JP6461475B2 - 注型成形用エポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いた高電圧機器用モールド製品の製造方法 - Google Patents
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Description
また、これらの先行技術のように、第一級アミン、第二級アミンあるいはイミダゾール化合物を硬化剤として用いることにより、硬化速度を高めたり、常温硬化性を発現させることは可能である。しかしながら、これらの硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、吸湿により電気絶縁性が低下するため、接着剤、土木・建築などの用途には使用できるものの、高電圧機器用の絶縁部材には適さない。高電圧機器用途では、酸無水物系硬化剤が絶縁信頼性の面で優れていると言え、酸無水物系硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化速度を高めることが必須である。
従って、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、高電圧機器部品用あるいは構造物用の注型樹脂として長期の実績があるビスフェノール型エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物において、注型作業を行うのに必要な長い可使時間(ポットライフ)の確保と成型異常の起因となる内部発熱の抑制とを両立し、さらに注型成形用金型の設定温度である注型温度領域(110℃〜160℃)での硬化速度を選択的に高めることで、注型成形サイクル時間の短縮が可能な注型成形用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記注型成形用エポキシ樹脂組成物を、前記酸無水物系硬化剤、前記硬化促進剤(A)、前記潜在性硬化促進剤(B)及び前記潜在性硬化促進剤(C)からなる混合物と、それ以外の成分からなる混合物とを混合することにより調製し、この注型成形用エポキシ樹脂組成物を1kg/cm2以上20kg/cm2以下の圧力で金型に注入して成形することを特徴とする高電圧機器用モールド製品の製造方法である。
また、本発明は、上記した製造方法により得られることを特徴とする高電圧機器用モールド製品である。
本発明の実施の形態にかかる注型成形用エポキシ樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤と、特定の硬化促進剤と、無機充填剤とを混合したものであり、長い可使時間(ポットライフ)と硬化時の内部発熱の抑制とを両立しながら、注型温度領域(110℃〜160℃)での硬化速度を選択的に高めることで、樹脂組成物の金型への注入→一次硬化→金型から離型の注型成形サイクル時間を短縮することを特徴とする。
酸無水物系硬化剤の配合量は、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基(ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用する場合、そのエポキシ樹脂のエポキシ基を含む)に対するカルボキシル基の当量比が、通常、0.3以上1.5以下となる量であり、好ましくは、0.5以上1.2以下となる量である。酸無水物系硬化剤の配合量が、エポキシ樹脂のエポキシ基に対するカルボキシル基の当量比が0.3となる量より少ないと、耐熱性が劣る場合があり、一方、1.5となる量より多いと、ポットライフが短くなる場合がある。
また、これらの硬化促進剤の配合量は、(A)〜(C)を合計して、ビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部(ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用する場合、そのエポキシ樹脂も含む)に対して、好ましくは0.01重量部以上3.0重量部以下であり、更に好ましくは0.02重量部以上2.0重量部以下である。硬化促進剤の配合量が、ビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量部より少ないと、硬化反応の促進効果が劣る場合があり、一方、3.0重量部より多いと、ポットライフが短くなる場合がある。また、硬化促進性を微調整するために、上記した3種類の硬化促進剤に加えて、他の硬化促進剤を添加してもよい。
以上のように、本発明のように反応活性開始温度が異なる3種類の促進剤を用いることで、長い可使時間(ポットライフ)と硬化時の内部発熱の抑制とを両立しながら、注型温度領域で速硬化性を有し且つ成形性に優れ、高い電気絶縁性及び高い靭性を有する均質な樹脂成型物を与えることができる。
特に、潜在性硬化促進剤(B)及び潜在性硬化促進剤(C)は、種類の異なる群から選択し、温度による反応性に明確な差を出すことで高い硬化促進性を得ることができる。例えば、潜在性硬化促進剤(B)としては、70℃以上110℃以下に反応活性開始温度が存在する第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩及びイミダゾール系化合物を用い、潜在性硬化促進剤(C)としては、110℃以上160℃以下に反応活性開始温度が存在するハロゲン化ホウ素アミン錯体を用いることより好ましい。
