JP6137305B2 - 複合乳化調味料 - Google Patents
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Description
該複合乳化調味料が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、有機酸、食用油脂5〜40質量%、食塩1〜6質量%を含有し、
外水相が卵黄及び増粘剤を含有し、
複合乳化調味料の粘度(25℃)が4〜800Pa・sである複合乳化調味料を提供する。
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
食用油脂からなる油滴が、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
O/W型乳化物に、W/O型乳化物を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法を提供する。
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄を含有する第1外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
食用油脂からなる油滴が、卵黄を含有する第2外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物とO/W型乳化物とを混合する工程
を有し、
第1外水相形成用混合液及び/又は第2外水相形成用混合液が増粘剤を含有する複合乳化調味料の製造方法を提供する。
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物に、食用油脂を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法を提供する。
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物に、食用油脂に分散した増粘剤を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法を提供する。
1-1 乳化状態
図1Aは、本発明の複合乳化調味料Aの模式図である。同図に示すように、本発明の複合乳化調味料Aは、油相O1に内水相W1が分散した第1油滴P1と、油相O2に内水相が分散していない第2油滴P2とが、外水相W2に分散しており、第1油滴P1を形成する内水相W1及び油相O1と外水相W2とによるW/O/W型乳化物と、第2油滴P2を形成する油相O2と外水相W2によるO/W乳化物とが複合した乳化状態となっている。
また、第2油滴P2の割合を、外水相W2の3〜50%とすることができ、特に複合乳化調味料の口どけやクリーム感を向上できる点から、5〜20%とすることができる。
外水相W2に分散している第1油滴P1の平均粒子径は、10〜30μmとすることができ、さらに10〜25μmとすることができ、さらに10〜20μmとすることができる。外水相W2に分散している第1油滴P1の平均粒子径が前記数値の範囲であることにより、油脂特有のコク味を強く感じることができ、かつ、油相O1中に平均粒子径の小さい内水相W1の液適を高密度に分散させることができるため、W/O/W型乳化調味料の保水性を高めることができる。
内水相W1は、水、増粘剤、有機酸及び食塩その他の調味料等を含有することができる。
本発明の複合乳化調味料Aは全体で食塩を1〜6%含有し、内水相W1にこの全量を含有させることもできるが、油脂のコク味を感じやすく、かつクリーム感を感じやすくするように、内水相W1における食塩の含有量は、複合乳化調味料Aの全体に対して2〜5%とするとよく、さらに2〜4%とするとよい。複合乳化調味料Aを食材と混合した場合に、食材が離水することを抑制するため、内水相W1における食塩の含有量は、外水相W2における食塩の含有量よりも高めるとよい。
内水相W1に含有させる有機酸としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではないが、例えば、食酢、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸などを挙げることができる。このうち、食酢としては、醸造酢、ワインビネガーなどを使用することができる。
本発明の複合乳化調味料Aは、内水相W1に増粘剤を含んでいてもよい。内水相W1に増粘剤を含有させることにより、内水相W1が増粘するので、内水相W1が、外水相W2から移行してきた水分を保水した場合に、その保水状態で乳化状態が維持され易くなる。また、内水相W1が増粘することにより、内水相W1の水分が外水相W2に移行し難くなるので、複合乳化調味料全体の粘度が低下することを防止することができる。
