JP5742650B2 - 成形コークスの製造方法及びその方法で製造された成形コークス - Google Patents
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そのような石炭は、高価な強粘結炭ではないが、粘結性を有する石炭であり、価格が上昇傾向にある。このため、さらに粘結性の乏しい石炭を多く配合できるコークスやその製造方法が求められている。
そこで、従来、劣質炭を用いて高炉の使用に耐えるコークスを製造する技術である成形コークス法に着目し、小塊のコークスを成形コークス法によって製造することを検討した。
その結果、配合炭の揮発分含有量VMに応じて、乾留時の昇温速度を調整することにより、劣質炭を用いた場合に小塊コークスを高い歩留で製造できることを見出した。
そのようになされた本発明の要旨は、次のとおりである。
(a)VM値≦34.5%のときは、下記式で定義されるT℃/min以上とする
T=0.0001225×Tc2−0.1418×Tc+46.18
(b)34.5%<VM値のときは、1℃/min以上とする
なお、VM値の%は、質量%を意味する。
(2)全膨張率20%以下の配合炭を用いて上記(1)に記載の製造方法によって製造された成形コークスであって、粒径が15〜40mmに調整され、ドラム強度指数DI150 15が40以上であることを特徴とする成形コークス。
(3)さらに、コークス反応性指数CRIが40以上であることを特徴とする前記(2)記載の成形コークス。
なお、ブリケット中心温度Tcが200℃の時、ブリケット表面温度は400℃に到達して軟化溶融を開始することを、確認しているため、ブリケット中心温度Tcが200〜700℃の範囲において適正ゾーンに入るよう、昇温速度を調整していた。
以下に、その知見が得られた試験結果について説明する。
昇温パターンP1、P2、P3は非特許文献1のT1−T3線よりも昇温速度が高い条件であり、P4はT2線とT1−T3線で囲まれる非特許文献1の領域の昇温速度である。
加熱時のブリケットの中心温度Tcが200〜700℃にある間の平均昇温速度はそれぞれ、P1:33(℃/min)、P2:20(℃/min)、P3:10(℃/min)、P4:6(℃/min)であった。
P1: T=0.00016655×Tc2−0.2255×Tc+96.19
P2: T=0.00019814×Tc2−0.2301×Tc+78.76
P3: T=0.0001225×Tc2−0.1418×Tc+46.18
P4: T=0.0001225×Tc2−0.1418×Tc+42.18
結果を表2に示す。
一方、揮発分が高いC,Eに関しては、低い昇温速度でも80%以上の小塊コークス(15−40mm)歩留まりを得ることができている。
また、同じ昇温速度で比較すると、揮発分32%のB2と揮発分35%のCでは大きな差異があり、Cの小塊コークス(15−40mm)歩留まりがB2に比べて著しく高くなっていることがわかる。
結果を表3に示す。
一方、揮発分が高いC,Eに関しては、低い昇温速度でも高い小塊コークス(15−25mm)歩留まりを得ることができている。
また、同じ昇温速度で比較すると、揮発分32%のB2と揮発分35%のCでは大きな差異があり、Cの小塊コークス(15−25mm)歩留まりがB2に比べて著しく高くなっていることがわかる。
以上の通り、小塊コークス(15−25mm)歩留まりも、表2に示す小塊コークス(15−40mm)歩留まりと同様の傾向を示すことが確認された。
本発明では、上記のように、劣質炭を多く使用することを目的としている。
具体的には、全膨張率TDが20%以下の配合炭を用いる。一般的に、粘結性が低い方が石炭価格は安価であるため、コークス製造用の原料石炭価格をより下げるには、全膨張率10%以下が好ましく、あるいは全膨張率0%でもよい。
本発明では、ブリケット中心昇温速度を従来よりも速くするため、このように低い全膨張率の石炭を用いても、成形コークスを製造することが可能である。
すなわち、本発明では、粘結性の乏しい、あるいは粘結性を全く有しない劣質炭を配合原料として多量に用い、全膨張率20%以下の配合炭とするため、昇温速度が早くてもブリケットのふくれによる問題は生じない。
