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JP6352000B2 - トコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置 - Google Patents

トコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置 Download PDF

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Description

本発明は、トコジラミ(別名、南京虫)の駆除方法に関し、更に詳細には、環境を害すること無く、カバン・衣服・古書などの物品に生息するトコジラミを除去又は死滅させるトコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置に関する。
トコジラミとは、生物分類ではドメインが真核生物で、動物界、節足動物門、昆虫綱、カメムシ目、トコジラミ科、トコジラミ属、トコジラミとして知られており、旧来より南京虫と称されている。名称が類似しているといってもシラミ目ではなく、カメムシ目の昆虫である。
フリー百科事典のWikipediaによれば、トコジラミは雌雄ともに幼虫・成虫にかかわらず吸血し、生存期間中は血液を栄養分とする。人に刺咬するときに唾液を体内に注入し、この唾液に含まれる物質がアレルギー反応を起こし、激しい痒みが生じる。1595年刊行の、イエズス会員のアンブロジオ・カレピノが書いたラテン語辞書を基にした羅葡日対訳辞書にトコムシ(cimex)の項目があり、これはトコジラミのことである。従って、この頃に日本に侵入していた事実が窺われる。
日本では、旧来より南京虫と称され、博物学者である田中芳男の「南京虫又床虱」によれば、江戸時代に購入された古船に潜んで日本に上陸したもので、神戸港界隈に多く生息していたと云う。戦後でも畳や古書の中に生息しており、夏の大掃除でDDTにより退治していたが、1965年頃より使用されだした有機リン系殺虫剤がよく効き、1975年頃には殆ど目にすることは無くなった。
しかし、最近では、外国人観光客が増加したことによって、荷物や体に付着したトコジラミが宿泊施設を中心に発生例が相次いでいる。日本では夏の大掃除も殆ど無くなっているため、上記宿泊施設に滞在した日本人が自宅に持ち込み、かなり蔓延するに至っている。
害虫を駆除する殺虫剤として、ピレスロイド化合物、有機リン化合物、カルバメート化合物の様な化学物質が知られている。ピレスロイド化合物としては、アレスリン、フタルスリン、レスメスリン、ペルメトリン、フェノスリン、シフェノスリン、シペルメトリン、エトフェンプロックス、プラレスリン、エムペンスリン等が知られている。また、有機リン化合物としては、フェニトロチオン、ジクロルボス等が知られており、カルバメート化合物としては、プロポキサール等が知られている。
これらの化学殺虫剤はトコジラミに対しても有効であることが知られている。しかし、化学殺虫剤の使用は屋外では許されるかも知れないが、屋内では需要者の安全安心と逆行し現代では許されなくなっている。そのため、化学殺虫剤に替えて、加熱乾燥処理によりトコジラミを駆除する技術が開発されている。しかし、加熱乾燥により変質する可能性のある物品、例えばカバン、古書、アルバム等では、トコジラミを加熱駆除することができないのが現状である。
発明者は種々に考案した結果、炭酸ガスでトコジラミを死滅駆除できないかを想到するに至った。炭酸ガスであれば、環境を害さずに屋内でも使用でき、トコジラミが生息すると思われる物品でも駆除処理することが可能である。そこで、炭酸ガスを用いた害虫駆除技術を特許調査することにした。
害虫駆除の先行技術として、1997年6月24日に特開平9−163927号として公開された特許第3615289号公報(特許文献1)には、炭酸ガス濃度を40%以上にしてコクゾウムシを殺虫する穀物殺虫貯蔵方法が開示されている。コクゾウムシは、生物分類では、昆虫綱、コウチュウ目、オサゾウムシ科、コクゾウムシ属、コクゾウムシである。トコジラミとは昆虫綱で共通するが、トコジラミはカメムシ目であり、コウチュウ目のコクゾウムシとは目の分類で異なる。即ち、コクゾウムシとトコジラミとは、目の分類で異なる程かなり隔たった生物種であり、炭酸ガスでコクゾウムシを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
2000年6月20日に公開された特開2000−166451号公報(特許文献2)には、動物のノミ、ダニを駆除するために、例示として顔を出させた状態の犬を袋内に密閉収納し、袋内にアルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガスを注入する動物の害虫駆除方法が開示されている。犬のノミは、生物分類では、昆虫綱、ノミ目、ヒトノミ科、イヌノミ属、イヌノミである。トコジラミとは昆虫綱で共通するが、トコジラミはカメムシ目であり、ノミ目であるノミとは目の分類で異なる。即ち、ノミとトコジラミとは、目の分類で異なる程かなり隔たった生物種であり、炭酸ガスでノミを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
また、ダニは、生物分類では、節足動物門、クモ綱、ダニ目、ツメダニ科、ツメダニ属、イヌツメダニである。トコジラミとは節足動物門で共通するが、トコジラミは昆虫綱であり、クモ綱のダニとは綱の分類で異なる。即ち、ダニとトコジラミとは、綱の分類で異なる程、相当に隔たった生物種である。炭酸ガスでダニを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
2003年2月18日に公開された特開2003−47386号公報(特許文献3)には、文化財や穀類などの物品の害虫を駆除するために、殺虫バッグの中に物品を収納し、袋内に不活性ガス、特に炭酸ガスを注入する殺虫方法が開示されている。明細書の[0025]には、「炭酸ガスは、昆虫に対して、誘引、摂食増進、記憶力停滞、呼吸増進、麻酔作用などの多様な生理作用をもち、濃度が35%以上に高まると顕著な致死作用がみられる。」と記載されている。しかし、昆虫は極めて広い分類であり、具体的にどの昆虫に対して致死作用が見られるかについては、それ以上の具体的な言及は一切ない。本発明者等が調査した中でも、特許文献3の先願の中では特許文献1のコクゾウムシ及び特許文献2のノミだけであった。前述したダニは昆虫では無い。従って、炭酸ガスが昆虫一般に対して致死作用を有するという特許文献3の記載だけでは、具体的にどんな昆虫に対して知見が得られたのか全く不明である。特に、炭酸ガスがトコジラミに対して致死作用を有するという具体的事実は全く類推すらできない。従って、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
2004年4月30日に特開2004−129581号として公開された特許第3653573号公報(特許文献4)には、ダニ類や甲虫類を殺虫する為に、乾燥食品や中間品を炭酸ガスで置換された乾燥処理室内に入れて45℃〜48℃で2時間以上加温する殺虫方法が開示されている。前述したように、ダニ類は、節足動物門、クモ綱、ダニ目である。トコジラミとは節足動物門で共通するが、トコジラミは昆虫綱であり、クモ綱のダニとは綱の分類で異なり、トコジラミとダニとは相当に隔たった生物種である。
また、甲虫類は、昆虫綱、コウチュウ目に属する生物で、例えばコクゾウムシ等である。トコジラミとは昆虫綱で共通するが、トコジラミはカメムシ目であり、コウチュウ目とは目の分類で異なる。即ち、甲虫類とトコジラミとは、目の分類で異なる程かなり隔たった生物種である。
従って、炭酸ガスでダニ類や甲虫類を殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
2004年4月30日に公開された特開2004−132020号公報(特許文献5)には、家屋に生息するシロアリや木材不朽菌などの有害生物を駆除するために、床下空間部の空気の一部又は全部を炭酸ガスで置換して、上記有害生物を駆除する有害生物駆除方法が開示されている。
