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JP6363340B2 - ナノ微細化した繊維状多糖を含むエマルション、材料及びそれらの製造方法 - Google Patents

ナノ微細化した繊維状多糖を含むエマルション、材料及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶剤の混合により得られるエマルション、このエマルションから得られる材料、及びこれらの製造方法に関する。
繊維状多糖の一種であるセルロースは、植物、例えば、広葉樹や針葉樹などの木本植物、及び竹や葦などの草本植物、ホヤに代表される一部の動物、および酢酸菌に代表される一部の菌類等によって産生されることが知られている。このセルロースが繊維状に集合した構造を有するものをセルロースファイバーと呼ぶ。特に繊維幅が100nm以下でアスペクト比が100以上のセルロースファイバーは一般的にセルロースナノファイバー(CNF)と呼ばれ、軽量、高強度、低熱膨張率等の優れた性質を有する。
天然においてCNFは、酢酸菌に代表される一部の菌類等によって産生されたCNFを除くと、単繊維として存在しない。CNFの殆どはCNF間の水素結合に代表される相互作用によって強固に集合したマイクロサイズの繊維幅を有した状態で存在する。そのマイクロサイズの繊維幅を有した繊維もさらに高次の集合体として存在する。
製紙の過程では、これらの繊維集合体である木材を化学パルプ化の一つであるクラフト蒸解法に代表されるパルプ化によって、マイクロサイズの繊維幅を有するパルプの状態にまで解繊し、これを原料に紙を製造している。このパルプの繊維幅は、原料によって異なるが、広葉樹を原料とした晒クラフトパルプで5−20μm、針葉樹を原料とした晒クラフトパルプで20−80μm、竹を原料とした晒クラフトパルプで5−20μm程度である。
前述のとおりこれらマイクロサイズの繊維幅を有するパルプは、CNFが水素結合に代表される相互作用によって強固に集合した繊維状の形態を有する単繊維の集合体であり、さらに解繊を進めることによってナノサイズの繊維幅を有する単繊維であるCNFを得ることができる。
CNFの調製方法は多々報告されているが、酸加水分解法や TEMPO触媒酸化法といった化学的手法と、グラインダー法や高圧ホモジナイザー法、水中対向衝突法(ACC法)といった物理的手法の2種類に大別される。
CNFの化学的調製方法の一つであるTEMPO触媒酸化法は、木材の晒クラフトパルプに代表されるマイクロサイズの繊維幅を有するCNF集合体のCNF表面の水酸基を、TEMPO触媒を用いてカルボキシル基に変換してNa塩にすることによって、水中でCNF間の静電反発と浸透圧効果が作用し、簡単な水中解繊処理でCNFのナノ分散を可能にする。そのため、得られるCNFは、化学修飾を受けている。また、CNFの化学的調製方法の一つである酸加水分解法においても、用いる酸触媒により、得られるCNFは、化学修飾を受けている。
CNFの物理的調製方法であるグラインダー法、高圧ホモジナーザー法では、セルロースは、ナノ微細化過程で受ける磨砕や衝撃により、セルロース分子構造の損傷や、重合度低下を受ける。したがって、得られるCNFは、その特性に影響を及ぼすセルロース分子構造の損傷や、重合度低下を受けている。
これに対し、CNFの調製方法のうち物理的方法の一つであるACC法は、木材の晒クラフトパルプに代表されるマイクロサイズの繊維幅を有するCNF集合体の懸濁水を高圧下で対向衝突させることによって、実質的に水等の流動媒体とパルプの流動エネルギのみを駆動源としてCNF間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行う。
このACC法は特許文献1にも開示されているように、水に懸濁した天然セルロース繊維を、チャンバー(図5:3)内で相対する二つのノズル(図5:4a,4b)に導入し、これらのノズルから一点に向かって噴射、衝突させる手法である(図5)。この手法によれば、天然微結晶セルロース繊維(例えば、フナセル)の懸濁水を対向衝突させ、その表面をナノフィブリル化させて引き剥がし、キャリアーである水との親和性を向上させることによって、最終的には溶解に近い状態に至らせることが可能となる。図5に示される装置は液体循環型となっており、タンク(図5:1)、プランジャー(図5:2)、対向する二つのノズル(図5:4a,4b)、必要に応じて熱交換器(図5:5)を備え、水中に分散させた微粒子を二つのノズルに導入し高圧下で合い対するノズル(図5:4a,4b)から噴射して水中で対向衝突させる。