JP6178035B1 - 銅張積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を用意する工程と、
前記粗化処理銅箔の前記粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る工程と、
を含み、前記粗化処理面は、前記熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とする、銅張積層板の製造方法が提供される。
本発明は、銅張積層板の製造方法に関する。本発明の方法は、(1)粗化処理銅箔を用意する工程と、(2)粗化処理銅箔の粗化処理面にシート状の熱可塑性樹脂を貼り付ける工程とを含む。粗化処理銅箔は、酸化銅(CuO)及び亜酸化銅(Cu2O)を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する銅箔である。そして、この粗化処理面は、熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とするものである。このように、針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を有する粗化処理銅箔において、連続電気化学還元分析(SERA)によって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御することで、低誘電率の熱可塑性樹脂に対して高い密着性を実現することができる。すなわち、前述のとおり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や液晶ポリマー(LCP)樹脂に代表されるような低誘電率の熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂とは異なり、化学的な活性が低く、それ故本来的には銅箔との密着力が低いものである。これは、酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸の表面はOH基が存在しやすいため親水性を呈するところ、熱可塑性樹脂は疎水性であるため、両者の親和性が乏しくなることによるものと考えられる。この点、本発明の方法によれば、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御して特有の酸化状態にしておき、その酸化状態の粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付ける。こうすることで、粗化処理銅箔の粗化処理面と熱可塑性樹脂との親和性を高められる結果、高い密着性、すなわち高い剥離強度を実現できるものと考えられる。その結果、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造することができる。
本発明の方法に用いる銅箔は粗化処理銅箔である。この粗化処理銅箔は少なくとも一方の側に粗化処理面を有する。粗化処理面は、酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備える。そして、この粗化処理面は、熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、好ましくは1〜18nm、より好ましくは2〜15nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであり、好ましくは20〜65nm、より好ましくは25〜40nmである。このSERA分析には、市販のSERA分析装置(例えばECIテクノロジー社製のQC−100)を用いて、例えば以下の手順で行うことができる。まず、分析のために粗化処理銅箔8.0mm2の領域をO−リングガスケットで隔離し、ホウ酸緩衝液を注入し、窒素で飽和させる。上記領域に30μA/cm2の電流密度Idを印加し、−0.40V〜−0.60Vに現れるCu2O還元反応、及び−0.60V〜−0.85Vに現れるCuO還元反応にかかる時間を計測し、それぞれt1及びt2(秒)とする。CuO及びCu2Oの各々の厚さT(nm)はファラデーの法則から求まる定数Kを用い、T=K・Id・tの式に基づき算出する。なお、CuOに関する定数Kの値は6.53×10−5(cm3/A・sec)であり、Cu2OについてのKの値は2.45×10−4(cm3/A・sec)である。
粗化処理銅箔の粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る。この熱可塑性樹脂の粗化処理銅箔への貼り付けは公知の銅張積層板の製造手順に従って行えばよく、特に限定されない。また、内層基板に熱可塑性樹脂を介して銅箔を貼り付ける手法も採用可能であり、この場合はいわゆるビルドアップ法等の公知の手法に従い行えばよい。いずれにしても、本発明の方法によれば、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量をそれぞれ上記所定の範囲内に制御して特有の酸化状態にしておき、その酸化状態の粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付ける。こうすることで、粗化処理銅箔の粗化処理面と熱可塑性樹脂との親和性を高められる結果、高い密着性、すなわち高い剥離強度を実現できるものと考えられる。その結果、低誘電率の熱可塑性樹脂を用いながらも、銅箔と樹脂とが高い密着力で接合された銅張積層板を製造することができる。熱可塑性樹脂の粗化処理銅箔への貼り付けは、加熱しながらプレスすることにより行うのが好ましく、こうすることで熱可塑性樹脂を軟化させて粗化処理面の微細凹凸に入り込ませることができる。その結果、微細凹凸(特に針状結晶)の樹脂への食い込みによるアンカー効果により銅箔と樹脂との密着性を確保することができる。プレス時の温度は使用する熱可塑性樹脂の特性に応じて適宜決定すればよく特に限定されないが、好ましくは150〜500℃であり、より好ましくは180〜400℃である。プレス圧力も特に限定されないが、好ましくは1〜10MPaであり、より好ましくは2〜5MPaである。
