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JP6167758B2 - エタノールの製造方法 - Google Patents

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JP6167758B2
JP6167758B2 JP2013174382A JP2013174382A JP6167758B2 JP 6167758 B2 JP6167758 B2 JP 6167758B2 JP 2013174382 A JP2013174382 A JP 2013174382A JP 2013174382 A JP2013174382 A JP 2013174382A JP 6167758 B2 JP6167758 B2 JP 6167758B2
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Description

本発明は、酵母を用いて酢酸を含む培地中で糖類を発酵することによって効率的にエタノールを製造する方法に関する。
近年、再生可能資源であるバイオマスを利用して、従来石油から製造されてきたエネルギーや有用物質を微生物変換により製造する技術開発が進められている。バイオマスを石油製品の代替として利用することで、地球温暖化の一因であるCO2の蓄積を抑制することができると期待されている。食料以外の非可食バイオマスとしては、藻類・草本・木本などの植物、建築廃材、農業廃棄物などが挙げられるが、地球上でもっとも多く存在するのは、植物由来のセルロース系バイオマスである。セルロース系バイオマスは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分とし、その比率は原料により異なるが、木質バイオマスではセルロースが約50%、ヘミセルロースが20〜25%、リグニンが25〜30%である。
セルロース系バイオマスからエタノール等のアルコール類を生産するためには、バイオマスの前処理工程、前処理原料のセルロースやヘミセルロースを加水分解して単糖に分解する糖化工程、単糖を酵母等の微生物を利用してアルコール発酵する発酵工程を経る。バイオマス資源中の多糖類から発酵基質となる単糖や少糖類を作る方法として、酵素やその酵素を生産する微生物を用いて、セルロースやヘミセルロースを加水分解する酵素糖化法が、環境負荷の小さい方法として検討されている。一方、糖化発酵に要する時間を短縮し、糖化発酵効率を高める方法として、併行糖化発酵が注目されている。
併行糖化発酵では、糖化酵素の至適温度、至適pHと酵母の増殖の最適温度、pHが一致することが望ましいが、市販のカビ類の糖化酵素の至適温度は一般に50〜60℃であるのに対し、酵母の増殖は30℃前後に過ぎない。そのため糖化酵素の働きを十分に発揮させることができない。そこで酒酵母より高い温度で増殖し、発酵することができる微生物の開発は重要である。この様な微生物としてイサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)が単離されている(特許文献1)。特許文献1には、耐酸性・耐塩性・耐糖性・耐アルコール性を複合的に有するイサチェンキア・オリエンタリスMF-121株が記載されている。また、特許文献2には、セルロース系バイオマス含有スラリーをセルラーゼによる糖化反応とイサチェンキア属微生物による発酵反応とを同時に行う併行糖化発酵処理槽で処理することによってエタノールを連続的に製造する方法が記載されている。
特許文献3には、リグノセルロース系原料を水溶性塩類と共にセルロース糖化酵素含有水中に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化処理工程で酵素糖化処理する方法が記載されている。
また、特許文献4には、カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)4−6−4T2と命名された酵母を用いて単糖を含有する原料液体を発酵させる工程を含むことを特徴とするエタノールの生産方法が記載されている。
