本発明において、測定装置とは、被検体に超音波を送信し、被検体内部で反射した反射波(反射した超音波)を受信する超音波エコー技術を利用した装置や、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波(典型的には超音波)を受信する光音響効果を利用した装置を含む。本発明において、音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。探触子は、被検体内で発生又は反射した弾性波を受信する。また、本発明は、特許文献1のようなX線診断装置にも適用可能である。
本発明の測定装置は、被検体を圧迫する2つの圧迫板と、被検体が圧迫された状態でかつ、電源が供給されない状態で、2つの圧迫板の少なくとも一方を、被検体を圧迫する方向とは逆方向に移動させる圧迫解放手段と、を有している。圧迫板は、2つの圧迫板のうち、少なくとも一方は、可動圧迫板であり、2つとも可動圧迫板であってもよい。圧迫板とは、固定圧迫板、可動圧迫板、圧迫板ホルダー、圧迫板ガイド等を含む。なお、被検体を圧迫する方向とは、それぞれの圧迫板で異なり、被検体が配置されていない面から被検体が配置された面に向かう方向である。
(基本的な構成)
図1〜2は、本発明の実施例である音響波取得装置の外観を示した図である。1は、被検者が腹臥位になるためのベッドである。2は、圧迫測定ユニットであり、ベッド1の乳房挿入口1aの下側に、スライド移動可能に懸架されている。圧迫測定ユニット2には、乳房を圧迫するときの手技を行なうための手技開口部2aが設けられている。
スライドハンドル3は、回転操作することで、圧迫測定ユニット2をベッド1に対して左右にスライド移動することができるようになっている。4は手動圧迫ハンドルであり、回転操作することで固定圧迫板10に対して可動圧迫板12の位置を広げたり狭めたりするようになっている。5は、状態切替スイッチであり、手動圧迫ハンドル4の回転操作をワンウェイラッチ状態と常時直結状態とを切替るものである。ワンウェイラッチ状態とは、手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12を圧迫する方向に回転させるときには回転可能であり、逆に手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12を開放する方向に回転させるときにはロックがかかり回転できないようにするものである。このように手動圧迫ハンドル4の回転が可動圧迫板12を開放する方向に回転させるときにロックすると、乳房を圧迫するときの反力が手動圧迫ハンドル4に発生しないので、圧迫中に手動圧迫ハンドル4に対して常時握っている必要がなく操作が楽になる。
また、常時直結状態とは、前述のワンウェイラッチのワンウェイ機構をフリーにすることで設定できるようになっている。この常時直結状態では、手動圧迫ハンドル4の回転方向が可動圧迫板12を圧迫する方向と開放する方向との両方の回転が可能になる状態であり、圧迫状態の被検者の圧迫を開放するときに使うものである。6は、フットペダルであり手動圧迫ハンドル4の操作と同様に可動圧迫板12を圧迫方向あるいは開放方向へ電動で駆動するスイッチである。
フットペダル6は、開放方向駆動のペダル6aと圧迫方向駆動のペダル6bとを備えており、手動圧迫ハンドル4の操作を補助するものである。10は、前述した固定圧迫板であり、圧迫測定ユニット2に固定されている。そして、固定圧迫板10をスライドハンドル3の操作により圧迫測定ユニット2とともにベッド1に対してスライド移動させることで、乳房挿入口1aから挿入された乳房の片側圧迫を行ない手技で乳房の挿入状態を整えることができる。
11は、アンダートレイであり、本発明では、透明の材料で作られている。このアンダートレイ11の下にモニターカメラ(後述)を設置して乳房の圧迫角度の確認を行なったり、LED照明装置(後述)を設置して乳房の圧迫状態を確認するモニターの最適な照明を行なうようになっている。
12は、可動圧迫板であり後述するリニアガイドで支持されていて、固定圧迫板10に対して平行を保ったまま移動することで、圧迫および開放を行なうようになっている。13は、圧迫測定ユニット2のベース板であり、後述するようにベッド1に対して固定圧迫板10の面に垂直方向にスライド移動させる構成になっている。したがって、ベッド1に対して固定圧迫板の移動を行なうことが、乳房の挿入状態を整えることができ、乳房の圧迫状態を良好なものにできて、装置として小型化が可能であり、省エネルギーに設計することが可能になる。さらに、乳房の圧迫状態を手技の段階で良好なものにできて、被検者へは圧迫状態の不良などで乳房の再挿入を繰り返すことも無くなった。
(測定方法)
図3〜8は、本発明の装置の被検者の測定方法についての説明図である。
図3は、人間を正面から見た略図であり、Aは、右MLO方向の圧迫であり、Bは、左MLO方向の圧迫を示している。本発明において、MLO方向とは、乳房を斜めに圧迫する内外斜位方向を示す。Cは、頭側から足側への圧迫するCC方向であり、本発明において、CC方向とは、頭尾方向を示す。CのCC方向圧迫は、左側乳房と右側乳房とは別々に測定されることが通常である。
また、図3の各圧迫方向において、X線マンモグラフでは、固定圧迫板10と可動圧迫板12との設定位置が決められていて、図3のA位置およびB位置のMLO方向では、固定圧迫板側は脇側となっている。つまり、固定圧迫板側は、A位置ではAa、B位置ではBbとして決められている。
本発明では、手技開口部2aに対して固定圧迫板10が、操作する人の常に右側に位置していることから、図3のB位置MLOでは、X線マンモグラフと同じ固定圧迫板位置になる。一方、A位置のMLO方向の圧迫では、図4で示すように、A位置での固定圧迫板10がAbに位置するように設定されている。
X線マンモグラフと同様に圧迫するのであれば、A位置でのMLO圧迫では、Aaに固定圧迫板10を設定することになるのであるが、本発明のようなベッド型のMLO測定装置では、操作する人の方へ被検者が覆いかぶさるようになり、測定不可能となる。したがって、本発明では、A位置での固定圧迫板10が、Abに位置するように図4の状態で測定できるように、図8で示したようにMLO受け板7を設定した。
図7は、MLO受け板7が設定されていない状態のものである。この状態で図4の右側MLOの測定のために被検者が腹臥位になった場合では、固定圧迫板10と可動圧迫板12との間に大きな隙間があるために、被検者の腹部あるいは肋骨部がベッドで受けられず、圧迫板間隔へはみ出してしまう可能性が有る。乳房の圧迫のために可動圧迫板12を固定圧迫板10の方向へ移動させると、乳房よりも先に、はみ出している被検者の腹部あるいは肋骨部が圧迫されることになり、目的の乳房の圧迫ができなくなる。
また、このMLO受け板7は、ベース板13と一体化の構成にしても良く、被検者の腹部あるいは肋骨部を受けて、圧迫板10、12の間隙に被検者の腹部が落下することを防止できる。また、MLO受け板7を柔軟性のある素材で構成して、少しは被検者の腹部が圧迫板10、12の間隙に落下するが、可動圧迫板12で被検者の乳房を圧迫する場合に、可動圧迫板12の上面で滑るように構成することも可能である。
以上のように、固定圧迫板10に対して垂直方向の受け板7を設けることにより、CC方向の圧迫だけではなく、MLO方向の圧迫もできるようになるので、測定範囲を格段に広げられる。また、CCおよびMLOについてそれぞれ別々の装置で構成する必要がなく省スペース化や省エネルギーが見込めるものとなる。
図4〜6は、本発明の音響波取得装置に被検者がどのような体位で検査するのかを示した図である。図4は、図3のAの位置である右側乳房のMLO方向の圧迫による検査である。図5は、図3のBの位置である左側乳房のMLO方向の圧迫による検査である。図6は、図3のCの位置である右側乳房のCC方向の圧迫による検査の様子である。
(音響波取得装置の動作)
