JP6006211B2 - 3員環の縮合エーテルカルバメートおよびその使用 - Google Patents
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Description
(式中、
X1は、結合または任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
X2は、結合、C(O)、S(O)、S(O)2、任意に置換されていてもよいアミノまたは任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
R1およびR2は、事例ごとに独立に、水素、P(O)(OR)2[式中、Rは、事例ごとに、水素またはアルキルから独立に選択される]、プロドラッグを形成する基からなる群から選択され、
R3は、各々が任意に置換されていてもよい、スルホニル、アシル、アミノ、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
R4は、水素、ハロゲン、−OHまたは−NO2であるか、R4は、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アルコキシ、スルホニル、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであるか、あるいは、R3、R4、X3、結合した窒素が、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し、
R5およびR6は独立に、事例ごとに、水素であるか、各々が任意に置換されていてもよい、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
Zは、以下の式で表される。
<式中、*は結合点を示し、mは、0、1または2であり、
W1およびW2は、事例ごとに独立に、任意に置換されていてもよいアルキレン、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンスルホキシル、アルキレンスルホニルからなる群から選択され、
W3およびW4は、事例ごとに独立に、アミノ、酸素、アルキレン、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
W1またはW2のうちの少なくとも1つが酸素であり、W1またはW2のうちの1つが任意に置換されていてもよいメチレンである場合に、W3またはW4のうちの少なくとも1つは酸素またはアルキレンオキシであり、
X3は、結合または任意に置換されていてもよいメチレンであり、
Yは、水素、ヒドロキシルまたはカルボニルであるか、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アシル、スルホニル、アルキルまたはヘテロアルキルであり、
Zは、過酸化物結合、スルフェナート結合およびスルフェンアミド結合を含まない。>)
もうひとつの実施形態では、以下の式で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、異性体の混合物、結晶形態、非結晶形態、水和物または溶媒和物が記載される。
(式中、
X1は、結合または任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
X2は、結合、C(O)、S(O)、S(O)2、任意に置換されていてもよいアミノまたは任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
R1およびR2は、事例ごとに独立に、水素、P(O)(OR)2[式中、Rは、事例ごとに、水素またはアルキルから独立に選択される]プロドラッグを形成する基からなる群から選択され、
R3は、各々が任意に置換されていてもよい、スルホニル、アシル、アミノ、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
R4は、水素、ハロゲン、−OHまたは−NO2であるか、R4は、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アルコキシ、スルホニル、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであるか、あるいは、R3、R4、X3、結合した窒素が、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し、
R5およびR6は独立に、事例ごとに、水素であるか、各々が任意に置換されていてもよい、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
Zは、以下の式で表される。
<式中、*は結合点を示し、nは、1、2または3であり、
W1およびW2は、事例ごとに独立に、任意に置換されていてもよいメチレン、酸素、アミノからなる群から選択され、
W3およびW4は、事例ごとに独立に、アミノ、酸素、アルキレン、ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
W1またはW2のうちの少なくとも1つが酸素であり、W1またはW2のうちの1つが任意に置換されていてもよいメチレンである場合に、W3またはW4のうちの少なくとも1つは酸素であり、
X3は、結合または任意に置換されていてもよいメチレンであり、
Yは、水素、ヒドロキシルまたはカルボニルであるか、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アシル、スルホニル、アルキルまたはヘテロアルキルであり、
Zは、過酸化物結合、スルフェナート結合およびスルフェンアミド結合を含まない。>)
もうひとつの実施形態では、HIV感染を治療するための、治療有効量の、本明細書に記載された1種類または2種類以上の化合物を含む、薬学的組成物が記載される。
