JP6193911B2 - 主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械 - Google Patents
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Description
請求項3に係る発明は、さらに、求められた加速度と主軸を含む回転体の慣性モーメントより回転抵抗トルクを求める手段を設け、前記判別手段は、閾値と比較する値として前記加速度の代わりに求めた回転抵抗トルクとし、該回転抵抗トルクが予め設定されている閾値内か否かを判別するようにした。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6に係る発明において、主軸近辺の複数の温度に対する閾値と比較する値を基準データとして予め求め記憶するか若しくは該データから求めた関数を記憶しておき、前記基準データ若しくは関数に基づいて補正量を求め、前記閾値と比較する値を補正するか、閾値を補正するようにした。
まず、予め決められている所定速度V0(例えば100回/分)の速度指令を主軸モータ制御装置2に出力し(ステップa1)、エンコーダ5からフィードバックされる回転角度位置信号を所定周期毎読み取り回転速度を求め、指令した速度V0か否か判別し(ステップa2)、主軸若しくはモータの回転速度が該指令速度V0に達するまで待ち、主軸若しくはモータが該指令速度V0の状態となると、主軸モータ3への動力を遮断すると同時にタイマをスタートさせる(ステップa3、a4)。主軸モータ3の動力が遮断されても、主軸はしばらく慣性で回転し続ける(惰走する)。エンコーダ5からのフィードバック信号に基づいて主軸の回転停止を検出すると(ステップa5)、そのときのタイマの値Tを読む(ステップa6)。この読み取ったタイマの値Tは惰走時間(慣性回転時間)を意味し、この惰走時間Tが予め設定されている閾値1と閾値2(閾値1<閾値2)の範囲内か判別する(ステップa7)。閾値1と閾値2の範囲内であれば主軸は劣化していないとして、この主軸劣化状態の検査処理を終了する。
一方、閾値1と閾値2の範囲外であれば主軸は劣化しているとしてアラーム信号を出力し、制御装置1の表示器等にアラーム表示等を行い(ステップa8)、当該処理を終了する。惰走時間(慣性回転)が短く、タイマで測定された時間Tが閾値1以下となるような場合は、主軸2及びその軸受が劣化し摩擦抵抗が大きくなっていると推測できる。また、タイマで測定された時間Tが閾値2より大きいときには、軸受のグリスの油保持力が劣化していることが推測できる。
さらには、数段に分けて、主軸若しくはモータの回転速度が60回/分、30回/分、0回/分に達したときタイマの値(惰走時間)を求め(例えば、T1、T2、T3)、求められた複数の時間T1、T2、T3によって主軸の劣化状態を詳細に推測できるようにしてもよい。
図3は、減速加速度により主軸劣化状態を検査する第二の態様の処理のソフトウェアのアルゴリズムを示すフローチャートの一部を示すもので、図2に示した第一の態様のステップa7、a8が図3に示すステップb1〜b3に代わるもので、この変わる部分のみ図示している。すなわち、図2の破線でかこった部分が図3のフローチャートに代わるものである。この第二の態様では、図2のステップa6まで実行した後、タイマの値で求められる惰走時間Tで、惰走開始時の速度V0から惰走終了時の速度0を引き速度変化量(V0−0=V0)を割って、減速加速度αを求める(ステップb1)。求めた加速度αが設定されている下限閾値1と上限閾値2の範囲内か判別し(ステップb2)、範囲内であれば、劣化していないとして当該処理を終了し、範囲外であれば、アラームを出力して(ステップb3)、当該処理を終了する。
制御装置1のプロセッサは、主軸劣化状態検出指令が手動若しくはプログラムから入力されると、図5に示す処理を開始し、予め決められている所定速度V0の速度指令を主軸モータ制御装置2に出力し(ステップd1)、エンコーダ5からフィードバックされる回転角度位置信号から主軸若しくはモータの回転速度が指令した速度V0に達しているか否か判別し(ステップd2)、主軸若しくはモータの回転速度が該指令速度V0に達するまで待ち、主軸若しくはモータ速度が該指令速度V0の状態となると、主軸モータ3への動力を遮断する(ステップd3)。次に、所定周期毎、エンコーダ5から出力される主軸若しくはモータの回転角度位置を読み取り回転速度を求めメモリに記憶し(ステップd4)、かつ主軸若しくはモータの回転速度が設定速度V1以下になった判別する(ステップd5)。設定速度V1(V1=0をも含む)以下になっていなければ、ステップd4に戻り、以下、主軸若しくはモータの回転速度が設定速度V1以下になるまで、ステップd4、d5の処理所定周期毎を繰り返し実行する。