図9〜11は、ベッド1やベース板13などを省いて圧迫やスキャンメカが見える状態にした説明斜視図である。図9は、圧迫測定ユニット2の全体を示した斜視図であり、図9を使って音響波取得装置の動作について説明する。
不図示のパルスレーザー装置からファイバーケーブル21によって送られてきたパルスレーザーをレーザー用照明光学系20により所望の大きさに拡大拡散させ、可動圧迫板12で圧迫された被検者の乳房へ可動圧迫板12を通して照明する。
被検者の乳房に癌が発生している場合には、その癌には新生血管が多数作られていて、癌への血流も多くなっている。その血管には、ヘモグロビンを含んだ血液が常に流れているので、前述のレーザー用照明光学系20から乳房へパルスレーザーを照明すると、乳房の表面から内部組織へレーザーが拡散しながら浸透して、血液内の特定のヘモグロビンに吸収される。そして、ヘモグロビンは瞬間的に膨張と収縮をすることになる。このときのヘモグロビンの瞬間的な膨張と収縮は、超音波を発生させることは、一般によく知られていることである。なお、パルスレーザーは、特に近赤外線のパルスレーザーであり750nm〜1064nm程度の波長のものを用いる。
この超音波が乳房の組織を通して固定圧迫板10へ伝わり、固定圧迫板10の乳房と反対側にある超音波探触子15で受信するようになっている。超音波探触子15で受信された信号は、一般的な超音波診断装置と同様の演算処理を行なうことで、超音波発生源の再構成を行なうと、被検者の乳房内のどの位置に、特定のヘモグロビンの集簇があるのか判定できるようになる。
この特定のヘモグロビンの集簇部分に癌が発生している可能性が濃厚と診断することができるようになるということが、音響波取得装置の動作原理である。したがって、所望のパルスレーザーを被検者の乳房に照明すると、超音波が特定のヘモグロビンから発生するので、癌のようにヘモグロビンが多く集まっているところから強い超音波が発生する。そして、その強い超音波の発生場所を特定することで、乳房内の癌の有無や癌の大きさがわかるものである。
音響波取得装置の動作原理から必要なことは、パルスレーザーを乳房に照明すると人体内ではパルスレーザーが拡散してしまうので、できるだけ乳房を厚みを薄くする必要があるために圧迫を行なうことになる。また、可動圧迫板12で乳房を圧迫してからパルスレーザーをレーザー用照明光学系20から照明することより、可動圧迫板12は、近赤外線での透過率が良い材料にする必要があり、たとえばアクリル樹脂などを使うと良い。さらに固定圧迫板10は、ヘモグロビンから発生した超音波を乳房の組織を通して超音波探触子15へ伝達する必要がある。
まず、乳房と固定圧迫板10との音響マッチングを良くするために、たとえば、超音波診断で用いられるジェルやウレタンゲルシートなどを乳房と固定圧迫板10との間に介在させる必要がある。
さらに、固定圧迫板10の内部、固定圧迫板10表面から超音波探触子15までの空間にも、超音波の伝達を良くするために、音響インピーダンスを合わせる工夫が必要である。本発明では、この固定圧迫板10の内部の伝達ロス対策のために材料としてポリメチルペンテン等を選択している。また、固定圧迫板10表面から超音波探触子15までの空間には、DIDS(ひまし油)やPEG(ポリエチレングリコール)などを充満させるように工夫している。
図10にDIDS(ひまし油)やPEG(ポリエチレングリコール)などを充満する手段を示す。超音波探触子15はキャリッジ17に対して液漏れしないようにセットされている。キャリッジ17には、パッキング17aが取り付けられており、このパッキング17aを固定圧迫板10に押し付けることによりU字型の空間を作り出す。そして、不図示のオイルポンプにより供給口17bからDIDS(ひまし油)やPEG(ポリエチレングリコール)などを供給し、廃棄口17cから排出するように設定する。
また、超音波探触子15は、超音波センサーの数量を多くすると非常に高価になるので、圧迫した乳房に対して小さい面積のものになってしまう。そこで、図10および図11のようなXY駆動できるメカで超音波探触子15およびレーザー用照明光学系20を支持して、圧迫板に平行な面に沿って走査して超音波を取得するようになっている。まtあ、この超音波探触子15およびレーザー用照明光学系20は、走査する場合には常に対向させることで、最も効率が良くなる。そこで、高精度に走査できるように、探触子Y軸駆動ガイド18、探触子X軸駆動ガイド19、投光Y軸駆動ガイド23、投光X軸駆動ガイド24を使っている。
(走査系)
図10〜11は、本発明の走査系を示した斜視図である。図10は、本発明の超音波探触子15の走査系を示したものある。探触子Y軸駆動ガイド18には、駆動モーター18aが動力源でありジョイント18bを介してリードスクリュー18cに回転を伝えて、リニアガイド18dをY軸に沿って上下に駆動するようになっている。このリニアガイド18dにキャリッジ17が固定されていてリニアガイド18dにより超音波探触子15が上下動すると、側面に設置されているリニアセンサー18eがリニアスケール18fの位置を読み取ることで、正確な走査位置を検出できる。
また、探触子X軸駆動ガイド19は、探触子Y軸駆動ガイド18とほぼ同じ構成になっている。駆動モータ19aとリードスクリュー19cとをジョイント19bで結合して、リードスクリュー19cを回転させることで、リニアガイド19dを左右に走査する。リニアガイド19dには、探触子Y軸駆動ガイド18が直付されており、探触子Y軸駆動ガイド18の駆動機構および超音波探触子15をX軸方向に走査するようになっている。
図11は、投光Y軸駆動ガイド23と投光X軸駆動ガイド24について詳細に示した斜視図であり、探触子側との対向動作を精度良く行なうために、探触子側と投光側との構成は、同一のもので構成されている。投光Y軸駆動ガイド23には、駆動モーター23aが動力源でありジョイント23bを介してリードスクリュー23cに回転を伝えて、リニアガイド23dをY軸に沿って上下に駆動するようになっている。このリニアガイド23dにキャリッジ22が固定されていてリニアガイド23dにより投光キャリッジ22が上下動すると、側面に設置されているリニアセンサー23eがリニアスケール23fの位置を読み取ることで、正確な走査位置を検出できる。
また、投光X軸駆動ガイド24は、投光Y軸駆動ガイド23とほぼ同じ構成になっている。駆動モータ24aとリードスクリュー24cとをジョイント24bで結合して、リードスクリュー24cを回転させることで、リニアガイド24dを左右に走査する。リニアガイド24dには、投光Y軸駆動ガイド23が直付されており、探触子Y軸駆動ガイド23の駆動機構およびレーザー用照明光学系20をX軸方向に走査するようになっている。
(圧迫機構)
次に圧迫機構について説明する。図9および図12〜15は、本発明の圧迫機構を示した図であり、図9は、圧迫機構とスキャン機構の両方を配置してある。図12〜13は、本発明の圧迫に関係する部品のみを抽出して示した斜視図であり、アンダートレイ11を省略してアンダートレイ11の下に設定してあるモニターカメラ58およびLED照明装置59が観察できるようにした図である。図14は、スライドハンドル3を廻して圧迫測定ユニット2をベッド1に対してスライド移動させる機構と、手動圧迫ハンドルの連結機構について示した断面斜視図である。図15は、位相調整板の詳細を示した拡大図である。
図9において、固定圧迫板10は、圧迫板ガイド14によってベース板13に固定されていて、アンダートレイ11も圧迫板ガイド14に取り付けられている。このアンダートレイ11は、被検者の乳房をベッド1から挿入する時に乳房に超音波ジェルや水などを付けて固定圧迫板10にできるだけ沿わせるようにしながら手技を行なうときに使用する。つまり、アンダートレイ11は、超音波ジェルや水などが、モニターカメラ58およびLED照明装置59に落下しないようにするためのトレイである。
