[実施形態の概要]
ここで、第1の基地局が管理するセルのカバレッジエリアと、第2の基地局が管理するセルのカバレッジエリアとの重複部分に、無線LANに設けられる無線LANアクセスポイント(以下、AP)が存在するケースを想定する。
このケースにおいて、例えば、第1の基地局が、自局の負荷を減少させるために、無線端末が第1の基地局に接続し難くなるように判定パラメータを変更し、変更された判定パラメータを配下の無線端末に送信する(a)。これによって、第1の基地局に接続する一部の無線端末は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LAN(具体的には、AP)に接続先を切り替える(b)。無線LANの接続が増加することによって、APとの通信状況が悪化した一部の無線端末は、判定パラメータに基づいて、移動通信網(具体的には、第2の基地局)へ接続先を切り替える(c)。これによって自局の負荷が増加した第2の基地局は、無線端末が第2の基地局に接続し難くなるように判定パラメータを変更し、変更された判定パラメータを配下の無線端末に送信する(d)。第2の基地局に接続する一部の無線端末は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LAN(AP)へ接続先を切り替える(e)。無線LANへの接続が増加することによって、APとの通信状況が悪化した一部の無線端末が、判定パラメータに基づいて、移動通信網(具体的には、第1の基地局)へ接続先を切り替える(f)。これによって自局の負荷が増加した第1の基地局は、無線端末が第1の基地局へさらに接続し難くなるように判定パラメータを変更し、変更された判定パラメータを配下の無線端末に送信する(a’)。一部の無線端末は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LAN(AP)へ接続先を切り替える(b’)。このような一連の動作が繰り返されることによって、無線端末が、移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先の切り替えを交互に繰り返す非効率的な動作(いわゆる、ピンポン現象)が生じ得る。
そこで、実施形態では、無線端末が移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先の切り替えを交互に繰り返す非効率的な動作を低減可能とすることを目的とする。
第1実施形態に係る基地局は、移動通信網を構成する。前記基地局は、無線端末が前記移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する第1の判定パラメータを設定するコントローラと、前記第1の判定パラメータを自基地局配下の無線端末へ送信するトランスミッタと、他の基地局から通知された情報を受信するレシーバと、を備える。前記コントローラは、前記情報を考慮して、前記第1の判定パラメータを設定する。
第1実施形態において、前記情報は、前記他の基地局において設定された第2の判定パラメータである。前記第2の判定パラメータは、前記無線端末が前記移動通信網と前記無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する判定パラメータである。
第1実施形態において、前記情報は、前記他の基地局における負荷情報、加入者情報及びオペレータ情報のうちの少なくともいずれか一つを含む。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記第2の判定パラメータが前記第1の判定パラメータよりも優先される場合に、前記第2の判定パラメータを考慮して、前記第1の判定パラメータを設定することを特徴とする。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記第2の判定パラメータが前記無線LANへの切り替えを促すパラメータである場合、前記第1の判定パラメータを前記無線LANへの切り替えを控えるパラメータに設定する。
第1実施形態において、前記無線LANへの切り替えを促すパラメータは、前記移動通信網側の閾値が所定値より高い値であるか又は前記無線LAN側の閾値が所定値よりも低い値である。前記無線LANへの切り替えを控えるパラメータは、前記移動通信網側の閾値が所定値より低い値であるか又は前記無線LAN側の閾値が所定値よりも高い値である。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記第1の判定パラメータの優先度を前記他の基地局に送信する制御を行う。
第1実施形態において、前記優先度は、前記第2の判定パラメータに対する前記第1の判定パラメータの相対的な優先度若しくは前記第1の判定パラメータの絶対的な優先度を前記他の基地局に送信する制御を行う。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記優先度の持続時間を示すタイマ情報を、前記優先度と共に送信する制御を行う。
第1実施形態において、前記コントローラは、自基地局の負荷情報と前記他の基地局の負荷情報とに基づいて、前記優先度を決定する。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記無線端末の契約内容に関する加入者情報に基づいて、前記優先度を決定する。
第1実施形態において、前記コントローラは、オペレータが優先する基地局を示す情報に基づいて、前記第1の判定パラメータの優先度を決定する。
第1実施形態において、前記コントローラは、自基地局が管理する自セルのカバレッジエリア内の無線LANアクセスポイントの負荷情報を取得し、前記無線LANアクセスポイントの負荷情報に基づいて、前記第1の判定パラメータを設定する。
第1実施形態において、前記コントローラは、前記他の基地局が管理する他セルのカバレッジエリア内の無線LANアクセスポイントを示すAP識別子が含まれるAP情報を取得する。前記コントローラは、前記AP情報に基づいて、前記自基地局が管理する自セルのカバレッジエリアと前記他セルのカバレッジエリアとに重複して存在する無線LANアクセスポイントを発見した場合に、前記第2の判定パラメータを考慮して、前記第1の判定パラメータを設定する。
第1実施形態に係る基地局は、移動通信網を構成する。前記基地局は、無線端末が前記移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する第1の判定パラメータを設定するコントローラと、前記判定パラメータを自基地局配下の無線端末へ送信するトランスミッタと、を備える。前記コントローラは、前記第1の判定パラメータに関する優先度を前記第1の判定パラメータと共に他の基地局へ送信する。
第1実施形態において、前記第1の判定パラメータに関する優先度は、他の基地局から通知された情報に基づいて決定される。
第1実施形態において、前記第1の判定パラメータに関する優先度は、前記他の基地局が第2の判定パラメータを設定する際に考慮される情報である。前記第2の判定パラメータは、前記無線端末が前記移動通信網と前記無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する。