一方、求められている加速度の中で、下限閾値1以下のものがあるとき、又は、上限閾値2以上のものがあるときは、アラームを出力し(ステップd9)、当該処理を終了する。
この第五の態様は、求めた各周期の加速度の平均値によって主軸の劣化状態を検査するものである。この第五の態様は、図5に示した第四の態様のステップd7〜d9の処理が図6に示すステップe1〜e3に代わるもので、この変わる部分のみ図示している。すなわち、図5の破線でかこった部分が図6のフローチャートに代わるものである。
軸受は一般に温度が変化すると、グリスの抵抗が変わり回転抵抗が変化するため、慣性回転の加速度を用いて軸受の状態を検査する場合は、常温で行うことが望ましい。しかし、工場で使用中の工作機械は、機械の稼働により軸受温度が上昇している。また十分に冷えるまで機械を停止させると、工場の生産効率を下げてしまう。
そこで、機械が熱的に安定するまで、稼働した後の、初期状態の軸受抵抗をその機械の固有情報として記憶し、その値と、現在の値を比較することで、機械を長時間停止させなくても検査が可能になる。
まず、主軸の軸受温度と主軸の回転トルクの関係を事前に測定し制御装置1のメモリに登録しておく。図8は、この軸受温度と回転抵抗トルクの関係の測定結果を表わす図である。図8において、符号10で示す曲線は、軸受温度に対する回転抵抗トルクの関係を示す軸受初期状態での測定結果であり、基準となる回転抵抗温度曲線である。また、符号Tesは、軸受劣化状態を評価するための評価基準温度である。そこで、主軸の回転抵抗トルクを測定したとき、その測定値Aが図8に示す点で、この測定時の温度がTe1だとすると、軸受初期状態の回転抵抗温度曲線上における測定時の温度Te1と評価基準温度Tesでの回転抵抗トルクの差を求め、測定値Aの回転抵抗トルクは、評価基準温度Tesでは、この差分だけ変化するものとして、軸受劣化状態評価用推定値A’を求め(測定時の温度Te1及び評価基準温度Tesでの軸受初期状態の回転抵抗温度曲線上の回転抵抗トルク値がそれぞれp、qとすると、回転抵抗トルクの差p−qを補正量δとして求め、軸受劣化状態評価用推定値A’=A−δ=A−(p−q)として求められる)、該軸受劣化状態評価用推定値A’が、予め設定している下限閾値、上限閾値の範囲内か否かで主軸劣化状態を判別するようにする。
主軸若しくはモータを予め決められている所定速度V0で回転させ、主軸若しくはモータが該指令速度V0の状態となった後に、主軸モータ3への動力を遮断し、該遮断した後、主軸の回転が停止するまでの時間Tを測定する際の処理は第一の態様と同じである。すなわち、図7のステップf1〜f6までの処理は図2のステップa1〜a6の処理と同じである。タイマの値を読み惰走時間Tを求めた後(ステップf6)、軸受やモータ、ハウジングなどに取り付けられた温度センサで検出する温度Teを読む(ステップf7)。惰走開始時の主軸若しくはモータの速度V0から惰走終了時の速度0を引き、その速度変化量(V0−0=V0)を惰走時間Tで割って、減速加速度αを求める(ステップf8)。求めた加速度αに予め設定されている主軸を含めた主軸と共に回転する回転体の慣性モーメントIを乗じて回転抵抗トルクAを求める(ステップf9)。
なお、この第六の態様では、求めた回転抵抗トルクAに対して温度補正を行い、補正された回転抵抗トルクA’(=A−δ)を求めて閾値と比較するようにしたが、閾値を温度補正するようにしてもよい。すなわち、下記式のように、どちらを補正しても実質的に同じである。
この第六の態様では、回転抵抗トルクを温度補正して求め、主軸劣化状態を検査するようにしたが、第一、第二、第四、第五の態様で示した主軸劣化状態を検査するめために用いた惰走時間Tや減速加速度αに対しても、この第六の態様のように温度補正して、主軸劣化状態を検査するようにしてもよい。この場合、図8に示した、軸受初期状態の軸受温度に対する回転抵抗温度曲線の代わりに、軸受温度に対する惰走時間を示す軸受初期状態の惰走時間曲線や、軸受温度に対する減速加速度特性を示す軸受初期状態の加速度曲線を予め求め、そのデータ、若しくは近似関数を制御装置1のメモリに登録しておき、この曲線データ又は近似関数に基づいて補正量を求め、惰走時間、加速度を温度補正するようにしてもよいものである。
図9は、主軸を惰走回転したとき、軸受の打痕によって生じる主軸回転速度の変化を示す図であり、主軸回転角度に対して周期的に速度が変化しており、この周期的な速度変化によって、主軸の軸受に打痕があることが推察できる。
