JP6350025B2 - 含油スカム又は含油排水の油水分離方法、並びに油水分離剤 - Google Patents
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特許文献2には、ノニオン系界面活性剤を含む含油排水に対し、該界面活性剤よりHLB値の低いノニオン系界面活性剤を添加することにより、排水を加温することなく、油相と清澄な水相とを分離する方法が開示されている。
特許文献3には、含油廃水から油分離槽にて浮上油を分離した後、無薬注で加圧浮上槽にてさらに浮上油を分離して浮上油を2段階で除去し、その後エマルジョンブレークし凝集剤を添加して、分離された油分を凝集加圧浮上濃縮槽にてスカムとして浮上させ、浮上させたスカムを焼却処理する方法が開示されている。
特許文献2の手法は、含油排水に含まれている乳化剤の種類が特定できていない場合に対応が困難であるという問題がある。言い換えると、特許文献2の手法は、様々な工程から排出される含油排水に対しての迅速な対応が困難である。また、特許文献2の手法は、含油排水の油水分離のみを考慮しており、含油排水に比べて粘度が高く、含油排水とは性状が異なる含油スカムの油水分離を全く考慮していない。
特許文献3の手法は、三段階の処理が必要であり、設備を増設する必要があるという問題がある。また、特許文献3の手法は、含油スカムを燃料としての再利用するような高度な油水分離を考慮していない。
[1]含油スカムに対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、含油スカムの油水分離方法。
[2]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[1]に記載の含油スカムの油水分離方法。
[3]前記含油スカム中の前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、上記[1]又は[2]に記載の油水分離方法。
[5]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[4]に記載の含油排水の油水分離方法。
[6]前記含油排水中の前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、上記[4]又は[5]に記載の油水分離方法。
[8]前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、上記[7]に記載の油水分離剤。
本発明の含油スカムの油水分離方法は、含油スカムに対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加するものである。
アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(以下、「本発明の硫酸エステル塩」と称する場合がある。)は、含油スカムの元となる含油排水の種類に関わりなく、含油スカムの油水分離性に優れるものである。
一方、本発明の硫酸エステル塩と類似する構造であっても、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びアルキレンオキサイド付加モル数が3を超えるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、含油スカムの油水分離性に劣るものである。
本発明の硫酸エステル塩は、アルキレンオキサイド付加モル数が2〜3であることが好ましい。
本発明の含油スカムの油水分離方法に適用可能な含油スカムは特に制限されない。含油スカムの由来としては、冷間圧延等の金属の圧延処理等で生じる含油排水が挙げられる。
含油スカム中の油分は特に限定されないが、通常30〜70質量%である。
本発明の硫酸エステル塩は、上記一般式(1)で表されるものの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
式(1)中の1価の陽イオンとしては、Na、K、NH4、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられ、これらの中でもNaが好適である。また、式(1)中のR1は炭素数11〜14のアルキル基であることが好ましい。また、式(1)中のR2は炭素数2のアルキレン基(エチレン基)であることが好ましい。また、式(1)中のnは2〜3の数であることが好ましい。
なお、本発明の目的が損なわれない範囲で、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の本発明の硫酸エステル塩以外の成分を添加することできる。これらの添加成分は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。後述する含油排水の油水分離方法においても同様である。
本発明の含油排水の油水分離方法は、含油排水に対して、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加するものである。
アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(本発明の硫酸エステル塩)の実施形態、及びその好適な実施形態は、上述した本発明の含油スカムの油水分離方法の実施形態と同様である。
本発明の硫酸エステル塩は、含油排水の油水分離性に優れることから、後の油水分離工程で含油スカムを抽出した際に、含油スカム中の水分含有率を低下させることができる。一方、本発明の硫酸エステル塩と類似する構造であっても、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びアルキレンオキサイド付加モル数が3を超えるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、含油排水の油水分離性に劣るものである。
含油排水中の油分は特に限定されないが、金属の圧延処理の排水の場合、通常油分は50〜500ppmである。
含油排水に本発明の硫酸エステル塩を添加した後は、油水分離して含油スカムを抽出する。油水分離装置としては、加圧浮上槽、遠心分離装置、ろ過装置等が挙げられ、含油排水の濃度等により適宜使い分ければよい。金属の圧延処理で生じた含油排水の場合、加圧浮上槽が好適である。
本発明の硫酸エステル塩を添加する際の含油排水の温度及びpHは特に制限されない。温度は5〜70℃が好ましく、25〜35℃がより好ましく、30℃が特に好ましい。pHは5〜9が好ましく、6〜7がより好ましく、6.5がさらに好ましい。
本発明の油水分離剤は、アルキレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である。
本発明の油水分離剤の実施形態、及びその好適な実施形態は、本発明の含油スカムの油水分離方法、及び本発明の含油排水の油水分離方法で説明した通りである。
1−1.油水分離前の含油スカム中の水分濃度の算出
JIS K−2275の蒸留法に準拠して、含油スカム中の水分量を測定し、水分濃度を算出した。
1−2.油水分離後の含油スカムの水分濃度の算出
含油スカムを入れた缶を30〜40回撹拌混合した。攪拌後の含油スカムを100mlの試験管に100ml注ぎ、薬剤の濃度が1質量%となるように薬剤を添加した。試験管内の試料をスパーテルで60秒攪拌し、含油スカムと薬剤とを混合した。30℃の恒温槽で24時間静置後、水相の高さから分離した水分量を測定し、含油スカムに残存している水分濃度を算出した。
1−3.油水分離処理による含油スカムの水分低減率の算出
油水分離前の含油スカム中の水分濃度を「A%」、油水分離後の含油スカムの水分濃度を「B%」とし、下記式により油水分離処理による含油スカムの水分低減率を算出した。水分低減率が50%以上のものを「〇」、30%以上50%未満のものを「△」、30%未満のものを「×」とした。結果を表1に示す。
含油スカムの水分低減率(%)=[(A−B)/A]×100
薬剤1:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数2、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤2:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数2.5、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数3、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数8〜18[アルキル基の平均炭素数13.5])
薬剤4:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(アルキレンオキサイド付加モル数4、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数12)
薬剤5:ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数8、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数8)
薬剤6:ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(アルキレンオキサイド付加モル数10、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数10)
薬剤7:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンオキサイド付加モル数3.7、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数14.5)
薬剤8:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンオキサイド付加モル数2.5、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数10)
薬剤9:ポリオキシアルキレンオレイルエーテル及びポリオキシアルキレンセチルエーテルの混合物(アルキレンオキサイド付加モル数3.4、アルキレン基炭素数2、アルキル基炭素数16又は18[アルキル基の平均炭素数17])
Claims (5)
- 金属の圧延処理工程で生じる含油スカムに対して、エチレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、該含油スカムの油水分離方法。
- 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、請求項1に記載の含油スカムの油水分離方法。
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。] - 前記含油スカム中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有割合が0.1〜10質量%となるようにして前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を添加する、請求項1又は2に記載の含油スカムの油水分離方法。
- エチレンオキサイド付加モル数が1〜3のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる、金属の圧延処理工程で生じる含油スカム用の油水分離剤。
- 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、下記一般式(1)に示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、請求項4に記載の金属の圧延処理工程で生じる含油スカム用の油水分離剤。
[式中、R1は炭素数が8〜18のアルキル基を示し、R2は炭素数2のアルキレン基を示し、nは1〜3の数を示し、Xは1価の陽イオンを示す。]
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