以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光音響画像生成装置を示す。光音響画像生成装置10は、プローブ(超音波探触子)11、超音波ユニット12、レーザユニット13、及び穿刺針15を含む。なお、本発明の実施形態では、音響波として超音波を用いるが、超音波に限定されるものでは無く、被検対象や測定条件等に応じて適切な周波数を選択してさえいれば、可聴周波数の音響波を用いても良い。
レーザユニット13は光源である。レーザユニット13から出射した光は、例えば光ファイバ16などの導光手段を用いて穿刺針15まで導光される。レーザユニット13は、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)やアレキサンドライトなどを用いた固体レーザ光源である。光源のタイプは特に限定されず、レーザユニット13が、レーザダイオード光源(半導体レーザ光源)であってもよいし、或いはレーザダイオード光源を種光源とする光増幅型レーザ光源であってもよい。レーザ光源以外の光源を用いてもよい。
図2は、レーザユニット13の構成例を示す。レーザユニット13は、レーザロッド51、フラッシュランプ52、ミラー53、54、及びQスイッチ55を有する。レーザロッド51は、レーザ媒質である。レーザロッド51には、例えばアレキサンドライト結晶を用いることができる。フラッシュランプ52は、励起光源であり、レーザロッド51に励起光を照射する。励起光源はフラッシュランプ52には限定されず、フラッシュランプ52以外の光源を励起光源として用いてもよい。
ミラー53、54は、レーザロッド51を挟んで対向しており、ミラー53、54により光共振器が構成される。ミラー54が出力側であるものとする。光共振器内には、Qスイッチ55が挿入される。Qスイッチ55により、光共振器内の挿入損失を損失大(低Q)から損失小(高Q)へと急速に変化させることで、パルスレーザ光を得ることができる。レーザユニット13の出力側のミラー54から出射したパルスレーザ光は、穿刺針まで導光される。
図1に戻り、穿刺針15は、被検体に穿刺される針である。穿刺針15は、外針と内針とを有する。外針は、鋭角に形成された先端に開口を有し、内部に内腔を有する。内針は、外針の内腔とほぼ同じ大きさの外径を有しており、中空の外針に対して抜き差し可能に構成される。内針は、外針の基端部側から外針の内腔に挿入され、外針の内腔の少なくとも一部を、例えば生体の切片等が内腔に侵入するのを防ぐ程度に封止する。内針の基端部には、接続位置合わせのための突起部が設けられており、外針の基端部には、内針の基端部の突起部に係合する溝が設けられている。外針内に内針をセットする際は、内針の基端部の突起と外針の基端部の溝との位置を合わせた上で、内針の基端部を外針の基端部に嵌合させる。
医師などの術者は、外針内に内針がセットされた状態で、穿刺針15を被検体へ穿刺する。外針の内腔が内針により塞がれるため、針を穿刺している途中に肉片などを巻き込むことを防止でき、術者の刺す感覚が妨げられることを防止できる。また、穿刺部位から外針の内腔への水分の流入も防止できる。術者は、被検体への穿刺後、内針の基端部と外針の基端部との接続を解除し、外針から内針を抜き取る。内針を抜き取った後、例えば、外針の基端部にシリンジなどを装着し、麻酔薬などの薬剤の注入を行う。
図3は、穿刺針15の先端付近の断面を示す。穿刺針15は、外針を構成する穿刺針本体151とその内部に挿入された内針152とを有する。内針152は、導光部材155、光吸収部材157、チューブ158、及び透明樹脂159を含む。チューブ158は、例えばポリイミドから成る中空の管である。チューブ158は、ステンレスなどの金属の管であってもよい。チューブ158の外径は、穿刺針本体151の内腔の直径よりもわずかに小さい。透明樹脂159は、チューブ158の管内に配置される。透明樹脂159には、例えばエポキシ樹脂(接着剤)が用いられる。チューブ158及び透明樹脂159は、鋭角に形成された穿刺針先端と同様に、鋭角にカットされている。透明樹脂159は、チューブ158の少なくとも先端部分を塞げばよく、必ずしもチューブ158の内部の全体を塞いでいる必要はない。透明樹脂159には、光硬化型、熱硬化型、又は常温硬化型のものを用いることができる。
光ファイバ16(図1を参照)により導光された光は、例えば内針の基端部に設けられた光コネクタから内針152内の導光部材155に入射する。内針の基端部に光コネクタを設けるのに代えて、光ファイバ16をチューブ158の内部に挿通し、光ファイバ16そのものを導光部材155として用いてもよい。導光部材155は、レーザユニット13から出射される光を穿刺針の開口の近傍に導光する。導光部材155により導光された光は、開口の近傍に設けられた光出射部156から出射する。導光部材155は、例えば光ファイバで構成されており、その光ファイバのレーザユニット13から見て光進行側の端面が光出射部156を構成する。光出射部156からは、例えば0.2mJのレーザ光が出射する。
導光部材155は、透明樹脂159によりチューブ158の中に埋め込まれる。チューブ158の先端には、光音響波発生部である光吸収部材157が配置されており、光出射部156から出射した光は光吸収部材157に照射される。光吸収部材157が照射された光を吸収することで、穿刺針の先端において光音響波が発生する。光吸収部材157は穿刺針15の先端に存在しており、穿刺針15の先端の一点で光音響波を発生させることができる。光音響波の発生源(音源)の長さは、穿刺針全体の長さに比べて十分に短く、音源は点音源とみなすことができる。光吸収部材157には、例えば黒顔料を混合したエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂やシリコーンゴムなどを用いることができる。あるいは、光吸収部材157に、レーザ光の波長に対して光吸収性を有する金属又は酸化物を用いてもよい。例えば光吸収部材157として、レーザ光の波長に対して光吸収性が高い酸化鉄や、酸化クロム、酸化マンガンなどの酸化物を用いることができる。あるいは、TiやPtなどの金属を光吸収部材157として用いてもよい。
上記の内針152は、以下の手順で作製できる。まず、チューブ158の管内に硬化前の透明樹脂159を注入する。次いで、導光部材155をチューブ158の内部に挿通し、光出射部156を構成する導光部材155の光出射端がチューブ158の先端の近傍に配置されるように位置決めする。この位置決めでは、例えば顕微鏡などを用いて導光部材155を観察し、光出射端がチューブ158の先端に配置されるように位置を調整するとよい。ここで、「近傍」とは、光出射部156がその位置に配置された場合に、先端に配置される光吸収部材157において穿刺作業に必要な精度で穿刺針15の先端の位置を画像化できる光音響波を発生可能な位置をいうものである。例えば、穿刺針15の先端から基端側へ0mm〜3mmの範囲内となる。透明樹脂159は透明性を有しているため、調整の際に、導光部材155の光出射端の位置の確認が可能である。上記に代えて、先に導光部材155を挿通し、その後透明樹脂159を注入してもよい。
