JP6160395B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
第2所定量の燃料を第2所定タイミングで噴射する第2燃料噴射を実施したときの前記内燃機関の発熱量変動量またはトルク変動量が基準変動量として予め設定されており、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第2燃料噴射を実施し、このときの発熱量変動量または内燃機関のトルク変動量と前記基準変動量との偏差がゼロになるように前記制御値を補正する補正係数を前記制御値補正係数として算出する制御値補正係数算出部をさらに具備し、
前記重心位置補正係数算出部は、前記制御値補正係数算出部による前記制御値補正係数の算出後に、前記第1補正係数算出と前記第2補正係数算出との少なくとも一方を実施するようにしてもよい。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に本発明の制御装置を備えた第1実施形態の内燃機関が示されている。この内燃機関は、1機関サイクル(すなわち、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および、排気行程の4つの行程を含むサイクル)、より具体的には、1回の圧縮行程において、複数の燃料噴射を実施する圧縮自着火式の多気筒内燃機関(いわゆる、ディーゼルエンジン)である。なお、第1実施形態の内燃機関は、4つの気筒(燃焼室)を有する内燃機関である。
EGR管50とEGR弁51とEGRクーラ52とは、EGR装置(以下「高圧EGR装置」)を構成する。この高圧EGR装置は、排気マニホルド40から吸気マニホルド30に排気を導入する装置である。別の言い方をすると、高圧EGR装置は、タービン35Bの上流の排気通路からコンプレッサ35Aの下流の吸気通路に排気を導入する装置である。
燃料噴射弁20は、燃焼室に燃料を直接噴射するように各燃焼室に対応して機関10に取り付けられている。したがって、図1の機関10は4つの燃料噴射弁20を備える。
ECU70は、燃料噴射弁20、燃料ポンプ21、スロットル弁アクチュエータ33、インタークーラ34、タービン35B、EGR弁51、および、EGRクーラ52に電気的に接続されている。ECU70は、機関運転中、燃料噴射弁20から燃料を噴射させるための信号、燃料ポンプ21の動作状態を制御して燃圧を制御するための信号、スロットル弁アクチュエータ33の動作状態を制御してスロットル弁32の開度を制御するための信号、インタークーラ34の冷却能力を制御するための信号、タービン35のノズルベーン(図示せず)またはタービンバイパス弁(図示せず)の動作状態を制御して過給圧を制御するための信号、EGR弁51の動作状態を制御して当該EGR弁51の開度を制御するための信号、および、EGRクーラ52の冷却能力を制御するための信号を出力する。これら信号によって、燃料噴射、燃圧、スロットル弁32の開度(ひいては、EGR率、すなわち、吸気量および/またはEGR量)、インタークーラ34の冷却能力、過給圧、EGR弁51の開度(ひいては、EGR率、すなわち、EGR量および/または吸気量)、および、EGRクーラ52の冷却能力が制御される。
触媒42は、排気中のNOx(窒素酸化物)を浄化する機能を有する。より具体的には、触媒42は、そこに流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには排気中のNOxを吸蔵し、そこに流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときにそこに吸蔵されているNOxおよびそこに流入する排気中のNOxを還元浄化するNSR触媒(すなわち、NOx吸蔵還元触媒)である。触媒42は、その温度が所定温度以上であるときに所定浄化率以上の浄化率でもってNOxを浄化する。
第1実施形態では、制御指標として、燃焼制御に熱発生率重心位置が用いられる。以下、この熱発生率重心位置を用いる燃焼制御を「熱発生率重心位置制御」ともいう。
熱発生率重心位置について説明する。熱発生率重心位置とは、以下の位置を意味する。すなわち、図2に示されているように、熱発生率重心位置Gcaは、クランク角度に対する熱発生率の波形Wによって画定される領域A(図2の網掛け部分)の幾何学的重心点Ggに対応するクランク角度である。より具体的には、熱発生率重心位置は、横軸をクランク角度とし且つ縦軸を熱発生率とした座標系において描かれる熱発生率の波形と前記横軸とによって囲まれる領域の幾何学的重心点に対応するクランク角度である。なお、前記横軸と前記縦軸とは互いに直交する軸である。