図12において、25は、可動圧迫板12をビス止めにより支持する圧迫板ホルダーであり、リニアガイド本体29のリニアガイド26に固定されていて、リニアガイド本体29に沿ってスライド移動するようになっている。リニアガイド本体29は、リードスクリュー軸41が回転することで、内部にリードスクリュー41とネジ嵌合しているリニアガイド28をスライド移動できるようになっている。一方、リニアガイド26には内部にリードスクリュー軸41とネジ嵌合を持たないようにして、押圧センサー27でリニアガイド28とリニアガイド26とを連結させるようにしている。こうすることにより、リードスクリュー軸41が回転するとリニアガイド28がリードにしたがってスライド移動するので、リニアガイド26および可動圧迫板12も同一方向にスライド移動する。そして、乳房あるいは乳房ファントムを圧迫するようにスライドさせると、可動圧迫板12に圧迫の反力が発生し、押圧センサー27で圧迫力を測定できるようになる。
30は、圧迫板片押レバーでありリニアガイド32に固定されていて、リニアガイド本体35にスライド移動できるようになっていて、可動圧迫板12に対しては、圧迫板片押ノブ31が設定されている。また、リニアガイド32は、内部にリードスクリュー軸36とネジ嵌合を持たないようにして、押圧センサー33でリニアガイド34と連結させるようにしている。リードスクリュー軸36を回転させリニアガイド34をリニアガイド本体35に対してスライド移動させることで、押圧センサー33を介してリニアガイド32と圧迫板片押レバー30、および圧迫片押ノブ31可動圧迫板12とを押圧方向に押すことになる。
可動圧迫板12は、リニアガイド本体29および35によりスライド駆動されることになる。ただし、リニアガイド本体29および35のお互いの平行度や偏芯などがあり、リニアガイド26で可動圧迫板12を固定した上に、さらにリニアガイド32で固定すると過拘束となってスライド駆動が難しくなる。そこで、圧迫片押ノブ31は、可動圧迫板12に対しては圧迫する方向に突き当てているのみで固定しない。
37は、位相調整板であり、図15で示すように、駆動板37aと従動板37bとで構成されている。駆動板37aは、かさ歯車38と一体でリードスクリュー軸36に対して回転嵌合するようになっていて、従動板37bとビス37gおよび37fで結合できるようになっている。また、駆動板37aには、偏芯調整軸37dが回転可能に連結されており、従動板37bの長穴部37eと偏芯調整軸37dの偏芯部分とが嵌合している。従動板37bは、リードスクリュー軸36に対してキー溝嵌合するようになっていて、ビス37gおよび37fで駆動板37aと結合することで、かさ歯車38の駆動力がリードスクリュー軸36に伝達するようになっている。
かさ歯車39と43は、回転軸40にキー嵌合していてかさ歯車44が回転駆動されると、回転軸40と一体的にかさ歯車39と43とは回転するようになっている。
かさ歯車45および47は、回転軸46とキー嵌合していて回転軸46と一体的に回転する。かさ歯車48および50は、回転軸49とそれぞれキー嵌合しており、回転軸と一体的に回転するようになっている。
51は、回転軸52にキー嵌合で一体化されたかさ歯車である。53は、トルクリミッタであり、54は、連結ギア付トルクリミッタで、共に同じトルクでスリップするように設定してある。これは、乳房の圧迫に対して故障したときの安全性を考慮したものであり、片方のトルクリミッタが壊れてスリップしなくなったとしても、もう一方のトルクリミッタで過剰圧迫することが防止できるようになっている。トルクリミッタ53は、回転軸52が圧入嵌合されているロータ部53bと、回転軸54cが連結されているアウター部53aとの間にフリクションばねが設定されている。そして、回転軸54cが設定されている回転トルクを上回ったときには、アウター部53aからロータ部53bへの伝達がされないので、回転軸52には、設定以上のトルクが発生しないようになっている。
また、連結ギア付トルクリミッタ54もトルクリミッタ53と同じ構造になっていて、出力軸である回転軸54cが圧入嵌合されているロータ部54bと、回転軸54dが連結されているアウター部54eとの間にフリクションばねが設定されている。そして、回転軸54dが設定されている回転トルクを上回ったときには、アウター部54eからロータ部54bへの伝達がされない。よって、回転軸54cには、設定以上のトルクが発生しないようになっている。
また、回転軸54dには、電動駆動の伝達のための連結ギア部54aが圧入固定されており、一体で回転するようになっている。電動駆動時にも、乳房の圧迫時に、2重のトルクリミッタを設けた部分を通って動力伝達を行なうようにしてあることで、電動駆動機構が壊れて、所定のトルク以上の駆動をするようになっても、所定の圧迫以上できないようになっている。
55は、ワンウェイ付ブレーキであり、圧迫測定ユニット2に固定されている軸受55dにビス等で固定されているステータ55aに電磁コイルが設定されている。電磁コイルに通電することで励磁され、ブレーキロータ55bを吸着してステータ55aと一体化にすることでブレーキがかかるようになっている。ブレーキロータ55bには、ワンウェイ機構55cが組み込まれており、ワンウェイ機構55cを介して回転軸55eと連結されている。ブレーキロータ55bがステータ55aの励磁により一体化してブレーキ状態になれば、回転軸55eの回転は、ワンウェイ機構55cの開放方向の回転は可能で、ロック方向の回転は規制されるようになる。この説明は前述の状態切替スイッチ5で手動圧迫ハンドル4の回転操作でワンウェイラッチ状態にした時の動作説明である。
つまり、手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12の圧迫方向に回転させるときには回転可能であり、逆に手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12の開放方向に回転させるときにはロックがかかり回転できないようにするものである。
このように手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12の開放方向に回転させるときにロックすると、乳房を圧迫するときの反力が手動圧迫ハンドル4に発生しないので、圧迫中に手動圧迫ハンドル4に対して常時握っている必要がなく操作が楽になるようになっている。また、前述の状態切替スイッチ5で常時直結状態に切り替えると、ステータ55aの電磁コイルの通電されなくなるので励磁を解消して、ブレーキロータ55bがステータ55aから切り離されワンウェイ機構55cが働かなる。よって、手動圧迫ハンドル4が圧迫方向にも開放方向にも自由に回転可能になる。
56は、回転軸55eと手動圧迫ハンドル4の回転軸57とを約30度の角度で連結するユニバーサルジョイントであり、圧迫および開放するための回転軸52、54c、54d、55eが、奥側からほぼ直線的に手前まで設定されている。手技を行なうための手技開口部2aに対して約30度傾けて手動圧迫ハンドル4を取り付けたことにより、手技をやりながらの圧迫または開放のハンドル操作が最もし易い位置になっている。
位相調整とは、リニアガイド本体29のリードスクリュー軸41で決められた位置にリニアガイド26で固定支持されている可動圧迫板12が、固定圧迫板10に対して平行平面となる位置で圧迫片押ノブ31と接触するように設定することである。この可動圧迫板12との接触位置に、圧迫片押ノブ31をセットするためには、位相調整板37のビス37gを緩めた状態で偏芯調整軸37dを回転させると同時駆動ギア39および43で決定されたかさ歯車38の位相に対して、リードスクリュー軸36の回転位相を変化させることができる。このため、リードスクリュー軸36のリード/回転角という値だけリニアガイド34をリニアガイド本体29に対してスライド微調整することになり、圧迫片押ノブ31の可動圧迫板12との接触位置を調整することになる。