しかし、シロアリは、昆虫綱、ゴキブリ目、シロアリ科に属する生物で、昆虫綱カメムシ目のトコジラミとは、同じ昆虫綱であっても目が異なる生物種である。従って、炭酸ガスでシロアリを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
また、木材不朽菌の生物分類は、ドメインは真核生物であっても菌界に属し、他方トコジラミは真核生物、動物界、昆虫綱に属する生物で、木材不朽菌とトコジラミとは真核生物が共通しても界が異なる殆ど別種の生物である。従って、炭酸ガスで木材不朽菌を死滅できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
上述した様に、トコジラミと目の分類で異なる生物種が炭酸ガスで駆除又は死滅できるからといって、トコジラミが炭酸ガスで駆除可能かどうかは予測不能であり、実験により決定する以外に手段は無い。分かり易い例で述べると、人間は、真核生物、脊索動物門、哺乳綱、霊長目、ヒト科、ヒト属、ヒトである。他方、ウマは、真核生物、脊索動物門、哺乳綱、ウマ目、ウマ科、ウマ属、ウマである。即ち、両者は哺乳綱では共通するが、人間は霊長目で、ウマはウマ目であり、目の分類で異なっている。生理現象は人間とウマではかなり異なり、ウマに特定の生理現象が有るからといって、人間にも同じ生理現象が存在するということは予測不能である。これらは全て実験で決定する以外に方法は無い。昆虫綱で共通すると云っても、昆虫綱に属する種は大小千差万別であり、微小生物になる程、その生態系は不明なことが多く、生理現象に至っては殆ど知られていないのが現状であり、生理現象については実験が唯一の手段である。
他方、トコジラミと絡んで炭酸ガスを使用する下記の文献が発見されている。駆除生物としてトコジラミ(南京虫)を一部含み、殺虫剤と共に炭酸ガスを一部利用する害虫駆除方法として特開平5−331014号公報(特許文献6)が1993年12月14日に公開されている。また、トコジラミが誘引対象生物であり、誘引剤と共に炭酸ガスを一部利用する誘引方法が、特表2012−520315号公報(特許文献7)として2012年9月6日に公開されている。これらに両文献については詳細に後述する。
特許第3615289号公報 特開2000−166451号公報 特開2003−47386号公報 特許第3653573号公報 特開2004−132020号公報 特開平5−331014号公報 特表2012−520315号公報
特許文献6である特開平5−331014号公報には、ゴキブリや南京虫などの害虫を、ピレスロイド化合物、有機リン化合物、カルバメート化合物などの殺虫剤の噴霧、燻蒸、燻煙により追い出して粘着剤で捕集する害虫駆除方法が記載されている。特に、明細書の[0003]に、液化炭酸ガスに有効成分化合物を溶解させた製剤、燻蒸剤、燻煙剤などが用いられると記載されている。但し、それ以上には何ら説明されていない。
ここで使用されている液化炭酸ガスの役割は、溶解した殺虫剤成分を遠方へ運搬するためのキャリアガスであると考えられる。即ち、液化炭酸は大気中へ放出されると、気化により急激に体積膨張して室内全体に行き渡り、この炭酸ガスの放散に殺虫剤成分が乗って殺虫剤成分も室内全体に行き渡ることになる。従って、炭酸ガスはキャリアガスであって、害虫に対する炭酸ガスの効果については一切記載されておらず、示唆さえされていない。
特許文献7である特表2012−520315号公報には、トコジラミ誘引物質である不飽和アルデヒド成分と有機酸成分を含む誘引組成物を所望場所に置いて揮発させ、それによりトコジラミを誘引し、トコジラミを検出、監視、又は捕獲する方法が開示されている。特に、その請求項12には、前記組成物に二酸化炭素を加えることが記載されている。明細書の[0031]には、二酸化炭素を加えることで誘引物質の効果が向上し、二酸化炭素の濃度は、揮発した組成物の気体において、体積で約1%〜約50%であることが好ましいと記載されている。即ち、体積で約1%〜約50%の濃度の二酸化炭素ガスはトコジラミに対して誘引効果が有る、と判断されている。
しかし、この結果は、特開2003−47386号公報(特許文献3)の記載とも完全に矛盾している。前述したように、特許文献3は、具体的昆虫を開示せずに、一般の昆虫を炭酸ガスにより殺虫する方法を開示している。明細書の[0025]に、「炭酸ガスは、昆虫に対して、誘引、摂食増進、記憶力停滞、呼吸増進、麻酔作用などの多様な生理作用をもち、濃度が35%以上に高まると顕著な致死作用がみられる。」と記載している。即ち、35%以上の濃度の炭酸ガスは、昆虫に対し顕著な致死作用を有すると断定しているのであるから、その記載から考えれば、昆虫であるトコジラミに対しても致死作用を有すると拡張的に考えられる。他方、トコジラミを具体的に研究した特許文献7では、体積濃度で約1%〜約50%の二酸化炭素ガスはトコジラミに対して誘引効果が有る、と判断している。本発明者は、特許文献3はトコジラミに対しての具体的記載は全く無いのであるから、トコジラミに対する致死作用については全く信用することはできないと判断する。
以上を纏めると、特許文献3では35%以上の濃度の炭酸ガスは昆虫に対し顕著な致死作用が有ると主張し、特許文献6では炭酸ガスは殺虫剤成分のキャリヤ能力を有することだけを主張し、特許文献7では1%〜50%の濃度の炭酸ガスはトコジラミに対し誘引作用があると主張するのである。これら3文献の炭酸ガスのトコジラミに対する生理作用は全く異なっている。炭酸ガスがトコジラミに対し科学的な意味で駆除効果や死滅効果を有するという知見は従来研究では全く決定できておらず、不明であると云わざるを得ない。特に、トコジラミに対する炭酸ガスの効果は、特許文献6のキャリヤ能力と特許文献7の誘引作用だけが知られており、それ以外には全く不明という状況である。
従って、本発明の目的は、二酸化炭素がトコジラミを駆除・死滅させる効果を有することを実験的に決定することであり、この実験的事実に基づいて炭酸ガスによりトコジラミを駆除・死滅させるトコジラミ駆除方法を提供することである。また、本発明の目的は、トコジラミが生息すると疑われる物品を二酸化炭素の雰囲気内に埋没させて物品中のトコジラミを駆除・死滅させるトコジラミ駆除方法を提供し、且つトコジラミ駆除装置を提供することである。二酸化炭素は化学殺虫剤のように環境や人を害することが無く、しかも加熱方法を用いないから物体を傷つけることが無く、安全安心なトコジラミ駆除方法を提供することが可能になる。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、本発明の第1の形態は、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に埋没させて駆除するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第2の形態は、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させて死滅処理するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第3の形態は、駆除の完了状態で前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上であるトコジラミ駆除方法である。
本発明の第4の形態は、容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第5の形態は、前記物品を前記二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを死滅処理するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第6の形態は、駆除の完了状態で前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上であるトコジラミ駆除方法である。
