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JP6359117B2 - トウバンドの製造方法及びトウバンド製造装置 - Google Patents

トウバンドの製造方法及びトウバンド製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、トウバンドの製造方法及びトウバンド製造装置に関する。
本書では、「フィラメント」、「ヤーン」、「トウバンド」、「フィラメントデニール」、「トータルデニール」、「詰込み量」の各用語を、以下のように定義する。
「フィラメント」は、1の紡糸孔から押し出して紡糸した1本の繊維(単繊維)を指す。
「ヤーン」は、1の紡糸筒で紡糸した複数本のフィラメントを、合一して得た1の繊維束(単繊維の集合体)を指す。
「トウバンド」は、紡糸筒相当数の全ヤーン、すなわち、全ての紡糸機で紡糸した全フィラメントを合一し、これを捲縮した多数本のフィラメントの繊維束を指す。
「フィラメントデニール」は、単位長さ9000m当たりの質量(g)によって表されるフィラメント(単繊維)の繊度であり、以下、「FD」とも称する。トウバンドのFDは、トウバンドを構成する1本分のフィラメントの繊度を意味する。
「トータルデニール」は、単位長さ9000m当たりの質量(g)によって表される、トウバンドの繊度であり、以下、「TD」とも称する。
「詰込み量」は、1本のフィルターロッドに充填される、トウバンドの正味重量である。
シガレットフィルター(「プラグ」または「チップフィルター」とも称する。)の素材として、たとえばセルロースアセテート繊維を用いたトウバンドが用いられている。
複数本のフィラメントに含まれるアセトン、水及び揮発成分の重量に関連する記述における「重量%」は、複数本のフィラメントの乾燥重量に対する重量割合を指す。
トウバンドを製造する場合、一例として、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解し、紡糸原液を調整する。複数の紡糸筒を備えた紡糸機に紡糸原液を供給し、各紡糸筒に配された紡糸口金の多数の紡糸孔から紡糸原液を吐出して、複数本のフィラメントを紡糸する。この複数本のフィラメントを集め、捲縮機により複数本のフィラメントを捲縮することで、トウバンドを得る。トウバンドとその製造方法については、たとえば特許文献1及び2に開示されている。
シガレットフィルターを製造する場合、一例として、トウバンドを開繊し、且つ、可塑剤を添加して円柱状に成型する。このトウバンドの外周を巻紙で巻回し、所定長さに切断してフィルターロッドを形成する。このフィルターロッドをさらに所定長さに切断し、シガレットフィルターを得る。
特開平7−316975号公報 特開2007−78652号公報 特開2006−144176号公報
ところで、トウバンドに含まれる複数本のフィラメントのいずれかが損傷していると、トウバンドを開繊する際に、短い単繊維からなる微細な糸状体(「フライ」とも称する。)が発生することがある。この糸状体は、シガレットフィルターの製造工程(巻上工程)で可塑剤を吸収することがある。そして、可塑剤を吸収した状態で、フィルターロッドに不純物として混入しうる。この場合、糸状体に含まれる可塑剤がセルロースアセテートのフィラメントを溶解し、メルトホールと称される溶解孔を発生して品質低下を招くおそれがある。
そこで、例えば特許文献3に開示されるように、フィラメントに水を添着して可塑化することで、捲縮時にフィラメントに掛かる負担を軽減し、フィラメントを損傷しにくくする技術が開発されている。しかしながら、その効果は十分でなく、未だ改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、トウバンドの糸状体による不具合を低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るトウバンドの製造方法は、アセトンを含む紡糸溶液を用い、複数本のフィラメントを紡糸する紡糸工程と、前記紡糸工程で紡糸された前記複数本のフィラメントをゴデットロールの周面に接触させ、前記ゴデットロールを駆動させて搬送方向の下流側に送るロール送り工程と、前記ロール送り工程後、前記複数本のフィラメントに水を添着することにより、捲縮機で捲縮する際に前記複数本のフィラメントに含まれる水分量を調節する水添着工程と、前記ロール送り工程後且つ前記水添着工程前において、前記複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を測定する測定工程と、前記水添着工程後、前記複数本のフィラメントを前記捲縮機で捲縮する捲縮工程と、を備え、前記紡糸工程では、前記測定工程の測定結果に基づき、前記ゴデットロールと接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれるアセトン量を調整するものとする。
また、本発明の別の態様に係るトウバンド製造装置は、アセトンを含む紡糸溶液を用いて、複数本のフィラメントを紡糸する紡糸機と、前記紡糸機で紡糸された前記複数本のフィラメントを周面に接触させ、前記複数本のフィラメントを搬送方向の下流側に送るように駆動されるゴデットロールと、前記複数本のフィラメントを捲縮する捲縮機と、前記ゴデットロールにより送られた前記複数本のフィラメントに水を添着することで、捲縮機で捲縮する際の前記複数本のフィラメントに含まれる水分を調節する水添着装置と、前記ゴデットロールから送られ、且つ、前記水添着装置に水を添着される前の前記複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を測定する測定器と、を備え、前記紡糸機は、前記測定器の測定結果に基づくことにより、前記ゴデットロールと接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が調節可能に構成されている。
