JP6379537B2 - 組換え水素酸化細菌およびそれを用いたタンパク質製造方法 - Google Patents
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Description
(I)配列番号13に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(II)配列番号13に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質や、
(III)配列番号14に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(IV)配列番号14に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。
(1)配列番号14の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号14の27番目のバリンがグルタミン酸に置換
(3)配列番号14の29番目のフェニルアラニンがロイシンまたはセリンに置換
(4)配列番号14の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号14の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(6)配列番号14の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(7)配列番号14の48番目のグルタミンがヒスチジンまたはロイシンに置換
(8)配列番号14の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(9)配列番号14の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンに置換
(10)配列番号14の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(11)配列番号14の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(12)配列番号14の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(13)配列番号14の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号14の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号14の65番目のセリンがアルギニンに置換
(16)配列番号14の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(17)配列番号14の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(18)配列番号14の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号14の78番目のアラニンがセリンに置換
(20)配列番号14の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(21)配列番号14の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(22)配列番号14の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(23)配列番号14の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(24)配列番号14の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(25)配列番号14の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(26)配列番号14の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(27)配列番号14の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(28)配列番号14の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(29)配列番号14の119番目のリジンがグルタミン酸に置換
(30)配列番号14の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(31)配列番号14の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(32)配列番号14の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(33)配列番号14の155番目のセリンがスレオニンに置換
(34)配列番号14の163番目のスレオニンがセリンに置換
(35)配列番号14の167番目のセリンがグリシンに置換
(36)配列番号14の169番目のセリンがグリシンに置換
