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JP6037387B2 - ダイヤモンドnv光学中心を有するダイヤモンド単結晶 - Google Patents

ダイヤモンドnv光学中心を有するダイヤモンド単結晶 Download PDF

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Description

本発明は、NV光学中心をダイヤモンド単結晶に関し、特に所望する結晶表面及び/又は空間内に所望のサイズ及び/又は形状に配置されたダイヤモンド単結晶に関する。
最近、ダイヤモンド結晶中で電荷を一つ保持した窒素−空孔複合欠陥(以下、「NV光学中心」という。)に注目が集まっている。図1は、該NV光学中心の格子モデルを示す図である。この欠陥は、単一の光子を放出することができ、さらに、保持した電子のスピン操作により量子ビットとなる。シリコンを代表とする他の材料と比較してダイヤモンドが特別な理由は、すべて室温で動作することが可能な点にある。特に電子スピン操作は室温・固体としては特異的に長いミリ秒の寿命が観測されている。そのため、これまで極低温下でしか動作しないとされてきたが、単一光子源と量子ビットの特徴を兼ね備えた室温動作可能な固体量子素子または微小磁気センサーとしての可能性に、ダイヤモンド中のNV光学中心への期待と注目があつまっている(非特許文献1)。
ダイヤモンドのNV光学中心による固体量子素子または微小磁気センサーとしてのポテンシャルが確認されて以来、その素子のリソースとなるNV光学中心をいかにして人為的にダイヤモンド中へ形成し配置し検出するかという、エンジニアリング要素への要求が課題となってきている。
たとえば、NV光学中心を効率よく励起し単一光子を集光するためには、ナノスケールで構成された共振器(ナノワイヤー、微小球、フォトニック結晶など)とのマッチングが不可欠となっている。これらの共振器とのマッチングには、少なくてもダイヤモンドのごく表面(深さ100nm以下)にNV光学中心を必要とする密度で配置することが要求される。また、量子演算のために多量子ビット化を実現するためには、NV光学中心をダイヤモンド結晶中に規則正しく配列(数十ナノメートル程度の間隔)してゆく技術が要求される。さらに、微小磁気センサーとして利用するためには、表面から距離(L)の1/L3に比例して信号が減少するため、極表面(表面より5nm以下程度の深さ)にNV光学中心を必要とする密度で配置する必要がある。
NV光学中心を人為的に形成するためには、第一段階としてダイヤモンド中に窒素原子と同時に空孔を導入させる必要がある(非特許文献2)。現在、窒素原子を導入する方法には、ダイヤモンドを準備した後、イオン注入法を利用する方法、または、ダイヤモンド合成中に同時に窒素原子(窒素を含むガス等)を原料に混ぜ導入する手法(非特許文献3)が利用されている。
前者のイオン注入法では、イオンビームの集束技術とイオン量の制御性の向上より所望の配置に窒素原子を所望の量でダイヤモンド中に導入できるようになってきた。しかし、イオン注入法は、通常数十kVから数百kVに加速されたイオンが基板へ照射されるため、窒素と同時に空孔も導入されるが、注入された入射イオン分布が広がり、また、イオン注入によって発生する結晶の損傷の滞留が避けられない。特に、チャネリングによるイオンの分布は、結晶の方向、品質、入射イオンのエネルギー、注入量、基板温度、表面形状などの影響を敏感に受けるために、イオン分布の再現性と予測が困難となる。チャネリングの影響を最小にするために、基板を傾け、さらに結晶への損傷を最小にするために、アニールやイオン加速電圧を最小にするなどの試みがなされているが、逆にNV光学中心に必要な空孔が十分に供給されないことにより、NV光学中心の形成効率が、1%程度と、極端に低い。
