前述したように、磁気標識サンプル成分の無菌分離のためのフローサイトメトリーシステムと、使用方法とが提供される。本明細書に記載のシステムは、磁気分離装置と、磁気分離装置に動作可能に連結するように構成された柔軟なサンプル容器を有する圧力チャンバーとを有する。本発明に係るシステムを使用するとき、本明細に記載されているように、磁気標識サンプルを含む柔軟なサンプル容器は、圧力チャンバーの磁気分離装置に動作可能に連結され、圧力チャンバー内でシールされる。圧力チャンバー内の圧力を上昇させると、サンプルが柔軟なサンプル容器から、動作可能に連結された磁気分離装置内に移動する。これにより、サンプル成分を無菌で磁気的に分離する。そして所望により、磁気的に分離されたサンプル成分を、例えば、無菌細胞選別用途のために、フローサイトメーターに移動させてもよい。
本発明を更に詳細に説明する前に、本発明が具体的に記載された実施の形態に限定されないことを理解すべきである。それ自体は、当然ながら、変わっていてもよい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で用いられる用語は、具体的な実施の形態を説明することだけを目的としたものにすぎず、限定しようとするものではないことも理解すべきである。
値の範囲が示された場合、文脈上明らかに異なる規定がない限り、下限の1/10単位まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値、及び、その指定範囲内の任意の他の指定値又は介在値は、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲内に含まれてもよく、また、その指定範囲内の任意の特定的に除外された限界に依存して、本発明の範囲内に包含される。指定範囲が一方又は両方の限界を含む場合、それらのいずれか又は両方の限界を除外した範囲もまた、本発明の範囲内に包含される。
特定の範囲は、本明細書では、数値の前に「約」という用語を付けて提示される。「約」という用語は、本明細書では、その用語が前に付いている厳密な数値、更には、その用語が前に付いている数値の近傍であるか、又は、近似である数値を事実に即してサポートするために用いられる。数値が具体的に挙げられた数値の近傍にあるか又は近似であるかを判断する場合、近傍又は近似の挙げられていない数値は、それが提示された文脈で、具体的に挙げられた数値に実質的に等価である数値であってもよい。
特に別に定義されていない限り、本明細書で用いられている全ての技術用語と全ての科学用語とは、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されているものと同一の意味を持つ。本発明を実施又は試験において、本明細書に記載の方法及び材料と類似しているか又は等価である任意の方法及び材料を使用することができるが、代表的な実例となる方法及び材料を以下に記載する。
本明細書で引用された全ての出版物及び全ての特許は、あたかも個々の出版物又は特許が具体的かつ個別的に示されて参照により組み込まれたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で引用された全ての出版物及び全ての特許は、方法及び/又は材料の開示及び記載を行うべく参照により本明細書に組み込まれる。該方法及び/又は材料に関連して出版物が引用されている。いずれの出版物の引用も、本出願日前のその開示に関するが、本発明は、先行発明によってそのような出版物に先行する権限がないという承認として解釈されるべきではない。更に、提示した出版日は、実際の出版日とは異なる可能性があり、実際の出版日は独立して確認される必要がある可能性がある。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、文脈上明らかに異なる規定がない限り、単数形の「a」、「an」、及び「the」は複数形の参照語を包含することに留意されたい。更に、特許請求の範囲は、任意の随意的な要素を除外するように記載している可能性があることに留意されたい。そのようなものとして、この記載は、クレーム要素の列挙との関連で「〜単独」、「〜のみ」等のような排他的用語の使用、又は、「否定的」限定の使用の先行記載として機能することが意図される。
当然のことながら、明確にするために個別の実施の形態との関連で記載した本発明の特定の特徴を、組み合わせて単一の実施の形態で提供してもよい。反対に、簡潔にするために単一の実施の形態との関連で記載した本発明の種々の特徴を、単独で、又は、任意の適切な部分的組合せで提供してもよい。実施の形態の全て組合せは、本発明に明確に包含され、かつ、そのような組合せが動作可能なプロセス、及び/又は、装置/システム/キットを包含する範囲内において、まるで各組合せ及び全ての組合せが個別的かつ明示的に開示されているかのように本明細書に開示されている。更に、そのような可変要素を記載した実施の形態に列挙された全ての部分的組合せもまた、本発明に明確に包含され、かつ、まるで化学基の各部分的組合せ及び全ての部分的組合せが個別的かつ明示的に本明細書に開示されているかのように本明細書に開示されている。
本開示を読めば当業者に自明となるように、本明細書に記載及び例示された個々の実施の形態は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく他のいくつかの実施の形態のいずれかの特徴から容易に分離してもよい、又は、該特徴と容易に組み合わせてもよい個別的な成分及び特徴を有する。挙げられた方法はいずれも、挙げられたイベントの順序で、又は、論理的に可能な任意の他の順序で行うことができる。
本開示の実施の形態の更なる説明では、最初に、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの実施の形態の態様をより詳細に説明する。次に、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムで使用されてもよいフローサイトメトリー流体圧力チャンバー、柔軟なサンプル容器、磁気分離装置、方法、及び、キットの実施の形態を概説する。
フローサイトメトリー流体サブシステム
サンプル中の磁気標識成分を分離するためのフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムが提供される。サブシステムは、サンプル中の非磁気標識成分(例えば、磁気標識に関連付けられていない成分)から、磁気標識成分を分離するように構成されてもよい。特定の実施の形態では、サブシステムは、サンプルを実質的な無菌環境で保持する一方でそれと同時に、サンプル中の磁気標識成分を分離するように構成される。「無菌」によって、生細菌又は他の微生物を含まない、又は、実質的に含まないサンプルが示される。いくつかの場合においては、サンプルを無菌環境中に保持することは、サンプル中の成分の後続の処理又は使用を容易にすることが可能である。該後続の処理又は使用は、例えば、インビトロ(in vitro)細胞培養、インビボ(in vivo)動物移植、細胞タンパク質の回収等である。
特定の例では、対象外の成分を保持せずに磁気標識成分をサブシステム内に保持することによって、サブシステムは、対象の磁気標識成分を対象外の成分(例えば、磁気標識されていない成分)から分離する。対象の成分は磁気的に標識化されているので、磁気標識成分をサブシステム中の磁場源に引き寄せて磁気標識成分をサブシステム中に保持することによって、サブシステムは、磁気標識成分をサブシステム中に保持するように構成されてもよい。いくつかの場合においては、対象の成分を保持せずに対象外の磁気標識成分をサブシステム中に保持することによって、サブシステムは、対象外の磁気標識成分を対象の成分(例えば、磁気標識されていない対象の成分)から分離する。これらの実施の形態では、対象の成分は磁気標識されていないので、対象の成分は、サブシステム中に保持されず、サブシステム内を流れる。磁気標識成分をサブシステム中の磁場源に引き寄せて対象外の磁気標識成分をサブシステム中に保持することにより、サブシステムは、対象外の磁気標識成分をサブシステム中に保持するように構成されてもよい。
サブシステムは、流体の流れを磁気分離装置内に供給して対象の磁気標識成分をサンプル流体から分離するように構成されてもよい。いくつかの例では、サブシステムは、流体の流れを、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム中の磁気分離装置から、後続の濃縮装置、及び/又は、分析装置に供給するように構成される。特定の実施の形態では、サブシステムは、1μL/min以上の流量を有するように構成される。ここで、1μL/min以上は、10μL/min以上であり、50μL/min以上、100μL/min以上、200μL/min以上、300μL/min以上、400μL/min以上、500μL/min以上、750μL/min以上、1mL/min以上、2mL/min以上、5mL/min以上又は10mL/min以上を含む。
サブシステムは、磁気標識成分を、単純サンプル又は複合サンプルから分離するように構成されてもよい。「単純サンプル」によって、1つ以上の磁気標識成分と、たとえ存在するとしても、溶媒以外のわずかな他の分子種とを含むサンプルが示される。「複合サンプル」によって、1つ以上の対象の磁気標識成分を含み、更に対象外の多くの異なるタンパク質及び他の分子を含むサンプルが示される。特定の実施の形態では、複合サンプルは、血液サンプルである。血液サンプルによって、全血又はその一部、例えば、血清又は血漿が示される。特定の実施の形態では、複合サンプルは血清サンプルである。特定の実施の形態では、本明細書に開示されたサブシステムを用いて分離された複合サンプルは、分子構造に関して互いに異なる10以上の識別可能な(即ち、異なる)分子体を含むものである。ここで、10以上は、例えば、20以上であり、100以上を含み、例えば103 以上、又は、104 以上(例えば、15,000、20,000、更には25,000以上)である。
特定の実施の形態では、サブシステムは、磁気標識成分を、生物学的サンプルから分離するように構成される。「生物学的サンプル」は生物から得られる様々なサンプルタイプを包含し、「生物学的サンプル」を診断アッセイ又はモニタリングアッセイで使用することができる。この定義は、血液サンプル、血液由来サンプル及び生物起源の他の液体サンプルと、固体組織サンプルと、それらの後代とを包含する。固体組織サンプルは、例えば、生検検体、又は、それに由来する組織培養物若しくは組織細胞である。この定義は、また、例えば、試薬、可溶化、ある成分の富化、又は標識化(例えば、磁気標識による標識化)で処理することにより、調達後に何らかの操作が行われたサンプルを包含する。「生物学的サンプル」という用語は、臨床サンプルを包含し、更に、培養細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、生物学的流体及び組織サンプルを包含する。
対象の成分には、本明細書に開示されたサブシステムにより検出可能な磁気標識に安定して関連付けることができる任意の成分が含まれる。「安定的に関連付けられる」は、使用条件下で、例えば、アッセイ条件下で、磁気標識と対象の成分とが空間内で互いに相対位置を維持することを示す。そのようなものとして、磁気標識と対象の成分とは、互いに安定して非共有結合又は共有結合することができる。非共有結合の例は、非特異的吸着と、静電相互作用(例えば、イオン相互作用、イオン対相互作用)、疎水性相互作用又は水素結合相互作用に基づく結合と、対象の成分又は磁気標識に共有結合された特異的結合対メンバーを介した特異的結合と、それらの組合せとを含む。共有結合の例は、磁気標識と、対象の成分上に存在する官能基、例えば、−OHとの間に形成される共有結合を含む。この場合、官能基は、自然に発生するか、又は、導入された結合基のメンバーとして存在する可能性がある。従って、磁気標識は、対象の成分の表面に、吸着、物理吸着、化学吸着又は共有結合されてもよい。
本開示の実施の形態に係るフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、磁気分離装置と柔軟なサンプル容器とを有し、柔軟なサンプル容器の一部は、磁気分離装置に圧力下で動作可能に連結される。特定の例では、柔軟なサンプル容器は、圧力チャンバー内に存在する。圧力チャンバー及び磁気分離装置の実施の形態は、以下でより詳細に考察される。
圧力チャンバー
前述したように、サブシステムの実施の形態は圧力チャンバーを含む。圧力チャンバーは、シール可能な開口と、加圧ガスを中に入れるように構成された入口とを有する。特定の実施の形態では、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内を高圧に維持するように構成される。例えば、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内を標準大気圧よりも大きい圧力に維持するように構成されてもよい。いくつかの例では、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内の圧力を25psi以上に維持するように構成される。ここで、25psi以上は、例えば、50psi以上又は75psi以上であり、100psi以上又は125psi以上を含み、例えば150psi以上である。いくつかの場合においては、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内を高圧に維持可能な材料で作られている。例えば、圧力チャンバーは、亀裂、原形からの変形等のような重大な構造変化を何ら伴うことなく、圧力チャンバー内を高圧に維持可能な材料で作られてもよい。いくつかの例では、圧力チャンバーは、ステンレス鋼等の金属で作られる。