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2010年9月2日にファイルされた米国仮特許出願第61/379,414号の優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体を本明細書に援用する。
(式中、
X1は、結合または任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
X2は、結合、C(O)、S(O)、S(O)2、任意に置換されていてもよいアミノまたは任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
R1およびR2は、事例ごとに独立に、水素、P(O)(OR)2[式中、Rは、事例ごとに、水素またはアルキルから独立に選択される]、プロドラッグを形成する基からなる群から選択され、
R3は、各々が任意に置換されていてもよい、スルホニル、アシル、アミノ、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
R4は、水素、ハロゲン、−OHまたは−NO2であるか、R4は、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アルコキシ、スルホニル、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであるか、あるいは、R3、R4、X2、結合した窒素が、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し、
R5およびR6は独立に、事例ごとに、水素であるか、各々が任意に置換されていてもよい、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
Zは、以下の式で表される。
<式中、*は結合点を示し、mは、0、1または2であり、
W1およびW2は、事例ごとに独立に、任意に置換されていてもよいアルキレン、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンスルホキシル、アルキレンスルホニルからなる群から選択され、
W3およびW4は、事例ごとに独立に、アミノ、酸素、アルキレン、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
W1またはW2のうちの少なくとも1つが酸素であり、W1またはW2のうちの1つが任意に置換されていてもよいメチレンである場合に、W3またはW4のうちの少なくとも1つは酸素またはアルキレンオキシであり、
X3は、結合または任意に置換されていてもよいメチレンであり、
Yは、水素、ヒドロキシルまたはカルボニルであるか、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アシル、スルホニル、アルキルまたはヘテロアルキルであり、
Zは、過酸化物結合、スルフェナート結合およびスルフェンアミド結合を含まない。>)
1.以下の式で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、異性体の混合物、結晶形態、非結晶形態、水和物または溶媒和物。
(式中、
X1は、結合または任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
X2は、結合、C(O)、S(O)、S(O)2、任意に置換されていてもよいアミノまたは任意に置換されていてもよいアルキレンであり、
R1およびR2は、事例ごとに独立に、水素、P(O)(OR)2[式中、Rは、事例ごとに、水素またはアルキルから独立に選択される]プロドラッグを形成する基からなる群から選択され、
R3は、各々が任意に置換されていてもよい、スルホニル、アシル、アミノ、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
R4は、水素、ハロゲン、−OHまたは−NO2であるか、R4は、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アルコキシ、スルホニル、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであるか、あるいは、R3、R4、X2、結合した窒素が、任意に置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し、
R5およびR6は独立に、事例ごとに、水素であるか、各々が任意に置換されていてもよい、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
Zは、以下の式で表される。
<式中、*は結合点を示し、nは、1、2または3であり、
W1およびW2は、事例ごとに独立に、任意に置換されていてもよいメチレン、酸素、アミノからなる群から選択され、
W3およびW4は、事例ごとに独立に、アミノ、酸素、アルキレン、ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
W1またはW2のうちの少なくとも1つが酸素であり、W1またはW2のうちの1つが任意に置換されていてもよいメチレンである場合に、W3またはW4のうちの少なくとも1つは酸素であり、
X3は、結合または任意に置換されていてもよいメチレンであり、
Yは、水素、ヒドロキシルまたはカルボニルであるか、各々が任意に置換されていてもよい、アミノ、アシル、スルホニル、アルキルまたはヘテロアルキルであり、
Zは、過酸化物結合、スルフェナート結合およびスルフェンアミド結合を含まない。>)
2.Zは、以下の式で表される、第1項に記載の化合物。
