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JP5967751B2 - 電気泳動用プレキャストゲル、その製造方法および使用方法 - Google Patents

電気泳動用プレキャストゲル、その製造方法および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は生化学医薬分析を目的とする電気泳動用ポリアクリルアミドプレキャストゲル、その使用法及びその製法に関するものである。
電気泳動用ポリアクリルアミドプレキャストゲルは、蛋白質など生体を構成する重要な物質の検出並びに定量分析を目的として、生物学、医学、水産学、獣医学など多くの分野における基礎的研究手段とし広く使用されている。特にポリアクリルアミドゲルは人工的に合成された物質であるため、処方を変えることで分離特性の異なるゲルを容易に作成できる。そのため、予め様々な分離特性を持つように量産されたプレキャストゲルを使用することで分析の手間を大幅に省き、均一で再現性が良いことから当該分野における生産および品質管理に貢献するところが大きい。また、量産されたプレキャストゲルを供給するに際しては、保存安定性が良好であることが期待される。
ライフサイエンス分野の分析対象としては、近年は蛋白質の修飾状態が注目され始めている。蛋白質は、生体内で300種類以上の翻訳後修飾によって機能を付与されており、特に、哺乳類は生体内の3分の1の蛋白質がりん酸化修飾状態にあるといわれ、様々な疾患の発症機構や早期発見、治療につなげるため、蛋白質のりん酸化修飾状態を調べることが行われている。
ゲル電気泳動法による蛋白質のりん酸化状態の分析方法としてアニオン性基をもつ化合物に対しキレート形成能力を持つ側鎖を導入したアクリルアミドモノマーを共重合したポリアクリルアミドゲルが提案されている。このゲルを用いると、りん酸化修飾状態により移動度が異なり、同一構造の蛋白質でもりん酸化状態により分離することが可能となる。(特許文献1、2)
従来、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法には、レムリーによって提案された緩衝液の組み合わせが広く使用され、一般的な方法となっている。レムリーの方法はゲル緩衝液としてトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下トリスと略す)の塩酸による部分中和物を使用し、泳動緩衝液にはトリス、グリシンを使用している(レムリーの泳動緩衝液)。この方法におけるゲル緩衝液は、pHが8.8になるようにトリスが塩酸により部分中和されている(レムリーのゲル緩衝液)。(非特許文献1)
特に、低分子量の蛋白質に対しては、特にシャガーらが提案した泳動緩衝液にトリス、トリシン使用した方法が広く利用されている。この方法におけるゲル緩衝液は、pHが8.45になるようにトリスが塩酸により中和されている。(非特許文献2)
前記特許文献1においても、レムリーの方法を用いた例が実施例として提案されている。
しかしレムリーあるいはシャガーらのゲル緩衝液のpHでは、アミド基は経時的に加水分解反応を受け、蛋白質の泳動距離が短くなると共に分離像は不鮮明となるのでゲルを長期に保存することはできなかった。予め量産したゲルを供給するプレキャストゲルにおいては保管期限を限定して供給する必要があり保存安定性が良好であることが必要とされる。
本出願人においても特許文献3及び特許文献4、特許文献5に報告されているように、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの品質向上や製造方法、使用方法について鋭意研究を行い、課題を解決してきた経緯がある。
特開2005−351765号公報 国際公開2007−015312号公報 特開平4−184163号公報 特開2001−159621号公報 特開2002−277438号公報 U. K. Laemmli, Nature227,680(1970) H.Schagger,ANALYTICAL BIOCHEMISTRY166,368−379(1987)
本発明の目的は、蛋白質の分離能及びゲルの形状が長期安定で、分析方法が普及しているレムリーあるいはシャガーの泳動緩衝液が使用可能であり、使用者が経済的かつ効率的に分析を遂行することが可能な、蛋白質のりん酸化修飾状態の分析を目的として使用される電気泳動用プレキャストゲルを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を見出した。
すなわち請求項1の発明は、その構造中の少なくとも一部に下記式(A)で表される構造を有し、下記組成(1)および(2)の緩衝液を含有するアクリルアミド系共重合体水性ゲルであることを特徴とする電気泳動用プレキャストゲルに関する。
(1)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンと1種以上の両性電解質として、グリシンおよび/またはトリシン、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質としてスレオニンを含有し、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質が、グリシンおよび/またはトリシンに対して63.2〜100mol%の範囲で含まれる両性電解質。
