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JP6468030B2 - 複合フィルムの製造方法および複合材料 - Google Patents

複合フィルムの製造方法および複合材料 Download PDF

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JP6468030B2
JP6468030B2 JP2015071094A JP2015071094A JP6468030B2 JP 6468030 B2 JP6468030 B2 JP 6468030B2 JP 2015071094 A JP2015071094 A JP 2015071094A JP 2015071094 A JP2015071094 A JP 2015071094A JP 6468030 B2 JP6468030 B2 JP 6468030B2
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Description

本発明は、複合フィルムの製造方法および複合材料に関する。詳しくは、高い融点を有する熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させた複合フィルムの製造方法に関する。
近年、熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させた繊維強化樹脂材料が検討されている。熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させる方法としては、一方向に引き揃えた連続強化繊維(例えば、炭素繊維シート)に熱可塑性樹脂フィルムを重ねて加熱して含浸させる方法や、溶融樹脂を含浸させる方法(溶融ラミネート法)がある。
具体的には、特許文献1には、メタキシリレンジアミンを30モル%以上含むジアミン成分とジカルボン酸成分から得られるポリアミド樹脂(A)をポリオレフィン樹脂(B)と積層して、ポリアミド樹脂(A)/ポリオレフィン樹脂(B)積層フィルムを製造する工程、上記積層フィルムからポリオレフィン樹脂(B)層を剥離し、ポリアミド樹脂(A)フィルムを製造する工程、得られたポリアミド樹脂(A)フィルムを繊維材料(C)と積層した積層物を加熱加圧する工程、を含むことを特徴とする複合材の製造方法が開示されている。特許文献1に記載の方法は、有益な方法であるが、ポリアミド樹脂フィルムを製造する工程と、連続強化繊維にポリアミド樹脂フィルムを重ねて加熱して含浸させる工程の2工程が必要である。このような2工程を要しない方法として、溶融ラミネート法が挙げられる。
溶融ラミネート法は、溶融したものをそのまま、連続強化繊維に含浸させる方法である。溶融ラミネート法については、特許文献2に記載がある。すなわち、特許文献2には、シート状の強化繊維基材と、熱可塑性樹脂とを、一対のロール間に導入し、該一対のロールを回転させながら前記強化繊維基材に溶融した前記熱可塑性樹脂が含浸されることにより、繊維強化樹脂シートを製造する方法であって、前記一対のロールとして、金属製の主ロールと金属製の押さえロールとを用い、前記主ロールに対して前記押さえロールを押圧することにより、前記押さえロールの周面が前記主ロールの周面形状に倣うように前記押さえロールの周面を変形させながら、前記熱可塑性樹脂を前記強化繊維基材に含浸させることを特徴とする繊維強化樹脂シートの製造方法が開示されている。
特開2012−021062号公報 特開2012−110935号公報
ここで、含浸性を高めるためには、熱可塑性樹脂の溶融温度(例えば、押出機から押出す熱可塑性樹脂の温度)を熱可塑性樹脂の融点以上とする必要がある。しかしながら、熱可塑性樹脂の融点が、例えば、190℃以上と高い場合、ダイからから押出されると、エアギャップと呼ばれるダイとロールの間の空間により、溶融した熱可塑性樹脂の温度が低下してしまい、熱可塑性樹脂の含浸が上手く進行しない場合があることが分かった。また、熱可塑性樹脂が圧着ロールに付着してしまう場合があった。
本発明はかかる課題を解決することを目的としたものであって、融点が高い熱可塑性樹脂を用いても、簡易な方法で熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させることができる、複合フィルムの製造方法、および、複合材料を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、連続強化繊維シートに、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂とポリオレフィン樹脂とを層状に共押出した状態で、ロールに通過させることにより、190℃以上の高い融点を有する熱可塑性樹脂であっても、連続強化繊維に容易に含浸可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、以下の手段<1>および<11>により、好ましくは、<2>〜<14>により上記課題は解決された。
<1>連続強化繊維シート(C)の表面に、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)側が前記連続強化繊維シート(C)に接するように層状に共押出しした後、前記連続強化繊維シート(C)側にロールを配し、前記熱可塑性樹脂(A)を前記連続強化繊維シート(C)に含浸させることを含む、複合フィルムの製造方法。
<2>前記ロールの表面の温度が、熱可塑性樹脂(A)の融点+10℃以上である、<1>に記載の複合フィルムの製造方法。
<3>さらに、前記層状に共押出しした後、前記ポリオレフィン樹脂(B)側にも、第2のロールを配する、<1>または<2>に記載の複合フィルムの製造方法。
<4>前記第2のロールの表面温度が、ポリオレフィン樹脂(B)の融点未満である、<3>に記載の複合フィルムの製造方法。
