JP5997475B2 - 芳香フィルム - Google Patents
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Description
特許文献2、3においては、香料成分が封入されたマイクロカプセルが、塗布によりウィンドウフィルム表面に担持されており、次層のティッシュペーパーの引出しによってマイクロカプセルが破壊され、香料が衛生用紙に着香するというものである。
さらに、流通輸送時の振動により、最上部のティッシュペーパーと、ウィンドウフィルム裏面とが擦れ、マイクロカプセルが破壊され、使用開始時には芳香を感じなくなる場合があった。
1.香料を含む基材層及び前記基材層の両面に接する香りバリアー層を含む芳香フィルムであって、物品を取出すための切込み部を有する芳香フィルム。
2.前記香りバリアー層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びスチレンブロックを含有するエラストマーを含む1に記載の芳香フィルム。
3.前記基材層がスチレンブロックを含有するエラストマー、及び液体香料を含む1又は2に記載の芳香フィルム。
4.前記少なくとも一方の香りバリアー層の前記基材層と反対の面に、さらにポリオレフィン層が積層されている1〜3のいずれかに記載の芳香フィルム。
5.前記基材層を形成する押出機内に香料を注入して、基材となる樹脂と混練し、香りバリアー層、又は香りバリアー層及びポリオレフィン層と共押出しして一度に積層して製造する1〜4のいずれかに記載の芳香フィルムの製造方法。
6.1〜4のいずれかに記載の芳香フィルムを有する紙・布帛製品の収納器具であって、前記芳香フィルムに設けられた切込み部から紙・布帛製品を取出す紙・布帛製品の収納器具。
7.紙・布帛製品の取出し口が設けられた収納器具であって、1〜4のいずれかに記載の芳香フィルムが、前記取出し口を被覆するように、前記収納器具の内部から前記取出し口に設けられ、前記芳香フィルムに設けられた切込み部から前記紙・布帛製品を取出す紙・布帛製品の収納器具。
8.前記紙・布帛製品がティッシュペーパーである6又は7に記載の紙・布帛製品の収納器具。
9.紙カートンから形成される6〜8のいずれかに記載の紙・布帛製品の収納器具。
本発明の芳香フィルムは、ティッシュペーパー等の紙・布帛製品の収納器具の取出し口に設けることができる。
これにより、芳香フィルム面から香りが短時間で逸散してしまうことを抑制でき、製品流通後においても、好適に衛生用紙等の紙・布帛製品へ着香できる。
即ち、衛生用紙等に着香した香料濃度は、切込み付近では基材層中での濃度と短時間で等しくなるため、フィルムからの芳香放出はそれ以上行なわれない。また、次の衛生用紙等の着香は、衛生用紙等を取り出した後から行われるので、無駄なく長期使用できる。
基材層は、基材となる樹脂及び香料を含む。
基材となる樹脂としては、スチレンブロックを含有するエラストマー(スチレン系エラストマー)が好ましい。スチレンブロックを含有するエラストマーとは、スチレンブロックとジエンブロックを含有するゴム質ブロック共重合体である。スチレンブロックを含有するエラストマーは、香料を多く含有させることができるため好ましい。
香料は、好ましくは液体である。香料は基材層に対して、例えば1〜20重量%とする。
基材層は、上記成分の他に、必要に応じてポリオレフィンやエチレン−ビニルアルコール共重合体等を含んでもよい。ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体は後述するものを用いることができる。
香りバリアー層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アルミ箔、ケイ素蒸着ポリエチレンフタレート、ナイロン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いる場合、配合比率が高い方が好ましく、例えば、香りバリアー層全体に対して30〜100重量%である。
スチレン系エラストマーの含有量は、香りバリアー層の樹脂の重量に対して50重量%以下が望ましい。50重量%を上回ると香りバリア性が不足する場合がある。また、香りバリアー層の樹脂の重量に対して30重量%以下が望ましい。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂にスチレン系エラストマーを配合した材料を用いる場合、柔軟性は上がるが、香りバリアー性は低下するため、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を単体で用いる場合より層を厚くすべきであり、例えば5μm以上とする。
ポリオレフィン層の厚さは、例えば5〜30μmとする。