なお、燃焼開始クランク角度を正確に知ることができない場合、燃焼開始クランク角度よりも確実に進角側にあるクランク角度を、燃焼開始クランク角度として採用してもよい。同様に、燃焼終了クランク角度を正確に知ることができない場合、燃焼終了クランク角度よりも確実に遅角側にあるクランク角度を、燃焼終了クランク角度として採用してもよい。
第1実施形態の熱発生率重心位置制御について説明する。この制御では、上述した算出則に従って熱発生率重心位置が算出される。そして、算出された熱発生率重心位置が目標位置(=最適クランク角度)に一致するように、燃焼制御パラメータの値(この燃焼制御パラメータについては、後述する)が制御される。もちろん、これと同時に、要求出力(すなわち、機関に要求される出力)が機関から出力されるように燃焼制御パラメータの値が制御される。
第1実施形態の熱発生率重心位置制御によれば、燃費が低下する。また、燃費を最小にする燃焼状態を達成するための制御指標が熱発生率重心位置という1つだけの指標であるので、燃焼制御パラメータが多数存在する場合においても、燃費が最小となる燃焼状態を達成し得る燃焼制御パラメータの値を少ない適合工数によって決定することができる。
フィードバック制御による熱発生率重心位置制御について説明する。この場合、目標位置が実験などによって予め求められ、この求められた目標位置がECU70に記憶されている。そして、熱発生率重心位置制御の実行中、ECU70に記憶されている目標位置が目標位置に設定される。そして、実際の熱発生率重心位置が算出され、この算出された熱発生率重心位置が目標位置よりも進角側のクランク角度にあるとき(あるいは、算出された熱発生率重心位置が目標位置よりも所定角度以上に進角側のクランク角度にあるとき)には、熱発生率重心位置が遅角される。
これによれば、実験などによって予め求められた各機関運転状態における各種の燃焼制御パラメータの最適な組合せに関する情報を保持していない場合であっても、あるいは、機関の個体差および経年変化が生じた場合であっても、熱発生率重心位置が目標位置に等しくなるように燃焼状態(すなわち、燃焼制御パラメータの値)が制御される。その結果、燃費を確実に低下させることができる。
なお、熱発生率重心位置を制御する燃焼制御パラメータ(別の言い方をすると、燃焼状態を制御する燃焼制御パラメータ)として、たとえば、メイン噴射時期、パイロット噴射時期、パイロット噴射を伴う場合におけるメイン噴射量、パイロット噴射量、アフター噴射量、噴射圧、過給圧、インタークーラ冷却能力、EGRクーラ冷却能力、スワール強度、および、タンブル強度の1つ又は複数を採用可能である。なお、インタークーラ冷却能力は、たとえば、冷却媒体にインタークーラの熱交換器をバイパスさせるか否か、あるいは、当該熱交換器を通過する冷却媒体の割合の変更によって制御可能である。同様に、EGRクーラ冷却能力は、たとえば、冷却媒体にEGRクーラの熱交換器をバイパスさせる制御の実行の有無、あるいは、当該熱交換器を通過する冷却媒体の割合の変更によって制御可能である。
熱発生率重心位置遅角手段(すなわち、熱発生率重心位置を遅角させる手段)として、たとえば、メイン噴射時期の遅角、パイロット噴射時期の遅角、パイロット噴射を伴う場合におけるメイン噴射量の増量、パイロット噴射量の減量、パイロット噴射量の減量とメイン噴射量の増量との組合せ、アフター噴射量の増量、噴射圧の低減、過給圧の低減、インタークーラ冷却能力の増大(たとえば、冷却媒体にインタークーラの熱交換器をバイパスさせる制御の停止、または、当該熱交換器を通過する冷却媒体の割合の増大)、EGRクーラ冷却能力の増大(たとえば、冷却媒体にEGRクーラの熱交換器をバイパスさせる制御の停止、または、当該熱交換器を通過する冷却媒体の割合の増大)、スワール強度の低減、および、タンブル強度の低減を採用可能である。