第2実施形態に係る基地局は、移動通信網を構成する。前記基地局は、自基地局が管理するセルのカバレッジエリア内に存在し、接続を推奨する無線LANアクセスポイントを示すAP識別子が含まれる第1のAP情報を前記自基地局配下の無線端末に送信するトランスミッタと、他セルを管理する他の基地局から、前記他セルのカバレッジ内の無線LANアクセスポイントを示すAP識別子が含まれる第2のAP情報を受信するレシーバと、前記第1のAP情報と前記第2のAP情報とに共通して含まれる所定のAP識別子を特定するコントローラと、を備える。
第2実施形態において、前記コントローラは、前記所定のAP識別子を前記第1のAP情報から削除する制御を行う。
第2実施形態において、前記コントローラは、前記他の基地局の方が自基地局よりも優先される場合に、前記所定のAP識別子を前記第1のAP情報から削除する制御を行う。
その他実施形態において、前記トランスミッタは、前記無線端末が保持する前記第1のAP情報から前記所定のAP識別子を除外させるための除外情報を前記無線端末に送信する。
その他実施形態において、前記トランスミッタは、第1の判定パラメータ及び第2の判定パラメータの少なくとも一方を前記無線端末に送信する。前記第1の判定パラメータは、前記所定のAP識別子に対応付けられ、且つ、前記無線端末が前記移動通信網と前記無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する判定パラメータである。前記第2の判定パラメータは、前記所定のAP識別子以外の前記第1のAP情報に含まれるAP識別子に対応付けられ、且つ、前記無線端末が前記移動通信網と前記無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替えるか否かを判定するために使用する判定パラメータである。
第2実施形態及びその他実施形態に係る基地局は、移動通信網を構成する。前記基地局は、自基地局が管理する自セルのカバレッジ内の無線LANアクセスポイントを示す識別子を含むAP情報を前記自セル内の無線端末に送信するトランスミッタと、前記AP情報に含まれる少なくとも一部の識別子を、他セルを管理する他の基地局に送信する制御を行うコントローラと、を備える。
[第1実施形態]
(通信システム)
以下において、第1実施形態に係る通信システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る通信システム1を示す図である。
図1に示すように、通信システム1は、無線基地局100と、アクセスポイント200とを有する。また、通信システム1は、無線基地局100又はアクセスポイント200と接続可能な無線端末10を備える。
無線端末10は、携帯電話又はタブレットなどの端末である。無線端末10は、無線基地局100と無線通信を行う機能に加えて、アクセスポイント200と無線通信を行う機能を有する。
無線基地局100は、第1カバレッジエリア100Aを有しており、第1カバレッジエリア100Aにおいて、LTE(Long Term Evolution)に代表される移動通サービスを提供する。無線基地局100は、1つ又は複数のセルを管理しており、第1カバレッジエリア100Aは、1つ又は複数のセルによって構成される。無線基地局100は、移動通信網のエンティティである。なお、セルとは、地理的なエリアを示す用語と考えてもよく、無線端末10と無線通信を行う機能と考えてもよい。
アクセスポイント200は、第2カバレッジエリア200Aを有しており、第2カバレッジエリア200Aにおいて、無線LANサービスを提供する。アクセスポイント200は、無線LANのエンティティである。第2カバレッジエリア200Aの少なくとも一部は、第1カバレッジエリア100Aと重複する。第2カバレッジエリア200Aの全部が第1カバレッジエリア100Aと重複していてもよい。一般的には、第2カバレッジエリア200Aは、第1カバレッジエリア100Aよりも小さい。
(適用シーン)
第1実施形態において、無線端末が移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替える切替処理(例えば、ネットワークセレクション及びトラフィックステアリング)を行う方法について説明する。RRCコネクティッド状態又はRRCアイドル状態の無線端末10は、移動通信網(セルラ通信ネットワーク)及び無線LAN(WLAN通信ネットワーク)のうちトラフィックを送受信するネットワークを選択するために切り替える処理を行う。具体的には、移動通信網側の第1情報が第1条件を満たしており、かつ、無線LAN側の第2情報が第2条件を満たしている状態が所定期間に亘って継続する場合に、切替処理(例えば、ネットワークセレクション及びトラフィックステアリング)が実行される。
第1実施形態において、切替処理は、移動通信網から無線LANに対して待ち受け先又は接続先を切り替える処理、及び、無線LANから移動通信網に対して待ち受け先又は接続先を切り替える処理の双方を含む。
ここで、移動通信網側の第1情報は、例えば、受信信号の信号レベル(RSRP;Reference Signal Received Power)の測定結果(RSRPmeas)及び受信信号の信号品質(RSRQ;Reference Signal Received Quality)の測定結果(RSRQmeas)である。
無線LAN側の第2情報は、例えば、無線LANのチャネル利用値(ChannelUtilizationWLAN)、無線LANの下りリンクのバックホール値(BackhaulRateDlWLAN)、無線LANの上りリンクのバックホール値(BackhaulRateUlWLAN)、受信信号の信号レベル(RSSI;Received Signal Strength Indicator)である。
(移動通信網から無線LANに対する切替処理)
移動通信網から無線LANに対して待ち受け先又は接続先を切り替える第1条件は、例えば、以下の条件(1a)又は(1b)のいずれかが満たされることである。但し、第1条件は、以下の条件(1a)〜(1b)の全てが満たされることであってもよい。
(1a)RSRPmeas<ThreshServingOffloadWLAN,LowP
(1b)RSRQmeas<ThreshServingOffloadWLAN,LowQ
なお、“ThreshServingOffloadWLAN,LowP”及び“ThreshServingOffloadWLAN,LowQ”は、無線基地局100から提供される閾値又は予め定められた閾値である。
移動通信網から無線LANに対して待ち受け先又は接続先を切り替える第2条件は、例えば、以下の条件(1c)〜(1f)の全てが満たされることである。但し、第2条件は、以下の条件(1c)〜(1f)のいずれかが満たされることであってもよい。
(1c)ChannelUtilizationWLAN<ThreshChUtilWLAN,Low
(1d)BackhaulRateDlWLAN>ThreshBackhRateDLWLAN,High
(1e)BackhaulRateUlWLAN>ThreshBackhRateULWLAN,High
(1f)RSSI>ThreshBEACONSRSSI,High
なお、“ThreshChUtilWLAN,Low”、“ThreshBackhRateDLWLAN,High”、“ThreshBackhRateULWLAN,High”及び“ThreshBEACONSRSSI,High”は、基地局100から提供される閾値又は予め定められた閾値である。
