JP6352000B2 - トコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置 - Google Patents
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Description
また、ダニは、生物分類では、節足動物門、クモ綱、ダニ目、ツメダニ科、ツメダニ属、イヌツメダニである。トコジラミとは節足動物門で共通するが、トコジラミは昆虫綱であり、クモ綱のダニとは綱の分類で異なる。即ち、ダニとトコジラミとは、綱の分類で異なる程、相当に隔たった生物種である。炭酸ガスでダニを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
また、甲虫類は、昆虫綱、コウチュウ目に属する生物で、例えばコクゾウムシ等である。トコジラミとは昆虫綱で共通するが、トコジラミはカメムシ目であり、コウチュウ目とは目の分類で異なる。即ち、甲虫類とトコジラミとは、目の分類で異なる程かなり隔たった生物種である。
従って、炭酸ガスでダニ類や甲虫類を殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
しかし、シロアリは、昆虫綱、ゴキブリ目、シロアリ科に属する生物で、昆虫綱カメムシ目のトコジラミとは、同じ昆虫綱であっても目が異なる生物種である。従って、炭酸ガスでシロアリを殺虫できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
また、木材不朽菌の生物分類は、ドメインは真核生物であっても菌界に属し、他方トコジラミは真核生物、動物界、昆虫綱に属する生物で、木材不朽菌とトコジラミとは真核生物が共通しても界が異なる殆ど別種の生物である。従って、炭酸ガスで木材不朽菌を死滅できたとしても、トコジラミに効果が有るかどうかは実験してみない限り判定不能である。
ここで使用されている液化炭酸ガスの役割は、溶解した殺虫剤成分を遠方へ運搬するためのキャリアガスであると考えられる。即ち、液化炭酸は大気中へ放出されると、気化により急激に体積膨張して室内全体に行き渡り、この炭酸ガスの放散に殺虫剤成分が乗って殺虫剤成分も室内全体に行き渡ることになる。従って、炭酸ガスはキャリアガスであって、害虫に対する炭酸ガスの効果については一切記載されておらず、示唆さえされていない。
従来技術である特表2012−520315(特許文献7)によれば、二酸化炭素はトコジラミの誘引物質とされているが、この従来知見は誤りであり、本発明者の研究により、二酸化炭素はトコジラミの駆除物質であることが初めて明らかになった。二酸化炭素は濃度にもよるが人体や環境に対して安全な物質であり、ガス状の二酸化炭素、即ち炭酸ガスは作業者や物品と接触しても、作業者や物品には何ら影響を与えないので、安全安心に駆除作業が行え、室内作業が可能になると同時に取扱が容易になる利点を有する。粉状のドライアイスを定量配置するだけでガス化し、液化炭酸を容器中に放出すれば粉状ドライアイスと炭酸ガスになって最終的には炭酸ガスになり、炭酸ガスの充填ができる。ドライアイスブロックは長期にわたって炭酸ガスを放出し続け、二酸化炭素の体積濃度を長期に高濃度に維持できる利点を有する。勿論、高圧炭酸ガスを噴出注入させても良い。炭酸ガスの分子量は44であり、空気の平均分子量は28.8であるから、炭酸ガスは空気より重いという特性が有る。空気の入った容器に上から炭酸ガスを入れても、炭酸ガスは重力により空気の下側に潜り込み、炭酸ガスは下から積み上がって空気を簡単に上方から容器外に溢出させることができる。また、容器の底に粉状のドライアイスやドライアイスブロックを配置したり、液化炭酸を注出すれば容器の底から炭酸ガスが堆積して上方へと空気を追い出し、容器内を炭酸ガスで充満させることが容易にできる。この二酸化炭素の雰囲気中にトコジラミを埋没させるだけでトコジラミを容易に駆除することができる。