<5>前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂およびポリイミド樹脂から選択される少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<6>前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド66、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、下記式(1)で表される構成単位および下記式(2)で表される構成単位から選択される構成単位を主成分とするポリアミド樹脂、ならびに、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法;
式(1)
Figure 0006468030
式(2)
Figure 0006468030
式(2)中、Xは、メチルペンタメチレン基またはメチルオクタメチレン基である。
<7>前記熱可塑性樹脂(A)が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<8>前記ジカルボン酸が、アジピン酸およびセバシン酸の少なくとも1種である、<7>に記載の複合フィルムの製造方法。
<9>前記連続強化繊維シート(C)が、連続強化繊維の織物または編み物である、<1>〜<8>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<10>前記ポリオレフィン樹脂(B)が、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<9>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<11>前記共押出し後の、層状の熱可塑性樹脂(A)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)の厚さの比率が10:1〜10:500である、<1>〜<10>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<12>前記複合フィルムの厚さが、20〜300μmである、<1>〜<11>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<13>さらに、前記熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)を分離することを含む、<1>〜<12>のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
<14>熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)の表面にポリオレフィン樹脂(B)層を有する複合材料。
本発明により、融点が高い熱可塑性樹脂を用いても、簡易な方法で熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させることができる、複合フィルムの製造方法、および、複合材料を提供することが可能になった。
図1は、本発明における複合フィルムの製造工程の前半の模式図である。 図2は、本発明における複合フィルムの製造工程の後半の模式図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の複合フィルムの製造方法は、連続強化繊維シート(C)の表面に、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)側が前記連続強化繊維シート(C)に接するように層状に共押出した後、前記連続強化繊維シート(C)側にロールを配し、前記熱可塑性樹脂(A)を前記連続強化繊維シート(C)に含浸させることを特徴とする。このような構成とすることにより、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を用いても、溶融ラミネート法で、連続強化繊維に含浸させることが可能になる。
以下、図1および図2に従って本発明の製造方法を説明する。
図1は、本発明における複合フィルムの製造工程の模式図であって、1は、第1のロールを、2は連続強化繊維シート(C)を、3は、熱可塑性樹脂(A)を、4は、ポリオレフィン樹脂(B)を、5は、第2のロールを、6は、積層体それぞれ示している。
本発明では、連続強化繊維シート(C)2の表面に、熱可塑性樹脂(A)3と、ポリオレフィン樹脂(B)4とが、それぞれ、溶融した状態で、フィードブロックを介してTダイから層状に共押出される。共押出によって、図1に示すように、連続強化繊維シート(C)2、層状の熱可塑性樹脂(A)3、層状のポリオレフィン樹脂(B)(ポリオレフィン樹脂(B)層)4の積層体6となる。この状態では、熱可塑性樹脂(A)は溶融した状態にあり、熱可塑性樹脂(A)よりも融点の低いポリオレフィン樹脂(B)は溶融していてもよいし、硬化が始まっていてもよい。なお、多層フィルム製造装置についてはこれらに限定されるものではなく、公知の方法を適用することができる。
ここで、押出し時の熱可塑性樹脂(A)の温度は、熱可塑性樹脂(A)の融点+5℃〜融点+100℃が好ましく、融点+10℃〜融点+80℃がより好ましい。一方、押出し時のポリオレフィン樹脂(B)の温度は、ポリオレフィン樹脂(B)の融点+5℃〜融点+40℃が好ましい。
ここで、共押出し時の、層状の熱可塑性樹脂(A)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)の厚さの比率は10:1〜10:500であることが好ましく、10:10〜10:200であることがより好ましい。また、層状の熱可塑性樹脂(A)と、連続強化繊維シート(C)の厚さの比率は10.3: 1〜10:1であることが好ましく、0.5:1〜5:1であることがより好ましく、0.6:1〜4.0:1がさらに好ましい。
さらに、共押出し時の、層状の熱可塑性樹脂(A)の厚さは、複合フィルムの厚さや複合フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有率に応じて適宜定めることができ、好ましくは10〜200μmであり、より好ましくは20〜150μmである。複合フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有率を低くしたい場合、すなわち、連続強化繊維シートの含有率を多くしたい場合、層状の熱可塑性樹脂(A)の厚さは薄くなる。
