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JP6178035B1 - 銅張積層板の製造方法 - Google Patents

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JP6178035B1
JP6178035B1 JP2017513163A JP2017513163A JP6178035B1 JP 6178035 B1 JP6178035 B1 JP 6178035B1 JP 2017513163 A JP2017513163 A JP 2017513163A JP 2017513163 A JP2017513163 A JP 2017513163A JP 6178035 B1 JP6178035 B1 JP 6178035B1
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Abstract

低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板の製造方法が提供される。この方法は、酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を用意する工程と、粗化処理銅箔の粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る工程とを含む。粗化処理面は、熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とする。

Description

本発明は、銅張積層板の製造方法に関するものである。
ファインピッチ回路の形成に適したプリント配線板銅箔として、酸化処理及び還元処理(以下、酸化還元処理と総称することがある)を経て形成された微細凹凸を粗化処理面として備えた粗化処理銅箔が提案されている。
例えば、特許文献1(国際公開第2014/126193号)には、最大長さが500nm以下の銅複合化合物からなる針状の微細凹凸で形成した粗化処理層を表面に備えた表面処理銅箔が開示されている。また、特許文献2(国際公開第2015/040998号)には、銅複合化合物からなる最大長さが500nm以下のサイズの針状の凸状部より形成された微細凹凸を有する粗化処理層と、当該粗化処理層の表面にシランカップリング剤処理層とを少なくとも一面に備えた銅箔が開示されている。これらの文献の粗化処理銅箔によれば、粗化処理層の微細凹凸によるアンカー効果により絶縁樹脂基材との良好な密着性を得ることができると共に、良好なエッチングファクターを備えたファインピッチ回路の形成が可能になるとされている。特許文献1及び2に開示される微細凹凸を有する粗化処理層はいずれも、アルカリ脱脂等の予備処理を行った後、酸化還元処理を経て形成されている。こうして形成される微細凹凸は銅複合化合物の針状結晶で構成される特有の形状を有するものであり、かかる微細凹凸を備えた粗化処理面は、微細銅粒の付着により形成された粗化処理面や、エッチングにより凹凸が付与された粗化処理面よりも概して微細である。
国際公開第2014/126193号 国際公開第2015/040998号
ところで、近年の携帯用電子機器等の高機能化に伴い、大量の情報の高速処理をすべく信号の高周波化が進んでおり、高周波用途に適したプリント配線板が求められている。このような高周波用プリント配線板には、高周波信号を品質低下させずに伝送可能とするために、伝送損失の低減が望まれる。プリント配線板は配線パターンに加工された銅箔と絶縁樹脂基材とを備えたものであるが、伝送損失は、銅箔に起因する導体損失と、絶縁樹脂基材に起因する誘電体損失とから主としてなる。したがって、絶縁樹脂基材に起因する誘電体損失を低減すべく、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いることができれば好都合である。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や液晶ポリマー(LCP)樹脂に代表されるような低誘電率の熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂とは異なり、化学的な活性が低く、それ故銅箔との密着力が低い。このため、熱可塑性樹脂と銅箔を用いて銅張積層板を製造するためには、熱可塑性樹脂と接合される銅箔の表面に、ある程度大きな表面粗さをもたらす粗化処理を施して樹脂との密着性を向上させている。しかしながら、導体損失を低減する観点からは、表面が平滑な銅箔が望まれるため、低粗度の銅箔を用いながら、銅箔と熱可塑性樹脂との密着性の向上を実現する手法が望まれる。
本発明者らは、今般、針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を有する粗化処理銅箔において、連続電気化学還元分析(SERA)によって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ所定の範囲内に制御することで、低誘電率の熱可塑性樹脂に対して高い密着性を実現できるとの知見を得た。その結果、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造することにある。
本発明の一態様によれば、銅張積層板の製造方法であって、
酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を用意する工程と、
前記粗化処理銅箔の前記粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る工程と、
を含み、前記粗化処理面は、前記熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とする、銅張積層板の製造方法が提供される。