本発明者は、トコジラミの死滅実験を行うために料理用の容器を用意した。この容器はポリプロピレン製の容器本体とポリエチレン製の蓋体からなり、蓋体は容器本体の上方周縁部に固く密着してその開口部を閉鎖する構成となっており、閉鎖構造であるが、隙間から炭酸ガスは徐々に漏出する傾向にある。5匹のトコジラミを蓋の無いガラス製のシャーレに投入し、このシャーレを容器本体の底に配置した。トコジラミはシャーレの周囲壁を登ることはできないことも確認した。容器本体の底にドライアイスブロックを配置して容器内を二酸化炭素ガスで充満させ、容器本体の開口部を蓋体で密着状に閉鎖して、この充満初期状態から時間を計測しながら、ドライアイスブロックが僅かであるが最後まで残存する条件下で、トコジラミの挙動を観察した。その結果、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気中に10時間以上の処理時間だけ埋没させると、処理時間の直後では5匹のトコジラミの全数が死滅状態にあった。その後、シャーレを容器から取り出して常温の空気中に置き、1日経過してもトコジラミの復活は無く、死滅状態を持続していた。同じ操作をして、0.2時間及び4時間の処理時間直後では、トコジラミは痙攣状態にあり、空気中に移して1日経過すると生存状態に復活した。7時間の処理時間直後では、一見死滅していたが、空気中に移して1日経過すると痙攣状態ではあるが復活した。しかし、トコジラミを二酸化炭素の雰囲気の中に10時間以上埋没させれば、空気中に移しても死滅状態で復活せず、トコジラミを完全に死滅処理できることが証明できた。
ドライアイスブロックに替えて粉状ドライアイスを使用して別条件でのトコジラミ死滅実験を行った。初期状態で容器中に二酸化炭素ガスを充満させて容器を密封し、経過時間に従って体積比での二酸化炭素濃度を測定した。粉状ドライアイスは徐々に昇華して0.5時間ほどで容器内から消失した。その結果は、初期状態(0時間目)で94%、0.2時間後で94%、4時間後で84%、8時間後で75%、12時間後で70%、17時間後で65%、24時間後で61%であった。17時間経過した時点でトコジラミは完全に死滅し、復活しなかった。従って、トコジラミを17時間の間、65%以上の二酸化炭素ガス中に埋没させておけば、トコジラミは完全に死滅することが実験的に証明された。また、本発明者は条件を変えながらトコジラミ死滅実験を繰り返し、トコジラミを10時間以上の間、開始当初約100%(充満状態)に設定して漸減しながら最低でも65%以上の二酸化炭素ガス中に埋没させておけば、トコジラミは死滅することを実験的に証明した。
トコジラミを駆除すべき物品とは、お客様がトコジラミの駆除を希望する物品であり、トコジラミが生息し易い物品を云う。例えば、カバン、古書、アルバム、その他の物品である。容器内部に物品を配置して二酸化炭素ガスを充填すると、物品の内部にも二酸化炭素ガスが充満し、物品の内部に生息するトコジラミは駆除される。物品には二酸化炭素だけが室温にて処理され、加熱処理も殺虫剤処理もされないから、お客様・物品・作業者の安全安心が保証され、お客様室内での処理も極めて安全安心に行われる利点がある。
本形態は第2形態と共通し、その作用効果は第2形態と同様である。従って、物品を10時間以上の間だけ二酸化炭素の雰囲気中に埋没させておけば、物品の内部も10時間以上の間、二酸化炭素の雰囲気で満たされ、物品中のトコジラミを死滅処理することができる。
本形態は第3形態と共通し、その作用効果は第3形態の作用効果とほぼ同様である。物品を10時間以上の間だけ二酸化炭素の雰囲気中に埋没させると同時に、その埋没時間の間は雰囲気内の二酸化炭素ガスの体積濃度が最低でも65%以上保持されておれば、物品の内部も10時間以上の間、濃度が65%以上の二酸化炭素の雰囲気で満たされ、物品中のトコジラミを確実に死滅処理することができる。従って、物品内のトコジラミを確実に死滅処理できることになる。
