることによって発色団/ポリマー薄膜を形成し、次いで2時間で室温から最大100℃まで基板を加熱処理し、130℃で一晩さらに真空加熱することによって残っている溶媒を完全に除去し、(iv)水中で発色団/ポリマー薄膜を剥がし、次いで使用前に自立ポリマーフィルムを乾燥させることによって製作することができ;(v)フィルム厚は、発色団/ポリマー溶液濃度および蒸発速度を変更することによって、0.1μm〜1mmに制御することができる。
一部の実施形態では、少なくとも1つの波長変換層の組成物は、発色団化合物のさらなる劣化を防止するように作用し得る抗酸化剤をさらに含む。
一部の実施形態では、追加の材料、例えば、ガラス板、ポリマー層、または反射ミラー層などをルミネセンスパネル中に使用することができる。この材料は、1つまたは複数の波長変換層を被包するのに使用することができ、またはこれらは、波長変換層を保護もしくは被包するのに使用することができる。一部の実施形態では、低鉄ガラス、ホウケイ酸ガラス、またはソーダ石灰ガラスから選択されるガラス板が、ルミネセンスパネル中に使用され得る。一部の実施形態では、ガラス板またはポリマー層の組成物は、パネル内への有害な高エネルギー放射線を遮断するための強いUV吸収材もさらに含み得る。ガラス板またはポリマー層中のUV吸収剤は、波長変換層からの有害な高エネルギー放射線を遮断することもでき、したがって、波長変換層の寿命を改善する。
寿命が改善された発色団は、元の発色団の50%が劣化するのに要する時間の長さが、約50%、100%、200%、または300%超増大したものである。例えば、発色団が、典型的には、発色団の50%が10日後に残っているように劣化する場合、発色団の寿命の100%の増大は、発色団が、50%に劣化するのに20日を要することを意味する。劣化速度の遅延は、寿命の改善を構成するはずである。
別の実施形態では、ルミネセンス太陽光収集パネルは、本明細書に開示のルミネセンスパネル、および少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイスを備える。ルミネセンス太陽光収集パネルは、2種のルミネセンス材料を組み込んでいないパネルと比較して植物成長の改善および太陽光捕集効率の増大を同時にもたらす温室屋根として有用であり、これは、長時間にわたって光安定性である。一部の実施形態では、少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイスは、ルミネセンスパネル内に被包され、その結果、デバイスは、外部環境に曝露されず、太陽エネルギー変換デバイスは、太陽エネルギーの一部を受け取り、そのエネルギーを電気に変換する。
ルミネセンスパネルの一部の実施形態では、追加の材料または層、例えば、エッジシールテープ、フレーム材料、ポリマー材料、または追加の層をシステムに接着させるための接着剤層などを使用することができる。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、UV吸収剤を含有する追加のポリマー層をさらに備える。一部の実施形態では、UV吸収剤は、発色団(A)によって吸収されないUV波長を吸収するように選択され得る。これを行うことによって、発色団(A)によって使用可能な青色光に変換され得るUV波長は、変換される一方、発色団(A)によって変換され得ないUV波長は、UV吸収剤によって吸収され、その結果、これらの有害な波長は、温室内部の植物に到達しない。
図3は、第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の有機光安定発色団(B)106を備えるルミネセンスパネル104であって、(A)105および(B)106は、波長変換層100内で混合されており、前記波長変換層100は、ポリマーマトリックスを含む、ルミネセンスパネル104の一実施形態を例示する。一部の実施形態では、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内で吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内で発光ピーク極大を有する。本明細書において、電磁スペクトルの着色領域は、電磁スペクトルの可視光領域を指す。一部の実施形態では、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内に発光ピーク極大を有する。
一部の実施形態では、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルは、少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイスを備える。ルミネセンス光・エネルギー収集パネルは、植物成長の改善をもたらし、太陽エネルギー捕集を可能にすることを同時に行う温室屋根として有用である。一部の実施形態では、少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイスは、ルミネセンスパネル内に被包され、その結果、デバイスは、外部環境に曝露されず、太陽エネルギー変換デバイスは、太陽エネルギーの一部を受け取り、そのエネルギーを電気に変換する。
温室屋根パネル内にルミネセンス物質を組み込むことの1つの問題は、入射光子が、ルミネセンス物質によって吸収され、再放出されると、パネルのポリマーマトリックス内に捕捉された状態になることが多く、温室内部の植物種に決して到達しないことである。太陽電池または光起電力モジュールも備えないルミネセンス材料を有する温室パネルについては、この捕捉された光は通常、熱として散逸される。ルミネセンス材料を有する温室屋根パネル内に太陽エネルギー変換デバイスを組み込むことの1つの利点は、この捕捉された光のほとんどが、太陽エネルギー変換デバイスによって吸収され、電気に変換されることになり、その結果、ほとんどの光が無駄にならないことである。
同時に、パネル中に太陽エネルギー変換デバイスを組み込むと、太陽エネルギーの一部を電気に変換することによって十分な発電がもたらされる。望まれる発電、および植物種に到達するのに必要とされる光子の量に応じて、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルを形成するためにルミネセンスパネル中に太陽電池を組み込むのに、様々な設計を使用することができる。太陽エネルギー変換デバイスが温室屋根パネル中に組み込まれる場合、太陽エネルギー変換デバイスは、入射太陽放射線を植物と競合する。太陽エネルギー変換デバイスは、不透明であり、入射太陽放射線を遮断する。したがって、温室屋根パネルの過剰部分が組み込まれた太陽エネルギー変換デバイスを有する場合、温室内部の植物に到達する太陽エネルギーは、過少である場合がある。一部の実施形態では、ルミネセンス光・エネルギー収集パネル中に組み込まれる太陽エネルギー変換デバイスの量は、温室内の植物の太陽放射線必要量を満たすように適応させることができる。一部の実施形態では、温室の異なる部分は、ルミネセンス光・エネルギー収集パネル内に異なる密度の太陽エネルギー変換デバイスを備え得る。例えば、温室屋根の北側は、温室の南側と比較して、ルミネセンス光・エネルギー収集パネル中により多くの太陽エネルギー変換デバイスを組み込むことができる。調整は、温室の位置に基づいて行うことができる。
ルミネセンスパネル内の太陽エネルギー変換デバイスの配置について制限はない。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、ルミネセンスパネルの波長変換層の1つの中に組み込まれ得る。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、ルミネセンスパネルの1つまたは複数の波長変換層と別のポリマー層またはガラス層との間に組み込まれ得る。一部の実施形態では、ルミネセンスパネル中の太陽エネルギー変換デバイスの配置は、太陽エネルギー変換デバイスのタイプに基づいて指定することができる。例えば、一部の実施形態では、UV放射線への曝露で急速に劣化する太陽エネルギー変換デバイスを、発色団(A)を含む波長変換層が電磁スペクトルのUV領域内で発光ピーク極大を有し、電磁スペクトルの青色領域内に発光ピーク極大を有し、その結果、これらの有害なUV光子が、太陽エネルギー変換デバイスに到達する前により長い波長の光子に変換され、太陽エネルギー変換デバイスがUV放射線を受け取るのを有効に保護するように、ルミネセンスパネル中に配置することができる。
異なるタイプの太陽電池は、異なる波長の光子を異なって利用することが多い。例えば、一部のシリコンベースデバイスは、より高い波長の光子を電気に変換することにおいてより効率的である一方、CdTeベース太陽電池は、橙色および赤色スペクトル内の光子を電気に変換することにおいてより効率的であり得る。したがって、太陽エネルギー変換デバイスは、太陽エネルギー変換デバイスが光子を電気に変換するのに最適な波長で放射線を再放出する波長変換層内に配置することもできる。例えば、青色光子で自己の最大電気変換率を呈するシリコンベース太陽電池は、シリコン太陽電池に青色光子を主に捕捉させる場所でルミネセンスパネル内に配置される。最適な電気変換率は、異なるタイプの太陽電池によって様々である。したがって、一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、その特定の太陽エネルギー変換デバイスに最適な波長の光子の捕捉を最大にする場所でルミネセンスパネル内に配置され得る。
ルミネセンス光・エネルギー収集パネルは、すべての異なるタイプの太陽エネルギー変換デバイスと適合する。したがって、一部の実施形態では、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルは、シリコンベースデバイス、III−V族およびII−VI族PN接合デバイス、CIGS薄膜デバイス、有機増感剤デバイス、有機薄膜デバイス、CdS/CdTe薄膜デバイス、色素増感型デバイスなどを含めた、すべての異なるタイプおよびサイズの太陽電池およびソーラーパネルと適合するように構築され得る。非晶質シリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、および結晶シリコン太陽電池などのデバイスも利用され得る。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池を備える少なくとも1つの光起電力デバイスまたは太陽電池を備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、銅インジウムガリウムジセレニド太陽電池を備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、III−V族またはII−VI族PN接合デバイスを備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、有機増感剤デバイスを備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、有機薄膜デバイスを備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、非晶質シリコン(a−Si)太陽電池を備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、微結晶シリコン(μc−Si)太陽電池を備える。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイスは、結晶シリコン(c−Si)太陽電池を備える。
ルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一部の実施形態では、複数のタイプの光起電力デバイスを、パネル内に使用することができ、独立して、波長変換層の発光波長によって選択し、ルミネセンスパネル中に組み込んで、最高の可能な光電変換効率をもたらすことができる。さらに、波長変換層中の発色団の混合物は、波長変換層の発光スペクトルが、特定の光起電力デバイスまたは太陽電池デバイスのために最適化されるように選択することができ、ただし、温室内部の植物に到達する光は、青色および赤色波長を含む。
一部の実施形態では、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルは、ルミネセンスパネル内の層を光起電力デバイスまたは太陽電池の光入射面に付着させるのに使用される屈折率整合液をさらに備える。一部の実施形態では、使用される屈折率整合液は、Cargille−Sacher Labratories、Inc製の脂肪族および脂環式炭化水素、ならびに水素化テルフェニルを含むシリーズA鉱油である。
一部の実施形態では、図3に示したように、再放出された光子は、ルミネセンスパネル内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得る。スペクトルのこの内側に反射された部分は、光起電力デバイス中に捕集されて使用可能な電気を生成し得る。
図4は、第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の有機光安定発色団(B)106を備えるルミネセンスパネル104であって、(A)105は、第1の波長変換層100’中に位置しており、(B)106は、第2の波長変換層100”中に位置している、ルミネセンスパネル104の一実施形態を例示する。一部の実施形態では、図示していないが、(B)106は、第1の波長変換層100’中に位置しており、(A)105は、第2の波長変換層100”中に位置している。一部の実施形態では、各波長変換層は、独立して、ポリマーマトリックスを含む。一部の実施形態では、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内に発光ピーク極大を有し、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子は、内部反射部111によって捕捉された状態になり得、太陽電池に輸送される。
一部の実施形態では、ルミネセンス光・エネルギー収集パネル104は、1つまたは複数の接着剤層をさらに備える。一部の実施形態では、1つまたは複数の接着剤層は、1つまたは複数の波長変換層を一緒に接着させる。一部の実施形態では、接着フィルムが、太陽エネルギー変換デバイスをルミネセンスパネル内の様々な層のいずれかに接着させ得る。様々なタイプの接着剤を使用することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の接着剤層は、独立して、ゴム、アクリル樹脂、シリコーン、ビニルアルキルエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン、フッ素、エポキシ、エチレンビニルアセテート、およびこれらの組合せからなる群から選択される物質を含む。接着剤は、永続的であっても、非永続的であってもよい。一部の実施形態では、接着剤層の厚さは、約1μmから100μmの間である。一部の実施形態では、接着剤層の屈折率は、約1.40〜約1.70の範囲内である。
図5は、第1の波長変換層100’中に位置している第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の波長変換層100”中に位置している(B)106を備え、ガラス板またはポリマー板112をさらに備えるルミネセンスパネル104の一実施形態を例示する。上記に論じたように、これらの層100’、100”、112は、接着剤層を使用して互いに接着され得る。また、上記の通り、前記波長変換層100’、100”のそれぞれは、独立して、ポリマーマトリックスを含むことができ、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内に発光ピーク極大を有し、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子は、ルミネセンスパネル内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得る。スペクトルのこの内側に反射された部分は、光起電力デバイス中に捕集されて使用可能な電気を生成し得る。ガラス板またはポリマー板112を、ルミネセンスパネル104内の反射および屈折の効率を増大させて、光起電力装置によって捕集される光の量を増大させるのに使用することができる。
ルミネセンス太陽光収集パネルの光電変換効率をさらに増強するために、他の層も含めることができる。例えば、ルミネセンス太陽光収集パネルは、環境への光子の損失を減少させることによって、ソーラーモジュールの太陽光捕集効率をさらに増強するように設計された少なくとも1つの微細構造層をさらに有し得る(参照により本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第61/555,799号を参照)。表面上に様々な微細構造(すなわち、角錐または円錐)を有する層は、太陽電池の光電変換層への光子の内部反射および屈折を増大させ、デバイスの太陽光捕集効率をさらに増強することができる。上記の通り、これらの層は、接着剤層を使用して互いに接着され得る。
一部の実施形態では、少なくとも1つの波長変換層、および少なくとも2種の有機光安定発色団を備えるルミネセンス光・エネルギー収集パネルの波長変換層であって、1つまたは複数の波長変換層が光学的に透明なポリマーマトリックスをさらに含む、波長変換層は、液体またはゲルの形態で発色団/ポリマー溶液を最初に合成し、適用の標準方法、例えば、スピンコーティングまたはドロップキャスティングなどを使用してガラス板またはポリマー板に発色団/ポリマー溶液を適用し、次いで配合物設計によって決定されるように発色団/ポリマー溶液を固体形態に硬化する(すなわち、加熱処理、UV曝露など)ことによって形成される。乾燥させた後、次いでフィルムは、様々な構造体中のルミネセンス光・エネルギー収集パネルにおいて使用することができる。
図7は、ルミネセンスパネル104および少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイス103を備えるルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一実施形態を例示する。ルミネセンスパネルは、第1の波長変換層100’中に位置している第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の波長変換層100”中に位置している(B)106を備える。一部の実施形態では、波長変換層100’、100”のそれぞれは、独立して、ポリマーマトリックスをさらに含み、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内に発光ピーク極大を有し、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子は、ルミネセンスパネル内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得、これらの捕捉された光子は、太陽エネルギー変換デバイス103によって吸収され得る。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、ガラス板またはポリマー板112をさらに備える。
異なるタイプの光入射面を利用する太陽エネルギー変換デバイスを使用することができる。例えば、一部の太陽エネルギー変換デバイスは、二面を持ち、2つの側から放射線を受け取ることができる。一部の太陽エネルギー変換デバイスは、片側で放射線を受け取るだけであり得る。ルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一部の実施形態では、二面を持つ太陽エネルギー変換デバイスは、これがその面の1つで直接入射太陽放射線を受け取ることができ、その面の2つでルミネセンスパネル内の内部反射部からの間接放射線を受け取ることができるように使用される。ルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一部の実施形態では、単一面を持つ太陽エネルギー変換デバイスは、それがその一面で直接の入射太陽放射線を受け取り、その一面でルミネセンスパネル内の内部反射部からの間接の放射線も受け取ることができるようにルミネセンス光・エネルギー収集パネル内で使用および配置される。太陽エネルギー変換デバイスの光入射側が太陽から見て外に向くように逆さまに太陽エネルギー変換デバイスを配置することが望ましい場合がある。太陽エネルギー変換デバイスが逆さまであるとき、これは、直接の太陽放射線を受け取ることができず、エネルギーに変換される放射線を、光子であって、ルミネセンスパネル内に捕捉された状態になり、これらが太陽エネルギー変換デバイスに到達するまで内側に反射および屈折される、光子の放射線に制限する。これは、植物と太陽電池との間の競合を軽減するのに役立つ。これはまた、直接の太陽光から太陽電池を保護し、それは、UV放射線曝露の量を減少させることによってその寿命を増大させ得る。したがって、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一部の実施形態では、単一の面を持つ太陽エネルギー変換デバイスは、それがその一面で直接の入射太陽放射線を受け取ることができず、その一面でルミネセンスパネル内の内部反射部からの間接の放射線のみを受け取ることができるようにルミネセンス光・エネルギー収集パネル内で使用および配置される。
一部の実施形態では、図7に示したように、太陽エネルギー変換デバイス103は、二面を持っていても、単一面を持っていてもよく、直接および間接の光子の両方を受け取るように配置され得、またはこれは、間接の光子のみを受け取るように配置され得る。
