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JP5605559B2 - 金属表面処理を施したナノフィラーからなる高感度ひずみセンサ - Google Patents

金属表面処理を施したナノフィラーからなる高感度ひずみセンサ Download PDF

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Description

本発明は、ひずみセンサ及びその製造方法に関する。
従来、鉄骨構造物、鉄筋コンクリート構造物は、その外部構造の耐火被覆材やコンクリートを剥離しない限り主構造の鉄骨、鉄筋の安全状況、すなわち破断、亀裂等の有無を確認することが出来なかった。近年これらの構造物に対してひずみセンサを用いることによりどの部分も破壊することなく、鉄骨、鉄筋などの安全性を確認する技術が要望されている。
これらの技術は、蛇行した抵抗線によるひずみ測定器、プラスチックフィルムに金属粉に依る導電性インクで蛇行のパターンを印刷したもの、セラミックスの変形によるもの、およびカーボン繊維の切断によるひずみ測定器が知られている。また、最近、本発明のような作動原理を用いたカーボン−高分子系によるひずみセンサも研究されている。
上記ひずみセンサのうち、蛇行した金属抵抗線によるひずみゲージはそのゲージ率が2であり、極めて低い感度である。そのため、精密機器などへの応用が困難であるといった課題がある。
導電性インクを印刷したセンサの場合は、センサのひずみを抵抗値の変化から計測しており、この抵抗値はひずみに比例している。すなわち抵抗値はひずみの1次関数(直線関係)である。従ってこの様なセンサを建物などに設置して、地震による破壊を検知するには、センサの徹底した校正が必要となる。また厳密な校正が施されたとしても、センサ特性の経時変化が微小であることが要求される。すなわちセンサの抵抗値に変化があった場合、ひずみによるものかあるいは経時変化なのか解らないようなことがあれば不都合である。一般的に言えば、校正は数年の間隔で行われるが、建築物が破壊するような地震は10年先か100年先か解らない。そのような長期間特性が安定していることが要求される。導電性インクの印刷物がそのような長期間の安定性を保持できるかについては疑問がある。
導電性インクを印刷したセンサのもう一つの問題点は、前述のセンサの校正に関するものである。ひずみと抵抗値の間に常に定まった関係を維持するためには、センサ全体にわたって印刷膜が一定の特性を示さなければならない。大きなセンサを作製した場合、センサの印刷部のどの部分においても単位長さ当たりの抵抗値は一定である印刷膜を形成せねばならない。一般に、小面積を一定の特性に押さえ込むことはできても、大面積を一定の特性に保つのは困難である。こうした理由からか導電性インクを印刷したセンサは極度に小さい。
また、導電性インクの印刷膜は金属粒子が沈積したものであるため、印刷膜の体積抵抗も自らある範囲内に限定されてしまい、体積抵抗を自由に調節するわけには行かない。これもこのセンサが大型にできない要因の一つである。
また、最近、本発明と似ているような作動原理を用いたカーボン−高分子系によるひずみセンサは研究されているが、外部ひずみによるカーボン−高分子系の電気抵抗変化のメカニズムまだ良く理解されていないため、いずれしても、このようなひずみセンサは低い感度を示している。例えば6000μεのひずみの場合、今まで、この種のセンサが従来の蛇行した金属抵抗線によるひずみゲージの感度より10倍を超えた例がない。
前述の問題点の他に、従来のカーボン−高分子系センサの以外に、従来のセンサの第1の欠点は、小型であることである。今、ビルを例にとると、使用する鉄骨量は莫大であり、従ってモニターすべき箇所もかなりの数になる。センサが小型の場合は、ビルを安全に管理するためには無数のセンサが必要となり、この分のコスト増はそれだけ負担となる。まして高架道路となるとこの問題は更に深刻となる。更に、これら従来のセンサは高価なものであるので、建築物、橋梁などに使用するのは事実上不可能である。
従来のカーボン−高分子系センサの以外に、従来のセンサの第2の欠点は、先に述べたようにセンサからの出力が直線的な点である。センサの徹底した更正、数十年にわたる特性維持無しには、監視システムの設計が難しくなる。つまりどの値が構造物の危険な状態であるのか明確に指示できなければならない。