(無線LANから移動通信網に対する切替処理)
無線LANから移動通信網に対して待ち受け先又は接続先を切り替える第1条件は、例えば、以下の条件(2a)及び(2b)が満たされることである。但し、第1条件は、以下の条件(2a)又は(2b)のいずれかが満たされることであってもよい。
(2a)RSRPmeas>ThreshServingOffloadWLAN,HighP
(2b)RSRQmeas>ThreshServingOffloadWLAN,HighQ
なお、“ThreshServingOffloadWLAN,HighP”及び“ThreshServingOffloadWLAN,HighQ”は、基地局100から提供される閾値又は予め定められた閾値である。
無線LANから移動通信網に対して待ち受け先又は接続先を切り替える第2条件は、例えば、以下の条件(2c)〜(2f)のいずれかが満たされることである。但し、第2条件は、以下の条件(2c)〜(2f)の全てが満たされることであってもよい。
(2c)ChannelUtilizationWLAN>ThreshChUtilWLAN,High
(2d)BackhaulRateDlWLAN<ThreshBackhRateDLWLAN,Low
(2e)BackhaulRateUlWLAN<ThreshBackhRateULWLAN,Low
(2f)RSSI<ThreshBEACONSRSSI,Low
なお、“ThreshChUtilWLAN,High”、“ThreshBackhRateDLWLAN,Low”、“ThreshBackhRateULWLAN,Low”及び“ThreshBEACONSRSSI,Low”は、基地局100から提供される閾値又は予め定められた閾値である。
なお、上述した閾値が提供されていない場合には、無線端末10は、閾値が提供されていない情報の取得(すなわち、受信又は測定)を省略してもよい。
第1実施形態において、上述した各種閾値は、移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替える切替処理を行うか否かを判定するための判定パラメータ(例えば、RAN assistance parameter)の一例である。すなわち、判定パラメータは、“ThreshServingOffloadWLAN,LowP”、“ThreshServingOffloadWLAN,LowQ”、“ThreshChUtilWLAN,Low”、“ThreshBackhRateDLWLAN,High”、“ThreshBackhRateULWLAN,High”、“ThreshBEACONSRSSI,High”、“ThreshServingOffloadWLAN,HighP”、“ThreshServingOffloadWLAN,HighQ”、“ThreshChUtilWLAN,High”、“ThreshBackhRateDLWLAN,Low”、“ThreshBackhRateULWLAN,Low”及び“ThreshBEACONSRSSI,Low”の中から選択された1つ以上の値を含む。
さらに、判定パラメータは、無線端末が第1条件又は第2条件を満たしている状態を継続すべき所定期間(TsteeringWLAN)を含んでもよい。或いは、判定パラメータは、無線端末が移動通信網から無線LANに対して待ち受け先又は接続先を切り替えるオフロード処理を行った場合に、後述する無線端末10が保持すべき所定期間(T350タイマ値)を含んでもよい。
判定パラメータとしては、無線基地局100から無線端末10に対して個別に通知される個別パラメータ及び無線基地局100から無線端末10に対して報知される報知パラメータが存在する。個別パラメータは、例えば、無線基地局100から無線端末10に送信されるRRCメッセージ(例えば、RRC Connection Reconfiguration)に含まれる。報知パラメータは、例えば、無線基地局100から報知されるSIB(例えば、WLAN−OffloadConfig−r12)に含まれる。無線端末10は、報知パラメータに加えて個別パラメータを受信した場合に、報知パラメータよりも個別パラメータを優先して適用することに留意すべきである。
(無線端末)
以下において、第1実施形態に係る無線端末について説明する。図2は、第1実施形態に係る無線端末10を示すブロック図である。
図2に示すように、無線端末10は、LTE無線通信部11(トランシーバ/トランスミッタ/レシーバ)と、WLAN無線通信部12(トランシーバ/トランスミッタ/レシーバ)と、制御部13(コントローラ)とを有する。
LTE無線通信部11は、無線基地局100と無線通信を行う機能を有し、例えば、無線送受信機によって構成される。例えば、LTE無線通信部11は、無線基地局100から参照信号を定期的に受信する。LTE無線通信部11は、参照信号の信号レベル(RSRP)及び参照信号の信号品質(RSRQ)を定期的に測定する。LTE無線通信部11は、判定パラメータとして個別パラメータ及び報知パラメータを無線基地局100から受信する。
WLAN無線通信部12は、アクセスポイント200と無線通信を行う機能を有し、例えば、無線送受信機によって構成される。例えば、WLAN無線通信部12は、アクセスポイント200からビーコン又はプローブ応答を受信する。ビーコン又はプローブ応答は、BBS Load情報要素を含み、無線LANのチャネル利用値(ChannelUtilizationWLAN)は、BBS Load情報要素から取得することができる。
WLAN無線通信部12は、アクセスポイント200に対する要求(GAS(Generic Advertisement Service) Request)に応じてアクセスポイント200から返信される応答(GAS Response)を受信する。応答(GAS Response)は、無線LANの下りリンクのバックホール値(BackhaulRateDlWLAN)及び無線LANの上りリンクのバックホール値(BackhaulRateUlWLAN)を含む。このような問合せ手順は、WFA(Wi−Fi Alliance)のHotspot2.0で規定されるANQP(Access Network Query Protocol)に従って行われる。
WLAN無線通信部12は、アクセスポイント200から信号を受信する。WLAN無線通信部12は、受信信号の信号レベル(RSSI)を測定する。受信信号の信号レベル(RSSI)は、ビーコン又はプローブ応答の信号強度である。
制御部13は、CPU(プロセッサ)及びメモリ等によって構成されており、無線端末10を制御する。具体的には、制御部13は、LTE無線通信部11及びWLAN無線通信部12を制御する。また、制御部13は、移動通信網側の第1情報が第1条件を満たしており、かつ、無線LAN側の第2情報が第2条件を満たしている状態が所定期間に亘って継続する場合に、移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替える切替処理を実行する。
第1実施形態において、制御部13は、移動通信網から無線LANに対して待ち受け先又は接続先を切り替えるオフロード処理を行った後に、無線LANから移動通信網に対して待ち受け先又は接続先を切り替えるオンロード処理(又はリオフロード処理)を行った場合に、個別パラメータを破棄する。
