JP6364281B2 - 皮膚老化予防又は改善剤 - Google Patents
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Description
また、皮膚の老化に関しては、老齢者由来の線維芽細胞では若年者由来の細胞と比較してコラーゲンゲルの収縮が低下することが知られており、老化によりゲルの収縮能が低下することが明らかとなっている(非特許文献8)。すなわち、線維芽細胞によるコラーゲンゲルの収縮能が低下することは、皮膚の真皮結合組織が収縮力を失い、さらには強度、弾力性を失い、結果としてシワ、タルミに至ることを示すと考えられる。従って、線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルの収縮能を高め、さらにはゲルの形成強度を高めることができれば、真皮結合組織をより収縮させ、引き締め、強度を増加させることができ、また、老化による皮膚のシワ及びタルミや、低下した皮膚の弾力性及びハリが改善され、皮膚を引き締めることができると考えられる。このような事情からコラーゲンゲルの収縮促進剤の開発が望まれていた。
しかしながら、コゴメビユに、p130Cas活性化、コラーゲンゲル収縮促進、皮膚弾力性改善、タルミやハリの改善、皮膚引き締め、シワの改善等の作用があることはこれまでに知られていない。
1)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするメカノセンサー活性化剤。
2)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮促進剤。
3)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚弾力性改善剤。
4)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚のタルミ予防又は改善剤。
5)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚引き締め剤。
6)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚のシワ予防又は改善剤。
7)コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚老化予防又は改善剤。
公知の抽出方法としては、例えば、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出及びマイクロ波抽出等が挙げられる。
より好適な水−アルコール系混合溶剤としては、20%(v/v)以上、好ましくは50%(v/v)以上、そして95%(v/v)以下、90%(v/v)以下のエタノール水溶液が挙げられる。例えば、20〜95%(v/v)エタノール水溶液、好ましくは50〜95%(v/v)エタノール水溶液が挙げられる。
前述したとおり、p130Casは、その活性又は発現を制御することでコラーゲンゲルを収縮できることが知られていたが(前記特許文献1)、最近、本発明者らを含む研究グループによって、p130Casの活性が老化皮膚において減少しており、p130Casが皮膚の老化に関与していることが示された(後記参考例、表5)。よって、メカノセンサーであるp130Casを活性化することにより皮膚老化の予防又は改善を図ることができる。また、線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルの収縮能を高めることができれば、真皮結合組織を収縮させ、引き締め、強度を増加させることができると云える。したがって、コゴメビユ抽出物に、p130Cas活性化作用があったことは、コゴメビユ又はその抽出物が皮膚の老化予防又は改善に有効であると云え、また、ヒト皮膚線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルの収縮促進作用があったことは、コゴメビユ又はその抽出物が、真皮結合組織をより収縮させ、引き締め、強度を増加させることができ、老化等により低下した皮膚の弾力性を向上させ、皮膚のタルミやシワの抑制や回復、ハリの維持又は回復、皮膚引き締めに有効であると云える。
ここで、ヒトに対する使用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
また、「皮膚弾力性改善」には、皮膚の弾性の向上や加齢等による皮膚の弾性低下の抑制が包含され、「皮膚のタルミ予防又は改善」には、皮膚の弾性低下に伴って生じる皮膚のタルミの抑制や回復、ハリの回復や維持、シワの減少やシワの増加の抑制が包含される。
「皮膚老化」とは、加齢に伴う生理的老化と日光暴露(紫外線)による光老化の何れか或いは両方を包含し、主として皮膚にハリが無くなり皮膚のシワやタルミが生じることを意味する。
斯かる製剤は、それぞれ一般的な製造法により、直接又は製剤上許容し得る担体、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等とともに混合、分散した後、所望の形態に加工することによって得ることができる。また、これらの化粧品、医薬部外品又は医薬品等には、それぞれの製剤に応じて、適宜、植物抽出物、殺菌剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、清涼剤、抗脂漏剤等を本発明の効果を妨害しない範囲で適宜配合することができる。
また、上記化粧品、医薬品又は医薬部外品の適用対象者としては、それを必要としていれば特に限定されないが、皮膚の弾力性改善、皮膚のタルミやハリの予防又は改善、皮膚のシワの予防又は改善、或いは皮膚引き締めを望むヒトが好ましい。
<1>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするメカノセンサー活性化剤。
<2>メカノセンサーがp130Casである<1>のメカノセンサー活性化剤。
<3>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮促進剤。
<4>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚弾力性改善剤。
<5>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚のタルミ予防又は改善剤。
