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JP5941341B2 - 書道用液 - Google Patents

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Description

本発明は、運筆性を損なわずに、液ダレを抑制した書道用液に関し、いわゆるパフォーマンス書道と称される書道に好適に用いられる墨液である書道用液に関する。
近年、パフォーマンス書道と称される新たな書道の形態が、学生の中で静かなブームとなり、パフォーマンス書道甲子園といった大会が開催されるまでにいたっている(非特許文献1)。
このパフォーマンス書道は、複数人(通常5〜10人)が1組となって、約4m×6mの巨大な紙の上で、音楽にあわせて手拍子やダンスをしながら、書道をするもので、選手権大会では、書の美しさや演技の美しさ、躍動感などを競いあう。
このような作品の多くは、書きあげた作品(書)の美しさを審査するために、書道終了後、書き終わった紙が立てかけられて、審査員、観客に披露される。
このようなパフォーマンス書道においては、大型の紙に、大きな筆を用いて、書を行うことから、紙や筆については、通常の書道用道具とは別に、パフォーマンス書道用の大きな筆、大型紙などが販売されている(例えば、非特許文献2)。
現在のところ、書道用液については、パフォーマンス書道用といったものは販売されておらず、通常の書道で使用する書道用液が用いられている。通常の書道用液とは、例えば、特許文献1(特開平7−188597号公報)や特許文献2(特公平7−94625号公報)の従来の技術の欄で示されているように、主たる成分として、カーボンブラックで代表される黒色顔料、及び当該黒色顔料を水中で安定的に分散させるための分散樹脂として、膠又はその他の水溶性樹脂を含有し、必要に応じて、界面活性剤、防腐剤、その他の添加剤を含有している。
特開平7−188597号公報 特公平7−94625号公報
http://shodo-performance.jp http://www.syoyu-e.com/appeal/paformance.html
パフォーマンス書道の場合、一般に、書いた後、披露するために、紙を立てかけることから、通常の書道用液よりもたれにくいことが望まれる。紙に描かれた書の乾燥固化が遅いと、図1に示すように、書から書道用液がたれてくる。このような液ダレは、書本来の美観を損なうことになる。また、大きな字を書くために多量の書道用液を太い筆につけて、紙面を移動するために、移動の途中で書道用液が垂れると、製作者の意図する書道表現を妨げる結果となる。このような事情から、パフォーマンス書道では、机上において半紙等に書道するときに用いられる一般の書道用液と比べて、速乾性の書道用液あるいは比較的粘度の高い書道用液を使用しているのが現状である。比較的粘度の高い書道用液とは、一般の書道用液と比べて、カーボンブラック等の顔料、分散樹脂としての水溶性樹脂の含有量が多いもので、従来の墨液よりも一層ねばりがあり、濃墨、超濃墨に属する。
しかしながら、濃墨、超濃墨に属するものであっても、書道終了直後に、書を立てかけるような使用態様、立てかけた紙に直接書を行う使用態様にあっては、液ダレ防止が十分とはいえない。液ダレを防止する方法として、書道用液の粘度をさらに増大することが考えられる。分散樹脂量の増大に伴って増粘することは可能であるが、書の濃さ、黒さ、艶などを損なわないようにするためには、顔料の含有量も増大する必要がある。
しかしながら、濃墨、超濃墨に属する書道用液よりも、顔料及び分散樹脂の含有量を増大させることによる粘度増加は、運筆が重くなり、筆さばきが著しく損なわれ、パフォーマンス書道で求められる躍動感に支障が生じ、踊り等の躍動感も審査対象となる高校生大会では、好まれない傾向にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パフォーマンス書道に好適な書道用液として、運筆性を損なうことなく、書の終了後に立てかけたときの液ダレがない書道用液を提供することにある。
現在、通常の書道用に市販されている濃墨、超濃墨よりも、さらに、カーボンブラック等の顔料、水溶性樹脂量を増大させることによって更に粘度を上げることは、パフォーマンス用書道用液として、運筆性の観点から、困難である。
そこで、本発明者らは、少量の添加で増粘作用が大きい増粘剤について種々検討し、チキソトロピー性を付与できる増粘剤を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の書道用液は、着色顔料、ポリビニルアルコール系樹脂、及びアルカリ膨潤会合型増粘剤を含む。