内水相W1は、必要に応じて、グルタミン酸ナトリウム、砂糖等を含有することができる。
内水相W1における水分量は、複合乳化調味料Aの全体の40〜60%とすることができ、特に、45〜60%とすることができる。内水相W1における水分量が、前記数値の範囲であることにより、油相O1中に内水相W1の水滴を多量に分散させ第1油滴P1の平均粒子径を大きくすることができるため、油脂特有のコク味の向上に寄与し、かつ、油相O1中に内水相W1の水滴を高密度に分散させることにつながるため、複合乳化調味料Aの保水性が向上する。
外水相W2は、卵黄及び増粘剤を含有し、さらに、有機酸、卵白、食塩その他の調味料等を含有することができる。
外水相W2において、卵黄は、乳化剤等として機能する。
卵黄としては、例えば、生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。特に、第1油滴P1及び第2油滴P2の分散状態を安定化する点から、上述の酵素処理をした卵黄、中でも、ホスフォリパーゼA1又はホスフォリパーゼA2で酵素処理した卵黄、即ちリゾ化卵黄を挙げることができる。
外水相W2には、内水相W1について記載した上述の有機酸を含有させることができる。ただし、複合乳化調味料Aの酸味を抑える点から、外水相W2における有機酸の含有量は、内水相W1における有機酸の含有量よりも少なくするとよい。特に、複合乳化調味料A全体に対して0.1〜0.5%とすることができ、さらに0.2〜0.4%とすることができる。有機酸の含有量が前記数値の範囲であることにより、複合乳化調味料Aの酸味が適度に感じられ風味が良好であり、微生物の繁殖を抑制することができ、かつ、第1油滴P1の安定化および第2油滴P2の安定化ならびに内水相W2の微細化に寄与することができる。
外水相W2に増粘剤を含有させることにより、第1油滴P1及び第2油滴P2の分散状態を安定化させることができる。
増粘剤としては、内水相W1について記載した上述の増粘剤を含有させることができる。内水相W1に含有させる増粘剤と同じものを含有させてもよく、異なるものを含有させてもよい。特に、少量の外水相W2に大径の第1油滴P1を安定に分散できる点で、澱粉を用いるとよく、さらに複合乳化調味料Aの乳化安定性を高める点で澱粉とガム質を併用するとよい。
外水相W2において、卵白を配合することにより、第1油滴P1及び第2油滴P2の分散状態を安定化させることができ、複合乳化調味料Aの保水性の向上に寄与する。
複合乳化調味料Aを食材と混合した場合に、食材が離水することを抑制するため、外水相W2における食塩含有量は、内水相W1における食塩含有量よりも少なくすることが好ましく、外水相W2には食塩を含有させなくてもよい。そこで、外水相W2における食塩含有量は、乳化調味料の全体に対して0〜2%、さらに0.2〜1%とすることができる。
外水相W2は、必要に応じて、グルタミン酸ナトリウム、砂糖等を含有することができる。
外水相W2における水分量は、複合乳化調味料Aの全体の10%未満とすることができ、特に、複合乳化調味料Aを野菜、果物等の食材と混合した場合の食材からの離水を抑制する点、及び少量で含水量の低い外水相W2に大径の第1油滴P1を分散することで油脂特有のコク味を十分に感じられる点から、4〜9%とすることができ、さらに5〜9%とすることができる。
本発明の複合乳化調味料Aは、該複合乳化調味料Aの5〜40質量%の食用油脂を含有するが、そのうちの50〜95%を第1油滴P1の油相O1に含むことができる。一方、第1油滴P1には、内水相W1が分散していることにより、複合乳化調味料A全体に占める油脂量は見かけよりも少ない。そのため、本発明の複合乳化調味料は、従来のO/W型乳化調味料と同様の油脂感を有することができるが、従来のO/W型乳化調味料よりも低カロリーとなり、また、食用油脂由来の材料コストも低下する。
第1油滴P1における食用油脂の含有量は、複合乳化調味料Aを低カロリー化する点からは少ないことが好ましいが、食用油脂の含有量が少なすぎると乳化安定性が低下するので、食用油脂を複合乳化調味料Aの4.5〜39%とする。特に、複合乳化調味料Aの乳化安定性を高める点から18%以上とし、口どけやクリーム感を向上させる点から25%以下とすることができる。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、本発明の複合乳化調味料において乳化剤として機能する。
