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JP6128281B2 - 振動装置および触覚提示装置 - Google Patents

振動装置および触覚提示装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電フィルムの駆動により振動板を振動させる振動装置と、該振動装置の振動をタッチ操作に対する触覚フィードバックとして利用者に伝える触覚提示装置と、に関する。
圧電フィルムの駆動により振動板を振動させる振動装置が、平面型スピーカやハプティクスデバイス(触覚提示装置)で利用されている(例えば特許文献1参照。)。
図9(A)は、従来構成の振動装置101の側面図であり、図9(B)は、振動装置101の背面図である。振動装置101は、圧電フィルム102と、振動板103と、フレーム部材104,105とを備える。振動板103および圧電フィルム102は、それぞれ厚み方向から視て、長さ方向および幅方向に延びる矩形状である。圧電フィルム102は、延伸処理が施されたPLLA(L型ポリ乳酸)フィルムから、図9(B)中に矢印で示す延伸方向に対する45°方向を長さ方向として切り出されたものである。圧電フィルム102は、このように切り出されることで、電圧の印加に伴い長さ方向の伸びや縮みが生じる。フレーム部材104,105は、圧電フィルム102の長さ方向の両端に設けられている。振動板103は、長さ方向の両端付近がフレーム部材104,105を介して圧電フィルム102に連結されている。そして、振動板103は、長さ方向の中央付近が圧電フィルム102から離れるように撓んでおり、フレーム部材104,105を介して圧電フィルム102を長さ方向の外側に引っ張っている。このような振動装置101において、圧電フィルム102に交番電界を印加すると、圧電フィルム102が長さ方向に振動し、これに伴い、振動板103に撓み量の変動が引き起こされる。
国際公開2012/157691号パンフレット
図9に示した振動装置を用いてハプティクスデバイス(触覚提示装置)を構成する場合、タッチ操作に伴って振動板に厚み方向の押圧力が伝わることになる。すると、押圧力により振動板が押し込まれて振動板が平坦化することがあった。振動板が平坦な状態になると、振動板と圧電フィルムとが平行になり、圧電フィルムを長さ方向に振動させても、振動板が撓み難くなる。このため、利用者に触覚フィードバックを与えることが難しくなってしまう。振動板が押し込まれて平坦化することを防ぐためには、振動板を厚くして振動板の剛性を向上させることが考えられるが、その場合には、振動板の撓み量が小さくなってしまい、やはり、利用者に触覚フィードバックを与えることが難しくなってしまう。
そこで本発明の目的は、平坦な状態からでも振動板を厚み方向に撓ませることができ、振動板の撓み量を大きくすることが容易な、振動装置および触覚提示装置を提供することにある。
この発明の振動装置は、厚み方向に撓んだ振動板と、少なくとも一部に逆圧電効果を有し、振動板に連結され、振動板との連結位置から振動板に交差する方向に張られたフィルムと、前記連結位置から離れた位置で振動板とフィルムとの間に隙間を確保するスペーサと、を備える。
この構成では、スペーサが設けられているので、振動板の状態によらずに、振動板に対して交差する方向にフィルムが張られ、振動板とフィルムとの間の隙間が維持される。したがって、振動板が平坦な状態からでも、フィルムを駆動することにより、確実に振動板を厚み方向に撓ませることができる。そして、振動板を薄く剛性の低いものにしても振動板とフィルムとの間の隙間が潰れることが無いので、振動板を薄く剛性の低いものにして振動板の撓み量を大きくすることができる。
前記スペーサは、振動板とフィルムとの間に設けられ、振動板とフィルムとのそれぞれに常に接触する状態にあることが好ましい。この構成では、スペーサを振動板とフィルムとで挟み込んで担持することができる。
前記スペーサは、フィルム側に設けられた基部と、振動板側に設けられ、基部から厚み方向に突出する複数の突起部とを備えることが好ましい。この構成では、振動板とスペーサとの接触面積を低減できる。このことにより、スペーサの真上で振動板が指等に押された場合に、振動が減衰することを抑制できる。
