JP6471501B2 - 太陽電池モジュール用裏面保護シート及びこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
太陽電池モジュール用裏面保護シートには、裏面保護シート側からの水分の侵入を防止するための封止材との密着性や、長期間にわたる過酷な環境での屋外使用に耐え得る耐久性が要求されている。現在では、この物性に加え、太陽電池モジュールへの入射光のうち、発電に寄与することなく太陽電池素子間の隙間等を通過した光を太陽電池素子に反射させ、その反射光を用いて発電効率を高めるという効果も裏面保護シートに期待されている。そのような光反射性を有する裏面保護シートとして、白色樹脂層を有したものが一般的に知られている(特許文献1)。
本発明の課題は、拡散角度分布を最適化した光反射層を有し、発電効率の向上に寄与することができる太陽電池用裏面保護シートを提供することである。
拡散角度分布の測定は、JIS Z 8722「色の測定方法―反射及び透過物体色」5.3.3「分光反射率の測定」方法a(二光路の分光測定器を用いて置換方式による場合)に準じて行う。
(2)前記第一反射層の厚さが1.0μm以上20.0μm以下であり、前記第一反射層に含有される白色粒子がモース硬度3.0以下である(1)記載の裏面保護シート。
(3)前記第一反射層に含有される前記白色粒子が、前記第一反射層内において、前記白色粒子の長軸方向と前記基材層の前記第一反射層側の平面方向とのなす角度が10度以上60度以下となる様態で配向している(1)または(2)に記載の裏面保護シート。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シートを備える太陽電池モジュール。
先ず、本発明の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの基本構成について説明する。図1は、太陽電池モジュ−ルの層構成の一例を示す断面模式図である。太陽電池モジュール10は、図1に示すように入射光6の受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート2、本発明の裏面保護シート1が順に積層された構成である。これらを順次積層し、次いで真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形し、太陽電池モジュール10を製造することができる。
太陽電池素子3としては、特に限定なく従来公知の様々な太陽電池素子を用いることができる。ここで、一般に太陽電池素子は、300nm以上1500nm以下の光に対して高い分光感度を有している。より詳しくは、アモルファスシリコン型の太陽電池素子は、300nm以上1500nm以下、結晶型シリコン型の太陽電池素子は、300nm以上1200nm以下、CdTe型の太陽電池素子は400nm以上900nm以下、CIS型の太陽電池素子は、300nm以上1500nm以下、GaAs型の太陽電池素子は、300nm以上900nm以下の光に対して分光感度を有している。本発明の裏面保護シートは上記いずれの太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールにも用いることができるが、後述するように、特に結晶型シリコン太陽電池素子等、1000nm以上の高波長領域の光に対して高い分光感度を有する太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールに極めて好ましく用いることができる。又、片面受光型の太陽電池素子に限らず、両面受光型の太陽電池素子を備える太陽電池モジュールにも好ましく用いることができる。
[第1実施形態]
図4に示す通り、本発明の第1実施形態に係る裏面保護シート1は、少なくとも基材層11と、第二反射層12と、第一反射層13が順に積層された多層構成の樹脂シートである。裏面保護シート1の厚さは、特に限定されないが、20μm以上500μm以下の範囲の厚さを一般的な例として挙げることができる。そして、図1に示す通り、裏面保護シート1は、この第一反射層13が受光面側となる態様で太陽電池モジュール10内に配置されて用いられる。なお、本発明における各層及びシートの厚さは、当該層又はシートの任意の5箇所の厚みをそれぞれ測定し、その算術平均値として与えられる。
基材層11は、裏面保護シート1の基材として配置される樹脂層である。基材層11の材料としては、下記の樹脂材料をシート状に成型したものを用いることができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを、基材層11として用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を、基材層11の材料として好ましく用いることができる。又、機械強度や水蒸気バリア性向上の更なる向上の観点から、上記PETの他に更に耐加水分解性PETを最外層に積層した多層シートを、基材層11として、特に好ましく用いることができる。
第二反射層12は、基材層11と第一反射層13の間に配置される層であり、第一反射層13と共に光反射性を備える層である。第二反射層12の材料としては、各種樹脂シートを用いることができるが、オレフィン系の樹脂、具体的には、ポリプロピレン(PP)系又はポリエチレン(PE)系の樹脂をベース樹脂として好ましく用いることができる。特に、第二反射層12のベース樹脂として、ポリプロピレン(PP)系樹脂を用いることにより、裏面保護シート1に適切な耐熱性を付与することができる。