第1油滴P1は、上述の食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルに加えて、油溶性調味料を含有することができる。
第2油滴P2を形成する油相O2は、食用油脂のみから形成してもよく、さらに油溶性調味料等を含有させてもよい。
第2油滴P2における食用油脂の含有量は、複合乳化調味料Aを低カロリー化する点からは少ないことが好ましいが、食用油脂の含有量が少なすぎると独特の口どけやクリーム感が得られにくいため、複合乳化調味料Aの0.5〜10%とするとよい。特に、複合乳化調味料Aの口どけやクリーム感を向上させる点から1%以上とし、油脂のコク味を向上させる点から6%以下とするとよい。
6-1 粘度
本発明の複合乳化調味料Aは、粘度(25℃)が4〜800Pa・sである。粘度(25℃)が4Pa・s以上であることにより、食材と絡みやすくなり、また、800Pa・s以下であることにより、食材と混ぜやすくなる。特に、油脂特有のコク味を向上でき、かつ、クリーム感を得られやすい点から、粘度を10〜600Pa・sとすることができ、さらに30〜400Pa・sとすることができ、さらに50〜300Pa・sとすることができる。
本発明の複合乳化調味料は、乳化安定性に優れている。例えば、40℃で1週間間おいても、あるいは常温(15〜25℃)で2ヵ月以上おいても、当初の乳化状態が維持されている。そのため、本発明の複合乳化調味料は、常温で製品を搬送、保管することが可能となり、流通コストを低減させることができる。この乳化安定性は、外水相W1に含有する卵黄及び増粘剤による寄与が大きいと考えられる。また、第1油滴P1の内水相W1に増粘剤を含有させた場合には、さらに乳化安定性を向上させることができる。
本発明の複合乳化調味料によれば、野菜、果物などの食材と混合した場合の食材からの離水を従前のO/W型乳化調味料に比して抑制することができる。具体的には、30mm角のレタス60g、2mm幅の千切りキャベツ60g、清水8g及び乳化調味料40gを混合し、その混合物を4℃で72時間静置した後に混合物から離水した水の質量の、混合物の静置前の質量に対する割合を乳化調味料の離水率とした場合に、乳化調味料の離水率が、後述する基準調味料の離水率に対して85%以下、特に80%以下、さらには75%以下とすることができる。
離水率の測定で使用する基準調味料は、次のようにして調製したものである。即ち、生卵黄100g、食酢(酢酸濃度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサー(例えば、ホバート社製、卓上ホバートミキサー)で混合することにより均一な水相を調製し、該水相に食用植物油脂760gを注加して粗乳化した後、コロイドミルで精乳化して調製したものである。この精乳化では、コロイドミルを、例えば3560rpmで使用する。
[5/20]×100=25%
本発明の複合乳化調味料は、第1の油滴P1の油相O1と、第2油滴P2の油相O2という異なる状態で油脂が分散していることにより、W/O/W型の乳化調味料と同様に、油脂含量が低いにもかかわらず油脂のコク味を十分に感じることができ、また、従来のW/O/W型の乳化調味料にはない口どけやクリーム感を感じることができる。
特に、油脂特有のコク味と、口どけやクリーム感を両立させるために、外水相W2に分散している第1油滴P1の平均粒子径は、10〜30μmとすることができ、第1油滴P1の油相O1に分散している内水相W1の平均粒子径は、3μm以下とすることができる。
また、上述のように、第1油滴P1と第2油滴P2に含有させる油溶性調味料を異ならせることにより、まず第2油滴の風味を感じた後に第2油滴の風味を感じるという斬新な食味を得ることができる。
本発明の複合乳化調味料の製造方法として、次の方法を挙げることができる。
8-1 第1の方法
次の(i)〜(iii)の工程により製造する。
(i)食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
(ii)食用油脂からなる油滴が、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
(iii) O/W型乳化物に、W/O型乳化物を混合する工程
次の(i)〜(iv)の工程により製造する。
(i)食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
(ii)W/O型乳化物を、卵黄を含有する第1外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