(2)pHが6.0〜6.8。

化合物(A)
式中、M2+は遷移金属イオン
請求項2の発明は、1種以上の両性電解質において、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質の塩基解離定数の範囲が6.6〜9.6であることを特徴とする請求項に記載の電気泳動用プレキャストゲル。
請求項3の発明は、ゲル中のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンの濃度が、0.07〜0.2mol/Lであり、1種以上の両性電解質の濃度の合計が0.1〜0.5mol/Lであることを特徴とする請求項1〜に記載の電気泳動用プレキャストゲル。
請求項4の発明は、アクリルアミド、下記化合物(B)、架橋剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、および1種以上の両性電解質として、グリシンおよび/またはトリシン、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質としてスレオニンを含有し、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質が、グリシンおよび/またはトリシンに対して63.2〜100mol%の範囲で含まれる両性電解質からなり、pHが6.0〜6.8である混合物水溶液を重合することを特徴とする電気泳動用プレキャストゲルの製造方法。


化合物(B)
式中、M2+は遷移金属イオン
請求項5の発明は、請求項1〜に記載の電気泳動用プレキャストゲルと、ドデシル硫酸塩が存在するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び両性電解質を含有する泳動用緩衝液を用い、蛋白質のりん酸化修飾状態を分析することを特徴とする電気泳動用プレキャストゲルの使用方法。
本発明により、蛋白質の分離能及びゲルの形状が長期安定で、分析方法が普及しているレムリーあるいはシャガーの泳動緩衝液が使用でき使用者が経済的かつ効率的に分析を遂行することが可能な、蛋白質のりん酸化修飾状態の分析を目的として使用される電気泳動用プレキャストゲルを提供することができる。
本発明の電気泳動用プレキャストゲルには、泳動用分離媒体とゲル緩衝液および分離媒体を保持するための担持体から構成される。また本発明の前記泳動用分離媒体は、アクリルアミド、下記化合物(B)、架橋剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、および1種以上の両性電解質からなり、pHが6.0〜6.8である混合物水溶液を重合することにより製造可能である。

化合物(B)
式中、M2+は遷移金属イオン
前記化合物(B)はアクリルアミドに対し、0.003〜0.3質量%の範囲で共重合させることが望ましい。0.3質量%よりも多いと重合度が十分に大きくならず泳動用媒体としての使用に適さず、0.003質量%以下では目的とするりん酸化状態による分離効果が得られない。
前記化合物(B)の遷移金属イオンとしては、鉄、マンガン、銅、亜鉛などの二価イオンが望ましく、特に好ましくは2価亜鉛イオンである。化合物(B)は遷移金属イオンが配位した状態でアクリルアミドと混合しても良いし、重合時に二価の遷移金属化合物を添加して共重合体中に配位構造を形成しても良い。遷移金属化合物としては、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛などを用いることができる。
前記架橋剤としては、N,N−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジアリル酒石酸アミド等の一般的なジビニル化合物を使用することができる。
前記架橋剤はアクリルアミドと化合物(B)の合計質量に対し、0.5〜7質量%の範囲で共重合させることが望ましい。0.5質量%以下では、ゲルが柔らかくなりすぎて操作が難しく、7質量%以上では鮮明な分離パターンを得ることが出来ない。
前記アクリルアミドと化合物(B)と架橋剤との合計が3〜25質量%となるように用いることが電気泳動用プレキャストゲルとしての使用に好ましい。
前記ゲル緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンと1種以上の両性電解質を含有する。
レムリーの泳動緩衝液を用いる場合には上記両性電解質として、グリシンがあげられ、シャガーの泳動緩衝液を用いる場合にはグリシンまたはトリシンのいずれも用いることができる。またグリシンおよび/またはトリシンとそれ以外の両性電解質を組み合わせることで、分画分子量範囲を広げることが可能となる。
