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JP6198379B2 - 改質ジルコニア微粒子粉末、改質ジルコニア微粒子分散ゾルおよびその製造方法 - Google Patents

改質ジルコニア微粒子粉末、改質ジルコニア微粒子分散ゾルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、分散性、流動性に優れた改質ジルコニア微粒子粉末、および該改質ジルコニア微粒子粉末を用いた分散体およびこれらの製造方法に関する。
従来、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、五酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化スズ、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニアなどのコロイド粒子が知られており、光学材料として屈折率を調整するために被膜等に配合して用いられている。例えば、シリカは低屈折材料として、アルミナは中程度の屈折率材料として、チタニア、ジルコニア等は高屈折率材料として用いられている。
チタニア粒子は高屈折率ではあるものの、分散安定性が悪かったり、チタニア自体が光触媒活性を有するために、耐光性、耐候性等に問題があった。このため、チタニアとともに、他の成分、例えばシリカ成分などを複合化することによって分散安定性や、耐光性、耐候性等を向上させることが行われている(特許文献1:特開平8−48940号公報)。しかしながら、複合化成分によっては屈折率を低下させることになることに加えて、光触媒活性を完全に抑制することが困難で、このため耐光性、耐候性等が不充分となることがあった。(特許文献1)
そこで、チタニアの代わりに、ジルコニアを使用することが試みられるが、ジルコニア粒子は光触媒活性が実質的になく、耐光性、耐候性等には優れているものの、分散性、安定性に優れたコロイド領域のジルコニアゾルを得ることが困難であった。
本願出願人は、ジルコニウム塩の加水分解物をカルボン酸等の粒子成長抑制剤の存在下で水熱処理する分散性に優れたジルコニアゾルの製造方法を開示している。(特許文献2:特開2006−143535号公報) また、炭酸ジルコニウムアンモニウムをカルボン酸等の存在下で加熱加水分解する安定性に優れたジルコニアゾルの製造方法が開示されている。(特許文献3:特開平3−174325号公報)
しかしながら、上記した方法で得られるジルコニア微粒子は、乾燥すると凝集が強くなって、所望の分散性のものが得られない。
一方、水酸化ジルコニウムを高温で焼成し、これを粉砕して微粒子としたジルコニア微粒子は、屈折率は高いものの粒子径が大きすぎたり、粒子径分布が不均一であったり、凝集粒子が存在して分散性に劣る等の点から透明被膜に用いるには不向きであった。また、この方法では、粉砕時にアルカリ等(粉砕助剤)を添加することによって粒子径をより小さくしたり、粒子径分布を均一化できる等の効果が知られている。
従来、各種金属酸化物ゾルの分散性、安定性を向上するために有機珪素化合物(シランカップリング剤)で表面処理することが行われているが、上記、焼成、粉砕して得たジルコニア微粒子は、アルカリ共存下のアルカリ領域では安定に分散しうるが、洗浄や精製を行い、アルカリ成分を除去すると、表面電位が低下し分散性が著しく低下する問題があった。
特に、有機珪素化合物の加水分解用触媒であるアルカリ存在下で、表面処理したジルコニア微粒子はアルカリイオンが存在するために表面への有機珪素化合物処理が不均一になるためか、得られる表面処理したジルコニア微粒子の分散性、安定性は必ずしも充分ではなかった。
一方、アルカリが共存してない場合、即ち、加水分解触媒を使用しない場合、3官能以下の有機珪素化合物では加水分解速度が遅く、未反応の有機珪素化合物が残存し、表面処理が不充分になる場合があった。
また、加水分解触媒として酸を使用した場合、粒子表面に鎖状の加水分解物を生じる傾向があり、得られる粒子が凝集したり、分散性が不良となる場合がある。
また本願出願人は、ジルコニア粒子を焼成した後、アルカリ存在下で粉砕処理した後、NH4型イオン交換樹脂で処理し、ついで有機珪素化合物で表面処理すると効率的に表面処理することができ、分散性、安定性に優れた改質ジルコニア微粒子の有機溶媒分散液が得られることを開示している。(特許文献4:特開2009−132819号公報)
特開平8−48940号公報 特開2006−143535号公報 特開平3−174325号公報 特開2009−132819号公報
ところで、ジルコニア微粒子と、疎水性樹脂などの親和性を考えると、3官能以下の有機珪素化合物で処理することが望ましい。しかしながら、従来、3官能以下の有機珪素化合物で処理しただけでは、表面処理が不十分なことがあり、疎水性樹脂への分散性が十分でなかった。
通常、3官能以下の有機珪素化合物での表面処理は、加水分解触媒としてアンモニアなどのアルカリ存在下で行われていたが、乾燥して粉末にした際に強く凝集し、加えて粉体の流動性が低いために有機溶媒あるいは有機樹脂に均一に分散させることができない場合があった。このため、有機珪素化合物で処理した後、乾燥することなく有機溶媒に溶媒置換したのち有機樹脂に混合した分散体とする必要があり、それでも、分散体中での分散性が均一とはいえず、安定性が不充分となる場合があった。
このような問題点を鑑み、3官能以下の有機珪素化合物における表面処理状態を把握することで、疎水性樹脂などへの分散性に優れた改質ジルコニア微粒子が得られるのではないかと、本発明者らは考えた。
なお、4官能の有機珪素化合物は加水分解触媒がなくても加水分解するものの、未加水分解で残存するアルコキシド中のアルキル基により、分散性が向上する場合があるが、得られるジルコニア粉末は強く凝集し、流動性、分散性が得られない場合があった。
本発明者等は、上記問題に鑑み、3官能以下の有機珪素化合物を表面処理に用いた場合に、分散性に優れたジルコニア微粒子粉末を得るためにどのようにしたらよいか、鋭意検討した。その結果、表面の29Si MAS NMRスペクトルを観察することで、3官能以下の有機珪素化合物の表面処理状態を把握できることを見出した。
通常のメタノールなどの溶媒存在下に、アンモニア触媒を使用して、3官能以下の有機珪素化合物を使用した場合、29Si MAS NMRスペクトルが非常にシャープとなる。これに対し、29Si MAS NMRスペクトルのピークをブロードとし、主ピークの半値幅が3 〜15ppmの範囲とすることで、3官能以下の有機珪素化合物が十分に粒子表面に存在し、しかも未反応物が少なく、疎水性溶媒・樹脂への親和性が高いものが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
そして、このような表面処理は、ジルコニア微粒子の水/アルコールなどの混合溶媒分散液に所定量の有機珪素化合物を添加したのち、触媒を添加することなく、減圧下ないし流動状態下、乾燥(溶媒除去)することで達成されることを見出した。
[1]有機珪素化合物で表面処理された改質ジルコニア微粒子の粉末であって、平均二次粒子径(DM2)が5〜500nmの範囲にあり、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmの範囲にあり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10の範囲にあることを特徴とする改質ジルコニア微粒子粉末。
[2]前記有機珪素化合物が下記式(1)で表される有機珪素化合物であり、
該微粒子中の有機珪素化合物の含有量がRn-SiO(4-n)/2(nは1〜3の整数)として1〜50重量%の範囲にあり、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が3〜15ppmの範囲にある[1]の改質ジルコニア微粒子粉末。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
[3]前記改質ジルコニア微粒子が、ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液に、前記式(1)で表される有機珪素化合物を添加し、有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、または溶媒置換をすることなく、乾燥して調製されたものである[1]または[2]の改質ジルコニア微粒子粉末。
[4]前記乾燥が減圧下あるいは流動下に、200℃以下で乾燥されたものである[3]の改質ジルコニア微粒子粉末。
[5]安息角が45°以下であることを特徴とする[1]〜[4]の改質ジルコニア微粒子粉末。
[6]前記[1]〜[5]の改質ジルコニア微粒子粉末が有機溶媒および/または有機樹脂に分散してなることを特徴とする改質ジルコニア微粒子分散体。
[7]前記改質ジルコニア微粒子の濃度が固形分として1〜70重量%の範囲にある[6]の改質ジルコニア微粒子分散体。
[8]下記の工程(d)〜(f)からなり、有機珪素化合物で表面処理された改質ジルコニア微粒子の粉末であって、平均二次粒子径(DM2)が5〜500nmの範囲にあり、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmの範囲にあり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10の範囲にあることを特徴とする改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
(d)ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液を調製する工程
(e)有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、下記式(1)で表される有機珪素化合物を添加する工程
(f)溶媒置換をすることなく、乾燥する工程
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
[9]前記有機珪素化合物が下記式(1)で表される有機珪素化合物であり、
得られる微粒子中の有機珪素化合物の含有量がRn-SiO(4-n)/2(nは1〜3の整数)として1〜50重量%の範囲にあり、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が3〜15ppmの範囲にあることを特徴とする[9]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
[10]前記工程(d)で用いる(改質前の)ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)が5〜400nmの範囲にあり、前記平均二次粒子径(DM2)との比(DM2)/(DZ)が0.2〜5である[8]または[9]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
(なお、平均粒子径(DZ)は、分散媒として水を使用し、固形分濃度10重量%に調整したものを超音波分散し、動的光散乱法で測定する)