位置決め後、導光部材155がチューブ158の管内に挿通された状態で透明樹脂159を例えば熱硬化により硬化させる。その後、チューブ158及び透明樹脂159の先端を、穿刺針本体151の先端に適合した形状になるように鋭角に切断する。続いて、その切断面の少なくとも一部を覆うように、光吸収部材157を構成する光吸収性を有する樹脂を塗布し、その樹脂を例えば熱硬化により硬化させる。
上記では、導光部材155をチューブ158の内部に挿通して位置を調整し、透明樹脂を硬化させた後にチューブを鋭角に切断しているが、これには限定されない。先にチューブを鋭角に切断しておき、そのチューブに導光部材155を挿通して位置調整し、透明樹脂を硬化させてもよい。その場合、チューブにステンレスなどの金属管を用いてもよい。
再び図1に戻り、プローブ11は、音響波検出手段であり、例えば一次元的に配列された複数の検出器素子(超音波振動子)を有している。プローブ11は、被検体に穿刺針15が穿刺された後に、光吸収部材157(図3を参照)から発生された光音響波を検出する。プローブ11は、光音響波の検出に加えて、被検体に対する音響波(超音波)の送信、及び送信した超音波に対する反射音響波(反射超音波)の受信を行う。音波の送受信は分離した位置で行ってもよい。例えばプローブ11とは異なる位置から超音波の送信を行い、その送信された超音波に対する反射超音波をプローブ11で受信してもよい。プローブ11は、リニアプローブに限定されず、コンベクスプローブ、又はセクタープローブでもよい。
超音波ユニット12は、受信回路21、受信メモリ22、データ分離手段23、光音響画像生成手段24、超音波画像生成手段25、画像出力手段26、送信制御回路27、制御手段28、挿抜検出手段30、処理切替手段31、画像記録手段32、光源制御手段33、及び記憶部34を有する。超音波ユニット12は、信号処理装置を構成する。
受信回路21は、プローブ11が出力する検出信号を受信し、受信した検出信号を受信メモリ22に格納する。受信回路21は、典型的には、低ノイズアンプ、可変ゲインアンプ、ローパスフィルタ、及びAD変換器(Analog to Digital convertor)を含む。プローブ11の検出信号は、低ノイズアンプで増幅された後に、可変ゲインアンプで深度に応じたゲイン調整がなされ、ローパスフィルタで高周波成分がカットされた後にAD変換器でデジタル信号に格納され、受信メモリ22に格納される。受信回路21は、例えば1つのIC(Integral Circuit)で構成される。
プローブ11は、光音響波の検出信号と反射超音波の検出信号とを出力し、受信メモリ22には、AD変換された光音響波及び反射超音波の検出信号(サンプリングデータ)が格納される。データ分離手段23は、受信メモリ22から光音響波の検出信号のサンプリングデータを読み出し、光音響画像生成手段24に送信する。また、受信メモリ22から反射超音波のサンプリングデータを読み出し、超音波画像生成手段(反射音響波画像生成手段)26に送信する。
光音響画像生成手段24は、プローブ11で検出された光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する。光音響画像の生成は、例えば、位相整合加算などの画像再構成や、検波、対数変換などを含む。超音波画像生成手段25は、プローブ11で検出された反射超音波の検出信号に基づいて超音波画像(反射音響波画像)を生成する。超音波画像の生成も、位相整合加算などの画像再構成や、検波、対数変換などを含む。
画像出力手段26は、光音響画像と超音波画像とをディスプレイ装置などの画像表示手段14に出力する。画像出力手段26は、例えば光音響画像と超音波画像とを重畳して画像表示手段14に出力する。
制御手段28は、超音波ユニット12内の各部を制御する。制御手段28は、例えば光音響画像を取得する場合は、レーザユニット13にトリガ信号を送信し、レーザユニット13からレーザ光を出射させる。また、レーザ光の出射に合わせて、受信回路21にサンプリングトリガ信号を送信し、例えば光音響波のサンプリング開始タイミングなどを制御する。光音響波を検出するエリアは複数のエリアに分割されていてもよい。その場合、被検体に対する光出射と光音響波の検出は、エリアごとに行う。
制御手段28は、超音波画像を取得する場合は、送信制御回路27に超音波送信を指示する旨の超音波送信トリガ信号を送信する。送信制御回路27は、超音波送信トリガ信号を受けると、プローブ11から超音波を送信させる。プローブ11は、例えば音響ラインを一ラインずつずらしながら走査して反射超音波の検出を行う。制御手段28は、超音波送信のタイミングに合わせて受信回路21にサンプリングトリガ信号を送信し、反射超音波のサンプリングを開始させる。
挿抜検出手段30は、穿刺針15の内針が外針から抜かれたことを検出する。挿抜検出手段30は、例えば時系列で生成される光音響画像の画素値のフレーム間の変化量に基づいて内針が外針から抜かれたか否かを判定する。例えば挿抜検出手段30は、光音響画像における光吸収部材157(図3を参照)の位置に対応する画素のフレーム間の画素値の変化量を求める。挿抜検出手段30は、変化量に基づいて内針が外針から抜かれたか否かを判定する。挿抜検出手段30は、例えば画素値が急激に減少し、かつ画素値が減少した状態があらかじめ定められた時間(例えば1秒)以上継続するとき、内針が抜かれたと判定する。
挿抜検出手段30は、光音響画像の複数の画素の画素値の合計値を求め、その合計値の変化量に基づいて内針が外針から抜かれたか否かを判定してもよい。例えば挿抜検出手段30は、光音響画像における光吸収部材157の位置を含む領域内の画素の画素値の合計値を求め、その合計値のフレーム間の変化量を求める。挿抜検出手段30は、例えば画素値の合計値が急激に減少し、かつ画素値の合計値が減少した状態があらかじめ定められた時間(例えば1秒)以上継続するとき、内針が抜かれたと判定してもよい。光音響画像の一部の領域ではなく全体の画素値の合計値を求め、その合計値の変化量に基づいて内針が抜かれたか否かを判定してもよい。
画像出力手段26は、挿抜検出手段30において内針が抜かれたことが検出されるまでは、超音波画像に光音響画像を重畳した画像を画像表示手段14に出力し、内針が抜かれたことが検出された後は反射音響波画像を画像表示手段14に出力する。画像出力手段26は、内針が抜かれたことが検出された後は、反射音響波画像に、内針が抜かれたことが検出される前の時刻に生成された光音響画像を重畳した画像を画像表示手段14に表示させてもよい。
