JP5991295B2 - 点火装置 - Google Patents
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このため、例えば、燃焼室内に流速の高い筒内気流が発生している場合には、火花放電が筒内気流によって引き延ばされたときに、エネルギ投入が途切れると、放電経路が一時的に遮断される吹き消え現象が発生し、追加的に投入したエネルギが再放電のために消費されることになり、失火に至るおそれがあるという問題があった。
補助電源131と充電用ドライバ32zとでいわゆるDC−DCコンバータを構成し、放電スイッチ33を開閉駆動することで、コンデンサ135の蓄えられたエネルギを放出させることができる。
点火装置4zでは、特許文献1にあるようにDC−DCコンバータを一次コイルのプラス側ではなく、一次コイル20のマイナス側に接続することにより、二次電圧V2が比較的高い状態から補助電源131からの放電を開始させることができ、二次放電I2の途切れを生じさせることなく、長時間にわたり連続的に補助エネルギの投入を図ることができると考えられた。
放電期間中において、内燃機関5の条件によっては、燃焼室内に流れる強い筒内気流を受けて、放電アークが引き延ばされ、相対的に放電距離が拡大されると、その分、二次電圧V2が上昇することになる。
このため、筒内気流によって放電アークが引き延ばされて二次電圧V2が上昇すると、これに比例して一次電圧V1も高くなる。
放電スイッチ33が開いて、補助電源131から点火コイル2の一次コイル20へのエネルギ投入が停止しているタイミングで、筒内気流によって放電アークが引き延ばされて、一次電圧V1が急に高くなると、一次電圧V1が補助電源131の放電電圧Vdcよりも高くなってしまうことがある。
放電経路が途切れて一次電圧V1が放電電圧Vdcより低くなると、補助電源131から点火コイル2への放電が可能となるが、放電経路がなくなっているので補助電源131から放出される放電エネルギは、再放電を起こすために消費されることになる。
このため、補助電源131からの投入エネルギが火炎核の成長に利用されなり、安定した着火を実現できなくなるおそれがあることが判明した。
また、前記電源切換要否判定手段(37)によって、必要と判断された場合のみ、前記第1の補助電源(131)から前記第2の補助電源231への切り替えが行われるので、過剰なエネルギ投入による電極の消耗を防ぐこともできる。
本発明の点火装置4は、直流電源1と、所定の巻回比(N=N2/N1)によって巻回した一次コイル20と二次コイル21とによって昇圧トランスを構成する点火コイル2と、直流電源1から点火コイル2への通電と点火コイル2から図略の内燃機関5に設けられた点火プラグ6への放電とを制御する制御回路3とからなり、点火プラグ6に高い電圧V2を印加して放電アークを発生させ、放電期間中に重畳的に放電維持エネルギを投入することで、放電の維持を図る点火装置であって、以下の構成を有することで、安定した着火を実現するものである。
点火装置4は、制御回路3が、少なくとも、点火スイッチ30と、複数の補助電源131、231と、これらの補助電源からの放電を制御する放電スイッチ33と、点火コイル2の二次電圧V2を検出する二次電圧検出手段36と、検出した二次電圧V2と所定の閾値Vthとの比較によって、補助電源の切り換えの要否を判定する切換要否判定手段37と、その判定結果によって、複数の補助電源131、132のいずれの補助電源と放電スイッチ33とを接続するかを切り換える電源切換スイッチSSW38とを具備することを特徴とする。
なお、本実施形態においては、第1の補助電源131と第2の補助電源231との2つの補助電源を設けた例を示しているが、補助電源の数は2つに限定するものではなく、2以上であれば良い。
また、直流電源1として、公知のDC−DCコンバータ等によって高い電圧に昇圧した電源を用いても良い。
点火コイル2の一次電圧V1と二次電圧V2との変圧比V2/V1は、一次コイル20の巻回数N1と二次コイル21の巻回数N2との巻回比N(=N2/N1)にほぼ等しい。 本発明は、プラグホール内に収容可能とするいわゆるスティック型の点火コイルと、プラグホールの上部に固定されたハウジング内に収容可能とするいわゆるプラグトップ型の点火コイルとのいずれにも採用可能である。