一方、共押出し時の、層状のポリオレフィン樹脂(B)の厚さは、特に定めるものでは無いが、例えば、70〜600μmとすることができる。
また、共押出し時の、層状の熱可塑性樹脂(A)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)の押出し幅は特に定めるものでは無いが、例えば、350〜550mmとすることができる。
本発明では、例えば、図1に示すように、前記積層体6を第1のロール1上を通過させる。このとき、連続強化繊維シート(C)2側が、第1のロール1に接するように第1のロールを配する。この際、熱可塑性樹脂(A)は、溶融しているため、積層体6の連続強化繊維シート(C)側が第1のロール1で支えられていると、連続強化繊維シート(C)側(下側)に移動し、含浸が進行する。このように、熱可塑性樹脂(A)が、連続強化繊維シート側となるように、熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを共押出しすることにより、熱可塑性樹脂(A)を単体で押出す場合に比較して、樹脂の温度が低下しにくくなり、高い含浸性を達成できる。また、ポリオレフィン樹脂(B)は、連続強化繊維シート(C)との親和性が低いため、ポリオレフィン樹脂(B)自体が連続強化繊維シート(C)に含浸することもない。加えて、ポリオレフィン樹脂(B)は、熱可塑性樹脂(A)よりも融点が低いため、熱可塑性樹脂(A)よりも先に硬化する。かかる観点からも、熱可塑性樹脂(A)は含浸するが、ポリオレフィン樹脂(B)は連続強化繊維シート(C)に含浸しない。
また、上述のとおり、溶融ラミネート法において、連続強化繊維の割合が多い複合フィルムを得るには、ダイより熱可塑性樹脂を薄く押出しすることが考えられる。しかしながら、従来の溶融ラミネート法では、溶融押出しする樹脂の幅方向の厚み精度を上げることが難しく、得られる複合フィルムの幅方向のバラツキを抑えることが困難な場合があった。これに対し、本発明では、熱可塑性樹脂(A)3と、ポリオレフィン樹脂(B)4とを共押出しすることにより、これらを解決している。
第1のロールは、その表面が熱制御されていないもの(非加熱・非冷却)であってもよいが、その表面温度が熱可塑性樹脂(A)の融点+10℃以上の加熱ロールであることが好ましい。加熱ロールを採用することにより、含浸をより効果的に進行させることが可能になる。第1のロールの表面温度は、融点+10℃以上であることがさらに好ましく、融点+15℃以上であることが特に好ましい。第1のロールの表面温度の上限値については、特に定めるものではないが、融点+100℃以下とすることができ、さらには、融点+80℃以下とすることができる。
本発明では、ポリオレフィン樹脂(B)層4側にも第2のロール5を配することが好ましい。より好ましくは、ポリオレフィン樹脂(B)層4が第2のロール5に接する。第2のロール5を設けることにより、圧力が加えられて、熱可塑性樹脂(A)の含浸がさらに効果的に進む。第2のロールは、その表面が熱制御されていないもの(非加熱・非冷却)であってもよいし、その表面が冷却されている冷却ロールであってもよい。
本発明では、第2のロールの表面温度は、ポリオレフィン樹脂(B)の融点未満であることが好ましく、(ポリオレフィン樹脂(B)の融点−10℃)〜10℃であることがより好ましく、50℃〜10℃がさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂(B)の融点未満とすることにより、ポリオレフィン樹脂(B)の冷却がより効果的に進行し、好ましい。
従来の方法では、融点が高い熱可塑性樹脂を溶融ラミネート法で連続強化繊維に含浸させる際に、ゴム製のロールを用いると、ロールに熱可塑性樹脂が付着してしまっていた。しかし、本発明では、第2のロールにゴム製のロールを用いても、熱可塑性樹脂(A)が第2のロールに付着しないため、ゴムロールを使用できる。また、第1のロールも、熱制御しないものを用いることができるため、ゴムロールを用いることができる。もちろん、第1および第2のロールが金属製ロールであってもよいことはいうまでもない。特に、熱可塑性樹脂(A)として、例えば、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂(以下、「XD系ポリアミド樹脂」ということがある)を用いる場合、XD系ポリアミド樹脂は、金属に付着しやすいため、従来の方法では、金属製ロールが用いにくかったが、本発明では、ポリオレフィン樹脂(B)を用いることにより、第2のロールに金属製ロールを用いることができる。
尚、本発明におけるロールとは、ロールと同じ役割を果たす他の形態のものを含む趣旨である。
本発明における好ましい実施形態は、第1のロールと第2のロールが図1に示すように、1対のロールであり、第1のロールの表面温度が上述の温度で熱制御されている加熱ロールである形態である。このような形態とすることにより、より容易に、熱可塑性樹脂(A)を連続強化繊維シート(C)へ含浸させることができる。このような実施形態においては、押出し時の熱可塑性樹脂(A)の温度を、熱可塑性樹脂(A)の融点+5℃〜融点+50℃程度と比較的低めにしても、効果的に含浸させることが可能になる。
本発明の複合フィルムの製造方法においては、上述の他に、搬送ロール等を有していてもよい。
続いて、本発明の複合フィルムの製造方法の後半部分について、図2を参照して説明する。熱可塑性樹脂(A)の連続強化繊維シート(C)への含浸が進行すると、前記積層体6は、図2に示すように、熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)7の上に、ポリオレフィン樹脂(B)層4を有する複合材料8となる。本発明の複合材料8は、連続強化繊維シート(C)7とポリオレフィン樹脂(B)層4の間に、未含浸の熱可塑性樹脂(A)9が多少残っていてもよく、多少残っていることが好ましい。未含浸の熱可塑性樹脂(A)9は図2に示すように薄い層状になっていてもよいし、明確な層を形成していない場合もあろう。