処理切替手段31は、挿抜検出手段30において内針が抜かれたことが検出されると、画像表示手段14に表示される画像表示を、内針が抜かれたことが検出される前の画像表示とは異なるものとする。処理切替手段31は、例えば内針が抜かれたことが検出される前と検出された後とで、画像表示手段14に表示される光音響画像の表示色を異なるものとする。
画像記録手段32は、挿抜検出手段30において内針が抜かれたことが検出されると、超音波画像を記憶部(記録媒体)34に記録する。記憶部34は、例えばハードディスク装置や半導体メモリなどの記録媒体である。画像記録手段32は、例えば内針が抜かれたことが検出された時刻から、あらかじめ定められた時間の経過後に超音波画像の記録を開始する。このとき、画像出力手段26は、内針が抜かれたことが検出された後、画像記録手段32が超音波画像の記録を開始するまでの残り時間を画像表示手段14に表示させてもよい。記憶部34は、必ずしも超音波ユニット12の内部に存在している必要はなく、超音波ユニット12の外部に存在していてもよい。
光源制御手段33は、挿抜検出手段30において内針が抜かれたことが検出されると、例えば制御手段28を介して、レーザユニット13の光出射を抑制する。光出射の抑制には、光出射の停止の他に、光出射の繰り返し周期を長くすること、発光強度を低下させることなどが含まれる。光源制御手段33は、例えばフラッシュランプ52(図2を参照)の発光を抑制することで、レーザユニット13の光出射を抑制する。フラッシュランプ52の発光の抑制は、例えばフラッシュランプ52を駆動する駆動回路の電源を切ることで実現できる。また、制御手段28からフラッシュランプトリガ信号を出力させないこと、或いは制御手段28が出力するフラッシュランプトリガ信号をマスクすることで実現できる。
上記に代えて、光源制御手段33は、Qスイッチ55の動作を抑制することで、レーザユニット13の光出射を抑制してもよい。Qスイッチ55の動作の抑制は、例えばQスイッチ55を駆動する駆動回路の電源を切ることで実現できる。また、制御手段28からQスイッチトリガ信号を出力させないこと、或いは制御手段28が出力するQスイッチトリガ信号をマスクすることで実現できる。レーザユニット13が、レーザダイオード光源である場合、光源制御手段33は、レーザダイオードの駆動を抑制することで、光源の光出射を抑制してもよい。光源制御手段33は、内針が抜かれたことが検出された後に、内針が挿入されたことが検出されると、光源の発光の抑制を解除してもよい。
なお、上記では、挿抜検出手段30が光音響画像に基づいて内針が外針から抜かれたか否かを判定するものとして説明したが、これには限定されない。例えば穿刺針15に挿抜センサを設け、挿抜検出手段30が、挿抜センサの検出信号に基づいて内針が外針から抜かれたか否かを判定してもよい。例えば、穿刺針15の内針の基端部と外針の基端部との接続部分に、挿抜センサとして接触センサを設ける。接触センサは、内針の基端部と外針の基端部とが接触しているか否かに応じた信号を出力する。接触センサは、例えば内針の基端部と外針の基端部とが接触しているときに導通状態となり、接触していないときに非導通状態となる。この場合、挿抜検出手段30は、接触センサの端子間が導通状態である非導通状態であるかにより、内針が外針から抜かれたか否かを判定することができる。
挿抜センサは接触センサには限定されない。例えば挿抜センサが内針の基端部に設けられた第1の電極と、外針の基端部に設けられた第2の電極とを含む構成としてもよい。第2の電極は、内針が外針に正しく挿入されると第1の電極と導通する。挿抜センサから、第1の電極と第2の電極とが導通しているか否かを示す信号を出力し、挿抜検出手段30において、挿抜センサの検出信号に基づいて内針が抜かれたか否かを判定してもよい。
図4(a)〜(c)は、上記の挿抜センサを示す図である。図4(a)は外針の基端部(外針基)154を示し、(b)は内針の基端部(内針基)153示す。図4(c)は、内針152を外針を構成する穿刺針本体151の内腔に挿入した状態を示す。外針基154には、装着状態において内針基153と対向する面に、リング状の電極(第2の電極)160が設けられている(図4(a)を参照)。一方、内針基153には、装着状態において外針基154と対向する面に、一対の電極161、162が第1の電極として設けられている(図4(b)を参照)。内針152を穿刺針本体151の内腔の挿入し、内針基153と外針基154とが接触すると、内針基153に設けられた一対の電極161、162と、外針基154に設けられた電極160とがそれぞれ導通する。例えば電極161と電極162とにそれぞれリード線を取り付け、一対の電極161、162を挿抜検出手段30に接続する。穿刺針15の外部において、一対のリード線と光ファイバ16(図1を参照)とはシース内に一体で封入されていることが好ましい。挿抜検出手段30が電極161と電極162との間が導通しているか否かを調べることで、内針が外針から抜かれたか否かの判定が可能となる。
続いて動作手順を説明する。図5は、光音響画像生成装置10の動作手順を示す。光音響画像生成装置10は、超音波画像を生成する(ステップA1)。このステップでは、制御手段28は、送信制御回路27に超音波トリガ信号を送信する。送信制御回路27は、それに応答してプローブ11から超音波を送信させる。プローブ11は、超音波の送信後、反射超音波を検出する。プローブ11が検出した反射超音波は、受信回路21で受信され、そのサンプリングデータが受信メモリ22に格納される。超音波画像生成手段25は、データ分離手段23を介して反射超音波の検出信号のサンプリングデータを受信し、超音波画像を生成する。
光音響画像生成装置10は、光音響画像を生成する(ステップA2)。このステップでは、制御手段28は、レーザユニット13にトリガ信号を送信する。トリガ信号には、例えばフラッシュランプトリガ信号とQスイッチトリガ信号とが含まれる。レーザユニット13では、フラッシュランプトリガ信号に応答してフラッシュランプ52(図2を参照)が点灯され、その後Qスイッチトリガ信号に応答してQスイッチ55が駆動されてパルスレーザ光が出射される。レーザユニット13から出射したパルスレーザ光は、導光部材155(図3を参照)によって穿刺針15の先端の近傍まで導光され、光出射部156から出射して、少なくともその一部が穿刺針15の先端に配置された光吸収部材157照射される。プローブ11は、レーザ光の照射により発生した光音響波、すなわち光吸収部材157から発せられた光音響波を検出する。プローブが検出した光音響波は、受信回路21で受信され、そのサンプリングデータが受信メモリ22に格納される。光音響画像生成手段24は、データ分離手段23を介して光音響波の検出信号のサンプリングデータを受信し、光音響画像を生成する。