[11]前記工程(f)の乾燥が、流動下、あるいは、減圧下で200℃以下に行う[8]または[9]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
[12]使用されるジルコニア微粒子が下記の工程(a)〜(c)によって製造されたものである[8]〜[11]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
(a)ジルコニウム水酸化物ゲルを水酸化カリウムおよび過酸化水素の存在下で解膠または溶解する工程
(b)水熱処理する工程
(c)洗浄する工程
[13]前記工程(b)において、粒子成長調整剤の存在下で水熱処理する[12]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
[14]前記工程(b)における水熱処理温度が40〜300℃の範囲にある[12]または[13]の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
本発明によれば、分散性、流動性に優れた改質ジルコニア微粒子粉末、均一分散性、分散安定性に優れた改質ジルコニア微粒子分散体および改質ジルコニア微粒子粉末ならびに改質ジルコニア微粒子分散体の製造方法を提供することができる。
本発明の改質ジルコニア微粒子粉末は、流動性に優れ、直接粉体のままで有機溶媒、有機樹脂等に容易に均一に単分散することが可能である。改質ジルコニア微粒子粉末は、多くの場合有機溶媒および/または有機樹脂分散体として使用されるが、使用直前に分散体として使用することができ、改質ジルコニア微粒子粉末として保管できるので保管が安全であり、分散体として輸送等する必要が無く、輸送が安全であり、輸送費も軽減できるなど経済性にも優れている。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末(実施例6)の表面状態の概念図を示す。 従来法により処理した改質ジルコニア微粒子粉末(比較例4)の表面状態の概念図を示す。 実施例6の改質ジルコニア微粒子の29Si MAS NMRスペクトルのチャート図を示す。 比較例4の改質ジルコニア微粒子の29Si MAS NMRスペクトルのチャート図を示す。
以下に、まず本発明に係る改質ジルコニア微粒子について説明する。
[改質ジルコニア微粒子]
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末は、有機珪素化合物で表面処理された改質ジルコニア微粒子の粉末である。
本発明にかかる粉末の平均二次粒子径(DM2)は、5〜500nmの範囲にあり、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmの範囲にあり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10、好ましくは1〜7の範囲にある。
本発明における平均二次粒子径(DM2)は、分散媒としてメタノールを使用し、固形分濃度30重量%に調整し、超音波分散したものを、動的光散乱法で評価する。また平均一次粒子径(DM1)は、TEM観察100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値を求める。
このような比(DM2)/(DM1)の範囲にあると、改質ジルコニア微粒子の凝集度合いが低く、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性が高く、易分散性である。
前記比(DM2)/(DM1)が大きすぎると、改質ジルコニア微粒子の凝集度合いが高いことを示し、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性が不充分となる場合があり、分散体は透明性が低く、分散安定性が不充分となる場合がある。(DM2)/(DM1)が1未満となることは通常ない。
メタノール分散液で評価すると、本発明の改質ジルコニア微粒子粉末の分散性がいいため分散し、平均粒子径、分散性を再現性よく評価できる。なお、他の有機溶媒を用いた場合でも大きな差がない。ただし、表面処理後に水分散液で評価すると、分散性が低く、凝集するために、平均粒子径を測定することができず、TEM観察で測定する一次粒子径と大きく乖離した結果となる。
有機珪素化合物
有機珪素化合物としては、下記式(1)で表される加水分解性の有機珪素化合物が使用される。
n-SiX4-n (1)
Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。非置換の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基のほかに、二重結合を有するアルケニル基などが挙げられる。また、置換炭化水素基としては、エポキシ、グリシドキシ、(メタ)アクリロキシ、ウレタン、アミノ、アミド、イミド、ウレイドなどの置換基や炭化水素基の水素がフッ素などのハロゲン置換されたものなどが挙げられる。
Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素原子のいずれか示し、nは1〜3の整数である。nが2以上の場合、Rは互いに同じでも、異なるものであってもよく、また複数のXは互いに同一であっても異なるものであってもよい。
このように1〜3官能の有機珪素化合物を使うことで、流動性、分散性に優れた改質ジルコニア微粒子粉末を得ることができる。なお、4官能の有機珪素化合物では疎水性官能基が残存せず、改質ジルコニア微粒子粉末は強く凝集し、流動性、分散性が得られない場合がある。
有機珪素化合物としては、具体的にはメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等、およびこれらの混合物が挙げられる。
なかでも、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン等のアクリル系もしくはメタアクリル系の有機珪素化合物は、流動性、分散性等に優れた改質ジルコニア微粒子粉末が得られるので好適に用いることができる。
これらのような、有機珪素化合物を用いて、特定の条件で、表面処理を行うと、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークがブロードになり、半値幅が 3 〜15ppmの範囲となる。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末は、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が3〜15ppmにあり、さらには3.5〜12ppmの範囲にあることが好ましい。
有機珪素化合物で表面処理した改質ジルコニア微粒子粉末の29Si MAS NMRスペクトルには、通常、有機珪素化合物のSiに由来するケミカルシフト値の異なる2本以上のピークが測定されるが、主ピークとは、ピーク高さが最も高いピークを意味している。なお、条件によっては1本のピークが測定される場合がある。
主ピークにおける半値幅が前記下限未満の場合は、ピークがシャープとなる。このような改質ジルコニア微粒子は、触媒存在下に、有機珪素化合物(シランカップリング剤)を加水分解して改質したジルコニア微粒子に近い表面状態であり、得られる粉末が凝集していたり、安息角が高く流動性が不充分であり、また、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性が不充分となる場合がある。
本発明の改質ジルコニア微粒子粉末では有機珪素化合物の珪素原子が互いに粒子表面で、29Si MAS NMRスペクトル 幅を広くする、すなわち珪素原子の核スピンに影響する程度に近接ないし結合して密に存在するのに対し、従来の表面処理方法で得られる表面処理ジルコニア粉末では有機珪素化合物の粒子表面で相互作用が比較的小さいものと推察される。
これらの比較をモデル図として図1および図2に示す。
図1は、本発明の改質ジルコニア微粒子表面の模式図であり、有機珪素化合物同士は、粒子表面で-O-Si-O-Si-として連結しているとともに、ジルコニア粒子表面で、Rを構成するC=Oや、-COO-が表面のOHと相互作用し、結果として、ジルコニア粒子表面近くに有機珪素化合物が纏わりついた状態となっていると考えられる。また、有機珪素化合物同士の重縮合も進んでいると考えられる。その結果、本発明の改質ジルコニア微粒子粉末では有機珪素化合物が粒子表面を緻密に被覆した状態にあるためか、凝集しにくく、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性に優れ、また、粉末は安息角が小さく流動性に優れていると考えられる。
図2は、メタノール存在下に、アンモニウム触媒を用いて表面処理を行ったものである。ジルコニア微粒子表面のOH基と有機珪素化合物が重縮合している。有機珪素化合物同士も重縮合して-Si-O-Si-を構成しているものの、式(1)のXに相当する加水分解性基の残基も多く検出されるものと考えられる。
改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物の含有量は、ジルコニア微粒子の粒子径、有機珪素化合物の種類等によっても異なるが、Rn-SiO(4-n)/2(nは1〜3の整数)として1〜50重量%、さらには2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
有機珪素化合物の含有量が少ないと、強く凝集した改質ジルコニア微粒子が得られる場合があり、流動性(本願では安息角を評価)が低く、有機溶媒、有機樹脂等への分散性が低く、分散した場合でも、均一に単分散した分散体が得られない場合がある。このため、改質ジルコニア微粒子を用いて透明被膜を形成しても、透明性、ヘーズ、膜の強度、耐擦傷性等が不充分となる場合がある。有機珪素化合物の含有量が多すぎても、有効にジルコニア微粒子の表面に結合した有機珪素化合物が増加せず、流動性、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性がさらに向上する効果が奏せられないばかりか、有機珪素化合物自体が多くなるので、例えば未反応の有機珪素化合物、有機珪素化合物同士の反応物が増え、改質ジルコニア微粒子粉末の流動性、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性がさらに向上する効果が得られない場合があり、加えて、改質ジルコニア微粒子の用途によっては屈折率の低下要因となることがある。
改質ジルコニア微粒子中の水分の含有量は、H2Oとして5重量%以下、さらには2重量%以下であることが好ましい。