上記した本発明の各態様によれば、ゴデットロールと接触する際の複数本のフィラメントに適量のアセトンを含ませておくことで、当該フィラメントを適度に可塑化できる。従って、複数本のフィラメントがゴデットロールと接触し、当該ゴデットロールにより搬送される際、張力または摩擦力等の外力がフィラメントに及んでも、フィラメントは柔軟性を呈して損傷しにくい。また、捲縮機と接触する際におけるフィラメントの水分量を調節することで、当該フィラメントを前記アセトンと適量の水とにより可塑化できる。従って、複数本のフィラメントが捲縮機で捲縮される際、複数本のフィラメントは、損傷を防止されながら捲縮される。これにより、糸状体の発生を抑制し、且つ、フィラメントを適切に捲縮して、トウバンドを得ることができる。
ここで、発明者らの検討により、フィラメントの搬送方向において、第一の位置(例えば、ゴデットロールの近傍位置)で測定した複数本のフィラメントに含まれる水及びアセトンの比率が、第二の位置(例えば、ゴデットロールより前記搬送方向の下流の位置で、且つ、捲縮機より前記搬送方向の上流の位置)で測定した複数本のフィラメントに含まれる水及びアセトンの比率と相関関係があることが分かっている。従って、例えば、第一の位置で複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を測定することにより、第二の位置で、複数本のフィラメントに含まれる水及びアセトンが、それぞれ適量に保たれているかを検査できる。この揮発成分の残留量の測定結果に基づき、オペレータは、複数本のフィラメントに含まれるアセトン及び水の各量を管理できる。従って、複数本のフィラメントを適切に捲縮し、且つ、糸状体の発生を抑制するように図ることが可能である。
結果として、トウバンドの糸状体による不具合を低減できる。
実施形態1に係るトウバンド製造装置の全体構成を示す図である。 捲縮されたトウバンドの構成を示す一部拡大図である。 フィラメントに含まれる揮発成分における各成分比率を示すグラフである。 フィラメントに含まれる揮発成分と、フィラメントを用いてなるトウバンドを開繊した際に発生する糸状体の発生量との関係を示すグラフである。 フィルターロッド製造装置の構成を示す図である。 トウバンド中の損傷したフィラメントの混入率と、糸状体の発生量との関係を示すグラフである。 比較例の複数本のフィラメントに含まれる総揮発成分の残留量と、フィルターロッド製造時の糸状体の発生量との関係を示すグラフである。 実施例の複数本のフィラメントに含まれる総揮発成分の残留量と、フィルターロッド製造時の糸状体の発生量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を各図を参照して説明する。
<実施形態>
[トウバンド製造装置]
図1に示すように、トウバンド製造装置1は、ミキサー2と、濾過機3と、紡糸機4と、捲縮機5と、乾燥機6と、一対の搬送ロール7と、梱包機8と、水添着装置13と、測定器16とを備える。
ミキサー2は、容器と、その内部に配された攪拌機とを有し、前記容器に投入された、フィラメントFの材料と、有機溶媒等とを含む紡糸原液を混合する。フィラメントFの前記材料としては、セルロースアセテートが含まれる。前記有機溶媒には、アセトンが含まれる。ミキサー2は、紡糸原液を調整する等の目的で用いる。濾過機3は、ミキサー2で調整された紡糸原液を濾過し、不純物を除去する等の目的で用いる。
紡糸機4は、並設された複数の紡糸筒11と、各紡糸筒11に配された紡糸口金12と、不図示の定量ポンプとを備える。各紡糸筒11は、いずれも上下に延びる長尺状の筒体である。紡糸口金12は、紡糸筒11の上端部に設けられている。紡糸筒11の各々には、互いに連通する送風路11aが設けられる。送風路11aには、空気を紡糸筒11の内部に供給するためのブロワー11bと、紡糸筒11の内部に供給する空気の温度及び湿度を調節するための空気調節部11cとが配されている。紡糸口金12には、所定数の複数の紡糸孔12aが形成されている。トウバンド製造装置1では、紡糸口金12の紡糸孔12aの周縁形状及びサイズ等を調整することにより、フィラメントFのFDを所定の範囲に調整する。
フィラメントを紡糸する紡糸工程を行う際は、一例として乾式紡糸法に基づき、紡糸原液を不図示の定量ポンプにより各紡糸口金12に送り込み、紡糸筒11の内部で紡糸孔12aから下方に向けて紡糸原液を吐出する。このとき、ブロワー11bと空気調節部11cとを用い、所定の温度及び湿度に調節された空気を送風路11aを介して紡糸筒11の内部に供給することにより、前記吐出した紡糸原液を冷却し、且つ、紡糸原液に含まれる揮発成分の一部を揮発させて乾燥する。これにより、複数本のフィラメントFを紡糸する。紡糸原液に含まれる揮発成分には、水と、アセトン等を含む有機溶媒等とが含まれる。この揮発成分の揮発量は、フィラメントFの乾燥条件を変えることで調節できる。フィラメントFの乾燥条件は、例えば、紡糸筒11の内部に送り込む空気の温度及び湿度を空気調節部11cを用いて調節することや、紡糸筒11の内部に送り込む空気の供給量をブロワー11bを用いて調節することで変更可能である。