銅張積層板の製造方法
本発明は、銅張積層板の製造方法に関する。本発明の方法は、(1)粗化処理銅箔を用意する工程と、(2)粗化処理銅箔の粗化処理面にシート状の熱可塑性樹脂を貼り付ける工程とを含む。粗化処理銅箔は、酸化銅(CuO)及び亜酸化銅(CuO)を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する銅箔である。そして、この粗化処理面は、熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とするものである。このように、針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を有する粗化処理銅箔において、連続電気化学還元分析(SERA)によって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御することで、低誘電率の熱可塑性樹脂に対して高い密着性を実現することができる。すなわち、前述のとおり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や液晶ポリマー(LCP)樹脂に代表されるような低誘電率の熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂とは異なり、化学的な活性が低く、それ故本来的には銅箔との密着力が低いものである。これは、酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸の表面はOH基が存在しやすいため親水性を呈するところ、熱可塑性樹脂は疎水性であるため、両者の親和性が乏しくなることによるものと考えられる。この点、本発明の方法によれば、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御して特有の酸化状態にしておき、その酸化状態の粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付ける。こうすることで、粗化処理銅箔の粗化処理面と熱可塑性樹脂との親和性を高められる結果、高い密着性、すなわち高い剥離強度を実現できるものと考えられる。その結果、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造することができる。
(1)粗化処理銅箔の用意
本発明の方法に用いる銅箔は粗化処理銅箔である。この粗化処理銅箔は少なくとも一方の側に粗化処理面を有する。粗化処理面は、酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備える。そして、この粗化処理面は、熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、好ましくは1〜18nm、より好ましくは2〜15nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであり、好ましくは20〜65nm、より好ましくは25〜40nmである。このSERA分析には、市販のSERA分析装置(例えばECIテクノロジー社製のQC−100)を用いて、例えば以下の手順で行うことができる。まず、分析のために粗化処理銅箔8.0mmの領域をO−リングガスケットで隔離し、ホウ酸緩衝液を注入し、窒素で飽和させる。上記領域に30μA/cmの電流密度Iを印加し、−0.40V〜−0.60Vに現れるCuO還元反応、及び−0.60V〜−0.85Vに現れるCuO還元反応にかかる時間を計測し、それぞれt及びt(秒)とする。CuO及びCuOの各々の厚さT(nm)はファラデーの法則から求まる定数Kを用い、T=K・I・tの式に基づき算出する。なお、CuOに関する定数Kの値は6.53×10−5(cm/A・sec)であり、CuOについてのKの値は2.45×10−4(cm/A・sec)である。
微細凹凸は、酸化還元処理を経て形成されうるものであり、典型的には、針状結晶が銅箔面に対して略垂直及び/又は斜め方向に生い茂った形状(例えば芝生状)に観察されるものである。針状結晶の高さ(すなわち針状結晶の根元から垂直方向に測定される高さ)は、50〜400nmであるのが好ましく、より好ましくは100〜400nm、さらに好ましくは120〜350nmである。上記のような範囲内の針状結晶高さであると、ファインピッチ回路形成や高周波用途により適したものとなる。特に、このように低粗度であると高周波信号伝送において問題となる銅箔の表皮効果を低減して、銅箔に起因する導体損失を低減し、それにより高周波信号の伝送損失を有意に低減することができる。
本発明の粗化処理銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1〜70μmが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。なお、本発明の粗化処理銅箔は、通常の銅箔の表面に粗化処理を行ったものに限らず、キャリア付銅箔の銅箔表面に粗化処理を行ったものであってもよい。
