JP6379531B2 - 新規β−アミノ酸の製造方法 - Google Patents
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Description
項1.
下記の(a)〜(f)のいずれか1つで表されるタンパク質
(a)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAによってコードされるタンパク質;
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(c)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(d)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において1または数個のアミノ酸が置換、欠如、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(e)配列番号2に記載の塩基配列と80%以上の配列同一性を示すDNAによってコードされ、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(f)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有するタンパク質であり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質。
項2.
以下の(A)〜(F)のいずれか1つで表されるDNA。
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;
(B)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA;
(C)配列番号2の塩基配列に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質をコードするDNA;
(D)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において1または数個のアミノ酸が置換、欠如、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質をコードするDNA;
(E)配列番号2に記載の塩基配列と80%以上の配列同一性を示すDNAであり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質をコードするDNA;
(F)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAであり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
項3.
項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
項4.
項3に記載のベクターを含む形質転換体。
項5.
項4に記載の形質転換体を培養することを含む、項1〜3のいずれかに記載のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼの製造方法。
項6.
項1に記載のタンパク質を用いてN−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する工程を含む、R体のβ−アミノ酸の製造方法。
項7.
N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸がN−サクシニル−(R、S)−β−フェニルアラニンである、項6に記載の方法。
下記(a)〜(f)のいずれか1つで表されるタンパク質を用いてN−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する工程を含む、R体のβ−アミノ酸の製造方法である。
(a)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAによってコードされるタンパク質;
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(c)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされ、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(d)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において1または数個のアミノ酸が置換、欠如、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(e)配列番号2に記載の塩基配列と80%以上の配列同一性を示すDNAによってコードされ、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質;
(f)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有するタンパク質であり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質。
変換率(%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%ee)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
本実施例において、N−サクシニル−β−フェニルアラニンの定量は、特に記載がない場合は、以下の分析条件で定量した。
サクシニル体を定量する場合は、ジ一エルサイエンス社製「Inertsil ODS−3」(5μm、4.6×100mm)を利用した高速液体クロマ卜グラフィ一により行った。
移動相:pH2.3リン酸水溶液/アセトニトリル=75/25
流速:0.7ml/min
カラム温度:40℃
検出:UV210nm
移動相:2mM硫酸銅水溶液
流速:1.0ml/min
カラム温度:50℃
検出:UV254nm
本発明において使用するタンパク質のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ活性は、得られた遺伝子を大腸菌に導入して形質転換体を作成し、この形質転換体を培養して酵素タンパク質を生成させ、この形質転換体、この形質転換体の菌体破砕液もしくは精製した酵素タンパク質を以下に記載の方法で測定することによって求めることができる。
10mM N−サクシニル−(R)−β−フェニルアラニン、50mM Tris−HCl(pH7.5)及び酵素溶液を含む反応液を30℃にて15minから3hr、適当な時間反応させ、HPLCの移動相にて反応を停止させる。生成した(R)−β−フェニルアラニンをHPLCにより定量し、酵素活性を算出する。酵素活性はN−サクシニル−(R)−β−フェニルアラニンから(R)−β−フェニルアラニンが1分間に1μmol生成された場合を1Unit(U)と定義した。
本発明菌株は、2種類の方法によって、選抜された。まず、土壌中からのスクリーニングを行った。培地として、硝酸アンモニウム0.2%、リン酸二水素カリウム0.2%、リン酸水素二ナトリウム0.3%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05%、酵母エキス0.01%、ポリペプトン0.01%、誘導物質N−サクシニル−(R)−β−アミノ酸0.2%を含むpH7.5の培地に少量の土壌を加え、30℃で試験管振盪培養することで、土壌より集積培養を数回実施した。同様の培地成分にて寒天培地を作成し、集積培養を行った培養液をプレートアウトし、単離コロニーとした。単離されたコロニーを、再度上記培地で試験管振盪培養し、得られた培養液のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ活性をHPLCにて分析したが、活性のあるものは得られなかった。続いて、微生物株保存機関等から分譲可能な菌株を用いて前記と同様のスクリーニングを行った結果、Achromobacter piechaudii NBRC102461がN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ活性を持つことを発見した。なお、Achromobacter piechaudii NBRC102461は、独立行政法人製品評価技術基盤機構から購入することができる。
(1)Achromobacter piechaudii NBRC102461株からのN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼの調製