尚、図1のように、紡糸筒11の各々を1本の送風路11aによって互いに連通させることは必須ではない。たとえば、紡糸筒11の各々に対し、空気調節部11cと連通する送風路11aを個別に設けてもよい。
各紡糸筒11の下方における複数本のフィラメントFの搬送方向の下流側には、オイリング装置14と、ゴデットロール15と、ガイド部材9と、集束手段10とが、それぞれ配されている。オイリング装置14は、複数本のフィラメントFに繊維油剤及び水を含むオイルエマルジョンを添着することにより、複数本のフィラメントFに滑り性を付与する等の目的で用いる。ゴデットロール15は、フィードロールとも称され、前記オイルエマルジョンを付着した複数本のフィラメントFを周面に接触させ、合一させて束ねることにより、ヤーンYを形成する等の目的で用いる。合一されたヤーンY(複数本のフィラメントF)は、ロール送り工程において、ゴデットロール15を駆動させることで下流側に搬送される。このようにゴデットロール15で下流側に搬送された、合一されたヤーンY(複数本のフィラメントF)は、1以上のガイド部材9に接触させることでガイド部材9に案内されながら、さらに下流側に搬送される。ガイド部材9は、合一されたヤーンY(複数本のフィラメントF)と接触する部材であり、一例としてガイドピンを備えて構成される。本実施形態では、合一されたヤーンY(複数本のフィラメントF)の搬送方向において、1以上のガイド部材9が、ゴデットロール15よりも下流側に配置されている。ゴデットロール15の各々から搬送される複数本のヤーンYは、集束手段10において帯状に集束されて、捲縮機5側に搬送される。
測定器16は、一例として、近赤外線分光光度計(NIRS)を備えてなり、近赤外線を測定する測定部16aと、測定結果を表示する表示部16bとを有する。トウバンド製造装置1において、測定器16は、ヤーンY(複数本のフィラメントF)の搬送方向において、ゴデットロール15と水添着装置13との間、より具体的には、集束手段10と水添着装置13との間に配され、ヤーンY(複数本のフィラメントF)に含まれる揮発成分の残留量を測定する等の目的で用いる。測定部16aは、集束手段10から搬出され、且つ、捲縮機5へと搬送されるヤーンY(複数本のフィラメントF)に含まれる揮発成分(水と、アセトンと、繊維油剤との成分等を含む)の残留量を測定可能に配置されている。一例として、測定器16は、複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分の残留量を、各成分毎の残留量を合計したトータル量として測定する。表示部16bは、測定部16aによる測定結果を、計測値、または、複数の計測値を並べて作成したグラフ等として表示する。
水添着装置13は、スリット状の開口部を備えた不図示の中空ノズルからヤーンYに所定の水を添着する装置であり、前記ノズルには、配管を介して不図示のブロワーまたはヘッドタンクが接続され、前記ブロワーの圧力または前記ヘッドタンクのヘッド圧により、前記ノズルに水が供給される。投入する水としては、純水が好適である。トウバンド製造装置1において、水添着装置13は、ヤーンYの搬送方向における測定器16と捲縮機5との間に配置される。
捲縮機5は、スタフィングボックス型であって、一対のロール5a、5bと、一対の板状部材5c、5dと、付勢部材5eとを有する。捲縮機5は、図1中、ヤーンY(フィラメントF)を紙面左側から右側に向かって搬送する。ロール5a、5bは、一例として、同一の構成を有する駆動ロールであって、ニップロール、または押し込みロールとも称する。ロール5a、5bは、互いの軸芯が平行に配され、且つ、互いの周面を対向させて軸支されている。ロール5a、5bの各周面の接触部分には、ニップ点A1、A2が形成されている。一対の板状部材5c、5dは、ヤーンYの搬送方向の下流側において、各板面が上下方向で対向し、且つ、ヤーンYの搬送方向の上流側における各々の端部5c1、5d1が、ロール5a、5bに近接するように配置される。一対の板状部材5c、5dは、垂直方向に延びる不図示の一対の側壁部材と組み合わされ、クリンパボックス5fを構成している。付勢部材5eは、複数本のヤーンYを、板状部材5dの板面に向かって押圧するように付勢されている。一例として、付勢部材5eは、板状体として構成され、ヤーンYの搬送方向の上流側に位置する端部5e1において、板状部材5cと連結されている。これにより、付勢部材5eは、板状部材5cとの連結部分を揺動中心Pとし、上下に揺動する。付勢部材5eでは、ヤーンYの搬送方向の下流側に位置する出口側端部5e2がエアー供給による不図示のダイアフラム弁の押圧力を作用させることによって、板状部材5dの板面を押圧する方向に付勢されている。従って、ヤーンYの搬送方向及び一対のロール5a、5bの軸方向と直交する方向において、付勢部材5eは、複数本のヤーンYに対し、所定のクリンプ圧を掛けられるように配されている。