一方、後者のダイヤモンド合成中に同時に窒素原子(たとえば窒素を含むガス等)を原料に混ぜ導入する手法には、化学気相堆積法(CVD法)によるダイヤモンド合成法が利用されている。この方法は、イオン注入と異なり、結晶損傷を発生させないで窒素を導入できる。さらに、結晶成長中において窒素を導入するタイミングを制御することで、表面付近への窒素の取り込みを制御することも可能である。しかし、CVD法による結晶成長は、高品質ゆえに空孔の取り込みが極めて抑制されているため、NV光学中心に必要な空孔を導入させるために、結晶成長後に数MeV程度に加速させた電子ビーム照射が行われており、結果的にはイオン注入と同様に結晶損傷の誘発は避けられない。また、結晶成長は基板全面に渡り行われるため、2次元方向での所望のサイズ・形状での配置ができない。特に、高加速された電子の飛程は結晶表面だけに選択的にとどまることができないため、結晶全体に損傷を滞留させることになる。したがって、上述した現在の手法では、NV光学中心の量子性能を左右する外乱を抑制するための後プロセスの開発が新規に必要となり、ダイヤモンドを利用したポテンシャルを十分に引き出せない。
Figure 0006037387
前述のとおり、ダイヤモンドのNV光学中心による固体量子素子または微小磁気センサーにおいては、その素子のリソースとなるNV光学中心を、如何にして人為的に所望の表面又は結晶内の空間に、所望のサイズ及び/又は形状で配置するかが課題であるところ、これまでは充分な解決方法がないのが現状である。
本発明は、このような現状を鑑みてなされたものであって、上述した従来とは異なる手法により高品質なダイヤモンド単結晶成長が可能なCVD法を用い、所望の表面および結晶内の空間、サイズおよび形状で配置されたNV光学中心を有するダイヤモンド、および、後プロセス無しで、ダイヤモンド成長時に自動的に所望の表面および結晶内の空間、サイズおよび形状で配置することを可能とするNV光学中心の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記目的を達成するためには、以下の(1)〜(3)の条件が必要であるという知見を得た。
(1)ダイヤモンドは、基板にもダイヤモンド単結晶を使用したCVD法によるホモエピタキシャル成長であり、その成長速度は、50nm/h以下であること。
通常ダイヤモンドの成長速度を低下させることは、ダイヤモンドの原料、典型的には水素ガスで希釈したメタンガスの濃度を下げることで可能となるが、同時にダイヤモンドの結晶成長の性質上、窒素等の不純物だけでなく空孔の取り込みも減少、もしくは観測不可能なレベルまで取りこみが抑制され結晶品質が向上する。
(2)上述したダイヤモンドの結晶成長速度は、ダイヤモンド基板のオフ角が0度以上0.5度以下で実施され、ダイヤモンドの結晶成長様式がステップフロー成長であること。
これにより、CVD法によるダイヤモンド結晶成長の環境中に特定の窒素含有があった場合においては、窒素および空孔が取りこまれない状態が実現している。これは成長速度が遅い場合、不純物や空孔の取りこみが減少、もしくは、観測不可能なレベルまで取りこみが抑制される性質に起因している。一方、ダイヤモンドの成長速度は、原料の濃度以外にも、基板のオフ角によっても制御可能であり、基板のオフ角が大きいほど(0.5度以上)結晶成長速度が増加するという特徴がある。このオフ角と成長速度の関係が最大限発揮されるのがダイヤモンドのステップフロー成長である。結晶速度の増加は、上述した論理とは反対に、環境中の窒素と、空孔の取り込み効率を増加させる。このことは、基板のオフ角を局所的に所望の形状と配置で変化させることができれば、自動的に窒素および空孔の取り込みを同時に制御できることを意味する。
(3)所望の表面および結晶内の空間、サイズ、形状で局所的なオフ角変化を基板上へ形成すること。
これは、フォトあるいは電子ビームリソグラフィー法とドライエッチング法による微細加工技術を利用することで、所望のパターンとサイズと配置に設計された基板表面のエッチング加工を行う(微細な溝構造を形成する)。エッチング加工された部分はエッチングされていない部分との境界で局所的なオフ角が変化しているため、設計されたパターンに従ってエッチングされた領域部分において結晶成長の成長速度が相対的に増加し、窒素および空孔の取り込みが相対的に高くなる。この場合、エッチング加工された部分とされていない部分でのオフ角の差、つまりコントラストが大きいほどその効果が十分に得られ、本必要条件はそれを満たすための条件となる。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]ホモエピタキシャル成長によるダイヤモンドの結晶成長時に自動的に結晶表面及び/又は結晶空間内に窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶を製造する方法であって、