(iii)食用油脂からなる油滴が、卵黄を含有する第2外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
(iv)(ii)で得たW/O/W型乳化物と(iii)で得たO/W型乳化物とを混合する工程
また、第1外水相形成用混合液と第2外水相形成用混合液の少なくとも一方には増粘剤を含有させる。
次の(i)〜(iii)の工程により製造する。
(i)内水相となる水滴が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
(ii)W/O型乳化物を、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
(iii)W/O/W型乳化物に食用油脂を混合する工程
(ii)工程は、第2の方法の(ii)工程と同様に行うことができる。
(iii)工程では、ホモミキサーを用いて、(ii)で得たW/O/W型乳化物に食用油脂を注加し、撹拌することにより本発明の複合乳化調味料を得る。
次の(i)〜(iii)の工程により製造する。
(i)内水相となる水滴が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
(ii)W/O型乳化物を、卵黄を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
(iii)W/O/W型乳化物の外水相に、食用油脂に分散した増粘剤を混合する工程
(iii)工程は、予め食用油脂に増粘剤を分散させた増粘剤の油性分散液を調製しておき、ホモミキサーを用いて、(ii)で得たW/O/W型乳化物に増粘剤の油性分散液を注加し、撹拌する。撹拌している間に、増粘剤はW/O/W型乳化物の外水相に溶解し、本発明の複合乳化調味料を得る。
本発明の乳化調味料は、野菜もしくは果物の少なくとも一方にかけるサラダドレッシング、魚肉又は鶏肉の油漬けを乳化調味料で和えるフィリング用の調味料等として使用することができる。
この他、サラダには、マカロニ、スパゲティ、春雨、ビーフン、ペンネ、アジア麺等の麺類、ツナのような魚肉又はささみのような鶏肉の油漬け等の食材を含有させてもよい。
[実施例1]
(1)乳化調味料の製造
表1の配合にて、乳化調味料を上記8-1の第1の方法に従って、次のように製造した。
次に、外水相W2を形成する各成分を混合した。ホモミキサーを用いて、外水相形成用混合液に食用油脂として大豆油を加え、得られた混合物をコロイドミルにかけてO/W型乳化物を得た。なお、このO/W型乳化物の平均粒子径を粒度分布測定装置(日機装(株)製、粒度分布計MT3300EXII)を用いて測定したところ、1μmであった。
最後に、ホモミキサーを用いて、W/O型乳化物とO/W型乳化物とを混合することにより実施例1の複合乳化調味料を得た。
(2-1)粘度
(1)で得られた実施例1の複合乳化調味料の製造直後の粘度を、上述した6-1の方法に従ってBH型粘度計により測定した。結果を表1に示す。
実施例1の複合乳化調味料の油脂のコク味を、熟練された調味料技術者を評価者として次の基準で官能評価した。結果を表1に示す。
A:6-3に記載の基準調味料と同様の油脂のコク味をはっきりと感じられる。
B:6-3に記載の基準調味料よりも油脂のコク味が弱いが問題のない程度である。
C:6-3に記載の基準調味料よりも油脂のコク味が弱い。
実施例1の複合乳化調味料の油脂のコク味を、熟練された調味料技術者を評価者として次の基準で官能評価した。結果を表1に示す。
A:滑らかな食感であり、口どけが良く、クリーム感がある。
B:やや重い食感であり滑らかな食感に欠けるが、一定のクリーム感がある。
C:口どけが悪く、クリーム感がない。
実施例1の複合乳化調味料の保存安定性を次のように評価した。
すなわち、得られた複合乳化調味料を容量200gのナイロンポリエチレン袋に充填してシールした後、40℃に保持して遮光下で7日間の保存を行い、次の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:亀裂又は油の分離が観察されなかった。
×:亀裂又は油の分離が観察された。
実施例1の複合乳化調味料の少量をスライドガラス上に載せ、カバーガラスを被せ、カバーガラス全体にサンプルを広げることにより、顕微鏡観察用サンプルを作製し、顕微鏡((株)キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−600、倍率:2000倍)により実施例1の乳化調味料を観察したところ、複合乳化調味料90μm四方内に含まれる粒子径10μm以上の油相O1粒子(第1油滴P1)は80個であり、その粒子径10μm以上の第1油滴P1について、粒子径が3μmを超える内水相W1の水滴の含有数は0〜1個であった。また、粒子径10μm以上の第1油滴P1の全てにおいて、そこに含まれる粒子径1μm以上3μm以下の内水相W1の水滴の数は10個以上であった。また、複合乳化調味料90μm四方内に含まれる第1油滴P1の粒子径は、5〜30μmであった。