図8は、ルミネセンスパネル104および少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイス103を備えるルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一実施形態を例示する。ルミネセンスパネルは、第1の波長変換層100’中に位置している第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の波長変換層100”中に位置している(B)106を備える。一部の実施形態では、波長変換層100’、100”のそれぞれは、独立して、ポリマーマトリックスをさらに含み、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内に発光ピーク極大を有し、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の青色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子は、ルミネセンスパネル内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得、これらの捕捉された光子は、太陽エネルギー変換デバイス103によって吸収され得る。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイス103は、二面を持っていても、単一面を持っていてもよく、直接および間接の光子の両方を受け取るように配置され得、またはこれは、間接の光子のみを受け取るように配置され得る。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、ガラス板またはポリマー板112をさらに備える。
図9は、ルミネセンスパネル104および少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイス103を備えるルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一実施形態を例示する。ルミネセンスパネル104は、第1の波長変換層100’中に位置している第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の波長変換層100”中に位置している(B)106を備える。一部の実施形態では、波長変換層100’、100”のそれぞれは、独立して、ポリマーマトリックスをさらに含む。一部の実施形態では、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内に吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内に発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子108、110は、ルミネセンスパネル内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得、これらの捕捉された光子は、太陽エネルギー変換デバイス103によって吸収され得る。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイス103は、二面を持っていても、単一面を持っていてもよく、直接および間接の光子の両方を受け取るように配置され得、またはこれは、間接の光子のみを受け取るように配置され得る。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、ガラス板またはポリマー板112をさらに備える。
図10は、ルミネセンスパネル104、および少なくとも1つの太陽エネルギー変換デバイス103を備えるルミネセンス光・エネルギー収集パネルの一実施形態を例示する。ルミネセンスパネルは、第1の有機光安定発色団(A)105、および第2の有機光安定発色団(B)106を備え、(A)105および(B)106は、同じ波長変換層100内で混合されている。一部の実施形態では、波長変換層は、ポリマーマトリックスを含み、(A)105は、電磁スペクトル107のUV領域内で吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル108の青色領域内で発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、(B)106は、電磁スペクトル109の緑色領域内で吸収ピーク極大を有し、電磁スペクトル110の赤色領域内で発光ピーク極大を有する。一部の実施形態では、再放出された光子は、ルミネセンスパネル104内の内部反射部111によって捕捉された状態になり得、これらの捕捉された光子は、太陽エネルギー変換デバイス103によって吸収され得る。一部の実施形態では、太陽エネルギー変換デバイス103は、二面を持っていても、単一面を持っていてもよく、直接および間接の光子の両方を受け取るように配置され得、またはこれは、間接の光子のみを受け取るように配置され得る。一部の実施形態では、ルミネセンスパネルは、ガラス板またはポリマー板112をさらに備える。
一部の実施形態では、植物の成長速度を増大させるための方法が提供される。一部の実施形態では、上述したルミネセンスパネルを使用してフィルターされた光に曝露されている植物の成長速度は、フィルターされた光に曝露されていない植物と比べて、約0〜約5%、約5%〜約10%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約100%、または約100%超、その間またはそれ以外の値で増大される。
一部の実施形態は、植物の成長速度を増大させるための方法であって、上記または以下に記載のルミネセンスパネルによってフィルターされた光に植物を曝露するステップを含む、方法に関係する。
一部の実施形態は、植物の成長速度を増大させるための方法であって、上記または以下に記載のルミネセンスパネルによってフィルターされた光に植物を曝露するステップを含み、ルミネセンスパネルは、光起電力装置をさらに含む、方法に関係する。
一部の実施形態では、本明細書に記載のルミネセンスパネルを使用する成長速度は、慣例的な温室パネルによってフィルターされた光を受け取る植物と比べて、約1%〜約40%、約5%〜約30%、約10%〜約25%、または約15%〜約20%の範囲内で増大する。一部の実施形態では、植物成長速度は、慣例的な温室パネルによってフィルターされた光を受け取る植物と比べて、約40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または約1%超増大する。
一部の実施形態は、植物の果実収量を増大させるための方法であって、上記または以下に記載のルミネセンスパネルおよび/またはエネルギー収集パネルによってフィルターされた光に植物を曝露するステップを含む、方法に関係する。一部の実施形態では、果実収量は、慣例的な温室パネルによってフィルターされた光を受け取る植物と比べて、約1%〜約40%、約5%〜約30%、約10%〜約25%、または約15%〜約20%の範囲内の量増大する。一部の実施形態では、植物の果実収量は、慣例的な温室パネルによってフィルターされた光を受け取る植物と比べて、約40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または約1%超増大する。
一部の実施形態は、入射光子を吸収するように構成された光吸収面、約300nm〜約450nmの範囲内の吸収極大および約400nm〜約520nmの範囲内の発光極大を有する第1の有機光安定発色団、ならびに約480nm〜約620nmの範囲内の吸収極大および約550nm〜約800nmの範囲内の発光極大を有する第2の有機光安定発色団を含む少なくとも1つの波長変換層を備える温室パネルに関係する。
本発明の態様、および関連技術に対して実現される利点を要約する意図で、本発明のある特定の目的および利点を本開示で記載する。もちろん、必ずしもすべてのこのような目的または利点が、本発明の任意の特定の実施形態によって実現され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、例えば、本発明は、本明細書に教示または示唆され得る他の目的または利点を必ずしも実現することなく、本明細書に教示の1つの利点または利点の群を実現または最適化する様式で具現または実施され得ることを、当業者は認識するであろう。本発明のさらなる態様、特徴、および利点は、以下に続く実施例から明らかになる。
本開示では、列挙された置換基は、別段に指定されていない限り、さらに置換された基および非置換の基の両方を含む。さらに、本開示では、条件および/または構造が指定されていない場合、当業者は、日常の実験の事項として、本開示を考慮してそのような条件および/または構造を容易に提供することができる。
(光起電力用途)
(発色団化合物の合成)
(化合物1A)
化合物1Aの合成を、以下のスキームによって実施した:
4,7−ジブロモベンゾ[2,1,3]チアジアゾール(13.2g、45mmol)、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(30.0g、104mmol)、水(80mL)中の炭酸ナトリウム(21.2g、200mmol)の溶液、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.0g、4.3mmol)、n−ブタノール(800mL)、およびトルエン(400mL)の混合物をアルゴン下で撹拌し、100℃で20時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を水(600mL)で希釈し、2時間撹拌した。最後に、反応混合物をトルエン(2L)で抽出し、揮発分を減圧下で除去した。シリカゲル、および溶離液としてヘキサン/ジクロロメタン(1:1)を使用して残渣をクロマトグラフィーにかけて、4,7−ビス[(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)]ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール(中間体A)26.96g(43.3mmol、96%)を得た。