複数の前記スペーサを厚み方向に直交する長さ方向に並べて設けることが好ましい。振動板にはスペーサとの接触位置がノードとなるような高調波が生じ、該高調波は、スペーサの数や位置によって適宜の周波数に設定することができる。一般に、指への触覚フィードバックとして優れる(高感度である)振動の周波数は100Hz〜300Hzであるため、共振周波数が100Hzよりも低い振動装置では、スペーサの数や位置を調整することによって、振動板に生じる振動の高調波を100Hz〜300Hzの周波数とすることができる。
前記振動板は、前記フィルムに逆圧電効果が生じていない状態で平坦状であってもよい。これにより、該振動装置を広い用途で用いることができる。
前記フィルムは、キラル高分子フィルムやポリフッ化ビニリデンフィルムを含んでもよい。
また、この発明の触覚提示装置は、前記振動装置と、前記振動板に装着した、タッチ操作を検出する検出部と、前記検出部がタッチ操作を検出したときに、前記圧電フィルムに駆動電圧を印加する制御部と、を備えている。
このような構成の触覚提示装置は、タッチ操作に伴う押圧力によって振動板が平坦化しても、振動板を確実に厚み方向に撓むように振動させて、操作者に触覚フィードバックを提示することができる。
本発明によれば、振動装置や触覚提示装置において、振動板が平坦な状態からでも、振動板を確実に厚み方向に撓ませられる。
第1の実施形態に係る触覚提示装置の斜視図および底面側の平面図である。 第1の実施形態に係るスペーサの斜視図である。 第1の実施形態に係る振動装置の振動態様を示す側面図である。 第2の実施形態に係る振動装置の側面図である。 第3の実施形態に係る振動装置の斜視図および側面図である。 第4の実施形態に係る振動装置の斜視図および側面図である。 第3および第4の実施形態に係る振動装置に生じる高調波の振動態様を示す側面図である。 第5の実施形態に係る振動装置の斜視図および側面図である。 振動装置の従来構造を説明する図である。
以下、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る触覚提示装置10の斜視図である。図1(B)は、触覚提示装置10を底面側から視た平面図である。触覚提示装置10は、ここではタッチセンサ式のキーボードを構成している。該触覚提示装置10は、制御部11、駆動部12、振動装置20、およびタッチパネル30を備えている。なお、タッチパネル30に替えて、メンブレンスイッチなどのシート状のスイッチを備えていてもよいが、タッチパネル30を用いることにより、表示するキーの位置や表示を任意に変更することができる。
振動装置20とタッチパネル30とは、それぞれ厚み方向に薄手であり、互いに厚み方向に積層されている。タッチパネル30は、振動装置20に対して厚み方向の天面側に配置されている。タッチパネル30は、触覚提示装置10の天面に露出する複数のタッチセンサ31を備えている。複数のタッチセンサ31は、キーボードのキー配列に対応する位置に配している。各タッチセンサ31は、ユーザによるタッチ操作を検出すると検出信号を制御部11に出力する。タッチセンサ31は、特許請求の範囲に記載のタッチ検出部に相当している。
制御部11は、いずれかのタッチセンサ31から検出信号が入力されると、駆動部12に制御信号を出力する。駆動部12は、制御部11から制御信号が入力されると、振動装置20に駆動電圧を出力する。
振動装置20は、振動板21と圧電フィルム22とスペーサ23とを備えている。
振動板21は、弾性変形可能な材料、例えばアクリル樹脂PMMAで構成している。なお、振動板21は、金属板、PET、ポリカーボネイト(PC)、PLLA、ガラス等の他の材料を用いてもよい。振動板21は、圧電フィルム22に対して厚み方向の天面側に配置されている。振動板21は、厚み方向から視て矩形状であり、長さ方向に沿う短辺と幅方向に沿う長辺とを有している。また、振動板21は、幅方向から視て、厚み方向の天面側に凸、厚み方向の底面側に凹に湾曲している。振動板21の天面には、接着剤等を介してタッチパネル30が接合されている。振動板21が幅方向から視て湾曲する平板状であるので、タッチパネル30も振動板21と同様に幅方向から視て湾曲する形状となっている。
圧電フィルム22は、電気的駆動により面方向に振動が生じる性質を有しており、特許請求の範囲に記載の「フィルム」に相当している。圧電フィルム22は、ここでは圧電性を有する圧電材料からなるフィルムの両主面それぞれの全面に図示しない電極を設けて構成している。圧電フィルム22の圧電材料は、例えばキラル高分子であるL型ポリ乳酸(PLLA)や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)であることが望ましい。PLLAで構成される場合には、図2(B)に白抜きの矢印で示す主延伸方向に延伸処理が施されたフィルムから、主延伸方向に対して略45°の方向を長さ方向として圧電フィルム22を切り出すことで、圧電フィルム22に長さ方向に伸び縮みするような圧電性を持たせることができる。