この手法では天然セルロース繊維の他には水しか使用せず、実質的に水等の流動媒体とパルプの流動エネルギのみを駆動源として繊維間の相互作用のみを解裂させることによってナノ微細化を行うためセルロース分子の構造変化がなく、解裂に伴う重合度低下を最小限にした状態でナノ微細化品を得ることが可能となる。物理的処理によるCNFの調製方法であるACC法は、木材の晒クラフトパルプに代表されるマイクロサイズの繊維幅を有するCNF集合体の懸濁水を高圧下で対向衝突させることにより、CNF間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行う。そのため、得られるCNFは、セルロース分子構造の損傷や、重合度の低下をほとんど受けていない。
これらの手法等により得られたCNFは、その特徴を利用したさまざまなアプリケーションの提案がなされている。すなわち、軽量・高強度・低熱膨張といった繊維自体の特徴や、ナノサイズの繊維幅という形態的特徴を利用し、プラスチック等の樹脂の補強材や透明フィルム等への応用が期待されている。
CNFを利用していくにあたり問題となるのがCNFの相溶性である。CNFはセルロース分子に由来する水酸基により、繊維表面は親水性の特徴を持つため、プラスチック等の樹脂の補強材として利用する際には相溶性が悪いためCNF同士が凝集を起こしてしまう。そのためCNF表面の化学修飾等による分散性向上の試み等が盛んに行われている(非特許文献1、2)。
化学修飾を施したCNFは、有機溶剤への相溶性が向上することが知られている(非特許文献1、2)。CNF表面の水酸基を化学修飾することにより疎水化し、疎水性性質を有する樹脂等への複合化を目的に研究が行われている。一方、この特徴を生かし、有機溶剤との混合によるエマルション形成の研究もいくつか報告されている(非特許文献3、4)。しかし、いずれも化学修飾を用いて繊維表面の電荷を変えていたり、エマルション形成に用いるCNFやセルロースナノクリスタル、セルロースナノウィスカー等は先述の化学的調製方法により調製されているためにナノ微細化過程で化学修飾を受けている。CNF表面の水酸基による親水的性質と化学修飾により付加された疎水的性質を同一繊維内に有することにより、有機溶剤との混合においてエマルションを形成する。
CNF表面を化学修飾したCNFや、化学的調製方法により化学修飾を受けてナノ微細化されたCNFは、本来自然界に存在する天然のセルロースとは異なる。そのため、長期間の暴露による安全性や環境への影響は分からない。
また、ACC法以外の物理的方法によりナノ微細化して調製されたCNFは、ナノ微細化の過程で、セルロース分子構造の損傷や重合度の低下を受けることがあり、本来自然界に存在する天然のセルロースとは特性が異なる可能性がある。
特開2005−270891
Gousse, C., Chanzy, H., Cerrada, M. L. and Fleury, E. (2004): Surface silylation of cellulose microfibrils: preparation and rheological properties, Polymer, 45(5), 1569-1575. John, M. J. and Anandjiwala, R. D. (2008): Recent Developments in Chemical Modification and Characterization of Natural Fiber-Reinforced Composites, Polym. Compos., 29(2), 187-207. Sebe. G., Pichavant. F.H. and Pecastaings. G. (2013): Dispersibility and emulsion-stabilizing effect of cellulose nanowhiskers esterified by vinyl acetate and vinyl cinnamate, Biomacromolecules, 14, 2937-2944. Kalashnikova. I., Bizot. H., Cathala. B. and Capron I. (2011): New pickering emulsions stabilized by bacterial cellulose nanocrystals, Langmuir, 27, 7471-7479.