アルゴン下で撹拌し、氷/水浴中で冷却したジクロロメタン(800mL)中の中間体A(22.0g、35.3mmol)の溶液に、4−t−ブチルベンゾイルクロリド(97.4mL、500mmol)、およびエチルエーテル(700mL、700mmol)中の塩化亜鉛の1M溶液を少しずつ添加した。得られた混合物を、44℃で68時間撹拌および加熱した。反応混合物を砕いた氷(2kg)上に注ぎ、撹拌し、飽和炭酸ナトリウムで処理してpH8にし、ジクロロメタン(2L)で希釈し、大気圧下でフリットガラス漏斗に通して濾過した。ジクロロメタン層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣のカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル、48:50:2)、その後のエタノールからの再結晶により、第1の画分として純粋なルミネセンス色素中間体B、7.72g(28%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.94 (d, 2H, J=7.3Hz), 7.87 (d, 2H, J=7.7Hz), 7.74 (m, 6H), 7.47 (d, 2H, J=7.3Hz), 7.36 (t, 2H, J=7.3Hz), 7.31 (d, 2H, J=7.3Hz), 7.27 (m, 6H), 7.19 (m, 7H), 7.13 (d, 2H, J=7.7Hz), 7.06 (t, 2H, J=7.3Hz), 1.35 (s, 9H).UV−可視スペクトル:λmax=448nm(ジクロロメタン)、456nm(PVBフィルム)。蛍光定量法:λmax=618nm(ジクロロメタン)、562nm(PVBフィルム)。
第2の画分により、ルミネセンス色素化合物1A、12.35g(37%の収率)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.95 (d, 4H, J=8.4Hz), 7.79-7.73 (m, 10H), 7.48 (d, 4H, J=7.7Hz), 7.36 (t, 4H, J=7.7Hz), 7.31 (d, 4H, J=8.4Hz), 7.25 (d, 4H, J=7.7Hz), 7.18 (t, J=7.3, 2H, Ph), 7.14 (d, 4H, J=8.8Hz),1.35 (s, 18H).UV−可視スペクトル:λmax=437nm(ジクロロメタン)、455nm(PVBフィルム)。蛍光定量法:λmax=607nm(ジクロロメタン)、547nm(PVBフィルム)。
(化合物1B)
化合物1Bの合成を、以下のスキームによって実施した:
ベンゾトリアゾール(5.96g、50mmol)、臭素(7.7mL、150mmol)、および48% HBr(30mL)の混合物を、120℃で24時間加熱した。反応混合物を氷/水(200mL)中に注ぎ、5N NaOHで中和し、過剰の臭素を、1Mチオ硫酸ナトリウムを添加することによって除去した(KI/デンプン紙を用いた試験)。30分間撹拌した後、固体を濾別し、水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル、75:25)によって、かつ酢酸エチル(50mL)で洗浄することによって精製して、4,7−ジブロモ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール2.65g(19%)を得た。
4,7−ジブロモ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(1.37g、5.5mmol)、4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(3.47g、12mmol)、水(10mL)中の炭酸ナトリウム(5.30g、50mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.15g、1.0mmol)、n−ブタノール(80mL)、およびトルエン(10mL)の混合物を、アルゴン下で120℃にて4日間撹拌および加熱した。反応混合物を水(300mL)中に注ぎ、15分間撹拌し、ジクロロメタン(2×300mL)で抽出した。溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、残渣をクロマトグラフィーにかけて(シリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル、95:5)、4,7−ビス(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(中間体C)、1.85g(56%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.58 (s, 2H, ベンゾトリアゾール), 7.16-7.23 (m, 16H, p-フェニレンおよびPh), 7.07 (t, J=7.3, 4H, Ph), 7.02 (bs, 1H, N-H).
中間体C(500mg、0.82mmol)、2−クロロピリミジン(343mg、3.0mmol)、60% NaH(60mg、1.5mmol)、およびジメチルホルムアミド(dimethlyformamide)(10mL)の混合物をアルゴン下で撹拌し、120℃で20時間加熱した。反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、揮発分を減圧下で除去し、シリカゲル、および溶離液としてジクロロメタン/酢酸エチル(95:5)を使用して残渣をクロマトグラフィーにかけた。得られた生成物をエタノールから再結晶して、4,7−ビス(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)−2−(ピリミジン−2−イル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(化合物1B)、橙色結晶、340mg(61%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.99 (d, J=5.1Hz, 2H, ピリミジン), 8.02 (d, J=8.8Hz, 4 H, p-フェニレン), 7.66 (s, 2H, ベンゾトリアゾール), 7.47 (t, J=4.8Hz, 1H, ピリミジン), 7.28 (m, 8H, Ph), 7.21 (d, J=8.4Hz, 4H, p-フェニレン), 7.18 (m, 8H, Ph), 7.05 (tt, J=7.3および1.1Hz, 4H, Ph).UV−可視スペクトル(ジクロロメタン):λmax=451nm。蛍光定量法(ジクロロメタン):λmax=600nm。UV−可視スペクトル(PVB):λmax=450nm。蛍光定量法(PVB):λmax=563nm。
(化合物2(UV吸収発色団))
化合物2の合成を、以下のスキームによって実施した:
メタノール(100mL)中のベンゾトリアゾール(23.82g、200mmol)、ナトリウムメトキシド(13.56g、250mmol)、およびヨードメタン(15.60mL、250mmol)の溶液を、24時間還流しながら加熱した。反応混合物を、水(200mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。抽出物を炭酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲル、および溶離液としてジクロロメタン/酢酸エチル(98:2→90:10の勾配法)を使用してクロマトグラフィーにかけて、第1の画分として2−メチルベンゾトリアゾール(中間体D)(3.50g、10.5%)を得た。
48%臭化水素酸(25mL)中の中間体D(3.00g、22.5mmol)の溶液を臭素(4.5mL、86.8mmol)で処理し、120℃で18時間加熱した。反応混合物を氷/水(100mL)中に注ぎ、2N水酸化ナトリウムで処理してpH10にし、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、シリカゲルの層に通して濾過して、4,7−ジブロモ−2−メチルベンゾトリアゾール(中間体E)(4.35g、67%)を得た。
中間体E(2.90g、10.0mmol)、4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(7.50g、26mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g、1.0mmol)、水(25mL)中の炭酸ナトリウム(5.30g、50mmol)、および1,2−ジメトキシエタン(80mL)の混合物を、アルゴン下で撹拌し、110℃で40時間加熱した。反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、2時間撹拌し、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、溶離液としてヘキサン/ジクロロメタン(9:1→2:8の勾配法)を使用して残渣をクロマトグラフィーにかけた。所望の生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、黄色結晶性材料として発色団化合物2(4.06g、64%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.95 (d, J=8.8Hz, 4 H), 7.59 (s, 2 H), 7.27 (m, 8 H), 7.18 (m, 12 H), 7.04 (tt, J=7.3および1.1Hz, 2 H), 4.57 (s, 3 H).UV−可視スペクトル(ジクロロメタン):λmax=402nm。蛍光定量法(ジクロロメタン):λmax=492nm。UV−可視スペクトル(PVB):λmax=407nm。蛍光定量法(PVB):λmax=470nm。
(中間体F)
一般的な中間体Fを、以下のスキームによって合成した。
(ステップ1:2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール)
ベンゾトリアゾール(11.91g、100mmol)、1−ヨード−2−メチルプロパン(13.8mL、120mmol)、炭酸カリウム(41.46g、300mmol)、およびジメチルホルムアミド(200mL)の混合物を、アルゴン下で40℃にて2日間撹拌および加熱した。反応混合物を氷/水(1L)中に注ぎ、トルエン/ヘキサン(2:1、2×500mL)で抽出した。抽出物を、1N HCl(2×200mL)、その後ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をヘキサン(200mL)で粉砕し、室温で2時間放置した。沈殿物を分離および廃棄し、溶液をシリカゲル(200g)の層に通して濾過した。シリカゲルをヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル(37:50:3、2L)で洗浄した。濾液および洗浄液を合わせ、溶媒を減圧下で除去して、油状生成物として2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(8.81g、50%の収率)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.86 (m, 2H, ベンゾトリアゾール), 7.37 (m, 2H, ベンゾトリアゾール), 4.53 (d, J=7.3Hz, 2H, i-Bu), 2.52 (m, 1H, i-Bu), 0.97 (d, J=7.0Hz, 6H, i-Bu).