改質ジルコニア微粒子中の水分の含有量がH2Oとして多いものは改質ジルコニア微粒子粉末の流動性が低下し、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性が不充分となり、例えば、有機溶媒に分散させた分散体は透明性が低く、容易に沈降して分散体の安定性が不充分となる場合がある。また、有機樹脂に分散させた分散体を用いて形成した被膜は透明性、膜強度等が不充分となる場合がある。なお、改質ジルコニア微粒子中の水分の含有量は、改質ジルコニア微粒子粉末0.15gを採取して京都電子工業(株)製:カールフィッシャー水分計(MKA-610)にて測定する。なお水分量は、乾燥により所定の範囲以下に調整できる。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DM2)は5〜500nm、さらには7〜400nmの範囲にあることが好ましい。この範囲の平均粒子径であれば、凝集も少なく、流動性も高く、さらに有機溶媒および/または有機樹脂への分散性も高い。このため、透明被膜を形成したときに、光の散乱が小さく、ヘーズも低くなる。前記範囲未満のものは得ることが困難であり、前記範囲を超えると、用途に制限があり、例えば、透明被膜の形成に用いた場合、光の散乱が強くなり、透明性が不充分であったり、ヘーズが高くなる場合がある。
粒子径測定は、改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DMZ)は、改質ジルコニア微粒子粉末をメタノールに分散させ、超音波を照射した固形分濃度30重量%の分散液を調製し、粒径測定装置(大塚電子(株)製:ELS−Z)で測定する。
また、本発明に用いるジルコニア微粒子(改質前)の平均粒子径(DZ)は5〜400nm、さらには7〜300nmの範囲にあることが好ましい。この範囲の平均粒子径(DZ)であれば、前記した改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DM2)が達成される。ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)が前記範囲未満のものは非凝集状態の微粒子として得ることが困難であり、過度に凝集した粒子を用いた場合、本願の流動性、分散性に優れた改質ジルコニア微粒子粉末を得ることが困難である。ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)が前記範囲を越えると、得られる改質ジルコニア微粒子の平均粒子径が所定の範囲を越える場合があり、前記のとおり、用途に制限を伴う。
ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)は、改質前のジルコニア微粒子を水に分散させ、超音波を照射した固形分濃度10重量%の分散液を調製し、粒径測定装置(大塚電子(株)製:ELS−Z)で測定する。
つぎに、前記ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)と前記改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DM2)との比(DM2)/(DZ)が0.2〜5、さらには0.5〜3の範囲にあることが好ましい。
前記比(DM2)/(DZ)が大きすぎると改質ジルコニア微粒子の凝集度合いが高いことを示し、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性が不充分となる場合があり、分散体は透明性が低く、分散安定性が不充分となる場合がある。改質前の粒子は凝集していることもあり、改質によって、凝集がほぐされることもあるので、(DM2)/(DZ)が1未満となることがある。なお、(DM2)/(DZ)が低すぎると、これは原料粒子が過度に凝集していることを意味し、改質が不均一になるためか、有機溶媒、有機樹脂等への分散性が不充分となる場合がある。
なお従来より提案されていた改質ジルコニアでは、処理後に粉体化すると凝集し、分散性が悪く、このため、安息角(流動性)などの評価ができなかった。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末の安息角は改質ジルコニア微粒子の平均粒子径によっても異なるものの、改質ジルコニア微粒子の平均粒子径が小さいほど安息角は高くなり、平均粒子径が大きいほど安息角は低くなる傾向があるが、45°以下、さらには40°以下であることが好ましい。このような安息角を有する本発明の改質ジルコニア微粒子は、流動性が高く、粘性分散体との混合性、分散性も高いので、均一な分散体が得られる。改質ジルコニア微粒子粉末の安息角が高いものは流動性が低く、樹脂等粘性分散体との混合性、分散性が低く、均一な分散体が得られない場合がある。また、改質ジルコニア微粒子が強く凝集しているものは、安息角が高く有機溶媒および/または有機樹脂へ分散させた場合に、凝集した改質ジルコニア微粒子が残存し、均一に単分散しない場合がある。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末を構成する改質ジルコニア微粒子は結晶性であることが好ましい。具体的には単斜晶形または立方晶形であることが好ましい。改質ジルコニア微粒子が無定型であると、流動性、分散性等が不充分となる場合がある。この理由は必ずしも明らかではないが、無定型のジルコニア微粒子は微細孔が多く、このため立体障害により有機珪素化合物と結合できない水酸基あるいは表面が残存しているためか、改質ジルコニア微粒子粉末は有機溶媒および/または有機樹脂分散媒への分散性が不充分となる場合がある。改質ジルコニア微粒子が結晶性であると、改質ジルコニア微粒子粉末は流動性、分散性等に優れるとともに、比較的屈折率が高く、高屈折率材料として有用である。
このような本発明に係る改質ジルコニア微粒子は、ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液に、前記式(1)で表される有機珪素化合物を添加し、有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、または溶媒置換をすることなく、減圧下あるいは流動下、さらには200℃以下で乾燥することで調製されたものである。具体的には、以下のようにして製造される。
[改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法]
本発明に係る改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法は、下記の工程(d)〜(f)からなることを特徴としている。
(d)ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液を調製する工程
(e)式(1)で表される有機珪素化合物を添加する工程
(f)有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、また溶媒置換をすることなく、
乾燥する工程
工程(d)
ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液を調製する。
(ジルコニア微粒子)
ジルコニア微粒子としては、得られる改質ジルコニア微粒子の平均粒子径が前記範囲となるように概ね5〜400nm、好ましくは概ね7〜300nmの範囲にあるジルコニア微粒子が用いられる。具体的には、平均粒子径(DZ)は5〜400nm、さらには7〜300nmの範囲にあることが好ましい。この範囲の平均粒子径(DZ)であれば、前記した改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DMZ)が達成される。
このとき、ジルコニア微粒子としては、前記した理由で結晶性のジルコニア微粒子を用いることが好ましい。
ジルコニア微粒子の調製方法
本発明では、このようなジルコニア微粒子を、(a)ジルコニウム水酸化物ゲルを水酸化カリウムおよび過酸化水素の存在下で解膠または溶解したのち、(b)水熱処理し、(c)洗浄して得られたものが好ましい。
まず、ジルコニウム水酸化物ゲルを水酸化カリウムおよび過酸化水素の存在下で解膠ないし溶解する。ジルコニウム水酸化物ゲルとしては、水酸化カリウムおよび過酸化水素の存在下、解膠ないし溶解できれば特に制限はなく、例えば、ジルコニウム化合物を加水分解あるいは中和して得られるジルコニウム水酸化物ゲル(ジルコニア水和物、ジルコニウム水酸化物等を含む)を用いることができる。
ジルコニウム化合物としては、塩化ジルコニウム(ZrCl2)、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等の他、ジルコニウムアルコキシド等が挙げられる。
なお、ジルコニウム水酸化物ゲル、混合ジルコニウム水酸化物ゲルを調整する際は、ゲルの大きさ等を調整するために後述すると同じ粒子成長調整剤を使用してもよい。上記のジルコニウム水酸化物ゲル、混合ジルコニウム水酸化物ゲルは、本願出願人の出願による特開2009−167085号公報に準じて調製することができる。
上記したジルコニウム水酸化物ゲル分散液に水酸化カリウムおよび過酸化水素を加える。このとき、ジルコニウム水酸化物ゲル分散液の濃度は固形分として0.1〜20重量%、さらには0.2〜15重量%、特に0.5〜10重量%の範囲に調整することが好ましい。この濃度範囲にあると生産効率が高く、また粒子径分布も均一となる。なお分散液濃度が低すぎると、収率、生産効率が低下することがあり、高すぎても、最終的に得られる改質ジルコニア微粒子の粒子径分布が不均一になる傾向がある。
ジルコニウム水酸化物ゲルのZrO2としてのモル数を(MZr)とし、アルカリ金属水酸化物のモル数を(MOH)とし、過酸化水素のH22としてのモル数を(MPO)としたときに、(MOH)/(MZr)が1〜20、さらには2〜15の範囲にあり、(MPO)/(MZr)が5〜30、さらには8〜25の範囲にあることが好ましい。
(MOH)/(MZr)が小さいとジルコニウム水酸化物ゲルの溶解が不充分となり、平均粒子径が小さく、均一な粒子径分布を有する改質ジルコニア系微粒子が得られないことがある。(MOH)/(MZr)が大きすぎても、さらにジルコニウム水酸化物ゲルの溶解が増すこともなく、得られるジルコニア微粒子の粒子径の均一性が向上することもない上、後の工程でアルカリを除去・洗浄する負担が大きくなり経済的でない。
解膠ないし溶解する際の温度は、前記(MOH)/(MZr)、(MPO)/(MZr)によっても異なるが、0〜90℃、さらには5〜80℃の範囲にあることが好ましい。この範囲の温度であれば解膠(溶解)が充分に行われ、溶解溶液の安定性が増して、経済性にも優れている。
また、解膠ないし溶解時間は、ジルコニウム水酸化物ゲルが解膠ないし溶解すれば特に制限はないが、通常、5時間で充分である。
なお、解膠とは、通常、微細なジルコニウム水酸化物ゲルの凝集体であるジルコニウム水酸化物ゲルの凝集状態を無くして微細化することをいい、一部溶解を伴うこともある。溶解はこれらを溶解することである。
なお、必ずしも解膠ないし溶解を経ることなく、水熱処理を行うことができるが、予め解膠ないし溶解して水熱処理すると粒子径の分布が狭く、均一で、分散性が高く、屈折率の高い改質ジルコニア系微粒子が得られる点で好ましい。
次に、ジルコニウム水酸化物ゲル解膠ないし溶解溶液を水熱処理する。
ジルコニウム水酸化物ゲル解膠ないし溶解溶液は、塩基性窒素化合物を添加して溶液のpHを9〜14、さらには11〜14の範囲と可能な範囲で高くすることが好ましい。
塩基性窒素化合物としては、NH3、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド(TBAH)等が挙げられる。溶解溶液のpHを前記範囲に調整すると、結晶性が高く、屈折率の高い改質ジルコニア系微粒子を得ることができる。