捲縮工程を行う際には、搬送される複数本のヤーンYが一対のロール5a、5bの間に通され、ニップ点A1、A2において複数本のヤーンYに所定のニップ圧を掛けながら、複数本のヤーンYがロール5a、5bから押し出される。これにより、複数本のヤーンYに微細な捲縮が掛けられる。複数本のヤーンYは、ロール5a、5bの駆動により、クリンパボックス5fの内部を下流側に搬送される。このとき、付勢部材5eが複数本のヤーンYにクリンプ圧を掛けるので、複数本のヤーンYは、クリンパボックス5fの内部において、若干滞留する。この滞留の際、複数本のヤーンYは、クリンパボックス5fの内部において、搬送方向の下流側に向かって波形に蛇行しながら折り畳まれることで、さらに捲縮される。複数本のヤーンYがクリンパボックス5fから搬出される際、複数本のヤーンYは、付勢部材5eから掛けられるクリンプ圧によって、さらに捲縮される。このように捲縮機5では、複数本のヤーンYが段階的に捲縮される。これにより、トウバンドTB0が形成される。
図2は、捲縮されたトウバンドTB0の構成を示す一部拡大図である。図2に示すように、トウバンドTBは、ヤーンYの搬送方向に向かって、山部TBaと谷部TBbとが、交互に形成されるように捲縮される。一例として、捲縮機5は、複数本のヤーンYの捲縮数が25mm当たり30山以上35山以下となるように設定されている。
図1に示すように、捲縮機5から搬出されたトウバンドTB0は、乾燥機6にて乾燥処理されることで、残留溶媒及び水がある程度まで除去される。これにより、トウバンドTBが得られる。
乾燥処理されたトウバンドTBは、一対の搬送ロール7の間に搬送され、梱包機8でベール状に折り畳まれ、且つ、圧縮されて梱包される。トウバンドTBは、後述するフィルターロッド製造装置20を用いたフィルターロッドの製造に供される。
ここで、トウバンド製造装置1では、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量が、2重量%以上17重量%以下となるのを目標値として、紡糸筒11の内部におけるフィラメントFの乾燥条件が設定されている。この乾燥条件は、一例として、紡糸速度と、外部から紡糸筒11の内部への空気供給量と、紡糸筒11の内部温度とのいずれかを調節する操作を含む。さらにトウバンド製造装置1では、捲縮機5で複数本のフィラメントFを最初に捲縮させる際の、複数本のフィラメントFに含まれる水分量が、20重量%以上50重量%以下となるのを目標値として、水添着装置13において複数本のフィラメントFに添着する水分量が設定されている。この水分量は、一例として、水添着装置13の前記ノズルに対して前記ブロワーの圧力により水を供給する際の前記ブロワーの回転数、あるいは、前記ノズルに対して前記ヘッドタンクのヘッド圧により水を供給する際の流量を調節する流量調節弁のいずれかを調節する操作を含む。
本実施形態では、フィラメントFがゴデットロール15の周面と接触する際、当該フィラメントFは、適量のアセトンを含むことにより可塑化されている。従って、フィラメントFがゴデットロール15とガイド部材9とに順に接触して搬送される際、張力や摩擦力等の外力がフィラメントFに及んでも、フィラメントFは柔軟性を呈して損傷しにくい。
また、捲縮機5で最初に捲縮される際、複数本のヤーンにおける複数本のフィラメントFは、適量の水とアセトンとを含むことにより可塑化されている。従って、複数本のフィラメントFを捲縮機5で捲縮する際、ニップ圧やクリンプ圧等の外力がフィラメントFに及ぶ場合や、複数本のヤーンYをクリンパボックス5fの内部で折り畳む際に、クリンパボックス5fの内壁からの摩擦力等がフィラメントFに及ぶ場合でも、複数本のフィラメントFは、柔軟性を呈して損傷しにくい。これにより、複数本のフィラメントFを捲縮機5で捲縮する際に、損傷を防ぎつつ適切に捲縮することができる。
近年のシガレットの嗜好の変化により、いわゆる「スリムタイプ」または「スーパースリムタイプ」、或いは「ウルトラスーパースリムタイプ」等と称される、一般のシガレットよりも径が細いシガレットが市販されている。これらの細いシガレット用のフィルターを製造するためのトウバンドTBとして、TDが小さく、且つ、FDが大きい(一例として、TDが10000以上22000以下であり、且つ、FDが6以上10以下)トウバンドTBを製造する場合、複数本のフィラメントFを捲縮しにくいことがある。このような場合でも、本実施形態によれば、フィラメントFが適量の水及びアセトン(以下、これら2つを「可塑化剤」と称する。)とを含んで可塑化されるので、当該フィラメントFをダメージを受けにくくし、且つ、良好に捲縮できる。これにより、複数本のフィラメントFを適切に捲縮し、糸状体の発生を抑制したトウバンドTBを得ることができる。
ここで、複数本のフィラメントFの乾燥具合や、ゴデットロール15と、ガイド部材9と、集束手段10とのいずれかに対する複数本のフィラメントFの接触により、複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分が奪われて減少することがある。
図3は、フィラメントに含まれる揮発成分における各成分比率を示すグラフである。図3では、測定器16による測定結果として考えうる異なる3パターンの測定結果C1、C2、C3を示している。測定結果C1、C2、C3の各々では、複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分における、水と、アセトンと、オイルエマルジョンの繊維油剤中の油脂との各成分比率を示す。