従来のカーボン−高分子系センサを含めて、従来のセンサの第3の欠点は、先に述べたようにセンサの感度が低い点である。そのため、微小の変形の監視と計測が困難となり、構造物の危険な状態の早期発見に応用することが事実上不可能である。さらに、精密機器などの場合には、わずかな微小ひずみを感知することが要求されており、実際の応用が困難となる。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、より高感度であり、大型化が可能であって、長期に性能を安定的に維持することのできるひずみセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第一の観点に係るひずみセンサは、金属表面処理を施したナノフィラーと、導電性ナノフィラーを保持する母材と、を有する。
本発明の第二の観点に係るひずみセンサの製造方法は、金属表面処理を施したナノフィラーを、母材の溶媒溶液に混合分散させた後、溶媒を除去して所定形状に形成する。
また、本発明の第三の観点に係るひずみセンサの製造方法は、金属表面処理を施したナノフィラーを、熱可塑性高分子に溶融混練させた後、所定形状に形成する。
また、本発明の第四の観点に係るひずみセンサの製造方法は、金属表面処理を施したナノフィラーを、硬化性樹脂と硬化剤に混合分散させた後、成型及び硬化させる。
また、本発明の第五の観点に係るひずみセンサの製造方法は、金属表面処理を施したナノフィラーを、ゲル状の水酸化アルミニウムに混合分散させた後、成形焼結する。
以上、本発明により、より高感度であり、大型化が可能であって、長期に性能を安定的に維持することのできるひずみセンサ及びその製造方法を提供することができる。
より具体的には、本発明の金属表面処理を施した導電性ナノフィラーからなるひずみセンサは、導電性ナノフィラーを母材に分散させてシート状その他所定形状の成形物とし、ナノフィラー同士の接触による導電性回路を形成した系となり、該成形物に張力が働いて系が伸張することにより引き起こされる電気抵抗の変化から、系に課せられた伸びひずみを読みとるセンサである。
ここで、成形物は、金属表面処理を施した導電性ナノフィラーを高分子などの溶媒溶液に混合分散させ、溶媒を除去してシート状に成形したり、金属表面処理を施した導電性ナノフィラーを高分子などの溶媒溶液に混合分散して印刷インキとし、該印刷インキを基材フィルムに塗布・印刷したり、金属表面処理を施した導電性ナノフィラーと熱可塑性高分子とを溶融混練して金属表面処理を施した導電性ナノフィラーを高分子などに分散させ、シート状その他所定形状に成形したり、金属表面処理を施した導電性ナノフィラーと硬化性樹脂とその硬化剤に混合分散させた後、成形硬化して得ることができる。また、生成物は、導電性ナノフィラーとゲル状の水酸化アルミニウムに混合分散させた後、成形焼結して作製しても良い。
また本センサの作動原理はひずみにより、母材内部に金属表面処理を施したナノフィラーから形成する電気回路網の電気抵抗の変化にある。その電気抵抗変化の要因は2つに分けられる。1つは、センサのひずみによる電気回路網の部分的切断であり、もう1つは、接近したナノフィラー同士の距離の増加によるトンネル抵抗の増加である。しかし、最近で研究されているカーボン−高分子系によるひずみセンサと異なり、本発明では、センサ感度を向上させるため、下記の2つの特徴を挙げられる。まず、ナノフィラーに金属表面処理を施すことにより、ナノフィラー自身の電気伝導率を向上させた。このことにより、ナノフィラーからなるセンサ全体の電気回路網の電気抵抗値における、接近したナノフィラー同士によるトンネル抵抗の割合が飛躍的に上昇した。次に、ナノフィラーに金属表面処理を施した後、直接このようなナノフィラーを使用すると、ナノフィラー同士での激しい凝集があるため、現存の安価な計測装置を用いて非常に高い電気抵抗値を計測することは不可能となる。そのため、本発明では、金属表面処理を施したナノフィラーを希硝酸中での処理により、軽微な凝集を形成させる。このような軽微な凝集により、疎な系の電気回路網を形成し、センサの変形による数少ない導電回路を切断することにより、系全体の電気抵抗値が大きく変化することとなる。すなわち、金属表面処理によるナノフィラー自身の電気伝導率の向上、および、ナノフィラー同士の軽微な凝集の制御により、本発明のセンサの優れた感度の実現と繋がった。
本発明のセンサには、センサの変形による金属表面処理を施したナノフィラーからなる電気回路網の切断や非接触のナノフィラー同士でのトンネル抵抗の増加による電気抵抗の上昇を作動原理としている。したがって、本発明で使用可能なナノフィラーは金属表面処理を施したカーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、絶縁体ビーズ又はマイクロビーズ、雲母、チタン酸カリウムなどの絶縁物微細片などのものが用途に応じて選択できる。