画像出力手段26は、ステップA1で生成された超音波画像とステップA2で生成された光音響画像とを画像表示手段14に表示させる。画像出力手段26は、例えば超音波画像に光音響画像を重畳した合成画像を生成し、その合成画像を画像表示手段14に出力する。医師などは、合成画像を観察しながら穿刺針を所望の位置に穿刺する。
挿抜検出手段30は、穿刺針15の内針が外針から抜かれたか否かを判定する(ステップA4)。内針152(図3を参照)が外針(穿刺針本体)151から抜かれると、それに伴い導光部材155及び光吸収部材157も穿刺針本体151から抜かれるため、検出される光音響波のレベルが急激に減少すると考えられる。挿抜検出手段30は、例えば光音響画像における画素値が急激に低下し、かつその状態が例えば1秒以上続いたときに、内針が外針から抜かれたと判定する。内針が外針から抜かれていないと判定されたときは、ステップA1に戻り、通常の処理を継続する。
医師などは、画像表示手段14に表示された画像を観察し、穿刺針15の先端が所望の位置に穿刺されたことを確認すると、内針を外針から抜き取り、麻酔薬などの液体を注入する準備を行う。画像記録手段32は、ステップA4において内針が抜かれたことが検出されると、超音波画像の記録を開始する(ステップA5)。画像記録手段32は、例えば内針が抜かれたことが検出された時刻からあらかじめ定められた時間の経過後に、超音波画像の記録を開始する。この時間は、例えば医師などがシリンジを接続するために必要な時間などを考慮して定めておくとよい。
画像出力手段26は、超音波画像の記録が開始されると、記録中である旨を画像表示手段14に表示させてもよい。光音響画像生成装置10は、超音波画像の生成を引き続き実施する。医師などは、超音波画像の記録が開始された後に、麻酔薬などの注入を開始するとよい。
処理切替手段31は、ステップA4において内針が抜かれたことが検出されると、超音波画像に重畳されて画像表示手段14に表示される光音響画像の表示色を、内針が抜かれたことが検出される前の画像表示とは異なるものとする(ステップA6)。処理切替手段31は、光音響画像全体のうち、穿刺針15の先端が存在していた部分の近辺の領域、例えば穿刺針15の先端が存在していた位置を中心とする半径2cmの範囲の領域において、光音響画像の表示色を変化させてもよい。例えば、内針が抜かれたことが検出されるまでは、光音響画像を赤色で表示し、内針が抜かれたことが検出された後は、光音響画像を緑色で表示してもよい、
ステップA6において表示される光音響画像は、内針が抜かれたことが検出される前の時刻、特に内針が抜かれたことが検出された時刻の直前のものであることが好ましい。通常、薬剤注入は、穿刺針の位置を固定して行われるため、内針が抜かれる直前に生成された光音響画像は、薬剤が注入される位置を示すものとして有用である。このとき、表示色が変わっていることで、医師などは、表示される光音響画像が、リアルタイムのものではなく、過去において生成されたものであることを容易に認識できる。
光源制御手段33は、ステップA4において内針が抜かれたことが検出されると、レーザユニット13の光出射を抑制する(ステップA7)。光源制御手段33は、例えば制御手段28に対して、レーザユニット13に対するトリガ信号の送信の停止を指示する。レーザユニット13に対してトリガ信号が出力されないことで、レーザユニット13の光出者が停止する。光出射を停止するのに代えて、レーザユニット13がパルスレーザ光を出射するとき、そのパルス間隔を、内針が抜かれたことが検出される前のパルス間隔よりも長くしてもよい。あるいは、レーザユニット13の出射光の強度(パワー)を、内針が抜かれることが検出される前の強度より低くしてもよい。
本実施形態では、処理切替手段31は、内針が抜かれたことが検出されると、画像表示を内針が抜かれる前のものとは異なるものにする。内針が抜かれると、導光部材155及び光吸収部材157が穿刺針本体151から抜き取られるため、光音響画像によって穿刺針15の先端位置を確認することができなくなる。内針が抜かれた後は、内針が抜かれる前の時刻に生成された光音響画像を表示することで、穿刺針15の位置の確認が可能である。このとき、光音響画像の表示色を内針が抜かれたことが検出される前のものと変えることで、医師などは、表示されている光音響画像がリアルタイムのものでないことを容易に認識できる。
本実施形態では、画像記録手段32は、内針が抜かれたことが検出されると、超音波画像の記録を開始する。特に麻酔薬の注入では、液の広がり方がブロック効果や処理関連の副作用へとつながるために、液が広がっていく様子を記録しておくことが重要である。本実施形態では、液注入は内針が抜かれた後に行われることに着目し、内針が抜かれたことが検出されると、超音波画像の記録を開始する。このようにすることで、液注入を行う医師自信が画像記録のための特別な操作をしなくても、超音波画像を記録することができる。
本実施形態では、光源制御手段33は、内針が抜かれたことが検出されると、レーザユニット13の光出射を抑制する。内針が抜かれた後は、光吸収部材157から発せられた光音響波をプローブ11で検出できないため、レーザ光を出射する必要はなくなる。特に、ポータブル装置では、不要な光源駆動に伴う電力消費をできるだけ削減したいという要望がある。本実施形態では、内針が抜かれたことが検出されると光出射を抑制するため、無駄な電力消費を抑制することができる。本実施形態では、医師などは、レーザユニット13の光出波を抑制するための操作を行う必要がないので、内針を抜いた後の液注入に専念することができる。
次いで、本発明の第2実施形態の光音響画像生成装置を説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る光音響画像生成装置を示す。本実施形態に係る光音響画像生成装置10aは、超音波ユニット12a内に光音響波の発生源の位置を検出する音源位置検出手段35が追加されている点で、図1に示す第1実施形態に係る光音響画像生成装置10と相違する。本実施形態では、画像表示手段14に、音源位置検出手段35が検出した光音響波の発生源の位置を表示する。その他の点は第1実施形態と同様でよい。
音源位置検出手段35は、光音響画像生成手段24により生成された光音響画像から光音響波の発生源の位置を検出する。音源位置検出手段35は、例えば光音響画像において最大の画素値を持つ画素の位置を光音響波の発生源の位置として検出する。光音響波の発生源の位置は、穿刺針15の光吸収部材157(図3を参照)の位置に対応する。音源位置検出手段35は、あらかじめ定められた深さ位置よりも深い位置において光音響波の発生源の位置を検出してもよい。音源位置検出手段35は、例えば深さ位置が2mmよりも浅い領域を除外し、深さ位置が2mm以上の領域において光音響波の発生源の位置を検出する。これは、そのような浅い領域に穿刺針15が穿刺されることはないし、また、浅い位置ではアーチファクトの影響が大きく、光音響波の発生源の位置を正しく検出できないことがあると考えられるからである。