ここで、本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法により測定される体積平均粒子径を示し、その測定はISO 13320に準じて行う。
第一反射層13は、第二反射層12における基材層11とは反対側の面に配置される層であり、第二反射層12と共に光反射性を備える層である。第一反射層13の材料としては、上述の第二反射層12と同様に選択される。ここで、第一反射層13と第二反射層12とは、同種の熱可塑性樹脂からなる共押出し層であることが好ましい。上記の両層を同種の熱可塑性樹脂で形成することにより、両層間の密着性が向上するため、裏面保護シート1のバリア性や耐久性を好ましいものとすることができる。
ここで、粒子の長軸とは、粒子の最大長さを示す線分を意味し、粒子の短軸とは、前記長軸方向に対して垂直な方向における粒子の最大長さを示す線分を意味し、粒子の厚さとは、粒子を水平面上に安定的に載置した状態での、前記水平面と垂直な方向における粒子の最大長さを示す線分を意味する。また、本発明における板状形状とは、短軸と厚さの長さの比(短軸長/厚さ長)が2以上であるものをいう。第一反射層に含有される板状粒子において、当該比は、5〜1000であることが好ましく、より好ましくは10〜1000である。上記の板状粒子を第一反射層13に用いることで、より光の反射率に優れ、かつ光の拡散角度分布が最適化された裏面保護シート1を得ることができる。
尚、第一反射層13内において、板状形状の白色粒子の長軸方向が、基材層11の第一反射層側の平面方向とある程度の角度をなすことで、第一反射層13の光を拡散する効果がより増大され、太陽電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。上記角度は、10度以上60度以下が好ましく、15度以上50度以下がさらに好ましい。上記角度が10度より小さいと、光の拡散効果は増大されず、上記角度が60度を超えると、第一反射層13に含有される板状形状の白色粒子に光が当たりづらくなり、結果として発電効率を十分に向上させることができない。光の拡散効果は、第一反射層13内の全白色粒子中の80質量%以上、より好ましくは90質量%以上が上記角度をなすことで顕著となる。また、第一反射層13内において、板状形状の白色粒子の短軸方向が、基材層11の第一反射層側の平面方向と上記角度をなすことでも、第一反射層13の光を拡散する効果が増大され、太陽電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
第一反射層13に含有される白色粒子は、平均粒子径が0.75μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である。白色粒子の粒径が、少なくとも反射させたい波長λの半分となるλ/2あれば、その波長を反射できることが知られているため、1500nmの波長の光を反射させたい場合は、少なくとも平均粒子径が750nm=0.75μmの白色粒子を含有する層を設けた裏面保護シートであれば、高効率で1500nmの波長の光を反射させることができる。
第二反射層12及び第一反射層13には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、裏面保護シート1に、耐候性を付与するための各種の耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの添加剤を含むことにより、裏面保護シート1に、長期に亘る安定した機械強度の向上や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る裏面保護シートの層構成を示す断面模式図である。本実施形態のように、第一反射層13及び第二反射層12に賦形を施すことで、第一反射層13の板状形状の白色粒子に角度を付与することができることに加え、賦形による光の拡散性向上により、太陽光の経時の入射角度の変化による発電効率の変化を小さくして、例えば同気象条件における一日当りの総発電量を増やすことができる。
<裏面保護シートの製造方法>
本発明の裏面保護シートの製造方法について説明する。裏面保護シート1は、基材層11を構成する基材樹脂シートを形成する基材樹脂シート形成工程と、第一反射層13及び第二反射層12を構成する反射性樹脂シートを形成する反射性樹脂シート形成工程と、基材樹脂シートに反射性樹脂シートを積層して一体化する一体化工程とを経ることによって製造することができる。
基材層11を形成する基材樹脂シートは、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、基材樹脂シートは、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むものであってもよい。
反射性樹脂シートは、オレフィン系樹脂、好ましくはポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)を主成分とし、所定の白色粒子を含有する第一反射層13用の樹脂組成物と、所定の白色粒子を含有する第二反射層12用の樹脂組成物とを、公知の共押出し法により一体成形することにより得ることができる。