また、水熱処理は、粒子成長調整剤の存在下で行うことが好ましい。粒子成長調整剤としては、カルボン酸またはカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸(1分子内にカルボキシル基とアルコール性水酸基とを有する)、ヒドロキシカルボン酸塩等が用いられる。
具体的には、酒石酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、アクリル酸(不飽和カルボン酸)、グルコン酸等のモノカルボン酸およびモノカルボン酸塩、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、などの多価カルボン酸および多価カルボン酸塩等が挙げられる。また、α−乳酸、β−乳酸、γ−ヒドロキシ吉草酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、トロパ酸、ベンジル酸のヒドロキシカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸塩が挙げられる。
粒子成長調整剤の使用量は、解膠(溶解)溶液中のZrO21モルに対して粒子成長調整剤を0.1〜20モル、さらには1〜8モル添加することが好ましい。粒子成長調整剤の使用量が、かかる範囲にあると、最終的に得られるジルコニアゾルの粒子径分布が均一となり、所定の平均粒子径に調整可能となる。
水熱処理温度は40〜300℃、さらには100〜250℃の範囲にあることが好ましい。水熱処理温度がこの範囲にあれば、結晶性が高く、粒子径分布が均一なジルコニア粒子を効率的に得ることができる。
なお、水熱処理時間は特に制限はなく、水熱処理温度によって異なるが、通常0.5〜12時間である。このように水熱処理することによって均一な粒子径分布を有し、非凝集体でのジルコニア微粒子を製造することができる。
なお、ジルコニア微粒子が凝集している場合は、必要に応じて分散処理することができる。また、分散処理する際に、分散促進剤を添加してもよい。分散処理する方法としてはボールミル、ジェットミル、ロール転動ミル等従来公知の装置を用いることができる。
分散促進剤としては通常、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることができる。また、アンモニア、有機アミンなどの塩基性化合物を用いることができる。
この後、ジルコニア微粒子分散液を、洗浄する。洗浄方法としては、前記工程(a)で使用した水酸化カリウムのカリウムイオン、工程(b)で使用した粒子成長調整剤、必要に応じて用いる分散促進剤、その他共雑する陽イオン、陰イオン、あるいは塩を除去できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、限外濾過膜法、濾過分離法、遠心分離濾過法、イオン交換樹脂法、電気透析法等が挙げられる。
なかでも、限外濾過膜法、電気透析法は溶液のpHを大きく変化させることなく不純分を除去することができるため、ジルコニア微粒子の安定性、分散性を損なうことがないので好適に採用することができる。
ジルコニア微粒子分散液は、固形分濃度10重量%の分散液で電導度が3mS/cm以下、より好ましくは0.3mS/cm以下となるまで洗浄することが好ましい。分散液の電導度が前記範囲であればイオン性成分等の不純物の残存量はジルコニア微粒子重量に対して5重量%以下、さらには0.5重量%以下とすることができる。
このようにイオン性成分等の不純物を洗浄して低減すると、理由は必ずしも明らかではないが、ジルコニア表面の吸着イオン等が取り除かれ、有機珪素化合物との反応が効率的になるか、あるいは、粒子表面の電気二重層が厚くなり、ジルコニア微粒子間に働く静電的反発力が大きくなるためか、得られる改質ジルコニア微粒子粉体の各種有機溶媒等への分散性が向上する効果が得られる。
(水)
分散媒として全量水を使用することもできるが、有機溶媒と混合して用いる場合、水の使用量は使用する有機珪素化合物の加水分解性基を加水分解できる量以上あればよい。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、水との相溶性を有し、有機珪素化合物が溶解すれば特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
なかでも、沸点の低いアルコール類は後述する工程(f)において低温で乾燥、除去できるので好適に用いることができる。
ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒分散液の濃度は特に制限はないが固形分として概ね1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
また、分散液は分散処理することが好ましい。分散処理方法としては、充分な撹拌、超音波を照射するなどの方法を採用することができる。
工程(e)
下記式(1)で表される有機珪素化合物を添加する。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
有機珪素化合物としては前記した有機珪素化合物が用いられる。
なお、前記工程(d)で分散媒に水のみを用いた場合、あるいは有機溶媒が少ない場合は、本工程(e)で有機珪素化合物の有機溶媒溶液として添加してもよい。 有機珪素化合物は、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物量がRn-SiO(4-n)/2(nは1〜3の整数)として1〜50重量%、さらには2〜40重量%の範囲となるように添加することが好ましい。
有機珪素化合物の使用量が少ないと、有機珪素化合物の種類、ジルコニア微粒子の平均粒子径によっても異なるが、強く凝集した改質ジルコニア微粒子粉末が得られる場合があり、流動性が低く、有機溶媒、有機樹脂等への分散性が低く、分散した場合でも、均一に単分散した分散体が得られない場合がある。有機珪素化合物の使用量が多すぎると、例えば未反応の有機珪素化合物、有機珪素化合物同士の反応物が増え、改質ジルコニア微粒子粉末の流動性、有機溶媒および/または有機樹脂への分散性がさらに向上する効果が得られない場合があり、加えて、改質ジルコニア微粒子の用途によっては屈折率の低下要因となることがある。
工程(f)
ついで、乾燥する。本発明では、有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、また溶媒置換をすることなく、乾燥する。
乾燥は減圧下ないし流動条件下に、200℃以下で乾燥することが好ましい。
触媒を添加したり、溶媒置換をすると、有機珪素化合物が加水分解して、粒子表面のOH基に対して、表面処理が行われるために、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が 3 〜15ppmの範囲よりもシャープなピークとなり、前記したように、分散体の安定性が低下したり、粉体の分散性が低くなることがある。乾燥は減圧下ないし流動条件下に乾燥することが好ましい。
本発明のように、触媒を添加せず、溶媒置換することもなく、減圧下ないし流動条件下に乾燥すると、表面処理の際に、有機珪素化合物同士の重縮合が進み、また、粒子表面のOH基と親水性成分との相互作用が強くなる。
流動下で乾燥する方法としては、ロータリーエバポレーター等の回転乾燥機が用いられる。回転式乾燥機を用いると、改質ジルコニア微粒子が強く凝集することはなく、粒状に弱く凝集した改質ジルコニア微粒子粉末が得られるためか安息角が小さく流動性、分散性に優れた改質ジルコニア系微粒子粉末を得ることができる。
減圧下で乾燥すると、より低温度で溶媒を除去でき、ジルコニア微粒子が強く凝集することなくジルコニア微粒子表面OH基と有機珪素化合物が結合し、凝集したとしても容易に単分散できる改質ジルコニア微粒子粉末を得ることができる。
乾燥後の改質ジルコニア微粒子中の水分の含有量は、H2Oとして5重量%以下、さらには2重量%以下であることが好ましい。水分量が多いと有機珪素化合物の含有量が少なくなる傾向があり、また改質ジルコニア微粒子同士の結合が強くなるたるため、流動性や分散性が低くなることがある。
ここで、減圧下とは、常圧(大気圧)より低ければよい。本発明では、概ね800hPa以下、さらには500hPa以下であることが好ましい。なお、このときも圧力は一定である必要はなく、徐々に圧力を下げることもできる。
乾燥温度は溶媒の沸点、乾燥方法等によっても異なるが、溶媒が揮散する温度であればよく、通常200℃以下であることが望ましい。より好ましくは−30〜150℃、さらには0〜120℃の範囲にあることが好ましい。
乾燥温度が高すぎると、得られる改質ジルコニア微粒子粉末の水分含有量は少なくなるものの改質ジルコニア微粒子同士が強く凝集するためか流動性、分散性が不充分となる場合がある。
なお、乾燥温度は一定である必要はなく、例えば、水および/または有機溶媒を概ね除去できるまでは低温度で乾燥し、その後温度を上記範囲の高温で乾燥することもできる。
こうして得られる改質ジルコニア微粒子粉末は、前記の通り、平均二次粒子径(DM2)は、5〜500nmの範囲にあり、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmの範囲にあり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10にある。
また、前記ジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)と前記改質ジルコニア微粒子の平均粒子径(DM2)との比(DM2)/(DZ)が0.2〜5にある。
[改質ジルコニア微粒子分散体]
本発明に係る改質ジルコニア微粒子分散体は、前記改質ジルコニア微粒子粉末が有機溶
媒および/または有機樹脂に分散してなる。
有機溶媒
有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒を用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
有機樹脂
有機樹脂としては、従来公知の有機樹脂を用いることができる。
具体的には、塗料用樹脂等として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電子線硬化樹脂等が挙げられる。このような樹脂として、たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などが挙げられる。 さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
また、紫外線硬化型樹脂の場合、光重合開始剤が含まれていてもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
本発明に係る改質ジルコニア微粒子分散体(ゾル)は、前記した改質ジルコニア微粒子粉末を有機溶媒および/または有機樹脂に分散させることで調製される。
分散させる方法としては、特に制限はなく、有機溶媒および/または有機樹脂に混合して撹拌するか、撹拌しながら混合すればよい。また、分散媒の種類あるいは得られる分散体の濃度によっても異なるが、必要に応じて超音波を照射する等分散を促進する手段を講じることもできる。