(ステップ2:4,7−ジブロモ−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(中間体F))
2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(8.80g、50mmol)、臭素(7.7mL、150mmol)、および48% HBr(50mL)の混合物を、HBrトラップに接続された還流冷却器の下で130℃にて24時間加熱した。反応混合物を氷/水(200mL)中に注ぎ、5N NaOH(100mL)で処理し、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。ヘキサン/ジクロロメタン(1:1、200mL)中の残渣の溶液をシリカゲルの層に通して濾過し、濃縮して、油状物として4,7−ジブロモ−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、中間体F(11.14g、63%の収率)を得た。これは、室温で貯蔵すると徐々に固化した。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.44 (s, 2H, ベンゾトリアゾール), 4.58 (d, J=7.3Hz, 2H, i-Bu), 2.58 (m, 1H, i-Bu), 0.98 (d, J=6.6Hz, 6H, i-Bu).
(化合物3)
例示的な発色団化合物3を、以下の反応スキームによって合成した。
中間体F(1.32g、4.0mmol)、4−イソブトキシフェニルボロン酸(1.94g、10.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.00g、0.86mmol)、水(15mL)中の炭酸ナトリウム(2.12g、20mmol)の溶液、ブタノール(50mL)、およびトルエン(30mL)の混合物を、アルゴン下で100℃にて16時間活発に撹拌し、加熱した。反応混合物を水(300mL)中に注ぎ、30分間撹拌し、トルエン/酢酸エチル/ヘキサン(5:3:2、500mL)で抽出した。揮発分を減圧下で除去し、残渣をクロマトグラフィーにかけた(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン、1:1)。分離した生成物をエタノールから再結晶して、純粋な4,7−ビス(4−イソブトキシフェニル)−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、化合物3(1.57g、83%の収率)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.99 (d, J=8.7Hz, 4H, 4-i-BuOC6H4), 7.55 (s, 2H, ベンゾトリアゾール), 7.04 (d, J=8.8Hz, 4H, 4-i-BuOC6H4), 4.58 (d, J=7.3Hz, 2H, i-Bu), 3.79 (d, J=6.6Hz, 4H, 4-i-BuOC6H4), 2.59 (m, 1H, i-Bu), 2.13 (m, 2H, 4-i-BuOC6H4), 1.04 (d, J=6.6Hz, 12H, 4-i-BuOC6H4), 1.00 (d, J=6.6Hz, 6H, i-Bu).UV−可視スペクトル(PVB):λmax=359nm。蛍光定量法(PVB):λmax=434nm。図11は、化合物3の吸収および発光スペクトルを示す。
(トシル酸塩を調製するための一般的な手順)
等モル量のp−トルエンスルホン酸クロリド、対応するアルコール、および1.2当量のトリエチルアミンを、ジクロロメタン中で室温にて一晩撹拌した。水で後処理し、無水MgSO4で乾燥させ、濃縮すると、95〜98%純粋なトシル化アルコールがもたらされ、これを以下に記載の化合物の合成において精製することなく使用した。
(中間体G)
中間体Gを、以下の反応スキームによって合成する:
ベンゾチアジアゾール(25g、184mmol)を、48% HBr(水中)400mL中の臭素20.8mL(2.2当量)と、125〜130℃で一晩反応させた。冷却後、反応混合物(赤茶色(redish-brown)固体の高濃度の懸濁液)を、砕いた氷1リットル中に注ぎ、30分間撹拌したままにした。濾過し、水で洗浄し、その後、亜硫酸ナトリウム溶液および水で洗浄すると、レンガ色針晶として4,7−ジブロモベンゾチアジアゾールを得た(50.1g、92%、真空オーブン内で乾燥後)。この材料を、以下の通り、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)中の発煙硝酸を用いたニトロ化に使用した:硝酸(10.0mL)をTFMSA(150g)に滴下し、これを集中的に撹拌しながら5℃未満に冷却した(白色固体を形成した)。4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール(固体としての)を上記反応混合物に少しずつ添加し、これが均質になった後、フラスコを油浴中に配置し、50℃で16〜24時間撹拌したままにした。反応を13C NMR(110.4、145.0、および151.4ppm)によって監視した。氷/水500mL中に溶液を注ぐと、黄色がかった固体として中間体G(4,7−ジブロモ−5,6−ジニトロベンゾチアジアゾール)が得られ、これを水で徹底的に洗浄し、真空オーブン内で乾燥させた(30.6g、94%)。
(中間体H)
中間体Hを、以下の反応スキームによって合成する:
4−ブロモトリフェニルアミン(65.0g、200mmol)を、磁気撹拌子、低温温度計、およびアルゴン入口を備えた500mlの乾燥した3つ口RBフラスコ中に入れた。テトラヒドロフランを、カニューレ(200ml)を使用して反応フラスコに移し、ドライアイスアセトン浴中で−78℃に冷却し、ヘキサン(130mL)中のn−BuLi 91.6Mを、30分の期間にわたって滴下した。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌したままにし、その時間に塩化トリブチルスズ(65.0mL)を30分にわたって滴下した。反応物を一晩撹拌したままにし、その後、反応物を室温に加温させた。溶液を氷冷水(およそ500mL)中に注ぎ、ジエチルエーテル(2×250mL)を使用して抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発によって除去して、1H NMRによっておよそ95%純粋な、黄色がかった油状物として中間体H 106.5gを得た。
(中間体I)
中間体Iを、以下の反応スキームによって合成する:
ステップ1:テトラヒドロフラン中の中間体G(3.84g、10mmol)、中間体H(10.7g、20mmol)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.40g、2.0mmol)の混合物を、アルゴン下で70℃にて5時間撹拌および加熱した。溶媒を除去し、MeOHを残渣に添加した(100mL)。紫色固体を濾過によって分離し、MeOHで洗浄し、乾燥させて、紫色固体として4,4’−(5,6−ジニトロベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール−4,7−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(7.0g)を得た。
ステップ2:上記粗製4,4’−(5,6−ジニトロベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール−4,7−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(10mmolについて計算した)の鉄塵(5.6g、100mmol)との混合物を、5%の水を含む氷酢酸(100mL)中で(副生成物、イミダゾールの形成を防止するため)110℃にて2時間加熱した。溶液を氷−水(200mL)中に注ぎ、得られた固体を濾過によって分離し、水で洗浄し、乾燥させた。エチルDCM/ヘキサン(3:2)を使用してシリカゲルの2つの層に通して濾過し(鉄の粒子を除去するため)、濃縮した後、中間体I(4,7−ビス(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール−5,6−ジアミン)を淡褐色固体として収集した(4.50g、68%、2ステップ後)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.44 (d, J=8.6Hz, 4H), 7.16-7.30 (m, 20H), 7.44 (t, J=6.3Hz, 4H).
(中間体J)
中間体Jを、以下の反応スキームによって合成する:
ステップ1:ベンゾトリアゾール(11.91g、100mmol)、1−ヨード−2−メチルプロパン(13.8mL、120mmol)、炭酸カリウム(41.46g、300mmol)、およびジメチルホルムアミド(200mL)の混合物を、アルゴン下で40℃にて2日間撹拌および加熱する。反応混合物を氷/水(1L)中に注ぎ、トルエン/ヘキサン(2:1、2×500mL)で抽出した。抽出物を1N HCl(2×200mL)、その後ブライン(100mL)で洗浄した。次いで抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をヘキサン(200mL)で粉砕し、室温で2時間放置した。沈殿物を分離および廃棄し、溶液をシリカゲル(200g)の層に通して濾過した。シリカゲルをヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル(37:50:3、2L)で洗浄した。濾液および洗浄液を合わせ、溶媒を減圧下で除去して、油状生成物として2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(8.81g、50%の収率)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.86 (m, 2H, ベンゾトリアゾール), 7.37 (m, 2H, ベンゾトリアゾール), 4.53 (d, J=7.3Hz, 2H, i-Bu), 2.52 (m, 1H, i-Bu), 0.97 (d, J=7.0Hz, 6H, i-Bu).