本発明の音響波取得装置では、圧迫板の支持を2軸で行ない、しかも固定圧迫板10と可動圧迫板12との平行度を重視して、このような微調整メカを組み込んでいる。それは、X線マンモグラフなどは、通常圧迫板は、1本の支持で圧迫を行なっていることが多くあるが、X線マンモグラフの場合、乳房の圧迫状態を上面からのX線透過を測定した射影像であるということである。射影像は、平面での画像であり、圧迫するのは、できるだけ薄くすることでX線透過率を上げてX線量をできるだけ少なくして被ばくを防ぐ目的からである。また、圧迫により、できるだけ乳房を広げて射影像での重なりを少なくする目的がある。よって、圧迫板の平行度は、さほど問題にならないので、1本支持が多くなるのである。
一方、本発明の音響波取得装置では、レーザー光を照明して、血液のヘモグロビンの超音波を測定して、そのヘモグロビンの場所を計算により再構成して、乳房の3次元空間のどの場所から来た超音波なのかを得る必要がある。この場合に、乳房の超音波の音響特性がわかれば計算できるのであるが、人体の超音波の音響特性は、複雑に変化しており、測定が難しいのが現状である。その中で圧迫板の平行度が非常に精度良くセットされているとすると、ヘモグロビンから出た超音波の位置を圧迫板を参照にして割り出すことができるので、人体の超音波の音響特性が不明でも、癌などの血液の集簇度などの計算には、問題がなくなることになる。したがって、本発明の音響波取得装置では、可動圧迫板12の支持を2軸にして、固定圧迫板10との平行度を出す工夫が必要になる。
図16〜17は、本発明の圧迫機構の詳細を示した図である。図16において、61は、ポテンショメータである。可動圧迫板12にポテンショメータ61の引掛け部61cを固定して、ポテンショメータ61の本体61aから引出したワイヤー61bで連結することで、可動圧迫板12の圧迫移動距離を本体61aから引出されたワイヤー61bの長さで算出するようになっている。図17は、可動圧迫板12の片側押付部の詳細図を示した斜視図である。前述した可動圧迫板12の押付部の位相調整が、位相調整板37で微調整できることを説明したが、以下では、微調整ではできないくらいの調整量が必要な場合の実施例を説明する。
まず、可動圧迫板12の押付力は、リードスクリュー軸36を回転することで、リニアガイド34のリード駒部34bのリード嵌合部によりスライド移動することになり、リニアガイド34の取付台34aに押圧センサー33の取付部33bで固定されている。この押圧センサー33の他端には、取付用のボルト33aが取り付くようになっている。リードスクリュー軸36とリード嵌合していないリニアガイド32bに固定してある取付台32aに取付用のボルト33aの他端にナット等で連結させると、スライド駆動力が、伝達できるようになる。さらに、圧迫板片押レバー30がリニアガイド34のリード駒部34bに固定されており、圧迫板片押レバー30の他端には圧迫板片押ノブ31が、ネジタップ部30aにねじ込まれている。
この状態で圧迫板片押ノブ31で可動圧迫板12を押し込むため、圧迫板片押レバー30に対して圧迫板片押ノブ31のねじ込み量を変化させることで、リードスクリュー軸の駆動位相を変化させた時と同様、可動圧迫板12の平行押し付け調整が可能である。
また、押圧センサー33の取付用のボルト33aを取付台32aに取付けるナットの位置を変化せても、リードスクリュー軸の駆動位相を変化させた時と同様に、可動圧迫板12の平行押し付け調整が可能である。しかし、調整する対象が通常のボルトであったり、通常のネジ部であるために、可動圧迫板12の平行押し付け調整は、微調整ではなく、大きく移動する場合に限られることもあり、位相調整板37による微調整機構は必要である。
(電動駆動機構)
次に、圧迫の電動駆動機構について説明する。図18〜21は、本発明の電動圧迫機構の動作説明図である。図18において、70は、電動駆動用モータであり、図1のフットペダル6を踏み込んでONさせることにより電源が供給される。ペダル6bを踏んでONさせると圧迫方向の駆動としてモータ出力軸71が反時計回りに回転して、ペダル6aを踏んでONさせると開放方向の駆動としてモータ出力軸71が時計回りに回転駆動される。72は、モータ出力軸71にキー嵌合していてモータ出力軸と一体で回転する遊星ギア切替の太陽ギアである。
73は、遊星切替レバーでありモータ出力軸71に対して回転可能嵌合になっていて、太陽ギア72との間にはフリクションばねで付勢力が働くようになっているので、モータ出力軸71が回転すると同じ方向に遊星切替レバー73も回転するようになっている。74は、遊星切替レバー73に圧入固定された遊星ギア軸75に回転嵌合で取り付けられた遊星ギアである。遊星切替レバー73に圧入固定された遊星ギア軸75は、図19に示されているが遊星切替レバー73からさらに飛び出したストッパーピン75aがある。遊星切替地板76の圧迫側駆動遊星ストッパー面76aと開放側駆動遊星ストッパー面76bに突き当たることで遊星ギア74の位置決めをするようになっている。
図19において、モータ出力軸71が時計回りに回転すると太陽ギア72も時計回りに回転しさらに遊星切替レバー73も時計回りに回転する。そうすると、遊星ギア軸75のストッパーピン75aが、遊星切替地板76の圧迫側駆動遊星ストッパー面76aに当接して遊星切替レバー73の時計回りの回転が止まった位置が、遊星ギア74とギア77とが噛み合う位置になっている。ストッパーピン75aが遊星切替地板76の圧迫側駆動遊星ストッパー面76aに当接して遊星切替レバー73の時計回りの回転が止まっても太陽ギア72は不図示のフリクションばねで滑るので、太陽ギア72はフリクションばねの滑りトルク分だけ少ない動力は伝達できる。よって、太陽ギア72の回転は、遊星ギア74からギア77へ伝達されギア77とキー嵌合で一体的に回転する回転軸78が時計回りに回転駆動される。
80は、トルクリミッタであり、回転軸78の回転トルクを回転軸81へ伝達するのであるが、回転軸78の回転トルクが一定以上になると空転するようになっていて、回転軸81の回転トルクの上限値を制限している。ギア82は、回転軸81とキー嵌合していて回転軸81と一体的に回転し、ギア83と常に噛み合っている。ギア83は、回転軸84とキー嵌合していて一体的に回転するようになっている。回転軸84は、クラッチ85内に設定されているクラッチ板(不図示)とも一体的に回転するようになっている。このクラッチ板は、クラッチ85に通電することでクラッチロータ86のアマチャ部86aと電磁的に吸着して一体的に回転できるようになり、回転軸84の回転トルクをクラッチロータ86のスリーブギア部86bへ伝達できるようになっている。
もちろん、クラッチ86の通電を切ると回転軸84と連結されているクラッチ板とクラッチロータ86のアマチャ部86aとの電磁吸着が解消されるので、回転軸84の回転トルクはクラッチロータ86へは伝達されないことは言うまでもないことである。クラッチロータ86のスリーブギア86bは、連結ギア付トルクリミッタ54のギア部54aと常に噛み合っている。よって、クラッチロータ86に電動駆動用モータ70の回転トルクが伝達されると、ギア54aが回転することになり、電動圧迫駆動が開始されることになる。
図20において、図1のペダル6aを踏んでONさせると開放方向の駆動として電動駆動用モータ70のモータ出力軸71が時計回りに回転駆動される。すると、太陽ギア72も時計回りに回転するので、太陽ギア72のフリクションばねにより遊星切替レバー73が、時計回りに回転する。そして遊星ギア軸75のストッパーピン部75aが遊星切替地板76の開放側駆動遊星ストッパー面76bに当接する。この状態を示したものが、図20〜21である。
開放側駆動遊星ストッパー面76bにストッパーピン部75aが当接すると太陽ギア72の回転は遊星ギア74に伝達され、さらにギア88と噛み合うようになる。遊星切替レバー73は、ストッパーピン部75aが当接すると太陽ギア72のフリクションばねからの時計回りの回転力がスリップしながらストッパーピン部75aの当接状態を維持するように回転が止まることは言うまでもないことである。ギア88は、回転軸89とキー嵌合していて一体的に回転するようになっていて、ギア90ともキー嵌合しているので、ギア88の回転トルクは、直接ギア90へ伝達されるようになっている。ギア90は、ギア83と常に噛み合っておりクラッチ85へ回転トルクが伝達されることになり、クラッチ85以降の回転トルクの伝達は、圧迫側駆動の説明と同じ伝達をすることになる。