また、配合炭の全膨張率TDは、配合炭を構成する各石炭それぞれの全膨張率TDとそれぞれの石炭の配合比から加重平均によって求めた値である。全膨張率TDには加成性がないので、配合炭のTD実測値とは異なる。なお、石炭の全膨張率TDは、JIS M8801に記載の膨張性試験方法(ジラトメータ法)により測定される。
本発明者らは、前述の試験結果をふまえ、配合炭の揮発分含有量VMの値と昇温速度の関係について詳細な実験を行った。その結果、VM値が34.5%を超える場合には、昇温速度に特別な制限がないこと、及び、VM値が34.5%以下では、成形炭の中心温度Tcに応じた昇温速度の下限が存在することを知見した。
そして、さらに検討を行い、乾留する際の加熱時の成形炭の中心温度Tcが200−700℃にある間の昇温速度を、VM値に応じて以下のように調整することにより、小塊コークスを歩留まり高く製造できることを見出した。例えば、上記の通り、84%以上の小塊コークス(15−40mm)歩留まりを得ることが確認された。
T=0.0001225×Tc2−0.1418×Tc+46.18
なお、Tは図2で細線で記載された曲線で表される。
(2)34.5%<VM値のときは、1℃/min以上とする。
例えば、上記の通り、87%以上の小塊コークス(15−40mm)歩留まりを得ようとすれば、乾留時の成形炭の中心温度Tcが200〜700℃にある間の昇温速度を、
VM値≦34.5%のときは、下記式で定義されるT℃/min以上とし、
T=0.00019814×Tc2−0.2301×Tc+78.76
34.5%<VM値のときは、3℃/min以上
とすればよい。
VM値≦34.5%のときは、下記式で定義されるT℃/min以上とし、
T=0.00016655×Tc2−0.2255×Tc+96.19
34.5%<VM値のときは、6℃/min以上
とすればよい。
また、ブリケットの中心温度Tcは、ブリケットの幅、長さ、高さ方向中心での温度であり、実プロセスを模擬できる試験乾留炉において、ブリケット中心に熱電対を設置し、温度を測定する事で評価できる。
この重縮合反応により、石炭は加熱過程で大きく収縮する。石炭は不均質物質であるとともに成形炭内部には温度分布があるため収縮は均一ではなく、不均一な収縮により歪みが発生し、応力が発生し、その結果コークスに亀裂が生成する。
そこで、石炭のVM値が高いほど、また昇温速度が大きいほど単位時間あたりの収縮量は大きくなるため、亀裂は多く発生し、これにより、小塊コークス歩留まりを上げることが可能となったものと考えられる。
VM値≦34.5%の場合は、小塊コークスを高い歩留まりで製造するために、上記式より速い昇温速度が必要であるが、これは、VM値≦34.5%の配合炭では、上記昇温速度超において、熱分解に伴う収縮挙動が大きく変化して、亀裂発生量が急激に増加するためと推察される。
なお、VM値の下限値は、使用する銘柄によって決まるため、特に限定はされるものではなく、VM値が20質量%程度、あるいはVM値が15質量%程度のものが例示できる。
なお、昇温速度の下限は特に限定されるものではないが、現実的な値として1℃/minとした。
また、VM値の上限値も、使用する銘柄によって決まるため、特に限定はされるものではなく、VM値が40質量%程度、VM値が45質量%程度、あるいはVM値が50質量%程度のものが例示できる。
本発明で対象とする小塊の成形コークスでは、目標のドラム強度指数DI150 15は40以上で十分である。
特許文献4では、ドラム強度指数DI150 15が70未満であると、コークスの破壊および粉化が生じて通気性の低下および還元効率の低下が生じることがあるため、DI150 1570以上としていた。
これに対し、本発明の成形コークス製造法で製造した小塊のコークスでは、DI150 15が70未満でも、40以上であれば高炉で十分使用可能である。なお、DI150 15の上限は特に規定されるものではなく、この値は大きいほど好ましい。
成形コークス製造法により製造したコークスは、室炉法により製造したコークスとは形状が異なる。成形コークス製造法ではブリケットとした成型炭を使用するため、この方法で製造されたコークスは、室炉法で製造されたコークスに比較して角部が少ない形状をしている。