詳細には、制御部13は、原則として、オフロード処理に伴ってアイドル状態へ遷移が行われる際に無線端末10が起動する所定タイマ(上述した(T350タイマ)が起動されている期間(T350タイマ値)において、個別パラメータを保持するように構成されている。言い換えると、制御部13は、所定タイマの満了又は所定タイマの停止によって、個別パラメータを破棄するように構成されている。
(無線基地局)
以下において、第1実施形態に係る無線基地局について説明する。図3は、第1実施形態に係る無線基地局100を示すブロック図である。
図3に示すように、無線基地局100は、LTE無線通信部110(トランシーバ/トランスミッタ/レシーバ)と、制御部120(コントローラ)と、ネットワークインターフェイス130とを有する。
LTE無線通信部110は、無線端末10と無線通信を行う機能を有する。例えば、LTE無線通信部110は、無線端末10に対して参照信号を定期的に送信する。LTE無線通信部110は、例えば、無線送受信機によって構成される。LTE無線通信部110は、判定パラメータとして個別パラメータ及び報知パラメータを無線端末10に送信する。上述したように、LTE無線通信部110は、RRCメッセージ(例えば、RRC Connection Reconfiguration)によって個別パラメータを無線端末10に通知し、SIB(例えば、WLAN−OffloadConfig−r12)によって報知パラメータを無線端末10に通知する。
制御部120は、CPU(プロセッサ)及びメモリ等によって構成されており、無線基地局100を制御する。具体的には、制御部120は、LTE無線通信部110及びネットワークインターフェイス130を制御する。なお、制御部120を構成するメモリが記憶部として機能してもよいし、制御部120を構成するメモリとは別に記憶部を構成するメモリが設けられてもよい。
ネットワークインターフェイス130は、X2インターフェイスを介して近隣基地局と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GWと接続される。ネットワークインターフェイス130は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。また、ネットワークインターフェイス130は、所定のインターフェイスを介してアクセスポイント200と接続されてもよい。ネットワークインターフェイス130は、アクセスポイント200との通信に用いられる。
(切替処理の判定)
以下において、切替処理の判定について、移動通信網から無線LANに対する切替処理を例に挙げて説明する。
第1に、第1情報が第1条件を満たしている状態が所定期間(TsteeringWLAN)に亘って継続するか否かを判定する方法について説明する。第1情報は、参照信号の信号レベル(RSRP)の測定結果(RSRPmeas)又は参照信号の信号品質(RSRQ)の測定結果(RSRQmeas)であり、参照信号は短い周期で定期的に受信され、RSRPmeas又はRSRQmeasが比較的に短い周期で測定される。すなわち、RSRPmeas又はRSRQmeasは、時間軸方向において連続的に取得される。
第2に、第2情報が第2条件を満たしている状態が所定期間(TsteeringWLAN)に亘って継続するか否かを判定する方法について説明する。第2情報を取得する周期について取り決めがない。すなわち、第2情報(例えば、BackhaulRateDlWLAN又はBackhaulRateUlWLAN)は、時間軸方向において離散的に取得される。
(第1実施形態に係る動作)
次に、第1実施形態に係る動作について、図4から図6を用いて説明する。図4は、ピンポン現象を説明するための説明図である。図5は、本実施形態に係る動作環境を説明するための説明図である。図6は、本実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
図4に示すように、無線基地局100−1が管理するセル(CellA)の第1カバレッジエリア100−1Aと無線基地局100−2が管理するセル(CellB)の第1カバレッジエリア100−2Aとは、重複する。さらに、第1カバレッジエリア100−1Aと第1カバレッジエリア100−2Aとの重複部分に、アクセスポイント200が有する第2カバレッジエリア200Aが存在する。すなわち、第1カバレッジエリアの重複部分に、アクセスポイント200が存在する。なお、第2カバレッジエリア200Aは、第1カバレッジエリア100−1Aと第1カバレッジエリア100−2Aとの重複部分に一部重複した状態で存在してもよい。
無線端末10−1は、第1カバレッジエリア100−1Aに在圏する。「在圏」とは、無線基地局100−1が管理するセル(CellA)に対する待ち受け状態(RRCアイドル状態)であってもよく、無線基地局100−1が管理するセル(CellA)に接続された接続状態(RRCコネクティッド状態)であってもよい。
ここで、無線基地局100−1は、自局の負荷を減少させるために、配下の無線端末10が無線基地局100−1(CellA)に接続し難くなるように判定パラメータを変更したと仮定する。無線基地局100−1は、変更された判定パラメータを無線端末10−1に送信する。
無線基地局100−1に接続する無線端末10−1は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LANに接続先を切り替える。具体的には、無線端末10−1は、アクセスポイント200と接続を行う。
無線端末10−1のアクセスポイント200への接続によって、アクセスポイント200との通信状況が悪化した無線端末10−2は、自身が保持する判定パラメータに基づいて、移動通信網へ接続先を切り替える。具体的には、無線端末10−2は、無線基地局100−2との接続を行う。
無線基地局100−2は、無線端末10−2の接続によって負荷(Trafficload)が増加する。これによって、無線基地局100−2は、配下の無線端末10が無線基地局100−2に接続し難くなるように判定パラメータを変更する。無線基地局100−2は、変更された判定パラメータを配下の無線端末10−2に送信する。
無線基地局100−2に接続する無線端末10−2は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LANへ接続先を切り替える。具体的には、無線端末10−2は、アクセスポイント200と接続を行う。
無線端末10−2のアクセスポイント200への接続によって、アクセスポイント200との通信状況が悪化した無線端末10−1は、自身が保持する判定パラメータに基づいて、移動通信網へ接続先を切り替える。具体的には、無線端末10−1は、無線基地局100−1との接続を行う。
無線基地局100−1は、無線端末10−1の接続によって負荷が増加する。これによって、無線基地局100−1は、配下の無線端末10がさらに無線基地局100−1に接続し難くなるように判定パラメータを変更する。無線基地局100−1は、変更された判定パラメータを無線端末10−1に送信する。
無線基地局100−1に接続する無線端末10−1は、変更された判定パラメータに基づいて、無線LANに接続先を切り替える。具体的には、無線端末10−1は、アクセスポイント200と接続を行う。
このような一連の動作が繰り返されることによって、無線端末10が、移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先の切り替えを交互に繰り返す非効率的な動作(いわゆる、ピンポン現象)が生じ得る。