一方、一般的な酵母である酒酵母や上記イサチェンキア・オリエンタリスはキシロースを資化できず、セルロース系バイオマスに含まれるキシロースを主成分とするヘミセルロースは、未利用であった。セルロース系バイオマスから効率的にアルコール類を生産するためには、酵母がキシロースを利用可能となるように改変する必要があり、様々な検討が行われてきた。その中で、セルロース系バイオマスの前処理工程や糖化工程で発生する酢酸やギ酸などの有機酸が微生物の生育や発酵性に悪影響があることが明らかになっている。また発酵工程では特にキシロースの発酵性が低下することが報告されている。これに対し、遺伝子操作により、ペントースリン酸回路の遺伝子を改変することで、有機酸に対する抵抗性を付与する方法、可溶性低分子を細胞内に取り込む機能を持つ遺伝子を破壊する方法などが検討されてきた。しかし、これらの方法によれば酢酸耐性を付与することはできるが、酢酸耐性の程度は十分とは言えない。
特開2004−344084号公報 特開2011−139686号公報 特開2012−213375号公報 特開2013−94123号公報
セルロース系バイオマス前処理物の中には酢酸などの有機酸が含まれ、エタノール発酵に阻害をもたらすため、前処理工程の工夫、酢酸耐性付与などの手段が求められている。また、グルコースなどの六炭糖の発酵に比べ、キシロースなどの五炭糖の発酵は、酢酸の発酵阻害をより強く受けることが知られており、対策が求められている。本発明は、エタノール製造において酢酸の発酵阻害を受けない酵母を使用し、発酵液中に酢酸が存在することでエタノール生産量を向上させることができるエタノール製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は上記課題を達成するために鋭意検討した結果、エタノール発酵能を有する酵母イサチェンキア・オリエンタリスが十分な酢酸耐性を有し、さらに発酵液中に酢酸を添加することによりエタノール生産量が増加することを見出した。さらに本発明者は、イサチェンキア・オリエンタリスに遺伝子組み換えにより五炭糖発酵能を付与した改変株でも、発酵液中に酢酸が存在することによりエタノール生産量が増加することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母を用いて酢酸を含む培地中で糖類を発酵する工程を含む、エタノールの製造方法。
(2)培地中の酢酸濃度が0.1〜1.0%(w/v)である、(1)に記載のエタノール製造方法。
(3)イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母が、キシロース代謝遺伝子を発現できるように改変した酵母である、(1)又は(2)に記載のエタノールの製造方法。
(4)キシロース代謝遺伝子が、キシロースレダクターゼ遺伝子、キシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子またはキシルロキナーゼ遺伝子のうち少なくとも1種の遺伝子である、(3)に記載のエタノールの製造方法。
(5)糖類が、グルコース及び/又はキシロースである、(1)から(4)の何れかに記載のエタノールの製造方法。
(6)糖類が、セルラーゼを用いてセルロース系バイオマスを糖化することにより得られた糖類である、(1)から(5)の何れかに記載のエタノールの製造方法。
(7)セルロース系バイオマスの糖化と発酵とを同時に併行して行う、(6)に記載のエタノールの製造方法。
本発明のエタノール製造方法によれば、エタノール発酵の原料が酢酸を含む場合でも発酵阻害を受けることなく六炭糖と五炭糖から効率的にエタノール発酵を行うことができる。また、本発明のエタノール製造方法においては、酢酸を適量加えることで六炭糖と五炭糖からのエタノール生産量を増加させることができる。即ち、本発明によれば、セルロース系バイオマスの前処理物から有機酸を除去する工程を必要とせず、また遺伝子操作により酢酸耐性を付与するなどの煩雑な工程を経ることなく、酢酸存在下でも六炭糖と五炭糖から良好なエタノール製造を行うことができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書に記載される材料、方法及び数値範囲などの説明は、当該材料、方法及び数値範囲などに限定することを意図したものではなく、また、それ以外の材料、方法及び数値範囲などの使用を除外するものでもない。
本願発明のエタノールの製造方法は、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母を用いて酢酸を含む培地中で糖類を発酵する工程を含む方法である。セルロース系バイオマスを前処理した発酵原料は酢酸などの有機酸を含み、発酵阻害によりエタノール収量が減少する。本願発明の方法ではイサチェンキア・オリエンタリス酵母を用いることにより、発酵阻害による収量減少を回避し、さらに酢酸濃度を適正な濃度に保つことにより、エタノール収量を増加することが可能である。