特定の実施の形態では、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内へのアクセスを容易にする開口を有する。開口はシール可能な開口であってもよい。いくつかの例では、シール可能な開口は気密シールを有するように構成される。シール可能な開口は、前述した圧力チャンバー内で高圧に維持することを容易にすることが可能である。いくつかの場合において、シール可能な開口は、シール可能なカバーを有する。シール可能なカバーを、圧力チャンバーと一体となって気密シールを維持するように圧力チャンバーに装着してもよい。例えば、シール可能なカバーを、ネジ係合、クランプ、それらの組合せ等により圧力チャンバーに装着してもよい。カバーは、圧力チャンバーと同一の材料、例えば、金属(例えばステンレス鋼等)で作られてもよい。特定の例では、カバーは、透明材料又は半透明材料、例えば、限定されるものではないが、ガラス、プラスチック等で作られた1つ以上のセクションを有する。シール可能な開口は、また、カバーと圧力チャンバーとの間に嵌合するガスケットを有してもよい。ガスケットは、圧力チャンバーにおいて、開口の外周近傍に延在してもよい。また、ガスケットは、カバーと圧力チャンバーとの接触面間で気密シールを維持することを容易にすることが可能である。
いくつかの例では、圧力チャンバーにおける開口は、ユーザーが圧力チャンバー内にアクセスできるように形成される。開口は、ユーザーが圧力チャンバー内に1つ以上の手を挿入できるように形成されてもよい。いくつかの場合において、開口は、本明細書に記載の柔軟なサンプル容器等の物品を圧力チャンバー内に挿入したり、圧力チャンバーの中から取り出したりできるように形成される。例えば、開口は円形であって10cm以上の直径を有してもよい。ここで、10cm以上は、例えば15cm以上、又は、20cm以上である。圧力チャンバーは、種々のサイズの柔軟なサンプル容器を収容するために、十分な内部体積を有してもよい。例えば、圧力チャンバーは、1L以上の内部体積を有してもよい。ここで、1L以上は、例えば、5L以上であり、10L以上又は15L以上を含み、例えば、20L以上又は25L以上等である。
圧力チャンバーの実施形の態は、ガス源から加圧ガスを中に入れるように構成された入口を更に含む。加圧ガスは、圧力チャンバーの加圧に好適な任意の便利なタイプのガスであってもよい。例えば、加圧ガスは、空気、窒素、アルゴン等を含んでもよい。加圧ガスは、使用中のサンプル保存に理想的に適合する組成物であってもよい。いくつかの実施の形態では、サンプル流体中の溶存ガスの分圧を、サンプル中の細胞及び/又は他の生物学的物質の生存に好適なレベルに維持することができるように構成された材料で、柔軟なサンプル容器を構築することができる。いくつかの場合においては、ガス源は、加圧ガスの源、例えば、限定されるものではないが、加圧ガスボンベ、コンプレッサー等である。特定の例では、加圧ガスは、25psi以上の圧力を有する。25psi以上は、例えば50psi以上又は75psi以上であり、100psi以上又は125psi以上を含み、例えば150psi以上である。圧力チャンバーは、また、圧力チャンバーから加圧ガスを放出するように構成された出口を有してもよい。
特定の実施の形態では、圧力チャンバーは、圧力チャンバー内の圧力を調整するように構成されたバルブを有する。いくつかの場合においては、バルブは、調整可能なバルブである。調整可能なバルブは、種々の異なる位置、例えば、全開、全閉、又は全開と全閉との間のいくつかの異なる位置のどこかに調整可能に構成されてもよい。特定の例では、バルブは、入口と流体連通しており、圧力チャンバーに進入する加圧ガスの量を調整することにより、圧力チャンバー内の圧力を調整するように構成される。いくつかの場合においては、バルブは、出口と流体連通しており、圧力チャンバーから放出されるガスの量を調整することにより圧力チャンバー内の圧力を調整するように構成される。例えば、バルブは、ボールチェックバルブ等のチェックバルブであってもよい。ある特定の実施の形態では、圧力チャンバーの入口を通して加圧ガスを投入することによって圧力チャンバー内の圧力を上昇させることができるように、チェックバルブは圧力チャンバーの出口を閉じるように構成される。圧力チャンバー内の圧力を解放するために、チェックバルブは、圧力チャンバー内の加圧ガスが周囲環境中に出ていくことができるように、出口を開くように構成されもよい。
圧力チャンバーは、圧力チャンバーの操作及び使用に関連する追加の要素を更に有してもよい。例えば、圧力チャンバーは、圧力検出器を有してもよい。圧力検出器は、圧力チャンバー内の圧力を決定して圧力チャンバー内の圧力の指標をユーザーに表示するように構成されてもよい。圧力チャンバーは、前述した入口及び出口に加えて、1つ以上の入口及び/又は1つの以上の出口を更に有してもよい。例えば、圧力チャンバーは、第2のガス入口及び/又は第2のガス出口を有してもよい。いくつかの場合においては、圧力チャンバーは、サンプル流体、試薬等の流体を圧力チャンバー内に移送するように構成されている1つ以上の流体入口を有してもよい。特定の例では、圧力チャンバーは、サンプル流体、廃棄物ストリーム等の流体を圧力チャンバーの外に移送するように構成されている1つ以上の流体出口を有する。
特定の実施の形態では、圧力チャンバーは撹拌装置を有する。撹拌装置は、柔軟なサンプル容器を撹拌するように構成されてもよい。柔軟なサンプル容器の撹拌により、柔軟なサンプル容器内のサンプル流体の撹拌が容易になり、細胞等のサンプル成分を分離プロセス中に懸濁状態に維持することができる。撹拌装置は、任意の便利な撹拌装置、例えば、限定されるものではないが、振盪機、撹拌機等であってもよい。
磁気分離装置
以上に概説したように、圧力チャンバーは磁気分離装置を有する。磁気分離装置は、圧力チャンバー内に存在し、柔軟なサンプル容器に動作可能に連結するように構成される。いくつかの例では、磁気分離装置は、サンプル流体が磁気分離装置内を流れているとき、サンプル流体中の磁気標識成分を分離するように構成される。磁気分離装置を通るサンプル流体の流れが略水平となるように、圧力チャンバー内で水平配向に磁気分離装置の位置を合わせてもよい。他の実施の形態では、磁気分離装置を通るサンプル流体の流れが略垂直となるように、圧力チャンバー内で垂直配向に磁気分離装置の位置を合わせてもよい。更に他の実施の形態では、圧力チャンバー内で、圧力チャンバーの底面に対して任意の便利な角度に、磁気分離装置の位置を合わせてもよい。
磁気分離装置は、サンプル流体が磁気分離装置内を流れているとき、サンプル流体中の磁気標識成分を分離するように構成されてもよい。磁気分離装置は、磁場を作り出すように構成されてもよい。いくつかの例では、装置は、サンプル中の磁気標識成分を分離するために十分な磁場を作り出すように構成される。いくつかの場合において、磁場装置は、サンプル中の非磁気標識成分から磁気標識成分を分離するために十分な磁力を有する磁場を作り出すように構成される。
磁気分離装置は、様々な磁気分離装置のいずれかであってもよい。例えば、磁気分離装置は、米国特許第7,927,561号明細書、米国特許第6,672,458号明細書、米国特許第6,433,160号明細書、米国特許第5,973,138号明細書、及び米国特許第5,945,281号明細書に詳細に記載されている実施の形態を有してもよい。これらの各文献の開示は、その全体において、参照によって本明細書に組み込まれる。
特定の実施の形態では、磁気分離装置は、1つ以上の磁場源を有してもよい。更に、いくつかの場合において、磁気分離装置は、磁場を磁場源からサンプル流路に方向付けるように構成された1つ以上の磁場ガイドを有する。
特定の実施の形態では、磁気分離装置は2つの磁場源を有するが、装置は、所望により、任意の数の磁場源、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の磁場源を有してもよい。例えば、装置は、第1の磁場源及び第2の磁場源を有してもよい。特定の実施の形態では、第1及び第2の磁場源は、磁場源間の領域に磁場が作り出されるように配置される。そのようなものとして、第1及び第2の磁場源は、磁場源間の領域に、磁気標識成分を保持するために十分な磁場を作り出すように構成されてもよい。
磁場源は、永久磁石、電磁石、超伝導磁石、それらの組合せ等を含んでもよい。特定の実施の形態では、磁場源は、1つ以上の永久磁石を有する。「永久磁石」によって、磁性材料が持続磁場を有して磁場が時間の経過と共に実質的に減少しないことが示される。対照的に、「軟磁石」という用語は、加えられた外部磁場の存在下では磁化することはできるが、外部磁場が取り除かれた場合にその磁性が実質的に減少する材料を示す。磁場源が1つ以上の永久磁石を有する実施の形態では、永久磁石の使用により、磁場源に電力を供給する装置へ投入される外部エネルギーを必要することなく、磁場の作り出しを容易することができる。特定の場合においては、磁場源が1つ以上の永久磁石を有するとき、永久磁石の使用により、電磁石及び/又は超伝導磁石を有する装置よりも単純な装置の製造を容易することができる。例えば、永久磁石を有する装置の実施の形態は、電磁石及び/又は超伝導磁石に関連する素子、例えば、電源、磁場源に関連する電気回路、電磁石及び/又は超伝導磁石に関連する冷却素子、温度センサー等を有する必要がない可能性がある。
特定の実施の形態では、磁場源は希土類磁石等の永久磁石を有する。希土類磁石は、サマリウム−コバルト磁石(例えばSmCo5 )、ネオジム合金(NdFeB)磁石(例えば、Nd2 Fe14B)等を含むが、これらに限定されるものではない。
磁気分離装置の態様は、また、1つ以上の磁場ガイドを含む。磁場ガイドは、磁場を磁場源からサンプル流路に方向付けるように構成されてもよい。特定の例では、磁場ガイドは、磁場源により作り出された磁場を集束させるように構成される。磁場ガイドは、磁場の磁束を増加させることにより、磁場を集束させてもよい。ここで、磁束は、一定の表面領域を通過する磁場の量(例えば、磁場密度)である。
特定の実施の形態では、磁場ガイドは、テーパー形状を有することと、磁場を磁場源から磁場ガイドのテーパー形状を通過させることとにより、磁場を集束させるように構成される。「テーパー」によって、磁場ガイドが、大きい断面積を持つ広い端を有し、磁場ガイドの断面積が磁場ガイドの狭い反対側の端に向かって徐々に小さくなることが示される。例えば、磁場ガイドは、ウェッジの底面に一定の面積が設けられたウェッジ形状を有してもよい。ウェッジの底面に平行をなすウェッジの断面は、底面と反対のウェッジの端に向かって(即ち、ウェッジの頂縁に向かって)徐々に小さくなる面積を有するであろう。本明細書で用いられる「ウェッジ状」という用語は、頂縁の点に向かって徐々に小さくなる断面形状と共に頂縁を有する磁場ガイドの実施の形態を有することを示す。「ウェッジ状」という用語は、また、頂縁の点に向かって徐々に小さくならない断面形状と共に頂縁を有する磁場ガイドの実施の形態を有してもよい。例えば、磁場ガイドの頂縁は、丸形、切頭形、鈍端形等の断面形状を有してもよい。
いくつかの例では、磁場ガイドは、ウェッジ形状を有し、磁場源の表面上に配設されたウェッジの底面からウェッジの頂縁に磁場を方向付けるように構成される。磁場をウェッジの底面からウェッジの頂縁に方向付けることにより、前述したように、磁場源からの磁場の磁束を増加させることを容易にすることができる。ウェッジ状の磁場ガイドの頂縁での磁束の増加は、磁場ガイドがない場合における磁場及び磁場勾配と比較して、磁場ガイドの頂縁の近位に、より高い磁場と、より高い磁場勾配を作り出すことができる。磁場ガイドの他のテーパー形状、例えば、限定されるものではないが、角錐、円錐、切頭体、それらの組合せ等が利用可能である。
いくつかの例では、第1の磁場ガイドは第1の磁場源に関連付けられ、第2の磁場ガイドは第2の磁場源に関連付けられる。特定の場合においては、第1の磁場ガイドの頂縁が第2の磁場ガイドの頂縁の近位となるように、第1の磁場源上に第1の磁場ガイドの位置を合わせ、第2の磁場源上に第2の磁場ガイドの位置を合わせる。いくつかの場合においては、第1の磁場ガイドの頂縁は、第2の磁場ガイドの頂縁に略平行である。第1の磁場ガイドの頂縁は、第2の磁場ガイドの頂縁と対向するように配置されてもよい。例えば、第1の磁場ガイドの頂縁は、第2の磁場ガイドの頂縁に直接に略対向するように配置されてもよい。
特定の実施の形態では、磁場ガイドは軟磁石を有する。「軟磁石」という用語は、加えられた外部磁場の存在下では磁化することはできるが、外部磁場が取り除かれた場合にその磁性が実質的に減少する材料を言う。軟磁石は、強磁性材料、フェリ磁性材料、それらの組合せ等を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。強磁性材料は、鉄(例えば、焼鈍鉄)、ステレンス鋼、ニッケル等である。フェリ磁性材料はセラミック金属酸化物等である。
以上に概説したように、磁気分離装置の特定の実施の形態は、第1の磁場源の表面上に配設された第1のウェッジ状の磁場ガイドと、第2の磁場源の表面上に配設された第2のウェッジ状の磁場ガイドとを有する。特定の実施の形態では、第1のウェッジ状の磁場ガイドは第1の頂縁を有し、第2のウェッジ状の磁場ガイドは第2の頂縁を有し、第2の頂縁に略対向して、かつ、略平行となるように第1の頂縁を配置する。第1の頂縁の位置は、その長さに沿って第2の頂縁から略均一な距離に合わせられてもよい。
磁場ガイドは、ウェッジ状であり、磁束を、関連付けられた磁場源から磁場ガイドの頂縁間の領域に向かって方向付けるように構成されてもよい。いくつかの場合において、ウェッジ状の磁場ガイドは、各磁場源と、対応する磁場ガイドとの間の境界から各磁場ガイドの頂縁に磁束を集束させる。ここで、境界は比較的に大きい断面積を有し、各磁場ガイドの頂縁は比較的に小さい断面積を有する。ウェッジ状の磁場ガイドは、磁束が磁場ガイドを通じて透過している間、最小限の磁束漏れで、磁束を、関連付けられた磁場源から集束させるように構成されてもよい。特定の実施の形態では、磁場ガイドの徐々に小さくなるウェッジ形状は、磁束を、関連付けられた磁場源から集束させる。これにより、磁場ガイドの頂縁間の領域において、磁場源からの磁束を増加させる。磁場ガイドの頂縁間の領域において、結果生じる高磁場強度及び高磁場勾配は、分析対象サンプル中の非標識成分から磁気標識成分を分離する効率を増加させることが可能である。