本発明の好ましい態様によれば、粗化処理銅箔は、粗化処理面に有機防錆層を有する。有機防錆層は特に限定されないが、トリアゾール化合物及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を含むのが好ましい。トリアゾール化合物の例としては、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾールが挙げられる。シランカップリング剤の例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ官能性シランカップリング剤、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性シランカップリング剤、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランカップリング剤、又はビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン等のビニル官能性シランカップリング剤、又は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル官能性シランカップリング剤、又は3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シランカップリング剤、又はイミダゾールシラン等のイミダゾール官能性シランカップリング剤、又はトリアジンシラン等のトリアジン官能性シランカップリング剤等が挙げられる。有機防錆層はトリアゾール化合物を含むのがより好ましく、トリアゾール化合物の好ましい例としてはベンゾトリアゾール(BTA)及びカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)が挙げられる。BTA、CBTA等のトリアゾール化合物を含む有機防錆層は、熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂である場合に特に好ましい。トリアゾール化合物がより好ましい理由としては次のことが挙げられる。トリアゾール化合物は粗化処理表面の亜酸化銅と銅錯体を形成することにより、通常の銅箔に形成した場合と比べ、表面により緻密に成分が付着するため、優れた防錆機能を発揮できると考えられる。そのため、粗化処理銅箔の長期保管時における酸化銅厚さ及び亜酸化銅厚さを上述した所定の範囲内に維持しやすくすることができる。また、高温等の過酷な環境下に曝された場合、トリアゾール化合物を含む有機防錆層により表面の微細凹凸が維持されるため、高い信頼性を維持することができると考えられる。
(2)熱可塑性樹脂の貼り付け
粗化処理銅箔の粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る。この熱可塑性樹脂の粗化処理銅箔への貼り付けは公知の銅張積層板の製造手順に従って行えばよく、特に限定されない。また、内層基板に熱可塑性樹脂を介して銅箔を貼り付ける手法も採用可能であり、この場合はいわゆるビルドアップ法等の公知の手法に従い行えばよい。いずれにしても、本発明の方法によれば、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御して特有の酸化状態にしておき、その酸化状態の粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付ける。こうすることで、粗化処理銅箔の粗化処理面と熱可塑性樹脂との親和性を高められる結果、高い密着性、すなわち高い剥離強度を実現できるものと考えられる。その結果、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造することができる。熱可塑性樹脂の粗化処理銅箔への貼り付けは、加熱しながらプレスすることにより行うのが好ましく、こうすることで熱可塑性樹脂を軟化させて粗化処理面の微細凹凸に入り込ませることができる。その結果、微細凹凸(特に針状結晶)の樹脂への食い込みによるアンカー効果により銅箔と樹脂との密着性を確保することができる。プレス時の温度は使用する熱可塑性樹脂の特性に応じて適宜決定すればよく特に限定されないが、好ましくは150〜500℃であり、より好ましくは180〜400℃である。プレス圧力も特に限定されないが、好ましくは1〜10MPaであり、より好ましくは2〜5MPaである。
シート状の熱可塑性樹脂は、カットされたシート片であってもよいし、ロールから引き出された長尺シートであってもよく、その形態は特に限定されない。熱可塑性樹脂の好ましい例としては、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、フッ素樹脂、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、シクロオレフィン(COP)、及びこれらの任意の組合せが挙げられる。望ましい誘電正接及び優れた耐熱性の観点から、熱可塑性樹脂のより好ましい例としては、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、フッ素樹脂、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。低誘電率の観点から、特に好ましい熱可塑性樹脂はフッ素樹脂である。フッ素樹脂の好ましい例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。
粗化処理銅箔はシート状の熱可塑性樹脂の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。シート状の熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂を含んでいればよく、他の材料をさらに含んでいてもよい。したがって、シート状の熱可塑性樹脂はプリプレグであってもよい。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸させた複合材料の総称である。また、熱可塑性樹脂は絶縁性を向上する等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等をさらに含んでいてもよい。シート状の熱可塑性樹脂の厚さは特に限定されないが、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは2〜400μmであり、さらに好ましくは3〜200μmである。樹脂層は複数の層で構成されていてよい。