図10は、この軸受の打痕等が原因として生じる主軸回転の微細な振動を検出し、主軸劣化状態検査処理の第七の態様のソフトウェアのアルゴリズムを示すフローチャートの一部である。この第七の態様では、図2に示すステップa1〜a3の処理と同じ処理を行った後、図10に示す処理を実行する。
一方、下限閾値、上限閾値の閾値範囲外となる加速度があれば、その加速度の回転角度位置を求める(ステップg5)。求めた回転角度位置より下限、上限の閾値範囲外となる加速度発生位置が周期的か否か判別する(ステップg6)。すなわち、下限、上限の閾値範囲外となる加速度発生位置の位置差が所定範囲内でほぼ等しいか否か判別し、所定範囲内で主軸回転角度に対して周期的に発生していると判別されたときには、軸受の打痕等により振動発生というアラームを出力し(ステップg7)、周期的ではない場合には、通常のアラームを出力し(ステップg8)、当該処理を終了する。
主軸から工具を取り外したり、特定の工具を装着して主軸劣化状態検査処理を実行するとすれば、機械に詳しい保守担当者しかこの検査を行うとかができず、十分な検査を行うには手間がかかる。
そこで、工具交換装置の付いた工作機械においては、工具交換の途中で、工具を取り外し、新たな工具を装着するまでの間に、主軸劣化状態検査処理を実行させるようにすれば、保守時でなくともこの主軸劣化状態を検査することができる。なお、通常工具交換中は、工具のクランプ機構で主軸を押しているため、主軸は回転できない。そのため、クランプ機構を動かし、主軸を回転可能状態にして主軸劣化状態検査処理を実行させる必要がある。
2 主軸モータ制御装置
3 主軸モータ
4 主軸
5 エンコーダ
Claims (12)
- ワークを加工する工具を保持する、軸受で回転可能に支持された主軸と、該主軸を駆動するモータと、前記主軸若しくはモータの回転角度位置を測定するエンコーダと、工具交換装置を備えた工作機械において、
前記エンコーダの出力より主軸若しくはモータの回転速度を求める速度算出手段と、
工具交換時において、主軸から工具が取り外され、次の工具が装着される前の間に、クランプ機構を動かし、主軸を回転可能状態にし、前記主軸若しくはモータを所定速度で回転させた後、前記モータの動力を遮断して前記主軸を慣性回転させる手段と、
前記モータの動力を遮断した後、前記速度算出手段で求められる回転速度が設定目標速度に達するまでの慣性回転時間を測定する計時手段と、
前記計時手段で測定された時間を閾値と比較する値とし、該値が予め設定されている閾値内か否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で閾値外と判別されたときアラームを出力するアラーム出力手段と、
を備えることを特徴とする主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。 - 前記モータの動力を遮断したときの前記所定速度と前記設定目標速度の差を前記計時手段で計時した時間で割って加速度を求める加速度算出手段を設け、前記判別手段は、閾値と比較する値として前記時間の代わりに前記加速度算出手段で求めた加速度として、該加速度が予め設定されている閾値内か否かを判別するようにした請求項1に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 求められた加速度と主軸を含む回転体の慣性モーメントより回転抵抗トルクを求める手段を設け、前記判別手段は、閾値と比較する値として前記加速度の代わりに、前記の求めた回転抵抗トルクとし、該回転抵抗トルクが予め設定されている閾値内か否かを判別するようにした請求項2に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- ワークを加工する工具を保持する、軸受で回転可能に支持された主軸と、該主軸を駆動するモータと、前記主軸若しくはモータの回転角度位置を測定するエンコーダと、工具交換装置を備えた工作機械において、
前記エンコーダの出力より主軸若しくはモータの回転速度を求める速度算出手段と、
工具交換時において、主軸から工具が取り外され、次の工具が装着される前の間に、クランプ機構を動かし、主軸を回転可能状態にし、前記主軸若しくはモータを所定速度で回転させた後、前記モータの動力を遮断して前記主軸を慣性回転させる手段と、
前記モータの動力を遮断した後、設定所定時間を計時する計時手段と、
前記計時手段で設定所定時間を計時したとき、前記速度算出手段で算出される回転速度を検出する手段と、