CNFは現在さまざまな利用法の検討が行われているが、その一つとしてエマルション形成を利用した新規用途開発が挙げられる。しかし、現在エマルション形成のため検討されているCNFは、CNF調製工程及び/又は前後の工程で意図的に化学修飾したり、使用する化学薬品で化学修飾を受けたりしたCNFで、本来は天然に存在しないCNFである。
本発明は、セルロースに、物理的なダメージをほとんど与えないだけでなく、安全性や環境保全を重視して化学的処理や化学修飾を行うことなく、実質的に水とパルプの流動エネルギのみを駆動源とするナノ微細化手法により調製したCNF懸濁水を用い、現在さまざまな利用法の検討がなされているCNFのアプリケーションのひとつとして、有機溶剤とのエマルション、このエマルションから得られる材料及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ナノ微細化した繊維状多糖の薄層が、個別の球状中空体の形態で存在するナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶剤とのエマルションが提供される。
さらに、本発明によれば、ナノ微細化した繊維状多糖が、多数の球状の空隙を有する網状組織の形態で存在するナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶剤とのエマルションが提供される。
また、ナノ微細化した繊維状多糖の薄層からなる球状中空材料が提供される。
さらに、多数の球状の空隙を有するナノ微細化した繊維状多糖の網状組織からなる材料が提供される。
これらのエマルション及び材料においては、ナノ微細化した繊維状多糖がセルロースナノファイバーであり、且つそのセルロースナノファイバーは化学修飾が施されていないことが好ましい。
また、これらのエマルション及び材料においては、ナノ微細化した繊維状多糖がセルロースナノファイバーであり、且つそのセルロースナノファイバーはセルロース分子構造の損傷や重合度の低下を受けていないことが好ましい。
本発明の別の特徴によれば、ナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶媒とを混合することからなるエマルションの製造方法が提供される。このエマルションにおいては、ナノ微細化した繊維状多糖の薄層が、個別の球状中空体の形態で、又はナノ微細化した繊維状多糖が、多数の球状の空隙を有する網状組織の形態で存在する
さらに、本発明によれば、ナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶媒と混合してエマルションを調製することと、このエマルションを乾燥させることからなる材料の製造方法が提供される。この材料は、ナノ微細化した繊維状多糖の薄層からなる球状中空材料、又は多数の球状の空隙を有するナノ微細化した繊維状多糖の網状組織である。
これらの製造方法においては、ナノ微細化した繊維状多糖がセルロースナノファイバーであり、且つそのセルロースナノファイバーは化学修飾が施されていないことが好ましい。
また、これらの製造方法においては、ナノ微細化した繊維状多糖がセルロースナノファイバーであり、且つそのセルロースナノファイバーはセルロース分子構造の損傷や重合度の低下を受けていないことが好ましい。
さらに、これらの製造方法においては、非水溶性の有機溶媒がアルカンであることが好ましい。
非水溶性の有機溶剤は、ナノ微細化した繊維状多糖、例えばCNFと反応を起こさないものであれば特に限定されない。繊維状多糖としては、セルロースのほか、グルカン、フルクタン、キチン、キトサン、グルコマンナンなどが挙げられる。混合する方法は機器や人力による撹拌、超音波等を使った混合でもよく、特に限定されない。
この混合により得られた混合液はエマルションを形成する。形成されるエマルションの状態は、混合に用いるCNFの原料により異なる。具体的には、原料に竹を用いたCNF懸濁水を用いると、各々のミセルは内部および外部に溶媒が存在した単独の球状ミセルとして存在する。しかし、木材由来のCNF懸濁水を用いた場合はミセル内部にのみ溶媒が存在し、外部にはセルロースナノファイバーが存在している。そのため、セルロースナノファイバーは、原料が竹の場合は独立した球状中空粒子を形成する。一方、木質由来の場合は多数の球状の空隙を有するスポンジ状構造を形成する。
形成されたエマルションは非常に安定であり、長期にわたって維持される。
本発明によれば、化学修飾等の複雑な処理を行わないCNF懸濁水を用い、非水溶性の有機溶剤と混合するだけで、容易にエマルションを得ることが可能であり、既存の工業製品等への応用だけでなく、CNFの新規利用法としての可能性を秘めている。
本発明のエマルションの経時変化の観察写真。 本発明のエマルションの状態観察写真。エマルション調製5日後に試料の入った容器を傾けた際の状態。 本発明のエマルションの光学顕微鏡観察像。白濁箇所を100倍に拡大して観察した像。 本発明のエマルションの走査型電子顕微鏡観察像。白濁箇所を凍結したのち割断し、凍結乾燥させた試料の観察像。(a)、(c)木材由来の晒クラフトパルプを原料にして調製したCNF懸濁水を用いた場合、(b)、(d)竹由来の晒クラフトパルプを原料にして調製したCNF懸濁水を用いた場合。(a)、(b)は共に300倍観察像、(c)は1000倍観察像、(d)は1500倍観察像。 ACC法の説明図 ACC法以外に実質的に水等の流動媒体の流動エネルギのみを駆動源として繊維間の相互作用のみを解裂させることによってナノ微細化を行うナノ微細化手法の説明図