本発明の改質ジルコニア微粒子粉末を前記有機溶媒に分散させる場合、改質ジルコニア微粒子の濃度が高くとも、容易に、均一に分散し、透明性、安定性に優れた改質ジルコニア微粒子の有機溶媒分散ゾルが得られる。また本発明の改質ジルコニア微粒子粉末を有機樹脂に分散させる場合も、機械的なエネルギーを強く加えることなく、改質ジルコニア微粒子の濃度が高くなる場合であっても容易に、均一に分散した有機溶媒のない改質ジルコニア微粒子の樹脂分散体が得られる。
有機溶媒を含まず、改質ジルコニア微粒子の樹脂分散体を用いて透明被膜を形成する場合、乾燥により溶媒除去することなく、加熱あるいは紫外線照射することによって硬化させた透明被膜を形成することができる。
本発明の改質ジルコニア微粒子粉末は改質ジルコニア微粒子間の強い凝集あるいは結合がなく、流動性、分散性に優れるためにメカノケミカルな手段を用いることなく、改質ジルコニア微粒子が均一に単分散した分散体を得ることができる。
このようにして得られる改質ジルコニア微粒子の有機溶媒および/または有機樹脂分散体中の改質ジルコニア微粒子の濃度は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。通常、固形分として1〜70重量%、さらには2〜60重量%の範囲にあることが好ましい。
改質ジルコニア微粒子の有機溶媒ないし有機樹脂分散体は、長期間静置しても改質ジルコニア微粒子が凝集するも沈降することもなく、透明性を有する安定なゾルである。
[実施例]
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
改質ジルコニア微粒子(1)粉末の調製
固形分濃度9.5重量%のジルコニア水酸化物ゲル317.9kgを535.3kgの水に懸濁し、固形分濃度3.5重量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液を調製した。
ついで、上記固形分濃度3.5重量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液に濃度17重量%のKOH水溶液354.9kg、濃度35重量%の過酸化水素水溶液302.0kg、濃度10重量%の酒石酸水溶液88.5kgを加え、撹拌下、30℃で2時間撹拌してジルコニア水酸化物ゲルを解膠した。工程(a)
この時、(MOH)/(MZr)は20、(MPO)/(MZr)は10であった。
ついで、ジルコニア水酸化物ゲルを解膠した溶液に濃度10重量%の酒石酸水溶液88.5kgを加え、オートクレーブにて、150℃で11時間水熱処理した。工程(b)
ついで、ジルコニア微粒子分散液を限外濾過膜法で充分に洗浄した後に超音波ホモジナ
イザー((株)日本精機製作所製:US-600TCVP)にて分散処理し、固形分濃度11.2重
量%のジルコニア微粒子(1)分散液を調製した。工程(c)
ジルコニア微粒子(1)の平均粒子径は粒径測定装置(大塚電子(株)製:ELS−Z)にて測定し、結果を表1に示す。
つぎに、ジルコニア微粒子(1)分散液400gをビーカーに採取した。ついで、メタノール400gを加え、固形分濃度5.6重量%のジルコニア系微粒子(1)水/メタノール分散液を調製した。工程(d)
この時、水/メタノール混合分散媒中のメタノールの割合は56重量%である。
ついで、ジルコニア微粒子(1)水/メタノール分散液に有機珪素化合物としてγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として15.3重量%となるように11.2gを添加し、5分間撹拌した。工程(e)
ついで、ロータリーエボパレーターにて、減圧度を圧力が50hPa以下になるまで徐々に下げながら、60℃で1.5時間乾燥して改質ジルコニア微粒子(1)粉末を調製した。工程(f)
得られた改質ジルコニア微粒子(1)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。ここで、平均粒子径は後述する改質ジルコニア微粒子(1)メタノール分散体で測定する平均粒子径である。
なお、水分含有量、安息角および屈折率は以下の方法によって測定した。
水分含有量
京都電子工業(株)製:カールフィッシャー水分計(MKA-610)にて改質ジルコニア微粒子(1)粉末の水分量を測定し、結果を表1に示す。
安息角
ガラス製透明サンプル瓶(円筒状、内容積100cc)に改質ジルコニア微粒子(1)粉末約30ccを充填し、水平板面上を低速で約10回転させた後、粉末の上面の角度を分度器で測定し、結果を表1に示す。
屈折率
本発明で、屈折率は標準屈折液としてCARGILL製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)改質ジルコニア微粒子(1)分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを80℃で12時間乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を改質ジルコニア微粒子(1)の屈折率とする
29 Si MAS NMRスペクトル
また、改質ジルコニア微粒子(1)粉末について29Si MAS NMRスペクトルを核磁気共鳴装置(Agilent technologies社製:VNMRS-600)を用いて測定した。標準物質にはポリジメチルシラン(-34.44ppm)を使用し、シングルパルス法で、遅延時間15秒、MAS速度6kHzの条件で測定した。装置付属のカーブフィッティングプログラムにより解析した主ピークのケミカルシフト値および半値幅を表に示す。
改質ジルコニア微粒子(1)有機溶媒分散体の調製
改質ジルコニア微粒子(1)粉末5gをメタノールおよびメチルイソブチルケトンに混合し、充分撹拌して固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(1)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(1)メチルイソブチルケトン分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(1)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(1)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(1)メチルイソブチルケトン分散体について、以下の方法で分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
分散性
ガラス製透明サンプル瓶に分散体を充填し、透明性を観察し、以下の基準で評価した。
透明な分散体である。 : ◎
透明性の高い分散体である。 : ○
半透明性の分散体である。 : △
白濁した分散体である。 : ×
安定性
ガラス製透明サンプル瓶に分散体を充填し、30℃で10日間静置した後、透明性を観察し、以下の基準で評価した。
透明な分散体である。 : ◎
透明性の高い分散体である。 : ○
半透明性の分散体である。 : △
白濁あるいは沈降粒子が認められる分散体である。 : ×
改質ジルコニア微粒子(1)有機樹脂分散体の調製
改質ジルコニア微粒子(1)粉末3gを、ライトアクリレートDPE-6A(以後単にDPE−6A)(共栄社化学(株)製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、UV硬化型アクリル樹脂(多価アクリルモノマー)に混合し、充分撹拌して固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(1)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(1)有機樹脂分散体について、以下の方法で分散性を評価し、結果を表1に示す。
分散性
ガラス製透明サンプル瓶に分散体に充填し、透明性を観察し、以下の基準で評価した。
透明な分散体である。 : ◎
透明性の高い分散体である。 : ○
半透明性の分散体である。 : △
白濁した分散体である。 : ×
[実施例2]
改質ジルコニア微粒子(2)粉末の調製
実施例1において、40で24h乾燥した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(2)粉末を調製した。工程(f)
得られた改質ジルコニア微粒子(2)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(2)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(2)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(2)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(2)MIBK分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(2)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(2)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(2)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(2)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(2)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(2)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(2)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例3]
改質ジルコニア微粒子(3)粉末の調製
実施例1において、 ロータリーエボパレーターにて80℃で1h乾燥した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(3)粉末を調製した。工程(f)
得られた改質ジルコニア微粒子(3)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(3)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(3)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(3)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(3)MIBK分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(3)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(3)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(3)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(3)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(3)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(3)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(3)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例4]