本発明の書道用液は、回転型粘度計で回転数6rpmのときに測定される粘度値η6に対する0.6rpmのときに測定される粘度値η0.6で表わされるチキソトロピー指数(TI値=η0.6/η6)が3.0以上で、且つ回転型粘度計で回転数6rpmのときに測定される粘度値が0.3Pa・s以上で且つ25Pa・s以下であり、前記アルカリ膨潤会合型増粘剤の含有率は、0.1〜1.5質量%であることが好ましい。また、書道用液pH8.0〜9.1であることが好ましい。
前記アルカリ膨潤会合型増粘剤は、疎水基変性アクリル系エマルジョンであることが好ましく、前記着色顔料は、粒径10〜80nmのカーボンブラックであることが好ましい。
また、前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有率は、2〜10質量%であることが好ましく、前記アルカリ膨潤会合型増粘剤の含有率は、0.1〜5質量%であることが好ましく、前記ポリビニルアルコール系樹脂は、重合度300〜2000、ケン化度80〜95であることが好ましい。
尚、本明細書にいう回転型粘度計とは、円筒形のロータを試料中に入れ、モータにより一定の速度で回転させ、この回転運動を定常的におこすのに必要な力、回転トルクが粘度に比例することを利用して粘度を測定するもので、代表的にはB型粘度計が用いられる。
本発明の書道用液は、アルカリ膨潤会合型増粘剤によりチキソトロピー性が付与され、これにより、運筆性を損なうことなく、書の液ダレを防止できる。
本発明の課題である液ダレが生じている書を描いた図である。
本発明の書道用液は、着色顔料、分散樹脂としてのポリビニルアルコール系樹脂、アルカリ膨潤会合型増粘剤を含有する。以下、各成分について説明する。
(1)着色顔料
着色顔料としては、無機着色顔料、有機着色顔料のいずれも用いることができる。具体的には、カーボンブラック等の黒色顔料;パーマネントカーミンFB、レーキレッドC、パーマネントレッドFGR、ファーストレッド等の赤色顔料;フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、群青等の青色顔料、及びこれらの混合物を用いることができる。
書道用液の着色顔料として代表的に用いられるカーボンブラックとしては、市販のカーボンブラックまたはゴム用カーボンブラック等を用いることができるが、好ましくはインキ、塗料等の黒色着色剤用として市販のカーボンブラックである。カーボンブラックの種類としては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のいずれを用いることもできる。カーボンブラックの粒径としては、特に限定しないが、10〜80nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。
カーボンブラックの表面性状としては、酸性、中性、アルカリ性のいずれを使用することも可能であるが、好ましくは中性〜アルカリ性、具体的にはpH7.0以上、特に7.5〜8.5のカーボンブラックが好ましく用いられる。
着色顔料の含有量は、着色顔料の種類により異なるが、書道用液の全量に対して8〜25重量%であることが好ましく、10〜20重量%がより好ましい。8重量%未満では、分散樹脂量との関係で、着色が不十分となって、黒色の場合、書の黒色度、艶といった書の品質を満足できない。一方、25重量%超では、着色顔料を安定的に分散させるために必要とされるポリビニルアルコール系樹脂量も増やす必要があることから、結果として粘度が高く、運筆が重くなってしまう。
(2)ポリビニルアルコール系樹脂
ポリビニルアルコール系樹脂は、カーボンブラック等の着色顔料を水中で均一に分散させるための水溶性樹脂および紙への固着剤として含有される。
従来より、書道用液としてカーボンブラック等の着色顔料の分散樹脂として、ポリビニルアルコール系樹脂の他に、膠、ゼラチン等の天然の水溶性樹脂が好ましく用いられている。しかしながら、膠、ゼラチンは、アルカリ膨潤会合型増粘剤と相溶性がないため、アルカリ膨潤会合型増粘剤と併用することができない。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られるものであればよく、重合度、ケン化度などは特に限定しないが、好ましくは重合度300〜2000、より好ましくは500〜1500のポリビニルアルコール、ケン化度80〜95モル%、より好ましくは85〜90モル%のポリビニルアルコールが好ましく用いられる。重合度が低くなりすぎると、書道用液の粘度が低下しすぎて、アルカリ膨潤会合型増粘剤との併用においても、液ダレを十分抑制できないおそれがある。また、ケン化度が低くなりすぎると、書の耐水性が低下し、作品としての書に水が付着したり、表具するときに水を噴霧する際に、書が滲んでしまうおそれがある。