なお、「フィルム」は、圧電フィルムの他にも、電気的駆動により面方向に振動が生じる性質を有するものであれば、適宜のものを採用することができる。例えば、「フィルム」は、コンポジットフィルムや、電気活性フィルムとして構成することができる。電気活性フィルムは、電気的駆動によって面方向に応力や変位を発生するフィルムである。コンポジットフィルムは、樹脂フィルム等の基材に対して、圧電フィルムや電気活性フィルム、圧電セラミックスなどを付設したフィルムである。コンポジットフィルムや電気活性フィルムは、圧電フィルム、圧電セラミックス、電歪フィルム、エレクトレットフィルム、電気駆動型エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ジエン系ゴム、液晶エラストマー、等から構成することができる。
該圧電フィルム22は、振動板21に対して厚み方向の底面側に配置されている。圧電フィルム22は、振動板21の凹状に湾曲する底面側で、振動板21の長さ方向の両端付近に連結している。圧電フィルム22と振動板21とは、長さ方向の両端が固定端24となっている。すなわち、圧電フィルム22は、2つの固定端24の間に張り渡されている。振動装置20および触覚提示装置10は、2つの固定端24付近でテーブル等の設置面に支持される。
圧電フィルム22は、固定端24にて振動板21の底面に対して交差する方向に張られている。このため、振動板21には圧電フィルム22から張力が伝わり、厚み方向に撓むように弾性変形している。これにより、振動板21と圧電フィルム22は、幅方向から視て弓状に構成された振動装置20を構成している。そして、スペーサ23は、振動板21と圧電フィルム22との長さ方向の中央付近で、振動板21と圧電フィルム22と間の隙間に設けられており、振動板21と圧電フィルム22との間に所定の間隔の隙間を確保している。
図2は、スペーサ23の斜視図である。
スペーサ23は、例えば、金属、PET、ポリカーボネイト(PC)などからなる。スペーサ23は、振動板21や圧電フィルム22の振動を減衰させることを防ぐために、高い剛性を有することが好ましく、振動板21や圧電フィルム22よりも弾性率の高い材料で構成するとよい。スペーサ23は、振動板21と圧電フィルム22とに挟み込まれて担持されるが、好ましくは、振動板21と圧電フィルム22とのうちの少なくとも一方に接着剤等を介して固定されるとよい。また、スペーサ23は、基部25と複数の突起部26とを備えている。基部25は、圧電フィルム22側に設けられた幅方向に長尺な部位である。複数の突起部26は、振動板21側に設けられた部位であり、基部25の天面から厚み方向に突出するように設けられている。スペーサ23の天面側に突起部26を設けることにより、振動板21とスペーサ23との接触面積を低減することができる。これにより、振動板21の長さ方向の中央付近、すなわちスペーサ23の真上が指等に押された場合でも、振動が大きく減衰することを防ぐことができる。なお、突起部26は、より好ましくは、タッチパネル30にてタッチセンサ31同士の間のフレーム部分に対向するような位置に設けるとよい。
図3(A)は、押圧力が印加されていない状態での振動装置20の振動態様を示す側面図である。
スペーサ23は、圧電フィルム22と振動板21との長さ方向の中央付近に配置されており、振動板21の下面と圧電フィルム22の上面とのそれぞれに接触している。スペーサ23の厚み方向の寸法は、スペーサ23を設けない場合の振動板21と圧電フィルム22との長さ方向の中央付近での間隔よりも、若干大きい寸法に設定されている。このため、圧電フィルム22の非駆動時に、スペーサ23が圧電フィルム22を厚み方向の下側に押し込み、圧電フィルム22はスペーサ23との接触位置で下側に凸に湾曲している。
圧電フィルム22に交番電界が印加されて駆動すると、圧電フィルム22には長さ方向の縮みが繰り返し生じる。すると、圧電フィルム22から振動板21に伝わる張力T1が周期的に大きくなる。これにより、張力T1における、固定端24の表面に垂直な方向の分力T2も周期的に大きくなる。すると、図3(A)中に点線で示すように、振動板21の撓み量が周期的に大きくなる。すなわち、振動板21の長さ方向中央付近が周期的に上方に変位する。これにより、スペーサ23が振動板21と接触する状態を維持するように周期的に上方に変位し、圧電フィルム22が長さ方向中央付近で湾曲する角度が周期的に低減するようになる。