(スライド機構)
次にスライド移動について説明する。図14において、スライドレール62および64が取り付けられたスライドレール受け板63はビス等でベッド1の枠1bに締結されている。スライドレール62および64のスライド移動する駒62a、62b、62cおよび64a、64b、64cにベース板13を載せて、ベース板13とスライドレール62および64の各駒とをビス等で締結させる。この構成により、ベッド1に対してベース板13がスライドレール62および64に沿ってスライド移動可能になる。スライド駆動する場合には、スライドハンドル3を回転することで動作するようになっている。
図14において、スライドハンドル3は、ハンドルホルダー66に内蔵されている回転軸でハンドルギア67と直結されていて一体的に回転するようになっている。ハンドルギア67は、減速ギア68と噛み合っており、減速ギア68はスライド駆動ギア69と噛み合っていて、減速ギア68とスライド駆動ギア69とは、ともにハンドルホルダー66に固定されている軸に回転可能に支持されている。
さらにスライド駆動ギア69は、ベース板13に固定されているスライドラックギア65と噛み合っている。よって、図14において、スライドハンドル3を時計方向に回転させるとハンドルギア67も時計方向に回転し、減速ギア68は反時計回りに回転する。スライド駆動ギア69は時計回りに回転することで、スライドラックギア65を右方向にスライド駆動することになり、ベース板13も右方向へスライド移動する。ベース板13には、少なくとも固定圧迫板10が懸架されているので、このスライド移動する方向が、後述する挿入された乳房のアンダーバストプリ圧迫動作になる。
また、スライドハンドル3を反時計回りに回転させると、ベース板13は逆に左方向へスライド移動して、乳房のアンダーバストプリ圧迫を解除することができるのは、言うまでもないことである。
(手動機構の動作)
次に手動機構の動作説明をする。図12において、手動圧迫ハンドル4を反時計方向に回すと可動圧迫板12が固定圧迫板10に近ずいて圧迫動作になる。詳しく説明すると、手動圧迫ハンドル4を反時計方向に回すと、回転軸57へ伝わりユニバーサルジョイント56を経てワンウェイ付ブレーキ55に達する。ワンウェイ付ブレーキ55は、図1の状態切替スイッチ5でワンウェイラッチ状態にしてあるときは、ブレーキが利いている。一方、圧迫方向の反時計回りの回転では、ワンウェイのフリー回転方向なので回転負荷は発生せずに回転が次の連結ギア付トルクリミッタ54へ伝達できる。
連結ギア付トルクリミッタ54のギア部54aは、常にクラッチ85のスリーブギア86bと噛み合っているが、図1のフットべダル6を踏み込んでいないときには、図18のクラッチ85は、連結ギア54aと電動駆動用モータ70とは連結されていない。よって、回転負荷は発生しない。連結ギア付トルクリミッタ54のトルクリミッタ部は、入力側である手動圧迫ハンドル4からの回転トルクが可動圧迫板12を押す力に換算して300Nを超える場合、出力軸であるトルクリミッタ53の入力軸には、300N以上は発生しないようになっている。
また、トルクリミッタ53も全く同一のトルクリミッタとして入力に対して出力を可動圧迫板12の押し力に換算して300Nを超えないように回転トルクを制御している。この2連のトルクリミッタの設置は、単一故障を保障するものであり、どちらか一つが壊れても、可動圧迫板12の押し力換算で300Nを超えない保証ができるようにしてある。もちろん、この安全機構は、電動駆動用モータ70を使った電動圧迫時にも連結ギア54aから電動駆動トルクが伝達されるので、300Nを超えないシステムの保証になっていることは、言うまでもないことである。
トルクリミッタ53の出力軸である回転軸52へ伝達された手動圧迫力は、次に、方向を変えるためにかさ歯ギア51、50と連結する。そして、回転軸49に連動して、さらに図13のかさ歯ギア48、47と方向を変え、回転軸46に伝わる。また、かさ歯ギア45、44から回転軸40に伝達される。回転軸40には、かさ歯ギアが43と39の2つがキー嵌合しており、回転軸40と一体的に回転するようになっている。よって、可動圧迫板12の左右のリニアガイド29と35を同時に駆動し、可動圧迫板12の圧迫において、乳房の位置によらず常に固定圧迫板10と平行を保つ圧迫ができるように構成されている。
かさ歯ギア43と噛み合っているかさ歯ギア42へ伝達されたトルクは、かさ歯ギア42とキー嵌合で一体的に回転するようになっているリードスクリュー軸41へ回転トルクが伝達される。該回転トルクは、リードスクリュー軸41とネジ嵌合しているリニアガイド28に右方向の移動力を発生させる。そして、可動圧迫板12の圧迫反力を測定するための押圧センサー27を介してリードスクリュー軸41とネジ嵌合していないリニアガイド26を右方向へ押し付ける力を発生させている。
リニアガイド26には可動圧迫板12の圧迫板ホルダー25が直に強固に取り付けてあり、リニアガイド26による支持だけでも可動圧迫板12の固定圧迫板10に対する平行度は十分満足できるようになっている。そのために、リニアガイド本体29のレール部分は、固定圧迫板10の方へも延長されている。
一方、かさ歯ギア39側では、かさ歯ギア38と噛み合っていて、かさ歯ギア42側と同時駆動で、可動圧迫板12を左右から押し付けることになるが、かさ歯ギアのギア位相ずれや、リードスクリュー軸41と36との位相差などを合わせることは非常に難しい。よって、本発明では、位相調整板37を設けて、左側の圧迫板の固定部があるのでリードスクリュー軸41側を保証値として、リードスクリュー軸36側を可変にして調整するように構成した。つまり、かさ歯ギア39と噛み合っているかさ歯38の軸に位相調整板37を設けて、位相調整後の位置をリードスクリュー軸36に伝達し、リードスクリュー軸36とネジ嵌合しているリニアガイド34を圧迫方向に駆動するようになっている。
リニアガイド34には押圧センサー33が取り付けられており、この押圧センサー33を介してリードスクリュー軸36とネジ嵌合していないリニアガイド32を圧迫方向へ押し付けるようになっている。しかし、リニアガイド本体35の圧迫板近傍では、乳房圧迫時に手技で乳房を補助する必要があり、リニアガイド本体35が、左側のリニアガイド本体29のように固定圧迫板10の位置まで延長すると手技の邪魔になってしまう。リニアガイド本体35がセットできる長さは、図12で示した可動圧迫板12の最大開口位置と同一面であれば、手技の邪魔にならないことは実験で明らかになっている。
したがって、リニアガイド本体35の位置が可動圧迫板12の最大開口位置までとすると、リニアガイド34あるいは32の位置で可動圧迫板12を固定圧迫板10近傍まで押付けるためには、オーバーハングさせた形状の圧迫板片押レバー30が必要となる。また、可動圧迫板12を固定圧迫板10とほぼ平行に圧迫移動させるときに、リニアガイド本体が29と35の両方でガイドするのであるが、両方とも可動圧迫板12に強固に支持すると、過拘束になる。つまり、リニアガイド25、28あるいは32、34が移動時に非常に負荷が重くなってしまうことが予想される。よって、オーバーハングして支持するリニアガイド本体35側での支持は、可動圧迫板12が乳房を圧迫する際に生じる圧迫反力を受けるだけに構成されている。
したがって、可動圧迫板12のリニアガイド35は、手技の邪魔にならないように、手技の開口部までとして構成する。圧迫板片押レバー30は、オーバーハングさせることで2軸での圧迫板駆動が可能になり、固定圧迫板10との平行度も精度よく保つことが可能となる。
(電動機構の動作)