本発明の芳香フィルムは、上記基材層及び香りバリアー層を有し、香りバリアー層が基材層の両面に接して設けられている。本発明の芳香フィルムは、基材層及び香りバリアー層の他、上記のポリオレフィン層、接着層層等を含むことができる。また、所望の機能を有する限り、各層を異なる材料から形成された2層以上にしてもよい。
芳香フィルムの全厚みは任意であるが、包装用フィルムとしての取り扱い上、20〜100μmが好ましい。
従って、香料を短期間で大量に放出させることが求められる場合は、基材層を薄くして香り濃度を上げたり、また、薄い香りで長期の徐放が求められる場合は、基材層を厚くして香り濃度を薄くすることができる。
被包装物への着香量を増やすためには、取出し時に内容物との接触面を大きくなる切込み形状を選択すればよい。例えば、被包装物がリボン形状やシート状等、厚みがほとんどない場合、スリット形状であると、切込み部断面との接触面を大きくすることができ、特に好ましい。
積層方法は特に限定されないが、例えば、基材層に、別途製造した香りバリアー層をドライラミネーションや押出しラミネーションにより積層する方法や、これらの層を一度に多層共押出して成形する方法が挙げられ、多層共押出しする方法が生産性の点で望ましい。即ち、製造コストを抑えることができ、芳香フィルムを安価に製造することができる。
また、基材層と香りバリアー層等の他の層を共押出しすることにより、一度に積層して芳香フィルムを製造することが好ましい。
本発明の紙・布帛製品の収納器具は、本発明の芳香フィルムを有し、芳香フィルムに設けられた切込み部から紙・布帛製品を取出す構造を有する。
本発明の芳香フィルムを有することにより、収納器具が長期間の流通や保管を経た場合でも芳香が維持され、輸送等で振動を与えても香りが弱くならない。また、紙・布帛製品を繰返し取出しても着香効果が長期間維持される。
また、予め紙・布帛製品に着香する必要がなく、収納器具に芳香フィルムを貼り付けるだけで、紙・布帛製品に容易に様々な香りを付与することができる。
本発明の収納器具が紙材料から製造される場合、例えば、紙材料からなるカートンブランクを折り曲げることにより、六面体の収納器具(紙カートン)とすることができる。
紙・布帛製品の取出し口の形状は特に制限されず、衛生用紙等の形状に応じて適宜選択すればよい。例えば、直方体状の収納器具の場合、その取出口の形状は収納器具の長手方向に沿った横長形状、例えば、略長方形状、略長円形状、長楕円形状、菱形状、又は多角形状等の形状とすることができる。
芳香フィルムが収納器具の内部から設けられていると、外部の塵や異物から衛生用紙等を保護することができ、また、衛生用紙等を外部に取出す際に、ポップアップした衛生用紙等が収納容器の内部に落ち込むことが防止され、衛生用紙を取出口から突出させた状態で保持することが可能となる。
(1)フィルムの製造
香料層(基材層)を製造する押出機として直径40mm2軸押出機(Ex.1)を用い、両表面層(香りバリアー層)をそれぞれ製造する押出機として直径30mm押出機2台(Ex.2、Ex.3)を用いた。
具体的に、基材となる樹脂として、スチレン系エラストマーであるペレット状のセプトン2063(株式会社クラレ製、230℃におけるMFR=7g/10分、密度=880kg/m3)を用い、このペレットに、オレンジオイルの香料成分であるd−リモネンを、香料成分濃度が約10重量%となるように調節しながら注入し、香料層を混練押出しした。
尚、フィルムの各層厚みは、香りバリアー層20μm/香料層40μm/香りバリアー層20μmとし、総厚さを80μmとした。
ティッシュペーパー用収納器具である紙カートンを以下のように製造した。製造した紙カートンの展開図を図1(A)に、展開図の左側面図を図1(B)に、紙カートンの斜視図を図2に示す。
図1(A)、(B)に示す寸法の抜き罫線、及び蓋切取用ミシン目12を設けてあるカートンブランク10を、製函機に枚葉で連続的に供給し、カートンブランク10の内側の、蓋切取用ミシン目12の外周囲に沿って、EVA(エチレンビニルアセテート)系ホットメルト接着剤を塗布した。
紙カートンを以下の保管条件で保存し、香りの保持性を嗅覚で評価した。結果を表1に示す。
上記で製造したティッシュペーパーの入った紙カートンを、図3に示すように5段×4列に積み上げ、490mm×250mm×260mmのダンボールに入れた。このダンボールについて、振動試験機(IMV社製VS−1000−5)を用いて、JIS Z0231 付属書A表に基づき、縦、横、高さ方向各30分間のランダム振動試験を実施した後に、紙カートンを開封して香りの強さを嗅覚で判定した。
A条件と同様にして紙カートンを詰めたダンボールを、振動試験を行わず、30℃で1ヶ月間静置保管した後、紙カートンを開封して香りの強さを嗅覚で判定した。
A条件の振動試験の後、B条件と同様に静置保管した後、紙カートンを開封して香りの強さを嗅覚で判定した。