このようなピンポン現象を解消するために、本実施形態では、無線基地局100−2が、無線基地局100−1において設定された判定パラメータを考慮して、自局の判定パラメータを設定する。これによって、各無線基地局100(無線基地局100−1及び無線基地局100−2)が独立して判定パラメータを設定しなくなるため、無線基地局100−1及び無線基地局100−2の両方が、自局に接続し難くなるように判定パラメータを設定することを抑制できる。その結果、ピンポン現象の発生を低減できる。
以後、本実施形態に係る詳細な動作の一例について、説明する。
図5に示すように、無線基地局100−1(eNB100−1)は、CellAを管理する。無線基地局100−2(eNB100−2)は、CellBを管理する。CellAの第1カバレッジエリア100−1AとCellBの第1カバレッジエリア100−2Aとの重複部分に、アクセスポイント200が有する第2カバレッジエリア200Aが存在する。また、図5では、無線基地局100−1(eNB100−1)の判定パラメータの優先度が高い状態(Priority High)にあって、無線基地局100−2(eNB100−2)の判定パラメータの優先度が低い状態(Priority Low)にある。従って、各無線基地局100(eNB100)は、自局の優先度に基づいて、判定パラメータ(RAN Assistance parameter)を設定する。言い換えれば、無線基地局100−1(eNB100−1)は、無線基地局100−2(eNB100−2)より優先して判定パラメータを設定する。判定パラメータの設定の詳細については、以下に説明する。
図6に示すように、ステップS101において、無線基地局100−1は、判定パラメータの優先度を決定するために用いられる自局(無線基地局100−1)に関する情報を無線基地局100−2に送信する。また、無線基地局100−2は、同様に、自局(無線基地局100−2)に関する情報を無線基地局100−1に送信する。
自局に関する情報は、例えば、無線基地局100の負荷情報(Load information)、加入者情報(UE subscription)、オペレータ設定情報(operator configuration)の少なくともいずれかの情報を含む。
負荷情報は、自局の負荷を示す情報である。例えば、負荷情報は、トラフィックを示す情報、無線リソースの使用率を示す情報などである。加入者情報は、無線端末10のユーザとオペレータとの契約に関する情報である。具体的には、加入者情報は、無線端末10の契約内容に関する情報(例えば、料金に関する情報など)である。契約内容には、例えば、契約プラン、契約サービス、契約料、課金状況等がある。オペレータ設定情報は、オペレータが優先する無線基地局100を示す情報である。例えば、オペレータ設定情報は、マクロセルを管理する無線基地局100が、スモールセルを管理する無線基地局100よりも優先されることを示す情報である。或いは、オペレータ設定情報は、優先される無線基地局100の識別子(例えば、オフロード処理が積極的に行われるように判定パラメータが設定されている無線基地局100の識別子)のリストであってもよい。
ステップS102において、無線基地局100−2は、自局において設定された判定パラメータ(RAN assistance parameter)を無線基地局100−1に送信する。
ステップS103において、無線基地局100−1は、判定パラメータ及び判定パラメータの優先度を決定する。ここでいう判定パラメータの優先度は、自無線基地局100−1が他の無線基地局に対して優先的に判定パラメータを設定できるか否かの指標となる値である。また、判定パラメータの優先度は、絶対的な判定パラメータの優先度(例えば、0〜100の値若しくは高〜低で設定される)若しくは相対的な判定パラメータの優先度(例えば、無線基地局100−1の方が無線基地局100−2より優先度が高い)等の情報であってもよい。
例えば、無線基地局100−1は、以下の少なくともいずれかの方法によって、判定パラメータの優先度を決定する。
第1の方法では、無線基地局100−1は、自局の負荷情報と他の無線基地局100−2の負荷情報とに基づいて、判定パラメータの優先度を決定する。例えば、無線基地局100−1は、負荷の高いCell(無線基地局)の判定パラメータを、負荷の低いCell(無線基地局)の判定パラメータよりも優先すると決定する。
第2の方法では、無線基地局100−1は、加入者情報に基づいて、判定パラメータの優先度を決定する。例えば、無線基地局100−1は、所定値以上の料金がオペレータに払われている無線端末10が多いCellの判定パラメータを、所定値以上の料金がオペレータに払われている無線端末10が少ないCellの判定パラメータよりも優先すると決定する。
第3の方法では、無線基地局100−1は、オペレータ設定情報に基づいて、判定パラメータの優先度を決定する。例えば、無線基地局100−1は、オペレータが優先する無線基地局100に該当するCellの判定パラメータを、他のCellの判定パラメータよりも優先すると決定する。
本実施形態において、無線基地局100−1は、CellBの負荷情報と自セルであるCellAとの負荷情報を比較して、CellAの負荷がCellBの負荷よりも高いと判定したと仮定する。従って、無線基地局100−1は、CellAの判定パラメータをCellBの判定パラメータよりも優先すると決定する。
無線基地局100−1は、CellAの判定パラメータを、CellBの判定パラメータよりも優先すると決定しているため、判定パラメータを設定(決定)する。或いは、無線基地局100−1は、すでに設定されている判定パラメータを変更せずに維持する。従って、無線基地局100−1は、CellBの判定パラメータを考慮せずに、CellAの判定パラメータを設定する。無線基地局100−1は、例えば、CellAに接続し難くなるように判定パラメータを設定する。すなわち、判定パラメータは、無線LANへの切り替えを促すパラメータである。例えば、無線基地局100−1は、オフロード処理における移動通信網側の第1情報に関する閾値を(第1所定値よりも)高く設定する。或いは、無線基地局100−1は、オフロード処理における無線LAN側の第2情報に関する閾値を(第2所定値よりも)低く設定する。
また、無線基地局100−1は、自セル内のアクセスポイント200の負荷情報を取得し、取得した負荷情報に基づいてCellAの判定パラメータを決定してもよい。例えば、無線基地局100−1は、アクセスポイント200の負荷が低い場合は、判定パラメータを無線LANへの切り替えを促すパラメータに設定できる。無線基地局100−1は、アクセスポイント200の負荷が高い場合は、判定パラメータを無線LANへの切り替えを控えるパラメータに設定できる。
無線基地局100−2は、自セル内のアクセスポイント200のうち、CellA及びCellBの重複部分に存在するアクセスポイント200の負荷情報に(のみ)基づいて、CellAの判定パラメータを決定してもよい。CellA及びCellBの重複部分に存在するアクセスポイント200を発見する方法は、第2実施形態で説明する。