本発明の複合材料8は、このままの状態で用いても良いが、通常は、熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)7と、ポリオレフィン樹脂(B)層4とに分離して、熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)である複合フィルム10とする(図2の右側)。複合材料8の状態では、熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)は、通常、それぞれ硬化しており、かつ、互いに異種の樹脂であるため、ポリオレフィン樹脂(B)層4を複合材料8から容易に剥離できる。このとき、未含浸の熱可塑性樹脂(A)9が多少残っている場合は、通常、複合フィルム10側に残る。複合フィルム10側に残っている未含浸の熱可塑性樹脂(A)は剥がしても良いし、そのまま用いても良い。
その後、複合フィルム10は、巻き取りロールに巻き取ることが好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂(B)層4を有する複合材料8の状態で、ロール等に巻き取って保存してもよい。熱可塑性樹脂(A)が吸湿性の高い樹脂の場合には、ポリオレフィン樹脂(B)層4が吸湿防止フィルムとしての役割を果たす。複合材料8の状態で、ロール等に巻き取った場合、複合フィルム10の使用時に、ポリオレフィン樹脂(B)層4を剥離することが好ましい。
また、本発明における複合フィルム10は、その後所望の長さにカットして用いることができる。
本発明における複合フィルムの厚さは、20μm〜300μmであることがより好ましく、40μm〜150μmであることがさらに好ましい。
本発明では、複合フィルムのポリオレフィン(B)層と接していた側の表面粗さ(Ry)を小さくでき、例えば、50μm未満とすることもできる。表面粗さ(Ry)の測定方法は、後述する実施例に記載の方法で測定した値とする。
本発明における複合フィルムは、ボイド率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、9%以下であることがさらに好ましく、8%以下であることが特に好ましい。
本発明におけるボイド率とは、後述する実施例で定める方法で特定された値をいう。実施例で記載する測定機器等が、廃版等により入手困難な場合は、他の同等の性能を有する測定機器で測定することができる。以下に述べる他の測定方法についても同様である。
複合フィルムにおける連続強化繊維の割合は、10V/V%以上であることが好ましく、20V/V%以上がより好ましく、30V/V%以上であることがさらに好ましく、さらには、40V/V%以上とすることもでき、特には、45V/V%以上とすることもできる。また、80V/V%以下であることが好ましく、70V/V%以下がより好ましく、さらには、60V/V%以下とすることもでき、特には、55V/V%以下とすることもできる。複合フィルムにおける連続強化繊維の割合は、上述のとおり、熱可塑性樹脂(A)の押出し厚さによって調整することができる。
ここで、V/V%とは、複合フィルムの全体積に対する、連続強化繊維の体積の割合をいう。本発明における連続強化繊維の割合は、後述する実施例で述べる方法で測定した値をいう。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)の融点は、190℃以上であれば特に定めるものではないが、下限値としては、200℃以上であることが好ましく、210℃以上であることがより好ましく、220℃以上とすることもでき、さらには、230℃以上とすることもできる。上限値としては、350℃以下であることが好ましく、330℃以下であることがより好ましく、320℃以下とすることもでき、さらには310℃以下とすることもでき、特には300℃以下とすることもできる。
なお、本発明における融点とは、DSC(示差走査熱量測定)法により観測される昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度であり、具体的には、以下の方法で測定された値を言う。
<測定方法>
島津製作所(SHIMADZU CORPORATION)製、DSC−60を用い、試料量は約1mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30ml/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温(25℃)から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させ次いで、溶融した熱可塑性樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温した際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度を融点とする。
熱可塑性樹脂が融点を2点以上有する場合は、低い方の融点をもって、本発明における熱可塑性樹脂(A)の融点とする。また、後述するとおり、本発明における熱可塑性樹脂(A)は2種類以上であってもよいが、この場合は、最も融点の低い熱可塑性樹脂の融点をもって、本発明における熱可塑性樹脂(A)の融点とする。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)はその種類等は特に定めるものではなく、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を広く用いることができ、融点が190℃以上の結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、融点が190℃以上のポリアミド樹脂がより好ましい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)は、融点が190℃以上の、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂およびポリイミド樹脂から選択されることが好ましく、融点が190℃以上のポリアミド樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)は1種類のみであってもよいし、2種類以上のブレンド物であってもよい。