(37)配列番号14の171番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(38)配列番号14の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(39)配列番号14の185番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号14の192番目のグルタミンがリジンに置換
(1)本発明の水素酸化細菌は、目的タンパク質遺伝子および輸送タンパク質遺伝子(分泌性タンパク質遺伝子または膜タンパク質遺伝子)を導入し、前記目的タンパク質と前記輸送タンパク質とを共発現させることで、これまで困難であった目的タンパク質の培地中への分泌発現を可能とする。具体的には、本発明の水素酸化細菌は大腸菌よりも優れた分泌特性を有した細菌である。
(2)本発明の水素酸化細菌は安価なコストで目的タンパク質の生産が可能である。通常、組換え微生物で目的タンパク質を発現させるには、窒素源として酵母エキスやペプトン、炭素源としてグルコン酸やフルクトース、添加物としてアミノ酸やビタミン、といった高価な原料を用いる必要があった。一方本発明の水素酸化細菌を用いた目的タンパク質の分泌発現系では、窒素源としてアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩、亜硝酸塩などの無機窒素原料を用いることができ、炭素源として二酸化炭素ガス、炭酸塩など無機炭素原料を用いることができる。本発明の水素酸化細菌は、これらの無機窒素原料や無機炭素原料、および菌の生育に必要最低限の塩を含んだ培地原料のみから、目的タンパク質の分泌発現が可能である。
(3)本発明の水素酸化細菌を用いた目的タンパク質の製造方法は、従来の方法よりタンパク質精製のコストを抑えることができる。通常、組換え微生物で目的タンパク質の生産させるには、培養した微生物から目的タンパク質を抽出する操作が必要であり、かつ培地中の窒素源由来の不純物や前記微生物由来の夾雑タンパク質などにより精製が妨害されることから、精製コストが上昇する。一方本発明では、無機塩原料を用い、さらに目的タンパク質のみを培養液中に分泌発現させることが可能なため、菌体を除去するだけで高純度のタンパク質を得ることができ、精製工程を簡素化できる。
下記(a)から(c)に示すプラスミド(発現ベクター)を作製した。
(a−1)ファジンプロモーター、(H16_A2935遺伝子−切断リンカー遺伝子−Fc結合性タンパク質遺伝子)の融合遺伝子、ターミネーター遺伝子の順番に連結した遺伝子(配列番号1)をプラスミドpUC57に挿入したものを、人工遺伝子合成により作製した(Gen Script社 人工遺伝子合成受託サービス、pUC57はGen Script社提供の人工遺伝子挿入用標準ベクター)。なお配列番号1中、7番目から444番目の領域がファジンプロモーター(配列番号2)に、451番目から684番目の領域がH16_A2935遺伝子(配列番号3)に、691番目から798番目までの領域が切断リンカー遺伝子(配列番号4)に、805番目から1641番目までがFc結合性タンパク質遺伝子(配列番号5)に、1648番目から1758番目までの領域がターミネーター遺伝子(配列番号6)に、それぞれ相当する。またファジンプロモーターはRalstonia eutropha H16株由来のプロモーターを、切断リンカーはPaucimonas lemoigneiの細胞外PHB分解酵素のシグナル配列であるPrephaZ1を、それぞれ用い、H16_A2935遺伝子、切断リンカー遺伝子およびFc結合性タンパク質遺伝子はRalstonia eutropha H16株におけるコドンに最適化したヌクレオチド配列となっている。以下、当該プラスミドをA2935−FcR/pUC57と記載する。
(a−2)作製したA2935−FcR/pUC57で大腸菌JM109株を形質転換した。得られた形質転換体を培養し、プラスミドA2935−FcR/pUC57を抽出した。
(a−3)市販の広域宿主ベクターであるpBBR1MCS2で大腸菌JM109株を形質転換し、得られた形質転換体の培養物からプラスミド精製キットでpBBR1MCS2を調製した。
(a−4)得られたpBBR1MCS2をApaIとXbaIで消化し、アガロース電気泳動後、約5.1kbpのDNA産物をゲル抽出キットにより精製した。
(a−5)(a−2)で調製したA2935−FcR/pUC57をApaIとXbaIで制限酵素消化し、アガロース電気泳動後、得られた約1.8kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(a−6)(a−4)で得られたDNA断片と(a−5)で得られたDNA断片とを、16℃でライゲーション反応(Ligation High、東洋紡社製)を行ない、得られたプラスミドで大腸菌JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(a−7)形質転換後の溶液を、カナマイシン20μg/mLとグルコース1%(w/v)とを含むLB平板培地(バクトトリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/L、バクトアガロース15g/L)に撒き、目的クローンを選定した。
(a−8)選定した複数のコロニーを培養してプラスミド抽出を行ない、様々な制限酵素による切断パターンを確認した。
(b−1)Ralstonia eutropha H16株由来のH16_A2820をRalstonia eutropha H16株に適したコドンで変換して得られたヌクレオチド配列(配列番号11の7番目から336番目の領域)を含むポリヌクレオチド(配列番号11)をプラスミドpUC57に挿入したプラスミドA2820/pUC57を人工遺伝子合成により作製した(Gen Script社 人工遺伝子合成受託サービス)。