図3(B)は、タッチ操作等による押圧力が印加されている状態での振動装置20の振動態様を説明する側面図である。
タッチ操作する指等からの押圧力T3が振動板21に印加されて振動板21が略平坦な形状まで押込まれる状態では、振動装置20の弾性力によって、押圧力T3に対する反力T4が指等に作用する。この状態では、振動板21とともにスペーサ23が下方に押込まれ、圧電フィルム22が押圧力T3の非印加時よりも大きく屈曲するようになる。すなわち、押圧力T3が振動板21に印加されて振動板21が略平坦な形状まで押込まれても、スペーサ23が振動板21と圧電フィルム22との間の隙間が潰れることを防ぎ、圧電フィルム22が固定端24の表面に対して交差する方向に張られる状態が維持される。したがって、振動板21が平坦な状態であっても、張力T1の分力T2が、固定端24の表面に垂直な方向に作用する。
このため、この状態で圧電フィルム22に交番電界が印加されて駆動しても、圧電フィルム22から振動板21に伝わる張力T1およびその分力T2が周期的に大きくなり、振動板21が周期的に大きく撓もうとする。このことによって、振動板21を押込む指等に振動板21から伝わる反力T4に周期的な変動が生じ、タッチ操作を行うユーザに対して、触覚フィードバックを提示することができる。したがって、仮に、タッチパネル30に表示するキーの位置が任意に変更されたとして、そのキーの位置をタッチ操作するとユーザはクリック感を得ることができ、タッチ式キーボードとしての操作性、操作感を向上させることができる。
このように、触覚提示装置1および振動装置20では、スペーサ23によって振動板21と圧電フィルム22との隙間が潰れることが無いため、振動板21を薄く構成して振動板21の剛性を抑制することができ、振動板21に生じる撓み量を従来よりも大きくすることが可能である。
なお、この実施形態では、振動板21と圧電フィルム22とを、長さ方向の両端それぞれを固定端24として連結しているので、振動装置を構成する部材数を抑制することができる。ただし、本発明の触覚提示装置および振動装置は、上記構成とは異なる構成であってもよく、例えば、振動板と圧電フィルムとを長さ方向の一端側でのみ直接連結させ、長さ方向の他端側は支持部材等を介して連結させてもよい。
また、この実施形態では、単層の圧電フィルム22を振動板21に張り渡すように構成しているが、圧電フィルム22を樹脂フィルム等の基材となるフィルム(エキサイタフィルム)に貼り付け、エキサイタフィルムを振動板21に張り渡すことにより、本発明の触覚提示装置および振動装置を構成してもよい。また、圧電セラミックスをエキサイタフィルムに付設し、エキサイタフィルムを振動板21に張り渡すことにより、本発明の触覚提示装置および振動装置を構成してもよい。この場合には、一対のエキサイタフィルムを用意し、各エキサイタフィルムの一端を圧電セラミックスに接続し、各エキサイタフィルムの他端を振動板21に接続するようにしてもよい。また、複数対のエキサイタフィルムを用意し、それらを一つの圧電セラミックスに接続するように構成してもよい。
また、この実施形態では、スペーサ23に基部25と突起部26とを設けているが、例えば、スペーサ23を突起部26の無い形状としてもよい。ただし、突起部26を設けることで、スペーサ23と振動板21との接触面積を減らすことができる。スペーサ23と振動板21との接触面積が小さいほうが、振動板21の振動がスペーサ23に拘束されることを抑制でき、振動板21をより良好に振動させることができる。また、突起部26は、図2に示す円柱形状に限らず、半球形状や円錐形状など他の形状であってもよい。また、他にも、突起部26は、厚み方向において振動板21側に突出し、面内方向に伸びる峰状(刃状)であってもよい。また、突起部26は、四角柱状などの多角形の断面を有していてもよい。また、スペーサ23の基部25は直方体状とは異なる形状であってもよい。