本開示に係る磁気分離装置の実施の形態の一例は、図2(a)、2(b)、及び2(c)において概略図で示されている。装置は、2つの軟磁場ガイド2を有する。各磁場ガイド2は永久磁石1に装着されている。2つの軟磁場ガイド2は、永久磁石1に装着されている端から、直接に互いに対向している2つの磁場ガイドの頂縁に向って徐々に小さくなる形状を有する。磁場ガイド2の頂縁は、図2(b)及び図2(c)に示されるように、略直線である。永久磁石1は、永久磁石1と軟磁場ガイド2との間の境界面に垂直な同一方向の磁化12を有する。磁場ガイド2及び永久磁石1は、永久磁石駆動型磁束集中構造を形成する。ここで、永久磁石1からの磁束は、磁場ガイド2のテーパー形状により集束させられる(例えば、増加する)。磁場ガイド2は、磁場ガイドの頂縁間の領域で局所的に高い磁束密度を作り出す。特定の例では、高い磁束は、磁場ガイドの頂縁間の領域において、高い磁場と高い磁場勾配とを作り出す。
前述したように、磁気分離装置は、サンプル流体中の磁気標識成分を分離するように構成されてもよい。任意の便利な磁気標識を利用してもよい。磁気標識は、サンプル中の磁気標識成分を分離するための装置によって保持される成分を標識化する。対象の磁気標識が、装置によって作り出された磁場にごく近位にある導管の一部内、例えば、装置の磁場源間及び/又は装置の磁場ガイド間を流れる場合、対象の磁気標識を装置によって保持することが可能である。
本開示に係る特定の実施の形態の実施に有用な磁気標識は、磁性粒子、例えば、限定されるものではないが、強磁性の粒子、常磁性の粒子、超常磁性の粒子、反強磁性の粒子又はフェリ磁性の粒子である。特定の例では、磁性粒子は、磁場の不在下では「非磁性」を現す(例えば、磁性粒子は略ゼロの残留磁化を有する)。略ゼロの残留磁化を有する磁性粒子は、外部磁場の不在下では溶液中で互いに実質的に凝集しない可能性がある。
磁性粒子は生物学的環境で化学的に安定であることができる。これは、アッセイ条件での磁性粒子の使用を容易にすることができる。いくつかの場合において、磁性粒子は、生体適合性、即ち、水溶性であり、かつ、官能性である。このため、対象の生体分子、例えば、標的アナライトに特異的に結合する抗体に磁性粒子を容易に装着させることができる。特異的な抗体に磁性粒子を関連付けること又は結合させることによって、磁性粒子は、抗体と相補的抗原との間の特異的な結合相互作用を介して、特異的なアナライトに狙いを定めることができる。いくつかの例では、相互の非共有結合又は共有結合によって、前述したようなタンパク質又は抗体に磁気標識を結合させてもよい。非共有結合の例は、非特異的吸着と、静電相互作用(例えば、イオン相互作用、イオン対相互作用)、疎水性相互作用又は水素結合相互作用に基づく結合と、磁性粒子表面に共有結合された特異的結合対メンバーを介した特異的結合等を含む。共有結合の例は、生体分子と、磁性粒子の表面上に存在する官能基、例えば、−OHとの間に形成される共有結合を含む。この場合、官能基は、自然に発生するか、又は、導入された結合基のメンバーとして存在する可能性がある。
特定の実施の形態では、磁性粒子は、磁性粒子が対象の生体分子に容易に装着される構成されるように形成される。いくつかの場合において、磁性粒子は、磁性粒子が生体分子に装着された場合に磁性粒子が生体分子の機能を実質的に妨害しない程度に十分に小さいサイズである。例えば、磁性粒子は、装着された生体分子の結合相互作用が実質的に妨害されない程度に十分に小さいサイズであってもよい。いくつかの場合において磁性粒子はマイクロ粒子であり、いくつかの場合において磁性粒子はナノ粒子である。特定の実施の形態では、磁性粒子は、形状において略均一である。例えば、磁性粒子は、形状において球であってもよい。球形状に加えて、本明細書での使用に好適な磁性ナノ粒子を、ディスク、ロッド、コイル、ファイバー、ピラミッド等として形成してもよい。
磁気分離装置の追加の態様は、2011年4月27日出願の米国仮特許出願第61/479,778号明細書に記載されており、この文献の開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施の形態では、サブシステムは、サンプル中の磁気標識成分を分離する1つ以上の磁気分離装置を有する。1つ以上の磁気分離装置夫々は、本開示に従って記載されたように構成されてもよい。例えば、サブシステムは2つ以上の磁気分離装置を有してもよい。2つ以上の磁気分離装置は、例えば、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上又は10個以上の磁気分離装置である。磁気分離装置が逐次的に1列に互いに流体的に連結されるように、磁気分離装置を直列に配置してもよい。磁気分離装置を直列に配置することにより、同一のサンプルから磁気標識成分を順次分離することを容易にすることが可能である。いくつかの例では、磁気分離装置は並列に配置される。磁気分離装置を並列に配置することにより、複数のサンプルから磁気標識成分を同時分離することを容易にすることが可能である。特定の場合において、磁気分離装置は直列及び並列に配置される。
本開示に係るサブシステムの実施の形態の例は、図1において概略図で示されている。サブシステム100は、圧力チャンバー101と、圧力チャンバー101内に位置が合わされている磁気分離装置104とを有する。圧力チャンバー101は、シール可能な開口と、圧力チャンバー101上に実質的に気密であるシールを形成するように構成されているカバー103とを有する。圧力チャンバー101は、更に、ガス入口102と出口110とを有する。出口110は、ボールチェックバルブとして構成される。出口110に位置が合わされているボール109を示し、閉位置でのボールチェックバルブを例示している。
柔軟なサンプル容器
本開示の態様は、例えば、前述したように、流体サブシステムの磁気分離ユニットに動作可能に連結するように構成されている柔軟なサンプル容器を含む。「柔軟な」によって、引裂き、亀裂、穿孔等の重大な構造変化を何ら伴うことなく、サンプル容易器を原形から屈曲させたり、湾曲させたりすることが可能であることを示す。例えば、サンプル容器内の流体と周囲環境との接触を防止するシール障壁を依然として維持しながら、柔軟なサンプル容器を原形から湾曲させたり、変形させたりすることが可能である。特定の実施の形態では、柔軟なサンプル容器は、一定量の流体を含有するように構成された流体貯蔵槽と、該流体貯蔵槽に流体的に連結され、かつ、流体の流れを磁気分離装置内に方向付けるように構成されている導管と、導管を磁気分離装置に動作可能に連結するように構成されている位置合せガイドとを有する。
いくつかの場合において、柔軟なサンプル容器は、1GPa以下のヤング率を有する可撓性材料でできている。1GPa以下は、例えば0.7GPa以下であり、0.5GPa以下を含み、例えば、0.3GPa以下又は0.1GPa以下であり、例えば0.05GPa以下又は0.01GPa以下である。
特定の実施の形態では、柔軟なサンプル容器内の流体は無菌である。柔軟なサンプル容器は、流体の無菌を維持する一方でそれと同時に、磁気分離装置を通じた流体、例えばサンプル流体の処理を可能にするように構成されてもよい。柔軟なサンプル容器は、流体貯蔵槽と導管とを有する単一の一体型ユニットとして構成されてもよい。ここで、導管は流体貯蔵槽と流体連通しており、流体貯蔵槽の下流に導管の位置が合わされている。流体の無菌性の維持を容易にするために、柔軟なサンプル容器を、周囲環境からシールしてもよい。より詳細に後述されるように、1つ以上の入口/出口を、流体貯蔵槽及び/又は導管に設けてもよいが、入口/出口は使用までシールされたままでもよい。
流体貯蔵槽
柔軟なサンプル容器の実施の形態は流体貯蔵槽を有する。流体貯蔵槽は、流体を含有するように構成される。この流体は、いくつかの場合において、サンプル流体であってもよい。特定の実施の形態では、流体は無菌である。流体の無菌性を維持するために流体貯蔵槽をシールしてもよい。例えば、流体と周囲環境と間での望ましくない接触を防止するために周囲環境に対して、流体貯蔵槽を閉じてもよい。流体貯蔵槽を、周囲環境からシールしてもよいが、流体貯蔵槽は、1つ以上のポート、例えば、1つ以上の入口及び/又は出口を有してもよい。1つ以上のポートは、所望により、流体貯蔵槽内へのアクセスを可能にするように構成されてもよい。例えば、流体貯蔵槽は、サンプル流体、試薬等の流体を流体貯蔵槽に加えることができるように構成された入口を有してもよい。いくつかの場合において、流体貯蔵槽は、流体貯蔵槽の流体を流体貯蔵槽から取り除くことができるように構成された出口を有してもよい。ポートはセルフシールのポートであってもよい。このため、例えば、シリンジを用いて、流体を流体貯蔵槽に加えることができるか、又は、流体を流体貯蔵槽から取り除くことができ、これにより、ポートが流体貯蔵槽内の流体と周囲環境との接触を防止するためにセルフシールする。
いくつかの例では、流体貯蔵槽は流体出口を有する。流体出口は、流体が流体貯蔵槽の外側に流れ出るときに、流体を運ぶように構成されてもよい。流体出口は、流体の流れを磁気分離装置内に方向付けるように構成された導管と流体連通してあってもよい。いくつかの場合において、流体貯蔵槽は導管に直接連結される。他の実施の形態では、流体貯蔵槽は、1本のチューブを介して導管に連結される。例えば、延長チューブの基端部は、流体貯蔵槽の流体出口で、流体貯蔵槽に連結されてもよい。延長チューブの先端部は、導管に連結されてもよい。流体出口を介して流体貯蔵槽から流れ出る流体は、延長チューブを介して導管に流れ込む。いくつかの場合において、流体貯蔵槽はクランプを更に有する。クランプは、流体貯蔵槽からの流体の流れを遮断するように構成されてもよい。例えば、クランプは、延長チューブの周りにクランプの位置を合わしてもよい。閉位置で構成された場合、クランプは、例えば、延長チューブを挟んで延長チューブの内側ルーメン(lumen)を閉塞することにより、延長チューブを実質的に封鎖する。これにより、流体が延長チューブ内を流れることを防止する。開位置で構成された場合、クランプは、延長チューブを通る流体の流れを遮断することはない。
特定の実施の形態では、流体貯蔵槽は可撓性材料からできている。依然として、流体貯蔵槽内のサンプル流体の無菌性を維持しながら、流体貯蔵槽に対して原形からの湾曲及び/又は変形を行うことが可能である。例えば、前述したように、依然として、サンプル流体と周囲環境との接触に対してシールを維持しながら、流体貯蔵槽に対して屈曲及び変形を行うことができる。いくつかの例では、可撓性流体貯蔵槽は、サンプル流体の無菌性を維持しつつ、流体を流体貯蔵槽から導管内に運ぶことを容易にする。例えば、使用中、柔軟なサンプル容器を圧力チャンバー内に配置し、流体貯蔵槽に圧力をかけて流体を流体貯蔵槽から導管に運ぶ。特定の場合において、圧力チャンバー内の圧力を増加させることにより、例えば、圧力チャンバーをガスで加圧することにより、流体貯蔵槽に圧力をかける。
前述したように、流体貯蔵槽は可撓性材料で作られてもよい。流体貯蔵槽は、流体貯蔵槽の可撓性を促進する薄い材料で作られてもよい。特定の実施の形態では、流体貯蔵槽は、薄い材料で作られるが、依然として、その構造完全性を維持しながら、圧力チャンバー内において高圧で動作するために十分な強度を有する。例えば、流体貯蔵槽は、サンプル流体と周囲環境との間のシールが有意に損なわれることがないように、その構造完全性を維持しながら、25psi以上の圧力で動作するように構成されてもよい。ここで、25psi以上は、例えば50psi以上又は75psi以上であり、100psi以上又は125psi以上を含み、例えば150psi以上である。特定の実施の形態では、流体貯蔵槽は、厚さが5mm以下又は3mm以下の材料で作られる。ここで、5mm以下又は3mm以下は、例えば、2mm以下であり、1mm以下又は0.5mm以下を含み、例えば、0.4mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下又は0.1mm以下である。
流体貯蔵槽は、アッセイ条件、例えば、サンプル緩衝溶液、圧力、温度等に適合可能な任意の材料で作られもよい。いくつかの場合において、流体貯蔵槽は、不活性であってサンプル流体、又は、サンプル流体中の成分と実質的に反応しない材料で作られてもよい。例えば、流体貯蔵槽は、サンプル、サンプル中の成分、緩衝液等と実質的に反応しない材料を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、流体貯蔵槽は、ポリマー、例えば、限定されるものではないが、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチルビニルアセテート(EVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組合せ等で作られる。
特定の実施の形態では、流体貯蔵槽は流体を含む1つのチャンバーを有する。他の場合において、流体貯蔵槽は2つ以上のチャンバーを有する。2つ以上のチャンバーは、同一又は異なる流体を含有してもよい。例えば、第1の流体貯蔵槽チャンバーは第1の流体を含有してもよく、第2の流体貯蔵槽チャンバーは第2の流体を含有してもよい。2つ以上のチャンバーを備える流体貯蔵槽は、2つ以上のサンプル流体の分析を容易にすることが可能である。この場合、第1のサンプル流体は第1の流体貯蔵槽チャンバー内に含有され、第2のサンプル流体は第2の流体貯蔵槽チャンバー内に含有される。2つ以上のチャンバーは、所望により、単一の導管又は2つ以上の導管と流体連通するように構成されてもよい。例えば、2つ以上のチャンバーは、1つの導管と流体連通してもよい。2つ以上のチャンバーのルーメンは、Yコネクター、バルブ(例えば、ピンチバルブ)等で連結してもよい。
導管