グリシンあるいはトリシン以外の両性電解質は、塩基解離定数の範囲が6.6〜9.6であることが好ましい。具体的に両性電解質としてあげれば、グリシン、トリシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、グルタミン酸、トリプトファン、メチオニン、アラニン、バリン、アスパラギン酸、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノプロパンスルホン酸、2−アミノエチルスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエチルピペラジンプロパンスルホン酸、グリシルグリシン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノエチルスルホン酸などあり、これら両性電解質を二種以上組み合わせて用いることもできる。
これらの両性電解質は、ゲル内の電位勾配を緩やかにして分画分子量範囲を蛋白質の分離に適した範囲とし、分離パターンを鮮明にするために添加される。レムリーあるいはシャガーの泳動緩衝液とpHが6.0〜6.8のゲルを用いて電気泳動を行った場合、両性電解質が未添加のゲルを用いると、泳動速度が早く分画分子量範囲が極端に高分子領域になるか、あるいは泳動速度が遅く分離パターンが不鮮明で分離に適さない結果となる。特に好ましくは、2種以上の両性電解質を組み合わせた場合で、pKbの低いものから順に陽極側へ移動するためグリシンあるいはトリシン単独の場合よりも、ゲル内の電位勾配の変化が緩やかなものとなり分離可能な蛋白質の特に低分子領域で鮮明な分離パターンを得ることができる。
また、共存両性電解質の塩基解離定数pKbがpKb<6.6の場合、共存両性電解質はゲル内で酸解離状態となりゲル緩衝液のpHを変化させ、トレイリングイオンとして作用するために分離パターンに本来ないはずのバンドが検出されることになる。pKb>9.6の場合、グリシンよりも塩基解離定数が高いことになるため、ゲル内の電位勾配の変化を緩やかにする作用に寄与しない。
ゲル緩衝液中のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンの濃度は、0.07mol/L〜0.2mol/L、好ましくは0.08mol/L〜0.1mol/Lである。この範囲は、レムリーのゲル緩衝液を使用して作成したゲルと同等の泳動時間を有するために必要なゲル中のリーディングイオンの量を含有させることのできる範囲である。ゲル中のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの濃度が0.07mol/Lよりも低い場合、泳動像全体が不鮮明となり蛋白質の分離分析に使用しがたいものとなる。ゲル中のトリス濃度が0.2mol/Lより高くなるとゲル中のリーディングイオン濃度が高くなり、泳動時間が延長し、分析の作業効率が悪くなる。
また、グリシンおよび/またはトリシンと、それらと共存する両性電解質の濃度の合計は0.1〜0.5mol/Lであることが好ましい。特に好ましくは0.1〜0.3mol/Lである。全両性電解質濃度が0.1mol/Lよりも少なければその効果は小さくなり泳動像は不鮮明で使用目的を達成できないし、0.5mol/Lより多くなると、十分な蛋白質のりん酸化状態に対する分離能を得ることができなくなる。
また、共存両性電解質の添加量はグリシンおよび/またはトリシンに対して0.1〜100mol%が好ましい。0.1mol%より低添加量の場合、ゲル内の電位勾配の変化を緩やかにする作用に寄与せず、100mol%よりも多く添加すると分離パターンは、不鮮明となるか、鮮明でも本来ないはずのバンドが検出される。
前記ゲル緩衝液のpHは、6.0〜6.8である。pH6.8よりも高い場合、ポリアクリルアミドゲルの加水分解が進行し易くなり、保管有効期限を長く持たせることが出来ない。pH6.0より低い場合
、ポリアクリルアミドゲルとしての安定性は良好であるが、蛋白質の泳動像が不鮮明で実用に耐えないものとなる。pH6.8では冷蔵保存で6ヶ月もち、さらにpH6.3ではアクリルアミド自体のpHに近いため、pH6.8に比べ加水分解速度が著しく減少する。その結果1年もの長期間ゲルの形状、泳動像共に変化は見られず安定である。
pH調製のためにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンは、塩酸または酢酸によって中和される。
本発明のプレキャストゲルには、ゲルに弾力性を持たせゲル強度を向上させるため、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメチルビニルエーテル等の水溶性ポリマーを含有させることもできる。
本発明のプレキャストゲルは、アクリルアミド、前記化合物(B)、架橋剤および前記ゲル緩衝液を含有する水溶液を、ガラスあるいは樹脂製の担持体に充填した後、重合開始剤および/または紫外線照射あるいは電離性放射線の照射により発生するラジカルによってゲル化させることにより製造する。重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム(以下、APSと略す)等の過酸化物と、N,N,N’, N’テトラメチルエチレンジアミン(以下TEMEDと略す)等の還元剤を併用するレドックス型の重合開始剤が賞用されるが、これら特に限定されるものではない。上記過酸化物及び還元剤は全モノマーに対し、0.05〜5%(質量/容量)が使用される。また、重合温度は開始剤が機能する温度であれば特に限定されないが、通常15〜50℃の範囲が好ましい。