また、本発明で使用するポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニル100%のポリ酢酸ビニルのケン化物に限定されず、10モル%程度以下であれば他のビニル系モノマーを共重合してなるポリビニルアルコール系コポリマーや、アセチル化などの後変性されたポリビニルアルコール系樹脂を用いてもよいが、好ましくは酢酸ビニル100%のポリ酢酸ビニルのケン化物である。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、書道用液の全量に対して2〜10重量%であることが好ましく、2〜8重量%がより好ましい。2重量%未満では着色顔料の分散の安定化が不十分となり、経時的に着色顔料が沈降してくるなど、保存安定性が低下する。10重量%を越えると粘度が増加しすぎて、パフォーマンス書道での筆さばきが重くなってしまう。
また、ポリビニルアルコール系樹脂は水溶性であり、乾燥固化物が水によって膨潤するため、乾燥固化状態となっても、再び水に溶解して溶け出すことができる。このため、使い終わった筆を水洗することで、筆に付着した書道用液を洗い流すことが可能であり、再使用できる。この点、アクリル系樹脂のように、耐水性の膜を形成することができる水溶性樹脂では、増粘、チキソトロピー性付与が可能であり、運筆性、液ダレを満足することができるものの、乾燥固化した後、水に溶解しにくいことから、筆の再使用が困難となる。
(3)アルカリ膨潤会合型増粘剤
アルカリ膨潤会合型増粘剤は、書道用液に、チキソトロピー性挙動を付与することができる。すなわち、静置状態の書道用液が高粘度であっても、書道時には、高せん断力がかかることにより、粘度が低下して、運筆性を満足させることができ、作品となった書画の状態のときには、初期の高粘度の状態に戻ることにより、立てかけても液ダレを抑制することができる。
アルカリ膨潤会合型増粘剤とは、未中和のアクリル系ポリマーであるアルカリ膨潤型増粘剤のうち、疎水基で修飾した水溶性又は水膨潤性ポリマー、及びその水溶液、エマルジョンであり、疎水性に修飾されたアルカリ可溶性エマルジョン、疎水性に修飾されたポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸共重合体、その混合物、及びその水溶液、エマルジョンなどが挙げられる。
疎水基としては、鎖状、環状の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、オルガノシリコン基、フッ化炭素基などが挙げられ、疎水基の修飾は、疎水性連鎖移動剤(例えば、ドデシルメルカプタン)、疎水性モノマー(例えば、デシルメタクリレート、非イオン性ビニルモノマー)、疎水基含有アルコール(例えば、ドデカノール)、非イオン性界面活性剤でのエステル化などにより行うことができる。
このようなアルカリ膨潤会合型増粘剤としては、例えば、市販品では、ローム・アンド・ハース社のプライマルTT−615、プライマルTT−935、プライマルTT−935ER、DR−72、DR−73、DR−300などが挙げられる。
以上のような構成を有するアルカリ膨潤会合型増粘剤は、アルカリで中和されて、網状構造を形成し、膨潤しながら分散媒中に広がることにより書道用液を増粘させる。さらに、分子中の親水基又は疎水基同士、さらには分散樹脂との間で水素結合等の形成により会合することができる。会合により増粘するが、高せん断力により会合状態が破壊され、粘度が低下することで良好な流動性を発揮できる。
このように、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加により、書道用液にチキソトロピー性を付与できる。具体的には、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加により、回転型粘度計で測定される6rpmでの粘度(η6)に対する0.6rpmでの粘度(η0.6)の比率(η0.6/η6)で表わされるチキソトロピー指数(TI値)を3.0以上とすることが可能である。TI値が高い程好ましく、上限については特に限定しないが、通常、3.0〜10程度、好ましくは3.5〜8程度である。チキソトロピー指数が上記範囲内にあって、且つ6rpmでの粘度が0.3Pa・s以上であることが好ましい。着色顔料及びポリビニルアルコール系樹脂の含有量を調節することにより、チキソトロピー指数を上記範囲とすることは可能であるが、増粘効果が不十分で、6rpmでの粘度が低すぎると、静止時の粘度が低いことになり、ひいては液ダレを十分に防止できない。この点、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加により、液ダレ防止と運筆性の双方を満足できるような粘度増加及びチキソトロピー性の付与を可能とする。