基板としてオフ角が0度以上0.5度以下のダイヤモンド単結晶基板を用い、該基板上に局所的なオフ角変化を形成した後、窒素を含有させた原料ガスを用いて、マイクロ波プラズマCVD法により、結晶成長速度50nm/h以下で、ステップフローモードに制御して成長させることを特徴とする窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶の製造方法。
[2]前記の局所的なオフ角変化の形成を、フォトあるいは電子ビームリソグラフィー法及び/又はドライエッチング法による微細加工技術により行うことを特徴とする[1]に記載の窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶の製造方法。
[3]オフ角が0度以上0.5度以下のダイヤモンド単結晶からなり、局所的に形成されたオフ角変化を有する基板と、
該基板上にホモエピタキシャル成長されたダイヤモンド単結晶とからなり、
前記基板上のダイヤモンド単結晶の結晶表面又は結晶空間内に、所望のサイズ及び/又は形状に配置された窒素−空孔複合欠陥を有することを特徴とするダイヤモンド単結晶。
[4]前記窒素−空孔複合欠陥が、規則的に配置されていることを特徴とする[3]に記載のダイヤモンド単結晶。
本発明を利用することにより、1次元状構造、又は0次元構造(ドット状)、さらに、これらの組み合わせ、あるいは連続もしくは断続的なつなぎ合わせ等を応用することで、任意の文字構造もしくは任意図形のパターンに光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶が可能となる。
また、本発明により、従来法ではできなかったNV光学中心をダイヤモンド結晶中に配置するための最適な形状設計が自由に行え、効率よく窒素と空孔を供給可能となる。その設計には、再現性および加工設計精度が高いフォトあるいは電子ビームリソグラフィー法とドライエッチング法による微細加工技術が利用可能となる。また、NV光学中心の形成はダイヤモンド結晶成長と同時に行われるため、従来手法の共通特徴の一つである、空孔の取り込みを行うための電子または荷電粒子によるビーム照射および結晶再構成のためのアニール処理などの後プロセスを必要としないため、NV光学中心の外乱となる結晶損傷が無い優れた特性を発揮できる結晶環境を保持することが可能となる。
ダイヤモンド結晶中の窒素−空孔光学中心の格子モデル (001)面ダイヤモンド基板のオフ角と表面原子ステップ模式図 ステップフローモードによる成長速度の説明図 オフ角0のダイヤモンド結晶を、<100>方向から見たときの格子模型と局所オフ角形成の概念図 本発明の方法により、1次元状構造に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の一例を示す図 本発明の方法により、1次元状構造に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の他の例を示す図 本発明の方法により、0次元状構造に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の一例を示す図 本発明の方法により、0次元状構造に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の他の一例を示す図 本発明の方法により、0次元状構造(円柱)に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の一例を示す図 本発明の方法により、0次元状構造(円柱)に光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の他の一例を示す図 本発明の方法により、任意の文字構造又は任意形状のパターンに光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶の一例を示す図 (001)面ダイヤモンド単結晶基板上に形成されたライン&スペース状の溝構造 ホモエピタキシャル成長後の薄膜表面の光学顕微鏡観察像 (a)フォトルミネッセンスマッピング法による観測結果と(b)そのスペクトル 領域Bの(a)CLスペクトトルと(b)CL像