音源位置検出手段35は、画像出力手段26に、光音響波の発生源の位置を示す信号(情報)を送信する。画像出力手段26は、光音響波の発生源の位置を示すマーカーを画像表示手段14に表示させる。図7に表示画像例を示す。画像出力手段26は、例えば超音波画像上に、光音響波の発生源の位置を示すマーカーMを重ねて表示させる。画像出力手段26は、超音波画像に光音響画像を重畳した合成画像上に、マーカーMを重ねて表示してもよい。マーカーMにより、穿刺針15の先端位置の把握が容易となる。画像出力手段26は、内針が抜かれたことが検出される前は超音波画像に光音響画像を重畳した合成画像上にマーカーMを重ねて表示し、内針が抜かれたことが検出された後は、超音波画像上に内針が抜かれる直前の位置にマーカーMを重ねてもよい。
処理切替手段31は、内針が抜かれたことが検出される前と検出された後とで、画像表示手段14に表示されるマーカーMの表示色を異なるものとしてもよい。処理切替手段31は、例えば内針が抜かれたことが検出される前はマーカーMを赤色で表示させ、内針が抜かれたことが検出された後はマーカーを緑色で表示させてもよい。マーカーMは、円形に限られず、任意の形状でよい。また、マーカーMは、光音響波の発生源の位置、すなわち穿刺針15の先端部分の位置を点で示すものには限定されない。例えば、検出された光音響波の発生源の位置を矩形で取り囲み、穿刺針の先端部分が存在する位置を領域で示してもよい。
本実施形態では、音源位置検出手段35は、光音響画像に基づいて光音響波の発生源の位置を検出し、画像表示手段14に、光音響波の発生源の位置を示すマーカーを表示する。医師などは、画像表示手段に表示されたマーカーを見ることで、穿刺針15の先端の位置を把握できる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
本実施形態において、音源位置検出手段35は、挿抜検出手段30に、光音響波の発生源の位置を示す信号(情報)を送信してもよい。挿抜検出手段30は、音源位置検出手段35から受信した情報を用いて、光音響波の発生源の位置の近辺の光音響画像の画素値に基づいて、内針が外針から抜かれたか否かを判定してもよい。
続いて、本発明の第3実施形態を説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る光音響画像生成装置を示す。本実施形態に係る光音響画像生成装置10bは、超音波ユニット12b内に動き検出手段36及び警告手段37が追加されている点で、図1に示す第1実施形態に係る光音響画像生成装置10とは異なる。その他の点は、第1実施形態と同様でよい。また、本実施形態に係る光音響画像生成装置10bが、図6に示す第2実施形態に係る光音響画像生成装置10aと同様に、音源位置検出手段35を有していてもよい。
動き検出手段36は、穿刺針15の動き、特に針先の動きを監視する。動き検出手段36は、挿抜検出手段30が内針が外針から抜かれたことを検出した後に、内針が抜かれたことが検出される前の時刻の超音波画像と現時刻の超音波画像とに基づいて、穿刺針15の動きを検出する。内針が抜かれたことが検出される前の時刻の超音波画像は、内針が抜かれたことが検出される直前の時刻の超音波画像であることが好ましい。動き検出手段36は、例えば内針が抜かれたことが検出される直前の時刻に生成された超音波画像における画素値の合計値と、現時刻の超音波画像における画素値の合計値との差に基づいて、穿刺針15の針先の動きを検出する。動き検出手段36は、例えば光音響画像において光音響波の発生源が存在する位置、すなわち光吸収部材157(図3を参照)が存在する位置を含む領域の画素値の合計値を計算する。
内針が抜かれる前と抜かれた後とにおいて穿刺針15の針先に動きがない場合、超音波画像における穿刺針15の先端付近の画素の画素値は内針が抜かれる前と後とで同じような値を示すため、画素値の合計値間の差は小さい。一方、内針が抜かれた後に穿刺針15が動くと、超音波画像において高反射体である穿刺針15が動くため、画素値の変動が大きく、画素値の合計値間の差は大きくなる。従って、内針が抜かれる前の超音波画像における画素値の合計値と現時刻の超音波画像における画素値の合計値とを比較することにより、穿刺針15の動きが検出できる。画素値の合計値の差は、検出される動きの量に対応する。
警告手段37は、動き検出手段36が検出する動きの量がしきい値以上になると、ユーザに注意喚起を行う。注意喚起には、例えばアラームや画像表示手段14への警告表示などが考えられる。画像出力手段26は、例えば動き検出手段36が検出する動きの量がしきい値以上のとき、光音響画像の表示色を、検出される動きの量がしきい値以上となる前の表示直とは異なるものにしてもよい。例えば動きの量がしきい値のときは、光音響画像の表示色を緑色から黄色に変更する。画像出力手段26は、検出される動きの量がしきい値以下となったときは、光音響画像の表示色を元の色に戻してもよい。表示色を変更するときのしきい値と、表示色を元に戻すときのしきい値とは異なる値でよい。画像表示手段14に、第2実施形態において説明したマーカーM(図7を参照)を表示しているときは、マーカーMの表示色を変更すればよい。
画像記録手段32は、動き検出手段36が検出する動きの量がしきい以上になると、超音波画像の記録を停止してもよい。画像記録手段32は、超音波画像の記録の停止後、検出される動きの量がしきい値になると、超音波画像の記録を再開する。記録を停止するときのしきい値と、記録を再開するときのしきい値とは異なる値でよい。また、記録の停止/再開に関するしきい値と表示色の変更に関するしきい値とは異なる値でよい。
図9は、内針が抜かれたことが検出された後の動作手順を示す。この処理は、図5のステップA4において内針が抜かれたことが検出された後に実施される。動き検出手段36は、内針が抜かれたことが検出される前の時刻の超音波画像を保存する(ステップB1)。動き検出手段36は、保存した超音波画像における画素値の合計値を求める(ステップB2)。動き検出手段36は、例えば光音響画像にける光音響波の発生源が存在する位置に対応する画素を中心とした範囲の領域において、その領域内の画素の画素値の合計値を求める。領域の形状は特には限定されず、矩形であってもよいし、円形であってもよい。
動き検出手段36は、現時刻の超音波画像における画素値の合計値を求める(ステップB3)。ステップB3では、ステップB2で合計値を求めた領域と同じ領域において、画素値の合計値を求める。動き検出手段36は、ステップB2で求めた画素値の合計値とステップB3で求めた画素値の合計値との差を計算する(ステップB4)。動き検出手段36は、ステップB4で求めた差がしきい値以上であるか否かを判断する(ステップB5)。差がしきい値よりも小さいときは、針先が動いていないので、ステップB3に戻り、針先の動きの監視を継続する。