柔軟なサンプル容器の態様は更に導管を有する。特定の実施の形態では、導管は、流体貯蔵槽に流体的に連結されており、流体の流れを磁気分離装置内に方向付けるように構成される。例えば、導管は、流体貯蔵槽に流体連通して流体貯蔵槽の下流で位置が合わされてもよい。導管は、サンプル流体の流れを磁気分離装置内に方向付けるように構成されてもよい。そのようなものとして、導管は、サンプル(例えば、サンプル溶液)の流れを運ぶように構成されてもよい。特定の実施の形態では、導管が中央流路を取り囲む外壁により規定されるように導管を包囲する。中央流路を、導管の長手方向の軸と合わせてもよい。中央流路は、任意の便利な形状を有してもよい。中央流路は、例えば、限定されるものではないが、円形、楕円形、正方形、長方形、五角形、六角形の断面形状、不規則な断面形状、それらの組合せ等を有する流路であってもよい。特定の例では、導管の中央流路は円形の断面形状を有する。使用中、導管は、また、サンプル中の磁気標識成分を保持するように構成されてもよい。
特定の実施の形態では、導管は、サンプルの流れが磁場源の近位となるように、サンプルの流れを磁気分離装置内に方向付けるように構成されてもよい。磁場源とサンプルとの間の距離を最小化することで、磁場源とサンプル中の磁気標識成分との間の距離を最小化する。これにより、装置内の磁気標識成分の保持を容易にすることが可能である。いくつかの場合において、導管は、磁場源の近位にある流路の長さを最大化すべく、サンプルの流れを装置内に方向付けるように構成される。例えば、導管は、サンプルの流れが磁場源の長手方向の軸に略平行となるように、サンプルの流れを装置内に方向付けるように構成されてもよい。
いくつかの例では、磁場源間、例えば、第1の磁場源と第2の磁場源との間に、導管の少なくとも一部の位置を合わせる。特定の場合において、磁場源は、前述したように、磁場ガイドに関連付けられてもよい。また、磁場ガイド間、例えば、第1の磁場ガイドと第2の磁場ガイドとの間に、導管の少なくとも一部を合わせてもよい。導管の長手方向の軸が、第1の磁場ガイドの長手方向の軸と、第2の磁場ガイドの長手方向の軸とに略平行になるように、第1及び第2の磁場ガイド間に導管の位置を合わせてもよい。例えば、導管の長手方向の軸が第1及び第2の磁場ガイド夫々の頂縁に略平行となるように、第1及び第2の磁場ガイド間に導管の位置を合わせてもよい。いくつかの場合において、磁場ガイドの頂縁に略平行となるように導管の位置を合わせることにより、導管の長さを最大化し、これにより、磁場ガイド間のサンプル流体の流れを最大化する。特定の例では、磁場ガイドの頂縁に略平行となるように導管の位置を合わせることにより、サンプルの流れが磁場ガイド間にある時間量を最大化する。導管と磁場ガイドとの間のこの位置合せは、磁気標識成分を導管内に保持することを容易にすることが可能である。
いくつかの例では、導管は、磁場ガイド間に位置が合わせられた導管の一部においてより狭い断面積を有するように構成されてもよい。例えば、磁場ガイド間に位置が合わせられた導管の一部から上流の導管の断面積は、磁場ガイド間に位置が合わせられた導管の該一部の断面積よりも大きくてもよい。同様に、磁場ガイド間に位置が合わせられた導管の一部から下流の導管の断面積は、磁場ガイド間に位置が合わせられた導管の該一部の断面積より大きくてもよい。これにより、いくつかの場合において、第1及び第2の磁場ガイド間に位置が合わされた導管の一部は、第1及び第2の磁場ガイド間に位置が合わされた導管の該一部の上流又は下流の導管の一部の断面積よりも小さい断面積を有する。
特定の実施の形態では、手動で磁気分離装置内に導管の位置を合わせてもよい。例えば、磁場ガイド間に手動で導管を配置してもよく、磁場ガイド間から手動で導管を取外してもよい。導管は、1つ以上の位置合せガイド、例えば、限定されるものではないが、ノッチ、タブ、グルーブ、ガイドポスト等を導管外側に有するように構成してもよい。これにより、磁気分離装置内の導管の位置合せを容易にすることが可能である。いくつかの実施の形態では、サブシステムは、磁気分離装置内で自動的に導管の位置を合わせるように構成されてもよい。例えば、サブシステムは、圧力チャンバーをシールして再び開かないようにして磁気分離装置内で導管の位置を合わすように、磁気分離装置内で導管の位置を自動的に合わせるように構成されてもよい。導管は、磁気分離装置内で導管の位置を合わせるためにサブシステムが使用してもよい1つ以上のマーキング又は前述の位置合せガイドを有してもよい。
いくつかの例では、導管は、磁気分離装置から離して置くことが可能に構成される。例えば、導管は、磁気分離装置により作り出される磁場から離して置くことが可能に、例えば、磁気分離装置の磁場源及び磁場ガイドから離して置くことが可能に構成されてもよい。磁場から離して導管を置くことにより、アッセイ中、導管内に保持された磁気標識成分の回収を容易にすることが可能である。特定の場合において、装置は、磁気分離装置から離して自動的に導管の位置を合わせるように構成されてもよい。これらの例では、磁気分離装置から離して自動的に導管の位置を合わせるように構成されたサブシステムにより、圧力チャンバーを開けて磁気分離装置から離して手動で導管の位置を再び合わす必要なく、導管からの保持された磁気標識成分の回収を容易にすることが可能である。
いくつかの例では、導管は、流体貯蔵槽に取外し可能に連結されるように構成される。導管は、流体貯蔵槽の近位にある端にコネクターを有してもよい。また、流体貯蔵槽は、導管上のコネクターに嵌合するように構成されたコネクターを有してもよい。特定の例では、導管上のコネクターと流体貯蔵槽上のコネクターとは、導管が流体貯蔵槽に取外し可能に連結されるように、互いから外すように構成される。いくつかの場合において、導管上のコネクターと流体貯蔵槽上のコネクターとは、嵌合一体化して流体貯蔵槽内及び導管内の流体の無菌性を維持するシールを形成するように構成される。例えば、導管上のコネクターと流体貯蔵槽上のコネクターとは、嵌合一体化して導管内及び/又は流体貯蔵槽内の流体が周囲環境に接触することができないシールを形成するように構成される。様々なタイプのコネクター、例えば、限定されるものではないが、ルアーコネクター、スパイクコネクター等を使用してもよい。
特定の場合において、導管は再使用可能に構成されてもよい。再使用可能な導管は、アッセイ間で洗浄するように構成されてもよい。再利用可能な導管は、例えば、限定されるものではないが、アッセイ間で洗浄溶液又は緩衝液を導管内に流すことにより洗浄されるように構成されてもよい。いくつかの場合において、導管は、装置から取外され、洗浄され、そして、後続のアッセイのために装置内に再挿入されるように構成される。特定の実施の形態では、導管は、使い捨て可能に構成される。使い捨て可能によって、導管を1回又は複数回(例えば、20回以下、15回以下、10回以下、又は5回以下)使用して、廃棄し、新しい導管と交換することが可能であることを示す。例えば、導管は、一回使い切りの導管であるように構成されてもよい。この場合、導管は、一回のアッセイに使用されて、取外され、そして廃棄されるように構成される。後続のアッセイでは新しい導管を使用してもよい。
特定の実施の形態では、導管は、5cm以下の(例えば、円形断面形状を有していない導管に対して)高さ又は(例えば、円形断面形状を有する導管に対して)内径を有してもよい。ここで、5cm以下は、例えば、2cm以下であり、1cm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1.5mm以下、又は1mm以下を含む。導管の長さは、1cm〜1000cmに及んでもよい。1cm〜1000cmは、例えば2cm〜750cmであり、5cm〜500cm、5cm〜250cm又は5cm〜100cmを含み、例えば、5cm〜50cmであり、例えば5cm〜25cmである。特定の実施の形態では、導管は、厚さが5mm以下又は3mm以下の壁を有する。ここで、5mm以下又は3mm以下は、例えば2mm以下であり、1mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下又は0.1mm以下を含む。特定の例では、比較的薄い壁を有する導管は、サンプル流体中の磁気標識成分と、磁場源及び/又は磁場ガイドとの間の距離を減少させることにより、サンプル流体中の磁気標識成分の分離を容易にする。例えば、導管は、厚さが1mm以下の壁を有してもよい。
特定の実施の形態では、導管は、磁気勾配増強材料を実質的に含まないように構成される。例えば、導管は、非磁性の材料、及び/又は、磁化不可能な材料で作られてもよい。いくつかの例では、導管の中央流路は、(磁気標識を除いて)磁気勾配増強材料を実質的に含まない。例えば、導管の中央流路は、サンプル(例えば、アッセイそのもので使用される任意の緩衝液、磁気標識等)以外の任意の材料(例えば、マトリックス材料、磁化可能な粒子(例えば、磁化可能な球体/楕円体)、磁化可能なワイヤー、磁化可能な円柱等)を実質的に含まなくてもよい。いくつかの例では、磁化可能な材料等の材料を実質的に含まない中央流路を有する導管を備えることにより、その後に続く、分離された磁気標識成分の回収を容易にする。例えば、中央流路に磁化可能な材料等の材料を有する導管と比較して、導管が材料を実質的に含まない場合、分離された磁気標識成分を、より容易に導管からフラッシングすることが可能である。例えば、材料を実質的に含まない導管において流体流路に制約がないこと、及び/又は、磁気標識成分を導管内に保持する残留磁化を持つ可能性がある流体流路において磁化可能な材料がないことにより、分離された磁化標識成分を、導管からより容易にブラッシングすることが可能である。
導管は、アッセイ条件、例えば、サンプル緩衝溶液、圧力、温度等に適合可能な任意の材料で作られてもよい。例えば、導管は、サンプル、サンプル中の成分、緩衝液等と実質的に反応することがない材料を含んでもよい。導管は、導管が可撓性を有するように可撓性材料を含んでもよい。特定の例では、導管は、導管が磁場ガイドの頂縁間で圧縮されたときに、その初期形状からの変形及び/又は伸長を行うように構成される。導管が磁場ガイド間で圧縮された場合、導管は、破壊、割裂、引裂き等なくその初期形状からの変形及び/又は伸長を行うように構成されてもよい。いくつかの例では、導管は、ガラス又はポリマー、例えば、限定されるものではないが、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニルクロリド(PVC)、エチルビニルアセテート(EVA)等を含む。特定の実施の形態では、導管は、可撓性材料、例えば可撓性ポリマー材料(例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PEEK等)を含む。
位置合わせガイド
特定の実施の形態では、柔軟なサンプル容器は、導管に装着されて、導管を磁気分離装置に動作可能に連結するように構成された位置合わせガイドを有する。柔軟なサンプル容器、1つ以上の位置合わせガイドを有してもよい。例えば、導管は、1つ以上の位置合せガイド、例えば、限定されるものではないが、ノッチ、タブ、ボール、グルーブ、チャネル、ガイドポスト等を導管の外側に有するように構成されてもよい。これにより、磁場ガイド間での導管の位置合わせを容易にすることが可能である。いくつかの場合において、位置合わせガイドは、導管の外側に装着された長尺状のタブである。長尺状のタブは、長尺状タブが導管の長手方向の軸に略平行となるように導管の外側に装着されてもよい。いくつかの例では、位置合わせガイドは、導管の外側に装着される1つ以上のボールを有する。例えば、位置合わせガイドは、導管の両端夫々に装着されるボールを有してもよい。特定の例では、位置合わせガイドは、導管の長手方向の軸が磁気分離装置の長手方向の軸に略平行となるように、磁気分離装置内で導管の位置を合わせることを容易にする。
いくつかの場合において、磁気分離装置は、導管上の位置合わせガイドに対応する嵌合要素を含む。例えば、磁気分離装置は、導管上の1つ以上の位置合せガイドに対応する1つ以上の嵌合要素、例えば、限定されるものではないが、ノッチ、タブ、グルーブ、チャネル、ガイドポスト等を有するように構成されてもよい。1つ以上の嵌合要素により、磁気分離装置の磁場ガイド間で導管の位置を合わせることを容易にすることが可能である。いくつかの場合において、嵌合要素は、位置合わせガイドに嵌合するように構成されたノッチを含む。ノッチは、導管の長手方向の軸が磁気分離装置の長手方向の軸と略平行となるように、磁気分離装置内で導管の位置を合わせるように構成されてもよい。
特定の実施の形態では、磁場ガイド間で導管の位置を手動で合わせてもよい。例えば、導管の位置合わせガイドを磁気分離装置の対応する嵌合要素と合わせることにより、磁気分離装置内で導管の位置を手動で合わせてもよい。磁気分離装置から手動で導管を取外してもよい。いくつかの実施の形態では、装置は、磁気分離装置内で導管の位置を自動的に合わせるように構成されてもよい。導管は、磁気分離装置内で導管の位置を自動的に合わせるためにサブシステムが使用してもよい1つ以上のマーキング又は前述の位置合わせガイドを有してもよい。
流体移送チューブ
柔軟なサンプル容器の態様は、流体移送チューブを更に含んでもよい。流体移送チューブは導管と流体連通して、導管の下流に位置が合わされてもよい。流体移送チューブは、流体(例えば、サンプル流体)を圧力チャンバーの外に運ぶように構成されてもよい。特定の例では、流体移送チューブは、流体を、後続の処理又は分析用の追加の下流のシステム及び/又は装置に運ぶことを容易にする。例えば、流体移送チューブは、磁気分離装置によりサンプル流体から分離された磁気標識成分を、磁気分離装置の下流に配置された装置、例えば、限定されるものではないが、濃縮装置(例えば、音波濃縮器)、フローサイトメーター等に運ぶように構成されてもよい。