内部にトコジラミが生息するおそれのある物品を炭酸ガスで処理する場合に、物品内部のトコジラミが二酸化炭素ガス(別名、炭酸ガス)で確実に死滅したかどうかは、濃度65%以上の二酸化炭素ガスでトコジラミを駆除処理した、又はトコジラミを10時間以上にわたって駆除処理を行ったという設定条件だけでは、演示上においてお客様を納得させることは難しい。そこで、透明な容器外から透明なコントロール小容器内のトコジラミの死滅を視認できるようにしたのが、本形態のトコジラミ駆除方法である。従って、容器とコントロール小容器を透明に設定し、容器内の物品とコントロール小容器内のトコジラミを前記容器の外部から視認できるようにすることが望まれる。トコジラミは微小昆虫であるため、コントロール用のトコジラミを容器の外部から視認できるようにするのが透明性の観点から困難な場合には、容器の蓋体を開放してトコジラミの死滅を確認すればよい。この場合には、容器及び/又はコントロール小容器の透明性は要求されない。
容器の内部にドライアイスを投入し、全量のドライアイスが大気圧下で気化したときに、炭酸ガスの体積が容器の内容積を超える場合には、密閉された容器内から容器外に当初存在した空気と過剰な炭酸ガスを抜気する必要性が生じる。調圧弁は容器の内外の圧力差だけで作動し、内圧が外圧より高くなると内部から外部へと内部ガスを抜気する作用を有する。本形態では外圧は大気圧である。容器内には当初大気圧の空気が封入されている。投入されるドライアイスは昇華する粉状ドライアイスやドライアイスブロックが最適であり、液化炭酸でも構わない。液化炭酸を投入すると直ちに炭酸ガスと粉状ドライアイスに変化するからである。加圧炭酸ガスを投入しても良い。分子量44の炭酸ガスは平均分子量28.8の空気より重いから、空気層の下側へ潜る性質が有り、充填される炭酸ガスにより空気を押し上げて行く。炭酸ガスの充填により内圧が外圧(大気圧)より大きくなると、本形態の調圧弁から、最初は空気、次に過剰な炭酸ガスが抜気され、内部が大気圧の炭酸ガスで充満すると、内外圧が一致し、調圧弁からの抜気は停止される。初期状態では、容器内には濃度が100%近くの炭酸ガスで充満するように二酸化炭素を充填することが好ましい。
容器のサイズは、内部に収容される物品のサイズに応じて種々に設計される。容器は内部を透視するために透明に設定されることが望ましい。また、容器の材質は二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を密封できる素材が望ましく、少なくとも二酸化炭素ガスの透過性の低い安価な素材が好ましい。コントロール小容器のサイズはコントロール用のトコジラミを収容できるサイズで外部から中のトコジラミの挙動を観察できる透明素材が望ましい。トコジラミは飛ぶことができないから蓋は無くても良いが、蓋を有するときにはその中に二酸化炭素ガスが侵入できるように構成される必要がある。また、コントロール小容器の周囲壁は、トコジラミが登れないように高滑性を有する必要がある。物品装入口は物品を容器内部に装入できるサイズに構成され、物品装入口を開閉する開閉手段は閉鎖したときには容器と密着して内部の二酸化炭素ガスを容器内に密封できるように構成される。また、逃散手段は、開放された前記物品装入口から二酸化炭素を前記容器の内部に充填して前記開閉手段を閉鎖したときに、二酸化炭素ガスが内部に充満するため、前記容器の内部に最初に存在した空気及び/又は過剰な二酸化炭素を外部に逃散させる作用を有する。
トコジラミを駆除すべき物品を装入する容器は、物品を装入且つ脱離し易いように、容器本体の上側前面に開口面を有する容器本体と、上側の開口面を開閉する蓋体から構成される。この場合には、開口面が物品装入口になり、蓋体が開閉手段に対応する。容器本体に蓋体を被せると、両者の接触面が密着する構造になっており、また両者がかみ合うように構成され、容器本体内の二酸化炭素ガスが漏れないように密封構造が採用される。
容器の外圧は大気圧であり、容器の内圧が大気圧より大きくなると蓋体が浮き上がって内部ガスを放出して蓋体が落下して密接する構成を採用すればよい。そのために、本形態の逃散手段は、前記蓋体で前記容器本体の前記開口面を閉鎖したときに、前記蓋体の周縁面が前記容器本体の周縁頂面と当接状に密接して前記開口面を密封し、前記容器本体の内圧が大気圧を超えたときに前記周縁面が浮いて前記周縁頂面から離れ、前記内圧が大気圧と等しくなったときに前記周縁面が前記周縁頂面に密接する機構により前記逃散手段を構成するのである。