警告手段37は、ステップB5において差がしきい値以上であると判断されると、例えばアラームやブザーを鳴らすことで、ユーザに針が動いたことを報知する(ステップB6)。警告手段37は、例えば画像出力手段26を介して、画像表示手段14に、針先が動いている旨のメッセージを表示させてもよい。画像出力手段26は、画像表示手段14に表示される光音響画像又はマーカーMの表示色を、緑色から黄色に変化させてもよい。医師などは、音や画像表示により、針先が動いたことを知ることができる。画像記録手段32は、ステップB5において差がしきい値以上であると判断されると、超音波画像の記録を停止する(ステップB7)。
ユーザへの警告及び超音波画像の記録の停止後も、針先の動きの監視を継続する。動き検出手段36は、現時刻の超音波画像における画素値の合計値を求め(ステップB8)、ステップB2で求めた画素値の合計値とステップB8で求めた画素値の合計値との差を計算する(ステップB9)。ステップB8及びB9は、それぞれステップB3及びB4と同様でよい。動き検出手段36は、ステップB9で求めた差がしきい値以下であるか否かを判断する(ステップB10)。差がしきい値よりも大きいときは、針先が内針が抜かれる前の位置までに戻っていないので、ステップB8に戻り、針先の動きの監視を継続する。ステップB5におけるしきい値とステップB10におけるしきい値とは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
警告手段37は、ステップB10において差がしきい値以下であると判断されると、警告を解除する(ステップB11)。警告手段37は、例えばアラームやブザーを停止する。画像表示手段14に、針先が動いている旨のメッセージを表示させていた場合は、そのメッセージの表示を取りやめさせる。画像表示手段14に表示される光音響画像又はマーカーMの表示色を変更していた場合は、表示色を元の色、例えば緑色に戻せばよい。画像記録手段32は、ステップB10において差がしきい値以下であると判断されると、超音波画像の記録を再開する(ステップB12)。その後、ステップB3に戻り、針先の動きの監視を継続する。
本実施形態では、動き検出手段36は、内針が抜かれる前の時刻の超音波画像と現時刻の超音波画像とに基づいて、穿刺針15の動きを検出する。穿刺針15が動くと、超音波画像における画素値が変動するため、内針が抜かれる前の時刻の超音波画像と比較することで、そのときの穿刺針15の位置から穿刺針15が動いたか否かの判断が可能である。警告手段37は、検出された動きの量がしきい値以上のときに、ユーザに警告を行う。ユーザは、音や画像表示により、穿刺針15が動いたことを知ることができ、必要に応じて穿刺針15の位置を修正することができる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
引き続いて、本発明の第4実施形態を説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る光音響画像生成装置を示す。本実施形態の光音響画像生成装置10cは、超音波ユニット12c内に動き検出手段36及び針先候補抽出手段38が追加されている点で、図1に示す第1実施形態に係る光音響画像生成装置10とは異なる。その他の点は、第1実施形態と同様でよい。また、本実施形態に係る光音響画像生成装置10cは、図6に示す第2実施形態に係る光音響画像生成装置10aと同様に音源位置検出手段35を有していてもよいし、図8に示す第3実施形態に係る光音響画像生成装置10bと同様に警告手段37を有していてもよい。
動き検出手段36は、第3実施形態で説明したものと同様でよい。針先候補抽出手段38は、超音波画像から穿刺針15の先端候補を抽出する。針先候補抽出手段38は、例えば動き検出手段36が検出する動きの量がしきい値以上となったときに、穿刺針15の先端候補を抽出する。針先候補抽出手段38が針先候補を抽出する際に用いるアルゴリズムは特に限定されない。超音波画像から針先を抽出して追跡する技術は公知であり、かつ本発明の本質とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
針先候補抽出には、例えば特開2012−120747号公報に記載されたものを用いることができる。具体的には、穿刺針15が穿刺された被検体に超音波を送信し、被検体及び穿刺針15による超音波の反射波(反射超音波)を受信する。受信した反射超音波に基づいて複数フレームの時系列エコー信号を生成し、生成された時系列エコー信号に基づいて超音波画像を生成する。複数フレームの時系列エコー信号から時系列フレーム間の差分エコー信号(差分画像)を生成し、生成された差分エコー信号に基づいて先端検出処理を行うことで、穿刺針15の先端部分を含む1以上の先端候補を検出する。
上記特開2012−120747号公報に記載されるように、針先候補抽出処理では、超音波画像において針先部分を強調させる先端強調フィルタを用いることができる。先端強調フィルタとしては、フィルタ形状を階段状として、穿刺針が刺入される方向にある画素を重み付け加算に用いる形態のフィルタや、フィルタ形状を矩形とし、穿刺針が刺入される方向にある画素のフィルタ係数を大とした重み付け加算を行う形態のフィルタを用いることができる。
図11は、先端強調フィルタの一例を示す。この先端強調フィルタは、縦81画素×横81画素のサイズを有する。先端強調フィルタは、穿刺針15の穿刺方向に重み付けが与えられ、穿刺針15の先端部を含むサイズを有し、穿刺方向にある画素のフィルタ係数が大きい重み付け加算を行う矩形フィルタである。各画素のフィルタ係数は、2次元ガウス関数を適用して決定することができる。図11においては、フィルタのフィルタ係数の大小を、濃度の濃淡で表している。
図11に示すように、先端強調フィルタでは、中央に近い程フィルタ係数は大きく、中央の画素を中心とした同心楕円上のフィルタ係数は同一となっている。楕円の長手方向は、穿刺針15の穿刺方向と一致している。針先候補抽出手段38は、図示しない記憶部に、穿刺針15の穿刺角度及び穿刺針15の大きさに応じた複数の先端強調フィルタを格納している。先端強調フィルタの縦横比は、穿刺角度に応じて決定される。穿刺針15の穿刺角度や用いられる穿刺針15の大きさに応じて、それらに対応した先端強調フィルタを読み出し、差分画像に対して、先端強調フィルタを用いて周囲の画素との重み付け加算を行う先端強調処理を行う。針先候補抽出処理において先端強調処理を行うことで、穿刺針15の先端部をより高い確度で抽出することができる。