本発明による粗化処理銅箔は、あらゆる方法によって製造されたものであってよいが、酸化還元処理を経て製造されるのが好ましい。以下、本発明による粗化処理銅箔の好ましい製造方法の一例を説明する。この好ましい製造方法は、銅箔を用意する工程と、上記表面に対して予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う粗化工程(酸化還元処理)とを含んでなる。
粗化処理銅箔の製造に使用する銅箔としては電解銅箔及び圧延銅箔の双方の使用が可能であり、より好ましくは電解銅箔である。また、銅箔は、無粗化の銅箔であってもよいし、予備的粗化を施したものであってもよい。銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1〜70μmが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。銅箔がキャリア付銅箔の形態で準備される場合には、銅箔は、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってもよい。
こうして上記低いSzが付与された銅箔の表面に対して、予備処理、酸化処理及び還元処理を順次行う湿式による粗化工程を施すのが好ましい。特に、溶液を用いた湿式法で銅箔の表面に酸化処理を施すことで、銅箔表面に酸化銅(酸化第二銅)を含有する銅化合物を形成する。その後、当該銅化合物を還元処理して酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることにより、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。ここで、微細凹凸は、銅箔の表面を湿式法で酸化処理した段階で、酸化銅を主成分とする銅化合物により形成される。そして、当該銅化合物を還元処理したときに、この銅化合物により形成された微細凹凸の形状を概ね維持したまま、酸化銅の一部が亜酸化銅に転換されて、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる微細凹凸となる。このように銅箔の表面に湿式法で適正な酸化処理を施した後に、還元処理を施すことで、nmオーダーの微細凹凸の形成が可能となる。
酸化処理に先立ち、電解銅箔に対して脱脂等の予備処理を施すのが好ましい。この予備処理は、電解銅箔を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルカリ脱脂処理を行った後、水洗するのが好ましい。また、アルカリ脱脂処理が施された電解銅箔を硫酸系水溶液に浸漬した後、水洗するのが好ましい。硫酸系水溶液の硫酸濃度は特に限定されないが好ましくは1〜20質量%である。また、電解銅箔の硫酸系水溶液への浸漬時間は特に限定されないが好ましくは2秒〜2分である。
上記予備処理が施された銅箔に対して水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を用いて酸化処理を行う。アルカリ溶液で銅箔の表面を酸化することにより、酸化銅を主成分とする銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。このとき、アルカリ溶液の温度は60〜85℃が好ましく、アルカリ溶液のpHは10〜14が好ましい。また、アルカリ溶液は酸化の観点から塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩を含むのが好ましく、その濃度は100〜500g/Lが好ましい。酸化処理は電解銅箔をアルカリ溶液に浸漬することにより行うのが好ましく、その浸漬時間(すなわち酸化時間)は10秒〜20分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。
上記酸化処理が施された銅箔(以下、酸化処理銅箔という)に対して還元処理液を用いて還元処理を行う。還元処理により酸化銅の一部を亜酸化銅(酸化第一銅)に転換させることで、酸化銅及び亜酸化銅を含有する銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を銅箔の表面に形成することができる。この還元処理は、酸化処理銅箔に還元処理液を接触させることにより行えばよく、還元処理液中に酸化処理銅箔を浸漬させる手法や、酸化処理銅箔に還元処理液をシャワーで掛ける手法により行うのが好ましく、その処理時間は2〜60秒が好ましく、より好ましくは5〜30秒である。なお、好ましい還元処理液はジメチルアミンボラン水溶液であり、この水溶液はジメチルアミンボランを10〜40g/Lの濃度で含有するのが好ましい。また、ジメチルアミンボラン水溶液は炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH12〜14に調整されるのが好ましい。このときの水溶液の温度は特に限定されず、室温であってよい。こうして還元処理を行った銅箔は水洗し、乾燥するのが好ましい。
所望により、銅箔に有機防錆剤で防錆処理を施し、有機防錆層を形成してもよい。これにより、粗化処理銅箔の粗化処理面において、SERAによって厚さ換算で決定される酸化銅及び亜酸化銅の各量がそれぞれ所定の範囲内に制御された特有の酸化状態をできるだけ長期間にわたって維持することができ、その維持された酸化状態で粗化処理面に熱可塑性樹脂を貼り付けることが容易となる。また、耐湿性、耐薬品性及び接着剤等との密着性等を向上することもできる。有機防錆層は特に限定されないが、トリアゾール化合物及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を含むのが好ましい。トリアゾール化合物の例としては、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、及びナフトトリアゾールが挙げられ、特に好ましくはベンゾトリアゾールである。シランカップリング剤の例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ官能性シランカップリング剤、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性シランカップリング剤、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランカップリング剤、又はビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン等のビニル官能性シランカップリング剤、又は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル官能性シランカップリング剤、又は3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シランカップリング剤、又はイミダゾールシラン等のイミダゾール官能性シランカップリング剤、又はトリアジンシラン等のトリアジン官能性シランカップリング剤等が挙げられる。有機防錆層は、トリアゾール化合物やシランカップリング剤等の有機防錆剤を適宜希釈して塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