本発明の第7の形態は、前記容器の中にコントロール用の生きたトコジラミを収容したコントロール小容器を配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第8の形態は、前記容器に調圧弁を取着し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填したときに、容器内での二酸化炭素の圧力が大気圧になるように、前記容器に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を前記調圧弁から内外の圧力差だけで容器の外部に抜気するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第9の形態は、前記物品及び/又はコントロール小容器と一緒に袋体を前記容器の中に配置し、前記袋体の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封するトコジラミ駆除方法である。
本発明の第10の形態は、前記容器の内部にドライアイスブロックを投入して前記容器の内部を二酸化炭素の雰囲気で充満させ、トコジラミの駆除の完了状態でも前記ドライアイスブロックが未だ残存しているトコジラミ駆除方法である。
本発明の第11の形態は、トコジラミを駆除すべき物品を内部に収容するための容器と、前記容器の中に配置され且つコントロール用の生きたトコジラミを収容するためのコントロール小容器と、前記容器の内部に前記物品を装入するために前記容器に開口された物品装入口と、前記物品装入口を開閉する開閉手段と、開放された前記物品装入口から二酸化炭素を前記容器の内部に充填して前記開閉手段を閉鎖したときに、前記容器の内部に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を外部に逃散させる逃散手段から構成されるトコジラミ駆除装置である。
本発明の第12の形態は、前記容器は開口面を有する容器本体と前記開口面を着脱自在に閉鎖する蓋体から構成され、前記開口面及び前記蓋体が前記物品装入口及び前記開閉手段に夫々相当するトコジラミ駆除装置である。
本発明の第13の形態は、前記容器に取着された調圧弁が前記逃散手段に相当するトコジラミ駆除装置である。
本発明の第14の形態は、前記逃散手段は、前記蓋体で前記容器本体の前記開口面を閉鎖したときに、前記蓋体の周縁面が前記容器本体の周縁頂面と当接状に密接して前記開口面を密封し、前記容器本体の内圧が大気圧を超えたときに前記周縁面が浮いて前記周縁頂面から離れ、前記内圧が大気圧と等しくなったときに前記周縁面が前記周縁頂面に密接する機構により構成されるトコジラミ駆除装置である。
本発明の第1の形態によれば、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に埋没させて駆除するトコジラミ駆除方法が提供される。
従来技術である特表2012−520315(特許文献7)によれば、二酸化炭素はトコジラミの誘引物質とされているが、この従来知見は誤りであり、本発明者の研究により、二酸化炭素はトコジラミの駆除物質であることが初めて明らかになった。二酸化炭素は濃度にもよるが人体や環境に対して安全な物質であり、ガス状の二酸化炭素、即ち炭酸ガスは作業者や物品と接触しても、作業者や物品には何ら影響を与えないので、安全安心に駆除作業が行え、室内作業が可能になると同時に取扱が容易になる利点を有する。粉状のドライアイスを定量配置するだけでガス化し、液化炭酸を容器中に放出すれば粉状ドライアイスと炭酸ガスになって最終的には炭酸ガスになり、炭酸ガスの充填ができる。ドライアイスブロックは長期にわたって炭酸ガスを放出し続け、二酸化炭素の体積濃度を長期に高濃度に維持できる利点を有する。勿論、高圧炭酸ガスを噴出注入させても良い。炭酸ガスの分子量は44であり、空気の平均分子量は28.8であるから、炭酸ガスは空気より重いという特性が有る。空気の入った容器に上から炭酸ガスを入れても、炭酸ガスは重力により空気の下側に潜り込み、炭酸ガスは下から積み上がって空気を簡単に上方から容器外に溢出させることができる。また、容器の底に粉状のドライアイスやドライアイスブロックを配置したり、液化炭酸を注出すれば容器の底から炭酸ガスが堆積して上方へと空気を追い出し、容器内を炭酸ガスで充満させることが容易にできる。この二酸化炭素の雰囲気中にトコジラミを埋没させるだけでトコジラミを容易に駆除することができる。
本発明の第2の形態によれば、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させて死滅処理するトコジラミ駆除方法が提供される。
本発明者は、トコジラミの死滅実験を行うために料理用の容器を用意した。この容器はポリプロピレン製の容器本体とポリエチレン製の蓋体からなり、蓋体は容器本体の上方周縁部に固く密着してその開口部を閉鎖する構成となっており、閉鎖構造であるが、隙間から炭酸ガスは徐々に漏出する傾向にある。5匹のトコジラミを蓋の無いガラス製のシャーレに投入し、このシャーレを容器本体の底に配置した。トコジラミはシャーレの周囲壁を登ることはできないことも確認した。容器本体の底にドライアイスブロックを配置して容器内を二酸化炭素ガスで充満させ、容器本体の開口部を蓋体で密着状に閉鎖して、この充満初期状態から時間を計測しながら、ドライアイスブロックが僅かであるが最後まで残存する条件下で、トコジラミの挙動を観察した。その結果、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気中に10時間以上の処理時間だけ埋没させると、処理時間の直後では5匹のトコジラミの全数が死滅状態にあった。その後、シャーレを容器から取り出して常温の空気中に置き、1日経過してもトコジラミの復活は無く、死滅状態を持続していた。同じ操作をして、0.2時間及び4時間の処理時間直後では、トコジラミは痙攣状態にあり、空気中に移して1日経過すると生存状態に復活した。7時間の処理時間直後では、一見死滅していたが、空気中に移して1日経過すると痙攣状態ではあるが復活した。しかし、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させれば、空気中に移しても死滅状態で復活せず、トコジラミを完全に死滅処理できることが証明できた。
本発明の第3の形態によれば、前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上であるトコジラミ駆除方法が提供される。
ドライアイスブロックに替えて粉状ドライアイスを使用して別条件でのトコジラミ死滅実験を行った。初期状態で容器中に二酸化炭素ガスを充満させて容器を密封し、経過時間に従って体積比での二酸化炭素濃度を測定した。粉状ドライアイスは徐々に昇華して0.5時間ほどで容器内から消失した。その結果は、初期状態(0時間目)で94%、0.2時間後で94%、4時間後で84%、8時間後で75%、12時間後で70%、17時間後で65%、24時間後で61%であった。17時間経過した時点でトコジラミは完全に死滅し、復活しなかった。従って、トコジラミを17時間の間、65%以上の二酸化炭素ガス中に埋没させておけば、トコジラミは完全に死滅することが実験的に証明された。また、本発明者は条件を変えながらトコジラミ死滅実験を繰り返し、トコジラミを10時間以上の間、開始当初約100%(充満状態)に設定して漸減しながら最低でも65%以上の二酸化炭素ガス中に埋没させておけば、トコジラミは死滅することを実験的に証明した。
本発明の第4の形態によれば、容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法が提供される。
トコジラミを駆除すべき物品とは、お客様がトコジラミの駆除を希望する物品であり、トコジラミが生息し易い物品を云う。例えば、カバン、古書、アルバム、その他の物品である。容器内部に物品を配置して二酸化炭素ガスを充填すると、物品の内部にも二酸化炭素ガスが充満し、物品の内部に生息するトコジラミは駆除される。物品には二酸化炭素だけが室温にて処理され、加熱処理も殺虫剤処理もされないから、お客様・物品・作業者の安全安心が保証され、お客様室内での処理も極めて安全安心に行われる利点がある。
本発明の第5の形態によれば、前記物品を前記二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを死滅処理するトコジラミ駆除方法が提供される。