複数本のフィラメントFの状態により、複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分の残留量は、測定結果C1の測定値N1と、測定結果C2の測定値N2と、測定結果C3の測定値N3とのように、異なる値に変動する。ここで発明者らの検討によると、トウバンドの通常の製造ラインにおいて、各揮発成分の残留量における少なくとも水とアセトンとの各成分比率は、ほぼ一定であり、フィラメントFの搬送方向において、第一の位置で測定した複数本のフィラメントFに含まれる水及びアセトンの各比率が、第二の位置で測定した前記比率と相関関係を有している。また、糸状体の発生量を効果的に低減するためには、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量が、少なくとも最低基準量として、2重量%以上に保持されていればよいことが、発明者らの行った実験により分かっている。
実施形態1では、これらの知見に基づき、トウバンドTBを製造する際、ロール送り工程後且つ水添着工程前において、複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分の残留量を測定する測定工程を実施する。これにより、オペレータは、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量が、最低基準量の2重量%以上で、且つ最高基準量の17重量%以下に保持されているかを検査する。
具体的には、オペレータは、例えばゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分について、当該総揮発成分中の水とアセトンとの各成分比率を、ガスクロマトグラフィー装置等の手段を用いて予め把握する。その後、オペレータは、集束手段10から搬出されて水添着装置13側に搬送されるヤーンY(複数本のフィラメントF)に含まれる前記揮発成分の残留量を、測定器16により測定する。この揮発成分の残留量の測定結果は、表示部16bに表示される。測定器16が、揮発成分の残留量中に占めるアセトン量自体を測定しなくても、オペレータは、表示部16bに表示された揮発成分の残留量を確認し、先にガスクロマトグラフィー装置等の手段を用いて求めたアセトンの成分比率に基づいて簡単な演算を行うことで、複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量を算出できる。このように、オペレータは、測定器16の測定結果に基づき、必要に応じて紡糸筒11への空気の供給による紡糸溶液の乾燥条件を調節することで、複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量を調節することが可能である。具体的に、紡糸機4では、オペレータがブロワー11bと空気調節部11cとのいずれかを調節することにより、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量を調節できる。よって、オペレータは、複数本のフィラメントFに含まれるアセトン量を管理できる。
また、オペレータは、表示部16bに表示された揮発成分の残留量を確認し、上記したアセトン量の計算と同様に、先にガスクロマトグラフィー装置等の手段を用いて求めた水の成分比率に基づいて簡単な演算を行うことで、複数本のフィラメントFに含まれる水分量を算出できる。このように、オペレータは、測定器16の測定結果に基づき、必要に応じてオイリング装置14または水添着装置13を再調整等することで、複数本のフィラメントFに含まれる水分量を調節することが可能である。よって、オペレータは、複数本のフィラメントFに含まれる水分量を管理できる。
[揮発成分の残留量と糸状体の発生量との関係]
図4は、フィラメントに含まれる揮発成分と、フィラメントを用いてなるトウバンドを開繊した際に発生する糸状体の発生量との関係を示すグラフである。当該グラフは、具体的には、複数本のフィラメントFがゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントFに含まれる揮発成分の残留量(以下、図4の説明に関し、単に「揮発成分の残留量」と称する。)と、複数本のフィラメントFを用いてなるトウバンドTBを開繊した際に発生する糸状体の発生量との関係を示す。揮発成分の残留量は、測定器16で測定した測定値として示している。測定器16で揮発成分の残留量を測定する際の環境条件を、通常のトウバンドの製造ラインの環境条件(室温25℃)に設定した。捲縮機5で複数本のフィラメントFを最初に捲縮させる際の複数本のフィラメントFに含まれる水分量は、20重量%以上50重量%以下となるように調整した。
図4のグラフに示すように、揮発成分の残留量が少ないと、糸状体の発生量は多い。揮発成分の残留量が増加すると、これに伴って糸状体の発生量は、急激に減少する。そして、揮発成分の残留量が測定値N5になったときに、糸状体の発生量は、極小値F2となる。発明者らの行った確認試験の範囲では、揮発成分の残留量が測定値N5をある程度超えても、糸状体の発生量は、極小値F2の付近で留まることが分かった。図4中のF1は、揮発成分の残留量が測定値N4のときの糸状体の発生量であり、一例として、トウバンドを実際に作製する場合における糸状体の発生量の許容範囲の上限を示す。
測定値N5を若干超えた測定値N6よりも揮発成分の残留量が多くなると、捲縮機5において複数本のフィラメントFを捲縮しにくくなることが、発明者らの行った別の確認試験により分かった。この理由の一つとして、揮発成分の残留量が多くなると、当該揮発成分中の可塑化剤の量が増加し、フィラメントFが過度に可塑化されることが考えられる。このようなフィラメントFの過度の可塑化により、フィラメントFを捲縮させる際や、トウバンドTBを開繊する際に、複数本のフィラメントFに適切な張力を掛けにくくなった可能性がある。
