[第1実施形態]
図1および図2において、X線撮影システム10は、X線発生装置として機能する回診車11と、X線撮影装置12とを備える。回診車11は、X線源13と、X線源13を制御する線源制御装置14とを有する。X線撮影装置12は、電子カセッテ15とコンソール16とを有する。
回診車11は、X線源13と線源制御装置14が走行可能な台車に搭載された可搬型である。このため台車を含めて回診車と呼ばれる。
回診車11は、使用しないときには、医療施設内の放射線科に設けられた準備室17に置かれている。回診車11は、病室20を巡回してX線撮影を行う回診撮影の際に、放射線技師等のオペレータOPにより準備室17から運び出され、病室20に持ち込まれる。病室20では、準備室17に隣接する撮影室18に赴くことができない患者Pがベッド19に仰臥している。
電子カセッテ15は複数台用意されている。電子カセッテ15は、使用しないときには、撮影室18に設置されたクレードル21に収容されている。クレードル21は、例えば複数台の電子カセッテ15を各々収容する複数のスロットを有し、電子カセッテ15に給電する機能を有する。
クレードル21はコンソール16と有線接続されている。撮影室18内において、電子カセッテ15をクレードル21に収容した状態では、電子カセッテ15はクレードル21を介してコンソール16と相互に通信することが可能である。
電子カセッテ15は、X線撮影に使用する場合にオペレータOPによりクレードル21から取り出される。回診撮影に使用する場合には、電子カセッテ15は撮影室18から準備室17に持ち込まれて回診車11に積載され、回診車11とともに準備室17から運び出される。
コンソール16は、回診車11に積載して電子カセッテ15等とともに回診撮影に持ち出すことも可能であるが、本実施形態では、コンソール16は回診撮影に持ち出されずに準備室17に据え置かれる例で説明する。後述するように、電子カセッテ15は、コンソール16を持ち出さずとも円滑に回診撮影を進めることができる機能を備えている。回診撮影にコンソール16を持ち出さずに電子カセッテ15のみを持ち出すことで、従来のフイルムカセッテやIP(Imaging Plate)カセッテ、CR(Computed Radiography)カセッテを用いた場合と変わらない回診撮影のワークフローを実現することができる。このような電子カセッテ15の特徴の説明に適しているため、本実施形態ではコンソール16を回診撮影に持ち出さない例で説明する。
X線源13は、周知のように、X線を発生するX線管と、X線管から発生されたX線の患者Pへの照射野を限定する照射野限定器(コリメータともいう)とを有する。線源制御装置14は、X線管に与える管電圧、管電流、およびX線の照射時間を制御する。線源制御装置14には、管電圧、管電流、および照射時間からなるX線の照射条件が、胸部、腹部等の撮影部位に応じて予め複数種類記憶されており、その中から所望の照射条件がオペレータOPにより選択入力される。
照射スイッチ22は、X線の照射を開始する際にオペレータOPにより操作される。照射スイッチ22は2段押下型であり、照射スイッチ22が1段目まで押された(半押しされた)とき、線源制御装置14はX線源13にX線を照射する前の準備動作を開始させる。照射スイッチ22が2段目まで押された(全押しされた)とき、線源制御装置14はX線源13によるX線の照射を開始させる。線源制御装置14はX線の照射が開始されたときに計時を開始するタイマーを有し、タイマーで計時した時間が照射条件で設定された照射時間となったとき、X線源13によるX線の照射を停止させる。
回診車11には、垂直方向に支柱23が立設されており、支柱23には水平方向に延びるアーム24が設けられている。X線源13は、アーム24の一端に取り付けられる。支柱23は垂直軸周りに回動自在であり、支柱23の回転によりアーム24およびX線源13が回転する。アーム24は、支柱23に対して伸縮自在かつ昇降自在である。X線源13は、アーム24に対して回転自在に取り付けられている。支柱23が回転される、アーム24が伸縮および昇降される、あるいはX線源13自体が回転されることにより、X線源13の位置や向きが調節される。なお、支柱23およびアーム24には、回診車11の走行中に支柱23、アーム24、およびX線源13が不用意に変位しないようにロックするロック機構(図示せず)が設けられている。
コンソール16は、オペレータOPにX線撮影を指示する撮影オーダの入力を受け付ける。撮影オーダは、例えば放射線情報システム(RIS;Radiology Information System、図示せず)からコンソール16に入力される。
図3において、撮影オーダは、オーダID(Identification Data)、患者ID、撮影部位/姿勢/方向、回診撮影の要否等の項目を有する。オーダIDは、個々の撮影オーダを識別する記号や番号であり、RISにより自動的に付される。患者IDの項目には撮影対象の患者Pの患者IDが記される。患者IDは個々の患者Pを識別する記号や番号である。
撮影部位/姿勢/方向の項目には、撮影オーダを発行した医師が指定した撮影部位、姿勢、および撮影方向が記される。撮影部位は、頭部、頸椎、胸部、腹部、手、指、肘、膝等の人体の部位である。姿勢は立位、臥位、座位等の患者Pの姿勢、撮影方向は正面、側面、背面等のX線に対する患者Pの向きである。
回診撮影の要否の項目には、撮影対象の患者Pが回診撮影を必要とする患者Pか否かが記される。図示は省略するが、撮影オーダには、これらの項目の他に、患者Pの氏名、性別、年齢、身長、体重といった患者情報の項目が設けられている。なお、撮影オーダを発行した診療科、撮影オーダを発行した医師、RISで撮影オーダを受け付けた日時、術後の経過観察や治療薬の効果判定等の撮影目的、医師からオペレータOPへの申し渡し事項といった項目を設けてもよい。
図4において、コンソール16には、複数台の電子カセッテ15を識別するカセッテIDと名称や外形サイズ等の組を登録したカセッテ登録テーブル30が記憶されている。カセッテ登録テーブル30には、例えば最大5台の電子カセッテ15を登録することが可能である。名称は、各電子カセッテ15に対してオペレータOPが付けたものである。
複数台の電子カセッテ15の中には、タイプが同じものと異なるものとが混在している。同じタイプとは、外形サイズおよび性能が同じということであり、異なるタイプとは、外形サイズまたは性能あるいはその両方が異なるということである。例えば、カセッテID「DR0001」の名称「Aカセッテ」と、カセッテID「DR0003」の名称「Cカセッテ」は外形サイズが14×17インチと同じで性能も同じである。一方、カセッテID「DR0002」の名称「Bカセッテ」とカセッテID「DR0004」の名称「Dカセッテ」は外形サイズが17×17インチで、「Aカセッテ」、「Cカセッテ」とはタイプが異なる。
コンソール16には、図5に示すメニュー・条件テーブル32が記憶されている。メニュー・条件テーブル32には、撮影部位、姿勢、および撮影方向が1セットとなった撮影メニューと、これに対応する照射条件とが関連付けて登録されている。なお、上記の撮影メニューから姿勢を除いた撮影部位および撮影方向が1セットとなった撮影メニューや、トモシンセシス撮影といった特殊撮影に対応した撮影メニューを設けてもよい。
コンソール16は、オペレータOPの操作により、図3に示す撮影オーダの内容をリスト化した撮影オーダリストをディスプレイに表示する。オペレータOPは、撮影オーダリストを閲覧して撮影オーダの内容を確認する。次いでコンソール16は、カセッテ登録テーブル30に登録された複数台の電子カセッテ15を選択肢とする選択ウィンドウをディスプレイに表示する。オペレータOPは、複数台の電子カセッテ15のうち、X線撮影に使用する1台の電子カセッテ15を撮影オーダ毎に選択ウィンドウで選択する。
続いてコンソール16は、メニュー・条件テーブル32の内容を、撮影メニューを設定可能な形態でディスプレイに表示する。オペレータOPは、撮影オーダで指定された撮影部位/姿勢/方向と一致する撮影メニューを選択して設定する。コンソール16は、クレードル21を介して、オーダID、自身を識別する記号や番号であるコンソールID、オペレータOPにより設定された撮影メニュー、および設定された撮影メニューに対応する照射条件を電子カセッテ15に送信する。
コンソール16は、X線画像を、例えばDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した形式の画像ファイルとし、これを医療画像保管通信システム(PACS;Picture Archiving and Communication System、図示せず)に送信する。画像ファイルは、X線画像と、オーダID、カセッテID、患者情報、撮影メニュー、照射条件等の画像付帯情報とが、1つの画像IDで関連付けられたものである。撮影オーダを発行した診療科の医師は、診療科の端末等でPACSにアクセスして画像ファイルをダウンロードし、X線画像を閲覧することが可能である。
コンソール16は、図6に示すオーダ管理リスト35を作成する。オーダ管理リスト35は、各撮影オーダのオーダIDに対して、撮影対象の患者Pの患者IDおよび病室20の部屋番号、回診撮影の要否、オペレータOPにより撮影に使用すると選択された電子カセッテ15のカセッテID、オペレータOPにより設定された撮影メニュー、設定された撮影メニューに対応する照射条件、および当該撮影オーダに対応するX線画像の画像IDが登録されたものである。
画像IDの項目には、カセッテIDの項目に登録されたカセッテIDの電子カセッテ15からX線画像を受信したときに画像IDが登録される。電子カセッテ15からX線画像を受信していない間は、画像IDの項目には画像IDは登録されず、空欄となる。
コンソール16は、オーダ管理リスト35の内容を紙媒体にプリントアウトすることが可能である。なお、図示は省略するが、オーダ管理リスト35には、撮影オーダに記された患者Pの氏名、性別、年齢、身長、体重といった患者情報や、電子カセッテ15の名称、撮影を担当するオペレータOPのIDや氏名等が登録される。
撮影オーダは、1人の患者Pに対して1つの場合もあれば、1人の患者Pに対して同時に複数発行される場合もある。1人の患者Pに対して同時に複数撮影オーダが発行された場合は、患者ID「P0500」のオーダID「OD0001−A」、「OD0001−B」のように、1人の患者Pに対するものであることを示す識別符号が複数の撮影オーダのオーダIDに付される。