製造方法
本発明による粗化処理銅箔は、あらゆる方法によって製造されたものであってよいが、酸化還元処理を経て製造されるのが好ましい。以下、本発明による粗化処理銅箔の好ましい製造方法の一例を説明する。この好ましい製造方法は、銅箔を用意する工程と、上記表面に対して予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う粗化工程(酸化還元処理)とを含んでなる。
(1)銅箔の準備
粗化処理銅箔の製造に使用する銅箔としては電解銅箔及び圧延銅箔の双方の使用が可能であり、より好ましくは電解銅箔である。また、銅箔は、無粗化の銅箔であってもよいし、予備的粗化を施したものであってもよい。銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1〜70μmが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。銅箔がキャリア付銅箔の形態で準備される場合には、銅箔は、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってもよい。
粗化処理が行われることになる銅箔の表面は、ISO25178に準拠して測定される最大高さSzが1.5μm以下であるのが好ましく、より好ましくは1.2μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下である。上記範囲内であると、本発明の粗化処理銅箔に要求される表面プロファイル、特に1.5μm以下の最大高さSzを粗化処理面に実現しやすくなる。Szの下限値は特に限定されないが、Szは0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
(2)粗化処理(酸化還元処理)
こうして上記低いSzが付与された銅箔の表面に対して、予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う湿式による粗化工程を施すのが好ましい。特に、溶液を用いた湿式法で銅箔の表面に酸化処理を施すことで、銅箔表面に酸化銅(酸化第二銅)を含有する銅化合物を形成する。その後、当該銅化合物を還元処理して酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることにより、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。ここで、微細凹凸は、銅箔の表面を湿式法で酸化処理した段階で、酸化銅を主成分とする銅化合物により形成される。そして、当該銅化合物を還元処理したときに、この銅化合物により形成された微細凹凸の形状を概ね維持したまま、酸化銅の一部が亜酸化銅に転換されて、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる微細凹凸となる。このように銅箔の表面に湿式法で適正な酸化処理を施した後に、還元処理を施すことで、nmオーダーの微細凹凸の形成が可能となる。
(2a)予備処理
酸化処理に先立ち、電解銅箔に対して脱脂等の予備処理を施すのが好ましい。この予備処理は、電解銅箔を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルカリ脱脂処理を行った後、水洗するのが好ましい。また、アルカリ脱脂処理が施された電解銅箔を硫酸系水溶液に浸漬した後、水洗するのが好ましい。硫酸系水溶液の硫酸濃度は特に限定されないが好ましくは1〜20質量%である。また、電解銅箔の硫酸系水溶液への浸漬時間は特に限定されないが好ましくは2秒〜2分である。
(2b)酸化処理
上記予備処理が施された銅箔に対して水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を用いて酸化処理を行う。アルカリ溶液で銅箔の表面を酸化することにより、酸化銅を主成分とする銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。このとき、アルカリ溶液の温度は60〜85℃が好ましく、アルカリ溶液のpHは10〜14が好ましい。また、アルカリ溶液は酸化の観点から塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩を含むのが好ましく、その濃度は100〜500g/Lが好ましい。酸化処理は電解銅箔をアルカリ溶液に浸漬することにより行うのが好ましく、その浸漬時間(すなわち酸化時間)は10秒〜20分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。
酸化処理に用いるアルカリ溶液は酸化抑制剤をさらに含むのが好ましい。すなわち、アルカリ溶液により銅箔の表面に対して酸化処理を施した場合、当該凸状部が過度に成長し、所望の長さを超える場合があり、所望の微細凹凸を形成することが困難になる。そこで、上記微細凹凸を形成するために、銅箔表面における酸化を抑制可能な酸化抑制剤を含むアルカリ溶液を用いることが好ましい。好ましい酸化抑制剤の例としては、アミノ系シランカップリング剤が挙げられる。アミノ系シランカップリング剤を含むアルカリ溶液を用いて銅箔表面に酸化処理を施すことで、当該アルカリ溶液中のアミノ系シランカップリング剤が銅箔の表面に吸着し、アルカリ溶液による銅箔表面の酸化を抑制することができる。その結果、酸化銅の針状結晶の成長を抑制することができ、極めて微細な凹凸を備えた望ましい粗化処理面を形成することができる。アミノ系シランカップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、特に好ましくはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。これらはいずれもアルカリ性溶液に溶解し、アルカリ性溶液中に安定に保持されると共に、上述した銅箔表面の酸化を抑制する効果を発揮する。アルカリ溶液におけるアミノ系シランカップリング剤(例えばN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)の好ましい濃度は0.01〜20g/Lであり、より好ましくは0.02〜20g/Lである。