以下、本発明の方法について、さらに詳しく説明する。
本発明は、メタンガスと水素ガスの混合ガスを原料としたマイクロ波プラズマCVD法を利用し、単結晶ダイヤモンドを基板として、ホモエピタキシャル成長によるダイヤモンドにより実現するものである。ホモエピタキシャル成長は、基板の結晶構造を敏感に反映した結晶方法の一つである。本発明者らは、これまでに、このマイクロ波プラズマCVD法を利用したダイヤモンドの成長条件の最適化により、結晶表面に存在する原子ステップの横方向の進行により結晶が形成されるステップフローモードに成功している。
Figure 0006037387
本発明では、ダイヤモンドがホモエピタキシャル成長により行われ、さらにその成長様式がステップフローモードに制御されていることが最大の着眼点となる。その理由として、ダイヤモンドの成長、特性に、不純物と空孔の取り込みが成長速度に強く依存しており、さらにその成長速度は、原料ガスであるメタンガス濃度(メタン/水素混合比)が一定の場合、基板のステップ密度に強く依存する。
図3は、ステップフローモードによる成長速度を説明する図であり、ステップフローモードによる成長速度は、次式によって与えられる。
V=Rcosθ・・・・(1)
ここで、Rは原子層に対して垂直方向の成長速度を示し、R=pv、すなわちステップの進行速度vとステップ密度pの積によって表される。
また、ステップ密度pは、p=h/λ=tanθ、すなわち、ステップ高さ(h)とステップテラス幅(λ)の比によって見積もられる。θは基板のオフ角(結晶学上の原子面と実際の表面と傾きのずれ)を示す。
したがって、基板のステップ密度が大きいほど、つまり、基板のオフ角が大きいほど成長速度が速くなることを示している。言い換えると、このオフ角の変化を基板上に局所的に形成することができれば、その部分においての成長速度を増加できることを意味する。そして、ダイヤモンド合成ガスにある特定量の窒素を添加することにより、窒素の取り込みと空孔の取り込みを局所的に自動的に行うことができる。このとき、基板にできるだけオフ角の少ない(0.5度以下)基板をベースに使うことにより、局所的にオフ角を変化させた部分とそれ以外の部分との成長速度のコントラストを最大にとることができる。
図4は、オフ角0のダイヤモンド結晶を、<100>方向から見たときの格子模型と局所オフ角形成の概念図を示す。図中、横直線は、原子面を示し、曲線の上部は、エッチングされて除去されている部分を示しており、曲線に従ってダイヤモンド表面を局所的にエッチングしたとき、46の原子ステップができる様子を示す。
局所的なオフ角変化を基板上に形成するには、フォトあるいは電子ビームリソグラフィー法とドライエッチング法によるダイヤモンドの微細加工技術を利用して、所望のパターンとサイズと配置に設計された基板表面のエッチング加工を行うのが好ましい。
基板表面上に所望のパターンを形成した後、該パターンが形成された基板上にダイヤモンド単結晶をホモエピタキシャル成長させる。
ダイヤモンド薄膜の合成は、マイクロ波プラズマCVD(周波数915MHz,2.45GHzなど)法をはじめとし、hot-filament法、電子衝撃(electron assisted)法、Plasma Torche法、電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron Cyclotron Resonance)法、直流放電プラズマ(DC discharge plasma)法、高周波プラズマ(RF plasma)法、高周波誘導熱プラズマ(RF induction thermal Plasma)法、直流プラズマジェット(DC plasma Jet)法、燃焼炎法等すべての化学気相堆積法により実施することができるが、本発明では、不純物の取り込みが少ない、マイクロ波プラズマCVD法を用いるのが好ましい。