ステップS104において、無線基地局100−2は、無線基地局100−1と同様に、判定パラメータの優先度を決定する。なお、無線基地局100−2は、ここで、自局100−2(CellB)の判定パラメータの優先度を決定せずに、後述するステップS105において無線基地局100−1から通知される無線基地局100−1(CellA)の判定パラメータの優先度に基づいて、自局(CellB)の判定パラメータの優先度を決定してもよい。例えば、無線基地局100−2は、無線基地局100−1から通知される無線基地局100−1(CellA)の判定パラメータの優先度が高い(Priority High)場合、自局100−2(CellB)の判定パラメータの優先度を低い(Priority Low)と決定してもよい。この場合、ステップS101において、無線基地局100−2は、無線基地局100−1から自局(無線基地局100−1)に関する情報を取得しなくてもよい。また、無線基地局100−2は、自局100−2(CellB)の判定パラメータの優先度を決定せずに、無線基地局100−1から通知された無線基地局100−1(CellA)の判定パラメータ及び無線基地局100−1(CellA)判定パラメータの優先度に基づいて自局100−2(CellB)の判定パラメータを決定してもよい。
本実施形態において、CellAの判定パラメータの優先度が、CellBの判定パラメータの優先度よりも高いため、無線基地局100−2は、判定パラメータを設定しない。或いは、無線基地局100−2は、すでに設定されている判定パラメータを変更せずに維持する。
ステップS105において、優先度の高い判定パラメータを保持する無線基地局100−1は、無線基地局100−1において設定された判定パラメータを、無線基地局100−2に送信する。
無線基地局100−1は、判定パラメータと共に、判定パラメータの優先度を示す情報を無線基地局100−2に送信する。本実施形態では、判定パラメータの優先度を示す情報は、CellBの判定パラメータに対するCellAの判定パラメータの優先度が高いことを示す情報(Priority High)である。なお、無線基地局100−1は、自セル(自局)の判定パラメータが他セル(他の無線基地局)の判定パラメータより優先する場合にのみ、判定パラメータの優先度(相対的な判定パラメータの優先度)を送信してもよい。これによって、複数の無線基地局100が自局の判定パラメータの優先度(優先度が高い又は低いこと)を他の無線基地局に送信することによって、トラフィックが増加すると共に判定パラメータの優先度に関する情報が錯綜する状況の発生を低減することができる。
また、上記実施形態では、無線基地局100−1は、判定パラメータの優先度(Priority High)を無線基地局100−2に送信しているが、これに限られず、例えば、各無線基地局100−1、100−2が他の無線基地局から取得した当該他の無線基地局に関する情報に基づいて自局の判定パラメータの優先度を決定し、他の無線基地局の判定パラメータを考慮して、自局の判定パラメータを決定してもよい。
また、無線基地局100−1は、判定パラメータの優先度を示す情報と共に、優先度の持続時間を示すタイマ情報を送信してもよい。優先度の持続時間を示すタイマが満了した場合、CellBの判定パラメータに対するCellAの判定パラメータの優先度が無効となる。
ステップS106において、無線基地局100−2は、無線基地局100−1から受信した判定パラメータの優先度(Prority High)によると、CellAの判定パラメータがCellBの判定パラメータよりも優先されるため、CellAの判定パラメータを考慮して、CellBの判定パラメータを設定(決定)する。
CellAの判定パラメータが、無線LANへの切り替えを促すパラメータである場合、無線基地局100−2は、CellBの判定パラメータを無線LANへの切り替えを控えるパラメータに設定する。例えば、無線基地局100−2は、オフロード処理における移動通信網側の第1情報に関する閾値を(第1所定値よりも)低く設定する。或いは、無線基地局100−1は、オフロード処理における無線LAN側の第2情報に関する閾値を(第2所定値よりも)高く設定する。
また、CellAの判定パラメータが、無線LANへの切り替えを控えるパラメータである場合、無線基地局100−2は、CellBの判定パラメータを無線LANへの切り替えを促すパラメータ若しくは無線LANへの切り替えを控えるパラメータに設定する。つまり、この場合、無線基地局100−1エリア内の無線端末10が無線LANへのオフロードを控えるため、ピンポン現象が発生する可能性が低い。従って、無線基地局100−2は、いずれのパラメータ(無線LANへの切り替えを促すパラメータ及び無線LANへの切り替えを控えるパラメータ)に設定してもよい。
なお、無線基地局100−2は、判定パラメータの優先度について、ステップS104の比較によって、優先される判定パラメータを認識してもよい。或いは、無線基地局100−2は、無線基地局100−1からの判定パラメータの優先度を示す情報に基づいて、優先される判定パラメータを認識してもよい。
なお、無線基地局100−2は、CellA及びCellBの重複部分にアクセスポイント200が存在する場合に、CellAの判定パラメータを考慮して、CellBの判定パラメータを設定してもよい。
ステップS107において、無線基地局100−2は、設定された自局100−2(CellB)の判定パラメータを無線基地局100−1に送信する。なお、このステップS107は省略してもよい。
その後、無線基地局100−1は、設定されたCellAの判定パラメータを自セル内の無線端末10−1に通知する。無線基地局100−2は、設定されたCellBの判定パラメータを自セル内の無線端末10−2に通知する。
なお、無線基地局100−1は、アクセスポイント200の負荷情報を取得し、判定パラメータが適切に設定されているか否かを判定してもよい。すなわち、無線基地局100−1は、判定パラメータの設定によって、ピンポン現象の発生が低減できたか否かを判定してもよい。例えば、無線基地局100−1は、アクセスポイント200の負荷の変動が一定の範囲内である場合、判定パラメータが適切に設定されていると判定する。そうでない場合、無線基地局100−1は、判定パラメータを変更してもよい。或いは、無線基地局100−1は、判定パラメータを変更させるための指示を無線基地局100−2に送信してもよい。
或いは、無線基地局100−2が、アクセスポイント200の負荷情報に基づいて、判定パラメータが適切に設定されているか否かを判定してもよい。無線基地局100−2は、判定結果に基づいて、優先度の高い判定パラメータが設定された無線基地局100−1に判定パラメータの変更を要求してもよい。
(無線基地局100の動作)
次に、無線基地局100の動作の一例について、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る無線基地局100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS201において、無線基地局100は、負荷情報などの自局に関する情報及び判定パラメータを近隣基地局100と交換する。