本発明の銅張積層板はプリント配線板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記銅張積層板を用いて得られたプリント配線板が提供される。プリント配線板に関する具体例としては、本発明の銅張積層板に回路形成した片面又は両面プリント配線板や、これらを多層化した多層プリント配線板等が挙げられる。多層プリント配線板は、内層基板に熱可塑性樹脂層を介して銅箔を貼り付けた多層銅張積層板に回路形成したものであってもよく、さらにビルドアップ層を形成したものであってもよい。また、回路形成方法は、サブトラクティブ法であってもよいし、モディファイド・セミアディティブ(MSAP法)であってもよい。本発明の銅張積層板を用いて作製されるプリント配線板は、信号周波数10GHz以上の高周波帯域で用いられる自動車用アンテナ、携帯電話基地局アンテナ、高性能サーバー、衝突防止用レーダー等の用途で用いられる高周波基板として好適に用いられる。
(1)粗化処理銅箔の作製
(1a)電解銅箔の作製
銅電解液として以下に示される組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を用い、陰極にチタン製の回転電極を用い、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用いて、溶液温度45℃、電流密度55A/dm2で電解し、厚さ18μmの電解銅箔を得た。この電解銅箔の析出面及び電極面の最大高さSzをISO25178に準拠してレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定したところ、析出面のSzが0.8μm、電極面のSzが1.2μmであった。
<硫酸酸性硫酸銅溶液の組成>
‐ 銅濃度:80g/L
‐ 硫酸濃度:260g/L
‐ ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度:30mg/L
‐ ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体濃度:50mg/L
‐ 塩素濃度:40mg/L
上記得られた電解銅箔の析出面側に対して、以下に示される3段階のプロセスで粗化処理(酸化還元処理)を行った。すなわち、以下に示される予備処理、酸化処理及び還元処理をこの順に行った。
上記(1)で得られた電解銅箔を40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に40℃で30秒間浸漬して、アルカリ脱脂処理を行った後、水洗した。このアルカリ脱脂処理が施された電解銅箔を硫酸濃度が10体積%の硫酸水溶液に40℃で30秒間浸漬した後、水洗した。
上記予備処理が施された電解銅箔に対して酸化処理を行った。この酸化処理は、当該電解銅箔を液温75℃、pH=12、亜塩素酸濃度が100〜500g/L、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン濃度が10g/Lの水酸化ナトリウム溶液に、3分間(例1〜6及び8)又は7分間(例7)浸漬させることにより行った。こうして、電解銅箔の両面に、銅複合化合物からなる針状結晶で構成される微細凹凸を形成した。
上記酸化処理が施された試料に対して還元処理を行った。この還元処理は、上記酸化処理により微細凹凸が形成された試料を、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを用いてpH=13に調整したジメチルアミンボラン濃度が10〜40g/Lの水溶液に1分間浸漬することにより行った。このときの水溶液の温度は室温とした。こうして還元処理を行った試料を水洗し、乾燥した。これらの工程により、電解銅箔の両面の酸化銅の一部を還元して亜酸化銅とし、酸化銅及び亜酸化銅を含む銅複合化合物からなる微細凹凸を有する粗化処理面とした。こうして針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を得た。
上記粗化処理銅箔に対して有機防錆層の形成を行った。この有機防錆の形成は、粗化処理銅箔を有機防錆剤としてベンゾトリアゾール(例1、6及び7)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(例2〜5)又はカルボキシベンゾトリアゾール(例8)を6g/Lの濃度で含む水溶液に液温25℃で30秒間浸漬した後、表1に示される条件で乾燥させることにより行った。
例1〜5において作製された粗化処理銅箔について、以下に示される各種評価を行った。
粗化処理銅箔の粗化処理面を連続電気化学還元分析(SERA)により酸化銅(CuO)厚さと亜酸化銅(Cu2O)厚さを測定した。このSERA分析には、測定装置としてECIテクノロジー社製のQC−100を用いた。手順は以下のとおりとした。まず、分析のために粗化処理銅箔8.0mm2の領域をO−リングガスケットで隔離し、ホウ酸緩衝液を注入し、窒素で飽和させた。上記領域に30μA/cm2の電流密度Idを印加し、−0.40V〜−0.60Vに現れるCu2O還元反応、及び−0.60V〜−0.85Vに現れるCuO還元反応にかかる時間を計測し、それぞれt1及びt2(秒)とした。CuO及びCu2Oの各々の厚さT(nm)はファラデーの法則から求まる定数Kを用い、T=K・Id・tの式に基づき算出した。なお、CuOに関するKの値は6.53×10−5(cm3/A・sec)であり、Cu2Oについての定数Kの値は2.45×10−4(cm3/A・sec)である。上記定数KはK=M/(z・F・ρ)(式中、Mは分子量であり、zは電荷数であり、Fはファラデー定数であり、ρは密度である)の式に基づき算出した。