(2c)還元処理
上記酸化処理が施された銅箔(以下、酸化処理銅箔という)に対して還元処理液を用いて還元処理を行う。還元処理により酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることで、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。この還元処理は、酸化処理銅箔に還元処理液を接触させることにより行えばよく、還元処理液中に酸化処理銅箔を浸漬させる手法や、酸化処理銅箔に還元処理液をシャワーで掛ける手法により行うのが好ましく、その処理時間は2〜60秒が好ましく、より好ましくは5〜30秒である。なお、好ましい還元処理液はジメチルアミンボラン水溶液であり、この水溶液はジメチルアミンボランを10〜40g/Lの濃度で含有するのが好ましい。また、ジメチルアミンボラン水溶液は炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH12〜14に調整されるのが好ましい。このときの水溶液の温度は特に限定されず、室温であってよい。こうして還元処理を行った銅箔は水洗し、乾燥するのが好ましい。
(3)防錆処理
所望により、銅箔に有機防錆剤で防錆処理を施し、有機防錆層を形成してもよい。これにより、粗化処理銅箔の粗化処理面において、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量がそれぞれ所定の範囲内に制御された特有の酸化状態をできるだけ長期間にわたって維持することができ、その維持された酸化状態で粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付けることが容易となる。また、耐湿性、耐薬品性及び接着剤等との密着性等を向上することもできる。有機防錆層は特に限定されないが、トリアゾール化合物及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を含むのが好ましい。トリアゾール化合物の例としては、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、及びナフトトリアゾールが挙げられ、特に好ましくはベンゾトリアゾールである。シランカップリング剤の例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ官能性シランカップリング剤、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性シランカップリング剤、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランカップリング剤、又はビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン等のビニル官能性シランカップリング剤、又は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル官能性シランカップリング剤、又は3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シランカップリング剤、又はイミダゾールシラン等のイミダゾール官能性シランカップリング剤、又はトリアジンシラン等のトリアジン官能性シランカップリング剤等が挙げられる。有機防錆層は、トリアゾール化合物やシランカップリング剤等の有機防錆剤を適宜希釈して塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
プリント配線板
本発明の銅張積層板はプリント配線板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記銅張積層板を用いて得られたプリント配線板が提供される。プリント配線板に関する具体例としては、本発明の銅張積層板に回路形成した片面又は両面プリント配線板や、これらを多層化した多層プリント配線板等が挙げられる。多層プリント配線板は、内層基板に熱可塑性樹脂層を介して銅箔を貼り付けた多層銅張積層板に回路形成したものであってもよく、さらにビルドアップ層を形成したものであってもよい。また、回路形成方法は、サブトラクティブ法であってもよいし、モディファイド・セミアディティブ(MSAP法)であってもよい。本発明の銅張積層板を用いて作製されるプリント配線板は、信号周波数10GHz以上の高周波帯域で用いられる自動車用アンテナ、携帯電話基地局アンテナ、高性能サーバー、衝突防止用レーダー等の用途で用いられる高周波基板として好適に用いられる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜8
(1)粗化処理銅箔の作製
(1a)電解銅箔の作製
銅電解液として以下に示される組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を用い、陰極にチタン製の回転電極を用い、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用いて、溶液温度45℃、電流密度55A/dmで電解し、厚さ18μmの電解銅箔を得た。この電解銅箔の析出面及び電極面の最大高さSzをISO25178に準拠してレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定したところ、析出面のSzが0.8μm、電極面のSzが1.2μmであった。