無機充填材の配合量は、樹脂組成物全体に対して40重量%以上85重量%以下の範囲で、樹脂組成物のポットライフが2時間以上確保できる樹脂混合温度で均一に混合できる量であればよいが、好ましくは、樹脂組成物全体に対して50重量%以上70重量%以下である。無機充填剤の配合量が40重量%より少ないと、成型物の機械強度が劣り、一方、85重量%より多いと、樹脂成分と均一に混合できなくなり、成型物特性の再現性が得られない。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、無機充填剤としての溶融シリカ:150重量部、硬化促進剤(A)としての2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(常温で反応活性である):0.2重量部、潜在性硬化促進剤(B)としての1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のオクチル酸塩(反応活性開始温度が約100℃である):0.3重量部、及び潜在性硬化促進剤(C)としての三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(反応活性開始温度が約120℃である):0.2重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は4.3時間であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、無機充填剤としての溶融シリカ:150重量部、硬化促進剤(A)としての2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(常温で反応活性である):0.2重量部、潜在性硬化促進剤(B)としての1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(反応活性開始温度が約100℃である):0.2重量部、及び潜在性硬化促進剤(C)としての三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(反応活性開始温度が約120℃である):0.4重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1との違いは、潜在性硬化促進剤(C)の配合量を潜在性硬化促進剤(B)の配合量より多くしたことである。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は4.0時間であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、及び無機充填剤としての溶融シリカ:150重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1との違いは、硬化促進剤(A)、潜在性硬化促進剤(B)及び潜在性硬化促進剤(C)を添加しなかったことである。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は6時間となり、注型作業を行うには十分な時間があった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、無機充填剤としての溶融シリカ:150重量部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のオクチル酸塩(反応活性開始温度が約100℃である):0.7重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1との違いは、硬化促進剤(A)、潜在性硬化促進剤(B)及び潜在性硬化促進剤(C)の代わりに、潜在性硬化促進剤(B)としての1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のオクチル酸塩のみを添加したことである。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は3.5時間となり、注型作業を行うには十分な時間があった。
この比較例のように、硬化促進剤を1種類だけ添加した場合は、反応活性開始温度に達した瞬間に重合反応が一気に進行するため、急激な発熱を引き起こし易く、この発熱により硬化反応が加速され、成型物の形状や肉厚によっては、成型物にヒケやボイドのような形状異常を引き起こす。
一方、実施例のように、低温、中温及び高温と異なる反応活性開始温度を有する硬化促進剤を2時間以上のポットライフが確保できる配合で添加している場合、低温側から硬化促進剤が機能し、樹脂温度が徐々に上昇し、樹脂の重合反応を徐々に進行させるため、硬化時の発熱による温度上昇が抑えられている。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、無機充填剤として溶融シリカ:150重量部、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(常温で反応活性である):0.5重量部、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のオクチル酸塩(反応活性開始温度が約100℃である):0.5重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1との違いは、硬化促進剤(A)、潜在性硬化促進剤(B)及び潜在性硬化促進剤(C)の代わりに、注型温度領域での反応速度を高めるため、硬化促進剤(A)及び潜在性硬化促進剤(B)のみをポットライフが確保できる範囲内で増量して添加したことである。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は2.0時間となり、注型作業を実施可能なレベルであった。