500mLフラスコに100mL培地を加え、オートクレーブ滅菌したLB液体培地にAchromobacter piechaudii NBRC102461株を一白金耳、植菌し、25℃、180rpmで1日間浸とう培養し、種培養液を得た。この種培養液を10L容ジャーファーメンターに入った6LのLB培地に接種し、振とう数420rpm、25℃で1日間培養した。このようにして得られた菌体を遠心分離にて集菌し、25mMリン酸緩衝溶液(pH7.5)に懸濁し、フレンチプレス破砕機を用いて破砕した。得られた粗酵素液の硫安分画処理を行った後、100mlのPSセファロースFastFlow(GEヘルスケア社製)、50mLのDEAEセファロースFastFlowカラム(GEヘルスケア社製)、さらにSuperdexS−200カラム(GEヘルスケア社製)により分離精製した。続いて、本方法により得られたN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析に供した。結果、分子量、50〜70kダルトンと20〜30kダルトンの2本のメインバンドを確認することが出来た。
(2)部分アミノ酸配列の決定
次に、50〜70kダルトンのバンドをゲルから切り出し、トリプシンで消化させた後、LC/MS/MS解析を行った。その結果、SNNWTIGGQHTDTGK及びALNSADPAVNDALGLLKの部分配列を取得できた。
(3)遺伝子配列の決定
この同定したアミノ酸配列をもとに縮重プライマーを合成し(表1の配列番号3、4,5,6)、Achromobacter piechaudii NBRC102461より公知の方法で抽出したゲノムDNAを鋳型として、DNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)を用いて推奨する条件のもとPCRを行った。該PCRで増幅されたPCR産物をクローニングキットTarget Clone−Plus(東洋紡製)を用いて、そのプロトコールに従って操作を行い、ベクターpBluescriptにクローニングし、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α株コンピテントセル(東洋紡製)に形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドを抽出し、BigDye(商標登録)Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)により遺伝子配列を確認し、部分配列955bpを取得した。 次に上記のようにして得られたゲノムDNAを用いて全長配列を取得するために以下の操作を行った。TAKARA LA PCR In Vitro Cloning Kit(タカラバイオ)を用いて、そのプロトコールに従って操作を行い、既知配列からN末端、C末端方向へのDNA断片を増幅させることに成功し、開始コドン、終止コドンを含む全長配列までの塩基配列を決定した。なお、全長配列の取得に用いたプライマーの配列を、配列番号7及び配列番号8にそれぞれ示す。また、得られた全長DNA配列を配列番号2に示す。配列番号1は、配列番号2の塩基配列に対応するアミノ酸配列である。
(1)発現ベクターの作成
実施例2で得られたN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ遺伝子のN末端、C末端部分に制限酵素NdeIの切断部位を結合させた配列を有するプライマー(表1の配列番号9及び配列番号10)を用いて、この間のDNAを実施例2で得たゲノムDNAを鋳型にしたPCRにより増幅することでオープンリーディングフレームを含むDNA断片を取得した。このDNA断片を制限酵素NdeIで切断し、同酵素で切断、脱リン酸化したベクタープラスミドpBSKと混合し、混合液と等量のライゲーション試薬(東洋紡製ラーゲーションハイ)を加えてインキュベーションすることにより、ライゲーションを実施した。このようにライゲーションしたDNAをエシェリヒア・コリDH5α株コンピテントセル(東洋紡績製コンピテントハイDH5α)に当製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。このようにしてN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ遺伝子を大量に発現できる大腸菌組換え株を取得した。
(2)酵素の調製
上記で得られた各形質転換体のコロニーを、試験管内にて滅菌した5mLのLB液体培地(アンピシリン50μg/mLを含む)に植菌後、30℃で20時間振とうして好気的に培養した。得られた培養液から遠心分離により菌体を集菌し、25mMリン酸緩衝溶液(pH7.5)に懸濁して超音波により菌体を破砕した後、遠心分離により菌体由来の不溶物を除去して、各種由来の形質転換体におけるN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ粗酵素液を取得した。これら粗酵素液を用いて、酵素活性を測定したところ、N−サクシニル−(R)−β−アミノ酸アシラーゼ活性を確認することができた。続いて、
500mLの坂口フラスコに入った60mLのLB培地(アンピシリン50μg/mLを含む)に植菌し、振とう数180rpmで30℃、16時間培養し、種培養液とした。この種培養液を10L容ジャーファーメンターに入った6LのLB培地(アンピシリン50μg/mLを含む)に接種し、振とう数420rpm、30℃で21時間培養した。このようにして得られた菌体を遠心分離にて集菌し、25mMリン酸緩衝溶液(pH7.5)に懸濁し、フレンチプレス破砕機を用いて破砕した。得られた粗酵素液の硫安分画処理を行った後、HiTrap Octyl FFカラム5mL(GEヘルスケア社製)、HiTrap DEAE FFカラム5mL(GEヘルスケア社製)により分離精製した。本方法により得られたD−サクシニルアシラーゼをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析に供し、ほとんど不純蛋白質が存在しないことが確認できたので、これを用いて、以下のβ−アミノ酸製造を行った。
5%N−サクシニル−(R、S)−β−フェニルアラニン(pH7.5)5mlを基質として用い、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質1.0Uを添加し、37℃で24時間反応させ、変換率及びβ−フェニルアラニンの光学純度を算出した。
変換率は、上記記載のジ一エルサイエンス社製「Inertsil ODS−3」を利用した高速液体クロマ卜グラフィ一で酵素反応前と反応後の基質のピーク面積値を測定することによって算出した。光学純度(鏡像体過剰率)は、上記記載のダイセル化学工業株式会社製「DAICEL CHIRAL PAK WH」で生成した遊離体のアミノ酸の光学純度を測定することによって算出した。結果、変換率45%、光学純度99%eeで、(R)−β−フェニルアラニンが生産された。
Claims (1)
- 下記の(a)〜(e)のいずれか1つで表されるタンパク質を用いてN−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解する工程を含む(R)−β−フェニルアラニンの製造方法。
(a)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAによってコードされるタンパク質
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(c)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において1または数個のアミノ酸が置換、欠如、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質
(d)配列番号2に記載の塩基配列と90%以上の配列同一性を示すDNAによってコードされ、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質
(e)配列番号1に記載のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有するタンパク質であり、かつ、N−サクシニル−(R,S)−β−アミノ酸中のN−サクシニル−(R)−β−アミノ酸を加水分解して、(R)−β−アミノ酸を生成する活性を有するタンパク質
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