ステップ2:2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(8.80g、50mmol)、臭素(7.7mL、150mmol)、および48% HBr(50mL)の混合物を、HBrトラップに接続された還流冷却器の下で130℃にて24時間加熱した。反応混合物を氷/水(200mL)中に注ぎ、5N NaOH(100mL)で処理し、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。ヘキサン/ジクロロメタン(1:1、200mL)中の残渣の溶液をシリカゲルの層に通して濾過し、濃縮して、油状物として4,7−ジブロモ−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(11.14g、63%の収率)を得た。これは、室温で貯蔵すると徐々に固化した。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.44 (s, 2H, ベンゾトリアゾール), 4.58 (d, J=7.3Hz, 2H, i-Bu), 2.58 (m, 1H, i-Bu), 0.98 (d, J=6.6Hz, 6H, i-Bu).
ステップ3:4,7−ジブロモ−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(17.8g、53mmol)を、予め混合した発煙HNO3(7.0mL)とTFMSA(110g)に0〜5℃で少しずつ添加し、およそ10分後、反応混合物を油浴中に配置し、55℃で8時間加熱した。次いで溶液を氷/水500mL中に注ぐことによって冷却した。得られた固体を水、その後MeOHで徹底的に洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、黄色がかった固体として中間体J(4,7−ジブロモ−2−イソブチル−5,6−ジニトロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール)(20.4g、91%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 4.66 (δ, J=7.2Hz, 2H, i-Bu), 2.60 (m, 1H, i-Bu), 1.01 (d, J=7.0Hz, 6H, i-Bu).
(中間体K)
中間体Kを、以下の反応スキームによって合成する:
ステップ1:アルゴン入口および磁気撹拌子を備えた3つ口反応フラスコ内に、THF(100mL)、中間体H(31.1g、30mmol)を入れ、アルゴンでおよそ10分間バブリングした後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(中間体C当たり10%モル、1.80g、2.5mmol)を添加した。反応物をアルゴン下で10分間撹拌した後、中間体J(10.6g、25mmol)を一度に添加した。反応混合物を22時間還流した。反応をLCMSおよびTLCによって監視した。反応物を冷却し、撹拌しながらMeOH(200mL)を添加した。暗橙色固体が形成され、これを濾過によって分離し、MeOHで洗浄し、乾燥させて、4,4’−(2−イソブチル−5,6−ジニトロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−4,7−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(11.5g、62%、LCMSによる純度 86%)を得た。
ステップ2:4,4’−(2−イソブチル−5,6−ジニトロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−4,7−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(6.0g、8.0mmol)および鉄粉末(4.5g、80mmol)の混合物を、氷酢酸(100mL)中で130℃にて2時間加熱および撹拌した。反応をLCMSおよびTLCによって監視した。反応物を冷却し、水中に注いで黄色固体を得、これを濾過によって分離し、水で洗浄し、乾燥させて、中間体K(4,7−ビス(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)−2−イソブチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5,6−ジアミン)(4.6g、66%、LCMSによる純度 82%)を得た。
(化合物4)
化合物4の合成を、以下のスキームによって実施した:
ステップ1:中間体K(5.54g、8mmol)をTHF 50mL(溶解度のため)中に溶解させ、酢酸50mLを添加した。混合物を氷/水浴中で冷却した後、水中のNaNO2の1M溶液12mLを添加した。10分後、反応が完了した。水400mLで希釈すると橙色固体が得られ、これを濾過によって分離し、洗浄し、乾燥させて、橙色固体として4,4’−(6−イソブチル−1,6−ジヒドロベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビス([1,2,3]トリアゾール)−4,8−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(2.72g、48%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.5 (bs, 1H), 7.9 (bs, 1H), 7.2-7.3 (m, 24H), 7.08 (t, J=7.3Hz, 4H), 4.65 (d, J=7.4Hz, 2H), 2.64 (m, 1H), 1.01 (d, J=6.5Hz, 6H).
ステップ2:次いで、2.5mmolについて計算した4,4’−(6−イソブチル−1,6−ジヒドロベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビス([1,2,3]トリアゾール)−4,8−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)1.70gをDMF(30mL)中に溶解させた。炭酸カリウム(2.80g、20mmol)を添加し、その後2−ブトキシエチル4−メチルベンゼンスルホネート(1.36g、5mmol)を添加し、反応混合物を125℃で50分間加熱した。溶液をロータリーエバポレーターにかけ、残渣をMeOHで粉砕した。赤茶色固体を分離し、MeOHで洗浄し、乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/ヘキサン−3:2)により、赤色固体として化合物4(4,4’−(2−(2−ブトキシエチル)−6−イソブチル−1,2,3,6−テトラヒドロベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビス([1,2,3]トリアゾール)−4,8−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン))(1.62g、80%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.60 (d, J=8.7Hz, 4H), 7.20-732 (m, 20H), 7.06 (t, J=7.3Hz, 4H), 5.02 (t, J=5.8Hz, 2H), 4.66 (d, J=7.4Hz, 2H), 4.20 (t, J=6.0Hz, 2H), 3.48 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.66 (d, J= 6.9Hz, 2H), 1.50 (m, 2H), 1.23 (m, 2H), 1.00 (m, 2H), 1.03 (d, J=6.6Hz, 6H), 0.78 (t, J=7.7Hz).UV−可視スペクトル:λmax=517nm(ジクロロメタン)、512nm(PMMAフィルム)。蛍光定量法:λmax=615nm(ジクロロメタン)、606nm(PMMAフィルム)。図12は、化合物4の吸収および発光スペクトルを示す。
(化合物5)
化合物5の合成を、以下のスキームによって実施した:
中間体L 1.89g、フェノール1.05g、N−メチルピロリドン(NMP)40ml、およびK2CO3 1.23gの混合物をアルゴン雰囲気下で一緒に添加し、132℃に一晩加熱した。次いで、反応混合物を1N塩酸溶液中に注ぎ、それにより、生成物が沈殿した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、オーブン内で乾燥させた。粗生成物を、溶離液としてジクロロメタン/ヘキサン(v/v、3:2)を用いてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、赤色固体として化合物5(0.82g、34%)を得た。UV−可視スペクトル(PVB):λmax=574nm。蛍光定量法(PVB):λmax=603nm。図13は、化合物5の吸収および発光スペクトルを示す。
(市販の化合物Y083)
市販の化合物Y083をBASFから購入し、受領したままで使用した。化合物は、以下の構造を有する:
(市販の発色団と比較した新規発色団の光安定性)