図1は、本発明に係るトコジラミ駆除装置で、物品とコントロール小容器を内装した容器本体を蓋体で密着嵌合して閉鎖し、粉状ドライアイスを用いて死滅させる第1実施形態の概略説明図である。
図2では、密封受手段20aと密封押え手段20bからなる密封手段20の構造が図1と異なるだけで、他の部材は図1と構成・作用・効果が同様であるから、異なる点だけを説明して、他の説明は省略する。この第2実施形態では、容器本体2の左右の垂直壁面に回動クリップが密封押え手段20bとして設けられている。この回動クリップは垂直壁面に設けられた固定台に回動端を有し、先端に回転子を設けて、(2A)と(2B)から分かるように、回動自在に構成されている。また、蓋体4の左右端部が密封受手段20aになり、(2B)に示されるように、回転子が密封受手段20aの上面を押さえ付けることによって蓋体4の閉鎖がロックされるように構成されている。この様に、密封受手段20aと密封押え手段20bにより密封手段20が構成される。密封押え手段20bにより密封受手段20aが強力に押さえ付けられると、内部に発生する炭酸ガスは蓋体4の周辺からは外部に逃散することができない。この第2実施形態でも、後述する炭酸ガスの逃散手段22として調圧弁11が設けられ、過剰な炭酸ガスは調圧弁11から外部に放出されるように構成され、容器5の内部をほぼ100%の濃度で維持するように炭酸ガスを封入する作用を発揮する。
図3では、上述した様な蓋体4と容器本体2との間の圧着型の密封手段が構成されておらず、また調圧弁11も蓋体4に設けられていない。容器本体2の垂直壁の上端全周に水平な周縁頂面2bが周回形成されており、また蓋体4の下面全周に水平状の平滑な周縁面4aが周回形成されている。この蓋体4を開口面3を塞ぐように容器本体2に載置すると、容器本体2の周縁頂面2bに蓋体4の周縁面4aが当接して載置されるように構成されている。周縁頂面2bと周縁面4aとは当接載置状態にあるが、ロックされていない点が、この第3実施形態の特徴である。他の構成と作用効果は図1の第1実施形態と同様であるから説明を省略し、ここでは異なる点だけを説明する。
図4に示される第4実施形態が図3と異なる点は、蓋体4が裏向け状態で容器本体2に載置されていることだけであり、他の構成と作用効果は同様であるから説明を省略し、異なった点だけを以下に説明する。
蓋体4の上面の全周に亘って水平状の平滑な周縁面4aが形成されている。また、容器本体2の垂直壁の上端全周には、第3実施形態と同様の水平状の平滑な周縁頂面2bが形成されている。従って、蓋体4を裏向け状態で容器本体2の周縁頂面2bの上に載置すると、周縁頂面2bと周縁面4aとが密接状に当接する。しかし、第3実施形態と同様に、周縁頂面2bと周縁面4aとはロックされていないから、蓋体4が容器5の内圧に応じて浮き上がったり落下したりして、内圧を大気圧にほぼ等しくなるように調整する作用を行う。つまり、周縁頂面2bと周縁面4aが逃散手段22となって、容器5の内部のガスを外部に放出するのである。
この第4実施形態では、第3実施形態と同様に、炭酸ガスの逃散手段22として周縁面4aと周縁頂面2bの組合せが設けられ、過剰な炭酸ガスはこの逃散手段22から外部に放出されるように構成され、容器5の内部を炭酸ガスで封入する作用を発揮する。しかし、密封していない為に、炭酸ガス濃度を高濃度に長時間に亘って維持することはできない弱点が有る。
図1の第1実施形態との相違点は、まず物品7とコントロール小容器8を容器本体2の中に隙間を残して配置し、次に容器本体2の隙間に袋口15aを有する袋体15を入れ、更に袋口15aから袋体15の内部にドライアイス10を投入する。ドライアイス10として、クライオナイトで粉状ドライアイスを袋体15の内部に噴射したり、液化炭酸を噴射すると、粉状ドライアイスが周囲に散乱せずに確実に袋体15の内部に配置される特徴を有する。即ち、袋体15を用いることにより、粉状ドライアイスが容器本体2の中に散乱することを防止でき、物品7やコントロール小容器8の中のコントロール用トコジラミ9に粉状ドライアイスが直接接触しないから、物品7やコントロール用トコジラミ9に悪影響を与えることが無。また、粉状ドライアイスが容器本体2の壁面に直接接触しないから、容器本体2の耐久性に寄与する。他の構成と作用効果は図1と同様であるから説明を省略する。