本形態は第2形態と共通し、その作用効果は第2形態と同様である。従って、物品を10時間以上の間だけ二酸化炭素の雰囲気中に埋没させておけば、物品の内部も10時間以上の間、二酸化炭素の雰囲気で満たされ、物品中のトコジラミを死滅処理することができる。
本発明の第6の形態によれば、駆除の完了状態で前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上であるトコジラミ駆除方法が提供される。
本形態は第3形態と共通し、その作用効果は第3形態の作用効果とほぼ同様である。物品を10時間以上の間だけ二酸化炭素の雰囲気中に埋没させると同時に、その埋没時間の間は雰囲気内の二酸化炭素ガスの体積濃度が最低でも65%以上保持されておれば、物品の内部も10時間以上の間、濃度が65%以上の二酸化炭素の雰囲気で満たされ、物品中のトコジラミを確実に死滅処理することができる。従って、物品内のトコジラミを確実に死滅処理できることになる。
本発明の第7の形態によれば、前記容器の中にコントロール用の生きたトコジラミを収容したコントロール小容器を配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了するトコジラミ駆除方法が提供される。
内部にトコジラミが生息するおそれのある物品を炭酸ガスで処理する場合に、物品内部のトコジラミが二酸化炭素ガス(別名、炭酸ガス)で確実に死滅したかどうかは、濃度65%以上の二酸化炭素ガスでトコジラミを駆除処理した、又はトコジラミを10時間以上にわたって駆除処理を行ったという設定条件だけでは、演示上においてお客様を納得させることは難しい。そこで、透明な容器外から透明なコントロール小容器内のトコジラミの死滅を視認できるようにしたのが、本形態のトコジラミ駆除方法である。従って、容器とコントロール小容器を透明に設定し、容器内の物品とコントロール小容器内のトコジラミを前記容器の外部から視認できるようにすることが望まれる。トコジラミは微小昆虫であるため、コントロール用のトコジラミを容器の外部から視認できるようにするのが透明性の観点から困難な場合には、容器の蓋体を開放してトコジラミの死滅を確認すればよい。この場合には、容器及び/又はコントロール小容器の透明性は要求されない。
本発明の第8の形態によれば、前記容器に調圧弁を取着し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填したときに、容器内での二酸化炭素の圧力が大気圧になるように、前記容器に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を前記調圧弁から内外の圧力差だけで容器の外部に抜気するトコジラミ駆除方法が提供される。
容器の内部にドライアイスを投入し、全量のドライアイスが大気圧下で気化したときに、炭酸ガスの体積が容器の内容積を超える場合には、密閉された容器内から容器外に当初存在した空気と過剰な炭酸ガスを抜気する必要性が生じる。調圧弁は容器の内外の圧力差だけで作動し、内圧が外圧より高くなると内部から外部へと内部ガスを抜気する作用を有する。本形態では外圧は大気圧である。容器内には当初大気圧の空気が封入されている。投入されるドライアイスは昇華する粉状ドライアイスやドライアイスブロックが最適であり、液化炭酸でも構わない。液化炭酸を投入すると直ちに炭酸ガスと粉状ドライアイスに変化するからである。加圧炭酸ガスを投入しても良い。分子量44の炭酸ガスは平均分子量28.8の空気より重いから、空気層の下側へ潜る性質が有り、充填される炭酸ガスにより空気を押し上げて行く。炭酸ガスの充填により内圧が外圧(大気圧)より大きくなると、本形態の調圧弁から、最初は空気、次に過剰な炭酸ガスが抜気され、内部が大気圧の炭酸ガスで充満すると、内外圧が一致し、調圧弁からの抜気は停止される。初期状態では、容器内には濃度が100%近くの炭酸ガスで充満するように二酸化炭素を充填することが好ましい。
本発明の第9の形態によれば、前記物品及び/又はコントロール小容器と一緒に袋体を前記容器の中に配置し、前記袋体の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封するトコジラミ駆除方法が提供される。粉状ドライアイスや液化炭酸の場合には、粉状のドライアイス粒子が散乱状に噴出されるから、袋体の中に二酸化炭素を噴出させれば、ドライアイス粒子は袋体の内部に収まり、袋体の外側にドライアイス粒子が散乱することを防止できる。従って、ドライアイス粒子が物品やコントロール小容器の中に入ることが無いから、物品に影響が無く、しかもコントロール小容器内のコントロール用トコジラミに対してドライアイス粒子が悪影響を与えることを防止できる。
本発明の第10の形態によれば、前記容器の内部にドライアイスブロックを投入して前記容器の内部を二酸化炭素の雰囲気で充満させ、トコジラミの駆除の完了状態でも前記ドライアイスブロックが未だ残存しているトコジラミ駆除方法が提供される。粉状ドライアイスと違って、ドライアイスブロックは表面積が小さいから昇華率が小さく、長時間にわたってドライアイスブロックが容器内や袋内に残存している。従って、初期状態で容器内の炭酸ガス濃度を100%近くの高濃度に設定して、容器を密封し、時間経過と共にドライアイスが昇華を継続し、駆除の完了状態でもドライアイスブロックが未だ残存しているように設定すれば、容器内を長期間にわたって高濃度の炭酸ガスで充満継続でき、設定条件下でトコジラミを確実に死滅させることが可能になる。
本発明の第11の形態によれば、トコジラミ駆除装置が提供される。本形態のトコジラミ駆除装置は、トコジラミを駆除すべき物品を内部に収容するための容器と、前記容器の中に配置され且つコントロール用の生きたトコジラミを収容するためのコントロール小容器と、前記容器の内部に前記物品を装入するために前記容器に開口された物品装入口と、前記物品装入口を開閉する開閉手段と、開放された前記物品装入口から二酸化炭素を前記容器の内部に充填して前記開閉手段を閉鎖したときに、前記容器の内部に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を外部に逃散させる逃散手段から構成される。
容器のサイズは、内部に収容される物品のサイズに応じて種々に設計される。容器は内部を透視するために透明に設定されることが望ましい。また、容器の材質は二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を密封できる素材が望ましく、少なくとも二酸化炭素ガスの透過性の低い安価な素材が好ましい。コントロール小容器のサイズはコントロール用のトコジラミを収容できるサイズで外部から中のトコジラミの挙動を観察できる透明素材が望ましい。トコジラミは飛ぶことができないから蓋は無くても良いが、蓋を有するときにはその中に二酸化炭素ガスが侵入できるように構成される必要がある。また、コントロール小容器の周囲壁は、トコジラミが登れないように高滑性を有する必要がある。物品装入口は物品を容器内部に装入できるサイズに構成され、物品装入口を開閉する開閉手段は閉鎖したときには容器と密着して内部の二酸化炭素ガスを容器内に密封できるように構成される。また、逃散手段は、開放された前記物品装入口から二酸化炭素を前記容器の内部に充填して前記開閉手段を閉鎖したときに、二酸化炭素ガスが内部に充満するため、前記容器の内部に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を外部に逃散させる作用を有する。
本発明の第12の形態によれば、前記容器は開口面を有する容器本体と前記開口面を着脱自在に閉鎖する蓋体から構成され、前記開口面及び前記蓋体が前記物品装入口及び前記開閉手段に夫々相当するトコジラミ駆除装置が提供される。
トコジラミを駆除すべき物品を装入する容器は、物品を装入且つ脱離し易いように、容器本体の上側前面に開口面を有する容器本体と、上側の開口面を開閉する蓋体から構成される。この場合には、開口面が物品装入口になり、蓋体が開閉手段に対応する。容器本体に蓋体を被せると、両者の接触面が密着する構造になっており、また両者がかみ合うように構成され、容器本体内の二酸化炭素ガスが漏れないように密封構造が採用される。