フィードフォワード制御による熱発生率重心位置制御について説明する。この場合、目標位置が実験などによって予め求められる。そして、機関運転状態ごとにこの目標位置を達成可能な少なくとも1つの燃焼制御パラメータの値(または、複数の燃焼制御パラメータの値の組合せ)が実験などによって基準値として予め求められる。そして、この基準値(または、これら基準値)が機関運転状態の関数のマップの形でECU70に記憶される。そして、熱発生率重心位置制御中、機関運転状態に応じた基準値が前記マップから算出され、この算出された基準値が目標値に設定される。そして、各燃焼制御パラメータの値が対応する目標値に制御される。斯くして、熱発生率重心位置が目標位置に制御される。
第1実施形態の熱発生率重心位置制御フローについて説明する。このフローの一例が図4に示されている。図4のフローが開始されると、始めに、ステップ10において、熱発生率重心位置Gcaが算出される。次いで、ステップ11において、ステップ10で算出された熱発生率重心位置Gcaが目標位置Gcatよりも遅角している(Gca>Gcat)か否かが判別される。ここで、Gca>Gcatであると判別されたときには、フローはステップ12に進み、熱発生率重心位置を進角させるための進角制御が実施され、その後、フローは終了する。一方、Gca>Gcatではないと判別されたときには、フローはステップ13に進む。
第1実施形態の燃焼状態制御フローについて説明する。このフローが図5に示されている。図5のフローは、機関運転中、所定時間が経過する毎に実行される。なお、以下の説明において、目標出力は「機関の出力の目標値」であり、目標噴射量は「燃料噴射弁から噴射される燃料の量の目標値」であり、目標噴射圧は「燃料噴射弁から噴射される燃料の圧力」であり、目標過給圧は「過給機のコンプレッサの下流側の吸気通路内の圧力」であり、パイロット噴射率は「目標噴射量のうちパイロット噴射によって噴射される燃料の量の割合」である。
第1実施形態の熱発生率重心位置補正制御について説明する。この制御では、後述する補正係数算出制御によって算出される補正係数によって、重心位置算出パラメータが補正される。なお、重心位置算出パラメータとは、熱発生率重心位置の算出に用いられるパラメータであって、第1実施形態では、熱発生率、または、クランク角度位置である。また、第1実施形態では、補正係数によって補正された重心位置算出パラメータを用いて、上記熱発生率重心位置の算出則に従って熱発生率重心位置が算出される。
<重心位置算出パラメータ1>
なお、熱発生率は、筒内圧を用いて算出される。したがって、上記補正係数によって補正されるべき重心位置算出パラメータとして、筒内圧を採用してもよい。
また、機関回転数、または、機関負荷、または、吸入空気量、または、吸入空気温度、または、吸気圧、または、燃料噴射量が、重心位置算出パラメータとして、熱発生率重心位置の算出に用いられている場合、上記補正係数によって補正されるべき重心位置算出パラメータとして、これら重心位置算出パラメータを採用してもよい。
また、熱発生率重心位置の算出則に定数が用いられている場合、上記補正係数によって補正されるべき重心位置算出パラメータとして、この定数を採用してもよい。
また、補正されていない重心位置算出パラメータまたは定数を用いて上記算出則に従って算出された熱発生率重心位置を補正するようにしてもよい。もちろん、補正された重心位置算出パラメータまたは定数を用いて上記算出則に従って算出された熱発生率重心位置を補正するようにしてもよい。
また、第1実施形態に従った補正係数による重心位置算出パラメータの補正は、熱発生率重心位置の補正であるとも言える。
第1実施形態の補正係数算出制御について説明する。この制御は、上記補正係数を算出する制御である。なお、以下の説明において、目標噴射量とは、燃料噴射弁から噴射させる燃料の量の目標値である。また、微少噴射量とは、トルクを発生させない程度の燃料噴射量(または、トルクの変動が極めて小さい燃料噴射量、または、機関回転数の変動を発生させない程度の燃料噴射量、または、機関回転数の変動が極めて小さい燃料噴射量)である。
なお、上記補正係数算出制御において、算出された熱発生率重心位置が基準位置よりも小さい(進角側にある)場合、重心位置補正係数は、より大きい熱発生率重心位置が算出されるように重心位置算出パラメータを補正する係数として算出される。もちろん、算出された熱発生率重心位置が基準位置よりも大きい(遅角側にある)場合、重心位置補正係数は、より小さい熱発生率重心位置が算出されるように重心位置算出パラメータを補正する係数として算出される。
なお、熱発生率は、筒内圧を用いて算出される。したがって、上記補正係数は、熱発生率重心位置の算出に用いられる筒内圧を補正する係数であってもよい。