この第6実施形態が図2の第2実施形態と相違する点は、まず物品7とコントロール小容器8を容器本体2の中に隙間を残して配置し、次に容器本体2の隙間に袋口15aを有する袋体15を入れ、更に袋口15aから袋体15の内部にドライアイス10を投入する。上述したように、ドライアイス10として、クライオナイトで粉状ドライアイスを袋体15の内部に噴射したり、液化炭酸を噴射すると、粉状ドライアイスが周囲に散乱せずに確実に袋体15の内部に配置される特徴を有する。即ち、袋体15を用いることにより、粉状ドライアイスが容器本体2の中に散乱することを防止でき、物品7やコントロール小容器8の中のコントロール用トコジラミ9に粉状ドライアイスが直接接触しないから、物品7やコントロール用トコジラミ9に悪影響を与えることが無い。また、粉状ドライアイスが容器本体2の壁面に直接接触しないから、容器本体2の耐久性に寄与する。他の構成と作用効果は図2と同様であるから説明を省略する。
この第7実施形態が図2の第2実施形態と異なる点は、ドライアイス10としてドライアイスブロックを用いる点であり、異なる点のみを以下に説明し、図2と同様の点は説明を省略する。即ち、所定時間が経過してトコジラミを死滅完了させた(7C)においても、ドライアイスブロックが容器5の内部に未だ残存していることである。ドライアイスブロック10が容器5の内部に存在する場合には、容器5の内部の炭酸ガス濃度がほぼ100%であることを意味する。この前提は、容器5の材質が炭酸ガス透過性を有さない場合である。容器5の材質によっては、炭酸ガスが隙間から逃散するだけでなく、光線のように炭酸ガスが物質を透過する場合も存在する。従って、炭酸ガス非透過性の材質で作成された容器5であれば、理論的には容器5の内部の炭酸ガス濃度をほぼ100%に保持することは可能である。但し、高圧ガスボンベの様なスチール製のような材料ではそのようなことは可能であるが、合成樹脂製の場合には炭酸ガス透過性を多少有しているので、炭酸ガス濃度の経時的な漸減性が見られる。
しかし、ドライアイスブロックが駆除完了状態でも容器5の内部に残存するこの第7実施形態では、ドライアイスブロックが継続的に昇華して炭酸ガスを容器の内部に補充しているから、容器5の内部の炭酸ガス濃度は高濃度に保持されている効果が有る。
図7と同様に、この第8実施形態が図3の第3実施形態と異なる点は、ドライアイス10としてドライアイスブロックを用いる点であり、異なる点のみを以下に説明し、図2と同様の点は説明を省略する。即ち、所定時間が経過してトコジラミを死滅完了させた状態図である(8C)においても、ドライアイスブロックが袋体15の内部に未だ残存していることである。ドライアイスブロック10が袋体15の内部に存在する場合には、容器5の内部の炭酸ガス濃度がほぼ100%であることを意味する。図7と同様に、この前提は、容器5の材質が炭酸ガス透過性を有さない場合である。容器5の材質によっては、炭酸ガスが隙間から逃散するだけでなく、光線のように炭酸ガスが物質を透過する場合も存在する。従って、炭酸ガス非透過性の材質で作成された容器5であれば、理論的には容器5の内部の炭酸ガス濃度をほぼ100%に保持することは可能である。但し、高圧ガスボンベのスチール製のような材料ではそのようなことは可能であるが、合成樹脂製の場合には炭酸ガス透過性を多少有しているので、炭酸ガス濃度の経時的な漸減性が見られる。
しかし、ドライアイスブロックが駆除完了状態でも容器5の内部に残存するこの第8実施形態では、ドライアイスブロックが継続的に昇華して炭酸ガスを容器の内部に補充しているから、容器5の内部の炭酸ガス濃度は高濃度に保持されている効果が有る。