図7および図8において、電子カセッテ15は、センサパネル40と、回路基板41と、無線通信部42と、有線通信部43と、バッテリ44と、これらを収納する直方体形状をした可搬型の筐体45とで構成される。
筐体45は、例えば、フイルムカセッテやIPカセッテ、CRカセッテと略同様の、国際規格ISO(International Organization for Standardization)4090:2001に準拠した大きさである。筐体45の前面45Aには矩形状の開口が形成されており、開口にはX線透過性を有する透過板46が取り付けられている。電子カセッテ15は、X線源13と前面45Aが対向する姿勢で位置決めされる。なお図示は省略するが、筐体45には、この他にも、主電源のオン/オフを切り替えるスイッチや、バッテリ44の残り使用時間、撮影準備完了状態といった電子カセッテ15の動作状態を報せるインジケータが設けられている。
センサパネル40は、シンチレータ47と光検出基板48とで構成される。シンチレータ47と光検出基板48は、X線が入射する前面45A側からみてシンチレータ47、光検出基板48の順に積層されている。シンチレータ47は、CsI:Tl(タリウム賦活ヨウ化セシウム)やGOS(Gd2O2S:Tb、テルビウム賦活ガドリウムオキシサルファイド)等の蛍光体を有し、透過板46を介して入射したX線を可視光に変換して放出する。なお、X線が入射する前面45A側からみて光検出基板48、シンチレータ47の順に積層したセンサパネルを用いてもよい。また、アモルファスセレン等の光導電膜によりX線を直接信号電荷に変換する直接変換型のセンサパネルを用いてもよい。
光検出基板48は、シンチレータ47から放出された可視光を検出して画像信号に変換する。回路基板41は、光検出基板48の駆動を制御するとともに、光検出基板48から出力された画像信号に基づきX線画像を生成する。
無線通信部42は、電波透過性を有する樹脂等の非導電性材料で形成されたカバー49で覆われている。無線通信部42を使用した場合には、電子カセッテ15はバッテリ44からの電力で駆動され、いわゆるケーブルレスで使用することができる。
有線通信部43は、コンソール16と有線通信するためのものである。有線通信部43にはメス型コネクタ43Aが設けられている。メス型コネクタ43Aは、例えばコンソール16からのケーブルの一端に設けられたオス型コネクタや、クレードル21のスロット内に設けられたオス型コネクタが接続される。メス型コネクタ43Aは、無線通信機能の使用中等、オス型コネクタが接続されないときには蓋50で覆われて保護される。
電子カセッテ15は、有線通信部43を介して電力の供給も受ける。電子カセッテ15は、メス型コネクタ43Aにオス型コネクタが接続された場合、有線通信部43を介して受けた電力で駆動される。また、有線通信部43を介して受けた電力でバッテリ44を充電する。
バッテリ44は、充電可能な二次電池で構成される。バッテリ44は、電子カセッテ15の各部に電力を供給する。バッテリ44は、前面45Aと対向する筐体45の背面45Bの中央部分に設けられたバッテリ装着部51に着脱自在に装着される。図8ではバッテリ44がバッテリ装着部51に装着された状態を示している。なお、図示は省略するが、バッテリ装着部51には、バッテリ44をバッテリ装着部51に固定してバッテリ44の脱落を防止し、かつこれを解除するロック機構およびロック解除機構のような周知の脱落防止/解除機構が設けられている。
図9において、光検出基板48は、ガラス基板(図示せず)上に、N行×M列の2次元マトリクス状に配列された画素55と、N本の走査線56と、M本の信号線57とが設けられたものである。走査線56は、画素55の行方向に沿うX方向に延伸し、かつ画素55の列方向に沿うY方向に所定のピッチで配置されている。信号線57は、Y方向に延伸し、かつX方向に所定のピッチで配置されている。走査線56と信号線57とは直交しており、走査線56と信号線57の交差点に対応して画素55が設けられている。なお、N、Mは2以上の整数であり、例えばN、M≒2000である。また、画素55の配列は、本例のように正方配列でなくともよく、ハニカム配列でもよい。
各画素55は、周知のように、可視光の入射によって電荷(電子−正孔対)を発生してこれを蓄積する光電変換部58、およびスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)59を備える。光電変換部58は、電荷を発生する半導体層とその上下に上部電極および下部電極を配した構造を有している。半導体層は例えばPIN(p-intrinsic-n)型であり、上部電極側にN型層、下部電極側にP型層が形成されている。TFT59は、ゲート電極が走査線56に、ソース電極が信号線57に、ドレイン電極が光電変換部58の下部電極にそれぞれ接続されている。なお、TFT型ではなく、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のセンサパネルを用いてもよい。
光電変換部58の上部電極にはバイアス線(図示せず)が接続されている。バイアス線を通じて光電変換部58の上部電極に正のバイアス電圧が印加される。正のバイアス電圧の印加により半導体層内に電界が生じるため、光電変換により半導体層内で発生した電子−正孔対のうちの電子は、上部電極に移動してバイアス線に吸収され、正孔は、下部電極に移動して電荷として収集される。
回路基板41には、走査回路65と、信号処理部66と、メモリ67と、電源回路68と、給電部69と、これらを制御する制御部70とが設けられている。
走査回路65は、各走査線56の端部に接続され、TFT59を駆動するゲートパルスG(K)(K=1〜N)を発する。制御部70は、走査回路65を通じてTFT59を駆動することにより、画素55から暗電荷を読み出してリセット(破棄)する画素リセット動作と、X線の到達線量に応じた電荷を画素55に蓄積させる蓄積動作と、画素55から電荷を読み出す画像読み出し動作とをセンサパネル40に行わせる。
画素リセット動作および画像読み出し動作では、走査回路65により、各走査線56に順にゲートパルスG(K)が与えられ、各走査線56に接続されたTFT59が1行ずつ順次オン状態とされる。蓄積動作では、走査回路65からゲートパルスG(K)は与えられず、TFT59はオフ状態とされる。
信号処理部66は、画素55から電荷を読み出してデジタルの画像信号に変換し、これをX線画像としてメモリ67に出力する。メモリ67は、少なくとも1フレーム分のX線画像を記憶する容量を有する。
電源回路68は、走査回路65にゲートパルスG(K)を供給する。また、電源回路68は、信号処理部66に駆動電圧を供給する。なお、図示は省略するが、電源回路68は、無線通信部42やメモリ67、制御部70等の、走査回路65および信号処理部66以外の周辺電気回路にも駆動電圧を供給する。
給電部69には、バッテリ44が接続されている。給電部69は、バッテリ44からの電力を、電源回路68をはじめとした電子カセッテ15の各部に供給する。給電部69には有線通信部43も接続されており、有線通信部43のメス型コネクタ43Aにオス型コネクタが接続された場合には、給電部69は、有線通信部43を介して電力を受け、これを各部に供給する。
制御部70は、メモリ67に記憶されたX線画像を、無線通信部42または有線通信部43に出力する。また、制御部70は、有線通信部43を介して入力されるコンソール16からの各種情報を受け取り、各種情報に応じた制御を行う。例えば、制御部70は、各種情報として照射条件を受け取り、照射条件に応じて信号処理部66による処理条件を変更する。また、制御部70は、各種情報としてコンソールIDを受け取り、コンソールIDに基づいてX線画像の送信先を指定する。
光検出基板48には、X線の照射が開始されたことを検知する検知センサ71が設けられている。検知センサ71は、光検出基板48の全体に散在して複数個設けられている。
検知センサ71は画素55の一部を利用した形態である。すなわち、検知センサ71は、画素55と同様に光電変換部58を有しているが、TFT59は有しておらず、検知センサ71の光電変換部58は信号線57に直接接続されている。このため、画素55のTFT59のオン/オフに関わらず、検知センサ71の光電変換部58で発生した電荷は信号線57に流出する。
検知センサ71の光電変換部58で発生した電荷は、画素55の光電変換部58で発生した電荷と同様に、信号処理部66によって画像信号に変換されてメモリ67に記憶される。この検知センサ71の光電変換部58で発生した電荷に基づく画像信号を、以下線量信号という。
線量信号は、予め定められた間隔で繰り返し読み出される。1回の読み出しによって得られる線量信号は、単位時間当たりのX線の入射線量に相当する。X線の照射が開始されると、単位時間当たりのX線の入射線量は徐々に増加するので、それに応じて線量信号の値も増加する。
制御部70は、メモリ67に線量信号が記憶される毎に、メモリ67から線量信号を読み出して、線量信号と予め設定された照射開始判定閾値との大小を比較する。制御部70は、線量信号が照射開始判定閾値に達したときにX線の照射が開始されたと判定する。これにより、線源制御装置14からX線の照射が開始されたことを示す同期信号を受信することなく、電子カセッテ15でX線の照射開始を検知することができる。
線量信号は、センサパネル40が蓄積動作中でも読み出すことができるため、線量信号と予め設定された照射終了判定閾値との大小比較により、制御部70でX線の照射終了を検知することも可能である。
制御部70は、コンソール16からの撮影メニューおよび照射条件を受け取ったときに、センサパネル40に線量信号の読み出しを開始させる。X線の照射開始を検知した場合、制御部70は、センサパネル40に画素リセット動作を行わせた後、蓄積動作を開始させる。制御部70は、蓄積動作へ移行後も線量信号の読み出しを継続してセンサパネル40に行わせ、線量信号が照射終了判定閾値以下になったときにX線の照射終了を検知する。制御部70は、X線の照射終了を検知すると、蓄積動作を終了させ、センサパネル40に画像読み出し動作を行わせる。
無線通信部42は、アンテナ75と、変復調回路76と、伝送制御部77とで構成されている。変復調回路76は、送信するデータを搬送波(キャリアともいう)に載せる変調と、アンテナ75で受信した搬送波からデータを取り出す復調を行う。伝送制御部77は、無線LAN(Local Area Network)規格に準拠した伝送制御を行う。具体的には、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に準拠した通信プロトコルや、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11nに準拠した通信プロトコルにしたがって伝送制御を行う。