(b−2)作製したA2820/pUC57で大腸菌JM109株を形質転換し、得られた形質転換体の培養物からプラスミドA2820/pUC57を抽出した。
(b−3)(a)で作製したA2935−FcR/pBBR1MCS2をHindIIIとSpeIで制限酵素消化し、アガロース電気泳動後、得られた約6.6kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(b−4)(b−2)で調製したA2820/pUC57をHindIIIとSpeIで制限酵素消化し、アガロース電気泳動後、得られた約0.3kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(b−5)(b−3)で得られたDNA断片と(b−4)で得られたDNA断片とを、16℃でライゲーション反応(Ligation High、東洋紡社製)を行ない、得られたプラスミドで大腸菌JM109株を形質転換した。
(b−6)形質転換後の溶液を、カナマイシン20μg/mLとグルコース1%(w/v)とを含むLB平板培地に撒き、目的クローンを選定した。
(b−7)選定した複数のコロニーを培養してプラスミド抽出を行ない、様々な制限酵素による切断パターンを確認した。
(c−1)Ralstonia eutropha H16株由来のH16_A0983N末端領域を含む遺伝子産物をPCRで増幅した。PCR条件は、鋳型としてRalstonia eutropha H16株のゲノムDNA(DSMZ社製、DSMZ428)を、プライマーセットとしてHindIII部位を有した配列番号8に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドとSpeI部位を有した配列番号9に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドとを、ポリメラーゼとしてKOD FX(東洋紡社製)を、それぞれ用い、94℃で2分加熱後、98℃で10秒−63℃で30秒−68℃で1分の温度サイクルを40サイクル行ない、最後は68℃で7分加熱する条件で行なった。
(c−2)PCR産物(配列番号12)をアガロース電気泳動後、得られた約0.6kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(c−3)精製したPCR産物をリン酸化後、Mighty Cloning Kit(タカラバイオ社製)を用いてあらかじめHincIIで処理したpUC118とライゲーション反応を行ない、得られたプラスミドで大腸菌JM109株を形質転換した。
(c−4)形質転換後の溶液を、カナマイシン100μg/mLを含むLB平板培地に撒き、目的クローンを選定した。
(c−5)選定した複数のコロニーを培養してプラスミド抽出を行ない、様々な制限酵素による切断パターンを確認した。得られたプラスミドA0983N/pUC118は、Ralstonia eutropha H16株ゲノム中のH16_A0983のN末端側をコードする遺伝子(配列番号12)をpUC118のHincII部位へ挿入したプラスミドである。
(c−6)(a)で作製したA2935−FcR/pBBR1MCS2をHindIIIとSpeIで制限酵素消化し、アガロース電気泳動後、得られた約6.6kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(c−7)(c−5)で調製したA0983N/pUC118をHindIIIとSpeIで制限酵素消化し、アガロース電気泳動後、得られた約0.6kbpのDNA断片をゲル抽出キットにより精製した。
(c−8)(c−6)で得られたDNA断片と(c−7)で得られたDNA断片とを、16℃でライゲーション反応(Ligation High、東洋紡社製)を行ない、得られたプラスミドで大腸菌JM109株を形質転換した。
(c−9)形質転換後の溶液を、カナマイシン20μg/mLとグルコース1%(w/v)とを含むLB平板培地に撒き、目的クローンを選定した。
(c−10)選定した複数のコロニーを培養してプラスミド抽出を行ない、様々な制限酵素による切断パターンを確認した。
以下の方法により、実施例1(b)で作製したA2820−FcR/pBBR1MCS2、実施例1(c)で作製したA0983N−FcR/pBBR1MCS2、またはpBBR1MCS2で、Ralstonia eutrophaを形質転換した。
(1)A2820−FcR/pBBR1MCS2、A0983N−FcR/pBBR1MCS2またはpBBR1MCS2で、接合性大腸菌S17−1を形質転換した。
(2)形質転換後の溶液を、カナマイシン50μg/mLを含むLB平板培地に撒き、目的クローンを選定した。
(3)選定した大腸菌S17−1株形質転換体を、カナマイシン50μg/mLを含むLB(バクトトリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/L)培地中、37℃で一晩培養を行なった。
(4)市販のRalstonia eutropha H16株(ATCC 17699)またはalstonia eutropha PHB_4株(DSM 541)をそれぞれ抗生物質を含まないNutrient Broth培地(Difco社製 Nutrient Broth、8g/L)中で30℃で一晩培養した。