点火スイッチ30は、IGBT、サイリスタ等のパワートランジスタが用いられ、外部に設けたエンジン制御装置(ECU)7から内燃機関5の運転状況に応じて発信された点火信号IGtにしたがって開閉制御される。
第1、第2のチョークコイル131、231には、所定のインダクタンスL131、L232(例えば、5〜50μH)を有するコア付きコイルが用いられている。
第1、第2のチョークコイル132、232の上流側は、それぞれ直流電源1に接続され、下流側は、それぞれ、第1、第2の充電スイッチ133、233を介して接地されている。
第1、第2の充電スイッチ133、233のそれぞれのゲートGには、充電用ドライバ32が接続されている。
充電用ドライバ32は、放電期間信号IGwがオフとなっている間に第1、第2の充電スイッチ133、233を所定の周期で開閉制御できれば、如何なる方法で駆動パルスを発生するものでも良く、チャージポンプ等を含む公知のゲートドライバを適宜用いることができる。
なお、本実施形態においては、1つの充電用ドライバ132によって、第1の充電スイッチ133と第2の充電スイッチ233とを開閉制御するように構成した例を示したが、それぞれの充電スイッチ133、233に個別の充電用ドライバを設けるようにしても良い。
第1、第2のコンデンサ135、235には、それぞれ所定のキャパシタンスC1、C2(例えば、100〜1000μF)を有するコンデンサが用いられている。
第1、第2の整流素子134、234は、ダイオード等が用いられ、第1、第のコンデンサ135、235から第1、第2のチョークコイル132、232、又は第1、第2の充電スイッチ133、233側への逆流を阻止している。
第1、第2の充電スイッチ133、233の開閉により、直流電源1から第1、第2のチョークコイルに蓄えられたエネルギが、第1、第2のコンデンサ135、235のそれぞれに充電される。
電源切換スイッチSS38は、切換要否判定手段37の切換信号SSにしたがって、第1、第2の入力S1、S2のいずれの端子を接続するかを切り換えて、第1、第2の補助電源131、132のいずれの補助電源からの放電を行うかを選択する。
放電スイッチ33には、n−MOSFET、FET等のパワートランジスタが用いられている。
放電スイッチ33のゲートGには、放電用ドライバ34が接続されている。
放電スイッチ33のドレインDは、切換スイッチ38の出力側に接続され、ソースSは点火コイル2の一次コイル20のマイナス側に接続されている。
放電用ドライバ34は、ECU7から発信された放電期間信号IGwにしたがって、所定の開閉パルスで発振するゲート電圧VG33を生成し、放電スイッチ33を開閉駆動する。
本実施例においては、二次電圧検出手段36として、分圧抵抗361(R1)、362(R2)を設けた例を示してあるが、本発明において、二次電圧検出手段36を、特に限定するものではない。
点火コイル2の放電中における二次電圧V2を検出できれば、如何なるものでもよく、ダイオードやコンデンサを用いたものや電流センスMOSFETを用いたもの、カレントミラー回路を設け点火プラグ6に流れる二次電流I2を検出して二次電圧V2を算出するもの等公知の二次電圧検出手段を適宜採用し得る。
二次電圧判定手段37は、検出した二次電圧V2と所定の閾値Vthとの比較を行い、二次電圧V2が閾値Vthを超える場合には、放電の引き延ばしによって一次電圧V1が上昇すると判断されるので、切換信号SSを出力する。
なお、閾値Vthは、第1の補助電源131のみからエネルギ投入を行った場合に、筒内気流によって、放電アークが引き延ばされて放電が吹き消される吹き消え限界となる電圧とする。
二次電圧判定手段37から切換信号SSが出力されると切換スイッチしSSW38がS1からS2に切り換えられる。
このとき、第2の放電電源231の放電電圧Vdc2は、一次電圧V1より遙かに高い電圧となっているので、放電が途切れることなく二次電流の維持を図るのに十分なエネルギを放出することができる。
なお、本実施形態において、具体的な、一次電圧V1のピークは、数百ボルト程度となっている例を示してあるが、第1、第2の放電電圧Vdc1、Vdc2、一次電圧V1、二次電圧V2をどの程度とするかは、点火コイル2の巻回比Nや、点火プラグ6の放電ギャップ、適用する内燃機関の燃焼特性等によって適宜設定される設計事項であり、特に限定するものではない。