また、この実施形態では、圧電フィルム22の非駆動時にも、スペーサ23が振動板21と圧電フィルム22に接し、圧電フィルム22にスペーサ23からテンションがかかる構成例を示しているが、本発明はこの例に限るものではない。例えば、圧電フィルム22の非駆動時の振動板21と圧電フィルム22との間隔に対して、スペーサ23の高さを同程度に設定してもよい。この場合には、圧電フィルム22の非駆動時にスペーサ23が圧電フィルム22と圧電フィルム22に接した状態であっても、圧電フィルム22にスペーサ23からテンションがかからないため、圧電フィルム22にスペーサ23からのテンションが常にかかる場合と比べて、圧電フィルム22かかる負荷を軽減して圧電フィルム22に形状劣化や特性劣化を生じにくくすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る振動装置について説明する。
図4(A)は、第2の実施形態に係る振動装置20Aの押圧力が印加されていない状態での側面図である。該振動装置20Aは、振動板21と圧電フィルム22とスペーサ23Aとを備えている。スペーサ23Aは、スペーサ23Aを設けない場合の振動板21と圧電フィルム22との間隔よりも小さい寸法に設定されており、圧電フィルム22(または振動板21)に接着剤等を介して固定されている。このため、振動装置20Aに押圧力が印加されていない状態では、スペーサ23Aは、振動板21と接触しておらず、圧電フィルム22は平坦状になっている。
図4(B)は、第2の実施形態に係る振動装置20Aの押圧力が印加されている状態での側面図である。タッチ操作する指等から比較的大きな押圧力T3が振動板21に印加されて振動板21が略平坦な形状まで押込まれる状態では、スペーサ23Aが振動板21と圧電フィルム22との双方に接触し、圧電フィルム22を下方に押込む。これにより、圧電フィルム22は、スペーサ23Aとの接触位置で下側に凸に湾曲する。このため、スペーサ23が振動板21と圧電フィルム22との間の隙間が潰れることを防ぎ、押圧力T3の印加によって振動板21が平坦状になっても、圧電フィルム22が固定端24の表面に対して交差する方向に張られる状態が維持される。
したがって、該振動装置20Aにおいても、タッチ操作する指等から押圧力T3が印加されて振動板21が略平坦な形状まで押込まれる状態からでも、圧電フィルム22を駆動することにより、振動板21を繰り返し撓むように振動させることができる。したがって該振動装置20Aを用いて触覚提示装置を構成しても、タッチ操作を行うユーザに対して、触覚フィードバックを提示することができる。
そして、本実施形態のように、通常時にスペーサが振動板に接触していない構成では、タッチ操作する指等が振動板やタッチパネルに接触した時に、振動板の振動がスペーサに拘束されないため、振動板の振動がゼロから所望の振幅に立ち上がる時間が短い。このため、タッチ操作する操作者に、より確実な触覚フィードバックを与えることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る振動装置について説明する。
図5(A)は、第3の実施形態に係る振動装置20Bの斜視図であり、図5(B)は、第3の実施形態に係る振動装置20Bの側面図である。
振動装置20Bは、振動板21Bと圧電フィルム22Bとスペーサ23Bと固定部24Bとを備えている。振動板21Bと圧電フィルム22Bとは、互いに長さ方向の両端付近で連結されており、連結した状態で振動板21Bが湾曲せずに平坦状を維持するように、振動板21Bの初期形状や圧電フィルム22Bの張力が設定されている。より具体的には、振動板21Bは、圧電フィルム22Bと連結されていない状態での初期形状が、下側に凸になるように予め湾曲した形状で形成されている。そして、圧電フィルム22Bから作用する張力とスペーサ23Bから作用する外力とによって振動板21Bが平坦状に変形するように、圧電フィルム22Bの張力が設定されている。固定部24Bは、振動板21Bと圧電フィルム22Bとが連結される両端付近で、振動装置20Bの厚み方向下側に突出するように設けられている。固定部24Bは、テーブル等の設置面上に支持され、振動板21Bおよび圧電フィルム22Bが設置面に直接接触することを防いでいる。
このような構成の振動装置20Bにおいても、スペーサ23Bは、圧電フィルム22Bと振動板21Bとの長さ方向の中央付近に配置されており、振動板21Bの下面と圧電フィルム22Bの上面とのそれぞれに接触して振動板21Bと圧電フィルム22Bとの間に所定の間隔の隙間を確保している。このため、スペーサ23Bは圧電フィルム22Bを厚み方向の下側に押し込み、圧電フィルム22Bはスペーサ23Bとの接触位置で下側に凸に湾曲している。