ステップS202において、無線基地局100は、近隣基地局100の近隣セルの判定パラメータ及び自セルの判定パラメータのそれぞれを閾値と比較する。ここでいう閾値は、無線LANへの切り替えを促す判定パラメータか否かを判定するための閾値である。つまり、判定パラメータが閾値より大きい(若しくは小さい)場合には、無線基地局100は、当該判定パラメータが無線LANへの切り替えを促す判定パラメータであると判定する。一方で、判定パラメータが閾値より小さい(若しくは大きい)場合には、無線基地局100は、当該判定パラメータが無線LANへの切り替え難くなる判定パラメータであると判定する。判定の詳細については、以下のステップS203において後述する。具体的には、閾値は、移動通信網におけるRSRPmeas及びRSRQmeasのうちの少なくとも一つの特定の値及び/又は無線LANのChannelUtilizationWLAN、BackhaulRateDlWLAN、BackhaulRateUlWLAN及びRSSIの少なくともいずれか一つの特定の値であってもよい。
なお、ステップS202では、無線基地局100−1は、近隣基地局100のセル(近隣セル)の判定パラメータと自セルの判定パラメータとを比較してもよい。具体的には、無線基地局100−1は、互いの判定パラメータが所定の値以内であるか否かを判定してもよい。このようにすれば、無線基地局100−1は、少なくとも、互いの判定パラメータが同様のもの、すなわち、互いの判定パラメータが無線LANへの切り替えを促す判定パラメータである可能性があることを判定できる。従って、無線基地局100−1は、互いの判定パラメータが所定の値以内であるか否かを判定した場合には、ステップS204を実行してもよい。
ステップS203において、無線基地局100は、ステップS202における比較結果に基づいて、両方の判定パラメータが、無線LANへの切り替えを促すパラメータであるか否かを判定する。また、無線基地局100は、自セル及び近隣セルの両方の負荷が閾値よりも高いか否かを判定してもよい。
無線基地局100は、両方の判定パラメータが無線LANへの切り替えを促すパラメータでないと判定された場合、ステップS201の処理が実行される。一方、無線基地局100は、両方の判定パラメータが無線LANへの切り替えを促すパラメータであると判定された場合、ステップS204の処理が実行される。
ステップS204において、無線基地局100は、近隣セルの負荷情報と自セルの負荷情報とを比較する。また、無線基地局100は、近隣セルの加入者情報と自セルの加入者情報とを比較してもよい。また、無線基地局100は、近隣セルのオペレータ情報と自セルのオペレータ情報とを比較してもよい。また、無線基地局100は、近隣セルの負荷情報、加入者情報及びオペレータ情報と自セルの負荷情報、加入者情報及びオペレータ情報とを比較してもよい。
ステップS205において、無線基地局100は、自セルの負荷が近隣セルの負荷よりも高いか否かを判定する。無線基地局100は、自セルの負荷が近隣セルの負荷よりも高いと判定した場合、ステップS206の処理を実行する。無線基地局100は、自セルの負荷が近隣セルの負荷よりも低いと判定した場合、処理を終了する。
或いは、無線基地局100は、加入者情報に基づいて、無線端末10の契約料が高いユーザの無線端末10が近隣セルよりも自セルに多く存在する場合、ステップS206の処理を実行してもよい。
つまり、ステップS205において、無線基地局100は、自セルの判定パラメータの優先度(すなわち、自セルの判定パラメータを隣接セルの判定パラメータに優先して設定するか否か)を、自セル及び隣接セルの負荷情報、加入者情報及びオペレータ情報を比較することによって、判定する。
ステップS206において、無線基地局100は、自セルの判定パラメータの優先度が高いため(自セルの判定パラメータが他セルの判定パラメータに比べて優先するため)、近隣セルの判定パラメータを考慮せずに、自セルの判定パラメータを決定する。また、無線基地局100は、自セルの判定パラメータの優先度が高いことを示す情報と共に、自セルの判定パラメータを近隣基地局100に通知する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部分は、説明を省略する。
第1実施形態では、無線基地局100は、判定パラメータの優先度に基づいて、他のセルの判定パラメータを考慮して、自セルの判定パラメータを設定することによって、ピンポン現象の発生を低減させていた。
本実施形態では、自セル内に存在するアクセスポイント200の識別子のリスト(以下、WLANIDリスト)を無線端末10に送信する無線基地局100が、自セルのカバレッジエリア及び近隣セルのカバレッジエリアの重複部分に存在するアクセスポイント200の識別子をWLANIDリストから除外する。これにより、無線端末10が、重複部分に存在するアクセスポイント200に発見し難くなるため、重複部分に存在するアクセスポイント200に起因したピンポン現象の発生を低減させることができる。
以下に、第2実施形態に係る動作について説明する。第2実施形態に係る動作環境は、第1実施形態に係る動作環境と同様である。
本実施形態では、無線基地局100は、自セル内に存在するアクセスポイント200の識別子のリストであるWLANIDリストを保持する。WLANIDリストは、接続を推奨するアクセスポイント200の識別子のリストであってもよい。無線基地局100は、保持するWLANIDリストを無線端末10に送信する。無線基地局100は、WLANIDリストを含むSIBを報知してもよいし、保持するWLANIDリストを含む個別信号(dedicated signaling)を各無線端末10に送信してもよい。
WLANIDリストに含まれるアクセスポイント200の識別子は、BSSID(Basic Service Set Identifier)、HESSID(Homogenous Extended Service Set Identifier)、SSID(Service Set Identifier)の少なくともいずれかである。
第1に、無線基地局100−1は、自セルのWLANIDリスト(以下、第1のWLANIDリスト)を無線基地局100−2に送信する。なお、無線基地局100−1は、第1のWLANIDリストに存在する少なくとも一部のアクセスポイント200の識別子を無線基地局100−2に送信してもよい。例えば、無線基地局100−1は、第1のWLANIDリストに存在するアクセスポイント200のうち自セルと無線基地局100−2のセルとの重複部分に存在するアクセスポイント200の識別子を無線基地局100−2に送信してもよい。
第2に、無線基地局100−2は、無線基地局100−1からの第1のWLANIDリストと、自セルのWLANIDリスト(以下、第2のWLANIDリスト)とを比較して、第1のWLANIDリストと第2のWLANIDリストとに共通するアクセスポイント200の識別子が存在するか否かを判定する。WLANIDリストは、自セル内に存在するアクセスポイント200の識別子のリストであるため、第1のWLANIDリストと第2のWLANIDリストとに共通するアクセスポイント200の識別子は、無線基地局100−1のセルと無線基地局100−2のセルとの重複部分に存在するアクセスポイント200の識別子と一致する。無線基地局100−2は、共通するアクセスポイント200の識別子が存在する場合、共通するアクセスポイント200の識別子を第2のWLANIDリストから削除する。
或いは、無線基地局100−2は、無線基地局100−1(のセル)の方が無線基地局100−2(のセル)よりも優先される場合に、共通するアクセスポイント200の識別子を第2のWLANIDリストから削除する。無線基地局100の優先度は、第1実施形態で説明した判定パラメータの優先度と同様の方法によって決定することができる。