揮発成分の残留量の変動が、糸状体の発生量と、フィラメントFの捲縮とに影響を及ぼす理由の一つとしては、フィラメントFに対する有効な可塑化剤であるアセトンの特性が現れたことが考えられる。揮発成分の残留量におけるアセトンの成分比率は、前述したようにほぼ一定であるから、仮に、揮発成分の残留量がN4のときのアセトンの成分比率を、X1重量%とし、揮発成分の残留量がN6のときのアセトンの成分比率を、X2重量%とすると、フィラメントFがゴデットロール15と接触する際のアセトンの成分比率をX1重量%以上X2重量%以下の範囲に設定すれば、糸状体の発生量をF1以下の許容範囲内に抑制し、且つ、複数本のフィラメントFを良好に捲縮できると考えられる。発明者らの行った別の確認試験によれば、通常のトウバンドの製造条件として、紡糸時の紡糸溶液温度を120℃以上150℃以下に設定した場合、X1は2重量%、X2は17重量%であった。従って、フィラメントFがゴデットロール15と接触する際のアセトンの成分比率としては、例えば、2重量%以上17重量%以下の範囲が望ましいと言える。
次に、トウバンドTBを用いたフィルターロッドの製造について、フィルターロッド製造装置の構成を例示しながら説明する。
[フィルターロッド製造装置]
図5は、フィルターロッド製造装置の構成を示す図である。図5に示すように、フィルターロッド製造装置20は、第一開繊ジェット装置21と、第二開繊ジェット装置22と、プレテンションロール23と、第一開繊ロール24と、第二開繊ロール25と、第三開繊ジェット装置26と、スプレーブース27と、送りロール28と、搬送ジェット装置29と、ファンネル30と、筒体32と、回転ブレード33とを備える。
フィルターロッドを製造する際には、まず、梱包箱Bからベール状のトウバンドTBを繰り出し、トウバンドTBを第一開繊ジェット装置21と第二開繊ジェット装置22とを順に通過させることにより、トウバンドTBを開繊する。これにより、トウバンドTBにおける複数本のフィラメントFを薄く広げ、トウバンドTBの幅を調整する。次に、プレテンションロール23における一対のロール23a、23bの間に、トウバンドTBを通過させる。このとき、プレテンションロール23によって、トウバンドTBに一定の張力を掛けた状態とし、第一開繊ロール24における一対のロール24a、24bの間と、第二開繊ロール25における一対のロール25a、25bの間とに、トウバンドTBを順に通過させる。このとき、第一開繊ロール24と第二開繊ロール25との回転速度を異ならせることで、その回転速度差によって、トウバンドTBをさらに開繊し、トウバンドTBの幅を調整する。さらに、第三開繊ジェット装置26を通過する際にも、トウバンドTBを開繊することで、トウバンドTBの幅を調整する。
このように、複数段階に分けて十分に開繊したトウバンドTBに対し、スプレーブース27において、トリアセチン等の可塑剤をスプレーにより添着する。その後、トウバンドTBを送りロール28の間に搬送し、筒状の搬送ジェット装置29の内部において、トウバンドTBを所定の詰め込み量にて円柱状に圧縮して成形する。次に、前記成形された円柱状のトウバンドTBを、円錐状のファンネル30の内部に送り込み、円柱状のトウバンドTBの外周にラッピング紙31を巻回する。続いて、筒体32の内部において、ラッピング紙31を接着剤でトウバンドTBに貼着する。トウバンドTBとラッピング紙31とを回転ブレード33で所定の長さ(たとえば100mm以上120mm以下程度の長さ)に切断することにより、複数本のフィルターロッドFRを製造する。尚、得られたフィルターロッドFRは、さらに所定長さに切断し、シガレットフィルターとして用いる。
このシガレットフィルターは、所定量のトウバンドTBを円筒状に圧縮して構成されているが、トウバンドTBが捲縮機5で良好に捲縮されているので、通気抵抗(PD)及び通気抵抗のばらつき(PDCv)がともに抑制されている。従って、当該シガレットフィルターを用いれば、吸い易いシガレットを安定した品質で製造できる。
フィラメントFが損傷したトウバンドTBを開繊すると、糸状体が発生し易くなる。この糸状体が可塑剤を吸収した状態でシガレットフィルターに混入すると、可塑剤がフィラメントFを溶解し、メルトホールと称される溶解孔を発生して品質低下を招くおそれがある。本実施形態では、糸状体の発生が抑制されているので、シガレットフィルターへの糸状体の混入量が少なく、メルトホールを発生するおそれは低い。よって、高品質なシガレットを製造できる。
<確認試験>
[試験1]
上記実施形態の捲縮工程に基づき、セルロースアセテート繊維からなる複数本のフィラメントを用いてトウバンドを作製した。当該トウバンドに含まれる複数本のフィラメントのうち、所定量のフィラメントを切断しない程度に損傷させた。このとき、トウバンドに含まれる、損傷させたフィラメントの量を変化させることで、複数のトウバンドのサンプルを作製した。
複数のトウバンドのサンプルをそれぞれ用い、上記実施形態に記載した、フィルターロッド製造工程に基づき、フィルターロッドを作製した。このとき、フィルターロッド製造装置を15分間にわたって連続的に稼働させ、当該稼働時間中にフィルターロッド製造装置で発生した糸状体の発生量(mg/15min)を確認した。図6に、トウバンドに含まれる、損傷したフィラメントの混入率と、糸状体の発生量との関係を示す。