[実施例1:恒温槽22℃、過剰ドライアイス粉、死滅実験] 実施例1は、22℃に設定された恒温槽の中に、第2実施形態の図2に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイス粉をドライアイス10として配置し、駆除完了のかなり前で、実験開始から約0.5時間でドライアイス粉が全て昇華するように設定した。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は22℃に調節されているから、容器5の内部温度はドライアイスの存在により22℃よりも低くなり、しかも各時刻に存在するドライアイス量に依存するから、実験中に変動する。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
実施例2は、30℃に設定された恒温槽の中に、図2に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例1とは恒温槽の設定温度が異なるだけである。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイス粉をドライアイス10として配置し、駆除完了のかなり前で、実験開始から約0.5時間でドライアイス粉が全て昇華するようにされた。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は30℃に調節されているから、容器5の内部も30℃以下に調整されている。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
実施例3は、22℃に設定された恒温槽の中に、第7実施形態の図7に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例1とはドライアイス粉に替えてドライアイスブロックを使用している点が異なり、恒温槽の設定温度は22℃と同様に設定された。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイスブロックをドライアイス10として配置し、ドライアイスブロックは徐々に昇華し、完全死滅するまで容器内に残存している点に特徴が有る。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は22℃に調節されているが、容器5の内部はドライアイスに冷却され12℃前後になった。そしてドライアイスが昇華するにつれ、容器内温度は徐々に22℃へと近づいていくことが確認された。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
実施例4は、30℃に設定された恒温槽の中に、図7に示された容器5を配置して行われたトコジラミ死滅実験である。実施例3とはドライアイスブロックを使用している点で共通し、設定温度が30℃と異なるように設定された。物品7としてアルバムが選択され、各3匹のコントロール用トコジラミ9をコントロール用小容器8に配置して実施された。容器5の内部に過剰なドライアイスブロックをドライアイス10として配置し、ドライアイスブロックは徐々に昇華し、完全死滅するまで容器内に残存している点に特徴が有る。昇華して調圧弁11から排出される炭酸ガスは恒温槽から排気されるように構成される。恒温槽は30℃に調節されているが、容器5の内部はドライアイスに冷却され22℃前後になった。また、容器5の内部では、炭酸ガス濃度(%)が常時計測されている。
表1の結果として、恒温槽設定温度22℃のドライアイス粉では、駆除時間は17時間であり、最終濃度は約65%以上ということが分かった。表2の結果として、恒温槽設定温度30℃のドライアイス粉では、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約60%以上ということが分かった。表3の結果として、恒温槽設定温度22℃のドライアイスブロックでは、駆除時間は12時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。表4の結果として、恒温槽設定温度30℃のドライアイスブロックでは、駆除時間は10時間であり、最終濃度は約90%以上ということが分かった。
以上をまとめると、炭酸ガス濃度を高濃度に長時間保持した方がトコジラミの死滅時間は短縮でき、完全死滅時間は10時間以上であり、開始時点でCO2を充満状態にして完全死滅時点の濃度は65%以上を保持させれば、確実にトコジラミを完全死滅処理できる、ことが分かった。