本発明の第13の形態によれば、前記容器に取着された調圧弁が前記逃散手段に相当するトコジラミ駆除装置が提供される。逃散手段として調圧弁が利用され、調圧弁は容器本体又は蓋体に装着されるが、上方から扱い易いように蓋体に装着することが好ましいが、調圧弁を側面に配置すれば、取扱の邪魔にならない利点がある。
本発明の第14の形態によれば、前記逃散手段として調圧弁を使用せず、蓋体と容器本体との接面構造を前記逃散手段として使用するトコジラミ駆除装置が提供される。
容器の外圧は大気圧であり、容器の内圧が大気圧より大きくなると蓋体が浮き上がって内部ガスを放出して蓋体が落下して密接する構成を採用すればよい。そのために、本形態の逃散手段は、前記蓋体で前記容器本体の前記開口面を閉鎖したときに、前記蓋体の周縁面が前記容器本体の周縁頂面と当接状に密接して前記開口面を密封し、前記容器本体の内圧が大気圧を超えたときに前記周縁面が浮いて前記周縁頂面から離れ、前記内圧が大気圧と等しくなったときに前記周縁面が前記周縁頂面に密接する機構により前記逃散手段を構成するのである。
図1は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を蓋体で密着嵌合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第1実施形態の概略説明図である。 図2は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体に蓋体を被せて回動クリップで押圧閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第2実施形態の概略説明図である。 図3は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を蓋体で嵌合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第3実施形態の概略説明図である。 図4は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を裏向けた蓋体で重合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第4実施形態の概略説明図である。 図5は、第1実施形態の装置を利用し、物品とコントロール小容器を容器内に配置して粉状ドライアイスを袋体の内部に堆積した第5実施形態の概略説明図である。 図6は、第2実施形態の装置を利用し、物品とコントロール小容器を容器内に配置して粉状ドライアイスを袋体の内部に堆積した第6実施形態の概略説明図である。 図7は、第2実施形態の装置を利用し、粉状ドライアイスに替えてドライアイスブロックを用い、駆除完了状態でドライアイスブロックが残存している第7実施形態の概略説明図である。 図8は、第3実施形態の装置を利用して物品とコントロール小容器を容器内に配置し、袋体内にドライアイスブロックを入れて、駆除完了状態でもドライアイスブロックが残存している第8実施形態の概略説明図である。
以下に示すように、本発明に係るトコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置の実施形態及び実施例を図面及び表に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を蓋体で密着嵌合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第1実施形態の概略説明図である。
図1(1A)は、容器本体2から蓋体4を取り外した状態図を示している。本発明のトコジラミ駆除装置1は、容器本体2の中にトコジラミを駆除すべき物品7とコントロール用小容器8を配置して構成され、容器本体内底面2aの隙間に必要量のドライアイス10を分散配置している。この第1実施形態では、ドライアイス10として粉状ドライアイスが使用され、クライオナイトで噴霧してもよいし、液化炭酸を噴霧しても瞬時に粉状ドライアイスに形態変化する。コントロール小容器8には生きたコントロール用トコジラミ9が載置される。容器本体2の垂直壁面の上端全周には密封受手段20aが形成されている。
図1(1B)は、容器本体2の開口面3を閉鎖するように蓋体4を密着嵌合した状態図を示している。蓋体4の下面全周には密封押え手段20bが形成されており、容器本体2の密封受手段20aと蓋体4の密封押え手段20bとが傾斜形成されているから、両者を押圧しながら嵌合すると、両者の傾斜面が強圧的に押し合って密着する。密封受手段20aと密封押え手段20bの両者によって密封手段20が構成されている。従って、容器本体2と蓋体4から形成される容器5の内部は外部から密封されることになる。この第1実施形態では、密封受手段20aと密封押え手段20bの両者によって密封手段20が構成されているから、過剰な炭酸ガスは蓋体4の周辺からは逃散することが防止されている。後述する炭酸ガスの逃散手段22として、蓋体4には調圧弁11が設けられており、容器5の内部の圧力が外部の大気圧より大きい場合には、内外の圧力差だけで、内部の気体が調圧弁11を介して外部に逃散してゆく。
ドライアイス10は粉状ドライアイス(別名:パウダードライアイス)であり、表面積が大きいから急速に昇華して炭酸ガスになる。容器5の中には、当初から大気圧の空気が存在し、それに炭酸ガスの圧力が加わるため、容器5の内部は大気圧を超え、大気圧より過剰分だけ内部のガスが調圧弁11から外部に逃げてゆく。CO2の分子量は44で、空気の平均分子量は28.8であから、炭酸ガスは空気より重く、炭酸ガスは容器5の内部の底に堆積する。投入されるドライアイス10の重量は、常温、大気圧下で容器体積より大量に投入されるから、元から存在した空気の全量が外部に逃散し、容器5の内部は理論上で炭酸ガスにより充満する。更に、容器本体内底面2aにはドライアイス10が存在しているから、炭酸ガスは更に調圧弁11から逃げてゆき、長時間にわたって容器5の内部は炭酸ガス100%の状態が維持される。
投入されるドライアイス10の全重量は、容器5の内部が炭酸ガス100%に保持される時間との関係で調整される。例えば、コントロール用トコジラミが100%の炭酸ガス濃度では8時間で死滅する場合には、容器5の内部の炭酸ガス濃度が8時間の間だけ100%に保持される量のドライアイス10の重量設定が望まれる。しかし、8時間もの間、濃度を100%に維持しなくても、次第に濃度を減衰させてゆき、駆除完了時の段階でトコジラミが死滅するように、ドライアイス量を調整すればよい。ドライアイス重量、死滅時間などの諸量は容器5の体積や容器内の温度にも依存する。従って、処理費用との兼ね合いで最適な値に調整することが望ましい。
図1(1C)は、コントロール用トコジラミ9が死滅した状態図で、駆除処理の完了状態を示している。この駆除完了状態では、コントロール用トコジラミ9が死滅しており、またドライアイス10も消失している。上述したように、ドライアイス10は駆除処理の途中に消失してもよいし、完了時点でまだ残存していてもよい。容器5の物品7はトコジラミを駆除すべき物品であり、内部にトコジラミが生息しており、本発明の二酸化炭素処理を行った場合に、当初に生息していたトコジラミが物品7の内部で死滅したことを確認するのは困難である。従って、物品内のトコジラミが死滅したかどうかを判断するために、コントロール用トコジラミ9の生死を外部から確認できるように構成されている。外部から肉眼又は拡大装置によりコントロール用トコジラミ9の死滅が確認されたときには、物品内部に生息しているトコジラミも死滅していると十分に推認できる。この方式の方が、炭酸ガス濃度と処理時間でトコジラミの死滅を推定判断するよりも、確実性があり現実的である。
図2は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体に蓋体を被せて回動クリップで押圧閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第2実施形態の概略説明図である。