次に電動機構の動作説明をする。電動圧迫機構の起動は、図1に示したフットペダル6を踏んだ時のみ有効となるように構成されている。図1のフットペダル6の圧迫方向駆動のペダル6bを踏み込むと図18の電動駆動用モータ70が反時計方向に回転するように通電されるとともに、クラッチ85にも通電され、電動駆動用モータのトルクが、連結ギア付トルクリミッタ54へ伝達できるようになる。電動トルクは、太陽ギア72から遊星ギア74を介してギア77へ伝わり回転軸75からトルクリミッタ80に入力される。
このトルクリミッタ80は、手動圧迫機構に設けてある2連のトルクリミッタ54、53とは異なるトルク制限を行なうようになっている。X線マンモグラフの場合も電動圧迫と手動圧迫を持っているが、電動圧迫の方が圧迫力を小さくしてあり、電動圧迫は補助的な使い方をJISで設定されていることから、本発明の機構も同様に電動圧迫を手動に比べて小さい圧迫力になるようにしてある。トルクリミッタ80での電動圧迫力は、70N程度に設定してあり、電動駆動モータが壊れた場合でも、70N以上はスリップして可動圧迫板12まで伝達できないようにしてある。
また、電動圧迫機構に対して単一故障の保証としては、トルクリミッタ80が壊れて直結状態となりトルク制限できなくなった場合には、ギア82からギア83を経てクラッチ85を介してスリーブギア86bを通過して連結ギア54aへつながり、手動のトルクリミッタ300Nでの制限で制御されることになり、安全は保証されることになる。
もし、電動駆動時に70N以上の圧迫力が発生した場合には、非常停止ボタン(不図示)を押すことにより、電動駆動モータへの給電を止めることも可能である。また、クラッチ85の通電を停止させ、電動駆動モータ70のトルクをスリーブギア86aまで伝えなくすることも可能であり、安全は十分に担保することは可能である。
また、フットペダル6bを踏み込んで電動圧迫モードで圧迫中にさらに手動圧迫を行なう場合には、図18の状態のギア連結で連動ギア54aを電動よりも早く反時計回りに手動で回すと、スリーブギア86bとギア83が時計回りに回転し、連結しているギア82が反時計回りに回る。そうすると、トルクリミッタ80およびギア77も反時計回りに回されることになるが、ギア77が反時計回りに回転すると、遊星ギア74が弾かれるように動き、手動圧迫ハンドル4での負荷は、全く増加しないように工夫されている。これは、電動圧迫方向だけではなく、フットペダル6の開放方向駆動のペダル6aを踏み込んで、電動駆動で可動圧迫板12を開放方向に駆動している場合にでも手動圧迫ハンドルによる追加開放駆動が可能になるように構成されている。この構成は、図20において説明する。
図20は、開放方向駆動のペダル6aを踏み込んで電動開放駆動されている状態を示している。この駆動状態で、手動圧迫ハンドル4を可動圧迫板12を開放方向に動かすには、時計回りに回転することになり、連結ギア54aも時計回りに回転し、スリーブギア86bとギア83が反時計回りに回転する。さらに、ギア90およびギア88が時計回りに回転することになる。ギア88が時計回りに回されると、圧迫時の手動追加回しの時と同様に、遊星ギア74が弾かれることになりギア88の時計回りの追加回転において、電動駆動モータ70の影響は全くないようになっている。
したがって、開放方向駆動のペダル6aを踏み込んで電動開放動作中でも、手動圧迫ハンドル4による追加開放駆動は、何の負荷も受けない構成となる。被検者が音響波取得装置の測定中に気分が悪くなったり、何らかの異常があった場合には、電動開放駆動だけでは遅いこともある。よって、電動開放中にスピードアップするために手動開放を追加できることは、安全上でも必要であることは言うまでもないことである。
(非常時の圧迫解放機構)
次に、圧迫の非常開放機構について説明する。図24は、本発明の圧迫の非常開放機構を示した斜視図である。図25〜30は、本発明の圧迫の非常開放機構の動作を説明するための動作図である。非常開放機構によって被検体が圧迫された状態でかつ、電源が供給されない状態で、前記2つの圧迫板の少なくとも一方を、被検体を圧迫する方向とは逆方向に移動させることができる。
図24において、91は、圧迫板ホルダー25に取り付けられた圧迫板ストッパーである。可動圧迫板12を手動あるいは電動で圧迫方向に移動させると、乳房あるいは乳房ファントム9(被検体)などが配置されていないときは、固定圧迫板10の圧迫板ガイド14に当たってしまうことになる。よって、指などが挟まって怪我をしたり、圧迫板に傷がついたりしないように、ゴム製のストッパーを設けることが望ましい。
92は、可動圧迫板12を強制的に開放方向に押し広げるための非常開放レバー(圧迫解放手段)である。圧迫板ガイド14に設けられた穴14aに嵌合部92cがスライド移動可能に嵌合していて、ばね掛け部92aに引張りばね93(付勢手段)が係っている。引張りばね93は、ばね掛け部92aと、圧迫板ガイド14に固定されたばね掛け部14bで支持されているため、非常開放レバー92は常に圧迫板ホルダー25を開放する方向に付勢されている。つまり、引張りばね93によって、非常開放レバー92は、圧迫板ホルダー25(圧迫部材)を開放する方向(被検体を圧迫する方向とは逆方向)に付勢されている。また、ストッパー部92bが設けられており、切欠き部92eの緊締レバー95がスライドして緊締解除されると、緊締レバー95の平面部95fか、あるいは圧迫板ガイド14の嵌合穴部14aの口元で止まるようになっている。被検体が圧迫された状態では、この圧迫板ガイド14の嵌合穴部14aによって、非常開放レバー92が移動しないように停止されている。
94は、電磁吸着マグネットであり、緊締レバー95の吸着面95aを引張りばね96のばね力に抗して吸着することが可能な電磁石である。装置の可動時は常に通電状態で、緊締レバー95の吸着を継続するようになっている。非常停止ボタン(不図示)が押された場合あるいは停電、その他のエラーなどの異常時には、通電を解除、あるいは装置への電源が供給されない状態で、緊締レバー95を開放するようになっている。
95は、緊締レバーである。圧迫板ガイド14に設けられた位置決めピン14c、14dと長穴95c、95dとが上下スライド移動可能に取り付けられている。ばね掛け部95bに引張りばね96のフック部96aが係っていて、圧迫板ガイド14のばね掛けピン部14fとの間で付勢されている。電磁吸着マグネット94の吸着が解除されると、引張りばね96の附勢力により下方向にスライド移動して、ストッパーピン14eにばね掛け部95bが当接すると止まるようになっている。
以上の構成の圧迫の非常開放機構について動作説明をする。図25は、図24と同じ待機状態の図である。図25において、引張りばね93により右方向に附勢された非常開放レバー92が、緊締レバー95の先端部95e(停止手段)が切欠き部92eに入り込んでいて、非常開放の準備完了状態になっている。電磁吸着マグネット94は、吸着部94aが緊締レバー95の吸着面95aを吸着している状態である。被検体が圧迫された状態では、この緊締レバー95の先端部95eによって、非常開放レバー92が移動しないように停止されている。
図26は、乳房ファントム9を圧迫した状態を示した図であり、非常開放機構は、準備完了状態を維持している。図27は、乳房あるいは乳房ファントムが圧迫状態のときに非常停止ボタン(不図示)が押された場合あるいは停電、その他のエラーなどの異常が起きたことで、非常開放機構が動作を開始した直後の状態である。まず、電源が供給されないので電磁吸着マグネット94の機能が停止し、緊締レバー95が引張りばね96により下方向に移動して緊締レバー95の先端部95eが外れる。そして、ばね掛け部95bがストッパーピン14eの当接して停止する。この状態では、非常開放レバー92がまだ動いていないので、圧迫の非常開放は実行されていない。
図28は、図27の次の瞬間を捉えた状態を示した図である。まず、非常開放レバー92が引張りばね93により嵌合穴部14aに沿って右方向に移動する。そして、非常開放レバー92の先端部92dで圧迫板ホルダー25の被検体を圧迫している面を押して、被検体を圧迫する方向とは逆方向に移動させる。そして、乳房ファントムと可動圧迫板12との間に大きな隙間が設けられる。この可動圧迫板12を押し広げる量は、非常開放レバー」92のストッパー部92bが緊締レバー95の平面部95fか、あるいは圧迫板ホルダー14の嵌合穴部14aの口元で止まるようになっている。図28では、緊締レバー95の平面部95fで止まっている。