本発明の電気泳動用プレキャストゲルは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び両性電解質を含有する泳動用緩衝液を使用して蛋白質のりん酸化状態に応じた分離をするために使用される。
前記泳動緩衝液の組成は、トリス0.025mol/L、グリシン0.192mol/L、SDS0.1重量%である組成の泳動緩衝液を使用することが望ましい。この組成は、レムリーの泳動用緩衝液として、ゲル電気泳動法による蛋白質の分離に一般的に用いられるものである。
あるいは、前記泳動緩衝液の組成は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン0.1mol/L、トリシン0.1mol/L、SDS0.1質量%である組成の泳動緩衝液を使用することが望ましい。この組成は、シャガーの泳動用緩衝液として、特にゲル電気泳動法による低分子量の蛋白質の分離に一般的に用いられるものである。
(実施例)
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
泳動用プレキャストゲルの作成方法
横幅12cm、縦10cmの長方形のガラス板と、上部に凹状の切り込みの入った同寸法のガラス板の間に、厚さ1mmのスペーサーとモノマー液が漏れないようにシリコンのシールを挟みガラスプレートを組み立てる。アクリルアミド濃度12%T、前記化合物(B)対アクリルアミド0.03質量%(遷移金属として亜鉛を使用)、N,N−メチレンビスアクリルアミド濃度3%C、並びに表−1に記載する実施例−1の組成のゲル緩衝液を含有するモノマー溶液に対し、APS0.002mol/LおよびTEMED0.006mol/Lとなるように添加混合後、プレート内に注入して25℃下で重合させ、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの分離層を得た。
さらに、アクリルアミド濃度5%T、N,N−メチレンビスアクリルアミド濃度3%C、並びに表−1に記載する組成のゲル緩衝液を含有するモノマー溶液に対し、APS0.002mol/LおよびTEMED0.006mol/Lとなるように添加混合後、分離層の上に注入して25℃下で重合させ、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの濃縮層を得た。
泳動試験方法
トリス0.025mol/L、グリシン0.192mol/L、SDS0.1質量%のレムリー処方の泳動緩衝液を用いて電気泳動を実施した。蛋白質試料としてαカゼイン、脱りん酸化αカゼインを電気泳動した。脱りん酸化αカゼインは、αカゼイン溶解液にアルカリフォスファターゼ(ニッポンジーン製)を加えた後1晩静置して脱りん酸化処理した。
電気泳動は20mA定電流で行い、泳動末端が下から10mmの所で通電を中止した。
染色は、0.05質量%クマシーブリリアントブルー(以下、CBBと略す)G−250、12容量%酢酸、30容量%メタノール溶液中で振とう機を使用して60分間行い、脱色は12容量%酢酸、15容量%メタノール溶液中で振とう機を使用して120分間行った。
αカゼインおよび脱りん酸化αカゼインの移動度およびその差とそれぞれのバンドの鮮明さを表2−1に示す。
移動度とは蛋白質の移動距離をパーセントで表したものである。
(移動度%)=(ウェル下端から各バンドの位置までの距離)
/(ウェル下端から泳動末端までの距離)×100
実施例−1と同様の方法で作成したプレキャストゲルを冷蔵下で8ヶ月間保管した後、実施例−1と同様の方法で泳動試験を行った。結果を表2−1の実施例−2に示す。
表1の実施例−2のゲル緩衝液を用いてプレキャストゲルを作成した以外は実施例−1と同様に泳動試験を実施した。結果を表2−1の実施例−2に示す。
アクリルアミド濃度7.5%Tに変更し、表1の実施例−3のゲル緩衝液を用いプレキャストゲルを作成した以外は実施例−1と同様に泳動試験を実施した。結果を表2−1の実施例−3に示す。
表1の実施例−4のゲル緩衝液を用いた以外は実施例−1と同様の方法でプレキャストゲルを作成した。トリス0.1mol/L、トリシン0.1mol/L、SDS0.1質量%のシャガー処方の泳動緩衝液を用いて電気泳動を実施した。蛋白質試料および検出方法は実施例1と同様にした。結果を表2−1の実施例−4に示す。
(比較例1)
分離層にpH8.8の0.375mol/Lのトリス−塩酸ゲル緩衝液を、濃縮層にpH6.8の0.125mol/Lトリス−塩酸ゲル緩衝液を用いてプレキャストゲルを作成した以外は実施例−1と同様に泳動試験を実施した。結果を表2−2の比較例−1に示す。
(比較例−2)
比較例−1と同様の方法で作成したプレキャストゲルを冷蔵下で6ヶ月間保管した後、実施例−1と同様の方法で泳動試験を行った。結果を表2−2の比較例−2に示す。
(比較例−3)
分離層にpH6.8の0.375mol/Lのトリス−塩酸ゲル緩衝液を、濃縮層にpH6.8の0.125mol/Lトリス−塩酸ゲル緩衝液ゲル緩衝液を用いてプレキャストゲルを作成した以外は実施例−1と同様に泳動試験を実施した。結果を表2−2の比較例−3に示す。