一方、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加量を調節することにより、増粘しても、書道用液におけるB型粘度計による測定で回転数6rpmのときの粘度を25Pa・s以下、好ましくは15Pa・s以下、より好ましくは10Pa・s以下とすることができる。せん断力がかかっている状態での粘度を25Pa・s以下となる範囲で増粘することにより、運筆性を損なうことなく、粘度増大による液ダレの防止を可能とすることができる。
尚、会合型増粘剤としては、ウレタンモノマー等で修飾したウレタンブロックコポリマー水溶液等がある。ウレタン会合型増粘剤も、せん断力の大きさに応じて、分子の会合、分離を繰り返すチキソトロピー性を付与することができるが、増粘レベルが不十分、あるいは高せん断力下での粘度低下が不十分である。
アルカリ膨潤会合型増粘剤は、書道用液の全量に対して0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.1〜4.0重量%がより好ましい。0.1重量%未満ではチキソトロピー性の付与が不十分となる。5.0重量%を越えると粘度が増加しすぎて、パフォーマンス書道での運筆が重く筆さばきが悪くなってしまう。
(4)アルカリ性化合物
本発明の書道用液において、アルカリ膨潤会合型増粘剤が、有効にチキソトロピー性を付与するためには、書道用液が中性〜アルカリ性であること、具体的にはpH7.0以上であることが好ましく、pH7.5〜9.5がより好ましく、pH7.5〜9.1であることがさらに好ましく、特に好ましくはpH8.0〜9.1である。
従って、書道用液のpHを上記範囲内とするために、アルカリ性化合物を添加してもよい。アルカリ性化合物としては、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニアなどを用いることができる。
(5)その他の成分
本発明の書道用液は、さらに、必要に応じて、分散安定助剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。分散安定助剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどが好ましく用いられる。
(6)特性
以上のような成分を含有する書道用液は、チキソトロピー性を有する。具体的には、回転型粘度計で測定される6rpmでの粘度(η6)に対する0.6rpmでの粘度(η0.6)の比率(η0.6/η6)で表わされるチキソトロピー指数(TI値)が3.0以上で、且つ6rpmでの粘度が0.3Pa・s以上であることが好ましい。前記チキソトロピー指数は、より好ましくは3.5以上であり、さらに好ましくは4.0以上である。また、6rpmでの粘度は、0.5Pa・s以上であることがより好ましい。
また、回転型粘度計で測定される回転数6rpmのときの粘度が25Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは15Pa・s以下、さらに好ましくは10Pa・s以下である。
なお、回転型粘度計としては、代表的にはB型粘度計が用いられる。
〔測定評価方法〕
(1)チキソトロピー指数(TI値)
B型粘度計(東機産業株式会社製のTLB−10)を用いて、回転数0.6rpmのときの粘度η0.6、6rpmのときの粘度η6を夫々測定し、η0.6/η6をTI値として算出した。
(2)運筆性
紙(PPC用紙)に、筆(半紙一文字書き用太筆)を用いて50cmの1本線を引いたときの抵抗感(筆重さ)を、良好(◎)、問題なし(○)、不良(×)の3段階で評価した。
(3)液ダレ
書道を行った直後に、紙をつるし、書からの液ダレを観察した。液ダレが生じなかった場合を「◎」、液ダレが生じたが美観に影響を与えるほどのものでない場合を「○」、液ダレが筋を描くほど(図1参照)に明らかに認められる場合を「×」とした。
(4)保存性
1週間静置したときの液体墨の分離度合を目視で観察した。沈殿物が認められない場合を「◎」、沈殿物が認められるが再度の振とうにより均一分散できた場合を「○」、分離し、再攪拌しても分散しない場合を「×」とした。
(5)書画品質
筆記後の書画の艶、濃さ(カーボンブラックの場合には黒さ)を総合的にみて、「◎」、「○」、「×」の3段階で評価した。「×」では、書画の艶、濃さ(又は黒さ)のいずれも劣り、書道用液として使用することができないレベルである。
(6)筆戻り性