培地中の酢酸濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜1.0%(w/v)であり、より好ましくは0.1〜0.7%(w/v)であり、さらに好ましくは0.2〜0.5%(w/v)であり、特に好ましくは0.3〜0.5%(w/v)である。
本発明で使用する酵母はイサチェンキア・オリエンタリス酵母であれば特に限定されないが、好ましくは37℃から45℃の範囲で増殖することが可能で、実質的にはプロテアーゼを生産しない株が好ましい。イサチェンキア・オリエンタリス酵母株の具体例としては、NBRC(Biological Resource Center, NITE)から入手可能な以下の酵母株を挙げることができる。例えば、NBRC番号0011、0012、0013、0155、0201、0584、0841、1162、1279、1395、1664、10737で示される酵母株である。特に好ましくはイサチェンキア・オリエンタリス酵母のアルコール発酵性酵母MF−121が例示される。本菌株は平成15年5月22日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託され、受託番号FERM P−19368が付与された。
また、イサチェンキア・オリエンタリス酵母は固定化しておいてもよい。酵母を固定化しておくと、次工程に酵母を回収するという工程を省くことができるか、少なくとも回収工程にかかる負担を軽減することができるし、酵母をロスするリスクを軽減することもできる。また、酵母を固定化するほどでのメリットはないが、凝集性のある酵母を選択することにより酵母の回収を容易にすることができる。
イサチェンキア・オリエンタリス酵母としては、キシロース代謝遺伝子を発現できるように改変した酵母を使用することもできる。五炭糖発酵性を持たない酵母がキシロースを利用するには、キシロース代謝経路が必要である。キシロースを利用する必要がある場合には、キシロース代謝遺伝子を発現できるように改変した酵母を使用することが好ましい。キシロース代謝遺伝子としては、キシロースをキシリトールに変換するキシロースレダクターゼ、キシリトールをキシルロースに変換するキシリトールデヒドロゲナーゼ及びキシルロースをキシルロース5リン酸に変換するキシルロキナーゼが必要である。
キシロース代謝遺伝子は、イサチェンキア・オリエンタリス酵母のアルコール発酵性酵母MF-121株から単離して使用しても良い。又は、キシロース代謝遺伝子はピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、カンディダ・シェハタエ(Candida shehatae)などの五炭糖発酵能をもつ種から単離して使用してもよい。例えば、上記した酵母からキシロース代謝遺伝子を単離し、これにプロモーターを連結した発現ベクターを構築し、この発現ベクターを宿主であるイサチェンキア・オリエンタリス酵母に導入することができる。これにより、キシロース代謝遺伝子を発現できるように改変した酵母を作製することができる。
発現を制御するプロモーターとしては、特に限定されず、目的遺伝子を高発現できるプロモーターを使用することができる。例えばグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(TDH3)のプロモーター、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子(PGK1)のプロモーター、高浸透圧応答7遺伝子(HOR7)のプロモーターなどが好ましい。これらのプロモーターは、イサチェンキア・オリエンタリス酵母のアルコール発酵性酵母MF-121株から単離して使用してもよい。しかし、イサチェンキア・オリエンタリス酵母に形質転換し、目的遺伝子を発現させるものであれば、生物種は特に限定されない。
キシロース代謝遺伝子を宿主酵母に導入し、発現させる方法は、当業者に公知である一般的な分子生物学的手法を用いて行うことができる。すなわち、目的遺伝子を適当なベクターに組み込み、そのベクターを用いて宿主酵母に形質転換することにより行うことができる。また、任意の領域を含む遺伝子断片を制限酵素で切り出し、またはPCRで増幅し、形質転換に供することができる。
ベクターまたは遺伝子断片を宿主細胞に導入する方法としては、従来公知の方法で行うことができる。例えば、リン酸カルシウム法又は塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーション法、エレクトロインジェクション法、酢酸リチウム法などが挙げられる。ベクターを導入した酵母は、マーカー遺伝子を用いた選抜および活性発現による選抜により、形質転換体を取得することができる。