また、ダイヤモンド合成の為の原料ガスは、メタンガス、二酸化炭素、一酸化炭素など炭素を含むすべてのガスがダイヤモンドの原料ガスの対象となり、本発明では、通常、原料にメタンガス(CH)を使用する。このときメタンガスのカーボン(C)が同位体精製された12CH4ガスと13CH4ガスに変更することによって同位体濃縮されたダイヤモンド薄膜を実現することができる。
原料ガスであるこれらのメタンガスの流量を調整することにより、ダイヤモンドの成長速度を50nm/h以下とする。
また、NV光学中心を形成するためには、窒素(N2)ガス又は同位体精製された142ガスまたは152ガスあるいはそれら含有する原料ガスにより、任意の時間とタイミングおよび任意の流量により混合させる。
このようにして、NV光学中心が結晶表面に配置されたダイヤモンド単結晶構造は、基板に高圧高温合成された単結晶ダイヤモンド基板を使用し、所望の溝構造等のパターンが形成された該基板上にホモエピタキシャル成長させることにより得られる。
また、NV光学中心が結晶内に配置されたダイヤモンド単結晶構造は、前記のようにしてダイヤモンド単結晶の結晶表面にNV光学中心を形成した後、前記の窒素(N2)ガス又は同位体精製された142ガスまたは152ガスあるいはそれらを含む原料ガスに代えて、これらのガスを含有しない原料ガスを用いて、引き続きホモエピタキシャル成長させることにより得られる。
図5は、本発明を利用することにより、NV光学中心が配置されたダイヤモンド単結晶構造の例を示すものであり、図5(a)、(b)は、1次元状構造、図5(c)〜(f)は、0次元構造(ドット状を含む)、図5(g)は、これらの組み合わせ、あるいは連続もしくは断続的なつなぎ合わせ等を応用した任意の文字構造もしくは任意図形のパターンを示している。
図中、溝構あるいは凹状構造のサイズについては、W1、W2、L1、L2は、任意スケールとすることができる。また、D、D1、L1、φW1を、10μm以下とすることが望ましく、D2を、0.5nm〜100nmとすることが望ましい。ただし、成長条件を変更および最適化することにより上述したサイズを超えることが出来る。
上述した本発明の方法を検証するために、電子ビームリソグラフィー法とドライエッチング法による微細加工技術を利用し、X線回折により評価されたオフ角0.5度のダイヤモンド単結晶基板上に、以下のようにして、結晶<110>方位に平行なライン(エッチング部分=溝部分)&スペース(エッチングしていない部分)状の溝構造を作製した。表面上のパターン作製は電子ビーム描画装置を利用した。低欠陥で高品質なダイヤモンド薄膜を合成するために、基板に高圧高温合成された単結晶ダイヤモンドを使用した。このとき、高圧高温合成された単結晶ダイヤモンド、つまり購入直後のダイヤモンド表面は、通常機械研磨されているため、表面には研磨傷や研磨痕が存在しているが、あらかじめこれらを除去するためにスカイフ研磨により再研磨された表面荒さRa<40nm以下のダイヤモンド基板を使用した。
パターンが形成されたマスクを、該ダイヤモンド単結晶基板に載置して、酸素ガスと四フッ化炭素ガスを用いたICP(Inductively Coupled Plasma)エッチングプロセスにより、矩形状の溝構造を形成した。図6は、ダイヤモンド表面に加工されたパターンを示す。
基板表面上に図5に示した4パターンを形成した後、この溝構造を有する基板上に、以下に記載する方法により、ダイヤモンド単結晶をホモエピタキシャル成長させた。
マイクロ波プラズマCVD法を用いたエピタキシャル成長には、不純物の取り込みが少なく、安定動作可能なステンレス製の反応容器を持つエンドランチ型マイクロ波プラズマCVD装置を使用する。該装置は、主にマイクロ波電源、反応容器、基板温度制御系、原料ガス供給系、真空排気系から構成される。ここでは、マイクロ波電源部は、最大出力1.5kW、周波数2.45GHzのマグネトロンを使用した。
また、ダイヤモンド合成の為の原料ガスはメタンガス、二酸化炭素、一酸化炭素など炭素を含むすべてのガスがダイヤモンドの原料ガスの対象となり、本発明では、通常、原料にメタンガス(CH4)を使用する。このときメタンガスのカーボン(C)が同位体精製された12CH4ガスと13CH4ガスに変更することによって同位体濃縮されたダイヤモンド薄膜を実現することができる。