この比較例のように、硬化促進剤(A)及び潜在性硬化促進剤(B)の2種類を、60℃で2時間のポットライフを確保できる範囲内で最適化した場合、実施例1のような短時間(15分)での離型を達成することはできない。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部、無機充填剤としての溶融シリカ:150重量部、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(常温で反応活性である):0.2重量部、及び三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(反応活性開始温度が約120℃である):0.5重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1との違いは、硬化促進剤(A)、潜在性硬化促進剤(B)及び潜在性硬化促進剤(C)の代わりに、硬化促進剤(A)及び潜在性硬化促進剤(C)のみを添加したことである。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化は、図5のようになり、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は4.8時間となり、注型作業を行うには十分な時間があった。
この比較例のように、硬化促進剤(A)及び潜在性硬化促進剤(C)の2種類を添加した場合、注型成形用金型に注入されたエポキシ樹脂組成物の温度は、除々に上昇するが、潜在性硬化促進剤(C)の反応活性開始温度が高いため、温度上昇時のエポキシ樹脂の重合が遅く、実施例1のような短時間(15分)での離型を達成することはできない。
実施例1のメチルテトラヒドロ無水フタル酸:85.5重量部の代わりに、ポリエチレンポリアミン:20重量部を使用して、60℃で混合したところ、混合途中でゲル化して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製することができなかった。これは、硬化剤として常温硬化性の脂肪族アミンを用いたため、硬化速度は劇的に速くなるが、発熱反応が高く、可使時間が著しく短くなるためである。この比較例のようなエポキシ樹脂組成物は、一定の作業時間が必要な高電圧機器向けの成形用途には適さない。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としての無水メチルナジック酸:80重量部、無機充填剤としての溶融シリカ:130重量部、硬化促進剤(A)としてのN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(常温で反応活性である):0.3重量部、潜在性硬化促進剤(B)としての1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(反応活性開始温度が約80℃である):0.2重量部、及び潜在性硬化促進剤(C)としての三フッ化ホウ素ジエチルアミン錯体(反応活性開始温度が約125℃である):0.5重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化を測定したところ、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は4時間であった。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:170g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのメチルテトラヒドロ無水フタル酸:80重量部、無機充填剤としての結晶シリカ:150重量部、硬化促進剤(A)としてのN,N−ジメチルベンジルアミン(常温で反応活性である):0.1重量部、潜在性硬化促進剤(B)としての臭化テトラフェニルホスホニウム(反応活性開始温度が約90℃である):0.2重量部、及び潜在性硬化促進剤(C)としての三塩化ホウ素N,N−ジエチルジオクチルアミン錯体(反応活性開始温度が約125℃である):0.3重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化を測定したところ、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は5時間であった。
ビスフェノールAD型エポキシ樹脂(エポキシ当量:175g/eq):100重量部、酸無水物系硬化剤としてのトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸:85重量部、無機充填剤としてのアルミナ:300重量部、硬化促進剤(A)としての(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(常温で反応活性である):0.1重量部、潜在性硬化促進剤(B)としての1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(反応活性開始温度が約100℃である):0.2重量部、及び潜在性硬化促進剤(C)としての三塩化ホウ素モノエチルアミン錯体(反応活性開始温度が約125℃である):0.3重量部を、60℃で15分間混合した後、真空脱泡して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度変化を測定したところ、粘度が2倍になるまでの時間(ポットライフ)は4.5時間であった。
実施例1のエポキシ樹脂組成物と注型条件で、電極を埋め込んだ絶縁ロッドを成形した。離型後の二次硬化時間は、135℃で16時間とした。この絶縁ロッドを用いて、破壊電界を測定したところ60kV/mmであり、汎用の高電圧機器用注型樹脂と同等以上であることを確認した。また、ヒートサイクル試験(100℃〜−30℃、100サイクル)を行った後、クラック発生もなく、更に、絶縁特性、機械特性、耐熱特性などの成型物特性に全く変化がないことが確認され、長期信頼性の高い注型絶縁物であることが実証された。
実施例5のエポキシ樹脂組成物と注型条件で、絶縁スペーサを成形した。離型後の二次硬化時間は、150℃で20時間とした。この絶縁スペーサを用いて、耐SF6分解ガス性の評価を実施した。評価は、放電容器内にSF6を封入後、針対平板電極を用いて5時間の連続放電を行い、その後に表面抵抗をJIS K6911に準じて測定した。表面抵抗の低下は殆どなく、耐SF6分解ガス性を有することが判った。
Claims (9)