本発明で用いる融点が190℃以上のポリアミド樹脂としては、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド66、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、下記式(1)で表される構成単位および下記式(2)で表される構成単位から選択される構成単位を主成分とするポリアミド樹脂、ならびに、XD系ポリアミド樹脂が好ましく、XD系ポリアミド樹脂がより好ましい。
式(1)
Figure 0006468030
式(2)
Figure 0006468030
(式(2)中、Xは、メチルペンタメチレン基またはメチルオクタメチレン基である。)
ここで、ポリアミド46とは、ブチレンジアミンとアジピン酸の重縮合によるポリマーであるが、融点が190℃未満とならない範囲で、これら以外のジアミンやジカルボン酸由来の構成単位を含んでいても良く、また、ラクタム類や脂肪族アミノカルボン酸類由来の構成単位を含んでいても良い。ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド66、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T等についても、同様である。
また、「下記式(1)で表される構成単位および下記式(2)で表される構成単位から選択される構成単位を主成分とする」とは、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位の合計量が、全構成単位の50モル%以上であることをいい、より好ましくは70モル%であり、さらに好ましくは90モル%以上である。Xは、2−メチルペンタメチレン基または2−メチルオクタメチレン基であることが好ましい。
一方、本発明における、XD系ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂をいう。
XD系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位の、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上が、さらに好ましくは90モル%以上が、キシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上が、炭素原子数が好ましくは4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来することが好ましい。
キシリレンジアミンは、パラキシリレンジアミンであっても、メタキシリレンジアミンであっても、両者の混合物であってもよい。
XD系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることが出来るメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合は、ジアミン由来の構成単位の50モル%未満であり、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜25モル%、特に好ましくは5〜20モル%の割合で用いる。
XD系ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、アジピン酸およびセバシン酸が好ましく、1種又は2種以上を混合して使用できる。
本発明におけるジカルボン酸成分の実施形態の一例として、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上、好ましくは90モル%以上がアジピン酸である態様が挙げられる。また、本発明におけるジカルボン酸成分の実施形態の他の一例として、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上、好ましくは90モル%以上がセバシン酸である態様が挙げられる。
上記炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
ジカルボン酸成分として、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸を用いる場合は、成形加工性、バリア性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸を用いることが好ましい。テレフタル酸、イソフタル酸の割合は、好ましくはジカルボン酸構成単位の30モル%以下であり、より好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは5〜20モル%の範囲である。
さらに、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、XD系ポリアミド樹脂を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。これらの成分は、XD系ポリアミド樹脂の3質量%以下であることが好ましい。
本発明で用いるXD系ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)が6,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜28,000であり、さらに好ましくは9,000〜26,000であり、よりさらに好ましくは10,000〜24,000であり、特に好ましくは11,000〜22,000である。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
なお、ここでいう数平均分子量(Mn)とは、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度[NH2](μ当量/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](μ当量/g)から、次式で算出される。