前記モータの動力を遮断したときの前記所定速度と計時手段で前記設定所定時間を計時したときに検出された回転速度及び前記設定所定時間に基づいて、閾値と比較する値を求める手段と、
求められた閾値と比較する値が予め設定されている閾値内か否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で閾値外と判別されたときアラームを出力するアラーム出力手段と、
を備えることを特徴とする主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。 - ワークを加工する工具を保持する、軸受で回転可能に支持された主軸と、該主軸を駆動するモータと、前記主軸若しくはモータの回転角度位置を測定するエンコーダと、工具交換装置を備えた工作機械において、
前記エンコーダの出力より主軸若しくはモータの回転速度を求める速度算出手段と、
工具交換時において、主軸から工具が取り外され、次の工具が装着される前の間に、クランプ機構を動かし、主軸を回転可能状態にし、前記主軸若しくはモータを所定速度で回転させた後、前記モータの動力を遮断して前記主軸を慣性回転させる手段と、
前記主軸の慣性回転時に前記エンコーダの測定値より、閾値と比較する値を算出する比較値算出手段と、前記比較値算出手段で算出された値が予め設定されている閾値内か否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で閾値外と判別されたときアラームを出力するアラーム出力手段と、
を備えることを特徴とする主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。 - 前記閾値と比較する値は、主軸減速時の加速度若しくは回転抵抗トルクである請求項4または請求項5に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 主軸近辺の複数の温度に対する閾値と比較する値を基準データとして予め求め記憶するか若しくは該基準データから求めた関数を記憶しておき、前記基準データ若しくは関数に基づいて補正量を求め、前記閾値と比較する値を補正するか、閾値を補正するようにした請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 主軸の劣化状態の検査機能の実行可能条件を予め記憶手段に記憶しておき、主軸の劣化状態の検査指令がなされたとき、記憶した実行可能条件を満たすか判別して主軸の劣化状態の検査の実行の可否を判別する手段を設けた請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 主軸の動作履歴を記憶する記憶手段を設け、前記実行可能条件は、前記記憶手段に記憶された動作履歴が、予め決められた動作履歴を満たしているかである請求項8に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 主軸の劣化状態の検査を実行した日時を記憶する記憶手段を設け、前記実行可能条件は、記憶手段に記憶された前回の検査日時からの経過時間が予め設定された閾値を超えているかである請求項8又は請求項9に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- 軸受、モータ又はハウジングに主軸近辺の温度を検出する温度センサを設け、前記実行可能条件は、該温度センサからの温度が、予め設定した温度に到達したことが検出されたことである、請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
- ワークを加工する工具を保持する、軸受で回転可能に支持された主軸と、該主軸を駆動するモータと、前記主軸若しくはモータの回転角度位置を測定するエンコーダを備えた工作機械において、
前記エンコーダの出力より主軸若しくはモータの回転速度を求める速度算出手段と、
前記主軸若しくはモータを所定速度で回転させた後、前記モータの動力を遮断して前記主軸を慣性回転させる手段と、
前記主軸の慣性回転時に所定周期毎に読み込まれた前記エンコーダの出力に基づいて減速の加速度を求める加速度算出手段と、
前記所定周期毎に、前記エンコーダから読み込まれた回転角度位置と前記加速度算出手段で求められた加速度を記憶する位置・加速度記憶手段と、
所定閾値以上の加速度が同一回転角度量毎に発生しているか判別する手段と、
所定閾値以上の加速度が同一回転角度量毎に発生していると判別されたとき、アラームを出力する主軸の劣化状態の検査機能を有する工作機械。
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