(比較例−4)
前記化合物(B)を加えなかった以外は実施例−1と同様にプレキャストゲルを作成し泳動試験を実施した。結果を表2−2の比較例−4に示す。
(表1) ゲル緩衝液組成
MOPS:3−N−モルホリノプロパンスルホン酸
HEPES:N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸
(表2−1) 移動度(%)
(表2−2) 移動度(%)
表2−1に示すとおり実施例−1と3から5のプレキャストゲルでは、りん酸化αカゼインと脱りん酸化αカゼインはいずれも鮮明なバンドとなり明確な移動度差を得ることができ、本発明のプレキャストゲルはレムリーまたはシャガーの泳動用緩衝液を用いて蛋白質をそのりん酸化状態により分離することができた。
表2−1に示すとおり実施例−2から、本発明の電気泳動用プレキャストゲルは作成後6ヶ月経過しても、作成直後と同じバンド鮮明さ、移動度、りん酸化状態による移動度差を得ることができた。
表2−2に示すとおりレムリー処方のゲル緩衝液を用いた比較例−1と2のプレキャストゲルでは、作成直後は明確な移動度差を得ることができたが、りん酸化−脱りん酸化たんぱく質の移動度差は実施例−1に比べて小さく、また作成後6ヶ月経過後には、鮮明なバンドを得ることができなかった。
表2−2に示すとおり比較例−3のプレキャストゲルでは、明確な移動度差を得ることができなかった。バンドも不鮮明だった。
表2−2に示すとおり比較例−4のプレキャストゲルでは、鮮明なバンドを得ることはできたが、αカゼインと脱りん酸化αカゼインの間に明確な移動度差を得ることができなかった。
以上の結果から、本発明の電気泳動用プレキャストゲルが、蛋白質のりん酸化状態を明確に分離することが可能であり、かつプレキャストゲルに必要とされる長期安定性を持つことは明らかである。
本発明の電気泳動用プレキャストゲルを用いることにより、蛋白質の分離能及びゲルの形状が長期安定で、分析方法が普及しているレムリーあるいはシャガーの泳動緩衝液が使用でき使用者が経済的かつ効率的に、蛋白質のりん酸化修飾状態の分析をすることが可能となり、産業上の利用可能性は甚だ大きい。

















Claims (5)

  1. その構造中の少なくとも一部に下記式(A)で表される構造を有し、下記組成(1)および(2)の緩衝液を含有するアクリルアミド系共重合体水性ゲルであることを特徴とする電気泳動用プレキャストゲル。
    (1)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンと1種以上の両性電解質として、グリシンおよび/またはトリシン、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質としてスレオニンを含有し、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質が、グリシンおよび/またはトリシンに対して63.2〜100mol%の範囲で含まれる両性電解質。
    (2)pHが6.0〜6.8。

    構造単位(A)
    式中、M2+は遷移金属イオン
  2. 1種以上の両性電解質において、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質の塩基解離定数の範囲が6.6〜9.6であることを特徴とする請求項に記載の電気泳動用プレキャストゲル。
  3. ゲル中のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンの濃度が、0.07〜0.2mol/Lであり、1種以上の両性電解質の濃度の合計が0.1〜0.5mol/Lであることを特徴とする請求項1〜に記載の電気泳動用プレキャストゲル。
  4. アクリルアミド、下記化合物(B)、架橋剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび/またはビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、および1種以上の両性電解質として、グリシンおよび/またはトリシン、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質としてスレオニンを含有し、グリシンおよび/またはトリシン以外の両性電解質が、グリシンおよび/またはトリシンに対して63.2〜100mol%の範囲で含まれる両性電解質からなり、pHが6.0〜6.8である混合物水溶液を重合することを特徴とする電気泳動用プレキャストゲルの製造方法。

    化合物(B)
    式中、M2+は遷移金属イオン
  5. 請求項1〜に記載の電気泳動用プレキャストゲルと、ドデシル硫酸塩が存在するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び両性電解質を含有する泳動用緩衝液を用い、蛋白質のりん酸化修飾状態を分析することを特徴とする電気泳動用プレキャストゲルの使用方法。
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