また、機関回転数、または、機関負荷、または、吸入空気量、または、吸入空気温度、または、吸気圧、または、燃料噴射量が、重心位置算出パラメータとして、熱発生率重心位置の算出に用いられている場合、上記補正係数は、これら重心位置算出パラメータを補正する係数であってもよい。
また、熱発生率重心位置の算出則に定数が用いられている場合、上記補正係数は、この定数を補正する係数であってもよい。
また、上記補正係数は、補正されていない重心位置算出パラメータまたは定数を用いて上記算出則に従って算出された熱発生率重心位置を補正する係数であってもよい。もちろん、上記補正係数は、補正された重心位置算出パラメータまたは定数を用いて上記算出則に従って算出された熱発生率重心位置を補正する係数であってもよい。
また、第1実施形態に従った補正係数の算出は、熱発生率重心位置を補正する補正係数の算出であるとも言える。
また、上記補正係数が既に算出されている場合における第1実施形態に従った補正係数の算出は、既に算出されている補正係数の補正または更新であるとも言える。
また、第1実施形態では、補正係数算出制御の実施条件として、要求負荷がゼロであることが採用されているが、この実施条件として、たとえば、フューエルカット運転が実施されていることを採用することができる。なお、フューエルカット運転とは、トルクを発生させるための燃料噴射を実施しない内燃機関の運転である。
また、第1実施形態において、重心点熱発生率の代わりに、熱発生率重心位置における熱発生率を熱発生率補正係数の算出に用いてもよい。この場合、重心位置算出パラメータに誤差がない状態において、微少噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射されたときの熱発生率重心位置における熱発生率(以下「重心位置熱発生率」)が、実験等によって予め求められ、この重心位置熱発生率が基準熱発生率としてECUに記憶される。そして、要求負荷がゼロであるときに上記補正係数算出制御が実施され、燃料噴射弁から微少噴射量の燃料が噴射されると、このときの重心位置熱発生率が算出される。そして、算出された重心位置熱発生率と基準熱発生率との偏差(以下「熱発生率偏差」)が算出される。そして、熱発生率偏差が所定熱発生率偏差以上である場合、この偏差をゼロにするための補正係数が熱発生率補正係数として算出される。
第1実施形態の補正係数の算出について図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、フューエルカット要求フラグとは、要求負荷がゼロになったときにセットされ、トルクが要求されたとき(すなわち、要求負荷がゼロではないとき)にリセットされるフラグである。また、補正係数算出実施フラグとは、重心位置補正係数または熱発生率補正係数の算出の実施が要求されたときにセットされ、所望の補正係数が算出されたときにリセットされるフラグである。
第1実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、熱発生率重心位置を正確に算出することができる。すなわち、第1実施形態では、熱発生率重心位置の算出に熱発生率およびクランク角度が用いられる。そして、熱発生率の算出には、筒内圧が用いられる。ここで、筒内圧は、筒内圧センサからの出力値に基づいて算出される。したがって、筒内圧センサに検出誤差があって、その出力値が実筒内圧に正確に対応した値ではないと、正確な熱発生率重心位置が算出されない。また、クランク角度は、クランク角度センサからの出力値に基づいて算出される。したがって、クランク角度センサに検出誤差があって、その出力値が実クランク角度に正確に対応した値ではないと、正確な熱発生率重心位置が算出されない。そして、こうした筒内圧センサの検出誤差およびクランク角度センサの検出誤差は、熱発生率重心点のずれとして表れる。つまり、算出された熱発生率重心位置のずれ、および、熱発生率重心点に対応する熱発生率(すなわち、図2に参照符号Qgで示されている重心点熱発生率)のずれとして表れる。
第1実施形態の補正係数算出フローについて説明する。このフローの一例が図7に示されている。図7のフローが開始されると、始めに、ステップ30において、フューエルカット要求フラグFfcがセットされている(Ffc=1)か否かが判別される。ここで、Ffc=1であると判別されたときには、フローはステップ31に進む。一方、Ffc=1ではないと判別されたときには、フローはそのまま終了する。