<6>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚引き締め剤。
<7>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚のシワ予防又は改善剤。
<8>コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚老化予防又は改善剤。
<9>メカノセンサー活性化剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<10>コラーゲンゲル収縮促進剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<11>皮膚弾力性改善剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<12>皮膚のタルミ予防又は改善剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<13>皮膚引き締め剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<14>皮膚のシワ予防又は改善剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<15>皮膚老化予防又は改善剤を製造するための、コゴメビユ又はその抽出物の使用。
<16>メカノセンサー活性化に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<17>コラーゲンゲル収縮促進に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<18>皮膚弾力性改善に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<19>皮膚のタルミ予防又は改善に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<20>皮膚引き締めに使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<21>皮膚のシワ予防又は改善に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<22>皮膚老化予防又は改善に使用するためのコゴメビユ又はその抽出物。
<23>コゴメビユ又はその抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚弾力性改善方法。
<24>コゴメビユ又はその抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚のタルミ予防又は改善方法。
<25>コゴメビユ又はその抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚引き締め方法。
<26>コゴメビユ又はその抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚の皮膚のシワ予防又は改善方法。
<27>コゴメビユ又はその抽出物を、それらを必要とする対象に有効量で投与又は摂取する皮膚老化予防又は改善方法。
<28><16>〜<27>において、使用又は方法は非治療的な使用又は非治療的な方法である。
<29><9>、<16>において、メカノセンサーはp130Casである。
<30>前記<1>〜<27>において、植物の使用部位は、好適には全草である。
<31>前記<1>〜<27>において、植物抽出物を得るための抽出溶剤が、水、アルコール系(アルコール類及び/又は多価アルコール類)溶剤、又は水−アルコール系混合溶剤である。ここで、アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールがより好ましく、エタノールがさらに好ましく、また、多価アルコール類としてはブチレングリコールがより好ましい。
<32>前記<1>〜<27>において、植物抽出物を得るための抽出溶剤が、水−アルコール系混合溶剤であり、更に好適には、20%(v/v)以上95%(v/v)以下のエタノール水溶液、50%(v/v)以上95%(v/v)以下のエタノール水溶液である。
<33>前記<1>〜<27>において、植物抽出物を得るための抽出溶剤が、炭化水素類、好ましくはヘキサンである。
実施例1 コゴメビユ水抽出物の製造
コゴメビユの全草(Monteagle Herbsより入手)の粉砕物50gを水500mLに浸漬し、70℃にて5時間抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を濃縮し、蒸発残分1(w/v)%になるように10%エタノールに溶解し、コゴメビユ水抽出物を調製した。
コゴメビユの全草(Monteagle Herbsより入手)の粉砕物50gを50%エタノール水溶液500mLに浸漬し、室温にて7〜15日間抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を濃縮し、蒸発残分1(w/v)%になるように50%エタノールに溶解し、コゴメビユの50%エタノール抽出物を調製した。
コゴメビユの全草(Monteagle Herbsより入手)の粉砕物50gを95%エタノール水溶液500mLに浸漬し、室温にて7〜15日間抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を濃縮し、蒸発残分1(w/v)%になるように95%エタノールに溶解し、コゴメビユの95%エタノール抽出物を調製した。
コゴメビユの全草(Monteagle Herbsより入手)の粉砕物10gをヘキサン200mLに浸漬し、室温にて7〜15日間抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を濃縮し、蒸発残分1(w/v)%になるように99.5%エタノールに溶解し、コゴメビユのヘキサン抽出物を調製した。