ダイヤモンド基板は、基板反応容器へセットする前に、硫酸過水の加熱洗浄、ふっ酸洗浄、有機溶剤による超音波洗浄、超純粋煮沸洗浄を行い、ダイヤモンド基板表面の汚染物の除去を行う。次に、洗浄されたダイヤモンド基板を反応容器内のステージにセットし、反応容器内を10-8Torr台の真空度を保ち、分圧計により炭素系残留ガスが10-9Torr台もしくは検出限界以下であることを確認する。
ダイヤモンド薄膜を合成するための原料には、商用レベルの高純度水素ガス及び高純度のメタンガス又は同位体精製された高純度メタンガスを使用する。これらのガスはマスフローコントローラーによって流量制御された状態で、マニホールドによって均一に混合し、混合されたガスをダイヤモンド合成装置の反応容器上部のシャワーヘッドからガスシャワーとして反応容器に導入する。このとき、典型的に混合されるガス比は99.85%が水素で残り0.15%がメタンである。このとき、メタンの水素ガスに対する混合比はダイヤモンド薄膜の成長速度を決める要因のひとつであるため、ダイヤモンドの成長速度が50nm/h以下になるようにメタンガスの流量を調整する。
一方、ガスの大部分を占める水素ガス中の残留炭素の影響を抑制するため、水素ガスはメタンガスとの混合する直前で、白金触媒の化学吸着方式による水素精製器により、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO2)、炭化水素(CH4等)などの水素ガス中の残留不純物を除去した純度99.9999999%の水素ガスを使用する。
その後、上述した混合ガスを反応容器に導入し、下記の条件により合成する。代表的な合成パラメータは、基板温度800℃、マイクロ波パワー750W、全ガス圧力25Torr、全ガス流量400SCCM、水素/メタン混合比0.15%である。ここで、ダイヤモンド薄膜の厚みは、ダイヤモンドの成長速度がわかっているため、合成時間により制御する。
NV光学中心を形成するためには、窒素(N2)ガス又は同位体精製された142ガスまたは152ガスあるいはそれらを含むガスにより、任意の時間とタイミングおよび任意の流量により混合させる。ここでは、メタンガスに対する窒素Nの混合比が2%以下となるように調整した。
図7は、ホモエピタキシャル成長後の薄膜表面の光学顕微鏡像を示す。
図中、A〜Dは、前記図6に示す4パターンの溝幅(A=1μm、B=5μm、C=0.5μm、D=2μm)の構造領域に対応するものを示し、Eは、通常のエピタキシャル面を示している。
通常のエピタキシャル面E領域(エッチング処理をされていない領域)は、ステップフロー成長特有のマクロステップバンチングによる表面構造を示しているのに対し、微細構造上での表面は、不規則なステップバンチング構造が抑制され、いずれの領域も平滑性が向上し、溝構造に並行なマクロステップが見られる成長様式となる。また、膜厚500nmの成長設計に対し、深さ2μmの溝部が完全に覆われており、溝部の成長速度は通常のエピタキシャル面(E領域)と比較し4倍以上の成長速度が局所的に実現されていることを確認した。
NV光学中心の確認は、共焦点顕微鏡システムによるフォトルミネッセンスマッピング法により評価を行った。NV光学中心は、電子を一つ保持した場合、637nmにゼロフォノン線を持つ発光が観測される。
図8の(a)に、各パターン構造からのフォトルミネッセンスマッピングの結果を示す。観測領域は80μm×80μmで分解能は、0.2μmである。図に示すとおり、いずれのライン&スペースからも溝構造部分に局在した発光が観測された。
図8の(b)に、この発光をスペクトル分析した一例を示す。この結果から、溝構造に局在した発光の起源が電子を一つ保持したNV光学中心であることを示す。
次にパターン構造を持つ薄膜の品質を評価するためにカソードルミネッセンス法によりバンド端領域における発光の観測を行った。
図9は、領域Bの観測結果を示す図であり、観測流域は、190μm×190μm、観測温度は80Kである。
図9の(a)は、パターン領域からのカソードルミネッセンスイメージとその発光強度分布(ラインプロファイル)の一例を示す。イメージのコントラストの明るい部分は可視光域からの発光を示す。フォトルミネッセンスマッピングの結果と同様に、溝構造に局在された発光が観測されている。