上記で製造したティッシュペーパーの入った紙カートンを開封した後、24℃の部屋に開封したままの状態で静置し、開封直後より1週間に1度、20組40枚のティッシュペーパーを一度に取出し、香りの強さを嗅覚で判定した。ティッシュペーパーの香りがなくなるまで、又はティッシュペーパーがなくなるまで計10回の取出しを行った。
◎:最初と同等よく香る
○:最初よりやや弱いがよく香る
△:香りが非常に弱くなっている
×:香りがまったくしない
Ex.2及び3の押出し樹脂を下記のものとし、各層厚みを10μm/10μm/40μm/10μm/10μmとした以外は、実施例1と同様に芳香フィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Ex.2:エバールF104B(成分:エチレン−ビニルアルコール共重合体、株式会社クラレ製、210℃におけるMFR=10g/10分、密度=1190kg/m3)
Ex.3:直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー株式会社製ネオゼックス0234CL(MFR=2.0g/10分、密度=921kg/m3)94重量%に、プライムポリマー株式会社製アンチブロッキング剤BB33(3重量%)及びスリップ剤EE47(3重量%)を添加したもの)
Ex.2及び3の押出し樹脂を、共に直鎖状低密度ポリエチレン(実施例2のEx.3と同じ)とし、各層厚みを20μm/40μm/20μmとして芳香フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にフィルムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
(1)基材フィルムの製造
Ex.1、2及び3の押出し樹脂を、全て直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー株式会社製ネオゼックス0234CL(MFR=2.0g/10分、密度=921)とした以外は、実施例1と同様にフィルム(基材フィルム)を製造した。
エチレン−マレイン酸共重合樹脂(商品名:EMA−31、Monsanto Co.製)5重量%を含むポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(AlfaAesar製;陰イオン界面活性剤)水溶液300gに、d−リモネン150gを加え、ホモミキサーで2500rpmの速度で攪拌してO/W型エマルジョンを調製した。
この再分散させたマイクロカプセル分散液を、バインダーであるアクリル樹脂に10重量%加えて攪拌し、(1)の基材フィルムへの塗布液とした。
さらに実施例2では、芳香フィルムが柔軟で滑りやすいため、切込み部からティッシュペーパーを毎回取り出す際の抵抗が少なく、スムーズに引き出せた。
12 ミシン目
20 芳香フィルム
22 切り込み
Claims (8)
- 香料を含む基材層及び前記基材層の両面に接する香りバリアー層を含む芳香フィルムであって、前記香料を含む基材層を断面に露出する切込み部を有し、
前記香りバリアー層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びスチレンブロックを含有するエラストマーを含む芳香フィルム。 - 前記基材層がスチレンブロックを含有するエラストマー、及び液体香料を含む請求項1に記載の芳香フィルム。
- 前記少なくとも一方の香りバリアー層の前記基材層と反対の面に、さらにポリオレフィン層が積層されている請求項1又は2に記載の芳香フィルム。
- 前記基材層を形成する押出機内に香料を注入して、基材となる樹脂と混練し、香りバリアー層、又は香りバリアー層及びポリオレフィン層と共押出しして一度に積層して製造する芳香フィルムの製造方法であって、
前記香りバリアー層を形成する材料が、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びスチレンブロックを含有するエラストマーを含む請求項1〜3のいずれかに記載の芳香フィルムの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香フィルムを有する紙・布帛製品の収納器具であって、前記芳香フィルムに設けられた切込み部から紙・布帛製品を取出す紙・布帛製品の収納器具。
- 紙・布帛製品の取出し口が設けられた収納器具であって、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香フィルムが、前記取出し口を被覆するように、前記収納器具の内部から前記取出し口に設けられ、前記芳香フィルムに設けられた切込み部から前記紙・布帛製品を取出す紙・布帛製品の収納器具。
- 前記紙・布帛製品がティッシュペーパーである請求項5又は6に記載の紙・布帛製品の収納器具。
- 紙カートンから形成される請求項5〜7のいずれかに記載の紙・布帛製品の収納器具。
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