(2-6-1)基準調味料
(1)で得られた実施例1の乳化調味料の離水率を評価するにあたり、基準調味料を次のように製造した。
生卵黄100g、食酢(酢酸濃度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサーで撹拌混合し、均一な水相に調製した。次に、水相に食用植物油脂760gを注加して粗乳化した後、コロイドミルで精乳化して基準調味料を得た。
よく水切りした30mm角のカットレタス60g、2mm幅のカットキャベツ60g、及び清水8gをボウルに入れ、実施例1のW/O/W型乳化調味料40gを加え、ゴムベラで全体が均一になるように2分程度かき混ぜてサラダを製造した。このサラダを、前述の図2に示した方法で72時間静置し、サラダからの離水量を計測し、離水率を求めた。実施例1の乳化調味料に代えて基準調味料を使用し、同様にして、サラダからの離水率を求めた。そして、基準調味料の離水率に対する実施例の乳化調味料の離水率の割合(%)を求め、以下の基準で評価したところ、68%でA評価であった。結果を表1に示す。
A:基準調味料に対して70%未満
B:基準調味料に対して70%以上85%未満
C:基準調味料に対して85%以上
また、ガム質又は澱粉の代わりにペクチン、カラギーナン又はアルギン酸を使用した場合も、同様の結果が得られた。
表1の配合にて、乳化調味料を上記8-2の第2の方法に従って、次のように製造した。
次に、外水相W2の形成用混合液を調製しておき、ホモミキサーを用いて、外水相W2の形成用混合液の半量に、上記W/O型乳化物を注加撹拌して予備乳化し、さらにコロイドミルを用いて精乳化することによりW/O/W型乳化物を得た。
そして、ホモミキサーを用いて、外水相W2の形成用混合液の残りの半量に、油相O2を形成する食用油脂を加え、得られた混合物をコロイドミルにかけてO/W型乳化物を得た。なお、このO/W型乳化物の平均粒子径を粒度分布測定装置(日機装(株)製、粒度分布計MT3300EXII)を用いて測定したところ、1μmであった。
最後に、ホモミキサーを用いて、前記W/O/W型乳化物と前記O/W型乳化物とを混合することにより実施例2の複合乳化調味料を得た。
表1の配合にて、乳化調味料を上記8-3の第3の方法に従って、次のように製造した。
次に、外水相W2の形成用混合液を調製し、ホモミキサーを用いて、外水相W2の形成用混合液に、上記W/O型乳化物を注油撹拌して予備乳化し、さらにコロイドミルを用いて精乳化することによりW/O/W型乳化物を得た。
そして、ホモミキサーを用いて、W/O/W型乳化物に、油相O2を形成する食用油脂を加え、撹拌混合して実施例3の複合乳化物を得た。
表1の配合にて、乳化調味料を上記8-4の第4の方法に従って、次のように製造した。
次に、外水相W2の形成用混合液を調製し、ホモミキサー等の撹拌装置を用いて、外水相W2の形成用混合液に、上記W/O型乳化物を注加撹拌して予備乳化し、さらにコロイドミルを用いて精乳化することによりW/O/W型乳化物を得た。
そして、油相O2を形成する食用油脂にキサンタンガム及び澱粉を分散させて増粘剤の油性分散液を調製し、ホモミキサーを用いて、上記W/O/W型乳化物に増粘剤の油性分散液を注加して撹拌し、実施例4の複合乳化調味料を得た。
表1に示す配合にした以外は実施例1と同様にして複合乳化調味料を製造し、粘度、油脂のコク味、口どけ及びクリーム感、保存安定性、離水率を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す配合で、外水相に油滴を分散させない以外は実施例1と同様にして乳化調味料を製造し、油脂のコク味、口どけ及びクリーム感、保存安定性、離水率を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様に、比較例1の複合乳化調味料の少量を顕微鏡で観察したところ、複合乳化調味料90μm四方内に含まれる粒子径10μm以上の油相O1粒子(第1油滴P1)は81個であり、その粒子径10μm以上の第1油滴P1について、粒子径が3μmを超える内水相W1の水滴の含有数は0〜1個であった。また、粒子径10μm以上の第1油滴P1の全てにおいて、そこに含まれる粒子径1μm以上3μm以下の内水相W1の水滴の数は10個以上であった。また、複合乳化調味料90μm四方内に含まれる第1油滴P1の粒子径は、5〜30μmであった。