数平均分子量(Mn)=2,000,000/([COOH]+[NH2])
本発明で用いるXD系ポリアミド樹脂は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))が、好ましくは1.8〜3.1である。分子量分布は、より好ましくは1.9〜3.0、さらに好ましくは2.0〜2.9である。分子量分布をこのような範囲とすることにより、機械特性に優れた複合材料が得られやすい傾向にある。
XD系ポリアミド樹脂の分子量分布は、例えば、重合時に使用する開始剤や触媒の種類、量及び反応温度、圧力、時間等の重合反応条件などを適宜選択することにより調整できる。また、異なる重合条件によって得られた平均分子量の異なる複数種のXD系ポリアミド樹脂を混合したり、重合後のXD系ポリアミド樹脂を分別沈殿させることにより調整することもできる。
分子量分布は、GPC測定により求めることができ、具体的には、装置として東ソー製「HLC−8320GPC」、カラムとして、東ソー製「TSK gel Super HM−H」2本を使用し、溶離液トリフルオロ酢酸ナトリウム濃度10mmol/lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、樹脂濃度0.02重量%、カラム温度40℃、流速0.3ml/分、屈折率検出器(RI)の条件で測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の値として求めることができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成する。
また、XD系ポリアミド樹脂は、末端アミノ基濃度([NH2])が好ましくは100μ当量/g未満、より好ましくは5〜75μ当量/g、さらに好ましくは10〜60μ当量/gであり、末端カルボキシル基濃度([COOH])は、好ましくは150μ当量/g未満、より好ましくは10〜120μ当量/g、さらに好ましくは10〜100μ当量/gのものが好適に用いられる。このような末端基濃度のXD系ポリアミド樹脂を用いることにより、XD系ポリアミド樹脂をフィルム状又は繊維状に加工する際に粘度が安定しやすく、また、後述のカルボジイミド化合物との反応性が良好となる傾向にある。
また、末端カルボキシル基濃度に対する末端アミノ基濃度の比([NH2]/[COOH])は、0.7以下であるものが好ましく、0.6以下であるものがより好ましく、特に好ましくは0.5以下である。この比が0.7よりも大きいものは、XD系ポリアミド樹脂を重合する際に、分子量の制御が難しくなる場合がある。
末端アミノ基濃度は、XD系ポリアミド樹脂0.5gを30mlのフェノール/メタノール(4:1)混合溶液に20〜30℃で攪拌溶解し、0.01Nの塩酸で滴定して測定することができる。また、末端カルボキシル基濃度は、XD系ポリアミド樹脂0.1gを30mlのベンジルアルコールに200℃で溶解し、160℃〜165℃の範囲でフェノールレッド溶液を0.1ml加える。その溶液を0.132gのKOHをベンジルアルコール200mlに溶解させた滴定液(KOH濃度として0.01mol/l)で滴定を行い、色の変化が黄〜赤となり色の変化がなくなった時点を終点とすることで算出することができる。
XD系ポリアミド樹脂の製造方法は、特開2014−173196号公報公報の段落0052〜0053の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)には、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤、耐加水分解性改良剤、耐候安定剤、艶消剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、着色剤、離型剤等の添加剤等を加えることができる。これらの詳細は、特許第4894982号公報の段落番号0130〜0155の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明で用いるポリオレフィン樹脂(B)は、その種類等特に定めるものではないが、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ポリエチレン樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低結晶性エチレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(B)は、1種を単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
ポリオレフィン樹脂(B)の融点は、200℃未満であることが好ましく、80〜180℃がより好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)の融点と、ポリオレフィン樹脂(B)の融点の差は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。融点の差の上限値は特に定めるものでは無いが、例えば、100℃以下とすることができる。
本発明で用いる連続強化繊維シート(C)は、通常、連続強化繊維が一方向または二方向以上に分散・配列等してシートを形成しているものであり、連続強化繊維は、シート面内で、不織布のようにランダムに分散していても、織物や編み物のように規則的に配列していてもよく、規則的に配列していることが好ましい。また、連続強化繊維の織物または編み物は、その目付が10〜1000g/m2であることが好ましく、50〜500g/m2であることがより好ましく、50〜300g/m2であることがさらに好ましい。
連続強化繊維シート(C)の厚さは、複合フィルムの厚さによるが、例えば、15〜500μmとすることが好ましい。
連続強化繊維としては、植物繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等が例示され、炭素繊維およびガラス繊維の少なくとも1種であることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。炭素繊維はポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維を好ましく用いることができる。また、リグニンやセルロースなど、植物由来原料の炭素繊維も用いることができる。また、本発明で用いる連続強化繊維は、表面処理剤または集束剤で処理されていてもよい。