(式中、W2は酸素であり、*は結合点を示す。)4.X3は結合である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。5.nは、1または2である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。6.W4は、任意に置換されていてもよいエチレンまたはプロピレンである、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。7.nは1である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。8.W4はエチレンである、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。9.Yは水素である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。10.W1、W2、W3は、酸素である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。11.Zは、
である、上述した項のいずれか1項に記載の化合物。
である、第0項または第1項に記載の化合物。
(式中、Ar=p−PhOMe、p−PhNH2、p−PH−CH2OH、p,m−置換芳香族置換(p,m-substituted aromatic, substituted)ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソランなどである。)
もうひとつの実施形態では、以下の式で表される化合物が、記載される。
(式中、Ar=p−PhOMe、p−PhNH2、p−PH−CH2OH、p,m−置換芳香族置換ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソランなどである。)
一具体例では、以下のスキームに示す工程のうちの1つまたは2つ以上あるいはすべてを含む方法によって、本明細書に記載の化合物を調製する。
本明細書に記載の化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を含むものであってもよいし、そうでなければ、複数の立体異性体として存在できるものであってもよい。一実施形態では、本明細書に記載の発明は、特定の立体化学要件に限定されるものではなく、化合物ならびに、これらを含む組成物、方法、用途、医薬剤は、光学的に単一であってもよいし、多岐にわたる立体異性混合物のいずれか(エナンチオマーのラセミ混合物および他の混合物、他のジアステレオマー混合物などを含む)であってもよいことは、理解できよう。また、立体異性体のこのような混合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心に単一の立体化学構造を含むと同時に、1つまたは2つ以上の他のキラル中心に立体化学構造の混合物を含むものであってもよいことも理解できよう。
Syn−Syn−Syn SSS)トリス−THFアルコール
スキーム1.SSS−タイプのトリス−THFリガンド8および10の合成
Syn−Syn−Syn(SSS)−タイプのトリス−THFアルコールの合成
縮合Syn−Syn−Syn(SSS)−タイプのトリス−テトラヒドロフラン(トリス−THF)リガンド8および10を、スキーム1に概要を示したようにして合成した。既知の手順に従って、(3R、3aS、6aR)−3−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン(ビス−THFアルコール)2を調製した。トリフェニルホスフィンとヨウ素を用いて、ビス−THFアルコール2を収率90%で対応するヨウ化物3に変換し、そこからβ除去して環状ビニルエーテル4を生成した。化合物4は揮発性が高く、これをそのまま溶媒の存在下で次の反応に使用した。よって、3工程で、環状ビニルエーテル4を、CH2Cl2中、0℃にてNISとプロパルギルアルコールで処理し、収率58%でヨウ化物5を生成した。AIBNで開始した5のラジカル環化によって、対応するトリス−THFアルケン6を生成した。これを、2工程で、オゾン分解によって切断し、収率68%でトリス−THFケトン7を生成した。7のsyn−syn−syn構成をNOESYとX線結晶構造(図1)で確認した。L−セレクトリドでのケトン7の還元によって、収率85%で単一の異性体としてアルコール8を生成した。同じ手順で、1を開始材料として用いて、エナンチオマー10を調製した。
スキーム2に示すようにして、市販の2,3−ジヒドロフランを還流下にてエチルジアゾアセテートと無水CuSO4で処理し、テトラヒドラフラニルシクロプロパニルエステル11(4:1dr)を生成した。得られるエステルをLAH還元し、対応する第1級アルコール12を定量収率で生成した。第1級アルコール12をIBXで酸化することで対応する無水物が得られ、これをin−situで配置調整して環状ラセミビニルエーテル4を生成した。この経路を用いて、3工程で、2,3−ジヒドロフランから収率35%でラセミ体であるアルケン4を得ることができた。比較のためあげておくと、スキーム1に記載した方法で同じアルケン4を得るには、6工程が必要である。
スキーム2.シクロプロピルエステル11からのビス−THFアルケン4の合成
SAS環縮合を用いるトリス−THFの合成経路を、スキーム3に示す。直前に調製した、アセトンを含まないDMDOのCH2Cl2溶液に、アルケン4を−78℃で曝露して対応するエポキシドを得て、これをメタノール/ナトリウムメトキシドで開環して、収率96%でアルコール13を得た。触媒量(10%)のナトリウムメトキシドの添加は、この反応に不可欠である。1H−NMRカップリング定数比較とNOE分析によって、立体異性を確認した。アルコール13をデス・マーチン試薬で酸化して、対応するケトンを得た。2工程で、このケトンを用いてL−セレクトリドを還元し、収率58%で排他的に、3位のOHが反転したアルコール14を得た。
スキーム3.SAS−タイプのトリス−THFアルコール(±)−19の合成