第2実施形態について説明する。なお、以下で説明する幾つかの実施形態について、説明されていない各実施形態の構成および制御は、それぞれ、本明細書中で説明されている他の実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、各実施形態の構成または制御に鑑みたときにその他の実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
第2実施形態の補正係数算出制御について説明する。この制御は、要求負荷がゼロであるときに実施される。この制御が実施されると、目標噴射量が微少噴射量に設定される。すると、燃料噴射弁から微少噴射量の燃料が噴射される。そして、このときの熱発生率重心位置および重心点熱発生率が算出される。そして、重心位置偏差と熱発生率偏差とが算出される。そして、重心位置偏差が所定重心位置偏差以上であって且つ熱発生率偏差が所定熱発生率偏差以上である場合、これら偏差をゼロにするための重心位置補正係数および熱発生率補正係数が算出される。
第2実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、第1実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、熱発生率重心位置を正確に算出することができる。さらに、第2実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、熱発生率重心位置と重心点熱発生率との両方にずれがあり、したがって、算出される熱発生率重心位置のずれを補正すべき要請が高い場合に限り、熱発生率重心位置のずれが補正される。このため、補正制御の実施に伴うECUの負荷の増大を抑制することができる。
第2実施形態の補正係数算出フローについて説明する。このフローの一例が図8に示されている。図8のフローが開始されると、始めに、ステップ40において、フューエルカット要求フラグFfcがセットされている(Ffc=1)か否かが判別される。ここで、Ffc=1であると判別されたときには、フローはステップ41に進む。一方、Ffc=1ではないと判別されたときには、フローはそのまま終了する。
第3実施形態の補正係数算出制御について説明する。この制御は、要求負荷がゼロであるときに実施される。この制御が実施されると、目標噴射量が微少噴射量に設定される。すると、燃料噴射弁から微少噴射量の燃料が噴射される。そして、このときの熱発生率重心位置と重心点熱発生率とが算出される。そして、重心位置偏差と熱発生率偏差とが算出される。そして、重心位置偏差が所定重心位置偏差以上であって且つ熱発生率偏差が所定熱発生率偏差以上である場合、重心位置偏差をゼロにするための重心位置補正係数が算出される。
第3実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、第1実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、熱発生率重心位置を正確に算出することができる。また、第2実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、補正制御の実施に伴うECUの負荷の増大を抑制することができる。さらに、熱発生率重心位置と重心点熱発生率との両方にずれがあっても、重心位置偏差がゼロになるように重心位置算出パラメータを補正すれば、正確な熱発生率重心位置の算出に十分な場合がある。この場合において、第3実施形態の補正制御によれば、熱発生率補正係数が算出されることなく、熱発生率重心位置補正係数のみが算出される。このため、補正制御の実施に伴うECUの負荷の増大をより抑制することができる。
第3実施形態の補正係数算出フローについて説明する。このフローの一例が図9に示されている。なお、図9のフローのステップ50〜E3、および、ステップ55は、それぞれ、図8のフローのステップ40〜D3、および、ステップ45と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