- ビスフェノール型エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤と、硬化促進剤と、無機充填剤とを混合した注型成形用エポキシ樹脂組成物を1kg/cm 2 以上20kg/cm 2 以下の圧力で注型成形用金型に注入して成形する高電圧機器用モールド製品の製造方法であって、
前記注型成形用エポキシ樹脂組成物は、60℃での粘度が40000mPa・s以下であり、
前記硬化促進剤が、70℃以下の第1反応活性開始温度を有する第三級アミンである硬化促進剤(A)と、前記第1反応活性開始温度よりも高く且つ70℃以上110℃以下の第2反応活性開始温度を有する第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、イミダゾール系化合物及びハロゲン化ホウ素アミン錯体からなる群から選択される潜在性硬化促進剤(B)と、前記第2反応活性開始温度よりも高く且つ110℃以上160℃以下の第3反応活性開始温度を有する第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、イミダゾール系化合物及びハロゲン化ホウ素アミン錯体からなる群から選択される潜在性硬化促進剤(C)との3種から構成され、
前記硬化促進剤(A)と前記潜在性硬化促進剤(B)との反応活性開始温度差及び前記潜在性硬化促進剤(B)と前記潜在性硬化促進剤(C)との反応活性開始温度差が10℃以上であり、
前記潜在性硬化促進剤(C)の量が、前記潜在性硬化促進剤(B)の量よりも多く、
前記無機充填剤の量が樹脂組成物全体に対して40重量%以上85重量%以下であり、
前記注型成形用エポキシ樹脂組成物の混合温度は、前記第1反応活性開始温度より高く且つ前記第2反応活性開始温度より低い温度であり、
前記第3反応活性開始温度は、前記注型成形用金型の設定温度に対して±20℃の範囲内であることを特徴とする高電圧機器用モールド製品の製造方法。 - 前記硬化促進剤(A)、前記潜在性硬化促進剤(B)及び前記潜在性硬化促進剤(C)の合計量が、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量部以上3.0重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の高電圧機器用モールド製品の製造方法。
- 可使時間を、注型成形用エポキシ樹脂組成物の粘度が60℃の加温下で2倍になるまでの時間と定義した場合、その可使時間が2時間以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高電圧機器用モールド製品の製造方法。
- 前記注型成形用エポキシ樹脂組成物を、前記酸無水物系硬化剤、前記硬化促進剤(A)、前記潜在性硬化促進剤(B)及び前記潜在性硬化促進剤(C)からなる混合物と、それ以外の成分からなる混合物とを混合することにより調製し、この注型成形用エポキシ樹脂組成物を1kg/cm2以上20kg/cm2以下の圧力で前記注型成形用金型に注入して成形することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高電圧機器用モールド製品の製造方法。
- 前記注型成形用金型内の樹脂が完全にゲル化するまで前記圧力を加え続けて固化させることを特徴とする請求項4に記載の高電圧機器用モールド製品の製造方法。
- ビスフェノール型エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤と、硬化促進剤と、無機充填剤とを混合した注型成形用エポキシ樹脂組成物であって、
前記注型成形用エポキシ樹脂組成物は、60℃での粘度が40000mPa・s以下であり、
前記硬化促進剤が、反応活性開始温度が樹脂混合温度以下であり且つ70℃以下の第1反応活性開始温度を有する第三級アミンである硬化促進剤(A)と、前記第1反応活性開始温度よりも高く且つ70℃以上110℃以下の第2反応活性開始温度を有する第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、イミダゾール系化合物及びハロゲン化ホウ素アミン錯体からなる群から選択される潜在性硬化促進剤(B)と、反応活性開始温度が注型成形用金型の設定温度に対して±20℃の範囲内であり、前記第2反応活性開始温度よりも高く且つ110℃以上160℃以下の第3反応活性開始温度を有する第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、イミダゾール系化合物及びハロゲン化ホウ素アミン錯体からなる群から選択される潜在性硬化促進剤(C)との3種から構成され、
前記硬化促進剤(A)と前記潜在性硬化促進剤(B)との反応活性開始温度差及び前記潜在性硬化促進剤(B)と前記潜在性硬化促進剤(C)との反応活性開始温度差が10℃以上であり、
前記潜在性硬化促進剤(C)の量が、前記潜在性硬化促進剤(B)の量よりも多く、
前記無機充填剤の量が樹脂組成物全体に対して40重量%以上85重量%以下であることを特徴とする注型成形用エポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化促進剤(A)、前記潜在性硬化促進剤(B)及び前記潜在性硬化促進剤(C)の合計量が、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量部以上3.0重量部以下であることを特徴とする請求項6に記載の注型成形用エポキシ樹脂組成物。
- 前記潜在性硬化促進剤(C)の量が、前記潜在性硬化促進剤(B)の量よりも多いことを特徴とする請求項6又は7に記載の注型成形用エポキシ樹脂組成物。
- 可使時間を、注型成形用エポキシ樹脂組成物の粘度が60℃の加温下で2倍になるまでの時間と定義した場合、その可使時間が2時間以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の注型成形用エポキシ樹脂組成物。
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