いくつかの例では、流体移送チューブは、導管に取外し可能に連結されるように構成される。例えば、流体移送チューブは、導管の下流端に取外し可能に連結することができるように構成されてもよい。流体移送チューブは、導管の近位にある端にコネクターを有してもよい。また、導管は、流体移送チューブ上のコネクターに嵌合するように構成されたコネクターを有してもよい。特定の例では、流体移送チューブ上のコネクターと導管上のコネクターとは、流体移送チューブが導管に取外し可能に連結されるように、互いから外すように構成される。いくつかの場合において、流体移送チューブ上のコネクターと導管上のコネクターとは、嵌合一体化して流体移送チューブ内及び導管内の流体の無菌性を保持するシールを形成するように構成される。例えば、流体移送チューブ上のコネクターと導管上のコネクターとは、嵌合一体化して流体移送チューブ内及び/又は導管内の流体が周囲環境に接触することができないシールを形成するように構成されてもよい。
流体移送チューブは、アッセイ条件、例えば、サンプル緩衝溶液、圧力、温度等に適合可能な任意の材料で作られてもよい。例えば、流体移送チューブは、サンプル、サンプル中の成分、緩衝液等と実質的に反応することがない材料を含んでもよい。流体移送チューブは、流体移送チューブが可撓性を有するように可撓性材料を含んでもよい。特定の例では、流体移送チューブは、流体移送チューブが圧縮されたとき、その初期形状からの変形及び/又は伸長を行うように構成される。流体移送チューブが圧縮された場合、流体移送チューブは、破壊、割裂、引裂き等なく、その初期形状からの変形及び/又は伸長を行うように構成されてもよい。いくつかの例では、流体移送チューブは、ポリマー、例えば、限定されるものではないが、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニルクロリド(PVC)、エチルビニルアセテート(EVA)等を含む。特定の実施の形態では、流体移送チューブは、可撓性材料、例えば可撓性ポリマー材料(例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PEEK等)を含む。特定の実施の形態では、流体移送チューブは、5cm以下の内径を有する。ここで、5cm以下は、例えば2cm以下であり、1cm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下又は1mm以下を含む。
前述したように、本開示に係るサブシステムは、圧力チャンバー内の圧力を調整するように構成されたバルブ、例えば、チェックバルブを有してもよい。特定の例では、チェックバルブの少なくとも一部は、流体移送チューブに装着される。例えば、チェックバルブはボールチェックバルブとして構成されてもよい。これらの場合のいくつかでは、ボールチェックバルブのボールは流体移送チューブに装着されてもよい。例えば、ボールチェックバルブのボールは、流体移送チューブを持つ中央ルーメンを有してもよい。該流体移送チューブは中央ルーメンを貫通している。これらの例では、ボールの第1の半体は、流体移送チューブの第1の側に配設され、ボールの第2の半体は、流体移送チューブの反対側に配設される。いくつかの場合において、ボールにおける2つの半体は、ボールにおける2つの半体を互いに装着するように構成された1つ以上のコネクターを含む。例えば、コネクターは、スナップ、クリップ、ノッチ等を含んでもよい。使用中、チェックバルブ内でボールの位置が合わされてもよい。これにより、流体がボールチェックバルブの中央ルーメンを貫通している流体移送チューブ内を流れることを依然として可能にしつつ、圧力チャンバーをシールし、圧力を圧力チャンバー内で高めることが可能である。
フローサイトメトリー流体サブシステム構成
前述したように、本開示の実施の形態に係るフローサイトメトリー流体サブシステムは、磁気分離装置と柔軟なサンプル容器とを有し、柔軟なサンプル容器の一部は、圧力下で磁気分離装置に動作可能に連結される。例えば、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、圧力下で磁気分離装置に動作可能に連結された柔軟なサンプル容器の一部を維持するように構成されてもよい。特定の実施の形態では、磁気分離装置は、柔軟なサンプル容器に動作可能に連結されて圧力チャンバー内で磁場を作り出すように構成される。例えば、磁気分離装置は、磁気分離装置に動作可能に連結された柔軟なサンプル容器の一部の近位に磁場を作り出すように構成されてもよい。特定の場合おいて、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、1つの圧力チャンバーを有する。柔軟なサンプル容器は圧力チャンバー内に存在してもよい。いくつかの実施の形態では、磁気分離装置もまた、圧力チャンバー内に存在する。例えば、磁気分離装置は、圧力チャンバーの底部表面上に位置が合わされて、同一の圧力チャンバー内に収容された柔軟なサンプル容器に動作可能に連結するように構成されてもよい。
圧力チャンバー内に存在する磁気分離装置を有するフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの実施の形態の一例は、図1で概略的に示されている。圧力チャンバー101内で位置が合わされた柔軟なサンプル容器120が描かれている。柔軟なサンプル容器120は、流体貯蔵槽105と導管106とを有する。導管106は、流体貯蔵槽105に流体的に連結される。更に、柔軟なサンプル容器120は、導管106に装着されて、導管106を磁気分離装置104に動作可能に連結するように構成された位置合わせガイド107を有する。例えば、位置合わせガイド107は、導管106の長手方向の軸が磁気分離装置104の長手方向の軸に略平行となるように、磁気分離装置104内で導管106の位置を合わせるように構成された長尺状のタブとして示されている。柔軟なサンプル容器120は、1つ以上のポート、例えば、ポート111及びポート112を更に有する。ポートは、入口ポート又は出口ポートとして構成されてもよい。例えば、ポート111は、サンプル、試薬、磁気標識等を流体貯蔵槽105内に加えるための入口として構成されてもよい。いくつかの実施の形態では、柔軟なサンプル容器120は、また、流体移送チューブ108を有する。流体移送チューブ108は、導管106の下流端に連結され、導管106に取外し可能に連結されてもよい。更に、流体移送チューブ108は、流体移送チューブ108に装着されたチェックバルブ(例えばボール109)の少なくとも一部を有してもよい。前述したように、圧力チャンバー101は、ボールチェックバルブとして構成される出口110を有する。ボールチェックバルブのボール109は、流体移送チューブ108の周りに装着される。出口110で位置が合わされたボール109を示して、閉位置でのボールチェックバルブを例示している。使用中、圧力チャンバー101は、カバー103を閉じることによりシールされる。ガス入口102を介して加圧ガスを圧力チャンバー101に加える。これにより、圧力チャンバー101を加圧して、流体貯蔵槽105内のサンプル流体を、磁気分離装置104内で位置が合わされた導管106内に流し、流体移送チューブ108を介して、流体を圧力チャンバー101の外に出す。
図3は、本開示の実施の形態に係る、磁気分離装置内で位置が合わされた柔軟なサンプル容器の概略断面図を示している。流体貯蔵槽302は、磁気分離装置301内で位置が合わされた導管303と流体連通している。位置合わせガイド304は、導管303に装着されており、導管303の長手方向の軸が磁気分離装置301の長手方向の軸と略平行になるように、磁気分離装置301内で導管303の位置を合わせることを容易にする。位置合わせガイド304は、磁気分離装置301中のノッチ305に嵌入するタブである。ノッチ305は、位置合わせガイド304に嵌合し、導管303の長手方向の軸が磁気分離装置301の長手方向の軸に略平行となるように、磁気分離装置301内で導管303の位置を合わせるように構成される。
図4は本開示の実施の形態に係る導管の写真である。導管400は、磁気分離装置を通るサンプル流体の流れを運ぶ流路401を有する。導管400は、また、前述したように、磁気分離装置内で導管の位置を合わせるように構成された位置合わせガイド402を有する。導管400は、また、所望により、流体貯蔵槽又は流体移送チューブに連結されてもよい2つのポート403,404を有する。
図5(a)は、本開示の実施の形態に係る磁気分離装置の上面視の写真である。図5(b)は、本開示の実施の形態に係る磁気分離装置内の磁場ガイド間で位置が合わせられた導管の写真である。磁場ガイドの対向する頂縁間の隙間内で導管の位置が合わされる。磁気標識された生物学的成分又は化学成分を含む液体サンプルは、導管内を、磁場ガイドのテーパー頂縁に沿って流れる。磁場源により作り出される磁場及び磁場勾配は、流れているサンプルから、磁気標識と磁気標識成分とを引き寄せる。そして、磁気標識及び磁気標識成分は、磁場ガイドの頂縁の近位にある導管の内表面に引っ張られて該内面に保持される。従って、磁気標識と磁気標識成分とは、流れている溶液から分離されて導管内に保持される。溶液サンプルを導管内に流して、複数の磁気標識及び磁気標識成分を、流れている溶液から分離した後、磁場ガイド間の隙間から導管を取外し、そして、導管内の磁場は約ゼロになる。緩衝溶液を用いて、導管内に保持された磁気標識及び磁気標識成分を導管からフラッシングすることにより、磁気標識及び磁気標識成分を導管から回収することができる。
前述したように、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの実施の形態は、1つの圧力チャンバーを有してもよい。特定の場合において、圧力チャンバーとの動作関係で、圧力チャンバーの外で磁気分離装置の位置を合わせる。磁気分離装置は、圧力チャンバー内で磁場を作り出すように構成されてもよい。例えば、圧力チャンバー外で磁場源の少なくとも一部の位置を合わせるように、磁気分離装置の位置を合わしてもよい。いくつかの場合において、磁気分離装置は、磁場ガイド間に溝(channel)を有する。特定の実施の形態では、圧力チャンバーの外で磁場源の少なくとも一部の位置を合わせるが、溝は、圧力チャンバー内に向かって開放している。特定の例では、溝はサンプル容器の導管に嵌合して、磁場ガイド間で該導管の位置を合わせるように構成される。いくつかの場合において、磁場ガイド間の溝が圧力チャンバーの内側に向かって開放している一方で、圧力チャンバーの外側で磁場源の位置を合わせるように、磁気分離装置を圧力チャンバーに装着する。これらの実施の形態では、圧力チャンバーと磁気分離装置との間の嵌合表面は、本開示の実施の形態に従って本明細書に記載されるように、圧力チャンバーが加圧可能になるように、圧力チャンバーと磁気分離装置との間の嵌合表面を、合わせてシールするか、又は、取外せないように互いに装着してもよい。
他の実施の形態では、圧力チャンバーの壁、例えば、圧力チャンバーの底面又は側壁は、磁気分離装置の溝に嵌合するように構成される。例えば、圧力チャンバーの壁は、圧力チャンバーの壁の一部が、磁気分離装置の溝内に嵌合して、磁気分離装置の磁場ガイド間で導管の位置を合わせるように、磁気分離装置のチャネルの形状に相補的な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、磁気分離装置は、圧力チャンバー内に露出されていないが、依然として、本明細書に記載されるように、圧力チャンバー内で十分な強度の磁場を作り出して、磁気標識サンプル成分を非磁気標識成分から分離するように構成される。
図6は、圧力チャンバーの外側で位置が合わされた磁気分離装置を有するフローサイトメトリーサンプル流体サブシステム600の実施の形態を示している。圧力チャンバー601は、加圧ガスで圧力チャンバー601を加圧するためのガス入口602を有する。圧力チャンバー601は、また、カバー603を有する。カバー603を介して、柔軟なサンプル容器620を圧力チャンバー601に挿入したり、圧力チャンバー601から抜き出したりする。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム600は、また、圧力チャンバー601の外側で位置が合わされて圧力チャンバー601に装着された磁気分離装置604を有する。磁気分離装置604は、圧力チャンバー601の内側で磁場を作り出すように構成される。磁気分離装置604は、圧力チャンバー601の内側に開放している磁場ガイド間の溝を有する。ここで、溝は、柔軟なサンプル容器620の導管606に装着された位置合わせガイド607に嵌合して、磁気分離装置604内で導管606の位置を合わせるように構成される。磁気分離装置604は、圧力チャンバー601に対して実質的に気密なシールを形成してもよい。気密なシールを形成することを容易にするため、圧力チャンバー601と磁気分離装置604との間にガスケット613が設けられてもよい。柔軟なサンプル容器620は、また、流体貯蔵槽605と、流体貯蔵槽605に流体的に連結された1つ以上の入口ポート又は出口ポート、例えば、ポート611及びポート612とを有する。更に、柔軟なサンプル容器620は、導管606の下流端に連結された流体移送チューブ608を有する。更に、流体移送チューブ608は、流体移送チューブ608に装着されたチェックバルブの少なくとも一部(例えば、ボール609)を有してもよい。前述したように、圧力チャンバー601は、ボールチェックバルブとして構成されている出口610を有する。ボールチェックバルブのボール609は、流体移送チューブ608の周りに装着されている。出口610で位置が合わされたボール609を示して、閉位置でのボールチェックバルブを例示している。
フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの態様は、2つ以上の圧力チャンバーを有する構成を含む。例えば、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの実施の形態は、2つの圧力チャンバーを有してもよい。いくつかの例では、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、柔軟なサンプル容器の流体貯蔵槽を収容する第1の圧力チャンバー(例えば、サンプル容器圧力チャンバー)と、磁気分離装置に動作可能に連結される柔軟なサンプル容器の一部を収容する第2の圧力チャンバーとを有する。磁気分離装置は、第2の圧力チャンバーの内側に磁場を作り出すように構成されてもよい。例えば、磁気分離装置は、第2の圧力チャンバーの内側で位置が合わせられた磁気分離装置に動作可能に連結されている柔軟なサンプル容器の一部の近位に磁場を作り出すように構成されてもよい。柔軟なサンプル容器を収容する第1の圧力チャンバーは、加圧ガスを中に入れるためのガス入口と、第1の圧力チャンバーの内側にアクセスするために開けられてもよいカバーとを用いて、前述したように構成されてもよい。特定の場合において、第1の圧力チャンバーは、導管を介して第2の圧力チャンバーに連結される。例えば、第1及び第2の圧力チャンバーは、高圧ガス導管を介して連結されてもよい。高圧ガス導管は、ガスが第1及び第2の圧力チャンバー間を流れることが可能であるように構成されてもよい。これにより、第1及び第2の圧力チャンバー内の圧力が略同一となる。例えば、第1の圧力チャンバーが高圧ガスで加圧された場合、導管は、第2の圧力チャンバーが第1の圧力チャンバーと圧力を等しくすることを可能にする。これにより、第1及び第2の圧力チャンバーの圧力が略同一になるであろう。特定の例では、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、また、第1の端で第1の圧力チャンバーに連結されて、第2の端で第2の圧力チャンバーに連結される高圧流体移送導管を有する。いくつかの実施の形態では、高圧流体移送チューブは、柔軟なサンプル容器の流体移送チューブを含むように構成される。例えば、高圧流体移送チューブは、第1の圧力チャンバー内の柔軟なサンプル容器の貯蔵槽から、第2の圧力チャンバー内の磁気分離装置内で位置が合わされた導管まで延在する流体移送チューブの一部を含んでもよい。高圧流体移送チューブは、亀裂、原形からの変形等のような重大な構造変化を何ら伴うことなく、圧力チャンバー内で高圧を維持しることが可能な任意の便利な材料で作られてもよい。いくつかの例では、高圧流体移送チューブは、ステンレス鋼等の金属で作られる。
図7は、2つの圧力チャンバー、即ち、第1の圧力チャンバー(例えば、サンプル流体圧力チャンバー)と、磁気分離装置を収容する第2の圧力チャンバーとを有するフローサイトメトリーサンプル流体サブシステム700の実施の形態を示している。第1の圧力チャンバー701は、加圧ガスで圧力チャンバーを加圧するためのガス入口702を有する。第1の圧力チャンバー701は、また、カバー703を有する。カバー703を介して、柔軟なサンプル容器705を圧力チャンバー701に挿入したり、圧力チャンバー701から抜き出したりする。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム700は、また、第2の圧力チャンバー710内で位置が合わせられた磁気分離装置711を有する。第1の圧力チャンバー701及び第2の圧力チャンバー710は、ガスが第1の圧力チャンバー701及び第2の圧力チャンバー710との間を流れることが可能となるように、高圧ガス導管708によって連結されている。これにより、第1の圧力チャンバー701及び第1の圧力チャンバー710内のガス圧力は略同一である。柔軟なサンプル容器705は、第1の圧力チャンバー701内に収容され、流体貯蔵槽706と流体移送チューブ707とを有する。流体移送チューブ707は、サンプル流体を、流体貯蔵槽706から第2の圧力チャンバー710内の磁気分離装置711に運ぶように構成される。更に、流体移送チューブ707は、流体移送チューブ707に装着されたチェックバルブの少なくとも一部(例えば、ボール704)を有してもよい。特定の実施の形態では、第1の圧力チャンバー701及び第2の圧力チャンバー710は、また、流体移送チューブ707を含むように構成された高圧流体導管709により連結される。流体移送チューブ707の下流端は、1つ以上の位置合せガイド716を利用して磁気分離装置711内で位置が合わせられた導管712に連結されてもよい。使用中、ガス入口702を介して中に入れられた加圧空気は、(高圧ガス導管708を介して)第1の圧力チャンバー701及び第2の圧力チャンバー710を加圧する。これにより、サンプル流体を流体貯蔵槽706から流体移送チューブ707内へ流す。そして、サンプル流体は、磁気分離装置711内で位置が合わされた導管712内を流れる。第2の圧力チャンバーは、また、カバー713と、1つ以上のチェックバルブ714,715とを有してもよい。
図7に描かれている磁気分離装置は第2の圧力チャンバー内に示されているが、他の実施の形態が考えられる。例えば、前述したように、磁気分離装置は、第2の圧力チャンバーの外側に位置が合わされて、圧力チャンバーの内側に磁場を作り出すように構成されてもよい(例えば、図6参照)。
特定の実施の形態では、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、洗浄流体サブシステムを有する。洗浄流体サブシステムは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム内に洗浄流体の流れを供給するように構成されてもよい。特定の例では、洗浄流体サブシステムは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに無菌洗浄流体を供給するように構成される。無菌洗浄流体サブシステムの態様は、本明細書に記載のフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと同様である。例えば、無菌洗浄流体サブシステムは、洗浄流体圧力チャンバーを有してもよい。一定量の洗浄流体を含むように構成された柔軟な洗浄流体容器は、洗浄流体圧力チャンバー内に設けられてもよい。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと同様に、洗浄流体圧力チャンバーは、洗浄流体圧力チャンバー内の圧力を上昇させることによって、洗浄流体の流れを供給して、洗浄流体を柔軟な洗浄流体容器からフローサイトメトリーサンプル流体サブシステム中へ流すように構成されてもよい。
特定の実施の形態では、洗浄流体サブシステムは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムから独立したサブシステムであり、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに流体的に連結された単独の洗浄流体圧力チャンバーを有する。他の実施の形態では、洗浄流体サブシステムは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに組み込まれる。例えば、柔軟な洗浄流体容器は、柔軟なサンプル流体容器と同一の圧力チャンバー内に設けられてもよい。サンプル流体及び洗浄流体の流れをフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの内に方向付けて制御するために、1つ以上の流体移送チューブ及び1つ以上のバルブを用いてもよい。アッセイ条件に好適な任意のタイプのバルブ、例えば、限定されるものではないが、ピンチバルブ、ストップコック、ニードルバルブ、ボールバルブ等を用いてもよい。洗浄流体サブシステムがフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに組み込まれている実施の形態の一例は、図9(a)に示されている。
図9(a)に示されるように、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム900は、柔軟な洗浄流体容器902と柔軟なサンプル流体容器903とを収容する圧力チャンバー901を有する。柔軟な洗浄流体容器902は、洗浄流体を運ぶように構成された洗浄流体移送チューブ904に流体的に結合され、柔軟なサンプル流体容器903は、サンプル流体を運ぶように構成されたサンプル流体移送チューブ905に流体的に連結される。洗浄流体移送チューブ904は、洗浄流体の流れを磁気分離装置908へ制御するように構成された洗浄流体バルブ907を有してもよい。サンプル流体移送チューブ905は、サンプル流体の流れを磁気分離装置908へ制御するように構成されたサンプル流体バルブ906を有してもよい。洗浄流体移送チューブ904とサンプル流体移送チューブ905とは、磁気分離装置908内での磁気分離用として構成された導管の上流で、例えば、Y接合部で互いに流体的に連結されてもよい。導管の下流に、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム900は、導管の下流端に流体的に連結された非標識成分移送チューブ909と、導管の下流端に流体的に連結された標識成分移送チューブ910とを有してもよい。非標識成分移送チューブ909と標識成分移送チューブ910とは、導管の下流で、例えば、Y接合部で互いに流体的に連結されてもよい。非標識成分移送チューブ909は、非標識成分流体の流れを、非標識成分捕集容器914へ制御するように構成された非標識成分流体バルブ911を有してもよい。標識成分移送チューブ910は、標識成分流体の流れを、標識成分捕集容器913へ制御するように構成された標識成分流体バルブ912を有してもよい。図9(a)に描かれているフローサイトメトリーサンプル流体サブシステム900の実施の形態の動作に関する追加の態様は、図9(b)〜図9(d)に示され、更に詳細に後述される。
フローサイトメトリーシステム
本開示の態様は、また、フローサイトメトリーシステムを含む。フローサイトメトリーシステムは、前述したフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムを有する。更に、フローサイトメトリーシステムは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに流体的に結合されたフローサイトメーターを有する。例えば、フローサイトメーターは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと流体連通して、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの下流で位置が合わされてもよい。以上に概説したように、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、サンプル流体中の磁気標識成分を分離するように構成されてもよい。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムは、分離された磁気標識成分を、フローサイトメーター等の1つ以上の下流の装置に供給するように構成されてもよい。いくつかの例では、フローサイトメーターは、磁気標識成分を分析して、磁気標識成分に関する情報を判断するように構成されてもよい。例えば、フローサイトメーターは、磁気分離装置により保持された磁気標識成分の数をカウントするように構成されてもよい。いくつかの例では、フローサイトメーターは、磁気標識成分を選別するように構成されてもよい。
特定の実施の形態では、システムは、シース流体サブシステムを有する。シース流体サブシステムは、シース流体の流れをフローサイトメーターに供給するように構成されてもよい。特定の例では、シース流体サブシステムは、無菌シース流体をフローサイトメーターに供給するように構成されてもよい。無菌シース流体サブシステムの態様は、本明細書に記載のフローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと同様である。例えば、無菌シース流体サブシステムは、シース流体圧力チャンバーを有してもよい。一定量のシース流体を含有するように構成された柔軟なシース流体容器は、圧力チャンバー内に設けられてもよい。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと同様に、シース流体圧力チャンバーは、シース流体圧力チャンバー内の圧力を増加させることによって、シース流体の流れを供給して、シース流体を柔軟なシース流体容器からフローサイトメトリーシステム中へ流すように構成されてもよい。シース流体圧力チャンバー及び柔軟なシース流体容器の追加の態様は、ジャヤシンゲ,S.M.(Jayashinghe, S. M.)他,サイトメトリー パートB(臨床サイトメトリー)(Cytometry Part B (Clinical Cytometry)),70B:344−354(2006)で見いだされる。
本開示に係るシステムの実施の形態は、また、濃縮器(例えば、粒子濃縮装置)を含んでもよい。濃縮器は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムに流体的に連結されてもよい。例えば、濃縮器は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムと流体連通しており、該フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの下流に配置されてもよい。特定の実施の形態では、濃縮器は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム及びフローサイトメーターと直列に配置される。例えば、濃縮器は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムとフローサイトメーターとの間に配置されてもよい。いくつかの例では、濃縮器は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの磁気濃縮装置からの溶出液中の磁気標識成分の濃度を上昇させるように構成される。濃縮器は、任意のタイプの濃縮器であってもよく、いくつかの実施の形態では、音波濃縮器である。