なお、制御回路3は、半導体集積回路によって構成することができ、必要に応じて、コンデンサ、コイル等を実装し、点火コイル2と共に図略のハウジング内に収容して用いられる。
図2中(a)は、ECU7から発信された点火信号IGtを、(b)は、放電期間信号IGwを、(c)は、第1の充電スイッチ133を開閉駆動する第1の充電信号VG133を、(d)は、第2の充電スイッチ233を開閉駆動する第2の充電信号VG233を、(e)は、点火スイッチ30の開閉状態を、(f)は、放電スイッチ33の開閉状態を、(g)は、電源切換スイッチ38の切換状態を、(h)は、第1の放電電圧Vdc1の変化を、(i)は、第2の放電電圧Vdc2の変化を、(j)は、放電スイッチ33のドレイン電圧VDDの変化と一次側発生電圧V2/Nの変化を重ねたものを、(k)は、一次側発生電圧V2/N(Nは巻数比)の変化を、(l)は二次電圧V2の変化を、(m)は、二次電流I2の変化を示す。
そこで、(j)、(k)の一次側発生電圧は、V2/Nの変化のみを示してある。
本図(b)に示すように、ECU7から、内燃機関5の運転状況に応じて予め設定した放電期間信号IGwが発信される。
なお、必ずしも、第1、第2のコンデンサ135、235の充電は、本実施形態のように点火信号IGwに同期させるものに限られるものではなく、放電期間IGwに十分なエネルギを放出できるよう充電を行うことでき、放電期間信号IGwがオフとなっている期間に行うものであれば、いつ充電を行うようにしても良い。
点火スイッチ30の開閉によって、一次コイル20に流れていた一次電流が遮断されると、本図(k)に示すように、自己誘導によって一次コイル20に起電力V1が発生し、本図(l)に示すように、コアを共有する二次コイル21に相互誘導作用によって例えば、−20kV〜−50kVの極めて高い二次電圧V2が発生する。
このとき、二次電圧V2は、一次電圧V1の巻数比(N=N2/N1)倍となる。
二次電圧V2が点火プラグ6に印加され、放電空間の絶縁耐圧を超えると、点火プラグ6の電極間に放電アークが発生し、本図(m)に示すように、瞬間的に大きな二次電流I2が流れる。
すると、本図(f)に示すように、放電期間信号IGwの立ち上がりに同期して、放電スイッチ33が開閉駆動される。
このため、第1、第2の充電スイッチ133、233と点火スイッチ30とがオフとなった状態で、本図(f)に示すように放電スイッチ33が開閉駆動されると、第1の補助電源131から第1の放電電圧Vdc1が点火コイル2の一次コイル21のマイナス側に印加される。
このとき、第1のコンデンサ135の放電電圧Vdc1は徐々に低下する。
第1のコンデンサ135からの放電によって、本図(k)に示すように、一次電圧V1が変化する。
このとき、本図(m)に示すように流れる二次電流I2が、点火プラグ6に放電エネルギとして導入され、放電の維持が図られる。
燃焼室内を流れる筒内気流によって放電アークが引き延ばされ、本図(i)に示すように、二次電圧V2が吹消限界を示す所定の閾値Vthを超えると(なお、本実施形態においては、二次電圧V2はマイナスの値であるため、V2<Vthとなったとき)、電源切換判定手段37から切換信号SSが出力され、本図(g)に示すように電源切換スイッチ38が、S1からS2へ切り換えられる。
電源切換スイッチ38の切り換えによって、本図(j)に示すように、放電スイッチ33のドレイン電圧VDDは、第1の放電電圧Vdc1から第2の放電電圧Vdc2に切り換えられることになる。
このとき、本図(j)に示すように、第2の放電電圧Vdc2は、一次電圧V1より高いため、放電スイッチ33が開閉されたとき、放電経路が途切れることなく、第2のコンデンサ233からの放電が行われる。
これによって、本図(m)に示すように、長期に亘って、二次電流I2が点火プラグ6に流れ放電維持が図られるので、安定した着火を実現できる。
なお、以下の説明において、上述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付したので説明を省略し、相違する部分には、枝番としてzの符号を付したので、相違点を中心に説明する。