上記において説明した基材樹脂シート、反射性樹脂シート、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートを積層して、更に一体化することにより、本発明の裏面保護シート1を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート2、及び裏面保護シート1からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、110℃〜160℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ル10を製造することができる。
上記に記載の「裏面保護シートの製造方法」に準じて、下記に記載の各樹脂シート材料をドライラミネート加工により一体化して、図4に示す層構成の裏面保護シートを製造し、それぞれ実施例及び比較例の裏面保護シートとした。
下記の各層用の組成物を共押し出しによって多層フィルムとして成形し、厚さ60μm(第一反射層6.0μm/第二反射層54.0μm)の樹脂シートとし、各実施例、比較例の裏面保護シートの第一反射層及び第二反射層を構成する反射性樹脂シートとした。
ベース樹脂:ホモPP(融点164℃)とエチレンを含有するランダムPP樹脂(融点140℃、エチレン含有量3質量%)と、エラストマーPP樹脂(融点125℃、エチレン含有量7質量%)とを、8:1:1の割合で混錬したPP系樹脂を用いた。
酸化チタン2:「赤外線遮蔽酸化チタン(テイカ製)」 平均粒子径1.0μm
(第一反射層用組成物)
ベース樹脂:ホモPP(融点164℃)とエチレンを含有するランダムPP樹脂(融点140℃、エチレン含有量3質量%)と、エラストマーPP樹脂(融点125℃、エチレン含有量7質量%)とを、8:1:1の割合で混錬したPP系樹脂を用いた。
タルク2:「ミクロエース(日本タルク製)」、板状形状、平均粒子径2.5μm
タルク3:「ナノエース(日本タルク製)」 平均粒子径0.6μm
[基材樹脂シート]
基材樹脂シートとしては下記のPETフィルムとHR−PETフィルムを用いた。そして、これらをドライラミネート法で積層して、基材樹脂シートとした。
耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)フィルム:厚さ50μm(商品名「ルミラーX10S」、東レ社製)
[0°入光時の受光角43°以上の反射光強度の積算総和]
JIS Z 8722「色の測定方法―反射及び透過物体色」5.3.3「分光反射率の測定」方法a(二光路の分光測定器を用いて置換方式による場合)に準じて行った。
実施例及び比較例1の裏面保護シートについて、拡散反射率と、短絡電流値を求めた。評価は以下の方法で測定した数値に基づいて行った。結果を表2に示す。
波長700μmの光に対する拡散反射率を以下の方法で測定した。
実施例及び比較例の裏面保護シートを用いて実施例及び比較例の太陽電池モジュールを作成し、太陽電池モジュールとしてのPV特性を評価した。具体的には、アスデン株式会社製単結晶セル(ASG−180A)の上下に下記の封止材シートを積層して、非受光面側の最外層に実施例又は比較例の各裏面保護シートを、受光面側の最外層に青板ガラスを積層して熱ラミネーション法により一体化して太陽電池モジュールの実施例及び比較例の評価用モジュール試料を得た。試験は、各評価用モジュール試料につきソーラーシュミレータ(英弘精機株式会社製EWXS−300S−50)を用いて、セル裏面温度25℃、照度100mW/cm2の条件で短絡電流値を測定することによって行った。本測定によって得た短絡電流値の値を太陽電池モジュールの発電効率の指標、すなわちPV特性とした。
11 基材層
12 第二反射層
13 第一反射層
14 封止材密着層
2 非受光面側封止材シート
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
6 入射光
6A 通過光
10 太陽電池モジュール
Claims (4)
- 少なくとも基材層と、第二反射層と、第一反射層の順に積層された多層シートを含む太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、
ISO 13320に準じたレーザー回折法により測定される、球形粒子を仮定して得られる球等価粒子径分布に基づく体積平均粒子径を平均粒子径とするとき、
前記第一反射層は、平均粒子径が0.75μm以上の板状形状の白色粒子を含有し、
前記第二反射層は、平均粒子径が0.40μm以下の白色粒子を含有し、
下記の拡散角度分布の測定によって得た、0°入光時の受光角43°以上の反射光強度の積算総和が5.4以上である裏面保護シート。
拡散角度分布の測定は、JIS Z 8722「色の測定方法―反射及び透過物体色」5.3.3「分光反射率の測定」方法a(二光路の分光測定器を用いて置換方式による場合)に準じて行う。 - 前記第一反射層の厚さが1.0μm以上20.0μm以下であり、前記第一反射層に含有される前記白色粒子がモース硬度3.0以下である請求項1記載の裏面保護シート。
- 前記第一反射層に含有される前記白色粒子が、前記第一反射層内において、前記白色粒子の長軸方向と前記基材層の前記第一反射層側の平面方向とのなす角度が10度以上60度以下となる様態で配向している請求項1または2に記載の裏面保護シート。
- 請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シートを備える太陽電池モジュール。
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