上記の先端強調処理は、動き検出手段36における動き検出にも用いることができる。動き検出手段36は、内針が抜かれたことが検出される前の時刻に生成された超音波画像に対して先端強調フィルタを用いて周囲の画素との重み付け加算を行う先端強調処理を行う。現時刻の超音波画像に対しても同様に先端強調処理を行う。動き検出手段36は、先端強調処理を行った画像間の差を求め、穿刺針15の動きを検出してもよい。動き検出手段36にて先端強調処理を行ってもよい点は、第3実施形態においても同様である。
画像出力手段26は、動き検出手段36が検出する動きの量がしきい値以上になると、針先候補抽出手段が抽出した穿刺針15の先端候補の位置を示すマーカーを画像表示手段14に表示させる。画像出力手段26は、穿刺針15の先端候補の位置を示すマーカーを画像表示手段14に表示させた後に、動き検出手段36が検出する動きの量がしきい値以下になると、マーカーの表示を停止する。
ここで、穿刺針15の先端がより深い方向に移動するとき、超音波画像の穿刺針15の先端付近の領域において、高反射体である穿刺針15が占める部分の面積が増える。このため、動き検出手段36において、内針が抜かれる前の超音波画像の画素値の合計値から現時刻の超音波画像の合計値を減算した値を計算すると、その値(減算値)は負の値となる。なお、減算値の絶対値は、動きの量を表す。
一方、穿刺針15がより浅に方向に移動すると、超音波画像の穿刺針15の先端付近の領域において、高反射体である穿刺針15が占める部分の面積が減少する。このため、動き検出手段36において、内針が抜かれる前の超音波画像の画素値の合計値から現時刻の超音波画像の合計値を減算した値を計算すると、その値(減算値)は正の値となる。従って、減算値が正の値であるか、負の値であるかによって、穿刺針15の先端がより深い方向に動いたのか、より浅い方向に動いたのかの判別が可能である。
穿刺針15を用いた薬剤の注入が終了すると、穿刺針15は被検体から抜き取られる。別の言い方をすれば、穿刺針15の先端は浅い方向へ移動していく。動き検出手段36は、上記の減算値が正の値であるときには、穿刺針15が抜かれる方向へ動いていると判断できる。動き検出手段36は、検出する動きの量(上記の減算値の絶対値)があらかじめ定められた量以上で、かつ上記の減算値が正の値であるときは、つまり穿刺針15があらかじめ定められた量以上抜かれる方向に動いたことを検出したときは、穿刺針15が抜かれたことを示す信号を、画像記録手段32及び針先候補抽出手段38に出力してもよい。画像記録手段32は、動き検出手段36から穿刺針15が抜かれたことを示す信号が入力されると、超音波画像の記録を終了する。針先候補抽出手段38は、動き検出手段36から穿刺針15が抜かれたことを示す信号が入力されると、針先候補抽出処理を終了する。
図12は、内針が抜かれたことが検出された後の動作手順を示す。この処理は、図5のステップA4において内針が抜かれたことが検出された後に実施される。動き検出手段36は、内針が抜かれたことが検出される前の時刻の超音波画像を保存する(ステップC1)。動き検出手段36は、保存した超音波画像における画素値の合計値を求める(ステップC2)。動き検出手段36は、例えば光音響画像にける光音響波の発生源が存在する位置に対応する画素を中心とした範囲の領域において、その領域内の画素の画素値の合計値を求める。
動き検出手段36は、現時刻の超音波画像における画素値の合計値を求める(ステップC3)。ステップC3では、ステップC2で合計値を求めた領域と同じ領域において、画素値の合計値を求める。動き検出手段36は、ステップC2で求めた画素値の合計値とステップC3で求めた画素値の合計値との差を計算する(ステップC4)。動き検出手段36は、ステップC4で求めた差に基づいて、内針が抜かれたか否かを判断する(ステップC5)。動き検出手段36は、ステップC2で求めた画素値の合計値からステップC3で求めた画素値の合計値を減算した減算値の絶対値があらかじめ定められた値よりも大きく、かつ減算値が正の値であるときは、内針が抜かれたと判断する。内針が抜かれたと判断されたときは、処理を終了する。
動き検出手段36は、ステップC4で求めた差がしきい値以上であるか否かを判断する(ステップC6)。差がしきい値よりも小さいときは、針先が動いていないので、ステップC3に戻り、針先の動きの監視を継続する。ステップC4において差がしきい値以上である判断されると、針先候補抽出手段38は、超音波画像から針先候補を抽出する(ステップC7)。画像出力手段26は、超音波画像の抽出された針先候補の位置にマーカーを重ねて表示する(ステップC8)。針先が動いた後は、超音波画像を用いて抽出された針先の位置を超音波画像に重ねて表示することで、医師などは、動いた針先の位置を確認することができる。
続いて、動き検出手段36は、現時刻の超音波画像における画素値の合計値を求め(ステップC9)、ステップC2で求めた画素値の合計値とステップC9で求めた画素値の合計値との差を計算する(ステップC10)。ステップC9及びC10は、それぞれステップC3及びC4と同様でよい。動き検出手段36は、ステップC10で求めた差に基づいて、内針が抜かれたか否かを判断する(ステップC11)。ステップC11は、ステップC5と同様でよい。内針が抜かれたと判断されたときは、処理を終了する。
動き検出手段36は、ステップC10で求めた差がしきい値以下であるか否かを判断する(ステップC12)。差がしきい値よりも大きいときは、針先が内針が抜かれる前の位置までに戻っていないので、ステップC7に戻り、針先候補抽出処理を継続する。ステップC12で差がしきい値よりも小さいと判断されたときは、ステップC3に戻り、針先の動きの監視を継続する。ステップC6におけるしきい値とステップC12におけるしきい値とは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
本実施形態では、針先候補抽出手段38は、超音波画像から穿刺針15の先端候補を抽出する。画像出力手段26は、動き検出手段36が検出する動きの量が大きいときに、針先候補抽出手段38で抽出された先端候補の部分を明示した画像表示を行う。穿刺針15の位置が、内針が抜かれたことが検出されたときの位置から大きくずれたときは、超音波画像を用いて抽出された先端の位置を表示することで、医師などは、穿刺針15の現在の位置を把握することができ、穿刺針15の先端の位置を、所望の穿刺位置まで戻すことが可能となる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
なお、図3では、チューブ158の内部に透明樹脂159を用いて導光部材155を埋め込み、透明樹脂159の先端に光吸収部材157を配置する例を説明したが、これには限定されない。例えば光吸収部材157として光吸収性を有する膜を用い、導光部材155の光出射面である光出射部156を光吸収性を有する膜で覆い、その導光部材155を透明樹脂の中に埋め込むこととしてもよい。あるいは、導光部材155の光出射部156と、光吸収部材157との間に空隙を設け、光出射部156と光吸収部材157とが空気層を介して対向するようにしてもよい。