本開示に係るシステムの態様は、また、1つ以上の追加の粒子分析装置を含んでもよい。粒子分析装置は、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの下流に配置されてもよく、特定の例では、濃縮器の下流又はフローサイトメーターの下流に配置されてもよい。粒子分析装置は、分離された磁気標識成分を分析して、磁気標識成分の1つ以上の物理的及び/又は化学的性質、例えば、限定されるものではないが、蛍光、質量、電荷、化学組成、UV吸収、赤外吸収、光散乱、それらの組合せ等を判断するように構成されてもよい。特定の実施の形態では、粒子分析装置は、質量分析計、電気泳動装置、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)装置、UV分光計、赤外線分光計等を有する。
本開示に係るシステムは、磁気分離アッセイ、及び/又は、分離された磁気標識成分の任意の後続の分析(例えば、フローサイトメトリー)の性能を向上させることが可能な他のサポート装置、及び/又は追加の素子を更に有してもよい。例えば、システムは、磁気分離装置、濃縮器、フローサイトメーター等を制御するようにプログラムされたコンピューターを更に有してもよい。システムは、また、システムを通るサンプル溶液及び/又は緩衝液の流れを供給するように構成された流体取扱い素子(例えば、ポンプ、真空源、流体貯蔵槽、バルブ、入口、出口等)と、磁気分離装置に関連付けられた追加の素子(例えば、磁場源及び磁場ガイドの位置を合わせるように構成されたモーター)と、濃縮器と、フローサイトメーターとを有してもよい。
システムは、一般的には、1つ以上の磁気分離装置を制御するように構成されたプロセッサーを有してもよい。これらの2つの素子は、単一の装置として同一の製造物品に組み込まれてもよく、又は、(例えば、システムとして)2つ以上の異なる装置に分配されてもよい。ここで、2つ以上の異なる装置は、例えば、有線又は無線の通信プロトコルを介して、互いに通信している。
従って、本開示の態様は、前述したように、サンプル中の磁気標識成分を分離するように構成されているシステム、例えば、コンピューターベースのシステムを更に含む。「コンピューターベースのシステム」は、本発明に係る情報を分析するために使用されるハードウェア、ソフトウェア及びデータ記憶装置をいう。コンピューターベースのシステムの実施の形態における最小ハードウェアは、中央処理装置(CPU)(例えば、プロセッサー)、入力装置、出力装置及びデータ記憶装置を含む。現在入手可能なコンピューターベースのシステムは、いずれも、本明細書に開示された実施の形態で使用するのに好適でありうる。データ記憶装置は、前述の本情報の記録媒体を含む任意の製造物、又は、そのような製造物にアクセス可能なメモリーアクセス手段を有してもよい。例えば、主題のシステムの実施の形態は、以下の素子を有してもよい
(a)例えば、ユーザーコンピューター又はワークステーションを介して、システムと1つ以上のユーザーとの間で行われる情報伝達を容易にする通信モジュール
(b)磁気標識成分の分析に関与する1つ以上のタスクを行う処理モジュール
更に、本開示に係るシステムは、多くの追加の素子、例えば、データ出力装置、データ入力装置、流体取扱い素子、電源等を有してもよい。データ出力装置は、例えば、モニター、プリンター及び/又はスピーカーである。データ入力装置は、例えば、インターフェースポート、マウス、キーボード等である。
図8は、本開示の実施の形態に係る、圧力チャンバー内の磁気分離装置と、音波濃縮器と、フローサイトメーターとを有するシステムの概略図を示している。前述したように、システムは、圧力チャンバー800内に磁気分離装置を有する(追加説明に関しては図1参照)。図8に示されるように、圧力チャンバー800内の磁気分離装置と、音波濃縮器810と、フローサイトメーター820とは、磁気分離装置の流体出口が音波濃縮器810の流体入口と流体連通して、音波濃縮器810の流体出口がフローサイトメーター820のサンプル入口と流体連通するように、直列に配置される。また、図8には、音波濃縮器810用の廃棄物貯蔵槽830と、フローサイトメーター820用のシース流体貯蔵槽840が示されている。圧力チャンバー800の磁気分離装置と、音波濃縮器810と、フローサイトメーター820とを直列に配置することは、単一の総合システムで対象の成分の分離、濃縮及び分析を容易にする。
方法
本開示の態様は、磁気標識サンプル成分の無菌分離のための方法を含む。そのようなものとして、サンプル中の磁気標識成分を無菌で分離する方法を提供する。サンプル流体を無菌環境に維持しながら、磁気標識成分を、サンプルの他の成分、例えば、非磁気標識成分(例えば、磁気標識を関連付けられていない成分)から分離してもよい。
特定の実施の形態では、本方法は、柔軟なサンプル容器の導管を磁気分離装置に動作可能に連結することを有する。いくつかの場合において、柔軟なサンプル容器は、導管に流体的に連結され、かつ、一定量の流体を含有するように構成された流体貯蔵槽を有する。特定の実施の形態では、柔軟なサンプル容器は、圧力チャンバーの開口を介して圧力チャンバーの中に配置される。本明細書に記載されているように、圧力チャンバーは、磁気分離装置と動作関係にあってもよい。特定の例では、本方法は、磁気分離装置内で導管の位置を合わせることを有する。いくつかの場合において、ユーザーは、導管が装置の磁場ガイド間に配置されるように、装置内で導管の位置を合わせる。導管の位置を合わせることは、導管の長手方向の軸が磁気分離装置の長手方向の軸に略平行となるように、導管を配置することを含んでもよい。例えば、導管の位置を合わせることは、導管の長手方向の軸が磁場ガイドの長手方向の軸(例えば、第1の磁場ガイドの長手方向の軸及び第2の磁場ガイドの長手方向の軸)に略平行となるように、導管を配置することを含んでもよい。特定の実施の形態では、位置合わせは、フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムにより自動的に行われる。例えば、サブシステムは、ユーザーの介在なしに、磁気分離装置内で導管の位置を合わせるようにプログラムされてもよい。いくつかの場合において、装置は、導管の長手方向の軸が磁場ガイドの長手方向の軸(例えば、第1の磁場ガイドの長手方向の軸及び第2の磁場ガイドの長手方向の軸)に略平行となるように、導管を自動的に配置する。
特定の実施の形態では、本方法は、対象の標的成分を含むサンプルを流体貯蔵槽内に加えることを有する。例えば、いくつかの場合において、流体、例えば、限定されるものではないが、緩衝液、シース流体等を含有している柔軟なサンプル容器を提供する。柔軟なサンプル容器は、サンプルを何ら含むことなく提供されてもよい。いくつかの場合において、アッセイを行う前に、柔軟なサンプル容器にサンプルを加える。例えば、磁気分離アッセイを行う直前に、サンプル容器にサンプルを加えてもよい。そのようなものとして、本方法の実施の形態は、流体貯蔵槽に圧力をかけて流体を磁気分離装置内に運ぶ前に、標的成分を含むサンプルを、柔軟なサンプル容器の流体貯蔵槽に加えることを含んでもよい。流体貯蔵槽内の流体を無菌で維持することを容易にするため、サンプルを流体貯蔵槽に加えることは、サンプル流体又は流体貯蔵槽内の流体が周囲環境に実質的に接触することができないように、サンプル流体を流体貯蔵槽に加えることを含んでもよい。例えば、流体貯蔵槽のシール構成を有意に損なうことなく、サンプル流体を流体貯蔵槽に加えてもよい。いくつかの場合において、流体貯蔵槽のポート(例えば、入口)を介して、サンプルを含有する溶液を流体貯蔵槽の中に加える。例えば、磁気分離装置を用いてサンプル流体を分析する前に、サンプル溶液を流体貯蔵槽の中に注入してもよい。
本明細書に開示された方法の態様は、磁気分離アッセイを行う前に(例えば、サンプルに磁場を加える前に)サンプル中の1つ以上の標的成分に磁気標識を装着することを更に含んでもよい。そのようなものとして、本方法は、磁気分離アッセイを行う前に、サンプル中の1つ以上の成分を磁気的に標識化することを有してもよい。磁気標識は、前述したように非共有結合相互作用又は共有結合相互作用を介して、対象の成分(複数可)に安定に関連付けられてもよい。例えば、磁気標識は、分子の結合対間の結合相互作用を介して、対象の成分に関連付けられてもよい。サンプル流体を無菌状態に維持することを容易にするため、磁気標識を標的成分に装着する方法は、サンプル流体が周囲環境に実質的に接触することができない状態で、磁気標識を標的成分に接触させることを有してもよい。例えば、流体貯蔵槽のシール構成を有意に損なうことなく、サンプル流体を含有する流体貯蔵槽に磁気標識を加えてもよい。いくつかの場合において、流体貯蔵槽のポート(例えば、入口)を介して、磁気標識を含有する溶液を流体貯蔵槽の中に加える。例えば、磁気分離装置を用いてサンプル流体を分析する前に、磁気標識溶液を流体貯蔵槽に注入してもよい。
柔軟なサンプル容器を圧力チャンバー内に配置した後、本方法は、圧力チャンバーの開口を閉じることにより、例えば、シール可能なカバーで開口を閉じることにより、圧力チャンバーをシールすることを有してもよい。
本方法の実施の形態は、流体貯蔵槽に圧力をかけてサンプル流体を流体貯蔵槽から磁気分離装置に運ぶことを更に含む。特定の実施の形態では、流体貯蔵槽に圧力をかけることは、ガスで圧力チャンバーを加圧することを含む。引き込んだ加圧ガスからの圧力が流体貯蔵槽を圧搾したとき、圧力チャンバー内の圧力は、流体を流体貯蔵槽から導管内へ流し、流体を流体貯蔵槽の外へ出す。いくつかの場合において、流体貯蔵槽に圧力をかけることは、圧力チャンバー内の圧力を、25psi以上の圧力に上昇させることを含む。25psi以上は、例えば、50psi以上又は75psi以上であり、100psi以上又は125psi以上を含み、例えば150psi以上である。前述したように、流体貯蔵槽は、周囲環境との接触から実質的にシールされてもよい。これらの場合において、サンプル流体自体にではなく流体貯蔵槽に圧力をかけることは、サンプル流体が周囲ガス又は周囲環境に接触することがないので、サンプル流体の無菌性を維持することを容易にする。
本方法の態様は、流体に磁場を加えることを更に含む。いくつかの例では、流体は導管内を流れるサンプル溶液を含むので、本方法は、導管内を流れるサンプルに磁場を加えることを有する。特定の例では、本方法は、サンプル中の非磁気標識成分から磁気標識成分を分離するために十分な磁束を持つ磁場を加えることを有する。サンプルが導管内を流れているときに連続的に磁場を加えてもよいし、パルス印加で非連続的に磁場を加えてもよい。特定の実施の形態では、磁場源は、前述したように永久磁石であるので、磁場は、サンプルが導管内を流れているときに連続的にサンプルに加えられる。
特定の実施の形態では、本方法は、磁場から離して導管の位置を合わせることを有する。導管上に加えられる外部場が略ゼロになるように、磁場から離して導管の位置を合わせてもよい。導管を磁気分離装置から取外すことにより、例えば、磁気分離装置を収容する圧力チャンバーから導管を取外すことにより、磁場から離して導管の位置を合わせることを達成してもよい。例えば、磁場ガイド間の位置から導管を取外して、磁場源及び磁場ガイドから離れた位置に導管を移動させてもよい。磁場から離して導管の位置を合わせることは、アッセイ中に導管内に保持された任意の磁気標識成分の後続の回収を容易にする。特定の例では、磁場から離して導管の位置を合わせることは、ユーザーにより手動で行われてもよい。他の実施の形態では、上記したように、磁場から離して導管の位置を合わせることは、(例えば、ユーザーの介在なしに)サブシステムにより自動的に行われてもよい。
特定の実施の形態では、磁場から離して導管の位置を合わせた後、導管から磁気標識成分を洗い流すことにより、導管内に保持された磁気標識成分を回収してもよい。例えば、緩衝液又は他の適合性溶液を導管内に流して導管から磁気標識成分をフラッシングする(例えば、洗い流す)ことにより、磁気標識成分を回収してもよい。あるいは、遠心分離、真空適用、ポンプ移送、それらの組合せ等により、磁気標識成分を導管から回収してもよい。
本明細書に開示された方法の態様は、回収された磁気標識成分を濃縮することを更に含んでもよい。本明細書に記載の磁気分離アッセイを行った後、前述したように、導管から磁気標識成分を洗い流すことにより、磁気分離アッセイ中に導管内に保持された磁気標識成分を導管から回収してもよい。特定の実施の形態では、導管から洗い流された溶液中の磁気標識成分の濃度を上昇させることが望ましい可能性がある。従って、本方法は、導管から洗い流された溶液中の磁気標識成分を濃縮すること(例えば、該磁気標識成分の濃度を上昇させること)を有してもよい。磁気標識成分を濃縮することは、磁気標識成分を含有する導管から洗い流された溶液を濃縮装置内に通すことを含んでもよい。例えば、濃縮装置は、限定されるものではないが、音波濃縮器を有してもよい。音波濃縮器の更なる説明は、米国特許第6,929,750号明細書(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に見いだされる。
本開示に係る方法の態様は、分離された磁気標識成分を分析することを更に含んでもよい。特定の例では、磁気標識成分は、前述したように、サンプル中の非磁気標識成分から分離されてから分析される。そのようなものとして、本方法は、磁気分離装置からの溶出液中の磁気標識成分を分析することを有してもよい。特定の実施の形態では、本方法は、磁気標識成分を分析して磁気標識成分に関する情報を判断することを含む。例えば、磁気標識成分を分析することは、磁気分離装置により保持された磁気標識成分の数をカウントすることを含んでもよい。いくつかの例では、分析することは、磁気標識成分を選別することを含む。例えば、本方法は、フローサイトメトリー装置を用いて磁気標識成分をカウント及び/又は選別することを有してもよい。特定の場合において、磁気標識成分を分析することは、磁気標識成分の1つ以上の物理的及び/又は化学的性質、例えば、限定されるものではないが、蛍光、質量、電荷、化学組成、UV吸収、赤外吸収、光散乱、それらの組合せ等を判断することを含む。
前述したように、本方法の特定の実施の形態は洗い流し工程を含む。例えば、保持された磁気標識成分から離して非磁気標識成分を溶出するため、磁気分離中に導管内に保持された磁気標識成分を洗い流してもよい。磁気標識成分の後続の回収中、本方法は、前述したように導管から磁気標識成分を溶出する後続の洗い流し工程を更に有してもよい。