改質ジルコニア微粒子(4)粉末の調製
実施例1の工程(e)において、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として12.6重量%となるように9.0gを添加した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(4)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(4)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(4)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(4)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(4)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(4)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(4)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(4)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(4)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(4)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例5]
改質ジルコニア微粒子(5)粉末の調製
実施例1の工程(e)において、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として36.1重量%となるように22.4gを添加した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(5)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(5)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(5)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(5)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(5)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(5)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(5)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(5)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(5)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(5)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例6]
改質ジルコニア微粒子(6)粉末の調製
実施例1の工程(d)において、メタノールを加えなかった以外は同様にして、改質ジルコニア微粒子(6)粉末を調製した。工程(f)
得られた改質ジルコニア微粒子(6)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。また、かかるスペクトルを図3に示す。
改質ジルコニア微粒子(6)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(6)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(6)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(6)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(6)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(6)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(6)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(6)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例7]
改質ジルコニア微粒子(7)粉末の調製
実施例1の工程(d)において、メタノールの代わりにイソプロピルアルコール(IPA)を加えた以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(7)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(7)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(7)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(7)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(7)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(7)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(7)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(7)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(7)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(7)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例8]
改質ジルコニア微粒子(8)粉末の調製
実施例8の工程(b)において、ジルコニア水酸化物ゲルを解膠した溶液に酒石酸を531kgを加えた以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(8)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(8)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(8)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(8)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(8)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(8)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(8)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(8)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(8)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(8)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例9]
改質ジルコニア微粒子(9)粉末の調製
実施例1の工程(b)において、110℃で36時間水熱処理した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(9)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(9)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(9)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(9)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(9)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(9)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(9)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(9)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(9)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(9)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例10]
改質ジルコニア微粒子(10)粉末の調製
実施例1の工程(b)において、180℃で3時間水熱処理した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(10)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(10)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(10)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(10)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(10)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(10)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(10)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(10)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(10)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(10)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例11]