図3中(a)は、ECU7から発信された点火信号IGtを、(b)は、放電期間信号IGwを、(c)は、充電ドライバ32から発振される充電信号VG133を、(d)は、点火スイッチ30の開閉状態を、(e)は、放電スイッチ33の開閉状態を、(f)は、放電電圧Vdcの変化を、(g)は、一次側発生電圧V2/Nの変化を、(h)は二次電圧V2の変化を、(i)は、二次電流I2の変化を示す。
その結果、比較例では、点火信号IGtにしたがって、点火信号IGtがオンとなっている期間中に、充電スイッチ133が開閉駆動され、第1のコンデンサ135が高い放電電圧Vdcに充電され、点火信号IGtに同期して点火スイッチ30によって点火コイル2が開閉駆動されると、高い二次電圧V2が発生して点火プラグ6に印加され、放電期間信号IGwに同期して、放電スイッチ33が開閉駆動されると、点火プラグ6に放電維持のためのエネルギ投入が行われる点は本発明の実施形態と同様である。
すると、図4(f)に示すように、放電スイッチ33が開いている間に、第1の補助電源131の放電電圧Vdc1よりも、一次側発生電圧V2/Nの方が高くなる。
このため、二次コイル21からのエネルギ放出によって、二次電圧V2が低下し、これによって一次電圧V1も低下して、第1の補助電源131の放電電圧Vdc1よりも低くなるまで、放電エネルギの投入が停止されることになる。
また、図4(e)に示すA部の期間では、放電スイッチ33の開閉が行われても、放電経路が消失しており、放電が行われない。
1 直流電源
2 点火コイル
20 一次コイル
21 二次コイル
22 整流素子
3 制御回路
30 点火スイッチ
131 第1の補助電源
132 第1のチョークコイル
133 第1の充電スイッチ
134 第1の整流素子
135 第1のコンデンサ
231 第2の補助電源
232 第2のチョークコイル
233 第2の充電スイッチ
234 第2の整流素子
235 第2のコンデンサ
32 充電用ドライバ(DRV1)
33 放電用スイッチ
34 放電用ドライバ(DRV2)
35 整流素子36 二次電圧検出手段
37 電源切換要否判定手段
38 電源切換スイッチ(SSW)
5 内燃機関
6 点火プラグ
7 エンジン制御装置(ECU)
IGt 点火信号
IGw 放電期間信号
V1 一次電圧
V2 二次電圧
SS 電源切換信号
Claims (3)
- 少なくとも、直流電源(1)と、所定の巻回比(N=N2/N1)によって巻回した一次コイル(20)と二次コイル(21)とによって昇圧トランスを構成する点火コイル(2)と、前記直流電源(1)から前記点火コイル(2)への通電と、前記点火コイル(2)から内燃機関(5)に設けた点火プラグ(6)への放電とを制御する制御回路(3)とからなり、前記点火プラグ(6)に高い二次電圧(V2)を印加して放電アークを発生させた後、放電期間中に重畳的に放電維持エネルギを投入する点火装置であって、
前記制御回路(3)が、
少なくとも、
点火スイッチ(30)と、
2以上の補助電源(131、231)と、
これらの補助電源(131、231)からの放電を制御する放電スイッチ(33)と、
前記点火コイル(2)の二次電圧(V2)を検出する二次電圧検出手段(36)と、
検出した二次電圧(V2)と所定の閾値(Vth)との比較によって、前記複数の補助電源(131、231)の切り換えの要否を判定する切換要否判定手段(37)と、
その判定結果によって、前記複数の補助電源(131、132)の内のいずれかと前記放電スイッチ(33)との接続を切り換える電源切換スイッチ(SSW38)とを具備することを特徴とする点火装置 - 前記複数の補助電源(131、231)の内、前記電源切換スイッチ(SSW38)によって選択的に接続された電源から前記点火コイル2への放電を前記一次コイル(20)のマイナス側から行う請求項1に記載の点火装置
- 前記補助電源(131、231)が、チョークコイル(132、232)と、充電スイッチ(133、233)と、整流素子(134、234)と、コンデンサ(135、235)と、を含むDC−DCコンバータである請求項1又は2に記載の点火装置
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