図6に示すように、損傷したフィラメントの混入率が高いと、トウバンドを用いてフィルターロッドを作製した場合、糸状体の発生量が増加することが分かった。トウバンドに含まれる損傷したフィラメントの混入率が高いと、糸状体の量が増加することによって、可塑剤を吸収した糸状体がフィルターロッドに混入し、メルトホールを発生するおそれが高まると考えられる。
従って、上記実施形態のようにトウバンドTBを製造する際、複数本のフィラメントFに所定のタイミングで可塑化剤を含ませ、複数本のフィラメントFを可塑化して糸状体の発生を防止することは、糸状体に起因して生じるメルトホールの発生を効果的に防止し、高品質なシガレットを得る等の目的において、特に有効であると考えられる。
[試験2]
次に、トウバンド製造装置において、ゴデットロールと接触する際の複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が、2重量%以上17重量%以下となるように設定した。そして、捲縮機に接触する直前のフィラメントFに対し、所定量の水を添着した実施例と、水を添着しない比較例とにおける糸状体の発生量の差について調べた。
実施例のトウバンド製造装置として、トウバンド製造装置1を用いた。水添着装置13において、捲縮機5で複数本のフィラメントを最初に捲縮させる際、複数本のフィラメントに含まれる水分量が、20重量%以上50重量%以下となるように、水添着装置13及びオイリング装置14を設定した。また、測定器16の測定結果に基づき、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を、約17重量%以上約33重量%以下とすることで、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が、2重量%以上17重量%以下となるように設定した。これにより、実施例のトウバンドの複数のサンプルを得た。実施例のトウバンドの各サンプルを用い、フィルターロッド製造装置20を15分間にわたって連続的に稼働し、フィルターロッドを製造した。フィルターロッドを製造する毎に、フィルターロッド製造装置20の稼働中に発生した糸状体の発生量(mg/15min)を測定した。
比較例のトウバンド製造装置として、トウバンド製造装置1から水添着装置13を除いた構成のものを用いた。実施例と同様に、測定器16の測定結果に基づき、ゴデットロール15と接触する際の複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が、2重量%以上17重量%以下となるように設定した。捲縮機5で複数本のフィラメントを最初に捲縮させる際の、複数本のフィラメントに含まれる水分量の調整は、特段行わなかった。これにより、比較例のトウバンドの複数のサンプルを得た。比較例のトウバンドの各サンプルを用いてフィルターロッドを製造する毎に、実施例と同様に、フィルターロッド製造装置20の稼働中に発生した糸状体の発生量(mg/15min)を測定した。
図7は、比較例の複数本のフィラメントに含まれる総揮発成分の残留量と、フィルターロッド製造時の糸状体の発生量との関係を示すグラフである。図8は、実施例の複数本のフィラメントに含まれる総揮発成分の残留量と、フィルターロッド製造時の糸状体の発生量との関係を示すグラフである。図7及び8に示すグラフの縦軸は、同一のスケールとしている。また、図7及び8中に示す「平均値」は、それぞれ、実施例または比較例の複数のサンプルにおける糸状体の発生量の平均値を示す。
図7及び8に示すように、実施例及び比較例のいずれでも、ゴデットロールと接触する際の複数本のフィラメントに含まれるアセトン量を、2重量%以上17重量%以下に設定することで、糸状体の発生量が、ある程度まで抑制されている。しかしながら、例えば図7に示すように、比較例では、揮発成分の残留量が、20重量%付近である場合等において、糸状体の発生量が比較的多くなった。また、比較例の糸状体の各発生量のばらつきが、実施例の糸状体の各発生量のばらつきに比べて大きいことが分かった。実施例の各サンプルの糸状体の発生量については、比較例の各サンプルの糸状体の発生量に比べてばらつきが小さく、且つ、実施例の糸状体の発生量の平均値も、比較例の糸状体の発生量の平均値より抑制された結果が得られた。
比較例及び実施例のトウバンド製造装置では、ともにオイリング装置によって、複数本のフィラメントにオイルエマルジョンが添着されている。しかし、図7及び8に示す結果から、糸状体の発生を抑制するためには、捲縮機で複数本のフィラメントを最初に捲縮する際に、水添着装置等を用いて所定量の水を当該複数本のフィラメントに含まれるように調整することが有効であると考えられる。従って、実施例のように、捲縮機で複数本のフィラメントを最初に捲縮させる際の水分量が、20重量%以上50重量%以下となるように、複数本のフィラメントに水を添着する水添着工程を実施すれば、糸状体の発生量を効果的に抑制できると考えられる。
以上のように、本発明の各態様によれば、トウバンドの糸状体による不具合を低減できる、優れた効果を有する。従って、この効果の意義を発揮できるトウバンドの製造方法及びトウバンド製造装置として広く適用すると、有益である。
F フィラメント
FD フィラメントデニール
TB トウバンド
TD トータルデニール
1 トウバンド製造装置
4 紡糸機
5 捲縮機
5a、5b ロール(ニップロールまたは押し込みロール)
9 ガイド部材
11 紡糸筒
11b ブロワー