OSI(Open Systems Interconnection、開放型システム間相互接続)参照モデルに示されるように、通信プロトコルは階層化されており、通信は階層が異なる複数の通信プロトコルを組み合わせて使用される。TCP/IPは、有線LANにおいても使用される通信プロトコルであり、無線LANにおいても、上位層の通信プロトコルとして使用される。IEEE802.11nは、TCP/IPの下位に位置する通信プロトコルであり、無線特有の通信手順を規定している。
無線通信は有線通信と異なり物理的に接続されるケーブルが存在しない。このため、電子カセッテ15の無線通信部42は、例えば他の電子カセッテ15やコンソール16といった無線端末との間で論理的な接続を行う必要がある。無線通信部42は、無線端末と無線通信を行うモードとして、アクセスポイント(以下、AP(Access Point)と略す)として作動する親機モード(マスターモード)と、無線通信部42とは別のAPを介して他の無線端末と無線通信を行う子機モード(スレイブモード)とを有している。これら親機モードと子機モードは、伝送制御部77により切り替えられる。
ここで、一般に無線端末間で無線通信を行う場合には、無線端末とは別のAPが用いられる。しかし、本実施形態では、電子カセッテ15の無線通信部42がAPとして作動するため、無線端末とは別のAPを用いることなく、無線端末である複数台の電子カセッテ15間の無線通信が可能となる。
以下、図10を参照して、無線通信部42が親機モードで作動していた場合に、電子カセッテ15と無線端末との間で行われる、IEEE802.11nで規定されている接続や通信の手順を説明する。なお、無線端末には、無線通信部42と同様の構成を有する無線通信部(無線通信部42と区別するため、便宜的に端末無線通信部と表記する)が設けられており、端末無線通信部は子機モードで作動しているとする。
図10において、親機モードでAPとして作動していた場合、無線通信部42は、起動中、所定時間間隔(約100msec間隔)でビーコンと呼ばれる電波を発信している。ビーコンは、電子カセッテ15の周囲に存在する無線端末に対して、電子カセッテ15の存在を通知する信号である。無線端末では、起動中、端末無線通信部によって、ビーコンの受信有無を常時監視している。ビーコンが到達する範囲内に無線端末が存在している場合には、端末無線通信部はビーコンを受信することができる。なお、ビーコンが到達する範囲は、例えば無線通信部42を中心とする半径5mの範囲である。
ビーコンには、SSID(Service Set Identifier)やESSID(Extended Service Set Identifier)等のネットワーク識別子が含まれている。ネットワーク識別子は、無線通信部42等のAPや、それらを含むネットワークを、無線端末が識別するための識別情報である。
端末無線通信部には、予め無線通信部42のネットワーク識別子が設定されている。端末無線通信部は、設定されたネットワーク識別子を持つビーコンを受信すると、接続要求を送信する。無線通信部42は接続要求を受信し、接続要求の要求元の無線端末に対して認証を行う。このため、端末無線通信部は、接続要求にパスワード等の認証情報を含めて送信する。
無線通信部42は、接続要求を受信すると、受信したパスワードと予め設定されたパスワードを照合することにより認証を行って、パスワードが一致した場合には、無線端末に対して許可応答を送信する。無線端末が許可応答を受信すると、電子カセッテ15と無線端末との論理的な通信リンクが確立されて、電子カセッテ15と無線端末とが論理的に接続する。
なお、図10では、無線端末が1台のみのように描かれているが、実際には、ビーコンが到達する範囲内に存在する全ての無線端末と電子カセッテ15との間で上記の接続シーケンスが行われ、APとして作動する無線通信部42の中継機能の提供を受けて、電子カセッテ15と各無線端末間で無線通信が可能となる。
無線通信部42が子機モードで作動していた場合は、図10の「電子カセッテ」が電子カセッテ15とは別に設けられたAPに、「無線端末」が電子カセッテ15および無線端末にそれぞれ置き換わるだけで、基本的な接続シーケンスは同じである。この場合も無線通信部42が親機モードで作動していた場合と同様に、電子カセッテ15とは別に設けられたAPの中継機能の提供を受けて、電子カセッテ15と無線端末間で無線通信が可能となる。
親機モードで作動していた場合、無線通信部42は、無線端末との間で接続が行われた後も、ビーコンの発信を続ける。電子カセッテ15と無線端末との接続は、端末無線通信部がビーコンを受信できている間は継続し、端末無線通信部がビーコンを受信できなくなった時点で終了する。端末無線通信部がビーコンを受信できなくなる場合とは、例えば、無線通信部42がビーコンの発信を停止した場合や、ビーコンが到達する範囲から無線端末が外れてしまった場合である。無線端末が再びビーコンの到達する範囲に入り、端末無線通信部でビーコンの受信が可能となった場合には、上記の接続シーケンスが繰り返されて再接続が行われる。
本実施形態では、例えば、回診撮影の際に回診車11に積載された複数台の電子カセッテ15のうちの1台が、図10に示す親機モードで作動する電子カセッテ15となり、親機モードで作動する電子カセッテ15を除く残りの全ての電子カセッテ15が、図10に示す子機モードで作動する無線端末となる。これにより、複数台の電子カセッテ15間で相互に無線通信をすることが可能となる。
図11において、電子カセッテ15の制御部70は、特定状態判定部80と、第1状態情報取得部81と、経由カセッテ決定部82と、送信モード制御部83として機能する。特定状態判定部80は、電子カセッテ15の状態が予め定められた特定状態にあるか否かを判定する。本実施形態において、特定状態は、メモリ67に少なくとも1フレーム分のX線画像を記憶する空き容量がない状態である。
第1状態情報取得部81は、他の電子カセッテ15(以下、第2電子カセッテ15Bと表記する)から、その状態を表す第1状態情報を取得する。本実施形態では、第1状態情報は、第2電子カセッテ15Bのメモリ67の空き容量の情報である。
経由カセッテ決定部82は、第1状態情報に基づいて、複数台の第2電子カセッテ15Bのうち、後述する経由送信モードにおいてX線画像を無線送信する1台の第2電子カセッテ15Bである経由カセッテを決定する。
送信モード制御部83は、X線画像の送信モードを、通常送信モードと経由送信モードとのいずれかに切り替える。通常送信モードは、図12に示すように、X線画像の送信元の電子カセッテ15である第1電子カセッテ15Aから、第2電子カセッテ15Bを経由せずにコンソール16にX線画像を送信するモードである。一方、経由送信モードは、図13に示すように、第1電子カセッテ15Aの経由カセッテ決定部82で経由カセッテに決定された1台の第2電子カセッテ15Bに、第1電子カセッテ15AからX線画像を無線送信し、第2電子カセッテ15Bを経由してコンソール16にX線画像を送信するモードである。
送信モード制御部83は、特定状態でない場合は、送信モードを通常送信モードとし、特定状態である場合に、送信モードを経由送信モードとする。なお、本実施形態では、いずれの送信モードにおいても、前述のように電子カセッテ15(通常送信モードの場合は第1電子カセッテ15A、経由送信モードの場合は第2電子カセッテ15B)はクレードル21を介してX線画像をコンソール16に送信する。
これらの各部80〜83の機能により、回診撮影の途中で、第1電子カセッテ15Aのメモリ67に少なくとも1フレーム分のX線画像を記憶する空き容量がない状態となった場合に、X線画像の送信モードを経由送信モードに切り替えて、第1状態情報に基づき経由カセッテに決定された1台の第2電子カセッテ15BにX線画像を無線送信することができる。このため、少なくとも1フレーム分のX線画像を記憶する空き容量を第1電子カセッテ15Aのメモリ67に確保することができ、第1電子カセッテ15Aを用いた回診撮影を継続することができる。
図11において、特定状態判定部80は、画像読み出し動作後、メモリ67から空き容量の情報を取得する。特定状態判定部80は、取得した空き容量と予め設定された空き容量閾値との大小を比較する。空き容量閾値は制御部70の内部メモリ84に記憶されている。空き容量閾値には、例えば、1フレーム分のX線画像を記憶する最低限の値が設定されている。
メモリ67から取得した空き容量が空き容量閾値以上の場合(空き容量≧空き容量閾値)、特定状態判定部80は、電子カセッテ15の状態が特定状態にない(非特定状態である)と判定し、非特定状態通知を送信モード制御部83に出力する。一方、メモリ67から取得した空き容量が空き容量閾値よりも少ない場合(空き容量<空き容量閾値)、特定状態判定部80は、電子カセッテ15の状態が特定状態であると判定し、特定状態通知を送信モード制御部83に出力する。
無線通信部42は、通常は子機モードで作動している。メモリ67の空き容量が空き容量閾値よりも少なく、特定状態判定部80から特定状態通知を受けた場合、送信モード制御部83は、無線通信部42を子機モードから親機モードに切り替えさせる。これにより無線通信部42はAPとして作動する。
親機モードに切り替えられた場合、無線通信部42は、図10に示す接続シーケンスを実行して、ビーコンが到達する範囲内に存在する、子機モードで作動する他の電子カセッテ15との通信リンクを確立する。本実施形態では、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15が第1電子カセッテ15A、子機モードで作動する他の電子カセッテ15が第2電子カセッテ15Bである。
また、送信モード制御部83は、特定状態判定部80から特定状態通知を受けた場合、第1状態情報取得部81に第1状態情報を取得する処理を行わせる。第1状態情報取得部81は、情報取得要求を無線通信部42に出力する。情報取得要求は、第2電子カセッテ15Bに対して第1状態情報の無線送信を要求するものである。無線通信部42は、第1状態情報取得部81からの情報取得要求を、通信リンクを確立した第2電子カセッテ15Bに無線送信する。
図14に示すように、第1電子カセッテ15Aからの情報取得要求を無線受信した第2電子カセッテ15Bは、情報取得要求に応答して第1状態情報を第1電子カセッテ15Aに無線送信する。第1状態情報には、第2電子カセッテ15BのカセッテID、および第2電子カセッテ15Bのメモリ67の空き容量の情報が含まれる。