これにより、振動板21Bが平坦状であっても、圧電フィルム22Bが振動板21Bの表面に対して交差する方向に張られる状態となる。したがって、圧電フィルム22Bの駆動によって、振動板21Bが周期的に撓み、タッチ操作を行うユーザに対して、触覚フィードバックを提示することができる。このように、振動装置20Bでは、スペーサ23Bを設けることにより、湾曲する形状でなくても振動板21Bを撓ませることが可能になる。したがって、振動板21Bの形状自由度を増すことができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る振動装置について説明する。
図6(A)は、第4の実施形態に係る振動装置20Cの斜視図であり、図6(B)は、第4の実施形態に係る振動装置20Cの側面図である。
振動装置20Cは、振動板21Cと圧電フィルム22Cとスペーサ23C,24Cと固定部25Cを備えている。振動板21Cと圧電フィルム22Cとは、互いに長さ方向の両端付近で連結されており、連結した状態で振動板21Cが湾曲せずに平坦状を維持するように、振動板21Cの初期形状や圧電フィルム22Cの張力が設定されている。固定部25Cは、振動板21Cと圧電フィルム22Cとが連結される両端付近で、振動装置20Cの厚み方向下側に突出するように構成されている。スペーサ23C,24Cは、互いに振動装置20Cの長さ方向に所定の間隔を空けて並べられており、それぞれ振動板21Cの下面と圧電フィルム22Cの上面とのそれぞれに接触して振動板21Cと圧電フィルム22Cとの間に所定の間隔を確保している。このため、圧電フィルム22Cは、スペーサ23C,24Cによって厚み方向の下側に押し込まれており湾曲している。
このような振動装置20Cにおいても振動板21Cは平坦状であり、圧電フィルム22Cが振動板21Cの表面に対して交差する方向に張られる状態となる。したがって、圧電フィルム22Cの駆動によって、振動板21Cが周期的に撓み、タッチ操作を行うユーザに対して、触覚フィードバックを提示することができる。
図7は、第3の実施形態に係る振動装置20Bと第4の実施形態に係る振動装置20Cとに生じる振動について説明する図である。
振動装置20Bと振動装置20Cは、振動板21B,21Cの長さ方向の寸法により定まる共振周波数を有している。このため、振動装置20Bと振動装置20Cは、上記の共振周波数と一致する周波数の駆動信号が印加されることで、長さ方向の中央付近が振動の腹となり長さ方向の両端付近が固定端となる振動が生じる。そして、このような振動板21B,21Cの振動には、振動板21B,21Cにおけるスペーサ23B,23C,24Cとの接触位置が振動の節(ノード)となるような高調波が重畳される。
図7(A)に示すように、振動装置20Bでは、スペーサ23Bが振動板21Bの長さ方向の中央付近に接することにより、この接触位置が振動の節となるような高調波の振動が生じる。すなわち、振動装置20Bの振動には、振動板21Bの長さ方向の寸法を1波長とする2次高調波の振動が重畳される。
一方、図7(B)に示すように、振動装置20Cでは、スペーサ23C,24Cが振動板21Cの長さ方向に適切な間隔を空けて並べられることにより、これらとの接触位置がそれぞれ振動の節(ノード)となるような高調波の振動が生じる。すなわち、振動装置20Cの振動には、振動板21Cの長さ方向の寸法を1.5波長とするような3次高調波の振動が重畳される。
したがって、第3の実施形態に係る振動装置20Bと、第4の実施形態に係る振動装置20Cとでは、振動板21B,21Cの長さ方向の寸法が等しい場合でも、振動板21B,21Cに生じる高調波の周波数が異なるものになる。一般に、指への触覚フィードバックとして優れる(高感度である)振動の周波数は100Hz〜300Hzであるため、振動板21B,21Cの共振周波数が100Hzよりも低い周波数になる場合には、スペーサの数や位置を適切に調整することによって、振動板21B,21Cに生じる振動の高調波を100Hz〜300Hzの周波数に設定することができる。したがって、振動板21B,21Cの共振周波数が100Hzよりも低い周波数になる場合でも、指等に対する良好な触覚フィードバックを得ることができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る振動装置について説明する。
図8(A)は、第5の実施形態に係る振動装置20Dの斜視面図であり、図8(B)は、第4の実施形態に係る振動装置20Dの背面図である。