1種の発色団、および光学的に透明なポリマーマトリックスを含む波長変換フィルムを、(i)シクロペンタノン中に溶解したポリマー粉末を含む20wt%ポリビニルブチラール(PVB)(Aldrich製で、受領したままで使用した)ポリマー溶液を調製し、(ii)PVBポリマー溶液を10−5mol/g(PVB 1g当たり発色団化合物10−5mol)の濃度で、合成した発色団化合物と混合することによって発色団含有PVBマトリックスを調製して、発色団含有ポリマー溶液を得、(iii)溶液をおよそ30分間撹拌し、(iv)次いで色素含有ポリマー溶液をガラス基板上に直接ドロップキャスティングすることによって発色団/ポリマーフィルムを形成し、次いでフィルムを室温で一晩乾燥させ、その後60℃にて真空下で10分間加熱処理して、残っている溶媒を完全に除去し、(v)真空下で乾燥組成物をホットプレスしておよそ20μmのフィルム厚を有する無気泡フィルムを形成することによって製作する。
(新規発色団の光安定性の測定)
波長変換フィルムを、周囲温度で連続的な1サン(AM1.5G)照射に曝露した。波長変換フィルムの吸収ピークを、曝露の前に、かつその後24時間の全曝露においてUV−可視分光計を使用して測定した。0時間でピーク強度が100%であるように、最初のUV−可視吸収データをその吸収ピーク極大に対して正規化した。次いで1サンへの曝露後のUV−可視測定値を最初の0時間のデータに対して正規化し、吸収ピーク強度を光安定性として報告する。容易に劣化されるフィルムは、典型的には、1サン照射の数時間以内に吸収ピークの劇的な減衰を示す。優れた光安定性を有するフィルムは、1サン照射への長時間の曝露に対してピーク吸収を維持する。以下の表は、市販の有機発色団と比較した新規発色団の光安定性を示す。
〔実施例1〕
2種以上の発色団、および光学的に透明なポリマーマトリックスを含む波長変換フィルム101を、(i)シクロペンタノン中に溶解したポリマー粉末を含む15wt%エチルビニルアセテート(EVA)(Aldrich製で、受領したままで使用した)ポリマー溶液を調製し、(ii)EVAポリマー溶液を0.3wt%の重量比(化合物1A/EVA)の合成した化合物1A、および0.3wt%の重量比(化合物2/EVA)の化合物2と混合することによって発色団含有EVAマトリックスを調製して、発色団含有ポリマー溶液を得、(iii)溶液をおよそ30分間撹拌し、(iv)次いで色素含有ポリマー溶液を基板上に直接ドロップキャスティングすることによって発色団/ポリマーフィルムを形成し、次いでフィルムを室温で一晩乾燥させ、その後60℃にて真空下で10分間加熱処理して、残っている溶媒を完全に除去し、(v)真空下で乾燥組成物をホットプレスしておよそ200μmのフィルム厚を有する無気泡フィルムを形成することによって製作する。
(効率増強の測定)
太陽電池の光電変換効率を、Newport 300Wフルスペクトルソーラーシミュレーターシステムによって測定した。光強度を、2×2cm較正済み参照単結晶シリコン太陽電池によって1サン(AM1.5G)に調整した。次いでCdS/CdTe太陽電池のI−V特徴付けを同じ照射下で実施した。その効率を、シミュレーター内にインストールされたNewportソフトウェアプログラムによって計算する。本試験で使用したCdS/CdTe太陽電池は、11.3%の効率η電池を有し、これは、ほとんどの市販のCdS/CdTe電池で実現される効率レベルと同様である。電池のスタンドアロン効率を判定した後、CdS/CdTe電池の光入射アクティブウィンドウの同じ形状およびサイズに切断した実施例1の波長変換フィルムを、ルミネセンスフィルムとCdS/CdTe太陽電池の光入射ガラス面との間に満たされた屈折率整合液(n=1.500)を使用して、図1に例示したようにCdS/CdTe電池の光入射前面ガラス基板に付着させた。波長変換フィルムを含む太陽電池効率、η電池+ルミネセンスフィルムを、同じ1サン曝露下で再び測定した。付着した波長変換フィルムに起因するCdS/CdTe太陽電池の効率増強は、以下の式を使用して判定した:
効率増強=(η電池+ルミネセンスフィルム−η電池)/η電池 *100%
表1は、製作した波長変換フィルムのそれぞれの効率増強を示す。本試験の測定誤差は、+/−1%の程度である。
(光安定性の測定)
実施例1の波長変換フィルムを、周囲温度で連続的な1サン(AM1.5G)照射に曝露した。波長変換フィルムの吸収ピークを、曝露の前に、かつその後、3時間の全曝露、20時間の全曝露、46時間の全曝露、および70時間の全曝露においてUV−可視分光計を使用して測定した。0時間でピーク強度が100%であるように、最初のUV−可視吸収データをその吸収ピーク極大に対して正規化した。次いで1サンへの曝露後のUV−可視測定値を最初の0時間のデータに対して正規化し、吸収ピーク強度を光安定性として報告する。容易に劣化されるフィルムは、典型的には、1サン照射の数時間以内に吸収ピークの劇的な減衰を示す。優れた光安定性を有するフィルムは、1サン照射への長時間の曝露に対してピーク吸収を維持する。表2は、製作した波長変換フィルムの光安定性を示す。
〔比較例2〕
比較例2を、化合物2を使用しないことを除いて実施例1に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例3〕
実施例3を、化合物1Bを化合物1Aの代わりに使用することを除いて実施例1に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例4〕
比較例4を、化合物2を使用しないことを除いて実施例3に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例5〕
実施例5を、使用したポリマーマトリックスがElvax(Dupon製のElvax1300で、受領したままで使用した)であることを除いて、実施例1に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例6〕
比較例6を、化合物2を使用しないことを除いて実施例5に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例7〕
実施例7を、化合物1Bを化合物1Aの代わりに使用することを除いて実施例5に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例8〕
比較例8を、化合物2を使用しないことを除いて実施例7に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例9〕
実施例9を、使用したポリマーマトリックスがポリビニルブチラール(Kuraray製のMowital B60Tで、受領したままで使用した)であることを除いて、実施例1に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例10〕
比較例10を、化合物2を使用しないことを除いて実施例9に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例11〕
実施例11を、化合物1Bを化合物1Aの代わりに使用することを除いて実施例9に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例12〕
比較例12を、化合物2を使用しないことを除いて実施例11に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例13〕
実施例13を、使用したポリマーマトリックスがポリビニルブチラール(Sigma Aldrich製のPVBで、受領したままで使用した)であることを除いて、実施例1に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例14〕
比較例14を、化合物2を使用しないことを除いて実施例13に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔実施例15〕
実施例15を、化合物1Bを化合物1Aの代わりに使用することを除いて実施例13に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
〔比較例16〕
比較例16を、化合物2を使用しないことを除いて実施例15に示したのと同じ方法を使用して合成する。表1は、このフィルムの効率増強を示し、表2は、光安定性を示す。
表1は、化合物1Aおよび化合物2の両方の混合物を含む波長変換フィルムは、4つすべての異なる種類のポリマーマトリックスについて、化合物1Aのみを含有したフィルムより良好な効率を示したことを示す。化合物1Bおよび化合物2の両方の混合物を含む波長変換フィルムは、化合物1Bのみを含有したフィルムと同様の効率を示した。効率試験の測定誤差は、約+/−1%の程度である。したがって、波長変換フィルムへのUV吸収発色団である化合物2の添加は、CdS/CdTe太陽電池効率に対してまったく効果を有さないか、またはCdS/CdTe太陽電池効率の改善を示した。
表2は、化合物1Aおよび化合物2の両方の混合物を含有する波長変換フィルムの光安定性は、4つすべての異なる種類のポリマーマトリックスについて、化合物1Aのみを含有する波長変換フィルムと比較して著しく改善されることを示す。第2の発色団(chromphore)の添加に起因する光安定性の最大の改善は、Elvaxポリマーマトリックスを含む波長変換フィルムに1サンを曝露して70時間後に得られ、それは、化合物1Aのみで17%の光安定性しか示さず、化合物1Aおよび化合物2の両方がフィルム中に含有されているとき78%の光安定性に改善された。同様に、化合物1Bおよび化合物2の両方の混合物を含む波長変換フィルムも、化合物1Bのみから構成されるフィルムと比較して光安定性の著しい改善を示した。