図14では、カセッテID「DR0001」の第1電子カセッテ15Aの無線通信部42からのビーコンが到達する2点鎖線で示す範囲T内に、カセッテID「DR0002」、「DR0003」、「DR0004」の3台の第2電子カセッテ15Bが存在する場合を例示している。この場合、第1電子カセッテ15Aから3台の第2電子カセッテ15Bにそれぞれ情報取得要求を無線送信して、3台の第2電子カセッテ15Bから第1電子カセッテ15Aにそれぞれ第1状態情報を無線送信する。本実施形態では、第2電子カセッテ15Bは、第1電子カセッテ15Aと一緒に回診車11に積載された電子カセッテ15である。
図11において、第1状態情報取得部81は、無線通信部42から第1状態情報を受け取り、これを経由カセッテ決定部82に出力する。経由カセッテ決定部82は、第1状態情報取得部81からの第1状態情報と内部メモリ84からの空き容量閾値に基づいて経由カセッテを決定する。具体的には、経由カセッテ決定部82は、第1状態情報の空き容量が空き容量閾値以上でかつ最も多い第2電子カセッテ15Bを経由カセッテに決定する。経由カセッテ決定部82は、経由カセッテに決定した第2電子カセッテ15BのカセッテIDを送信モード制御部83に出力する。
空き容量閾値が例えば2MB(megabyte)であった場合、図14の例では、カセッテID「DR0002」、「DR0003」、「DR0004」の3台の第2電子カセッテ15Bの空き容量がそれぞれ「100MB」、「20MB」、「5MB」であるため、空き容量が空き容量閾値以上でかつ最も多いカセッテID「DR0003」の第2電子カセッテ15Bが経由カセッテに決定され、カセッテID「DR0002」が送信モード制御部83に出力される。
図15および図16において、X線画像は、アドレス情報および画像付帯情報とともに送信される。アドレス情報は、無線通信部42または有線通信部43にX線画像の送信先を指示するための情報であり、送信モード制御部83により生成される。アドレス情報にはX線画像の送信元、送信先、および付記情報の項目が設けられている。画像付帯情報にはオーダID、カセッテID、および画像IDの項目が設けられている。
図15は通常送信モードの場合を示している。この場合、第1電子カセッテ15Aの送信モード制御部83は、アドレス情報の送信元の項目に自身のカセッテIDを、送信先の項目にコンソール16のコンソールIDをそれぞれ設定する。コンソールIDは内部メモリ84から送信モード制御部83に受け渡される。なお、通常送信モードの場合は、付記情報の項目には何も設定されない。
コンソール16は、アドレス情報および画像付帯情報とともにX線画像を第1電子カセッテ15Aから受信する。コンソール16は、画像付帯情報に設定されたオーダIDと、オーダ管理リスト35に登録されたオーダIDとを照合し、次いでアドレス情報の送信元の項目に設定されたカセッテIDとオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDとを照合する。これらの照合を行うことで、コンソール16は、受信したX線画像が、オーダ管理リスト35に登録されたどのオーダIDに対するX線画像であるかと、X線画像の送信元が、オーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDと同一であるかを認識することができる。
画像付帯情報に設定されたオーダIDがオーダ管理リスト35に登録されていて、かつアドレス情報の送信元の項目に設定されたカセッテIDとオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDとが同一であった場合、コンソール16は、画像付帯情報の画像IDをオーダ管理リスト35の画像IDの項目に登録する。
図16は経由送信モードの場合を示している。この場合、第1電子カセッテ15Aの送信モード制御部83は、通常送信モードの場合と同様に、アドレス情報の送信元の項目に第1電子カセッテ15AのカセッテIDを設定する。
ただし、送信モード制御部83は、アドレス情報の送信先の項目に、通常送信モードの場合のコンソール16のコンソールIDではなく、経由カセッテ決定部82からの経由カセッテのカセッテIDを設定する。また、送信モード制御部83は、付記情報の項目に、X線画像の最終送信先である内部メモリ84からのコンソールIDを設定する。
第2電子カセッテ15Bは、アドレス情報および画像付帯情報とともにX線画像を第1電子カセッテ15Aから受信する。第2電子カセッテ15Bの送信モード制御部83は、アドレス情報の送信元の項目に自身のカセッテIDを設定する。また、第2電子カセッテ15Bの送信モード制御部83は、第1電子カセッテ15Aからのアドレス情報の付記情報に設定されたコンソールIDを送信先の項目に、第1電子カセッテ15Aからのアドレス情報の送信元に設定された第1電子カセッテ15AのカセッテIDを付記情報の項目にそれぞれ転記する。この場合の付記情報は、X線画像が第1電子カセッテ15Aから送信されたものであることを示す一次送信元情報の役割を果たす。
コンソール16は、アドレス情報および画像付帯情報とともにX線画像を第2電子カセッテ15Bから受信する。コンソール16は、通常送信モードの場合と同様に、画像付帯情報に設定されたオーダIDと、オーダ管理リスト35に登録されたオーダIDとを照合する。
次いでコンソール16は通常送信モードの場合と同様にオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDの照合を行うが、この場合はアドレス情報の付記情報の項目に一次送信元の第1電子カセッテ15AのカセッテIDが設定されているので、コンソール16は、アドレス情報の送信元の項目に設定されたカセッテIDではなく、アドレス情報の付記情報の項目に設定されたカセッテIDとオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDとを照合する。以降の処理は通常送信モードの場合と同様であるため説明を省略する。こうしてアドレス情報に設定する内容を変更することで、送信モード制御部83は通常送信モードと経由送信モードとを切り替える。
経由送信モードでX線画像を第2電子カセッテ15Bに送信した後、送信モード制御部83は、送信モードを通常送信モードに戻す。また、無線通信部42を再び子機モードで作動させる。
次に、上記構成による作用を、図17のフローチャートを参照して説明する。図2に示すように、回診撮影の際には、オペレータOPは、準備室17で、回診撮影の要否が要の撮影オーダについて、撮影に使用する電子カセッテ15の選択および撮影メニューの設定を行う。そして、オーダ管理リスト35の内容を紙媒体にプリントアウトしてこれを携行する。続いて撮影室18に移動し、撮影に使用する電子カセッテ15をクレードル21から取り出して準備室17に持ち込み、回診車11に積載する。そして回診車11とともに準備室17から病室20に移動する。
病室20に到着後、オペレータOPは、紙媒体でオーダ管理リスト35の内容を確認し、患者Pと使用する電子カセッテ15、撮影メニュー等の対応をとる。そして、設定した撮影メニューに対応する照射条件と同じ照射条件、または設定した撮影メニューに対応する照射条件を患者Pの体格等に応じて微調整した照射条件を、線源制御装置14に手動で設定する。
次いでオペレータOPは、X線源13、電子カセッテ15、および患者Pを所望の位置に位置決めする。例えば患者Pとベッド19の間に電子カセッテ15を挿入する。その後、X線源13を駆動させて患者Pに向けてX線を照射させる。患者Pを透過したX線は電子カセッテ15に照射され、これにより電子カセッテ15でX線画像が検出される。
図17のステップS100に示すように、画像読み出し動作後、特定状態判定部80にてメモリ67の空き容量の情報が取得され、取得された空き容量と空き容量閾値との大小が比較され、少なくとも1フレーム分のX線画像を記憶する空き容量がない特定状態にあるか否かが判定される。
メモリ67から取得した空き容量が空き容量閾値以上の場合は、特定状態にない(非特定状態である)と特定状態判定部80で判定され(ステップS110でNO)、特定状態判定部80から送信モード制御部83に非特定状態通知が出力される。この場合は送信モード制御部80により送信モードが通常送信モードとされる(ステップS120)。通常送信モードにおいては、送信モード制御部83により、アドレス情報のX線画像の送信先の項目に、内部メモリ84に記憶されたコンソールIDが設定される。
一方、メモリ67の空き容量が空き容量閾値よりも少ない場合は、特定状態であると特定状態判定部80で判定され(ステップS110でYES)、特定状態判定部80から送信モード制御部83に特定状態通知が出力される。
特定状態判定部80から特定状態通知が出力された場合、送信モード制御部83により無線通信部42が子機モードから親機モードに切り替えられ、無線通信部42はAPとして作動する。
無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15(第1電子カセッテ15A)と他の電子カセッテ15(第2電子カセッテ15B)との間で通信リンクが確立され、これらの間で情報取得要求および第1状態情報が無線通信される。これにより第1状態情報が第1状態情報取得部81で取得される(ステップS130)。第1状態情報は経由カセッテ決定部82に出力される。
経由カセッテ決定部82では、空き容量が空き容量閾値以上で、かつ空き容量が最も多い第2電子カセッテ15Bが経由カセッテに決定される(ステップS140)。経由カセッテのカセッテIDは送信モード制御部83に出力される。
特定状態判定部80から特定状態通知が出力された場合、送信モード制御部83により送信モードが経由送信モードに切り替えられる(ステップS150)。経由送信モードにおいては、送信モード制御部83により、アドレス情報のX線画像の送信先の項目に、経由カセッテ決定部82からの経由カセッテのカセッテIDが設定される。また、付記情報の項目に内部メモリ84からのコンソールIDが設定される。そして、経由カセッテに決定された第2電子カセッテ15BにX線画像が送信される。
オペレータOPは、予定していた全ての病室20を巡回してX線撮影を行った後、回診車11とともに撮影室18に帰還する。オペレータOPは、回診車11から電子カセッテ15を下ろし、電子カセッテ15をクレードル21に収容する。電子カセッテ15は、クレードル21を介して、X線画像をコンソール16に送信する。