(5)(4)で培養した菌体を遠心して濃縮し、600nmでの菌の濁度を測定後、(3)で培養した各大腸菌S17−1株の形質転換体と菌体濁度1:1の比で混合し、抗生物質を含まないNutrient brothプレート(Nutrient Broth8g/L、バクトアガロース15g/L)に撒き30℃で一晩培養した。なおコントロールとして、各大腸菌S17−1株の形質転換体、Ralstonia eutropha H16株またはRalstonia eutropha PHB_4株のみを、抗生物質を含まないNutrient brothプレートで30℃で一晩培養した。
(6)プレート表面の菌体をNutrient Broth培地に懸濁させ、Nutrient Broth培地で1/1000に希釈した後、カナマイシン600μg/mLを含むNutrient brothプレートに塗布し、30℃で2日から3日培養した。コントロールである、各大腸菌S17−1株の形質転換体、Ralstonia eutropha H16株またはRalstonia eutropha PHB_4株のみを培養したプレートからはコロニーは0または1個しか出現しなかった。一方、大腸菌S17−1株の形質転換体とRalstonia属の株とを接合し得られた混合菌体を塗布したプレートからは、A0983N−FcR/pBBR1MCS2の大腸菌S17−1形質転換体とRalstonia eutropha H16株の混合物を撒いたプレートを除き、それぞれ数十個のコロニーが得られた。
(7)得られた接合菌体の各クローンを培養してプラスミド抽出を行ない、様々な制限酵素による切断パターンの分析により、目的のプラスミドが伝達されたことを確認した。
A2820−FcR/pBBR1MCS2(実施例1(b)で作製したプラスミド)をRalstonia eutropha H16株に接合伝達した株であるA2820−FcR/H16株、
A2820−FcR/pBBR1MCS2(実施例1(b)で作製したプラスミド)をRalstonia eutropha PHB_4株に接合伝達した株であるA2820−FcR/PHB_4株、
A0983N−FcR/pBBR1MCS2(実施例1(c)で作製したプラスミド)をRalstonia eutropha PHB_4株に接合伝達した株であるA0983N−FcR/PHB_4株、
pBBR1MCS2(市販プラスミド)をRalstonia eutropha H16株に接合伝達した株であるBBR1MCS2/H16株、および
pBBR1MCS2(市販プラスミド)をRalstonia eutropha PHB_4株に接合伝達した株であるBBR1MCS2/PHB_4株、
を得ることができた(以下、菌株を上記の名称で記載する)。
実施例2で作製した水素酸化細菌を用いて、Fc結合性タンパク質の分泌発現性を評価した。
(1)実施例2で作製した、A2820−FcR/H16株、A2820−FcR/PHB_4株、A0983N−FcR/PHB_4株、BBR1MCS2/H16株、BBR1MCS2/PHB_4株、および比較対照用として実施例1で作製したA2820−FcR/JM109株、A0983N−FcR/JM109株、BBR1MCS2/JM109株を、それぞれ2×YT(バクトトリプトン16g/L、酵母エキス10g/L、塩化ナトリウム5g/L)培地を用いて試験管で前培養した(30℃、180rpm、一晩)。なおA2820−FcR/H16株、A2820−FcR/PHB_4株、A0983N−FcR/PHB_4株、BBR1MCS2/H16株およびBBR1MCS2/PHB_4株はカナマイシン300μg/mLを、A2820−FcR/JM109株、A0983N−FcR/JM109株およびBBR1MCS2/JM109株はカナマイシン50μg/mLを、それぞれ添加して前培養した。
(2)2×YT培地20mLを入れた100mL容フラスコに、(1)の前培養液を200μL植菌し、30℃、130rpmで4.5時間培養を行なった。なおA2820−FcR/H16株、A2820−FcR/PHB_4株、A0983N−FcR/PHB_4株、BBR1MCS2/H16株およびBBR1MCS2/PHB_4株はカナマイシン300μg/mLを、A2820−FcR/JM109株、A0983N−FcR/JM109株およびBBR1MCS2/JM109株はカナマイシン50μg/mLを、それぞれ添加して培養した。
(3)IPTG(イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド)を最終濃度0.5mMとなるよう添加し、さらにA2820−FcR/H16株、A2820−FcR/PHB_4株、A2820−FcR/JM109株、A0983N−FcR/PHB_4株、A0983N−FcR/JM109株の培養液にはグルコン酸ナトリウムを最終濃度4%(w/v)となるよう添加して、30℃で引き続き2日間培養した。
(4)菌体を1mLずつマイクロチューブに採取し、15000rpmで10分間遠心分離することで上清と菌体ペレットを分離した。上清は別のマイクロチューブにそれぞれ500μL分取し、60%(v/v)グリセロール水溶液を500μL加えて保存した。一方上清を除いた菌体ペレットは、タンパク抽出試薬1mL(リゾチーム0.2mg/mL、エチレンジアミン四酢酸1mM、フッ化フェニルメチルスルホニル1mM、Benzonase 125U/mLを含むBugBuster(Novagen社製)タンパク質抽出試薬)を加えることで菌体内のタンパク質を抽出した。
(5)上清中と菌体中のFc結合性タンパク質量を以下に示すELISA法で測定した。