図2では、密封受手段20aと密封押え手段20bからなる密封手段20の構造が図1と異なるだけで、他の部材は図1と構成・作用・効果が同様であるから、異なる点だけを説明して、他の説明は省略する。この第2実施形態では、容器本体2の左右の垂直壁面に回動クリップが密封押え手段20bとして設けられている。この回動クリップは垂直壁面に設けられた固定台に回動端を有し、先端に回転子を設けて、(2A)と(2B)から分かるように、回動自在に構成されている。また、蓋体4の左右端部が密封受手段20aになり、(2B)に示されるように、回転子が密封受手段20aの上面を押さえ付けることによって蓋体4の閉鎖がロックされるように構成されている。この様に、密封受手段20aと密封押え手段20bにより密封手段20が構成される。密封押え手段20bにより密封受手段20aが強力に押さえ付けられると、内部に発生する炭酸ガスは蓋体4の周辺からは外部に逃散することができない。この第2実施形態でも、後述する炭酸ガスの逃散手段22として調圧弁11が設けられ、過剰な炭酸ガスは調圧弁11から外部に放出されるように構成され、容器5の内部をほぼ100%の濃度で維持するように炭酸ガスを封入する作用を発揮する。
図3は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を蓋体で嵌合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第3実施形態の概略説明図である。
図3では、上述した様な蓋体4と容器本体2との間の圧着型の密封手段が構成されておらず、また調圧弁11も蓋体4に設けられていない。容器本体2の垂直壁の上端全周に水平な周縁頂面2bが周回形成されており、また蓋体4の下面全周に水平状の平滑な周縁面4aが周回形成されている。この蓋体4を開口面3を塞ぐように容器本体2に載置すると、容器本体2の周縁頂面2bに蓋体4の周縁面4aが当接して載置されるように構成されている。周縁頂面2bと周縁面4aとは当接載置状態にあるが、ロックされていない点が、この第3実施形態の特徴である。他の構成と作用効果は図1の第1実施形態と同様であるから説明を省略し、ここでは異なる点だけを説明する。
図3の実施形態3では、ドライアイス10が昇華して容器5の内部の内圧が大気圧よりも上昇すると、蓋体4は圧力差によって上昇方向の力を受け、周縁面4aが周縁頂面2bから浮き上がり、浮き上がった隙間から内部ガスが放出されて内圧が大気圧まで低下する。その結果、周縁面4aが落下して周縁頂面2bの上面に当接する。つまり、ドライアイス10の昇華が継続すると、周縁面4aの浮き上がりと落下が繰り返されて、内圧がほぼ大気圧に維持されながら、過剰な炭酸ガスが外部に持続的に放出されてゆくのである。この様なガス抜き機構は、本発明では逃散手段22と称し、この第3実施形態では周縁面4aと周縁頂面2bの組合せが逃散手段22を構成している。第1実施形態と第2実施形態では、逃散手段22の一例として調圧弁11が存在していたのである。この第3実施形態では、炭酸ガスの逃散手段22として周縁面4aと周縁頂面2bの組合せが設けられ、過剰な炭酸ガスはこの逃散手段22から外部に放出されるように構成され、容器5の内部を高濃度に保持しながら炭酸ガスを封入する作用を発揮する。しかし、この逃散手段22では密封していないので、炭酸ガスの無駄な漏出が有り、炭酸ガス濃度を高濃度に長時間に亘って維持することはできない弱点が有る。
図4は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を裏向けた蓋体で重合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第4実施形態の概略説明図である。
図4に示される第4実施形態が図3と異なる点は、蓋体4が裏向け状態で容器本体2に載置されていることだけであり、他の構成と作用効果は同様であるから説明を省略し、異なった点だけを以下に説明する。
蓋体4の上面の全周に亘って水平状の平滑な周縁面4aが形成されている。また、容器本体2の垂直壁の上端全周には、第3実施形態と同様の水平状の平滑な周縁頂面2bが形成されている。従って、蓋体4を裏向け状態で容器本体2の周縁頂面2bの上に載置すると、周縁頂面2bと周縁面4aとが密接状に当接する。しかし、第3実施形態と同様に、周縁頂面2bと周縁面4aとはロックされていないから、蓋体4が容器5の内圧に応じて浮き上がったり落下したりして、内圧を大気圧にほぼ等しくなるように調整する作用を行う。つまり、周縁頂面2bと周縁面4aが逃散手段22となって、容器5の内部のガスを外部に放出するのである。
この第4実施形態では、第3実施形態と同様に、炭酸ガスの逃散手段22として周縁面4aと周縁頂面2bの組合せが設けられ、過剰な炭酸ガスはこの逃散手段22から外部に放出されるように構成され、容器5の内部を炭酸ガスで封入する作用を発揮する。しかし、密封していない為に、炭酸ガス濃度を高濃度に長時間に亘って維持することはできない弱点が有る。
図5は、第1実施形態の装置を利用し、物品とコントロール小容器を容器内に配置して粉状ドライアイスを袋体の内部に堆積した第5実施形態の概略説明図である。
図1の第1実施形態との相違点は、まず物品7とコントロール小容器8を容器本体2の中に隙間を残して配置し、次に容器本体2の隙間に袋口15aを有する袋体15を入れ、更に袋口15aから袋体15の内部にドライアイス10を投入する。ドライアイス10として、クライオナイトで粉状ドライアイスを袋体15の内部に噴射したり、液化炭酸を噴射すると、粉状ドライアイスが周囲に散乱せずに確実に袋体15の内部に配置される特徴を有する。即ち、袋体15を用いることにより、粉状ドライアイスが容器本体2の中に散乱することを防止でき、物品7やコントロール小容器8の中のコントロール用トコジラミ9に粉状ドライアイスが直接接触しないから、物品7やコントロール用トコジラミ9に悪影響を与えることが無。また、粉状ドライアイスが容器本体2の壁面に直接接触しないから、容器本体2の耐久性に寄与する。他の構成と作用効果は図1と同様であるから説明を省略する。
図6は、第2実施形態の装置を利用し、物品とコントロール小容器を容器内に配置して粉状ドライアイスを袋体の内部に堆積した第6実施形態の概略説明図である。
この第6実施形態が図2の第2実施形態と相違する点は、まず物品7とコントロール小容器8を容器本体2の中に隙間を残して配置し、次に容器本体2の隙間に袋口15aを有する袋体15を入れ、更に袋口15aから袋体15の内部にドライアイス10を投入する。上述したように、ドライアイス10として、クライオナイトで粉状ドライアイスを袋体15の内部に噴射したり、液化炭酸を噴射すると、粉状ドライアイスが周囲に散乱せずに確実に袋体15の内部に配置される特徴を有する。即ち、袋体15を用いることにより、粉状ドライアイスが容器本体2の中に散乱することを防止でき、物品7やコントロール小容器8の中のコントロール用トコジラミ9に粉状ドライアイスが直接接触しないから、物品7やコントロール用トコジラミ9に悪影響を与えることが無い。また、粉状ドライアイスが容器本体2の壁面に直接接触しないから、容器本体2の耐久性に寄与する。他の構成と作用効果は図2と同様であるから説明を省略する。
図7は、第2実施形態の装置を利用し、粉状ドライアイスに替えてドライアイスブロックを用い、駆除完了状態でドライアイスブロックが未だ残存している第7実施形態の概略説明図である。
この第7実施形態が図2の第2実施形態と異なる点は、ドライアイス10としてドライアイスブロックを用いる点であり、異なる点のみを以下に説明し、図2と同様の点は説明を省略する。即ち、所定時間が経過してトコジラミを死滅完了させた(7C)においても、ドライアイスブロックが容器5の内部に未だ残存していることである。ドライアイスブロック10が容器5の内部に存在する場合には、容器5の内部の炭酸ガス濃度がほぼ100%であることを意味する。この前提は、容器5の材質が炭酸ガス透過性を有さない場合である。容器5の材質によっては、炭酸ガスが隙間から逃散するだけでなく、光線のように炭酸ガスが物質を透過する場合も存在する。従って、炭酸ガス非透過性の材質で作成された容器5であれば、理論的には容器5の内部の炭酸ガス濃度をほぼ100%に保持することは可能である。但し、高圧ガスボンベの様なスチール製のような材料ではそのようなことは可能であるが、合成樹脂製の場合には炭酸ガス透過性を多少有しているので、炭酸ガス濃度の経時的な漸減性が見られる。