1H−NMRとNOE分析によって、立体異性の反転が容易に確認できた。アルコール14のアシル化と、その後のTMSOTfによって促進されるプロパルギルアルコール交換反応によるグリコシル化によって、対応するアセタール15および16を、4:1の比で、分離できない混合物として得た。アセチル保護基を除去した後、フラッシュクロマトグラフィーによって2つのジアステレオマーが容易に分離でき、対応するアルコールが得られた。生じたアルコールを、1)チオカルボニル誘導体17に対する中性条件下で、1,1’−チオカルボニルジイミダゾールを用いて、収率95%でヒドロキシル基をチオカルボニル誘導体に変換する、2)AIBNによって開始される、還流しているトルエン中での水酸化トリ−n−ブチルスズでのラジカル環化によって、収率75%で3員環のアルケン18を得る、という2工程のシーケンスで、3員環のアルケン18に変換した。生じたアルケン18の二重結合を、CH2Cl2/CH3OH中、−78℃にてO3流で切断することで、対応する3員環のケトンが収率89%で得られた。生じたケトンを用いてL−セレクトリドを還元することで、収率95%で排他的に、ラセミ体であるSAS−タイプのトリス−THFアルコール(±)−19が得られた。
スキーム4.リパーゼ30を用いるトリス−THFアルコール(±)−19の速度論的光学分割
ラセミ体であるSAS−タイプのトリス−THFアルコール(±)−19を用い、高光学純度のトリス−THFアルコールを生成するための手順を本明細書に記載する(スキーム3.7)。ビス−THFアルコールを調製する戦略に基づいて、酵素速度論的光学分割を使用して2つのエナンチオマーを分離した。このため、ラセミ体である化合物(±)−19を、固定化したリパーゼ30、酢酸ビニル、DMEで36時間かけて分割することで、遊離アルコール(+)−19が収率49%で、アシル化生成物20が収率47%で得られた。エステル20をK2CO3とメタノールで加水分解し、他のSAS−タイプのトリス−THFエナンチオマー(−)−19を収率100%で得た。
リガンド28の合成を、スキーム3.8に示す。過去に報告のある手順に従って、高光学純度のシクロペンテニルアルコール22を調製した。アセテート22のTBS保護と加水分解によって、定量収率でアルコール23を得た。これを、2工程で、エチルビニルエーテルおよびNBSのCH2Cl2溶液で対応するブロモアセタールに変換した後、TBSを除去し、収率85%でアルコール24を得た。アルコール24を、TBAIの存在下、NaHとプロパルギルブロミドで処理し、収率90%で環化前駆体25を得た。AIBNによって開始される、還流しているトルエン中での水酸化トリ−n−ブチルスズを用いるカスケード環化によって、収率79%で3員環のアルケン26を得た。三フッ化ホウ素ジエチルエーテルおよびトリエチルシランでのアセタール還元によって、収率76%でアルケン27を得た。−78℃でオゾン化して二重結合を切断した後、単一の操作で−15℃にてNaBH4還元し、収率85%でP2リガンド28を得た。
スキーム5.THF−Cp−THFアルコール28および30の合成
阻害剤31〜36の合成
阻害剤31〜36の合成について、スキーム6に概要を示す。さまざまな溶媒中、クロロギ酸p−ニトロフェニルとN−メチルモルホリンを使用して、リガンドアルコールを対応するp−ニトロフェニルカーボネート37a〜fに変換した。市販のエポキシド38を、2−プロパノール中、65℃で3時間かけてイソブチルアミンで開環した。過去に報告のある手順に従って、この未精製の生成物をスルホン化し、定量収率でアイソスター39を得た。アイソスター39をトリフルオロ酢酸で処理した後、対応するカーボネート37a〜fとアミンカップリングし、阻害剤31〜36を得た。
スキーム6.阻害剤31〜36の合成
表1.化合物31〜36の酵素阻害活性ならびに、選択した阻害剤のHIV−1LAIに対する抗ウイルス活性
阻害剤33、34の耐性プロファイル
PHA−PBMにおける、臨床で得られた多剤耐性単離株に対する33および34の相対的な抗ウイルス活性
Los Alamosデータベースから引用したコンセンサスタイプB配列と比較した、HIV−1ERS104pre、HIV−1B、HIV−1C、HIV−1G、HIV−1TM、HIV−1MM、HIV−1JSLのプロテアーゼコード領域で同定されたアミノ酸置換は、それぞれ、L63P;L10I、K14R、L33I、M36I、M46I、F53I、K55R、I62V、L63P、A71V、G73S、V82A、L90M、I93L;L10I、I15V、K20R、L24I、M36I、M46L、I54V、I62V、L63P、K70Q、V82A、L89M;L10I、V11I、T12E、I15V、L19I、R41K、M46L、L63P、A71T、V82A、L90M;L10I、K14R、R41K、M46L、I54V、L63P、A71V、V82A、L90M;I93L;L10I、K43T、M46L、I54V、L63P、A71V、V82A、L90M、Q92K;L10I、L24I、I33F、E35D、M36I、N37S、M46L、I54V、R57K、I62V、L63P、A71V、G73S、V82Aを含む。HIV−1ERS104preは、野生型HIV−1の供給源として機能した。PHA−PBMを標的細胞として用いてIC50値を求め、各薬剤によるp24 Gagタンパク質産生の阻害を評価項目として用いた。括弧内の数字は、野生型HIV−1ERS104preのIC50値と比較して、それぞれの単離株でIC50値が何倍に増えたかを示す。アッセイはすべて二重に実施した。
Claims (5)
- R3はイソブチルである、請求項1に記載の化合物。
- HIV感染を治療する方法に使用するための薬学的組成物であって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物のうちの1種類以上と、キャリア、希釈剤、もしくは賦形剤、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上とを含む、薬学的組成物。 - HIV感染を緩和する必要のある患者を治療するための方法に用いられる、請求項4に記載の薬学的組成物。
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