書を行った後、放置により乾燥固化した筆を水につけて洗浄し、筆の状態を観察した。ほぼ元通りとなった場合を「◎」、書道用液の残存が認められたものの使用には全く問題ない場合を「○」、筆が固まってしまい、再使用が困難な場合を「×」とした。
〔書道用液No.1〜10の調製及び評価:分散樹脂の種類、濃度と書道用液の特性〕
分散樹脂として、以下のポリマーを使用した。
・ポリビニルアルコール系樹脂:株式会社クラレの部分ケン化ポリビニルアルコールであるPVA210(ケン化度約87.0〜89.0モル%で、重合度約1000のポリビニルアルコール)。
・ポリアクリル酸アルキルエステルの共重合体水溶液:東亞合成株式会社のアクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム塩である「ジュリマーAT−510」(商品名)。
・カルボキシメチルセルロース:第一工業製薬株式会社のカルボキシメチルセルロース「セロゲン5A」(商品名)。これは、エーテル化度0.70〜0.80、25℃におけるB型粘度計での2%水溶液の粘度は5mPa・s以下である。
・膠:寺脇産業株式会社製TS−301を用いた。
アルカリ膨潤会合型増粘剤として、ローム・アンド・ハース社の疎水基変性アクリル系エマルジョンである「TT−615」を用いた。
また、黒色顔料として三菱化学株式会社のカーボンブラック「#40B」(粒子径24nm、pH7.5)を使用した。ただし、分散樹脂として膠を使用したNo.6については、従来の書道用液の組成と合わせるために、三菱化学株式会社のカーボンブラック「MA100」(粒子径24nm、pH3.5)を使用した。
書道用液No.1〜4、7〜10については、分散安定助剤として、ジエチレングリコールを用いた。書道用液No.6については、従来の書道用液の組成に準じて、分散安定剤として塩化カルシウムを使用した。
アルカリ膨潤会合型増粘剤を含有する書道用液No.1,2,6,8,10については、トリエタノールアミンを添加することにより、書道用液のpHを8.0〜9.1となるように調節した。
分散樹脂、黒色顔料、増粘剤、分散安定助剤、アルカリ性化合物、及びその他添加剤(消泡剤及び防腐剤)を、分散媒となる水に添加混合して、各成分が表1に示す濃度を有する書道用液No.1〜10を調製した。
調製した書道用液について、上記測定評価方法に基づいて、粘度(0.6rpm、6rpm)及びpHを測定するとともに、運筆性、液ダレ、書画品質、保存性、表具性、筆戻り性について、測定評価した。結果を表1に示す。尚、No.6については、アルカリ膨潤会合型増粘剤が膠を分散樹脂とする書道用液中に溶解せず、分離し、沈殿したため、粘度の測定及び書道用液としての評価を行うことができなかった。
Figure 0005941341
No.3は、現在、パフォーマンス用書道用液として用いている超濃墨の書道用液である。運筆性、書画品質、保存性、表具性、筆戻り性が優れているが、液ダレだけは満足できなかった。TI値は3.68であるが、6rpmでの粘度が低く、ひいては書画の状態にあっても液ダレを防止できる程度の粘度増大が図れていないためと考えられる。
しかしながら、ポリビニルアルコール系樹脂及びカーボンブラックの含有量を増大することで、粘度を増大させても、運筆性を損なわない範囲においては、液ダレを満足することができなかった(No.4,5参照)。TI値が低く、顔料及び分散樹脂の含有量増大による増粘は、チキソトロピー性付与効果を伴わない増粘であることがわかる。
アルカリ膨潤会合型増粘剤を含有させたNo.1,2は、いずれもチキソトロピー指数(TI値)が4.00以上となり、チキソトロピー性の付与により、運筆性と液ダレの双方を満足することができ、優れた書画品質、保存性、表具性、筆戻り性も保持していた。
一方、造膜性に優れたアクリル系樹脂を分散樹脂として用いた場合、アルカリ膨潤会合型増粘剤を添加することで、運筆性、液ダレの双方を満足することができたが、筆が固まってしまい、筆戻り性を満足することができなかった(No.7,8)。
分散樹脂として水溶性に優れたカルボキシメチルセルロースを用いた場合、アルカリ膨潤会合型増粘剤を添加しても、チキソトロピー性が付与されず、液ダレを満足することができなかった(No.9,10)。
〔書道用液No.11〜15の調製及び評価:増粘剤の種類と書道用液の特性〕
増粘剤として、以下のような増粘剤を使用した。
・アルカリ膨潤会合型増粘剤
ローム・アンド・ハース社のアルカリ膨潤会合型増粘剤として、疎水基変性アクリル系エマルジョンである「TT−615」又は「TT−935」を用いた。
・アルカリ膨潤型増粘剤
ローム・アンド・ハース社のアルカリ膨潤型増粘剤として、アクリル系エマルジョンである「ASE−60」及びアクリル系アルカリ水溶液である「G−111E」を用いた。