しかし、ドライアイスブロックが駆除完了状態でも容器5の内部に残存するこの第7実施形態では、ドライアイスブロックが継続的に昇華して炭酸ガスを容器の内部に補充しているから、容器5の内部の炭酸ガス濃度は高濃度に保持されている効果が有る。
図8は、第3実施形態の装置を利用して物品とコントロール小容器を容器内に配置し、袋体内にドライアイスブロックを入れて、駆除完了状態でもドライアイスブロックが残存している第8実施形態の概略説明図である。
図7と同様に、この第8実施形態が図3の第3実施形態と異なる点は、ドライアイス10としてドライアイスブロックを用いる点であり、異なる点のみを以下に説明し、図2と同様の点は説明を省略する。即ち、所定時間が経過してトコジラミを死滅完了させた状態図である(8C)においても、ドライアイスブロックが袋体15の内部に未だ残存していることである。ドライアイスブロック10が袋体15の内部に存在する場合には、容器5の内部の炭酸ガス濃度がほぼ100%であることを意味する。図7と同様に、この前提は、容器5の材質が炭酸ガス透過性を有さない場合である。容器5の材質によっては、炭酸ガスが隙間から逃散するだけでなく、光線のように炭酸ガスが物質を透過する場合も存在する。従って、炭酸ガス非透過性の材質で作成された容器5であれば、理論的には容器5の内部の炭酸ガス濃度をほぼ100%に保持することは可能である。但し、高圧ガスボンベのスチール製のような材料ではそのようなことは可能であるが、合成樹脂製の場合には炭酸ガス透過性を多少有しているので、炭酸ガス濃度の経時的な漸減性が見られる。
しかし、ドライアイスブロックが駆除完了状態でも容器5の内部に残存するこの第8実施形態では、ドライアイスブロックが継続的に昇華して炭酸ガスを容器の内部に補充しているから、容器5の内部の炭酸ガス濃度は高濃度に保持されている効果が有る。

[実施例1:恒温槽22℃、過剰ドライアイス粉、死滅実験] 実施例1は、22℃に設定された恒温槽の中に、第2実施形態の図2に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイス粉をドライアイス10として配置し、駆除完了のかなり前で、実験開始から約0.5時間でドライアイス粉が全て昇華するように設定した。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は22℃に調節されているから、容器5の内部温度はドライアイスの存在により22℃よりも低くなり、しかも各時刻に存在するドライアイス量に依存するから、実験中に変動する。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。

表1には、恒温槽22℃において過剰ドライアイス粉でCO2を充満させた容器内のトコジラミの死滅実験のデータが記載されている。トコジラミの状態は3段階で示され、○は生存状態、△はノックダウン状態即ち痙攣状態、×は死滅状態を示す。同様なテスト容器を6セット用意し、各3匹ずつトコジラミを入れ、処理時間毎に一つのテスト容器を開けて調べた。例えば処理時間4(h)では、3匹のコントロール用トコジラミが観察上ノックダウン状態(△)にあり、これらを22℃の恒温槽から常温の室内にあるシャーレに移し、移した後1日経過すると3匹とも生存状態(○)に復活していたことが示されている。同様に、処理時間12(h)では、3匹のコントロール用トコジラミの全部が観察上死滅状態(×)にあり、これらを22℃の恒温槽から常温の室内にあるシャーレに移し、移した後1日経過すると3匹ともノックダウン状態(△)に復活していたことが示されている。最後に、処理時間17(h)及び24(h)では、すべてのコントロール用トコジラミが観察上死滅状態(×)にあり、処理時間1日後の状態も死滅状態(×)であるから完全死滅していることが分かる。従って、処理時間17時間(h)でトコジラミは完全に死滅駆除されたことが分かった。開始時点0(h)及び処理時間0.2(h)では容器内にドライアイス粉が残存し、処理時間4(h)でドライアイス粉が無くなっているから、その途中でドライアイス粉は消失している。実際にはドライアイス粉は約0.5時間存在したことが確認されている。つまり、約0.5時間(h)までは濃度は94%と高く、それから漸次濃度は低減し、完全死滅した17時間後の炭酸ガス濃度は65%である。つまり、当初容器内の濃度をほぼ100%として出発したとき、17時間後の完全死滅では65%以上の炭酸ガス濃度を保持させることが必要という結果になる。表1の結果として、容器外温度22℃では、駆除時間は17時間であり、最終濃度は約65%以上ということが分かった。
[実施例2:恒温槽30℃、過剰ドライアイス粉、死滅実験]
実施例2は、30℃に設定された恒温槽の中に、図2に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例1とは恒温槽の設定温度が異なるだけである。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイス粉をドライアイス10として配置し、駆除完了のかなり前で、実験開始から約0.5時間でドライアイス粉が全て昇華するようにされた。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は30℃に調節されているから、容器5の内部も30℃以下に調整されている。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
表2は、恒温槽を30℃にして、過剰ドライアイス粉でCO2を充満させた容器内でのトコジラミ死滅実験の一覧表である。表1との相違点は、恒温槽を30℃に一定化させて死滅実験が行われた点である。温度を22℃から30℃に上昇させることによって、表2では表1と比較して炭酸ガス濃度が急速に低下している。同時に、トコジラミが急速に死滅している結果が得られている。○、△、×の記号の意味は表1と同様であり、トコジラミは処理時間が12(h)で完全に死滅していることが分かる。また、完全に死滅したときの炭酸ガス濃度は63%、即ち約60%で死滅したのである。表2の結果として、恒温槽温度30℃のドライアイス粉では、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約60%以上ということが分かった。
[実施例3:恒温槽22℃、過剰ドライアイスブロック、死滅実験]
実施例3は、22℃に設定された恒温槽の中に、第7実施形態の図7に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例1とはドライアイス粉に替えてドライアイスブロックを使用している点が異なり、恒温槽の設定温度は22℃と同様に設定された。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイスブロックをドライアイス10として配置し、ドライアイスブロックは徐々に昇華し、完全死滅するまで容器内に残存している点に特徴が有る。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は22℃に調節されているが、容器5の内部はドライアイスに冷却され12℃前後になった。そしてドライアイスが昇華するにつれ、容器内温度は徐々に22℃へと近づいていくことが確認された。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