図9の(b)はパターン領域からのカソードルミネッセンススペクトルを示す。図に示すとおり235nmに鋭いピークを持つフリーエキシトンからの発光が観測されている。この発光は欠陥や不純物の少ない高品質なダイヤモンド本来の発光で、品質評価の指標として利用される。ここで注目されるのが、575nmにピークを示す発光が同時に観測されていることである。このピークは電子が捕獲されていないNV光学中心を起源とする発光である。カソードルミネッセンス法は励起に使用する電子ビームのエネルギーが大きいことから、いわゆる空の状態のNV光学中心に対して高い感度を持っている。
この結果は、CVD法により高品質なダイヤモンド環境を維持しながら、所望の配置にNV光学中心が人為的に形成できていることを示す。つまり、NV光学中心がダイヤモンド結晶中に空間的に独立して存在していることを示す。
CVD法を利用した高品質なダイヤモンド結晶成長を実現しながら、窒素が原料ガスに添加されているにもかかわらず、ダイヤモンドの結晶成長の性質を利用することにより、自動的に所望の表面空間、サイズ、形状、そして配置されたダイヤモンドの作り分けが自在に行えることを示した。このことは、本発明の方法を実験的に実証しているといえる。
本発明のNV光学中心が組み込まれたダイヤモンドおよびその製造方法は、ナノスケールの磁気センサー、量子暗号通信や量子コンピューターなどの次世代情報処理技術に必要となる高品質な素子および形成技術に適応することができる。また本技術を応用し、たとえば取り込み原子を変更することで様々な光学中心が形成可能とすることができる。それにより、光学中心固有の発光、つまり発光波長(色)の異なる発光を所望の設計により配置された状態からの発光パターンをダイヤモンドから検出することができるようになり、光の伝搬を制御可能なダイヤモンドによるフォトニック結晶への応用が考えられる。
また、近年天然ダイヤモンドに変わる資源としてCVD法により合成されたダイヤモンドが注目されているが、その際、ダイヤモンドの鑑定および識別の観点から製造元を判別することが難しいことが問題となっており、このとき、本発明を利用することで、隠し文字として入れ込みということが可能となるため、製造元のダイヤモンドかどうかを識別可能とする新たなタッグ技術としての利用も考えられる。
1:NY光学中心が形成されている領域
2:ダイヤモンド単結晶

Claims (4)

  1. ホモエピタキシャル成長によるダイヤモンドの結晶成長時に自動的に結晶表面及び/又は結晶空間内に窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶を製造する方法であって、
    基板としてオフ角が0度以上0.5度以下のダイヤモンド単結晶基板を用い、該基板上に局所的なオフ角変化を形成した後、窒素を含有させた原料ガスを用いて、マイクロ波プラズマCVD法により、結晶成長速度50nm/h以下で、ステップフローモードに制御して成長させることを特徴とする窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶の製造方法。
  2. 前記の局所的なオフ角変化の形成を、フォトあるいは電子ビームリソグラフィー法及び/又はドライエッチング法による微細加工技術により行うことを特徴とする請求項1に記載の窒素−空孔複合欠陥が配置されたダイヤモンド単結晶の製造方法。
  3. オフ角が0度以上0.5度以下のダイヤモンド単結晶からなり、局所的に形成されたオフ角変化を有する基板と、
    該基板上にホモエピタキシャル成長されたダイヤモンド単結晶とからなり、
    前記基板上のダイヤモンド単結晶の結晶表面又は結晶空間内に、前記局所的に形成されたオフ角変化に対応して配置された窒素−空孔複合欠陥を有することを特徴とするダイヤモンド単結晶。
  4. 前記窒素−空孔複合欠陥が、規則的に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド単結晶。
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