改質ジルコニア微粒子(11)粉末の調製
実施例1の工程(e)において、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)の代わりに、γ-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-5103)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として15.0重量%となるように11.2gを添加した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(11)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(11)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(11)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(11)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(11)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(11)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(11)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(11)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃30重量%の改質ジルコニア微粒子(11)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(11)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例12]
改質ジルコニア微粒子(12)粉末の調製
実施例1の工程(a),(b),(c)の代わりに、純水368gに酒石酸26.8gを溶解した水溶液にジルコニア粉末(第一稀元素化学工業(株)製:RC−100)を218g加え、ついで、濃度10重量%のKOH水溶液を加えてpH12.3のジルコニア粉末分散液とした。これを分散機(カンペ(株)製:BATCH SAND)にて分散させた後、限外濾過膜を用いて電導度が300μs/cm程度になるまで洗浄し、ついで、陰イオン交換樹脂(ROHM AND HAAS社製:DUOLITE UP5000)240gを加えて洗浄処理を行い、樹脂を分離した。これを、ジルコニア濃度11.2重量%のジルコニア微粒子分散液(12)として、以降、実施例1と同様に処理して、改質ジルコニア微粒子(12)粉末を調製した。工程(f)
得られた改質ジルコニア微粒子(12)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(12)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(12)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(12)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(12)有機溶媒分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(12)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(12)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(12)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(12)有機樹脂分散体について、粒子径を測定し、安定性、光透過率(透明性)を以下の方法で評価し、結果を表1に示す。
[実施例13]
改質ジルコニア微粒子(13)粉末の調製
実施例1の工程(e)迄と同様にしてジルコニア微粒子(1)水/メタノール分散液に有機珪素化合物としてγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として15.3重量%となるように11.2gを添加し、5分間撹拌した。
ついで、箱形乾燥機にて、60℃で24時間乾燥して改質ジルコニア微粒子(13)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(13)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(13)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(13)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃
度30重量%の改質ジルコニア微粒子(13)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(13)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(13)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(13)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(13)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(13)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(13)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(13)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例1]
改質ジルコニア微粒子(R1)粉末の調製
実施例1と同様にして、ジルコニア微粒子(1)水/メタノール分散液に有機珪素化合物としてγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として15.3重量%となるように11.2gを添加し、5分間撹拌した。工程(e)
ついで、限外濾過膜にてメタノールに溶媒置換し、ついで、箱形乾燥機にて、60℃で24時間乾燥して改質ジルコニア微粒子(R1)粉末を調製した。
なお、限外濾過した際の濾液にアンモニア水を添加したところ、白濁を生じ、未反応有機珪素化合物が逃散していることが認められた。
得られた改質ジルコニア微粒子(R1)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(R1)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R1)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R1)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R1)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R1)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R1)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(R1)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R1)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R1)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R1)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例2]
改質ジルコニア微粒子(R2)粉末の調製
比較例1において、箱形乾燥機にて、40℃で72時間乾燥した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(R2)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R2)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(R2)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R2)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R2)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R2)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R2)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R2)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(R2)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R2)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R2)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R2)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例3]
改質ジルコニア微粒子(R3)粉末の調製
比較例1において、箱形乾燥機にて、80℃で5時間乾燥した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(R3)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R3)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(R3)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R3)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R3)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R3)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R3)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R3)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(R3)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R3)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R3)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R3)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例4]