表3は、恒温槽を22℃に設定して、過剰ドライアイスブロックでCO2を充満させた容器内でのトコジラミ死滅実験の一覧表である。ドライアイスブロックはドライアイス粉よりも表面積が少ない分だけ昇華速度が小さいため、前述したように、炭酸ガス濃度の高濃度保持時間が長くなる。炭酸ガス濃度が99%になった時刻を開始時刻0(h)として、トコジラミ死滅実験を開始している。○、△、×の記号の意味は表1と同様であり、トコジラミは処理時間が12(h)で完全に死滅していることが分かる。12時間時点の炭酸ガス濃度は95%であり、この様な高濃度を維持すれば、トコジラミの完全死滅は12時間まで短縮することが可能になることを示している。表3の結果として、恒温槽設定温度22℃のドライアイスブロック残存状態では、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。
[実施例4:恒温槽30℃、過剰ドライアイスブロック、死滅実験]
実施例4は、30℃に設定された恒温槽の中に、図7に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例3とはドライアイスブロックを使用している点で共通し、設定温度が30℃と異なるように設定された。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイスブロックをドライアイス10として配置し、ドライアイスブロックは徐々に昇華し、完全死滅するまで容器内に残存している点に特徴が有る。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は30℃に調節されているが、容器5の内部はドライアイスに冷却され22℃前後になった。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
表4は、恒温槽を30℃にして、過剰ドライアイスブロックでCO2を充満させた容器内でのトコジラミ死滅実験の一覧表である。表3とはドライアイスブロックを使用している点は共通しているから、昇華速度は同様であるため高濃度を長時間にわたって保持できる点で共通している。しかし、恒温槽の温度を30℃に高温保持している点で相違する。従って、完全死滅時間を短縮できることを意味する。表4の結果として、恒温槽設定温度30℃のドライアイスブロックでは、駆除時間は10時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。
[実施例1〜4:表1〜表4の濃度・死滅時間のマトメ]
表1の結果として、恒温槽設定温度22℃のドライアイス粉では、駆除時間は17時間であり、最終濃度は約65%以上ということが分かった。表2の結果として、恒温槽設定温度30℃のドライアイス粉では、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約60%以上ということが分かった。表3の結果として、恒温槽設定温度22℃のドライアイスブロックでは、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。表4の結果として、恒温槽設定温度30℃のドライアイスブロックでは、駆除時間は10時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。
以上をまとめると、炭酸ガス濃度を高濃度に長時間保持した方がトコジラミの死滅時間は短縮でき、完全死滅時間は10時間以上であり、開始時点でCO2を充満状態にして完全死滅時点の濃度は65%以上を保持させれば、確実にトコジラミを完全死滅処理できる、ことが分かった。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
以上詳述したように、本発明者は鋭意研究した結果、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に埋没させて駆除することが可能になった。トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させれば死滅処理でき、しかも駆除の完了状態で前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上であれば、完全死滅処理が可能になることが明らかになった。また、上述した死滅時間や死滅CO2濃度が多少の誤差を含んでいるとしても、容器の中にコントロール用の生きたトコジラミを収容したコントロール小容器を配置し、前記容器に二酸化炭素を充填すると、二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを確認して、前記物品のトコジラミ駆除を確実に完了できるトコジラミ駆除方法を確立するに至った。その結果、物品内のトコジラミを駆除処理できる技術が確立し、トコジラミ駆除事業の確立と普及を事業的に実現することが可能になった。
1 トコジラミ駆除装置
2 容器本体
2a 容器本体内底面
2b 周縁頂面
3 開口面
4 蓋体(開閉手段)
4a 周縁面
5 容器
7 物品
8 コントロール小容器
9 コントロール用トコジラミ
10 ドライアイス
11 調圧弁(逃散手段の一例)
15 袋体
15a 袋口
20 密封手段
20a 密封受手段
20b 密封押え手段
22 逃散手段

Claims (6)

  1. 透明な容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に処理時間だけ埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法であり、コントロール用の生きたトコジラミを収容した、トコジラミが登れない高滑性の周囲壁を有する透明なコントロール小容器を前記容器の中に配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを前記容器の外部から視認して確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了し、
    まず前記物品と前記コントロール小容器を前記容器の中に隙間を残して配置し、次に前記隙間に袋口を有する袋体を入れ、更に前記袋口から前記袋体の内部に粉状ドライアイス又は液化炭酸を噴射して、粉状ドライアイスを前記袋体の内部に配置して容器を密封することを特徴とするトコジラミ駆除方法。
  2. 透明な容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に処理時間だけ埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法であり、コントロール用の生きたトコジラミを収容した、トコジラミが登れない高滑性の周囲壁を有する透明なコントロール小容器を前記容器の中に配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを前記容器の外部から視認して確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了し、
    まず前記物品と前記コントロール小容器を前記容器の容器本体内底面に隙間を残して配置し、次に前記隙間にドライアイスブロックを分散配置して、前記容器の内部を二酸化炭素の雰囲気で充満させ、前記処理時間の直後に前記ドライアイスブロックが未だ残存していて、
    前記隙間は、前記物品と前記コントロール小容器の間、及び、容器本体の壁面と前記物品の間、及び、前記容器本体の壁面と前記コントロール小容器の間、に設けられた隙間であることを特徴とするトコジラミ駆除方法。
  3. 前記処理時間が10時間以上である請求項1又は2に記載のトコジラミ駆除方法。
  4. 前記処理時間の直後に前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のトコジラミ駆除方法。
  5. 前記処理時間が10〜12時間であり、前記処理時間の直後に前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が90%以上である請求項2に記載のトコジラミ駆除方法。
  6. 30℃に設定した恒温槽の中に前記容器を配置して、恒温槽設定温度が22℃の場合に較べて、トコジラミを完全死滅処理できる前記処理時間である完全死滅時間を、2時間以上短縮できる請求項1〜5のいずれかに記載のトコジラミ駆除方法。
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