・ウレタン会合型増粘剤
ローム・アンド・ハース社のウレタン会合型増粘剤として、ウレタンブロックポリマー水溶液である「RM−8W」及び「RM−825」(ウレタンブロックポリマーのブチルカルビトール/水=25/75溶液)を用いた。
増粘剤の種類及びポリビニルアルコールの濃度を変更した以外は、No.1と同様にして、書道用液No.11〜15を調製した。得られた書道用液のpH及び粘度を測定し、TI値を求めた。調製した書道用液No.11〜15について、No.1と同様にして評価した結果を表2に示す。参考のために、No.1の評価結果も併せて示す。
Figure 0005941341
アルカリ膨潤会合型増粘剤を用いた書道用液No.1、11は、運筆性、液ダレの双方を満足することができ、且つ優れた書画品質、保存性、表具性、筆戻り性を有していた。一方、アルカリ膨潤型増粘剤を用いた書道用液(No.13)、ウレタン会合型増粘剤を用いた書道用液(No.14,15)では、いずれもTI値が2.0以下で、チキソトロピー性が十分には付与されていないため、液ダレを満足することができなかった。No.12については、アルカリ膨潤型増粘剤を用いることで、TI値が5.22となり、液ダレを防止することができたが、粘度が高くなりすぎるため、運筆性を満足することができなかった。
〔書道用液No.21〜24の調製及び評価:着色顔料の種類とアルカリ膨潤会合型増粘剤の関係〕
着色顔料として、カーボンブラックに代えて、セイカファーストレッド1531B又はシニアンブルーHS−3を用いた。書道用液No.1に対して、着色顔料の種類及び含有量、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加量を表3に示すように変更し、さらに保存性、書画品質を保持できるように、ポリビニルアルコールの濃度を調節した。また、アルカリ膨潤会合型増粘剤を添加した場合には書道用液のpH8.0〜9.1となるようにトリエタノールアミン量を調節して、書道用液No.21〜24を調製した。得られた書道用液の粘度を測定し、TI値を求め、さらにNo.1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005941341
No.21とNo.22との比較、及びNo.23とNo.24との比較から、赤色顔料、青色顔料のいずれを用いた場合にも、アルカリ膨潤会合型増粘剤を添加することにより、6rpmでの粘度が0.3Pa・s以上となるように増粘し、且つTI値3.0以上となるチキソトロピー性を付与することができ、液ダレを防止することができた(No.22,24)。
一方、No.21、23は、アルカリ膨潤会合型増粘剤を添加しなかった場合である。No.21では粘度が低すぎるために、液ダレが生じた。No.23は、TI値3.0以上を有する場合であるが、6rpmでの粘度が低く、ひいては書画の状態における粘度も低いために、液ダレの発生を防止できなかった。これらの結果から、アルカリ膨潤会合型増粘剤の添加により、書道用液自体の増粘を図った上で、せん断力がかかった状態で減粘されるように、TI値を3.0以上とする必要があることがわかる。
本発明の書道用液は、書画品質、保存性、表具性、筆戻り性を保持しつつ、優れた運筆性を有し、且つ液ダレも防止するので、パフォーマンス書道用液として好適であり、通常の書道用液としても利用できる。

Claims (5)

  1. 着色顔料、ポリビニルアルコール系樹脂、及びアルカリ膨潤会合型増粘剤として疎水基変性アクリル系エマルジョンを含み、
    回転型粘度計で回転数6rpmのときに測定される粘度値η 6 に対する0.6rpmのときに測定される粘度値η 0.6 で表わされるチキソトロピー指数(TI値=η 0.6 /η 6 )が3.0以上で、且つ回転型粘度計で回転数6rpmのときに測定される粘度値が0.3Pa・s以上で且つ25Pa・s以下であり、
    前記アルカリ膨潤会合型増粘剤の含有率は、0.1〜1.5質量%である書道用液。
  2. pH8.0〜9.1である請求項1に記載の書道用液。
  3. 前記着色顔料は、粒径10〜80nmのカーボンブラックである請求項1又は2に記載の書道用液。
  4. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有率は、2〜10質量%である請求項1〜のいずれかに記載の書道用液。
  5. 前記ポリビニルアルコール系樹脂は、重合度300〜2000、ケン化度80〜95である請求項1〜のいずれかに記載の書道用液。
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