改質ジルコニア微粒子(R4)粉末の調製
実施例1と同様にして、ジルコニア微粒子(1)水/メタノール分散液に有機珪素化合物としてγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)を、得られる改質ジルコニア微粒子中の有機珪素化合物がR1-SiO3/2として15.3重量%となるように11.2gを添加し、ついで、撹拌しながら分散液の温度を60℃に昇温した後、濃度5重量%のアンモニア水1.6gを1分間で添加して有機珪素化合物の加水分解を行った。
ついで、限外濾過膜にてメタノールに溶媒置換し、ついで、箱形乾燥機にて、60℃で24時間乾燥して改質ジルコニア微粒子(R4)粉末を調製した。なお、限外濾過した際の濾液にアンモニア水を添加したところ、白濁は認められなかった。
得られた改質ジルコニア微粒子(R4)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。また、1H−NMRのスペクトルを図4に示す。
改質ジルコニア微粒子(R4)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R4)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R4)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R4)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R4)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R4)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(R4)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R4)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R4)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R4)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例5]
改質ジルコニア微粒子(R5)粉末の調製
比較例4において、限外濾過膜にてメタノールに溶媒置換した後、箱形乾燥機に代えてロータリーエボパレーターにて、60℃で1.5時間、圧力を50hPaに維持しながら乾燥した以外は同様にして改質ジルコニア微粒子(R5)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R5)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表1に示した。また、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークのケミカルシフト値、半値幅を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(R5)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R5)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R5)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R5)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R5)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R5)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表1に示す。
改質ジルコニア微粒子(R5)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R5)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R5)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R5)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例6]
改質ジルコニア微粒子(R6)粉末の調製
比較例4において、有機珪素化合物の加水分解を行った後、溶媒置換することなく、箱形乾燥機にて、60℃で24時間乾燥して改質ジルコニア微粒子(R6)粉末を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R4)粉末について、水分含有量、結晶性、平均粒子径、安息角、屈折率を測定し、結果を表に示した。
改質ジルコニア微粒子(R6)有機溶媒分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R6)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R6)有機溶媒分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R6)メタノール分散体について平均粒子径を測定し、結果を表に示す。
また、固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R6)メタノール分散体および改質ジルコニア微粒子(R6)メチルイソブチルケトン分散体について分散性および安定性を評価し、結果を表に示す。
改質ジルコニア微粒子(R6)有機樹脂分散体の調製
実施例1において、改質ジルコニア微粒子(R6)粉末を用いた以外は同様にして固形分濃度30重量%の改質ジルコニア微粒子(R6)有機樹脂分散体を調製した。
得られた改質ジルコニア微粒子(R6)有機樹脂分散体について分散性を評価し、結果を表に示す。
Figure 0006198379
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Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理された改質ジルコニア微粒子の粉末であって、平均二次粒子径(DM2)が5〜500nmの範囲にあり、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmの範囲にあり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10の範囲にあり、
    前記改質ジルコニア微粒子粉末中の有機珪素化合物の含有量がRn−SiO(4-n)/2として1〜50重量%、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が3〜15ppmであることを特徴とする改質ジルコニア微粒子粉末。
    n−SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素。nは1〜3の整数。)
  2. 安息角が45°以下であることを特徴とする請求項1に記載の改質ジルコニア微粒子粉末。
  3. 下記の工程(a)〜(f)の順に備える改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法であって、平均二次粒子径(DM2)が5〜500nm、平均一次粒子径(DM1)が5〜500nmであり、平均二次粒子径(DM2)と平均一次粒子径(DM1)との比(DM2)/(DM1)が1〜10である改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
    (a)ジルコニウム水酸化物ゲルを水酸化カリウムおよび過酸化水素の存在下で解膠または溶解する工程
    (b)水熱処理する工程
    (c)洗浄する工程
    (d)ジルコニア微粒子の水および/または有機溶媒の分散液を調製する工程
    (e)前記分散液に有機珪素化合物の加水分解触媒を加えることなく、下記式(1)で表される有機珪素化合物を添加する工程
    (f)前記有機珪素化合物が添加された分散液を溶媒置換することなく、200℃以下で乾燥する工程
    Rn−SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素。nは1〜3の整数。)
  4. 前記改質ジルコニア微粒子粉末中の前記有機珪素化合物の含有量がRn−SiO(4-n)/2(nは1〜3の整数)として1〜50重量%の範囲にあり、29Si MAS NMRスペクトルの主ピークの半値幅が3〜15ppmの範囲にあることを特徴とする請求項に記載の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
  5. 前記工程(d)で用いるジルコニア微粒子の平均粒子径(DZ)が5〜400nmの範囲にあり、前記平均二次粒子径(DM2)との比(DM2)/(DZ)が0.2〜5であることを特徴とする請求項3または4に記載の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
    (なお、平均粒子径(DZ)は、分散媒として水を使用し、固形分濃度10重量%に調整したものを超音波分散し、動的光散乱法で測定する)
  6. 前記工程(b)において、粒子成長調整剤の存在下で水熱処理することを特徴とする請求項3に記載の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
  7. 前記工程(b)における水熱処理温度が40〜300℃の範囲にあることを特徴とする請求項3または6に記載の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
  8. 前記工程(f)の乾燥が、
    流動下、あるいは、減圧下、200℃以下で行われることを特徴とする請求項3に記載の改質ジルコニア微粒子粉末の製造方法。
  9. 請求項1または2に記載の改質ジルコニア微粒子粉末が有機溶媒および/または有機樹脂に分散してなることを特徴とする改質ジルコニア微粒子分散体。
  10. 前記改質ジルコニア微粒子粉末の濃度が固形分として1〜70重量%の範囲にあることを特徴とする請求項9に記載の改質ジルコニア微粒子分散体。
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