M(分子量)=79.545(g/mol)
z(電荷数)=2(CuO+H2O+2e−→Cu+2OH−)
F(ファラデー定数)=96494(C/mol)=96500(A・sec/mol)
ρ(密度)=6.31(g/cm3)
M(分子量)=143.09(g/mol)
z(電荷数)=1(Cu2O+H2O+2e−→2Cu+2OH−)
F(ファラデー定数)=96494(C/mol)=96500(A・sec/mol)
ρ(密度)=6.04(g/cm3)
粗化処理銅箔の粗化処理面を構成する微細凹凸(析出面側)を断面SEMにより観察したところ、例1〜5のいずれにおいても、粗化処理面は無数の針状結晶で構成される微細凹凸からなることが確認された。また、微細凹凸(特に針状結晶)の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製、JEM−ARM200F)で観察し、取得されたSTEM−HAADF像から針状結晶の高さ(箔に対して垂直方向の長さ)を測定した。このとき、1μm×1μmの領域において10箇所測定した値の平均値を各サンプルにおける針状結晶高さとした。結果は表1に示されるとおりであった。
熱可塑性樹脂基材として、PTFE基材(RO3003 Bondply、ROGERS Corporation製、厚さ125μm)を用意した。このPTFE基材に、上記SERA測定が行われた直後の粗化処理銅箔(厚さ18μm)をその粗化処理面が当該基材と当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧2.4MPa、温度370℃、プレス時間30分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C 5016−1994のA法(90°剥離)に準拠してPTFE基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。この測定は、卓上材料試験機(STA−1150、株式会社オリエンテック製)を用いて行った。結果は表1に示されるとおりであった。
0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板をオーブンに入れて150℃で4時間加熱し、288℃の半田浴に10秒間浮かべたこと以外は、上述したPTFEに対する常態剥離強度と同様の手順により、PTFEに対する耐熱剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、耐熱剥離強度を測定する技術的な意味合いは次のとおりである。熱可塑性樹脂を用いたプリント配線板は高温等の過酷な環境下に曝されることがあり、このような過酷な環境下に曝された後においても、銅箔と樹脂との高い密着信頼性が望まれる。実際、PTFEを使用したプリント配線板は航空、宇宙用等で用いられることがあり、かかる観点からも耐熱剥離強度のより一層の改善が望まれる。もっとも、高温等の過酷な環境下に曝されない用途の場合には、常態剥離強度さえ高ければ十分であり、耐熱剥離強度は必ずしも高くなくてもよい。
熱可塑性樹脂基材として、厚さ50μmのLCP(液晶ポリマー)フィルム(CT−Z、 株式会社クラレ製)を用意した。このLCPフィルムに、粗化処理銅箔をその粗化処理面が当該フィルムと当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧4MPa、温度320℃、プレス時間10分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C 5016−1994のA法(90°剥離)に準拠して絶縁樹脂基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
絶縁樹脂基材として、プリプレグ(パナソニック株式会社製、R−1551、厚さ200μm)を用意した。このプリプレグに、粗化処理銅箔をその粗化処理面がプリプレグと当接するように積層し、真空プレス機を使用して、プレス圧2.9MPa、温度190℃、プレス時間90分の条件でプレスして銅張積層板を作製した。次に、この銅張積層板にエッチング法により、0.4mm幅の剥離強度測定用直線回路を備えた試験基板を作製した。こうして形成した直線回路を、JIS C6481−1996に準拠して絶縁樹脂基材から引き剥がして、常態剥離強度(kgf/cm)を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
Claims (8)
- 銅張積層板の製造方法であって、
酸化銅及び亜酸化銅を含む針状結晶で構成される微細凹凸を備えた粗化処理面を少なくとも一方の側に有する粗化処理銅箔を用意する工程と、
前記粗化処理銅箔の前記粗化処理面に、シート状の熱可塑性樹脂を貼り付けて銅張積層板を得る工程と、
を含み、前記粗化処理面は、前記熱可塑性樹脂を貼り付ける時点において、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される酸化銅厚さが1〜20nmであり、かつ、連続電気化学還元分析(SERA)により決定される亜酸化銅厚さが15〜70nmであることを特徴とする、銅張積層板の製造方法。 - 前記針状結晶の高さが50〜400nmである、請求項1に記載の方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記熱可塑性樹脂がフッ素樹脂であり、該フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記粗化処理銅箔は、前記粗化処理面に有機防錆層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記有機防錆層がトリアゾール化合物及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記有機防錆層がトリアゾール化合物を含む、請求項6に記載の方法。
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