図28では、乳房ファントム9が取り出せることが十分にできるような広さまで、非常開放レバー92で広げるようにしてある。ただし、この例に留まらずに、非常開放レバー92で開放する場合には、図25のように、可動圧迫板12の初期位置である全開状態まで開放するようにしてもよいことは、言うまでもないことである。また、強力な引張りばね93で非常開放レバー92が一気に圧迫板ホルダー25に当接して非常開放を行なうことで、大きな音が発生することが予想される。よって、非常開放レバー92の先端部92dには、ゴムシートなどで消音対策をするか、あるいは、非常開放レバー92の当接する圧迫板ホルダーの面にゴムシートを張り付けることで、被検者の不安を解消できる。
また、可動圧迫板12は、電動駆動用モータ70などで駆動している場合や手動時でもワンウェイラッチ状態で手動圧迫ハンドル4が、ワンウェイ付ブレーキ55が作動している状態では、いくら強力な引張りばね93で非常開放レバー92が一気に圧迫板ホルダー25に当接しても非常開放はできない。非常停止ボタン(不図示)が押された場合あるいは停電、その他のエラーなどの異常が起きた場合には、ワンウェイ付ブレーキ55のブレーキ通電を停止するとともに、クラッチ85の通電も停止するようになっている。この構成により、可動圧迫板12あるいは圧迫板ホルダーは、軽い力で押し広げることができるようになっている。
また、上述した形態では、圧迫解放手段が可動圧迫板側を押して、可動圧迫板を移動させる形態であったが、圧迫解放手段が固定圧迫板側を押して、可動圧迫板を移動させる形態でもよい。また2つの圧迫板をいずれも可動圧迫板で構成し、どちらか一方を押して、一方あるいは両方の圧迫板を移動させるようにしてもよい。
また、上述した形態では、圧迫解放手段が可動圧迫板側を押して、可動圧迫板を移動させる形態であったが、圧迫解放手段が可動圧迫板側を引いて、可動圧迫板を移動させる形態であってもよい。この場合も、2つの圧迫板がいずれも可動圧迫板で構成されていてもよい。
圧迫解放手段は、回転レバーなどでもよい。また、付勢手段はトーションバーなど別のものでもよい。電磁吸着マグネット94と吸着部94aは、ブランジャーで構成されてもよい。
(非常開放機構のリセット)
図28のように非常開放機構を一回使えば、図28のままでは、再度同じことが発生した時には、非常開放機構が働かなくなることが予想される。そこで、非常開放機構のリセットを示したものが図29である。図29は、非常停止の圧迫開放動作により、乳房あるいは乳房ファントムなどが取り除かれた状態からのスタートとしている。
図29では、装置の不具合を解消して、再度電源が投入され正常であるときからのスタートとしている。まず、装置のシステムチェックで、非常開放で圧迫板ホルダーが強制的に広げられたことがわかるので、リセット動作を始める。まず、電動駆動用モータ70を起動して可動圧迫板12を圧迫方向に駆動するために、クラッチに通電する。可動圧迫板12には、ポテンショメータ61がセットしてあるので、いまどこにあるのかを瞬時に判明するので、その位置から電動駆動を開始し、図29の圧迫板ストッパー91の先端部91aが圧迫板ガイドに当接する位置まで一気に電動圧迫を行なわせる。
この時の電動圧迫駆動力は、トルクリミッタ80で約70Nの圧迫力が上限として動作するが、非常開放動作は、その他の附勢力を無くしてあることで、約50N程度で可能であるので、トルクリミッタ80があっても十分に引張りばね93を電動駆動できる。図29が、電動圧迫駆動でリセット動作が完了した状態である。電動駆動による圧迫で、圧迫板ホルダー25で非常開放レバー92の先端部92dを左方向へ押し込んで行き、圧迫板ストッパー91が圧迫板ガイド14に当接した時に電動駆動を停止する。
図29の状態で、電磁吸着マグネット94を通電して、緊締レバー95を吸着すると、非常開放レバー92の切欠き部92eに緊締レバー95の先端部95eが入り込み、非常開放レバー92を準備完了状態にすることができる。図30に、電磁吸着マグネット94を通電して、緊締レバー95を吸着したままの状態を示す。図31は、電動駆動用モータ70の逆転駆動を行ない、圧迫板ホルダー25を少し開放位置に動かして、緊締レバー95で非常開放レバー92を準備完了状態になったことを示している。図30の状態から、さらに電動駆動用モータ70を開放方向に駆動させ、可動圧迫板12が全開状態になったときに通電を止め、非常開放機構のリセットが完了する。
(モニターカメラと照明装置)
次に本発明の圧迫の補助のモニターカメラについて説明する。図12および図31がモニターカメラ58、60とLED照明装置59の特徴を示した図である。図12および31において、58は、圧迫時の乳房を真下から観察するためのモニターカメラであり、固定圧迫板10に近い位置に配置してあり、図31のように圧迫板に垂直な角度の位置は、ほぼ圧迫板の中心に位置している。
モニターカメラは、モニターカメラ58は、主としてMLO時の被検者のベッドとの角度を見るためのカメラである。乳房は肩の胸筋との接続位置と腹部の腹筋との接続とからできる角度に合わせる必要があるが、人によってこの角度が全く異なっており、立位では判定できない。したがって、ベース板13のスライド移動時に、圧迫板の真下に設置したモニターカメラ58で観察することで、MLOの角度を決めることで、圧迫をやり直す回数が減少するだけではなく被検者への圧迫時の痛みの軽減にも貢献することがわかった。
また、本発明の音響波取得装置のように、手技を側面から行なう装置において、側面から観察するモニターカメラ60を設置することは、乳房の圧迫状態が手技側から十分判定できないことを補うようにでき、圧迫の失敗が格段に減少した。
また、圧迫板の真下に設置したLED照明装置59は、モニターカメラ58および60の両方に見やすい照明をするとともに、手技の時に手で照明が遮ることがないことも、モニターを見やすいものにしている。また、LED照明装置59の照明位置を図31のようにモニターカメラ58のように固定圧迫板10の中心ではなく、中心よりも左側にシフトしてある。これは、MLOでの圧迫時に図31では、左右どちらの乳房でも、左側が尾側になる。MLOのときの乳房の圧迫は、ニップルがCCのときのように中央にはなく、すべて尾側にニップルがずれている。
したがって、図31では、LED照明装置59の中心軸59aが、モニターカメラ58の中心軸58aよりも尾側へシフトすることが、照明として影が最も出にくいものとなっている。
(音響波取得装置の動作)
次に、本発明の測定装置の一例として音響波取得装置の動作について説明する。図22〜23は、音響波取得装置の測定のシーケンスを示したフローチャートである。図22は、CC方向の圧迫での測定について示してある。
まず、S101からスタートして、S102では、被検者にベッド上で腹臥位になって、測定する側の乳房をベッド1の穴1aに挿入してもらう。S103で圧迫機構をワンウェイラッチ状態にするために、状態切替スイッチ5でセットする。
S104では、被検者の乳房が手技により圧迫測定ユニット2の方へ十分引き出されると、手技により固定圧迫板10に十分沿わせるようにしながら、S105へ進み、スライドハンドル3を廻して圧迫測定ユニット2をベッド1に対してスライド移動をさせる。このスライド移動は、図3のC位置の場合では、被検者の乳房をCb方向からプリ圧迫するようにする。つまり図6のような体位では、尾側から固定圧迫板10を乳房に押し付けるようにすることで、乳房のアンダーバストが固定され、圧迫完了時の約3分の1から半分くらいのプリ圧迫を完了させる。