本発明の酵母を増殖するには単糖を有機基質として含むものであればいずれも用いることができる。単糖としてはグルコースが好ましい。窒素源としては特に限定されるものではないが、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、尿素、コーンスティープリカー等を用いることができる。また酵母エキス、モルトエキスなどを含む培地でも増殖させることができる。培地のpHは弱酸性が好ましく、pH3ないし2でも増殖する。
本発明において発酵原料として使用する糖類は、グルコース及び/又はキシロースなどの単糖を意味し、セルラーゼを用いてセルロース系バイオマスを糖化することにより得られた糖類でもよい。
本発明で使用するセルロース系バイオマスとしては、針葉樹、広葉樹、林地残材、建築廃材、剪定廃棄物、ソーダスト、ケナフ、稲藁、麦藁などの農産廃棄物等のセルロース系バイオマスが挙げられる。また、上記のセルロース系バイオマスからアルカリ抽出、アルカリ蒸解等の化学パルプ製造法、オルガノソルブ等の方法により酵素が作用しやすいように処理を施されたセルロース、ヘミセルロースを主成分とする繊維を使用することが好ましい。さらに、セルロース系バイオマスから機械的磨砕と熱的、化学的前処理を施して得た処理物を使用することも好ましい。例えば、化学パルプ、古紙、パルプ工場のスラッジ、林地残材の処理物、ユーカリ樹皮のメカノケミカル処理物などを挙げることができる。
セルロース系バイオマスの糖化発酵方式としては、バイオマスの酵素糖化と糖化液の発酵とを二段階で行う糖化・発酵分離方式(SHF)でもよいし、バイオマスの糖化と発酵を同時に併行して行う併行糖化発酵(SSF)でもよい。
SHF法の場合、糖化及び発酵のpHは2〜7が好ましく、反応温度は30〜60℃が好ましく、35〜50℃がさらに好ましい。SSF方式では糖化発酵のpHは2〜7が好ましい。反応温度は30〜60℃が好ましく、35〜50℃がさらに好ましい。
セルロース系バイオマスの糖化に用いるセルロース分解酵素の種類については、セルロースを分解できるものであれば特に限定されるものではない。セルロース分解酵素とは、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する所謂セルラーゼと総称される酵素である。各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で混合してもよいが、市販されているセルラーゼ製剤にはヘミセルラーゼを含むものが多いので、市販品を使用するのがよい。市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤があるが、特にこれらに限定されない。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)等が挙げられる。原料固形分100質量部に対するセルラーゼ製剤の使用量は特に限定されないが、0.5〜100質量部が好ましく、1〜70質量部が特に好ましい。
糖化及び発酵の工程から排出された培養液は、特に限定されないが、固液分離工程へ移送して、液体分(培養液)と固形分(残渣)に分離してもよい。但し、固液分離工程は本発明において必須ではない。固液分離を行う装置としては、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス、ドラムフィルター、ディスクフィルター等を用いることができる。スクリーンとしては、振動装置が付加された振動スクリーンなどを用いることができる。固液分離工程で分離された液体分(培養液)は、続いて蒸留工程へ移送することができる。
蒸留工程では、減圧蒸留装置により発酵生成物であるエタノールを蒸留分離することができる。但し、蒸留工程は本発明において必須ではない。減圧下では低い温度でエタノールを分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーターなどを用いることができる。
蒸留温度は25〜60℃が好ましい。25℃未満であると、エタノールの蒸留に時間がかかって生産性が低下する。また、60℃より高いと、酵素が熱変性して失活してしまい、新たに追加する酵素量が増加するため経済性が悪くなる。
蒸留後の液体留分(培養液)中に残るエタノール濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。このような濃度にすることによって、後段の固液分離工程において固形物とともに排出されるエタノール量を低減することができ、収率を向上させることができる。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<酢酸添加試験1>