図9(a)〜図9(d)は、総合洗浄流体サブシステムを有するフローサイトメトリーサンプル流体サブシステム900の概略図を示している。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステムの態様は、図9(a)に示され、前述されている。フローサイトメトリーサンプル流体サブシステム900は、柔軟な洗浄流体容器902と柔軟なサンプル流体容器903とを収容する圧力チャンバー901を有する。使用中、サンプル流体バルブ906を開けて、加圧ガスで圧力チャンバーを加圧する。これにより、サンプル流体を、サンプル流体容器903から、サンプル流体移送チューブ905を介して、磁気分離装置908に流す。洗浄流体バルブ907は閉位置である。これにより、洗浄流体が洗浄流体容器902から洗浄流体移送チューブ904内を流れることが防止される。サンプル流体は、磁気標識サンプル成分と非標識サンプル成分との混合物915を含む(例えば、図9(b)の左側の挿入図参照)。サンプルが磁気分離装置908内を流れているとき、磁気標識成分は磁気分離装置908内に保持され、非標識サンプル成分916は磁気分離装置908内を流れる(例えば、図9(b)の右側の挿入図参照)。磁気分離装置908を通過する非標識サンプル成分916は、非標識成分移送チューブ909を介して、非標識成分捕集容器914に流れる。この段階では、非標識成分流体バルブ911は開位置であるので、非標識サンプル成分916が非標識成分捕集容器914に流れることが可能である一方で、標識成分移送チューブ910の標識成分流体バルブ912は閉位置であるので、標識成分捕集容器913へのいずれの流体の流れも防止される。
アッセイの次の段階では、図9(c)に示されるように、磁気分離装置908内での磁気標識サンプル成分917の保持と、非標識成分捕集容器914内での非標識サンプル成分916の捕集とは終了している。洗浄流体で、磁気分離装置908内に保持された磁気標識サンプル成分917を洗い流してもよい。洗い流し工程中、洗浄流体バルブ907は開かれ、圧力チャンバー901内の加圧ガスは、洗浄流体を、洗浄流体容器902から、洗浄流体移送チューブ904を介して磁気分離装置908に流す。サンプル流体バルブ906は閉位置である。これにより、サンプル流体がサンプル流体移送チューブ905内に流れること防止し、かつ、洗浄流体がサンプル流体移送チューブ905を介してサンプル流体容器903に逆流することを防止する。洗浄流体は、磁気分離装置908における導管内を流れて、磁気分離装置908内に保持された磁気標識サンプル成分917から残留非標識サンプル成分を洗い流す。非標識成分移送チューブ909の非標識成分流体バルブ911は開位置であるので、洗浄流体が非標識成分捕集容器914に流れることが可能である一方で、標識成分移送チューブ910の標識成分流体バルブ912は閉位置であるので、標識成分捕集容器913へのいずれの流体の流れも防止される。
洗浄工程後、磁気分離装置908内に保持された磁気標識サンプル成分917を、図9(d)に示されるように、捕集してもよい。捕集工程中、磁気分離装置908により作り出された磁場から離して、磁気標識サンプル成分917を含有する導管920の位置を合わせる。これにより、導管920から標識成分捕集容器913内への磁気標識サンプル成分の溶出を容易にする。捕集工程中、洗浄流体バルブ907は開位置であり、圧力チャンバー901内の加圧ガスは、洗浄流体を、洗浄流体容器902から洗浄流体移送チューブ904内と、導管920内とに流す。サンプル流体バルブ906は閉位置である。これにより、サンプル流体がサンプル流体移送チューブ905内を流れることを防止し、かつ、洗浄流体がサンプル流体移送チューブ905を介して、サンプル流体容器903に逆流することを防止する。洗浄流体は、導管920内を流れて、導管920の外に標識サンプル成分917を溶出する。標識成分移送チューブ910の標識成分流体バルブ912は開状態であるので、標識サンプル成分917が標識成分捕集容器913に流れることが可能である。非標識成分移送チューブ909の非標識成分流体バルブ911は閉位置にある。これにより、標識サンプル成分917が非標識成分捕集容器914に流れることを防止する。
前述した方法は、柔軟なサンプル容器と磁気分離装置とを収容する1つの圧力チャンバーを含む実施の形態に関するが、本明細書に開示された方法は、また、前述したように、柔軟なサンプル容器の流体貯蔵槽を収容する第1の圧力チャンバーと、第1の圧力チャンバーに連結されて、磁気分離装置に動作可能に連結される柔軟なサンプル容器の導管を収容する第2の圧力チャンバーとを含む実施の形態に適用されてもよい。
前述したように、柔軟な洗浄流体容器は、柔軟なサンプル容器と流体連通していてもよい。実施の形態は、洗浄流体移送チューブとサンプル流体移送チューブとが、磁気分離導管の上流で、例えば、Y接合部で互いに流体的に連結された構成を含む。例えば、図10は、洗浄流体容器1000の洗浄流体移送チューブ1020が、柔軟なサンプル流体容器1010のサンプル流体移送チューブ1030に流体的に連結された実施の形態を示している。洗浄流体移送チューブ1020は、Y接合部1080でサンプル流体移送チューブ1030に流体的に連結される。Y接合部1080は、また、洗浄流体移送チューブ1020とサンプル流体移送チューブ1030とを、磁気分離装置1050内の導管1090に流体を方向付ける下流流体移送チューブ1040に連結する。前述したように、システムを通る流体の流れを方向付けて制御するため、洗浄流体バルブ(図示せず)は洗浄流体移送チューブ1020に設けられてもよく、サンプル流体バルブ(図示せず)はサンプル流体移送チューブ1030に設けられてもよい。洗浄流体容器1000及びサンプル流体容器1010夫々は、緩衝液、試薬、サンプル等の取り除き及び/又は追加のために、ポート1060及び1070を有してもよい。
他の実施の形態では、例えば、図11に示されるように、洗浄流体容器は、柔軟なサンプル容器の貯蔵槽に流体的に連結されてもよい。図11は、洗浄流体容器1100の洗浄流体移送チューブ1120が、サンプル流体容器1110の貯蔵槽に流体的に連結された実施の形態を示している。洗浄流体移送チューブ1120はサンプル流体容器1110の頂部に連結される。これにより、いくつかの場合において、サンプル流体容器1110からサンプル流体移送チューブ1150内へのサンプル流体の洗い流しを容易にすることが可能である。サンプル流体移送チューブ1140は、サンプル流体及び/又は洗浄流体を磁気分離装置(図示せず)内の導管に方向付ける。前述したようにシステムを通る流体を制御するため、ピンチバルブ1130等の洗浄流体バルブは洗浄流体移送チューブ1120に設けられ、ピンチバルブ1150等のサンプル流体バルブはサンプル流体移送チューブ1140に設けられる。洗浄流体容器1100及びサンプル流体容器1110夫々は、緩衝液、試薬、サンプル等の取り除き及び/又は追加のため、ポート1160及び1170を有してもよい。更に、洗浄流体容器1100及びサンプル流体容器1110は、使用中、洗浄流体容器1100及びサンプル流体容器1110を、圧力チャンバー内に装着するように構成された装着要素を有してもよい。任意の便利な装着要素、例えば、ホール、スロット、フック、タブ等を用いてもよい。例えば、洗浄流体容器1100及びサンプル流体容器1110は、洗浄流体容器1100及びサンプル流体容器1110を、圧力チャンバー内で吊り下げるためのホール1180を有してもよい。
有用性
主題の装置、方法、システム及びキットは、サンプル中の非磁気標識成分から磁気標識成分を分離することが望ましい様々な異なる用途で利用を見いだす。本明細書に記載の装置、方法、システム及びキットを用いることによって、対象の成分を、磁気的に標識化して、(例えば、非磁気標識成分が導管内を流れている一方で導管内に保持することによって)非磁気標識成分から分離してもよい。他の実施の形態では、対象の成分を磁気的に標識化せず、サンプル中の対象外の他の成分を磁気的に標識化する。これらの実施の形態では、対象の非磁気標識成分は、装置により保持されずに導管内を流れる。ここで、対象の非磁気標識成分の捕集及び/又は更なる分析を行ってもよい。対象外の磁気標識成分は、導管内に保持されるので、対象の非磁気標識成分から分離される。
主題の装置、方法、システム及びキットの実施の形態は、サンプル流体中の非磁気標識成分からの磁気標識成分の無菌分離において、利用を見いだす。具体的には、実質的に無菌の環境中にサンプル流体を保持する一方で、サンプル流体中の対象の成分を標識化して分離するために、主題の装置、方法、システム及びキットを用いてもよい。導管内に保持される対象の磁気標識成分は、実質的に無菌の環境中に保持されて、それ自体は、後続の下流の分析装置に送られてもよい。いくつかの場合において、サンプルを無菌環境中に保持することは、サンプル中の成分の後続の処理又は使用、例えば、インビトロ(in vitro)細胞培養、インビボ(in vivo)動物移植、細胞タンパク質の回収等を容易にすることが可能である。いくつかの場合において、サンプル流体及び/又は対象の磁気標識成分は、磁気分離装置、濃縮装置及びフローサイトメーターの1つ以上による分析及び/又は処理を含む全プロセスを通じて、実質的に無菌の環境で維持される。
キット
また、前述した方法の1つ以上の実施の形態を実施するため、並びに/又は、前述した装置及びシステムの実施の形態と共に使用するためのキットが提供される。主題のキットは、種々の素子及び試薬を有してもよい。対象の試薬及び素子は、磁気分離装置又はその素子に関連して本明細書で言及した試薬及び素子を含み、限定されるものではないが、柔軟なサンプル容器、流体で予め充填された柔軟なサンプル容器、磁気標識(例えば、磁性ナノ粒子)、結合剤、緩衝液、シース流体、流体流れ導管(例えば、使い捨て可能な流体流れ導管)、流体移送チューブ、シリンジ等を含む。例えば、キットの実施の形態は、柔軟なサンプル容器と、対象の標的成分に対して特異的な磁気標識とを含んでもよい。磁気標識は、独立した容器内に提供されてもよい。例えば、磁気標識は、柔軟なサンプル容器から独立したシール容器内の無菌溶液中に提供されてもよい。
前述したように、柔軟なサンプル容器は、流体を含有するように構成された流体貯蔵槽と、流体貯蔵槽に流体的に連結された導管と、導管に装着されて導管を磁気分離装置に動作可能に連結するように構成された位置合わせガイドとを有する。いくつかの場合において、キットは、また、流体移送チューブを有する。流体移送チューブは、導管に取外し可能に連結できるように構成されてもよい。特定の実施の形態では、キットは、流体移送チューブに装着されるチェックバルブの少なくとも一部を更に有してもよい。例えば、キットは、流体移送チューブに装着されるボールチェックバルブのボールを有してもよい。
いくつかの例では、キットは、少なくとも、(例えば、前述したように)本方法で利用を見いだす試薬と、自身に記憶されているコンピュータープログラムを有するコンピューター可読媒体と、該コンピュータープログラムを取得するためのアドレスを有する物理的基盤とを有し、前記コンピュータープログラムは、コンピューターにロードされた場合に、前記コンピューターを作動させて本明細書に記載の磁気分離アッセイを行う。
以上の素子に加えて、主題のキットは、主題の方法を実施するための使用説明書を更に有してもよい。これらの使用説明書は、様々な形態で主題のキット中に存在してもよい。1つ以上の使用説明書は、キット中に存在してもよい。これらの使用説明書が存在してもよい一形態は、好適な媒体又は基板、例えば、情報が印刷された1枚以上の紙に、印刷情報として、キットの包装容器の中、添付文書の中等にある。更に他の手段は、情報が記録されたコンピューター可読媒体、例えば、CD、DVD、Blu−Ray(登録商標)、フラッシュメモリー等であろう。存在する可能性がある更に他の手段は、遠隔地でインターネットを介して情報にアクセスするために使用してもよいウェブサイトアドレスである。任意の便利な手段がキット中に存在してもよい。
以上の本発明は、理解を明確にすることを目的として図及び例を通して挙げてある程度詳細に説明されているが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の趣旨又は範囲から逸脱することなく、いくらかの変更及び修正を行うことが可能であることは容易にわかる。
従って、以上では、本発明の原理を単に例示しているにすぎない。当然のことながら、本明細書に明示的に説明も提示もされていないが、本発明の原理を具現化し、本発明の趣旨及び範囲に包含される種々の構成を、当業者であれば、考案することができるであろう。更に、本明細書に挙げられた全ての実施例及び条件語は、本発明の原理とその技術の促進に本発明者らが寄与した概念とを理解することにおいて読者を補助すること主に目的としており、そのような具体的に挙げられた実施例及び条件に限定されないとみなされるべきである。更に、本発明の原理、態様及び実施の形態だけでなく、その具体的な実施例も述べた本明細書の全ての記載は、それらの構造的及び機能的な均等物の両方を包含することが意図される。また、そのような均等物は、現在知られている均等物と、今後開発される均等物(即ち、構造にかかわらず同一の機能を発揮する任意の開発される要素)との両方を包含することを意図する。従って、本発明の範囲は、本明細書に提示されて説明された例示的な実施の形態に限定されるものではない。もっと正確に言えば、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲により具現化される。
関連出願の相互参照
米国特許法第119条第(e)項の規定に従って、本出願は、2011年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/578,785号明細書の出願日に基づく優先権を主張する。その出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。