第4実施形態の補正係数算出制御について説明する。この制御は、要求負荷がゼロであるときに実施される。この制御が実施されると、目標噴射量が微少噴射量に設定される。すると、燃料噴射弁から微少噴射量の燃料が噴射される。そして、このときの熱発生率重心位置と重心点熱発生率とが算出される。そして、重心位置偏差と熱発生率偏差とが算出される。そして、重心位置偏差が所定重心位置偏差以上であって且つ熱発生率偏差が所定熱発生率偏差以上である場合、熱発生率偏差をゼロにするための熱発生率補正係数が算出される。
第4実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、第1実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、熱発生率重心位置を正確に算出することができる。また、第2実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、補正制御の実施に伴うECUの負荷の増大を抑制することができる。さらに、熱発生率重心位置と重心点熱発生率との両方にずれがあっても、熱発生率偏差がゼロになるように重心位置算出パラメータを補正すれば、正確な熱発生率重心位置の算出に十分な場合がある。この場合において、第4実施形態の補正制御によれば、熱発生率重心位置補正係数が算出されることなく、熱発生率補正係数のみが算出される。このため、補正制御の実施に伴うECUの負荷の増大をより抑制することができる。
第4実施形態の補正係数算出フローについて説明する。このフローの一例が図10に示されている。なお、図10のフローのステップ60〜F3、および、ステップ65は、それぞれ、図8のフローのステップ40〜D3、および、ステップ45と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
第5実施形態の補正係数算出制御について説明する。なお、以下の説明において、実噴射量ずれとは、目標噴射量に対する実噴射量のずれである。ここで、実噴射量とは、燃料噴射弁から実際に噴射される燃料の量であり、目標噴射量とは、燃料噴射弁から噴射すべき燃料の量の目標値である。また、微少学習噴射量とは、発熱量が極めて小さい燃料噴射量である。発熱量とは、燃焼室内の燃料の燃焼によって発生する熱量である。
<噴射補正係数の具体例>
なお、上記微少学習において、算出された発熱量の変動量が基準変動量よりも小さい場合、噴射補正係数は、燃料噴射弁の開弁時間が長くなるように燃料噴射弁の通電時間を補正する係数として算出される。もちろん、算出された発熱量の変動量が基準変動量よりも大きい場合、噴射補正係数は、燃料噴射弁の開弁時間が少なくなるように燃料噴射弁の通電時間を補正する係数として算出される。
また、発熱量の変動量の代わりに、機関回転数の変動量、または、トルクの変動量を用いてもよい。なお、この場合、微少学習噴射量は、機関回転数の変動が極めて小さい燃料噴射量、または、トルクの変動が極めて小さい燃料噴射量である。
第5実施形態の補正係数算出制御について図11を参照して説明する。図11に示されているように、時刻T0以前では、要求負荷がゼロではないので、目標噴射量が要求負荷に応じた量(この量は、ゼロよりも大きい)に設定されている。また、フューエルカット要求フラグも補正係数算出実施フラグもリセットされている。そして、時刻T0において、要求負荷がゼロになる。すると、フューエルカット要求フラグがセットされ、目標噴射量がゼロとされる。そして、時刻T1において、補正係数算出実施フラグがセットされる。すると、補正係数の算出が実施される。このとき、微少学習噴射量が目標噴射量に設定され、微少学習が実施される。そして、時刻T3において、微少学習が終了される。次いで、時刻T4において、微少噴射量が目標噴射量に設定される。そして、時刻T5において補正係数算出実施フラグがリセットされるまで、補正係数の算出が実施される。時刻T5において、補正係数の算出が終了されると、目標噴射量がゼロとされる。そして、時刻T5において、要求負荷がゼロではなくなると、フューエルカット要求フラグがリセットされ、要求負荷に応じた量(この量は、ゼロよりも大きい)が目標噴射量として設定される。
第5実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、第1実施形態に関連して説明した理由と同じ理由から、熱発生率重心位置を正確に算出することができる。さらに、第5実施形態の熱発生率重心位置補正制御によれば、熱発生率重心位置補正係数および熱発生率補正係数の算出の前に、微少学習が実施される。したがって、噴射量ずれが解消された状態で、熱発生率重心位置補正係数および熱発生率補正係数が算出される。このため、熱発生率重心位置をより正確に算出することができる。