図14でスライドハンドル3を反時計回りに回転させると、ギア67がスライドハンドル3の軸に固定されているので、同様に反時計回りに回転し、減速ギア68からギア69へと回転が伝達される。ベース板13に固定されているスライドラックギア65とギア69とがかみ合っているので、ギア69の反時計回りの回転で、スライドラックギア65は、ベース板13とともに尾側から頭側方向へ移動することになる(S106)。プリ圧迫が完了するとS107へ進み電動圧迫を開始するために、フットペダル6bを踏み込む。すると可動圧迫板12が圧迫方向へ徐々に移動していくので、S108で手技により乳房の圧迫状態を整える。
S109では、手技の手を乳房から引き抜きながら電動圧迫を終了するために、フットペダル6bから足を外す。S110では、手動圧迫のために、手動圧迫ハンドル4を反時計回りに回転させる。この手動圧迫ハンドル4の操作は、S111で被検者への声掛けで痛みが無いかどうか聞きながら慎重に操作する。被検者が痛みを訴えた場合には、S119へ進み手動圧迫ハンドル4を圧迫の開放方向へ時計回りに操作して痛みがない状態からS110へ戻り圧迫を続ける。
S112では異常があった場合には、すぐにS120へ進み非常停止スイッチ(不図示)をONさせると、システムが異常を認識して、以下S121〜S123までを自動で行ない、S123で圧迫を自動開放することで、測定を中止する。また、S112で異常がなければ、測定を進め、S113で可動圧迫板12の頭側から撮影しているモニターカメラ60の画像を不図示のモニターで乳房の圧迫状態を確認する。この可動圧迫板12の頭側から撮影しているモニターカメラ60は、固定圧迫板10の真下に設置してあるLED照明装置59で乳房を照明することで、乳房の全体が照明することが可能になった。
S114で圧迫位置が問題なければ、S115へ進み光音響波の測定を所定の手順で行なう。光音響波の測定が終了すると、乳房を開放するために、S116で状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替える。すると、ワンウェイ付ブレーキ55のブレーキ通電が切れるので、可動圧迫板12の開放規制が解除されることになる。よって、乳房の弾力で可動圧迫板12は、少し戻され、被検者の乳房の痛みは軽減されることになる。S118で手動圧迫ハンドル4で可動圧迫板12を戻すように時計回りに回転させることも楽に回転するようになる。
また、S116で状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替えたことは、システムで認識できるので、測定が終了したとして、S118で電動駆動用モータを時計回りに回転させ、可動圧迫板12を強制的に圧迫開放することも可能である。
また、S114で乳房の圧迫位置が悪い、たとえば乳房があまり引出せていないような時には、測定ができない。よって、S124へ進み、状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替え、S125で手動圧迫ハンドル4を時計回りに回して圧迫を開放し、S126で被検者の乳房を一旦引き抜いて、S102で最初からやり直すようにする。
図23は、MLO方向の圧迫での測定について示してある。まず、S201からスタートして、S202では、被検者にベッド上で腹臥位になって、測定する側の乳房をベッド1の穴1aに挿入してもらう。この腹臥位で横になる場合に、CCの時とは異なりMLOの角度を指示する必要がある。S203で圧迫機構をワンウェイラッチ状態にするために、状態切替スイッチ5でセットする。
S204では、被検者の乳房が手技により圧迫測定ユニット2の方へ十分引き出されると、手技により固定圧迫板10に十分沿わせるようにしながら、S205へ進み、スライドハンドル3を廻して圧迫測定ユニット2をベッド1に対してスライド移動をさせる。このスライド移動は、右乳房である場合には、図4の体位となり、図3のA位置でAb方向からのプリ圧迫をするようになり、左乳房の場合には、図5の体位となり、図3のB位置でBb方向からのプリ圧迫をするようになる。
プリ圧迫としては、CCの場合と同じであり、図14でスライドハンドル3を反時計回りに回転させると、ギア67がスライドハンドル3の軸に固定されているので、同様に反時計回りに回転し、減速ギア68からギア69へと回転が伝達される。ベース板13に固定されているスライドラックギア65とギア69とがかみ合っているので、ギア69の反時計回りの回転で、スライドラックギア65は、ベース板13とともに尾側から頭側方向へ移動することになる(S206)。プリ圧迫が完了するとS207へ進み電動圧迫を開始するために、フットペダル6bを踏み込むと可動圧迫板12が圧迫方向へ徐々に移動していくので、S208で手技により乳房の圧迫状態を整える。
S209で圧迫機構の真下に設定してあるモニターカメラ58および60とLED照明装置59で照明することで不図示のモニターで乳房の圧迫状態が良くわかるようになった。S210では、特に真下のモニターカメラ58で、図3の被検者の乳房のMLO角度AbおよびBbが合っていないと十分な圧迫状態が得られないということになる。
S210でMLOの角度がOKであれば、S211へ進み電動圧迫を終了させるためにフットペダル6bを放す。S212では、手動圧迫のために、手動圧迫ハンドル4を反時計回りに回転させる。この手動圧迫ハンドル4の操作は、S213で被検者への声掛けで痛みが無いかどうか聞きながら慎重に操作する。被検者が痛みを訴えた場合には、S221へ進み手動圧迫ハンドル4を圧迫の開放方向へ時計回りに操作して痛みがない状態からS212へ戻り圧迫を続ける。S214では異常があった場合には、すぐにS222へ進み非常停止スイッチ(不図示)をONさせると、システムが異常を認識して、以下S223〜S225までを自動で行ない、S125で圧迫を自動開放することで、測定を中止する。
また、S214で異常がなければ、測定を進め、S215で可動圧迫板12の頭側から撮影しているモニターカメラ60の画像を不図示のモニターで乳房の圧迫状態を確認する。この可動圧迫板12の頭側から撮影しているモニターカメラ60は、固定圧迫板10の真下に設置してあるLED照明装置59で乳房を照明することで、乳房の全体が照明することが可能になった。S216で圧迫位置が問題なければ、S217へ進み光音響波の測定を所定の手順で行なう。
光音響波の測定が終了すると、乳房を開放するために、S218で状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替える。すると、ワンウェイ付ブレーキ55のブレーキ通電が切れるので、可動圧迫板12の開放規制が解除されることになる。よって、乳房の弾力で可動圧迫板12は、少し戻され、被検者の乳房の痛みは低減されることになる。S219で手動圧迫ハンドル4で可動圧迫板12を戻すように時計回りに回転させることも楽に回転するようになる。
また、S218で状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替えたことは、システムで認識できるので、測定が終了したとして、S219で電動駆動用モータを時計回りに回転させ、可動圧迫板12を強制的に圧迫開放することも可能である。
また、S216で乳房の圧迫位置が悪い、たとえば乳房があまり引出せていないような時には、測定ができない。よって、S227へ進み、状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替え、S228で手動圧迫ハンドル4を時計回りに回して圧迫を開放し、S229で被検者の乳房を一旦引き抜いて、S202で最初からやり直すようにする。
S210でMLOの角度がNGであれば、十分な圧迫が見込めないことになるので、乳房を挿入する角度、つまり、腹臥位で横になるときのベッドの穴1aを中心とした回転で角度を変化させ、再圧迫を行なうようにする。S226へ進み、電動圧迫を中止するためにフットペダル6bを踏むことをやめる。次に、S227へ進み、状態切替スイッチ5を常時直結状態に切替える。そして、S228で手動圧迫ハンドル4を時計回りに回して圧迫を開放し、S229で被検者の乳房を一旦引き抜いて、S202で最初からやり直すようにする。