11c 空気調節部
13 水添着装置
15 ゴデットロール(フィードロール)
16 測定器

Claims (12)

  1. アセトンを含む紡糸溶液を用い、複数本のフィラメントを紡糸する紡糸工程と、
    前記紡糸工程で紡糸された前記複数本のフィラメントをゴデットロールの周面に接触させ、前記ゴデットロールを駆動させて搬送方向の下流側に送るロール送り工程と、
    前記ロール送り工程後、前記複数本のフィラメントに水を添着することにより、捲縮機で捲縮する際に前記複数本のフィラメントに含まれる水分量を調節する水添着工程と、
    前記ロール送り工程後且つ前記水添着工程前において、前記複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を測定する測定工程と、
    前記水添着工程後、前記複数本のフィラメントを前記捲縮機で捲縮する捲縮工程と、を備え、
    前記紡糸工程では、前記測定工程の測定結果に基づき、前記ゴデットロールと接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれるアセトン量を調整する、トウバンドの製造方法。
  2. 前記紡糸工程では、前記ゴデットロールに接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれる前記アセトン量が、前記複数本のフィラメントの乾燥重量に対する重量割合の2重量%以上17重量%以下となるように、前記アセトン量を調整する、請求項1に記載のトウバンドの製造方法。
  3. 前記水添着工程では、前記測定工程の測定結果に基づき、前記水分量を、前記複数本のフィラメントの乾燥重量に対する重量割合の20重量%以上50重量%以下に調整する、請求項1または2に記載のトウバンドの製造方法。
  4. 前記ロール送り工程後且つ前記測定工程前において、前記複数本のフィラメントを1以上のガイド部材に接触させて搬送方向の下流側に案内する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトウバンドの製造方法。
  5. 前記紡糸工程では、前記紡糸筒の内部に空気を供給することにより、前記紡糸溶液の一部を乾燥させて前記複数本のフィラメントを紡糸し、前記空気の供給による前記紡糸溶液の乾燥条件を調節することで前記アセトン量の調節を行う、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトウバンドの製造方法。
  6. 前記トウバンドは、トータルデニールが10000以上22000以下であり、且つ、フィラメントデニールが6以上15以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトウバンドの製造方法。
  7. アセトンを含む紡糸溶液を用いて、複数本のフィラメントを紡糸する紡糸機と、
    前記紡糸機で紡糸された前記複数本のフィラメントを周面に接触させ、前記複数本のフィラメントを搬送方向の下流側に送るように駆動されるゴデットロールと、
    前記複数本のフィラメントを捲縮する捲縮機と、
    前記ゴデットロールにより送られた前記複数本のフィラメントに水を添着することで、捲縮機で捲縮する際の前記複数本のフィラメントに含まれる水分量を調節する水添着装置と、
    前記ゴデットロールから送られ、且つ、前記水添着装置に水を添着される前の前記複数本のフィラメントに含まれる揮発成分の残留量を測定する測定器と、を備え、
    前記紡糸機は、前記測定器の測定結果に基づくことにより、前記ゴデットロールと接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が調節可能に構成されている、トウバンド製造装置。
  8. 前記ゴデットロールと接触する際の前記複数本のフィラメントに含まれるアセトン量が、前記複数本のフィラメントの乾燥重量に対する重量割合の2重量%以上17重量%以下に調節されている、請求項7に記載のトウバンド製造装置。
  9. 前記捲縮機で捲縮する際の前記複数本のフィラメントに含まれる水分量が、前記複数本のフィラメントの乾燥重量に対する重量割合の20重量%以上50重量%以下に調節されている、請求項7または8に記載のトウバンド製造装置。
  10. 前記複数本のフィラメントの前記搬送方向における前記ゴデットロールと前記測定器との間に、前記複数本のフィラメントを前記搬送方向の下流側に案内するように配された1以上のガイド部材をさらに備える、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のトウバンド製造装置。
  11. 前記紡糸機は、紡糸筒を有し、前記紡糸筒の内部に供給した空気により、前記紡糸溶液の一部を乾燥させて前記複数本のフィラメントを紡糸し、前記空気の供給による前記紡糸溶液の乾燥条件を調節することで前記アセトン量が調節可能である、請求項7乃至10のいずれか1項に記載のトウバンド製造装置。
  12. 前記紡糸機は、前記紡糸筒の内部に空気を供給するブロワーと、前記空気の温度または湿度のいずれかを調節する空気調節部とを有し、
    前記ブロワーと前記空気調節部とのいずれかを調節することにより、前記アセトン量が調節可能である、請求項11に記載のトウバンド製造装置。

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