2 容器本体
2a 容器本体内底面
2b 周縁頂面
3 開口面
4 蓋体(開閉手段)
4a 周縁面
5 容器
7 物品
8 コントロール小容器
9 コントロール用トコジラミ
10 ドライアイス
11 調圧弁(逃散手段の一例)
15 袋体
15a 袋口
20 密封手段
20a 密封受手段
20b 密封押え手段
22 逃散手段
Claims (6)
- 透明な容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に処理時間だけ埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法であり、コントロール用の生きたトコジラミを収容した、トコジラミが登れない高滑性の周囲壁を有する透明なコントロール小容器を前記容器の中に配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを前記容器の外部から視認して確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了し、
まず前記物品と前記コントロール小容器を前記容器の中に隙間を残して配置し、次に前記隙間に袋口を有する袋体を入れ、更に前記袋口から前記袋体の内部に粉状ドライアイス又は液化炭酸を噴射して、粉状ドライアイスを前記袋体の内部に配置して容器を密封することを特徴とするトコジラミ駆除方法。 - 透明な容器の内部にトコジラミを駆除すべき物品を収容し、前記容器の内部に二酸化炭素を充填して容器を密封し、前記物品を二酸化炭素の雰囲気の中に処理時間だけ埋没させて、前記物品の中に生息するトコジラミを駆除するトコジラミ駆除方法であり、コントロール用の生きたトコジラミを収容した、トコジラミが登れない高滑性の周囲壁を有する透明なコントロール小容器を前記容器の中に配置し、前記容器に充填された二酸化炭素は前記コントロール小容器にも侵入し、コントロール用のトコジラミが死滅していることを前記容器の外部から視認して確認して、前記物品のトコジラミ駆除が完了し、
まず前記物品と前記コントロール小容器を前記容器の容器本体内底面に隙間を残して配置し、次に前記隙間にドライアイスブロックを分散配置して、前記容器の内部を二酸化炭素の雰囲気で充満させ、前記処理時間の直後に前記ドライアイスブロックが未だ残存していて、
前記隙間は、前記物品と前記コントロール小容器の間、及び、容器本体の壁面と前記物品の間、及び、前記容器本体の壁面と前記コントロール小容器の間、に設けられた隙間であることを特徴とするトコジラミ駆除方法。 - 前記処理時間が10時間以上である請求項1又は2に記載のトコジラミ駆除方法。
- 前記処理時間の直後に前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が65%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のトコジラミ駆除方法。
- 前記処理時間が10〜12時間であり、前記処理時間の直後に前記雰囲気の二酸化炭素の体積濃度が90%以上である請求項2に記載のトコジラミ駆除方法。
- 30℃に設定した恒温槽の中に前記容器を配置して、恒温槽設定温度が22℃の場合に較べて、トコジラミを完全死滅処理できる前記処理時間である完全死滅時間を、2時間以上短縮できる請求項1〜5のいずれかに記載のトコジラミ駆除方法。
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|---|---|---|---|
| JP2014042760A JP6352000B2 (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | トコジラミ駆除方法及びトコジラミ駆除装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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