送信モードが通常送信モードであった場合は、第1電子カセッテ15Aからコンソール16にアドレス情報および画像付帯情報とともにX線画像が送信される。一方、送信モードが経由送信モードであった場合は、第2電子カセッテ15Bからコンソール16にアドレス情報および画像付帯情報とともにX線画像が送信される。
通常送信モードの場合、コンソール16では、画像付帯情報に設定されたオーダIDと、オーダ管理リスト35に登録されたオーダIDとが照合され、次いでアドレス情報の送信元の項目に設定されたカセッテIDとオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDとが照合される。一方、経由送信モードの場合は、画像付帯情報に設定されたオーダIDと、オーダ管理リスト35に登録されたオーダIDとが照合され、次いでアドレス情報の付記情報の項目に設定されたカセッテIDとオーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDとが照合される。これにより、受信したX線画像が、オーダ管理リスト35に登録されたどのオーダIDに対するX線画像であるかと、X線画像の送信元が、オーダ管理リスト35に登録されたカセッテIDと同一であるかがコンソール16で認識される。
コンソール16は、電子カセッテ15からのX線画像を表示し、オペレータOPの閲覧に供する。
回診撮影の際には、電子カセッテ15はクレードル21から取り出されて撮影室18から持ち出されるため、電子カセッテ15とコンソール16とは通信が断たれた状態となる。このため、もし送信モードが通常送信モードのみであった場合、回診撮影の途中で、第1電子カセッテ15Aのメモリ67の空き容量が不足してしまい、かつ第1電子カセッテ15Aでその後いくつかの撮影を行わなければならない場合には、以下のような面倒な作業が必要である。
すなわち、回診撮影を中断して回診車11ごと撮影室18に戻り、第1電子カセッテ15Aをクレードル21に収容して、クレードル21を介して第1電子カセッテ15Aとコンソール16とを接続し、コンソール16にX線画像を送信して第1電子カセッテ15Aのメモリ67の空き容量を確保したうえで、回診撮影を再開する必要がある。
第1電子カセッテ15Aのメモリ67の空き容量が不足した場合に、メモリ67の空き容量に余裕がある第2電子カセッテ15Bを第1電子カセッテ15Aの代わりに用いてX線撮影を行ってもよさそうであるが、オーダ管理リスト35のオーダIDとカセッテIDで示すように、使用する電子カセッテ15と撮影オーダとは関連付けられているため、コンソール16で撮影オーダとX線画像の対応をとることができなくなる。また、第2電子カセッテ15Bが第1電子カセッテ15Aとタイプが異なる場合は、そもそも第2電子カセッテ15Bを第1電子カセッテ15Aの代わりに用いてX線撮影を行うことができない。このため上記のような面倒な作業が必要となる。
対して、本実施形態では経由送信モードを有し、第1電子カセッテ15Aのメモリ67の空き容量が不足していた場合は送信モードを経由送信モードに切り替えて、第2電子カセッテ15BにX線画像を無線送信し、第2電子カセッテ15Bのメモリ67にX線画像を一時的に保存するので、回診撮影を中断して回診車11ごと撮影室18に戻り、第1電子カセッテ15Aをクレードル21に収容するといった面倒な作業をする必要がない。したがって、オペレータOPは円滑に回診撮影を進めることができる。
また、経由送信モードの場合は、コンソール16は、オーダ管理リスト35にカセッテIDが登録された第1電子カセッテ15Aとは異なる第2電子カセッテ15BからX線画像を受け取ることになるため、このままでは撮影オーダとX線画像の対応をとることができない。しかしながら本実施形態では、第2電子カセッテ15Bで第1電子カセッテ15AのカセッテIDを付記情報の項目に転記することで、X線画像が第1電子カセッテ15Aから送信されたものであることを示しているので、コンソール16は撮影オーダとX線画像の対応をとることができる。
第1電子カセッテ15Aの無線通信部42がAPとして作動して第2電子カセッテ15Bと相互に無線通信し、第1電子カセッテ15Aで第2電子カセッテ15Bの状態を表す第1状態情報を取得し、第1状態情報に基づいて経由カセッテを決定するので、経由カセッテの決定にコンソール16は介在しない。このため、回診撮影先の病室20といったコンソール16がない環境においても、第1電子カセッテ15Aで得たX線画像を第2電子カセッテ15Bのメモリ67に一時的に保存させることができる。
X線画像の送信モードとして経由送信モードを有することで、コンソール16を持ち出さない従来のフイルムカセッテやIPカセッテ、CRカセッテを用いた場合と変わらない回診撮影のワークフローを実現することができる。
なお、クレードル21はなくてもよい。電子カセッテ15の無線通信部42をAPとして作動させ、コンソール16に子機モードで作動する無線通信部を設けて、電子カセッテ15とコンソール16との間で通信リンクを確立し、撮影メニューやX線画像を無線通信してもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、回診撮影で病室20から撮影室18に帰還して、クレードル21を介してX線画像をコンソール16に送信する場合について述べたが、回診撮影ではなく撮影室18でX線撮影を行う場合は、撮影に使用する電子カセッテ15の無線通信部42をAPとして作動させ、電子カセッテ15とコンソール16との無線通信を確立して、電子カセッテ15からコンソール16にX線画像を無線送信することが可能である。
回診撮影では、予定していた全ての病室20を巡回してX線撮影を行った後、撮影室18に帰還して電子カセッテ15をクレードル21に収容するまでX線画像をコンソール16で確認することができないが、撮影室18内におけるX線撮影では、APとして作動する無線通信部42が提供する無線通信の中継機能を用いて、撮影後直ちにX線画像をコンソール16に送信することが可能であるため、ほぼリアルタイムでX線画像を確認することができる。
ただしこの場合は、電子カセッテ15が撮影室18に、コンソール16が準備室17にそれぞれ別れて存在するために通信障害が起こりやすい。そこで本実施形態では、電子カセッテ15とコンソール16との間で通信障害が起きて、通常送信モードを使用することができない状態の場合に、他の電子カセッテ15の無線通信部42をAPとして作動させ、他の電子カセッテ15の無線通信部42が提供する無線通信の中継機能を用いて、他の電子カセッテ15の無線通信部42を経由してコンソール16にX線画像を送信する。
図18において、撮影室18には、前述のクレードル21と、据え置き型のX線発生装置90と、患者Pを立位姿勢で撮影する立位撮影台91と、患者Pを臥位姿勢で撮影する臥位撮影台92とが設置されている。図18では、臥位撮影台92に電子カセッテ15がセットされて、臥位姿勢で患者PのX線撮影が行われている様子を示している。
X線発生装置90は、X線源94と、X線源94を制御する線源制御装置95とを有し、線源制御装置95には照射スイッチ96が接続されている。X線源94は、立位撮影台91と臥位撮影台92とで共用される。なお、X線源94、線源制御装置95、および照射スイッチ96は、上記第1実施形態のX線源13、線源制御装置14、および照射スイッチ22と同様の機能を有するため、説明を省略する。
本実施形態では、撮影に使用する電子カセッテ15の無線通信部42が親機モードとされてAPとして作動し、他の電子カセッテ15の無線通信部42は、上記第1実施形態と同様に子機モードで作動する。
本実施形態の特定状態は、通常送信モードを使用することができない状態である。通常送信モードを使用することができない状態とは、具体的には、電子カセッテ15とコンソール16との間に電波遮蔽物が介在している場合等、コンソール16で電子カセッテ15の無線通信部42からのビーコンを受信できない状態である。
このため、図19に示すように、本実施形態の特定状態判定部80は、画像読み出し動作後、無線通信部42からコンソール16との通信状態の情報を取得する。無線通信部42とコンソール16との無線通信が確立された状態である場合、特定状態判定部80は、電子カセッテ15の状態が特定状態にない(非特定状態である)と判定する。一方、無線通信部42とコンソール16との無線通信が断たれた状態である場合、特定状態判定部80は、電子カセッテ15の状態が特定状態であると判定する。
特定状態判定部80で特定状態であると判定された場合、無線通信部42は、図10に示す接続シーケンスを実行して、ビーコンが到達する範囲内に存在する、子機モードで作動する他の電子カセッテ15との通信リンクを確立する。本実施形態では、上記第1実施形態と同じく、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15が第1電子カセッテ15A、子機モードで作動する他の電子カセッテ15が第2電子カセッテ15Bである(図20参照)。
特定状態判定部80で特定状態であると判定された場合、第1状態情報取得部81は、上記第1実施形態と同様に第1状態情報を取得する処理を行う。ただし、上記第1実施形態では、第2電子カセッテ15Bのメモリ67の空き容量の情報を含む第1状態情報を無線通信していたが、本実施形態では、メモリ67の空き容量の情報の代わりに、図20に示すようにコンソール16との通信状態の情報を含む第1状態情報を無線通信する。
図20では、図14と同じく、カセッテID「DR0001」の第1電子カセッテ15Aの無線通信部42からのビーコンが到達する2点鎖線で示す範囲T内のカセッテID「DR0002」、「DR0003」、「DR0004」の3台の第2電子カセッテ15Bから、第1電子カセッテ15Aに第1状態情報を無線送信する様子を示している。そして、3台の第2電子カセッテ15Bの全てがクレードル21に収容されており、クレードル21を介してコンソール16と通信を確立している(通信状態「OK」)場合を例示している。
経由カセッテ決定部82は、複数台の第2電子カセッテ15Bのうち、コンソール16と通信を確立している第2電子カセッテ15Bを経由カセッテに決定し、決定した経由カセッテのカセッテIDを送信モード制御部83に出力する。図20の例では、3台の第2電子カセッテ15Bの全てがコンソール16と通信を確立しているので、経由カセッテ決定部82は、カセッテIDの番号が一番若いカセッテID「DR0002」の第2電子カセッテ15Bを経由カセッテに決定し、カセッテID「DR0002」を出力する。