振動装置20Dは、振動板21Dと複数の圧電フィルム22Dとスペーサ23Dとを備えている。複数の圧電フィルム22Dは、幅方向の寸法が短く長さ方向の寸法が長い短冊状であり、互いに並行するように幅方向に並べられている。複数の圧電フィルム22Dは、長さ方向の寸法が振動板21Dと同程度であり、振動板21Dに連結される固定端24Dが長さ方向の両端付近に設けられている。スペーサ23Dは、振動板21Dの下面と複数の圧電フィルム22Dの上面とに接し、複数の圧電フィルム22Dにわたるように、幅方向に延び、振動板21Dと複数の圧電フィルム22Dとの間に所定の間隔を確保している。このため、複数の圧電フィルム22Dは、スペーサ23Dによって厚み方向の下側に押し込まれており湾曲している。
該振動装置20Dにおいては、各圧電フィルム22Dの形状が、長さ方向に長い短冊状であるため、各圧電フィルム22Dの駆動によって、長さ方向に最も大きく伸びや縮みが生じる。したがって、このような圧電フィルム22Dを複数用いて振動板21Dを振動させることにより、振動板21Dを効果的に振動させることができる。また、該振動装置20Dにおいても、前述の各実施形態と同様にスペーサ23Dを設けているので、振動板21Dが押込まれた状態からでも、振動板21Dを振動させることができる。したがって該振動装置20Dを用いて触覚提示装置を構成しても、タッチ操作を行うユーザに対して、触覚フィードバックを提示することができる。
なお、本実施形態のように複数の圧電フィルムを設ける場合、上記したように複数の圧電フィルムを渡るように単一のスペーサを配置する他、複数のより短いスペーサを各圧電フィルムに対して個別に配置するようにしてもよい。複数のスペーサを複数の圧電フィルムに対して個別に配置すれば、各圧電フィルムにかかるテンションを調整することができ、振動板を更に効果的に振動させることもできる。
また、本実施形態の構成においても、図6で示した構成と同様に、各圧電フィルムの長さ方向に複数のスペーサを並べて配置するにしてもよい。
以上に説明したように本発明は実施することができるが、本発明は、特許請求の範囲に記載に該当する構成であれば、上記の他の構成であっても実施することができる。例えば、本発明の振動装置は、触覚提示装置ではない他の装置、例えば平面型スピーカなどに利用してもよい。
10…触覚提示装置
11…制御部
12…駆動部
20,20B,20C…振動装置
21,21B,21C…振動板
22,22B,22C…圧電フィルム
23,23A,23B,23C,24C…スペーサ
24…固定端
24B,25C…固定部
25…基部
26…突起部
30…タッチパネル
31…タッチセンサ

Claims (7)

  1. 厚み方向に撓んだ振動板と、
    少なくとも一部に電気的駆動により面方向に振動が生じる性質を有し、前記振動板に連結され、前記振動板との連結位置から前記振動板に交差する方向に張られたフィルムと、
    前記連結位置から離れた位置で前記振動板と前記フィルムとの間に隙間を確保するスペーサと、
    を備える振動装置。
  2. 前記スペーサは、前記振動板と前記フィルムとの間に設けられ、前記振動板と前記フィルムとのそれぞれに常に接触する状態にある、請求項1に記載の振動装置。
  3. 前記スペーサは、前記フィルム側に設けられた基部と、前記振動板側に設けられ、前記基部から前記厚み方向に突出する複数の突起部とを備える、請求項1または請求項2に記載の振動装置。
  4. 複数の前記スペーサを、前記厚み方向に直交する長さ方向に並べて設けた、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動装置。
  5. 前記振動板は、前記フィルムに逆圧電効果が生じていない状態では平坦状である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の振動装置。
  6. 前記フィルムは、キラル高分子フィルムまたはポリフッ化ビニリデンフィルムを含む、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の振動装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の振動装置と、
    前記振動板に装着した、タッチ操作を検出するタッチ検出部と、
    前記タッチ検出部がタッチ操作を検出したときに、前記フィルムに駆動電圧を印加する制御部と、を備える、触覚提示装置。
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