この本発明の目的は、太陽電池、光起電力デバイス、ソーラーモジュール、およびソーラーパネルを被包するのに適した、少なくも2種の発色団を含む波長変換フィルムを提供することである。上記実施例によって例示したように、この材料の使用は、太陽電池の光変換効率を改善し、単一の発色団化合物のみを含有する波長変換フィルムより良好な光安定性を有する。
(温室用途)
(波長変換フィルムの合成)
一実施形態では、波長変換フィルムを、以下の通り製作した:(i)シクロペンタノン中に溶解したポリマー粉末を含む20wt%エチレンビニルアセテート(Aldrichから購入したEVAで、受領したままで使用した)ポリマー溶液を調製し、(ii)EVAポリマー溶液を0.3wt%の発色団/EVAの重量比で、合成した発色団化合物(化合物3、4、または5)と混合することによって発色団含有EVAマトリックスを調製して、発色団含有ポリマー溶液を得、(iii)溶液をおよそ30分間撹拌し、(iv)次いで色素含有ポリマー溶液を基板上に直接ドロップキャスティングすることによって発色団/ポリマーフィルムを形成し、次いでフィルムを室温で一晩乾燥させ、その後60℃にて真空下で10分間加熱処理して、残っている溶媒を完全に除去し、(v)真空下で乾燥組成物をホットプレスしておよそ0.3mmのフィルム厚を有する無気泡フィルムを形成する。
〔実施例17〕
図14に示した構造と同様の、2つの波長変換層100、およびガラス板112を備える実施例17のルミネセンスパネル104であって、層が互いの上に配置され、波長変換フィルムの天然の粘性に起因して一緒に接着された、ルミネセンスパネル104を構築した。パネルは、およそ1インチ×2インチの主要な平坦面領域寸法を有していた。太陽放射線113は、第2の層中に発色団(A)105(化合物3)を含む波長変換層、および第3の層中に発色団(B)106(化合物5)を含む波長変換層を伴ったガラス板上に入射した。
〔比較例18〕
比較例18のデバイスを、発色団(A)105を含む波長変換層を、EVA層のみ(UV−青色変換を伴う発色団なし)と置き換えたことを除いて、実施例17と同様に構築した。
(デバイスの透過率の測定)
実施例17および比較例18のデバイスの標準的な1サン(AM1.5G)放射線への曝露での透過スペクトルを、HunterLab製のUV−可視−NIR分光光度計モデルUltraScan(登録商標)PROを使用して測定し、実施例17のデバイスは、比較例18のデバイスと比較して、9%多いルミネセンスパネルから透過した青色光を有することが判明した。
〔実施例19〕
実施例19のルミネセンスパネル104を、発色団(B)106を含む波長変換層が化合物5の代わりに化合物4を使用したことを除いて、実施例17と同様に構築した。
〔比較例20〕
比較例20のデバイスを、発色団(A)105を含む波長変換層を、EVA層のみ(UV−青色変換を伴う発色団なし)と置き換えたことを除いて、実施例19と同様に構築した。
(デバイスの透過率の測定)
実施例19および比較例20のデバイスの標準的な1サン(AM1.5G)放射線への曝露での透過スペクトルを、HunterLab製のUV−可視−NIR分光光度計モデルUltraScan(登録商標)PROを使用して測定し、実施例19のデバイスは、比較例20のデバイスと比較して、7%多いルミネセンスパネルから透過した青色光を有することが判明した。
〔実施例21〕
図15に示した構造と同様の、2つの波長変換層100、およびガラス板112、および太陽エネルギー変換デバイス103を備える実施例21のルミネセンス光・エネルギー収集パネルであって、層が互いの上に配置され、波長変換フィルムの天然の粘性に起因して一緒に接着された、ルミネセンス光・エネルギー収集パネルを構築した。パネルは、およそ6インチ×6インチの主要な平坦面領域寸法を有していた。太陽放射線113は、第2の層中に発色団(A)105(化合物3)を含む波長変換層、および第3の層中に発色団(B)106(化合物5)を含む波長変換層を伴ったガラス板上に入射した。寸法6インチ×1.0cmおよび15%の変換効率を有する結晶シリコン太陽電池(c−Si)デバイス(IXYS Corporation製)を、太陽電池の光入射面をガラス板に向けて、発色団(A)105を含む波長変換層の内部に配置した。
〔比較例22〕
比較例22のデバイスを、発色団(A)105を含む波長変換層を、EVA層のみ(UV−青色変換を伴う発色団なし)と置き換えたことを除いて、実施例21と同様に構築した。
(効率の測定)
太陽電池の光電変換効率を、Newport 300Wフルスペクトルソーラーシミュレーターシステムによって測定した。光強度を、6インチ×1cmの較正済み参照単結晶シリコン太陽電池によって1サン(AM1.5G)に調整した。実施例21および比較例22のデバイス内の太陽電池の効率を測定および比較した。比較例22のデバイスと比較して、3%の効率の増大が実施例21のデバイスについて観察された。
〔実施例23〕
実施例23については、実施例21で構築した同じルミネセンス光・エネルギー収集パネルを使用し、ただし、太陽光が発色団(B)106を含む波長変換層に入射するようにこれを逆さまにした。この実施例23では、太陽電池の光入射面は、太陽光に向いておらず、したがって、間接のガイドされたルミネセンス光のみが太陽電池に到達し得る。
〔比較例24〕
同様に、比較例24については、比較例22のために構築した同じデバイスを使用し、ただし、これは、太陽光線への曝露に関して逆さまにした。この比較例24では、太陽電池の光入射面は、太陽光に向いておらず、したがって、間接のガイドされたルミネセンス光のみが太陽電池に到達し得る。
(効率の測定)
太陽電池の光電変換効率を、Newport 300Wフルスペクトルソーラーシミュレーターシステムによって測定した。光強度を、6インチ×1cmの較正済み参照単結晶シリコン太陽電池によって1サン(AM1.5G)に調整した。実施例23および比較例24のデバイス内の太陽電池の効率を測定および比較した。比較例24のデバイスと比較して、13%の効率の増大が実施例23のデバイスについて観察された。
実施例17〜20のデバイスは、第1の有機光安定発色団(A)および第2の有機光安定発色団(B)を含むルミネセンスパネルであって、(A)および(B)が、2つの別個の波長変換層中に位置しており、前記波長変換層が、ポリマーマトリックスをさらに含み、(A)が、300〜450nmの範囲内で光子を吸収し、400〜520nmの範囲内でこれらの光子を再放出するように作用し、(B)が、480〜620nmの範囲内で光子を吸収し、550〜800nmの範囲内でこれらの光子を再放出するように作用する、ルミネセンスパネルを使用すると、青色光の透過率の増大が示されたことを示す。ルミネセンスパネルを通る青色光の透過率の増大は、温室内の植物成長を増強するのに有用である。
さらに、実施例21〜24のデバイスは、太陽電池の変換効率はまた、1種の光安定発色団のみを有するデバイスと比較して、第1の有機光安定発色団(A)および第2の有機光安定発色団(B)を含むルミネセンス光・エネルギー収集パネルであって、(A)および(B)が、2つの別個の波長変換層中に位置しており、前記波長変換層が、ポリマーマトリックスをさらに含み、(A)が、300〜450nmの範囲内で光子を吸収し、400〜520nmの範囲内でこれらの光子を再放出するように作用し、(B)が、480〜620nmの範囲内で光子を吸収し、550〜800nmの範囲内でこれらの光子を再放出するように作用する、ルミネセンス光・エネルギー収集パネル内で増強されることを示す。
この本発明の目的は、2種の有機光安定発色団を組み込んでいないパネルと比較して、温室の屋根として取り付けられたとき、植物成長を増強するルミネセンスパネルを提供すること、ならびにまた、植物成長および太陽光発電を同時に増強するルミネセンス光・エネルギー収集パネルを提供することである。上記実施例によって例示したように、ルミネセンスパネル、およびルミネセンス光・エネルギー収集パネルを使用すると、1種の発色団のみを含むデバイスと比較して、青色光の透過率が改善され、太陽電池の効率が増大する。
以下の予言的な実施例は、本明細書に記載のパネルを使用して潜在的な結果を実証する。
〔実施例25〕
2つの温室を製作する。第1の温室は、慣例的な温室窓を使用して製作し、第2の温室は、実施例17からのルミネセンスパネルを使用して製作する。およそ同じサイズおよび樹齢のトマト植物幼樹を、第1の温室または第2の温室内で成長させる。6週間後、トマト植物は、果実を実らせる。第2の温室からのトマト植物は、第1の温室からのトマト植物より20%多い果実を実らせる。第2の温室からのトマトは、第1の温室からのトマトより平均で10%大きい。
〔実施例26〕
2つの温室を製作する。第1の温室は、包埋された市販のUV吸収剤および発色団を含有する温室窓を使用して製作する。第2の温室は、実施例18からのルミネセンスパネルを使用して製作する。カボチャの種子を、第1の温室または第2の温室内で蒔き、成長させる。8週間後、カボチャは、収穫状態になる。第2の温室からのカボチャ植物は、第1の温室からのカボチャ植物より平均で15%多いカボチャを実らせる。第2の温室からのカボチャは、第1の温室からのカボチャより平均で18%大きい。
多数の様々な改変が、本発明の趣旨から逸脱することなく行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明の諸形態は、例示的であるだけであり、本発明の範囲を限定するように意図されていないことが明らかに理解されるべきである。