本実施形態における通常送信モードは、図21に示すように、第2電子カセッテ15Bを経由せずに第1電子カセッテ15Aから直接コンソール16にX線画像を無線送信するモードである。
一方、本実施形態における経由送信モードは、図22に示すように、経由カセッテに決定された第2電子カセッテ15Bの無線通信部42をAPとして作動させ、第1電子カセッテ15Aの無線通信部42の代わりに、APの本来の機能である第2電子カセッテ15Bの無線通信部42が提供する無線通信の中継機能を用いて、第1電子カセッテ15Aから第2電子カセッテ15Bを経由してコンソール16にX線画像を送信するモードである。経由送信モードでは、第1電子カセッテ15Aから経由カセッテに決定された第2電子カセッテ15BにX線画像が無線通信され、第2電子カセッテ15Bからクレードル21を介してコンソール16にX線画像が有線通信される。
図21および図22に示すように、本実施形態においては、アドレス情報には付記情報の項目は用意されない。送信モード制御部83は、通常送信モード、経由送信モードのいずれの送信モードの場合も、アドレス情報のX線画像の送信先の項目に、内部メモリ84からのコンソールIDを設定する。
ただし、第2電子カセッテ15Bの無線通信部42は子機モードで作動しているため、経由送信モードでは、経由カセッテに決定された第2電子カセッテ15Bの無線通信部42を親機モードに切り替えてAPとして作動させる必要がある。そこで、第1電子カセッテ15Aの送信モード制御部83は、経由送信モードでX線画像を送信する前に、経由カセッテに決定された第2電子カセッテ15Bに対して、子機モードから親機モードに切り替えるためのモード切替通知を無線通信部42に無線送信させる(図22参照)。同時に、第1電子カセッテ15Aの送信モード制御部83は、自身の無線通信部42を子機モードに切り替えさせる。第2電子カセッテ15Bの無線通信部42は、モード切替通知を受けて、子機モードから親機モードに切り替わり、APとして作動する。
経由送信モードでは、第2電子カセッテ15Bは、無線通信部42がAPとして作動して、第1電子カセッテ15Aとコンソール16とのX線画像の通信を中継するだけである。このため第2電子カセッテ15Bのメモリ67にはX線画像は一時保存されず、したがって上記第1実施形態のように第2電子カセッテ15Bからコンソール16に一次送信元情報を送信する必要はない。
もし送信モードが通常送信モードのみであった場合、第1電子カセッテ15Aとコンソール16との無線通信に通信障害が起きた場合には、X線撮影後直ちにX線画像をコンソール16に送信することができなくなり、ほぼリアルタイムでX線画像を確認することができなくなる。また、通信障害の原因を究明するために、第1電子カセッテ15Aの無線通信部42の動作確認や第1電子カセッテ15Aとコンソール16との間に電波遮蔽物が介在していないかどうかのチェック等、X線撮影に直接関係ない作業をする必要がある。
対して本実施形態では、第1電子カセッテ15Aとコンソール16との無線通信が断たれた場合は送信モードを経由送信モードに切り替えて、第1電子カセッテ15Aの無線通信部42の代わりに第2電子カセッテ15Bの無線通信部42をAPとして作動させて、第2電子カセッテ15Bを介して、第1電子カセッテ15Aからコンソール16にX線画像を送信するので、第1電子カセッテ15Aとコンソール16との無線通信が断たれた場合でも、ほぼリアルタイムのX線画像の確認を継続して行うことができ、X線撮影に直接関係ない作業をする必要もない。したがって、上記第1実施形態と同じく、オペレータOPは円滑にX線撮影を進めることができる。
[第3実施形態]
X線撮影では、複数台の電子カセッテ15を組み合わせて、例えば頸椎と胸部と腹部、あるいは腰部と脚部等、患者Pの複数の撮影部位を含む長尺な範囲を撮影する長尺撮影を行う場合がある。こうした長尺撮影状態の場合を特定状態としてもよい。
図23は、図18に示す撮影室18で長尺撮影を行う様子を示している。撮影室18には、立位撮影台91、臥位撮影台92の他に、長尺撮影専用の長尺撮影台100が設置されている。長尺撮影台100は上段、中段、下段の3段に分かれており、最大3台の電子カセッテ15を、端部をオーバーラップさせた状態で縦方向に連結して保持する。長尺撮影台100の上段および中段、あるいは中段および下段に2台の電子カセッテ15をセットして長尺撮影を行うことも可能である。
長尺撮影の際には、上記第1、第2実施形態の場合と同様に、オペレータOPは撮影オーダの内容をコンソール16で確認し、撮影に使用する少なくとも2台の電子カセッテ15の選択および撮影メニューの設定を行う。この場合、オーダ管理リスト35の当該長尺撮影のオーダIDには、少なくとも2台の電子カセッテ15のカセッテIDが記される。
次いでオペレータOPは、撮影に使用する少なくとも2台の電子カセッテ15をクレードル21から取り出して、長尺撮影台100にセットし、X線源94、および患者Pを所望の位置に位置決めする。その後、X線源94を駆動させて患者Pに向けてX線を照射させる。これにより電子カセッテ15でX線画像が検出される。
コンソール16は、撮影に使用すると選択された少なくとも2台の電子カセッテ15のうちの1台に、クレードル21を介して撮影メニューや照射条件を送信すると同時に、無線通信部42を子機モードから親機モードに切り替えるモード切替通知を送信する。モード切替通知を受けた電子カセッテ15の無線通信部42は、子機モードから親機モードに切り替わり、APとして作動する。
上記第1、第2実施形態と同じく、図10に示す接続シーケンスによって、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15と子機モードで作動する他の電子カセッテ15との間で通信リンクが確立され、これらの間でコンソール16からの撮影メニューや照射条件、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15のカセッテIDが無線通信される。本実施形態では、上記第1、第2実施形態とは逆に、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15が第2電子カセッテ15B、子機モードで作動する他の電子カセッテ15が第1電子カセッテ15Aである。
第2電子カセッテ15Bは、送信モード制御部83により通常送信モードとされる。一方、第1電子カセッテ15Aは、送信モード制御部83により経由送信モードに切り替えられる。第1電子カセッテ15Aでは、送信モード制御部83により、アドレス情報のX線画像の送信先の項目に第2電子カセッテ15BのカセッテIDが設定される。第1電子カセッテ15Aは、画像読み出し動作後、第2電子カセッテ15BにX線画像を送信する。X線画像の送信後、第1電子カセッテ15Aは通常送信モードに戻される。第2電子カセッテ15Bは、自身が検出したX線画像と、第1電子カセッテ15AからのX線画像をメモリ67に保存し、これらをまとめてコンソール16に送信する。
図24は、長尺撮影台100の上段の電子カセッテ15が第2電子カセッテ15B、中段、下段の電子カセッテ15が第1電子カセッテ15Aである場合のX線画像の送信手順を示している。図24において、中段、下段の第1電子カセッテ15Aは経由送信モードとされ、画像読み出し動作後、X線画像を上段の第2電子カセッテ15Bに無線送信する。上段の第2電子カセッテ15Bは、自身が検出したX線画像と、中段、下段の第1電子カセッテ15AからのX線画像をメモリ67に保存する。
長尺撮影後、第2電子カセッテ15Bは、自身が検出したX線画像と、中段、下段の第1電子カセッテ15AからのX線画像をまとめてコンソール16に無線送信する。この際、第2電子カセッテ15Bの送信モード制御部83は、上記第1実施形態と同様に、第1電子カセッテ15AのカセッテIDを付記情報の項目に設定する。
コンソール16は、第2電子カセッテ15Bから無線送信された各X線画像に対して、各X線画像の繋ぎ目を目立たなくする段差補正等の周知の画像処理を施す。その後、各X線画像を合成処理し、1枚の長尺X線画像を生成する。コンソール16は、生成した長尺X線画像を表示し、オペレータOPの閲覧に供する。なお、コンソール16ではなく第2電子カセッテ15Bの制御部70で段差補正や合成処理を行ってもよい。
このように、長尺撮影に使用する複数台の電子カセッテ15のうちの1台を通常送信モードとし、他の電子カセッテ15を経由送信モードに切り替えて、1台の電子カセッテ15にX線画像を集約してコンソール16に送信するので、長尺撮影の使用による他の電子カセッテ15の拘束時間を短くすることができ、他の電子カセッテ15を長尺撮影後直ちに次のX線撮影に使用することができる。
図24では、各X線画像を第2電子カセッテ15Bからコンソール16に無線送信する例を挙げたが、クレードル21を介して各X線画像を第2電子カセッテ15Bからコンソール16に送信してもよい。
なお、第1電子カセッテ15AからX線画像を受信し終えたときに、第2電子カセッテ15Bから第1電子カセッテ15Aに受信完了の旨を通知し、この通知に応じて、次のX線撮影に使用することが可能である旨を第1電子カセッテ15Aで表示してもよい。例えば、次のX線撮影に使用することが可能である旨を示すインジケータを第1電子カセッテ15Aに設けておき、第2電子カセッテ15BからX線画像の受信完了の旨の通知を受けた場合にインジケータを作動させる。こうすれば、第1電子カセッテ15Aが次のX線撮影に使用することが可能であるか否かが一目で分かる。
長尺撮影に使用する複数台の電子カセッテ15のうち、コンソール16からモード切替通知を受信した1台の電子カセッテ15を第2電子カセッテ15Bとするのではなく、上記第1実施形態のように第1状態情報としてメモリの空き容量の情報を取得し、長尺撮影に使用する複数台の電子カセッテ15のうち、メモリ67の空き容量が空き容量閾値以上で、かつ空き容量が最も多い電子カセッテ15を第2電子カセッテ15Bとしてもよい。
[第4実施形態]
上記各実施形態では、撮影に使用する電子カセッテ15の選択をオペレータOPが手動で行っているため、選択ミスにより撮影メニューに適さない電子カセッテ15が選択されるおそれがある。そこで本実施形態では、撮影メニューに適した電子カセッテ15を電子カセッテ15自身で選択する。なお、以下では、図18に示す撮影室18でX線撮影を行う場合を例に説明する。