表1に示す配合で、内水相を形成させずに、油相と水相を乳化してO/W型の乳化調味料を製造し、比較例2の乳化調味料を得た。
得られた比較例2の乳化調味料について、油脂のコク味、口どけ及びクリーム感、保存安定性、離水率を評価した。結果を表1に示す。
なお、製造直後の比較例2の乳化調味料の油滴の平均粒子径は2μmであった。
表2に示す配合にした以外は、実施例4と同様の製造方法にて、実施例9の複合乳化調味料を得た。
得られた実施例9の乳化調味料について、粘度、油脂のコク味、口どけ及びクリーム感、保存安定性、離水率を評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、油相O1の食用植物油脂をゴマ油に変え、油相O2の食用植物油脂をラー油に変えた以外は同様にして、実施例10の複合乳化調味料を製造した。
得られた実施例10の複合乳化調味料を喫食したところ、まずラー油の風味を感じ、その後ゴマ油の風味を感じた。
2 円筒状容器
3 開口部
4 メッシュ
5 輪ゴム
6 プラスチック容器
7 水
A 複合乳化調味料
O1 油相
O2 油相
P1 第1油滴
P2 第2油滴
W1 内水相
W2 外水相
Claims (7)
- 内水相が分散した第1油滴と、内水相が分散していない第2油滴とが外水相に分散している複合乳化調味料であって、
該複合乳化調味料が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、有機酸、食用油脂、食塩1〜6質量%を含有し、
外水相が卵黄及び増粘剤を含有し、
複合乳化調味料の粘度(25℃)が4〜800Pa・sであり、
第1油滴の平均粒子径が10μm以上、第2油滴の平均粒子径が0.5μm以上4μm以下である複合乳化調味料。 - 第2油滴の含有量が、外水相の5〜50質量%である、
請求項1記載の複合乳化調味料。 - 食用油脂の含有量が5〜40質量%である、
請求項1又は2記載の複合乳化調味料。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複合乳化調味料の製造方法であって、
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
食用油脂からなる油滴が、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
O/W型乳化物に、W/O型乳化物を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複合乳化調味料の製造方法であって、
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄を含有する第1外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
食用油脂からなる油滴が、卵黄を含有する第2外水相形成用混合液に分散したO/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物とO/W型乳化物とを混合する工程
を有し、
第1外水相形成用混合液及び/又は第2外水相形成用混合液が増粘剤を含有する
複合乳化調味料の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複合乳化調味料の製造方法であって、
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄及び増粘剤を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物に、食用油脂を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複合乳化調味料の製造方法であって、
食塩及び有機酸を含有する内水相形成用混合液が、食用油脂及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油相に分散したW/O型乳化物を形成する工程、
W/O型乳化物を、卵黄を含有する外水相形成用混合液に分散してW/O/W型乳化物を形成する工程、
W/O/W型乳化物に、食用油脂に分散した増粘剤を混合する工程
を有する複合乳化調味料の製造方法。
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