一方、ドラム強度試験は、ドラム試験機で150回転の衝撃を加えた後の15mmのふるい上質量比率で評価をしているため、初期の衝撃における粉発生率についての情報は示していない。成形コークス製造法で製造したコークスは、角部が少いため、初期の衝撃における粉発生率が少いと考えられる。このため、ドラム強度指数が低くても、初期に発生する粉が少なく、ドラム強度指数で40以上であれば高炉で使用可能であると考えられる。
なお、ドラム強度指数DI150 15は、JISK2151に記載のコークスの回転強度試験方法のドラム法により測定した、150回転後の15mm篩上指数である。
本発明の成形コークスの製造にあたっては、配合炭や加熱時の昇温速度を除いて、通常の成形コークス製造法が適用される。
その概略は、前述のように原料石炭を配合し、その配合炭を原料ブリケットに成型し、そのブリケットを縦型のシャフト炉に装入して、加熱、乾留してコークスとするものである。
好ましい原料の粒度としては、−3mm 85%以上、より好ましくは−3mm 95%以上、さらにより好ましくは−1.5mm 95%以上である。
ついで、この原料ブリケットは、縦型のシャフト炉に装入され、加熱、乾留されて成形コークスとなる。
一方、粒径が40mm超となると、比表面積が小さくなり、未反応のコークスが高炉下部まで降下して、粉化し、通気を阻害する要因となる。
すなわち、本発明者らは、コークス粒径と反応性との関係を検討した。
ちなみに、反応性の指標としては、コークス反応性指数CRIが広く知られている。このコークス反応性指数CRIは、40以上であることが好ましい。その理由は、CRIが40未満では、コークスの反応性が十分ではなく、未反応のコークスが高炉下部まで降下して、粉化し、通気を阻害する要因となるためである。
このCRIは、粒径を20±1mmに調製したコ−クス200gを反応温度1100℃、CO2 ガス流量5Nl/minの条件で2時間反応させ、後に残ったコ−クスの質量A(g)を測定し、その質量を用いて次式で算出される値である。
CRI=((200−A)/200)×100(%)
この様に、試料サイズが大きいと比表面積が小さくなり、反応率が低下することが確認され、粒径50mmのコークスは、実験終了後の反応率が40%未満であり、反応のコークスが高炉下部まで降下して、粉化し、通気を阻害する要因となる恐れがあることが確認された。
その結果、成形炭の昇温速度が高いほど、得られたコークスのCRIが高くなる傾向があることを、実験的に知見した。その理由は、成形炭の揮発分が高いほど、熱分解に伴い単位時間あたりに発生する揮発分の量が多くなり、微細な気孔が形成され、比表面積が高いコークスが生成したためと考えられる。
まず、実プロセスを模擬できる試験乾留炉において、ブリケット中心温度と雰囲気ガス温度の関係を予め求めておき、目的とするブリケット中心での昇温速度を達成できるような雰囲気ガス温度の昇温条件を求めておく。次に、実プロセスにおいて、上記で求めた昇温条件となるように、加熱ガスの温度および/またはガス流量を調整する。
これにより、従来に比べ劣質炭を多く用いて反応性の高い小塊コークスを製造することできる。
次いで、原料ブリケットを竪型のシャフト炉で900℃まで乾留して小塊のコークスとした。
また、本発明例1〜25はいずれも、ドラム強度指数DI150 15が40以上のコークスであった。
ちなみに、本発明例1〜25はいずれも、CRI40以上のコークスが得られた。
Claims (3)
- 全膨張率20%以下の配合炭を用いて成形した成形炭を、竪型炉で乾留して粒径40mm以下の小塊の成形コークスを製造する際、乾留時の成形炭の中心温度Tcが200〜700℃にある間の昇温速度を、原料とする配合炭の揮発分含有量VMの値に応じた下記の(a)または(b)の条件から選択することを特徴とする成形コークスの製造方法。
(a)VM値≦34.5%のときは、下記式で定義されるT℃/min以上とする
T=0.0001225×Tc2−0.1418×Tc+46.18
(b)34.5%<VM値のときは、1℃/min以上とする - 全膨張率20%以下の配合炭を用いて請求項1に記載の製造方法によって製造された成形コークスであって、粒径が15〜40mmに調整され、ドラム強度指数DI150 15が40以上であることを特徴とする成形コークス。
- さらに、コークス反応性指数CRIが40以上であることを特徴とする請求項2に記載の成形コークス。
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