本発明における複合フィルムの利用分野については特に定めるものではなく、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、建材・住設関連部品、医療装置、レジャースポーツ用品、遊戯具、医療品、食品包装用フィルム等の日用品、防衛および航空宇宙製品等に広く用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<原材料>
熱可塑性樹脂(A1):MXナイロン S6001、三菱ガス化学製、融点:237℃(メタキシリレンジアミンとアジピン酸の重縮合物)
ポリオレフィン樹脂(B):ノバテックPP FY6、日本ポリプロ製、融点:168℃
連続強化繊維シート(C):炭素繊維サカイオーベックス製、織物、品番BHH−100G16WH、目付:100g/m2、厚さ:100μm
<熱可塑性樹脂(A2)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したアジピン酸 6450g(44.14mol)、次亜リン酸ナトリウム・一水和物カルシウム12.98g(0.122mol)、酢酸ナトリウム6.73g(0.082mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でアジピン酸を均一に溶融した。次いでメタキシリレンジアミン4172g(30.63mol)とパラキシリレンジアミン1788g(13.13mol)の混合ジアミンを撹拌下で滴下した。この間、反応容器内温は293℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。混合ジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は296℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は298℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は301℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度301℃、樹脂温度301℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約10kgのポリアミド樹脂を得た。融点は255℃であった。
<熱可塑性樹脂(A3)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したセバシン酸8950g(44.25mol)、次亜リン酸カルシウム12.54g(0.074mol)、酢酸ナトリウム6.45g(0.079mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でセバシン酸を均一に溶融した。次いでメタキシリレンジアミン4172g(30.63mol)とパラキシリレンジアミン1788g(13.13mol)の混合ジアミンを撹拌下で滴下した。この間、反応容器内温は293℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。混合ジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は296℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は298℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は301℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度301℃、樹脂温度301℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂を得た。融点は213℃であった。
<実施例1>
2台の単軸押出機とフィードブロック、Tダイを有する2種2層多層押出機(プラスチック工学研究所製)を用い、上記した連続強化繊維シート(C)の表面に、熱可塑性樹脂(A1)を、30mmφのスクリューを有する単軸押出機にて溶融押出しし、また、ポリオレフィン樹脂(B)を、30mmφのスクリューを有する単軸押出機にて溶融押出しし、これらを、500mm幅のダイを介して共押出した。押出し時の熱可塑性樹脂(A1)の温度は、熱可塑性樹脂(A1)の融点+30℃とし、ポリオレフィン樹脂(B)の温度は、ポリオレフィン樹脂(B)の融点+30℃とした。また、このとき、熱可塑性樹脂(A1)が連続強化繊維シート(C)側になるように共押出した。押出し幅は450mmとし、ポリオレフィン樹脂(B)の押出し厚さは200μm、熱可塑性樹脂(A1)の押出し厚さは66μmとした。
連続強化繊維シート(C)と層状の熱可塑性樹脂(A1)と層状のポリオレフィン樹脂(B)の積層体を一対のロール間を通過させた。一対のロールの下側ロールは、熱可塑性樹脂(A1)の融点+20℃に設定した加熱ロール(金属製、ハイデック製、高周波加熱ヒートロール)とし、上側ロールは表面が常温のゴムロールとした。
熱可塑性樹脂(A1)が連続強化繊維シート(C)に含浸し、硬化した後、層状のポリオレフィン樹脂(B)を剥離し、熱可塑性樹脂(A1)が連続強化繊維シート(C)に含浸した複合フィルムを得た。得られた複合フィルムの厚さは、110μmであった。
得られた複合フィルムについて、以下の評価を行った。
<<複合フィルムのボイド率の測定方法>>
複合フィルムのボイド率を以下の方法に従って測定した。