第5実施形態の補正係数算出フローについて説明する。このフローの一例が図12に示されている。なお、図12のフローのステップ71〜G6は、それぞれ、図8のフローのステップ41〜D6と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
ところで、燃焼制御に燃焼中心位置を用いる内燃機関が知られている。ここで、燃焼中心位置とは、1つの膨張行程において発生する総熱量のうち、その半分の熱量が発生した時点のクランク角度である。そして、この燃焼中心位置を用いた制御では、燃焼中心位置が所定位置となるように、たとえば、燃料噴射時期やEGR率が制御される。
ところで、エンジン音(すなわち、内燃機関から放出される音)の周波数成分が時間と共に変化する場合、人の聴感はその音を不快と感じる傾向がある。エンジン音の周波数成分は、筒内圧変化速度(すなわち、筒内圧の単位時間当たりの変化量)に相関を有する。ここで、主燃焼(すなわち、メイン噴射によって噴射された燃料の燃焼)の開始直後は、筒内圧の上昇が急峻であるため、筒内圧変化速度が最も大きい。したがって、主燃焼開始直後の筒内圧変化速度が各サイクル間で一定であれば、エンジン音の聴感が向上する。一方、任意のクランク角度での筒内圧変化速度は、そのクランク角度での燃焼波形の傾きに相関を有する。したがって、各サイクルの燃焼波形の形状が互いに相似していれば、主燃焼開始直後の筒内圧変化速度は、各サイクル間で一定となり、その結果、エンジン音の聴覚が向上する。
熱発生率重心位置制御の一例について説明する。この例では、要求出力を機関に出力させ且つ熱発生率重心位置を目標位置に一致させるメイン噴射時期とパイロット噴射時期とが、要求出力、噴射量(あるいは、パイロット噴射量およびメイン噴射量)、噴射圧、および、過給圧ごとに実験などによって予め求められ、これらメイン噴射時期およびパイロット噴射時期が要求出力、噴射量(あるいは、メイン噴射量およびパイロット噴射量)、噴射圧、および、過給圧の関数のマップ(以下「噴射時期マップ」)の形でECU70に記憶されている。
以上説明した実施形態を総括すると、上記実施形態は、筒内圧に基づいて熱発生率を算出し、該熱発生率に基づいて熱発生率重心位置を算出し、該熱発生率重心位置を第1補正係数(たとえば、上記実施形態の重心位置補正係数)と第2補正係数(たとえば、上記実施形態の熱発生率補正係数)とを用いて補正し、該補正された熱発生率重心位置を用いて燃焼制御を実施する制御部を具備する内燃機関の制御装置において、
第1所定量の燃料(たとえば、上記実施形態の微少噴射量)を第1所定タイミング(たとえば、上記実施形態の所定タイミング)で噴射する第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心位置が基準位置として予め設定されているとともに、前記第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心位置での熱発生率、または、前記第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心点に対応する熱発生率が基準熱発生率として予め設定されており、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第1燃料噴射を実施し、このときの熱発生率重心位置と前記基準位置との偏差をゼロにする補正係数を前記第1補正係数として算出する第1補正係数算出と、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第1燃料噴射を実施し、このときの熱発生率重心位置における熱発生率、または、このときの熱発生率重心点に対応する熱発生率と前記基準熱発生率との偏差をゼロにする補正係数を前記第2補正係数として算出する第2補正係数算出と、
の両方を実施する重心位置補正係数算出部をさらに具備する、実施形態であると言える。