イサチェンキア・オリエンタリス酵母MF-121株を用いて、グルコースを基質とした発酵試験を実施した。
MF121株を1200mlのYMG培地において37℃で24時間、好気条件下で振とう培養を行った。YMG培地の組成は、0.5%(w/v)ペプトン、0.3%(w/v)イーストエクストラクト、0.3%(w/v)モルトエクストラクト、3%(w/v)グルコース、pH5.6である。遠心分離により集菌後、滅菌水で洗浄し、滅菌水240mlに懸濁した。この細胞縣濁液10mlを加えた発酵培地(1%(w/v)コーンスティープリカー、0.2%(w/v)尿素、3%(w/v)グルコース)に0.1〜0.7%(w/v)の酢酸を添加し、pH5.0に調整した。37℃で8時間、微好気条件下で振とう培養を行った。対照として、酢酸無添加の試験を同様に実施した。試験はn=3で行った。
培養後のエタノール濃度を、バイオセンサー(王子計測機器)を用いて測定した。
結果を表1に示した。酢酸を無添加で培養を行った試験区のエタノール生産量を100%とした場合、酢酸0.1〜0.7%(w/v)を添加した試験区でエタノール生産量が増加した。酢酸0.4%(w/v)を添加した発酵培地で培養を行った試験区では、酢酸を無添加で培養を行った試験区と比較して、エタノール生産量が15%増加した。
Figure 0006167758
<酢酸添加試験2(五炭糖発酵株)>
イサチェンキア・オリエンタリス酵母MF-121株を用いて下記文献に記載の方法に準じてキシロース発酵性イサチェンキア・オリエンタリス酵母を作製した。下記文献には、出芽酵母Saccharomyces cerevisiae等の酵母で実施されている方法が記載されている。
Ho, N. et al., Advances in Biochemical Engineering Biotechnology, Vol.65, pages 163-192, 1999;
Eliasson, A. et al., Applied and Environmental Microbiology, Vol.66, No.8, pages 3381-3386, 2000;及び
Matsushika, A. et al., Bioresource Technology, Vol.100, pages 2392-2398, 2009)。
キシロース代謝経路の遺伝子であるキシロースレダクターゼ遺伝子(XR)、キシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子(XDH)及びキシルロキナーゼ遺伝子(XK)はイサチェンキア・オリエンタリス酵母MF-121株からPCR法で単離した。前記3遺伝子を強制発現させるため、恒常発現プロモーターとして3-ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子(PGK)及びグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(TDH)のプロモーター領域をMF121株からPCR法で単離した。分子生物学的手法を用いて、XR遺伝子、XDH遺伝子、XK遺伝子の各プロモーター領域を、PGK遺伝子またはTDH遺伝子のプロモーター領域に置換したDNA断片を作製し、クローニングベクターのマルチクローニングサイトに導入した。形質転換体を選抜するための選抜マーカーとしてMF121株から単離したオロチジン-5'-リン酸脱炭素酵素遺伝子(URA3)を前記クローニングベクターに導入した。以上の操作により、マーカー遺伝子としてURA3遺伝子を含み、PGK又はTDHプロモーターによって、XR、XDH、XK遺伝子が発現するクローニングベクターを作製した。宿主株には、UV法で作製した、URA3遺伝子によって相補されるウラシル要求性株を用いた。MF121株の形質転換は、酢酸リチウム法で行い、目的遺伝子は内在性のURA3遺伝子領域に相同組み換えで導入した。最小培地で生育する株を形質転換体として単離し、PCRで目的遺伝子が導入されていることを確認後、キシロースを基質とした発酵試験を行い、キシロース発効能が高い株を選抜した。
作製したキシロース発酵性株を用いて、グルコース及びキシロースを基質とした発酵試験を実施した。前培養は<酢酸添加試験1>と同様に行った。発酵培地の組成は1%(w/v)コーンスティープリカー、0.2%(w/v)尿素、0.5%(w/v)グルコース、3%(w/v)キシロース)とし、0.1〜0.7%(w/v)の酢酸を添加し、pH5.0に調整した。対照として、酢酸無添加の試験を同様に実施した。試験はn=3で行った。