以下に本発明のCNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合により得られるエマルションの調製方法と得られたエマルションの特徴について詳細に説明する。
CNF懸濁水の原料としては、セルロースを含むものであれば特に限定されず、例えば各種木材パルプ、非木材パルプ、バクテリアセルロース、古紙パルプ、コットン、バロニアセルロース、ホヤセルロース等が挙げられる。また市販されている各種セルロース粉末も使用できる。
CNF懸濁水の調製方法は、実質的に水等の流動媒体の流動エネルギのみを駆動源として繊維間の相互作用のみを解裂させることによってナノ微細化を行うナノ微細化手法であればよく、ACC法がこれに該当するものの、特にACC法に限定されない。以下に、図5を参照して、ACC法の一例を説明する。上記の原料の懸濁水を調製してタンク1に投入し、所定の噴射圧力を得るためプランジャー2で昇圧し、チャンバー3内の相対する二つのノズル4a、4bに導入する。これら二つのノズル4a、4bから、上記懸濁水を所定の噴射圧力で一点に向かって噴射、衝突させた後、熱交換器5によって冷却し、タンク1に戻す。このタンク1→プランジャー2→チャンバー3→熱交換器5の循環サイクルの反復数を処理回数(パス)とする。原料の濃度は使用する機器の性能により異なるため、処理可能な濃度であれば特に限定されないが、20wt%以下、好ましくは10wt%以下である。噴射圧力も使用する機器の性能により異なるため、原料のナノ微細化が起こる噴出圧力であれば特に限定されないが、通常100MPa以上、好ましくは150〜250MPaである。処理回数は噴出圧力との兼ね合いで異なるが、好ましくは3パス以上、より好ましくは30〜150パスである。
このACC法以外に実質的に水等の流動媒体の流動エネルギのみを駆動源として繊維間の相互作用のみを解裂させることによってナノ微細化を行うナノ微細化手法としては、図6に示すようにパルプスラリー液を一のチャンバーを介して第1の循環系内を循環させると共に、水を前記一のチャンバーを介して第2の循環系を循環させ、前記第1の循環系内を循環して前記一のチャンバー内を流通するパルプスラリー液に対して前記第2の循環系を循環する水をオリフィス噴射するナノ微細化手法を適用することができる。ナノ微細化手法ではACC法とは異なりパルプスラリー液の対抗衝突エネルギが微細化の駆動源とはならず、パルプスラリー液に対してオリフィス噴射される水の高速・高圧エネルギによって、パルプスラリー液のパルプの微細化が行われる。
非水溶性の有機溶剤は、常温常圧において液体であって水と相溶性のないものが好ましいが、特に限定されない。非水溶性の有機溶剤の例としては、炭素数5以上のアルカン、好ましくは炭素数6〜20のアルカンがあげられる。
CNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との割合は、CNF懸濁水中のCNF含有量とエマルション中のミセルの大きさにより左右されるため特に限定されない。
混合を行う際の、温度も特に限定されないが、用いる有機溶剤の沸点以下でなければならない。さらに、温度の下限値は水の凍結する温度である0℃以上であれば限定されない。低沸点の有機溶剤を使用する際には10℃以下0℃以上が好ましい。
CNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合は、両者が混ざる方法であれば、機器を用いても、人力で混合してもよい。手法としては、アジテーターや攪拌機を用いた撹拌による混合の他、超音波等による混合でもよく、特に限定されない。
本発明のCNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合により得られるエマルションは、図1に示すように長期間にわたりその状態を維持することが確認された。
本発明のCNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合により得られるエマルションは、用いるCNF懸濁水の原料によりその状態が異なる。図1に示すように、木材パルプが原料のCNF懸濁水を用いると、エマルションは水層(下層)と有機溶媒層(上層)の間に生じ、竹パルプが原料のCNF懸濁水を用いると、エマルションは有機溶媒を全て取り込み、有機溶媒層は確認出来ない状態となった。エマルション形成5日後の液を傾けて観察した図2から分かるように、竹パルプが原料のCNF懸濁水を用いて得られたエマルションは高い粘性を示した。また図3の光学顕微鏡写真からエマルション中にはミセルが形成されていることが確認された。さらには、図4のエマルション形成部を凍結したのち割断した面の走査型電子顕微鏡写真から、木材パルプが原料のCNF懸濁水を用いて得られたエマルションではミセル内部が空洞で、ミセルとミセルの間をCNFが埋め尽くしていることが分かった。竹パルプが原料のCNF懸濁水を用いて得られたエマルションでは、ミセルは単独で存在し、CNFがミセルを形成している状態が確認された。このようなミセルの形成には、CNFの両親媒性的な働きが寄与していると思われる。
これらの結果から、CNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合により得られる本発明のエマルションの調製には、化学修飾等の特別な処理を一切必要としない。単に、CNF懸濁水を有機溶剤と混合するだけで容易に調製可能であり、また得られたエマルションは長期にわたりその状態を維持する。さらには、用いるCNF懸濁水の原料種を変えることにより異なる特徴を有するエマルションが調製可能である。