コラーゲンゲルは文献「J. Cell Science,102,315(1992)」または「J. Invest. Dermatol,93,792(1989)」を参考にした方法で作製した。すなわち、氷冷下コラーゲンゲル溶液(新田ゼラチン社製、tape I−A(3.0mg/mL,pH=3))にHEPES(0.01Mの水酸化ナトリウムを含む)、DMEM(GIBCO DMEM, low glucose)5倍濃縮溶液、FBS(5%、Fatal Bovine Serum)、精製水を加え、十分に攪拌中和した後、最終濃度0.001、又は0.0003質量%(乾燥固形換算質量%)となるように被験物質(実施例1〜4で調製したコゴメビユ抽出物、又はコントロールとしてエタノール)を加え、最後にヒト皮膚線維芽細胞(ヒト包皮由来)の懸濁液を加え十分に攪拌し、気泡を取り除いた後、24穴プレートに各穴0.6mLずつ注入し、直ちに37℃でゲル化させた。この際のコラーゲン濃度は1.5mg/mLに調製した。24時間後にプレートの各穴に液体培地を加え、ゲルの周囲を剥離して、その後さらに37℃で48時間培養した。48時間培養後、天秤秤にてゲルの重量を計測した。
ヒト皮膚線維芽細胞(ヒト包皮由来、Cascade Biologics社)を12−well plateに1×105 cell/wellの細胞密度で、FBS(5%、Fatal Bovine Serum)を含むDME培地(GIBCO DMEM、high glucose)を用いて播種した。翌日、培地をFBS無添加のDME培地と置換し、さらに1日後に実施例3で調製したコゴメビユ抽出物を終濃度が0.001%(乾燥固形換算質量%)となるように添加した培地と置換した。尚、コゴメビユ抽出物の溶媒である95%エタノールを等量加えた細胞をcontrolとした。さらに翌日に細胞を回収後、Cell lysisバッファーを用いて定法に従ってタンパク質を抽出し、抗リン酸化p130Cas抗体、p130Cas抗体を用いたウェスタンブロッティングにより活性化p130Cas、total p130Casタンパクを検出した。得られた目的のバンドはLane&Spot analyzer(ATTO社)を用いた画像解析によって定量化した。
結果を図1及び表2に示す。図1及び表2より明らかなように、コゴメビユ抽出物の添加により、p130Casのリン酸化が亢進し、p130Casが活性化された。
実施例3で調製したコゴメビユ抽出物5%を配合した美容液処方を用いて、9名の男性被験者を対象とし、プラセボを陰性対照とした、同一被験者におけるハーフフェイス比較塗布試験を行った。被験者には、顔の右側、または左側のいずれかに適量(約200μL)のコゴメビユ抽出物を含むサンプルと、当該抽出物の代わりに溶媒を添加した処方(プラセボ)を1日3回(朝・夕・夜)、3ヶ月間に渡って毎日塗布頂いた。試験開始時(0週時)、また試験開始から6、12週間後に、目尻のシワの目視評価、写真撮影、肌性状計測複合機を用いた皮膚弾性測定を行った。
肌性状計測複合機(MPA580、courage-khazaka社)を用いて目尻、頬の皮膚弾性を測定した。開始時(0週時)を1とした際の、純弾性値(Uv/Ue)変化率を表3に示す。
表3より明らかなように、コゴメビユ抽出物の塗布群では塗布前と比較して塗布6週間後、及び12週間後で有意に弾性値が高く、一方、プラセボ塗布群では有意差はないことから、コゴメビユ抽出物による優れた皮膚弾力性改善効果が認められた。
目尻の写真は、ガイドラインに準拠した方法で撮影した。すなわち、ストロボ(Mono 200 Protect社)と、デジタルカメラ−PC制御システム(Nikon D200、Nikon Capture、Nikon社)を使用した。被験者には椅子に座って頂き、顎及び顔を固定台に固定頂いた。撮影した写真を用いて、シワ程度の相対的評価を行った。参考文献(非特許文献:Takeya M. et al, 2013. Comparisons between the relative evaluation method of wrinkles and the absolute scoring method of wrinkles using photos. 香粧品学会誌 37, 268-73)の方法に準じて、試験開始時(0週時)と、6週間後または試験終了時(12週間後)に撮影した写真を比較し、開始時に対する6週間後、12週間後のシワの相対的な変化を「2.明らかに減少」、「1.やや減少」、「0.変化なし」、「−1.やや増加」、また「−2.明らかに増加」の5段階でスコア付けを行った。評価は香粧品学会が定めるガイドラインのtrained expertに相当するシワ評価に熟達した研究員が行った。尚、本評価の際にも、評価者には被験者の左右どちらがサンプル側か、またはプラセボ側かについて明らかにしない条件下で行った。結果を表4に示す。
表4より明らかなように、コゴメビユ抽出物の塗布群はプラセボ塗布群よりもシワ改善度が大きく、コゴメビユ抽出物による優れたシワ改善効果が認められた。
4週齢と、24週齢以上のヘアレスマウス皮膚をタカラバイオ社より購入した。ガラスホモジナイザーを用いてcell lysis バッファー(Cell Signaling社)中で皮膚片を破砕しタンパク質を回収後、定法に従ってウェスタンブロッティング解析を行った。抗リン酸化p130Cas抗体(Cell Signaling社)と、p130Cas抗体(BD Bioscience社)を用いてリン酸化状態の活性化p130Casとtotalp130Casを検出した。得られた目的のバンドをLane & Spot analyzer (ATTO社)を用いた画像解析によって定量化し、活性化p130Casの定量値をtotalp130Casの定量値で補正した結果を表5に示す。
表5の結果より、老化した皮膚においてp130Casのリン酸化レベルは低下することから、皮膚老化に伴い、p130Casの活性は減少すると考えられる。
Claims (6)
- コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするメカノセンサー活性化剤。
- メカノセンサーがp130Casである請求項1記載のメカノセンサー活性化剤。
- コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮促進剤。
- コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚弾力性改善剤。
- コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚のタルミ予防又は改善剤。
- コゴメビユ又はその抽出物を有効成分とする皮膚引き締め剤。
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