<硫酸酸性硫酸銅溶液の組成>
‐ 銅濃度:80g/L
‐ 硫酸濃度:260g/L
‐ ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度:30mg/L
‐ ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体濃度:50mg/L
‐ 塩素濃度:40mg/L
(1b)粗化処理(酸化還元処理)
上記得られた電解銅箔の析出面側に対して、以下に示される3段階のプロセスで粗化処理(酸化還元処理)を行った。すなわち、以下に示される予備処理、酸化処理及び還元処理をこの順に行った。
<予備処理>
上記(1)で得られた電解銅箔を40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に40℃で30秒間浸漬して、アルカリ脱脂処理を行った後、水洗した。このアルカリ脱脂処理が施された電解銅箔を硫酸濃度が10体積%の硫酸水溶液に40℃で30秒間浸漬した後、水洗した。
<酸化処理>
上記予備処理が施された電解銅箔に対して酸化処理を行った。この酸化処理は、当該電解銅箔を液温75℃、pH=12、亜塩素酸濃度が100〜500g/L、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン濃度が10g/Lの水酸化ナトリウム溶液に、3分間(例1〜6及び8)又は7分間(例7)浸漬させることにより行った。こうして、電解銅箔の両面に、銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を形成した。
<還元処理>
上記酸化処理が施された試料に対して還元処理を行った。この還元処理は、上記酸化処理により微細凹凸が形成された試料を、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH=13に調整したジメチルアミンボラン濃度が10〜40g/Lの水溶液に1分間浸漬することにより行った。このときの水溶液の温度は室温とした。こうして還元処理を行った試料を水洗し、乾燥した。これらの工程により、電解銅箔の両面の酸化銅の一部を還元して亜酸化銅とし、酸化銅及び亜酸化銅を含む銅複合化合物からなる微細凹凸を有する粗化処理面とした。こうして針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を得た。
(1c)有機防錆層の形成
上記粗化処理銅箔に対して有機防錆層の形成を行った。この有機防錆の形成は、粗化処理銅箔を有機防錆剤としてベンゾトリアゾール(例1、6及び7)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(例2〜5)又はカルボキシベンゾトリアゾール(例8)を6g/Lの濃度で含む水溶液に液温25℃で30秒間浸漬した後、表1に示される条件で乾燥させることにより行った。
Figure 0006178035
(2)粗化処理銅箔の評価
例1〜5において作製された粗化処理銅箔について、以下に示される各種評価を行った。
<SERA測定>
粗化処理銅箔の粗化処理面を連続電気化学還元分析(SERA)により酸化銅(CuO)厚さと亜酸化銅(CuO)厚さを測定した。このSERA分析には、測定装置としてECIテクノロジー社製のQC−100を用いた。手順は以下のとおりとした。まず、分析のために粗化処理銅箔8.0mmの領域をO−リングガスケットで隔離し、ホウ酸緩衝液を注入し、窒素で飽和させた。上記領域に30μA/cmの電流密度Iを印加し、−0.40V〜−0.60Vに現れるCuO還元反応、及び−0.60V〜−0.85Vに現れるCuO還元反応にかかる時間を計測し、それぞれt及びt(秒)とした。CuO及びCuOの各々の厚さT(nm)はファラデーの法則から求まる定数Kを用い、T=K・I・tの式に基づき算出した。なお、CuOに関するKの値は6.53×10−5(cm/A・sec)であり、CuOについての定数Kの値は2.45×10−4(cm/A・sec)である。上記定数KはK=M/(z・F・ρ)(式中、Mは分子量であり、zは電荷数であり、Fはファラデー定数であり、ρは密度である)の式に基づき算出した。
すなわち、CuOに関する定数K(=6.53×10−5(cm/A・sec))は、K=M/(z・F・ρ)の式に、次の値を入力して算出した。
M(分子量)=79.545(g/mol)
z(電荷数)=2(CuO+H2O+2e→Cu+2OH
F(ファラデー定数)=96494(C/mol)=96500(A・sec/mol)
ρ(密度)=6.31(g/cm
また、CuOに関する定数K(=2.45×10−4(cm/A・sec))は、K=M/(z・F・ρ)の式に、次の値を入力して算出した。
M(分子量)=143.09(g/mol)
z(電荷数)=1(CuO+HO+2e→2Cu+2OH
F(ファラデー定数)=96494(C/mol)=96500(A・sec/mol)
ρ(密度)=6.04(g/cm
<粗化処理面(微細凹凸)の観察>
粗化処理銅箔の粗化処理面を構成する微細凹凸(析出面側)を断面SEMにより観察したところ、例1〜5のいずれにおいても、粗化処理面は無数の針状結晶で構成される微細凹凸からなることが確認された。また、微細凹凸(特に針状結晶)の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製、JEM−ARM200F)で観察し、取得されたSTEM−HAADF像から針状結晶の高さ(箔に対して垂直方向の長さ)を測定した。このとき、1μm×1μmの領域において10箇所測定した値の平均値を各サンプルにおける針状結晶高さとした。結果は表1に示されるとおりであった。
<熱可塑性樹脂(PTFE)に対する常態剥離強度>