(5−1)96穴のELISAプレート(Nunc社製)にガンマグロブリン製剤10μg/mL(化学及血清療法研究所製)を各ウェルに100μLずつ添加し、4℃で18時間静置することにより固定した。
(5−2)TBS緩衝液(0.2%(w/v)Tween 20、150mM NaClを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5))で洗浄後、1%BSAを含むTween 20を除いたTBS緩衝液(150mM NaClを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5))を200μLずつ添加し、4℃で18時間以上静置することでブロッキング操作を施した。
(5−3)TBS緩衝液で洗浄後、保存した培養上清または菌体抽出物の希釈系列を各ウェルに100μL添加し、固定化したガンマグロブリンと反応させた(30℃、1時間)。
(5−4)反応終了後、TBS緩衝液で洗浄し、1次抗体anti−hFcγR1/CD64抗体(R&D社製 MAB12571)0.1μL/mLを各ウェルに100μL添加して反応させた(30℃、1時間)。
(5−5)反応終了後、TBS緩衝液で洗浄し、2次抗体Goat anti−Mouse IgG−h+I HRP抗体(BETHYL社製 A90−216P)を各ウェルに100μLずつ添加し反応させた(30℃、1時間)。
(5−6)反応終了後、TBS緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を各ウェルに50μLずつ添加し発色反応させた。
(5−7)発色後、1Mリン酸水溶液を添加して反応の停止させ、450nmの吸光度を測定した。
実施例3において、特にFc結合性タンパク質の分泌発現に優れていたA2820−FcR/H16株について高密度培養を実施し、ヒトFc結合性タンパク質の分泌生産性を評価した。
(1)カナマイシン300μg/mLを含む培地A、培地Bまたは培地Cをフラスコに入れ、A2820−FcR/H16株を接種後、30℃で16時間前培養した。
培地A:0.5%(w/v)グルコン酸ナトリウムを含む4×YT(バクトトリプトン32g/L、酵母エキス20g/L、塩化ナトリウム5g/L)培地
培地B:2%(w/v)グルコン酸ナトリウムを含むMSM培地(※1)
培地C:2%(w/v)フルクトースを含むMSM培地(※1)
(※1)MSM培地の組成:Na2HPO4 3.6g/L、KH2PO4 4.7g/L、(NH4)2SO4 3.0g/L、MgSO4・7H2O 2.2g/L、Trace element solution(※2) 10mL/L
(※2)Trace element solutionの組成:FeSO4・7H2O 28g/L、ZnSO4・7H2O 2.3g/L、CuSO4・5H2O 1.2g/L、MnSO4・5H2O 0.5g/L、CaCl2・2H2O 2.0g/L、H3BO3 40mg/L、(NH4)6Mo7O24 0.12g/L、CoCl2 0.2g/L、NiCl2・6H2O 20mg/L、CrCl2 6mg/L、35%(w/v)HCl 10mL/L
(2)1Lジャーに培地A、培地Bまたは培地Cを400mL入れ、(1)の前培養液20mLを接種後、培養を開始した。培養はDO−STAT法にて撹拌速度を制御し、14%アンモニア水溶液と50%リン酸水溶液を適宜流加することでpHを7.0に調整した。増殖開始後、以下に示す溶液を各培地に適宜流加することで、炭素源を補給した。
培地A用流加液:MgSO4・7H2O 42g/L、Trace element solution(※2) 167mL/L、35%(w/v)HCl 417μL/Lを含む33%(w/v)グルコン酸ナトリウム水溶液
培地B用流加液:MgSO4・7H2O 46g/L、Trace element solution(※2) 184mL/Lを含む41%(w/v)グルコン酸水溶液
培地C用流加液:MgSO4・7H2O 46g/L、Trace element solution(※2) 184mL/Lを含む33%(w/v)フルクトース水溶液の
(3)(2)の培養液を経時的に採取し600nmの菌体濁度を測定した。また採取した培養液の一部は、実施例3(4)および(5)に記載の方法で培地中および菌体中のヒトFc結合性タンパク質量を測定した。
Claims (5)
- 目的タンパク質遺伝子および輸送タンパク質遺伝子をRalstonia属の水素酸化細菌に導入して得られる、前記目的タンパク質を発現可能な水素酸化細菌であって、
前記輸送タンパク質が配列番号7に記載の配列からなるポリペプチドであり、
前記目的タンパク質遺伝子および輸送タンパク質遺伝子が切断リンカーを介して連結した、水素酸化細菌。 - 輸送タンパク質遺伝子が配列番号11に記載の配列からなるポリヌクレオチドである、請求項1に記載の水素酸化細菌。
- 目的タンパク質がFc結合性タンパク質である、請求項1または2に記載の水素酸化細菌。
- 請求項1から3のいずれかに記載の水素酸化細菌を培養し、目的タンパク質および輸送タンパク質を共発現させることで、前記水素酸化細菌外へ目的タンパク質を分泌発現させる方法。
- 配列番号7に記載の配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、Ralstonia属の水素酸化細菌外へ目的タンパク質を分泌発現させるためのプラスミド。
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