また、図3では、内針152がチューブ158を有する例を説明したが、これには限定されない。例えば、光吸収性を有する材料、例えば黒色の樹脂で内針を構成し、その内部に導光部材155を埋め込んでもよい。この場合、内針、特にその先端部分は、導光部材155の光出射部156から出射した光を吸収して音響波を発生する光吸収部材157を兼ねる。また、導光部材155を樹脂の中に埋め込むことに代えて、穿刺針本体151の内径とほぼ同じ大きさの外径を有する導光部材155を用い、導光部材155自体を内針として用いてもよい。その場合、光吸収部材157として光吸収性を有する膜、例えば黒色のフッ素樹脂を用い、光出射部156を含む導光部材155少なくとも一部を例えば黒色のフッ素樹脂で覆ってもよい。
光吸収部材157は必須ではない。例えば、光出射部156から出射した光を穿刺針本体151に照射し、穿刺針本体151の光が照射された部分を光音響波発生部として、その部分から光音響波を発生させるようにしてもよい。例えば、穿刺針15の先端近傍に光出射部及び光音響波発生部を配置し、穿刺針15の先端近傍において光音響波を発生させるようにすればよい。ここでいう穿刺針15の先端近傍とは、その位置に光出射部及び光音響波発生部が配置された場合に、穿刺作業に必要な精度で穿刺針15の先端の位置を画像化できる光音響波を発生可能な位置であることを意味する。例えば、穿刺針15の先端から基端側へ0mm〜3mmの範囲内のことを指す。
穿刺針15は、経皮的に被検体外部から被検体に穿刺されるものには限定されず、超音波内視鏡用の針であってもよい。超音波内視鏡用の針に導光部材155と光吸収部材157とを設け、針先端部分に設けられた光吸収部材157に対して光を照射し、光音響波を検出して光音響画像を生成してもよい。その場合、光音響画像を観察して超音波内視鏡用の針の先端部の位置を確認しながら穿刺することができる。超音波内視鏡用の針の先端部で発生した光音響波は、体表用プローブを用いて検出してもよいし、内視鏡に組み込まれたプローブを用いて検出してもよい。
上記実施形態では、針として先端に開口を有する針を想定したが、開口は必ずしも先端部分に設けられている必要はない。針は、注射針のような針には限定されず、生体検査に用いられる生検針であってよい。すなわち、生体の検査対象物に穿刺して検査対象物中の生検部位の組織を採取可能な生検針であってもよい。その場合には、生検部位の組織を吸引して採取するための採取部(吸入口)において光音響波を発生させればよい。
図1では、穿刺針15が1つのみ描かれているが、光音響画像で画像化する挿入物は1つには限定されない。挿入物と、それに対応したレーザユニットとの組を複数用意し、挿入物ごとに光音響画像を生成して各挿入物の位置を光音響画像により確認可能としてもよい。画像表示に際しては、挿入物ごとに光音響画像の色を変えて超音波画像と重ねることとしてもよい。その場合、画像において複数の挿入物の区別が可能となる。
最後に、図13に、光音響画像生成装置の外観を示す。超音波ユニット12にはプローブ11が接続される。超音波ユニット12は、画像表示手段14を含む一体型の装置として構成されている。超音波ユニット12は、典型的にはプロセッサ、メモリ、及びバスなどを有する。超音波ユニット12には、光音響画像生成に関するプログラムが組み込まれている。
超音波ユニット12は、USBポート40を有する。レーザユニット13の電源入力端子41及びトリガ入力端子42を含むUSBコネクタは、USBポート40に挿し込まれる。レーザユニット13を、カードサイズの小型・軽量な装置とした場合、USBコネクタを超音波ユニット12のUSBポートに挿し込むことでその保持が可能である。USBポート40は、形状が通常のUSBコネクタを差し込む形状であればよく、通常のUSB規格に則った信号を送受信するポートである必要はない。USBポートに、デジタル信号ラインに代えてトリガ信号用の信号ラインを含ませてもよい。つまり、USBポート40を、電源2ライン及びトリガ用2ラインの計4端子コネクタとしたUSB型ポートとしても構わない。デジタル信号ラインに代えてトリガ用の信号ラインを用いることで、レーザユニット13とトリガ同期が取り易くなる。
穿刺針15の導光部材155(図3を参照)を構成する光ファイバの一端は、レーザユニット13の光出力端子47に接続される。光ファイバは、光出力端子47に挿入され、ばね力などにより保持される。術者が穿刺針15を引っ張るなどして光出力端子47に強い力が働くと、光ファイバが光出力端子47から抜け、光ファイバが折れることが防止できる。また、光出力端子47に対して光ファイバを直接抜き差し可能とすることで、穿刺針15から延びる光ファイバにはコネクタを設ける必要がなく、コストを低減できる効果がある。
レーザユニット13から出力されるパルスレーザ光のパルスエネルギーは、導光部材155を構成する光ファイバのコア直径が200μmであれば、6.4μJとすることができる。光ファイバのコア直径が100μmであれば、2.0μJとすることができる。パルス時間幅については、80nsとすることができる。
なお、図13においては、電源入力端子41及びトリガ入力端子42を含むUSBコネクタが存在する面と対向する面に光出力端子47が設けられているが、光出力端子47は、USBコネクタが存在する面と直交する面に設けられていることが好ましい。USBコネクタと光出力端子47とが互いに対向する面に設けられている場合、術者が穿刺針15を動かしたときにレーザユニット13が引っ張れると、USBコネクタがUSBポート40から抜けることがある。これに対し、USBコネクタと光出力端子47とが互いに直交する面に設けられている場合、レーザユニット13が引っ張られても、USBコネクタがUSBポート40から抜けにくくなる。
図13においては、USBポート40にレーザユニット13が直接に接続されているが、これには限定されず、延長ケーブルなどを用いてUSBポート40とレーザユニット13とを接続してもよい。トリガ入力端子42は、USBコネクタに含まれている必要はなく、レーザユニット13は、USBポート40とは異なるコネクタ(端子)からトリガ信号を取得してもよい。例えば通常の超音波システムに附属しているECG(心電図:Electrocardiogram)測定用のコネクタなどからトリガ信号を取得してもよい。あるいは、プローブのコネクタの一部の端子からトリガ信号を取得してもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の光音響画像生成装置、信号処理装置、及び光音響画像生成方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。