培養後のエタノール濃度を、バイオセンサー(王子計測機器)を用いて測定した。
結果を表2に示した。酢酸を無添加で培養を行った試験区のエタノール生産量を100%とした場合、酢酸0.1〜0.7%(w/v)を添加した試験区でエタノール生産量が増加した。酢酸0.4%(w/v)を添加した発酵培地で培養を行った試験区では、酢酸を無添加で培養を行った試験区と比較して、エタノール生産量が23%増加した。
Figure 0006167758
<酢酸添加試験3>
イサチェンキア・オリエンタリス酵母MF-121株を用いて、パルプを基質とした併行糖化発酵試験を実施した。パルプはユーカリ・グロブラスのチップを亜硫酸ナトリウム30%(w/v)と水酸化ナトリウム1%(w/v)を含む薬液中で170℃、1時間加熱処理後、レファイナーでディスクのクリアランス0.5mmの設定で磨砕し、水で洗浄したものを用いた。MF121株を50mlのYMG培地に植菌し、37℃で8時間、好気条件下で振とう培養し、前々培養菌液とした。YMG培地の組成は、0.5%(w/v)ペプトン、0.3%(w/v)イーストエクストラクト、0.3%(w/v)モルトエクストラクト、3%(w/v)グルコース、pH5.6である。前々培養液は5Lジャーファーメンター中の2Lの発酵培地(1%(w/v)コーンスティープリカー、0.2%(w/v)尿素、3%(w/v)グルコース)に植菌し、37℃で一晩、好気条件、攪拌190rpm、pH5.0で酵母を増殖させた。
酵母が増殖した後に、セルラーゼ60gとパルプを絶乾重量で30g、酢酸を酢酸濃度0.4%(w/v)になるように加え、併行糖化発酵を開始した。pHは5.0、ポンプで空気を送り、通気量0.01vvmに制御した。パルプは12時間毎に絶乾重量で30gずつ添加し、72時間まで培養を行った。対照として、酢酸無添加の試験を同様に実施した。試験はn=2で行った。
培養後のエタノール濃度を、バイオセンサー(王子計測機器)を用いて測定した。
結果を表3に示した。酢酸を無添加で併行糖化発酵を行った試験区のエタノール生産量を100%とした場合、酢酸を0.4%(w/v)になるように添加した試験区では、エタノール生産量が21%増加した。
Figure 0006167758
<酢酸添加試験4(五炭糖発酵株)>
<酢酸添加試験2>で使用した五炭糖発酵株を用いて、パルプを基質とした併行糖化発酵試験を実施した。<酢酸添加実験3>と同様の方法で酵母菌を培養し、併行糖化発酵開始時に酢酸を酢酸濃度0.4%(w/v)になるよう添加した。対照として、酢酸無添加の試験を実施した。試験はn=2で行った。
培養後のエタノール濃度を、バイオセンサー(王子計測機器)を用いて測定した。
結果を表4に示した。酢酸を無添加で併行糖化発酵を行った試験区のエタノール生産量を100%とした場合、酢酸を0.4%(w/v)になるように添加した試験区では、エタノール生産量が17%増加した。
Figure 0006167758
以上の結果より、培養液に酢酸を添加することにより、エタノール生産量が増加することが判明した。

Claims (6)

  1. イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母を用いて酢酸を含む培地中で糖類を発酵する工程を含む、エタノールの製造方法であって、培地中の酢酸濃度が0.1〜1.0%(w/v)である前記方法
  2. イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母が、キシロース代謝遺伝子を発現できるように改変した酵母である、請求項1に記載のエタノールの製造方法。
  3. キシロース代謝遺伝子が、キシロースレダクターゼ遺伝子、キシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子またはキシルロキナーゼ遺伝子のうち少なくとも1種の遺伝子である、請求項に記載のエタノールの製造方法。
  4. 糖類が、グルコース及び/又はキシロースである、請求項1からの何れか1項に記載のエタノールの製造方法。
  5. 糖類が、セルラーゼを用いてセルロース系バイオマスを糖化することにより得られた糖類である、請求項1からの何れか1項に記載のエタノールの製造方法。
  6. セルロース系バイオマスの糖化と発酵とを同時に併行して行う、請求項に記載のエタノールの製造方法。
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