熱可塑性樹脂基材として、PTFE基材(RO3003 Bondply、ROGERS Corporation製、厚さ125μm)を用意した。このPTFE基材に、上記SERA測定が行われた直後の粗化処理銅箔(厚さ18μm)をその粗化処理面が当該基材と当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧2.4MPa、温度370℃、プレス時間30分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C 5016−1994のA法(90°剥離)に準拠してPTFE基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。この測定は、卓上材料試験機(STA−1150、株式会社オリエンテック製)を用いて行った。結果は表1に示されるとおりであった。
<熱可塑性樹脂(PTFE)に対する耐熱剥離強度>
0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板をオーブンに入れて150℃で4時間加熱し、288℃の半田浴に10秒間浮かべたこと以外は、上述したPTFEに対する常態剥離強度と同様の手順により、PTFEに対する耐熱剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、耐熱剥離強度を測定する技術的な意味合いは次のとおりである。熱可塑性樹脂を用いたプリント配線板は高温等の過酷な環境下に曝されることがあり、このような過酷な環境下に曝された後においても、銅箔と樹脂との高い密着信頼性が望まれる。実際、PTFEを使用したプリント配線板は航空、宇宙用等で用いられることがあり、かかる観点からも耐熱剥離強度のより一層の改善が望まれる。もっとも、高温等の過酷な環境下に曝されない用途の場合には、常態剥離強度さえ高ければ十分であり、耐熱剥離強度は必ずしも高くなくてもよい。
<熱可塑性樹脂(液晶ポリマー)に対する常態剥離強度>
熱可塑性樹脂基材として、厚さ50μmのLCP(液晶ポリマー)フィルム(CT−Z、 株式会社クラレ製)を用意した。このLCPフィルムに、粗化処理銅箔をその粗化処理面が当該フィルムと当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧4MPa、温度320℃、プレス時間10分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C 5016−1994のA法(90°剥離)に準拠して絶縁樹脂基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
<熱硬化性樹脂(R1551)に対する剥離強度>
絶縁樹脂基材として、プリプレグ(パナソニック株式会社製、R−1551、厚さ200μm)を用意した。このプリプレグに、粗化処理銅箔をその粗化処理面がプリプレグと当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧2.9MPa、温度190℃、プレス時間90分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C6481−1996に準拠して絶縁樹脂基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 0006178035
表2に示される結果から分かるように、SERAにより決定されるCuO厚さが1〜20nmであり、かつ、SERAにより決定されるCuO厚さが15〜70nmである粗化処理面を有する粗化処理銅箔を用いることで、熱可塑性樹脂に対して0.70kgf/cm以上という高い常態剥離強度を実現することができる。これと対照的に、熱硬化性樹脂の場合にはCuO厚さ及びCuO厚さが上記範囲内と外で熱可塑性樹脂に見られるような常態剥離強度の改善は全く見られなかったことから、熱可塑性樹脂において実現される上記効果は熱硬化性樹脂からは予想し得ない顕著な効果であるといえる。通常、粗化処理面はCuO及びCuOがあることで微細凹凸を有しているが、これらの表面にはOH基が存在しやすく、親水性を帯びる結果、熱可塑性樹脂との密着性が低下する。この点、本発明の粗化処理銅箔によればCuO厚さ及びCuO厚さを制御することで、粗化処理面の親水性を望ましく低減させて、熱可塑性樹脂との密着性を向上することができるものと考えられる。

Claims (8)

  1. 銅張積層板の製造方法であって、
    酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を用意する工程と、
    前記粗化処理銅箔の前記粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る工程と、
    を含み、前記粗化処理面は、前記熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とする、銅張積層板の製造方法。
  2. 前記針状結晶の高さが50〜400nmである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂がフッ素樹脂であり、該フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記粗化処理銅箔は、前記粗化処理面に有機防錆層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記有機防錆層がトリアゾール化合物及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記有機防錆層がトリアゾール化合物を含む、請求項6に記載の方法。

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