図25において、撮影室18内におけるX線撮影の際には、上記各実施形態の場合と同様に、オペレータOPは撮影オーダの内容をコンソール16で確認し、クレードル21(図25では図示せず)に収容された複数台の電子カセッテ15の中から、X線撮影に使用する電子カセッテ15を選択する。ただし、本実施形態では、撮影に使用する電子カセッテ15の最終的な選択は電子カセッテ15自身で行うため、ここでは「仮選択」と表現する。
次いで、オペレータOPは撮影メニューの設定を行う。コンソール16は、設定された撮影メニュー、およびこれに対応する照射条件等を、クレードル21を介して仮選択された電子カセッテ15に送信する。
コンソール16から撮影メニュー等を送信された電子カセッテ15の無線通信部42は、親機モードとされてAPとして作動する。そして、図10に示す接続シーケンスを実行して、クレードル21に収容された、無線通信部42が子機モードで作動する他の電子カセッテ15との間で通信リンクを確立する。本実施形態では、上記第1、第2実施形態と同じく、無線通信部42がAPとして作動する電子カセッテ15が第1電子カセッテ15A、子機モードで作動する他の電子カセッテ15が第2電子カセッテ15Bである。
第1電子カセッテ15Aは、通信リンクを確立した第2電子カセッテ15Bに対して情報取得要求を送信する。第1電子カセッテ15Aは、情報取得要求に応答して第2電子カセッテ15Bから送信された、第2電子カセッテ15Bの状態を表す第2状態情報、および第2電子カセッテ15Bの仕様情報を取得する。第1電子カセッテ15Aは、取得した第2状態情報および仕様情報に基づいて、自身も含めて、クレードル21に収容された複数台の電子カセッテ15のうち、撮影メニューに適した、撮影に使用する1台の電子カセッテ15である使用カセッテを選択する。
第1電子カセッテ15Aおよび第2電子カセッテ15Bは、使用カセッテに選択されたことを表示するインジケータ105を有している。使用カセッテに選択された場合には、このインジケータ105を動作させ、当該電子カセッテ15が使用カセッテに選択されたことをオペレータOPに報せる。
第1電子カセッテ15A自身が使用カセッテに選択された場合は、図26に示すように、第1電子カセッテ15Aは自身のインジケータ105を動作させる。一方、第2電子カセッテ15Bが使用カセッテに選択された場合は、図27に示すように、第1電子カセッテ15Aは、使用カセッテに選択された第2電子カセッテ15Bに、使用カセッテに選択されたことを通知する使用カセッテ通知を送信する。使用カセッテ通知を受信した第2電子カセッテ15Bはインジケータ105を動作させる。
図26の場合、第1電子カセッテ15Aは、自身のカセッテIDをコンソール16に送信する。一方、図27の場合、第1電子カセッテ15Aは、使用カセッテに選択された第2電子カセッテ15BのカセッテIDをコンソール16に送信する。コンソール16は、第1電子カセッテ15AからのカセッテIDをオーダ管理リスト35のカセッテIDの項目に登録する。
図28において、本実施形態の電子カセッテ15の制御部110は、上記各実施形態の経由カセッテ決定部82や送信モード制御部83等(送信モード制御部83以外は不図示)に加えて、撮影メニュー情報取得部111と、第2状態情報・仕様情報取得部112と、使用カセッテ選択部113と、表示制御部114として機能する。
撮影メニュー情報取得部111は、コンソール16から送信され、クレードル21を介して有線通信部43で受信された撮影メニューの情報や照射条件の情報を取得する。撮影メニュー情報取得部111は、取得した撮影メニューの情報等を第2状態情報・仕様情報取得部112および使用カセッテ選択部113に出力する。また、撮影メニュー情報取得部111は、当該電子カセッテ15が仮選択されたことを示す仮選択通知を送信モード制御部83に出力する。
無線通信部42は、通常は子機モードで作動している。撮影メニュー情報取得部111から仮選択通知を受けた場合、送信モード制御部83は、無線通信部42を子機モードから親機モードに切り替えさせる。これにより無線通信部42はAPとして作動する。
また、送信モード制御部83は、撮影メニュー情報取得部111から仮選択通知を受けた場合、第2状態情報・仕様情報取得部112に第2状態情報および仕様情報を取得する処理を行わせる。第2状態情報・仕様情報取得部112は、情報取得要求を無線通信部42に出力する。情報取得要求は、第2電子カセッテ15Bに対して第2状態情報および仕様情報の無線送信を要求するもので、撮影メニュー情報取得部111からの撮影メニューの情報や照射条件の情報も含んでいる。
無線通信部42は、第2状態情報・仕様情報取得部112からの情報取得要求を、通信リンクを確立した第2電子カセッテ15Bに無線送信する。第2電子カセッテ15Bは、情報取得要求に応答して、図25で説明したように第2状態情報および仕様情報を第1電子カセッテ15Aに無線送信する。無線通信部42は、第2電子カセッテ15Bからの第2状態情報および仕様情報を受信する。第2状態情報・仕様情報取得部112は、無線通信部42から第2状態情報および仕様情報を受け取り、これを使用カセッテ選択部113に出力する。
使用カセッテ選択部113は、撮影メニュー情報取得部111からの撮影メニューの情報、第2状態情報・仕様情報取得部112からの第2状態情報および仕様情報、並びに内部メモリ84に記憶された推奨仕様情報に基づいて使用カセッテを選択する。使用カセッテ選択部113は、使用カセッテのカセッテIDを有線通信部43に出力する。有線通信部43は、クレードル21を介して使用カセッテのカセッテIDをコンソール16に送信する。
また、仮選択された第1電子カセッテ15A自身以外の電子カセッテ15、すなわち第2電子カセッテ15Bを使用カセッテに選択した場合は、使用カセッテ選択部113は、使用カセッテのカセッテIDを無線通信部42にも出力する。無線通信部42は、使用カセッテ選択部113からのカセッテIDの第2電子カセッテ15Bに対して、使用カセッテに選択されたことを通知する使用カセッテ通知を送信する。一方、自身を使用カセッテに選択した場合、使用カセッテ選択部113は、使用カセッテ通知を表示制御部114に出力する。
表示制御部114はインジケータ105の動作を制御する。表示制御部114は、無線通信部42または使用カセッテ選択部113から使用カセッテ通知を受けた場合、インジケータ105を動作させる。
図29に示すように、第2状態情報には、第2電子カセッテ15BのカセッテID、メモリ67の空き容量、バッテリ44の残り使用時間、累積撮影回数、およびオフセット補正のためのオフセット補正用画像を検出するオフセット補正用画像検出処理の実施日時が含まれる。
オフセット補正は、X線が照射されない状態でセンサパネル40に画像読み出し動作を行わせて検出したオフセット補正用画像を、X線画像から画素単位で差し引くことで、信号処理部66の個体差や電子カセッテ15の使用環境に起因する固定パターンノイズをX線画像から除去する処理である。
オフセット補正用画像検出処理は、例えば、医療施設の始業時に電子カセッテ15の主電源がオンされた場合等、以前のオフセット補正用画像の検出時と電子カセッテ15の使用環境が変化した可能性がある場合に行われる。オフセット補正用画像とオフセット補正用画像検出処理を実施した日時の情報は、内部メモリ84に記憶される。
図30に示すように、仕様情報には、第2電子カセッテ15BのカセッテID、外形サイズ、および画素数が含まれる。さらに図31に示すように、推奨仕様情報は、撮影メニュー毎に、推奨する電子カセッテ15の外形サイズおよび画素数が登録されたものである。
図32に示すように、使用カセッテ選択部113は、第2状態情報および仕様情報をカセッテID毎にまとめた第2状態情報・仕様情報リスト120を生成する。使用カセッテ選択部113は、第2電子カセッテ15Bからの第2状態情報および仕様情報だけでなく、第1電子カセッテ15A自身の第2状態情報および仕様情報も第2状態情報・仕様情報リスト120に登録する。図32では、カセッテID「DR0002」、「DR0003」、「DR0004」の第2状態情報および仕様情報が第2電子カセッテ15Bのもの、カセッテID「DR0001」の第2状態情報および仕様情報が第1電子カセッテ15A自身のものである。
使用カセッテ選択部113は、第2状態情報・仕様情報リスト120および推奨仕様情報に基づいて、さらに図33に示すスコアリスト121を生成する。スコアリスト121は、第2状態情報および仕様情報の各項目について、予め設定されたスコアを登録したものである。
例えばメモリ67の空き容量に関するスコアは、空き容量が最も多いものは「10」、2番目に多いものは「7」、3番目に多いものは「4」、4番目に多いものは「1」等、空き容量が少なくなるにつれ低い値が設定されている。図33では、図32に示すようにカセッテID「DR0003」の第2電子カセッテ15Bが空き容量「500MB」で最も多く、次いで「DR0002」の「200MB」、「DR0001」の「150MB」、「DR0004」の「20MB」の順であるため、カセッテID「DR0003」に「10」、「DR0002」に「7」、「DR0001」に「4」、「DR0004」に「1」が登録されている。
バッテリ44の残り使用時間に関するスコアは、残り使用時間が短くなるにつれ低い値が設定されている。また、仕様情報の外形サイズおよび画素数に関するスコアは、撮影メニュー情報取得部111からの撮影メニューに対応付けられた推奨仕様情報の推奨外形サイズおよび推奨画素数と一致する場合は「10」、一致しない場合は「0」が設定されている。なお、図示は省略するが、累積撮影回数に関するスコアは、累積撮影回数が多くなるにつれ低い値が設定され、オフセット補正用画像の検出処理の実施日時に関するスコアは、実施日時が現在日時から遠ざかるにつれ低い値が設定される。
使用カセッテ選択部113は、第2状態情報および仕様情報の各項目について登録したスコアを加算して、カセッテID毎の合計スコアを算出する。使用カセッテ選択部113は、算出した合計スコアが最も高いカセッテIDを、使用カセッテのカセッテIDとして出力する。図33の場合は、カセッテID「DR0002」が合計スコア「52」と最も高いので、使用カセッテのカセッテIDとして「DR0002」が出力される。こうすることで、メモリ67の空き容量が比較的多く、バッテリ44の残り使用時間が比較的長く、累積撮影回数が比較的少なく、オフセット補正用画像の検出処理を比較的最近実施し、かつ外形サイズおよび画素数が推奨外形サイズおよび推奨画素数と一致する電子カセッテ15が、使用カセッテとして選択される確率が高くなる。