CNF懸濁水と非水溶性の有機溶剤との混合により得られる本発明のエマルションは、その容易な調整方法と特徴から、既存の工業製品への応用だけでなく、CNFを用いた新たな用途開発の基礎になることが期待される。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
非水溶性の有機溶剤との混合に使用したCNF懸濁水は以下の手順により調製した。湿潤状態の広葉樹由来の晒クラフトパルプを、濃度0.10wt%になるように水に懸濁させ、特許文献1に示されるACC法を用いて噴出圧力180MPa、処理回数90パスの条件で処理を行い、広葉樹由来の晒クラフトパルプを原料とした0.10wt%のCNF懸濁水を得た。同様の手順により、竹由来の晒クラフトパルプを原料とした0.10wt%のCNF懸濁水を得た。
上記手法により調製された直後のCNF懸濁水10mlを、n−ヘキサン(和光純薬工業(株)製)10mlが入った容量30ccスクリュー管に入れて上下に振って混合した後、超音波処理を2分行うことにより乳化させた。なお、通常、水とn−ヘキサンを混合すると、混合直後は懸濁した状態になるが数分後には2層に分離する。その際、水が下層、n−ヘキサンが上層になって分離する。しかし、CNF懸濁水を用いると図1に示すように5日経過しても白濁した状態を維持した。
静置して5日目の各種混合溶液の状態を、スクリュー管容器を傾けて観察したものが図2である。原料の種類により得られた混合液の状態が異なることが分かる。
また、図1に観られる白濁箇所を採取し、光学顕微鏡(BHA:オリンパス社製)で100倍に拡大して観察したものが図3である。共に球状のミセルを形成していることが判明し、白濁した箇所はエマルションであることが示唆された。
ミセルの状態をより詳細に観察するため、走査型電子顕微鏡観察を行った。図1に観られる白濁箇所を走査型顕微鏡観察用の試料台に滴下し、液体窒素で凍結した後、凍結した試料をピンセットで割断してから凍結乾燥に供した。乾燥後の試料を走査型電子顕微鏡(JSM5600LV:日本電子株式会社製)により観察を行った。
図4より、広葉樹由来の晒クラフトパルプを原料にしたCNF懸濁水を用いた場合と、竹由来の晒クラフトパルプを原料にしたCNF懸濁水を用いた場合では、得られるミセルの状態が異なることが判明した。すなわち、広葉樹由来の晒クラフトパルプを原料にしたCNF懸濁水を用いた場合には、n−ヘキサンが存在していたと思われる球状の空隙が観られ、その空隙と空隙の隙間(ミセル間)をCNFが密に占めていた。つまり、CNF懸濁水の中にn−ヘキサンが球状のミセルになって存在するO/W型エマルションを形成していたことが伺えた。一方、竹由来の晒クラフトパルプを原料にしたCNF懸濁水を用いた場合には、CNFが中空球状に集合したミセルと思われる形態が観察されたが、ミセルとミセルの間には殆ど何も存在しない状態だった。つまり、ミセルとミセルは個々に独立して存在している。また、そのエマルションタイプは、広葉樹由来の場合と同様にO/W型エマルションを形成しているか、もしくは内部が水で周りがn−ヘキサンを占めるW/O型エマルションを形成しているのだが、たとえミセル内部が水溶媒だとしても、その溶媒中にはCNFが極めて少なく、ほぼ水の状態になっている状態だと考えられる。
これらの結果から、CNF懸濁水の原料の違いにより異なるエマルションを形成することが示唆された。

Claims (4)

  1. セルロース繊維間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行うことによって得られる竹由来のセルロースナノファイバーであって、かつ、化学修飾が施されていないセルロースナノファイバーの薄層が、個別の球状中空体の形態で存在してなることを特徴とするナノ微細化した繊維状多糖の懸濁水と非水溶性の有機溶剤とのエマルション。
  2. セルロース繊維間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行うことによって得られる竹由来のセルロースナノファイバーであって、かつ、化学修飾が施されていないセルロースナノファイバーの薄層からなり、球状中空であることを特徴とする材料。
  3. 請求項1に記載のエマルションの製造方法であって、セルロース繊維間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行うことによって得られる竹由来のセルロースナノファイバーであって、かつ、化学修飾が施されていないセルロースナノファイバーの懸濁水と非水溶性の有機溶媒とを混合することを特徴とするエマルションの製造方法。
  4. 請求項に記載の材料の製造方法であって、セルロース繊維間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行うことによって得られる竹由来のセルロースナノファイバーであって、かつ、化学修飾が施されていないセルロースナノファイバーの懸濁水と非水溶性の有機溶媒と混合してエマルションを調製することと、このエマルションを乾燥させることを特徴とする材料の製造方法。
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