第3に、無線基地局100−2は、第2のWLANIDリストを自セル内の無線端末10に送信する。無線端末10は、第2のWLANIDリストに存在するアクセスポイント200の識別子に基づいて、移動通信網と無線LANとの間で待ち受け先又は接続先を切り替える切替処理を実行できる。
例えば、無線端末10が、第2のWLANIDリストに存在するアクセスポイント200にのみ接続できる場合、無線基地局100−1のセルに在圏する無線端末10が、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200に接続できるが、無線基地局100−2のセルに在圏する無線端末10は、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200に接続できない。その結果、ピンポン現象の発生を低減できる。
或いは、WLANIDリストに存在するアクセスポイント200の方が、WLANIDリストに存在しないアクセスポイント200よりも優先度が高い場合、無線端末10は、WLANIDリストに存在するアクセスポイント200が発見できない場合にのみ、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200に接続できる。その結果、ピンポン現象の発生を低減できる。
[その他の実施形態]
本出願の内容を上述した各実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述の第1実施形態において、無線基地局100は、第2実施形態で説明したように、CellA及びCellBのWLANIDリストに基づいて、CellA及びCellBの重複部分に存在するアクセスポイント200を発見することができる。
第1実施形態において、Cellの判定パラメータの優先度を示す情報は、上述したように相対的な優先度を示す情報であってもよいし、絶対的な優先度を示す情報であってもよい。例えば、無線基地局100は、2つのCellを比較するケースでは、相対的な優先度を示す情報を、他の無線基地局100に送信してもよく、3つのCellを比較するケースでは、絶対的な優先度を示す情報を、他の無線基地局100に送信してもよい。
2つのCellを比較するケースでは、例えば、優先度の高いCellを管理する無線基地局のみが、優先度の低いCellを管理する無線基地局に対して、優先度を示す情報を送信してもよい。或いは、優先度の低いCellを管理する無線基地局のみが、優先度の高いCellを管理する無線基地局に対して、優先度を示す情報を送信してもよい。
3つのCellを比較するケースの一例として、CellAの負荷情報が40を示し、CellBの負荷情報が50を示し、CellCの負荷情報が70を示すケースについて、説明する。ここでは、優先度の高いCellを管理する無線基地局が、優先度の低いCellを管理する無線基地局に対して、優先度を示す情報を送信すると仮定して説明を進める。
CellCを管理する無線基地局100−3が、CellCの負荷が他のCellの負荷よりも高いと判断し、CellAを管理する無線基地局100−1及びCellBを管理する無線基地局100−2のそれぞれに、優先度を示す情報として、自セルの優先度の高さを示す情報を送信する。具体的には、無線基地局100−3は、優先度を示す情報として、CellCがCellAよりも30高いことを示す情報を無線基地局100−1に送信し、CellCがCellBよりも20高いことを示す情報を無線基地局100−2に送信する。同様にして、無線基地局100−2は、優先度を示す情報として、CellBがCellAよりも10高いことを示す情報を無線基地局100−1に送信する。
無線基地局100−1は、CellAが、CellBよりも20低く、且つ、CellCよりも30低いことを把握できる。無線基地局100−1は、これらの値を考慮して、CellAの判定パラメータを決定できる。例えば、無線基地局100−1は、CellCの判定パラメータをCellBの判定パラメータよりも優先的に考慮して、CellAの判定パラメータを決定できる。
第2実施形態において、無線基地局100は、第1のWLANIDリストと第2のWLANIDリストとに共通するアクセスポイント200の識別子(以下、共通AP識別子)をWLANIDリストから削除していたが、これに限られない。例えば、無線基地局100は、共通AP識別子を、自セル内の無線端末10が保持するWLANIDリストから共通するAP識別子を除外させるために除外情報を無線端末10に送信してもよい。除外情報は、共通AP識別子を含むメッセージである。除外情報を受信した無線端末10は、保持するWLANIDリストから、除外情報に含まれる共通AP識別子と一致するAP識別子を除外する。これにより、無線端末10は、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200に接続できない。その結果、ピンポン現象の発生を低減できる。なお、無線端末10は、オフロード処理のために使用されるWLANIDリストにおいて共通AP識別子と一致するAP識別子を削除し、オフロード処理ではない場合に使用されるWLANIDリストにおいては共通AP識別子と一致するAP識別子を維持してもよい。
或いは、無線基地局100は、共通AP識別子に対応付けられた特定判定パラメータの設定情報を自セル内の無線端末10に送信してもよい。或いは、無線基地局100は、共通AP識別子以外のWLANIDリストに存在するAP識別子に対応付けられた判定パラメータの設定情報を自セル内の無線端末10に送信してもよい。例えば、無線基地局100は、セルの重複部分に存在しない通常のアクセスポイント200に対しては、無線LANへの切り替えを促すパラメータを特定判定パラメータとして設定する。或いは、無線基地局100は、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200に対しては、無線LANへの切り替えを控えるパラメータを特定判定パラメータとして設定する。或いは、無線基地局100は、両方の動作を行ってもよい。無線基地局100は、設定された特定判定パラメータを、無線端末10に送信する。
特定判定パラメータの設定情報を受信した無線端末10は、特定判定パラメータが設定されたAP識別子に対応するアクセスポイント200に対しては、特定判定パラメータを使用し、それ以外のアクセスポイント200に対しては、通常の判定パラメータを使用する。これにより、無線基地局100は、セルの重複部分に存在するアクセスポイント200へのオフロード処理を制御することができる。その結果、ピンポン現象の発生を低減できる。
各実施形態では、移動通信網としてLTEを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。移動通信網は、通信キャリアによって提供されるネットワークであればよい。従って、移動通信網は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)であってもよく、GSM(登録商標)であってもよい。
なお、日本国特許出願第2014−197611号(2014年9月26日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。