第2所定量(たとえば、上記実施形態の微少学習噴射量)の燃料を第2所定タイミング(上記実施形態の所定タイミング)で噴射する第2燃料噴射を実施したときの前記内燃機関の発熱量変動量またはトルク変動量が基準変動量として予め設定されており、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第2燃料噴射を実施し、このときの発熱量変動量または内燃機関のトルク変動量と前記基準変動量との偏差がゼロになるように前記制御値を補正する補正係数を前記制御値補正係数として算出する制御値補正係数算出部をさらに具備し、
前記重心位置補正係数算出部は、前記制御値補正係数算出部による前記制御値補正係数の算出後に、前記第1補正係数算出と前記第2補正係数算出との少なくとも一方を実施する、実施形態であると言える。
Claims (7)
- 筒内圧に基づいて熱発生率を算出し、該熱発生率に基づいて熱発生率重心位置を算出し、該熱発生率重心位置を第1補正係数と第2補正係数とを用いて補正し、該補正された熱発生率重心位置を用いて燃焼制御を実施する制御部を具備する内燃機関の制御装置において、
第1所定量の燃料を第1所定タイミングで噴射する第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心位置が基準位置として予め設定されているとともに、前記第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心位置での熱発生率、または、前記第1燃料噴射を実施したときの熱発生率重心点に対応する熱発生率が基準熱発生率として予め設定されており、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第1燃料噴射を実施し、このときの熱発生率重心位置と前記基準位置との偏差をゼロにする補正係数を前記第1補正係数として算出する第1補正係数算出と、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第1燃料噴射を実施し、このときの熱発生率重心位置における熱発生率、または、このときの熱発生率重心点に対応する熱発生率と前記基準熱発生率との偏差をゼロにする補正係数を前記第2補正係数として算出する第2補正係数算出と、
の両方を実施する重心位置補正係数算出部をさらに具備する、
制御装置。 - 前記第1補正係数は、前記熱発生率重心位置の算出に用いられる重心位置算出パラメータを補正する係数であり、あるいは、前記熱発生率重心位置を算出する算出則を補正する係数である請求項1に記載の制御装置。
- 前記第2補正係数は、前記熱発生率重心位置の算出に用いられる重心位置算出パラメータを補正する係数であり、あるいは、前記熱発生率重心位置を算出する算出則を補正する係数である請求項1または2に記載の制御装置。
- 前記重心位置算出パラメータは、筒内圧、クランク角度、機関回転数、機関負荷、吸入空気量、吸入空気温度、吸気圧、および、燃料噴射量、の少なくとも1つである請求項2または3に記載の制御装置。
- 前記制御部は、燃料噴射に関する制御値を制御値補正係数を用いて補正し、該補正された制御値を用いて燃料噴射を実施し、
第2所定量の燃料を第2所定タイミングで噴射する第2燃料噴射を実施したときの前記内燃機関の発熱量変動量またはトルク変動量が基準変動量として予め設定されており、
前記内燃機関の要求負荷がゼロであるときに前記第2燃料噴射を実施し、このときの発熱量変動量または内燃機関のトルク変動量と前記基準変動量との偏差がゼロになるように前記制御値を補正する補正係数を前記制御値補正係数として算出する制御値補正係数算出部をさらに具備し、
前記重心位置補正係数算出部は、前記制御値補正係数算出部による前記制御値補正係数の算出後に、前記第1補正係数算出と前記第2補正係数算出との両方を実施する請求項1〜4のいずれか1つに記載の制御装置。 - 少なくとも機関負荷が所定の範囲内にある場合において、前記制御部は、機関負荷に依らず、あるいは、機関回転数に依らず、あるいは、機関負荷にも機関回転数にも依らず、一定のクランク角度位置または一定の範囲内のクランク角度位置に前記熱発生率重心位置を制御する請求項1〜5のいずれか1つに記載の制御装置。
- 前記内燃機関は、1機関サイクル中に複数回の燃料噴射を実施する圧縮自着火内燃機関である請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御装置。
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