複合フィルムを厚み方向に切断し、その断面およびその周辺をエポキシ樹脂で包埋した後、厚み方向断面が露出するように研磨し、断面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)(キーエンス製)を使用して撮影した。得られた断面写真に対し、ボイド領域を、画像解析ソフトImageJを用いて選択し、その面積を測定した。測定値に基づいて、(複合フィルムの断面のボイド領域/画像断面積)×100を算出した。1枚の複合フィルムについて、上記測定を複合フィルムの第1のロールに近い側、第2のロールに近い側、複合フィルムの中心付近の3か所で行い、その平均値を小数点第一位で四捨五入して、ボイド率(単位:%)とした。ボイド率が低いほど、含浸が良好であると言える。
<<複合フィルムにおける連続強化繊維の割合の測定方法>>
複合フィルムにおける連続強化繊維の割合は、JIS 7075 燃焼法に従って測定した。連続強化繊維の割合の単位は、V/V%で示した。
<<平滑性>>
JIS B 0601−1994に従い、ポリオレフィン(B)層と接していた側の表面粗さ(Ry)を測定した。具体的には、試験片を切り取り、キーエンス製形状測定マイクロスコープ VHX−1000を用い、複合フィルムのポリオレフィン(B)層と接していた側の、膜面に垂直な断面における、任意の7mmを粗さ曲線とした。この粗さ曲線の山頂線と谷底線との間隔を測定し、この値(Ry)をμmで表した。Ryに対して以下のように評価した。
A:Ryが50μm未満
B:Ryが50μm以上
<実施例2>
実施例1において、熱可塑性樹脂(A1)を熱可塑性樹脂(A2)に変更し、他は同様に行った。各種温度についても、実施例1における、熱可塑性樹脂(A1)の融点を、熱可塑性樹脂(A2)の融点に置き換えて行った。
<実施例3>
実施例1において、熱可塑性樹脂(A1)を熱可塑性樹脂(A3)に変更し、他は同様に行った。各種温度についても、実施例1における、熱可塑性樹脂(A1)の融点を、熱可塑性樹脂(A3)の融点に置き換えて行った。
<比較例1>
実施例1において、ポリオレフィン樹脂(B)を用いず、熱可塑性樹脂(A1)のみを単層溶融押出しし、他は同様に行った。
<比較例2>
実施例2において、ポリオレフィン樹脂(B)を用いず、熱可塑性樹脂(A2)のみを単層溶融押出しし、他は同様に行った。
結果を下記表1に示す。
Figure 0006468030
上記結果より明らかなとおり、本発明の複合フィルムの製造方法では、簡易な方法にもかかわらず、高い融点を有する熱可塑性樹脂を連続強化繊維に含浸させることが可能になった(実施例1〜3)。さらに、得られた複合材料のボイド率は低く、良好に含浸していることが分かった。加えて得られる複合フィルムの平滑性も高かった。これに対し、単層溶融の場合、得られる複合フィルムのボイド率が高くなり、さらに、平滑性にも欠けるものであった(比較例1、2)。
1 第1のロール
2 連続強化繊維シート(C)
3 熱可塑性樹脂(A)
4 ポリオレフィン樹脂(B)、ポリオレフィン樹脂(B)層
5 第2のロール
6 積層体
7 熱可塑性樹脂が含浸した連続強化繊維シート
8 複合材料
9 未含浸の熱可塑性樹脂
10 複合フィルム

Claims (12)

  1. 融点が190℃以上の熱可塑性樹脂(A)が連続強化繊維シート(C)に含浸している複合フィルムの製造方法であって、
    前記連続強化繊維シート(C)の表面に、前記熱可塑性樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)側が前記連続強化繊維シート(C)に接するように層状に共押出しした後、前記連続強化繊維シート(C)側にロールを配し、前記熱可塑性樹脂(A)を前記連続強化繊維シート(C)に含浸させることを含む、複合フィルムの製造方法。
  2. 前記ロールの表面の温度が、熱可塑性樹脂(A)の融点+10℃以上である、請求項1に記載の複合フィルムの製造方法。
  3. さらに、前記層状に共押出しした後、前記ポリオレフィン樹脂(B)側にも、第2のロールを配する、請求項1または2に記載の複合フィルムの製造方法。
  4. 前記第2のロールの表面温度が、ポリオレフィン樹脂(B)の融点未満である、請求項3に記載の複合フィルムの製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂およびポリイミド樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド66、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、下記式(1)で表される構成単位および下記式(2)で表される構成単位から選択される構成単位を主成分とするポリアミド樹脂、ならびに、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法;
    式(1)
    Figure 0006468030
    式(2)
    Figure 0006468030
    式(2)中、Xは、メチルペンタメチレン基またはメチルオクタメチレン基である。
  7. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
  8. 前記ジカルボン酸が、アジピン酸およびセバシン酸の少なくとも1種である、請求項7に記載の複合フィルムの製造方法。
  9. 前記連続強化繊維シート(C)が、連続強化繊維の織物または編み物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
  10. 前記ポリオレフィン樹脂(B)が、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
  11. 前記共押出し後の、層状の熱可塑性樹脂(A)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)の厚さの比率が10:1〜10:500である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
  12. さらに、前記熱可塑性樹脂(A)が含浸した連続強化繊維シート(C)と、層状のポリオレフィン樹脂(B)を分離することを含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載の複合フィルムの製造方法。
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