次に、本実施形態の構成による作用を、図34のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS200に示すように、コンソール16で電子カセッテ15の仮選択が行われる。次いでステップS210に示すように、撮影メニューの設定が行われて、設定された撮影メニュー、およびこれに対応する照射条件等がクレードル21を介して仮選択された電子カセッテ15、すなわち第1電子カセッテ15Aに送信される。
第1電子カセッテ15Aでは、コンソール16からの撮影メニューが有線通信部43で受信され(ステップS300)、撮影メニューの情報が撮影メニュー情報取得部111で取得される。撮影メニュー情報取得部111から、撮影メニューの情報が第2状態情報・仕様情報取得部112および使用カセッテ選択部113に出力される。
また、撮影メニュー情報取得部111から送信モード制御部83に仮選択通知が出力される。仮選択通知を受けた送信モード制御部83により、無線通信部42が親機モードに切り替えられてAPとして作動される(ステップS310)。第2電子カセッテ15Bでは、無線通信部42で第1電子カセッテ15Aの無線通信部42からのビーコンが受信され、図10に示す接続シーケンスによって、第1電子カセッテ15Aと第2電子カセッテ15Bとの間で通信リンクが確立される(ステップS400)。
第2状態情報・仕様情報取得部112から無線通信部42に情報取得要求が出力され、無線通信部42から第2電子カセッテ15Bに情報取得要求が無線送信される(ステップS320)。
第2電子カセッテ15Bでは、第1電子カセッテ15Aからの情報取得要求が受信される(ステップS410)。この情報取得要求に応答して、第2電子カセッテ15Bから第2状態情報および仕様情報が第1電子カセッテ15Aに無線送信される(ステップS420)。
第1電子カセッテ15Aでは、第2電子カセッテ15Bからの第2状態情報および仕様情報が受信され(ステップS330)、第2状態情報・仕様情報取得部112で取得される。第2状態情報および仕様情報は、第2状態情報・仕様情報取得部112から使用カセッテ選択部113に出力される。
使用カセッテ選択部113では、第2状態情報および仕様情報をカセッテID毎にまとめた第2状態情報・仕様情報リスト120が生成され、さらに、第2状態情報および仕様情報の各項目について、予め設定されたスコアを登録したスコアリスト121が生成される。そして、カセッテID毎の合計スコアが算出され、合計スコアが最も高い電子カセッテ15が、使用カセッテとして選択される(ステップS340)。
使用カセッテに仮選択された第1電子カセッテ15A自身が選択された場合(ステップS350でYES)、使用カセッテ選択部113から表示制御部114に使用カセッテ通知が出力される(ステップS360)。これにより第1電子カセッテ15Aのインジケータ105が動作し(ステップS370)、オペレータOPに第1電子カセッテ15Aが使用カセッテに選択されたことが報せられる。
一方、第2電子カセッテ15Bが使用カセッテに選択された場合(ステップS350でNO)は、使用カセッテ選択部113から無線通信部42に使用カセッテのカセッテIDが出力される。これにより無線通信部42から使用カセッテ選択部113からのカセッテIDの第2電子カセッテ15Bに使用カセッテ通知が送信される(ステップS380)。
第2電子カセッテ15Bで第1電子カセッテ15Aからの使用カセッテ通知を受信した場合(ステップS430でYES)は、第2電子カセッテ15Bのインジケータ105が動作し(ステップS440)、オペレータOPに第2電子カセッテ15Bが使用カセッテに選択されたことが報せられる。
使用カセッテの選択後、第1電子カセッテ15Aからコンソール16に使用カセッテのカセッテIDが送信される(ステップS390)。コンソール16では使用カセッテのカセッテIDが受信され、オーダ管理リスト35のカセッテIDの項目に使用カセッテのカセッテIDが登録され、オーダ管理リスト35が更新される(ステップS220)。
撮影メニューの設定後、オペレータOPは、クレードル21に収容された複数台の電子カセッテ15のうち、インジケータ105が動作している電子カセッテ15をクレードル21から取り出して、立位撮影台91または臥位撮影台92にセットする。以降の作業は第2実施形態と同じであるため説明を省略する。
第1電子カセッテ15Aと第2電子カセッテ15Bの間で通信リンクを確立し、第1電子カセッテ15Aに第2電子カセッテ15Bの第2状態情報および仕様情報を収集して、撮影メニューの情報、第2状態情報、および仕様情報に基づいて、第1電子カセッテ15Aで使用カセッテを選択するので、常に撮影メニューに適した電子カセッテ15を使用カセッテに選択することができる。このため、オペレータOPは使用する電子カセッテ15の選択にあれこれと悩まずに済む。したがって、オペレータOPは円滑にX線撮影を進めることができる。
第2状態情報は、第2電子カセッテ15Bのメモリ67の空き容量の情報、および第2電子カセッテ15Bのバッテリ44の残り使用時間の情報を含むので、空き容量が比較的多く、残り使用時間が比較的長い第2電子カセッテ15Bを使用カセッテとして選択することができる。こうすれば、X線撮影の途中でメモリ67の空き容量が不足したり、バッテリ44が切れたりして、X線撮影が中断されてしまうことを避けることができる。
使用カセッテに選択されたことを表示するインジケータ105を設けたので、オペレータOPは使用カセッテを簡単に見分けることができる。また、使用カセッテではない電子カセッテ15でX線撮影を行ってしまうことを防止することができる。
なお、X線撮影に使用する電子カセッテ15をオペレータOPに仮選択させ、仮選択された電子カセッテ15に撮影メニュー等を送信しているが、オペレータOPに仮選択を行わせず、クレードル21に収容された複数台の電子カセッテ15のうちの任意の一台に撮影メニュー等を送信してもよい。任意の一台は、例えばクレードル21に最初に収容された電子カセッテ15であってもよいし、クレードル21の特定のスロットに収容された電子カセッテ15であってもよい。いずれにせよ、撮影メニュー等を送信された電子カセッテ15の無線通信部42がAPとして作動し、第1電子カセッテ15Aとなる。
また、図18に示す撮影室18でX線撮影を行う場合を例に説明したが、回診撮影で使用する電子カセッテ15を選択する場合に本実施形態を適用してもよい。
第2状態情報・仕様情報取得部112を、第2状態情報を取得する第2状態情報取得部と仕様情報を取得する仕様情報取得部とに分けてもよい。また、第2状態情報および仕様情報は、上記で例示したもの以外を含んでいてもよい。さらに、スコアの設定は上記の例に限らない。また、スコアを算出せずに、単純にメモリ67の空き容量が比較的多く、かつバッテリ44の残り使用時間が比較的長い電子カセッテ15を使用カセッテに選択してもよい。
上記各実施形態では、コンソール16から電子カセッテ15に撮影メニュー等を送信しているが、電子カセッテ15への撮影メニュー等の送信元としてはコンソール16に限定されない。例えばオペレータOPが携帯する携帯型情報端末を撮影メニュー等の送信元としてもよい。携帯型情報端末は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パソコン等の持ち運び可能な端末である。
携帯型情報端末を用いる場合は、電子カセッテ15とコンソール16とはクレードル21等で直接接続されていなくてもよい。この場合は、まず準備室17においてコンソール16と携帯情報端末を有線または無線接続し、コンソール16から携帯情報端末にオーダ管理リスト35をダウンロードする。そして、撮影室18または病室20において電子カセッテ15と携帯情報端末を有線または無線接続し、携帯情報端末から電子カセッテ15にオーダ管理リスト35の撮影メニュー等を転送する。こうすれば、撮影室18にクレードル21等の設備を設ける必要がなく、また、上記第1実施形態のように回診撮影の際にオーダ管理リスト35の内容を紙媒体にプリントアウトする必要もない。
また、携帯型情報端末を用いれば、図35に示すような状況にも柔軟に対処することが可能である。
図35は、第1準備室17Aおよび第1撮影室18Aと、第2準備室17Bおよび第2撮影室18Bのそれぞれ2つの準備室および撮影室が用意され、各準備室17A、17Bにはそれぞれコンソール16A、16Bが、各撮影室18A、18Bにはそれぞれクレードル21A、21Bが設けられていて、第1撮影室18Aのクレードル21Aに電子カセッテ15が収容されていない状況を示している。
この場合、オペレータOPは、まず、第1準備室17Aのコンソール16Aから携帯情報端末130にオーダ管理リスト35をダウンロードする。そして、携帯型情報端末130を携行して第1準備室17Aから第2撮影室18Bに移動し、クレードル21Bに収容された複数台の電子カセッテ15のうちの1台に、携帯型情報端末130から撮影メニュー等を転送する。
携帯型情報端末130から撮影メニュー等を転送された電子カセッテ15は、上記第4実施形態の第1電子カセッテ15Aとして働き、クレードル21Bに収容された複数台の電子カセッテ15から使用カセッテを選択する。これにより使用カセッテに選択された電子カセッテ15のインジケータ105が動作する。オペレータOPは、インジケータ105が動作している電子カセッテ15をクレードル21Bから取り出し、これを第1撮影室18Aに持ち込んで、第1撮影室18AでX線撮影を行う。
このように携帯型情報端末130を用いれば、第1撮影室18Aのクレードル21Aに電子カセッテ15が収容されていない場合に、第2撮影室18Bのクレードル21Bに収容された電子カセッテ15から使用カセッテを選択してX線撮影を行うことができる。
なお、この場合、使用カセッテのカセッテIDは、ひとまず携帯型情報端末130に送信され、携帯型情報端末130でオーダ管理リスト35を更新する。そして、準備室17Aに戻ったときに、更新したオーダ管理リスト35を携帯型情報端末130からコンソール16に返送する。コンソール16は、以前のオーダ管理リスト35を破棄して、携帯型情報端末130から返送されたオーダ管理リスト35を記憶する。
本発明は、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、第1電子カセッテ15Aと第2電子カセッテ15Bとは、APの中継機能を利用したインフラストラクチャモードではなく、アドホックモードで相互に無線通信してもよい。
本発明は、上述の種々の実施形態や種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する場合にも適用することができる。