また、発明で使用可能な母材は上記導電性ナノフィラーが分散し、常温域で適度な強伸度を有するものであれば、いずれも使用可能であるが、好ましい母材としては、高分子系のポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリヒドロキシメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド、ポリキシレン、ポリホルマール、ポリブチラール、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン(無定形)、上記ポリマー二種以上の共重合体、ゴム類、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、変性アルキッド樹脂、セルロースである。なかでも、ポリマー二種以上の共重合体は酢酸ビニル−ポリエチレン系共重合体が広範囲の温度域で、しかも各種建造物に装着するのに好適なものである。または、アルミナなどのセラミックス系の母材の使用も可能である。
このように、我々は従来の高価なカーボン繊維、蛇行抵抗線、金属粉の導電性インクの印刷フィルムによるセンサの代わりに、プラスチック、ゴム、及びセラミックスなどの母材に金属表面処理を施したナノフィラーを分散させた系を用い、この系の伸張時の電気抵抗の増加から伸びひずみを測定するセンサの発明に至った。しかも、この系の従来にない特色はセンサ出力がひずみに対して指数関数である点である。すなわちひずみがある値に至ると出力が急激に増加するので、危険ゾーンを検知する上で極めて有利である。さらに、このセンサは従来の蛇行金属抵抗線からなるひずみゲージの感度より数十倍高い感度を持つ特徴から、微小なひずみの検知が可能であり、構造物の危険状態の早期発見や精密機器などへの応用に非常にふさわしいことである。
本発明のセンサは、金属抵抗線からなるひずみゲージ、導電性インクを印刷したセンサと比較すると著しく低コストである。これは導電性ナノフィラーとして、安価でしかも性能の良いカーボンナノファイバー、カーボンブラック、もっと低コストの黒鉛を使用でき、高分子としては大量生産のセラミックス、ゴム、プラスチック類が低コストで入手可能である。また、ナノフィラーにコストの低い金属表面付着処理があり、その後の希硝酸処理も低コストである。しかもセンサ製造においては、液体の母材、溶媒により溶解した、または加熱により熔融した母材にナノフィラーを添加、分散せしめるのみであるから製造コストがそれ程かからない。さらに、これらの系に電極を付与してセンサを作製することも安価である。
このセンサの応用例としては、構造物に対して予めひずみ発生が予測できる箇所を中心としてセンサを配置し、抵抗値の変化を計測して構造物の受けたひずみの値を得ることができる。ひずみ発生率が高い箇所は従来の土木・建築技術の蓄積から推定可能であり、また予測困難な場合も複数のセンサの設置で対処できる。
計測方法としてはセンサからリード線を引き出し、ターミナルを適当な位置に設けて定期的あるいは地震の後などに計測する方法がある。あるいは、コンピューターによるオンライン計測を行い、ひずみが発生したときそのひずみの大きさおよび発生位置を画面表示して、警戒警報を与えたり、速やかに修復指示を出したりすることができる。
前述の方法を重化学プラントの不等沈下監視にも利用できる。沈下が起こらないかあるいは沈下量が少ない位置を基点として、これとタンクなどにセンサを固定し、沈下による伸びをモニターして、各位置の沈下を常時計測し、不等沈下があればこれを知ることができる。また現在は不等沈下とは呼べないような程度であっても将来どれくらい後に不等沈下に至るかを知ることができる。
同様に宇宙構造物、航空機、高速車両などに設置すれば実時間な構造物の健全性の監視、軽微な損傷場所の発見ができ、メンテナンスのコストを低減させることができる。さらに、船舶、メガフロート等に設置すれば点検のための高額なドック使用料の低減につながり、大きな経済効果が期待できる。
本センサの作動原理はひずみにより、母材内部に金属表面処理を施したナノフィラーから形成する電気回路網の電気抵抗の変化にある。そのため、母材として、基本的には絶縁性を持つ高分子ポリマーやセラミックスなどの材料からなる。金属表面処理を施した導電性ナノフィラーについても原理的にはどの様なものであってもセンサとして機能する。現実には使用条件、製作技術を考慮してふさわしいものを選択することが重要であることは言うまでもない。
MWCNT−Niの酸処理前の10000倍のSEM写真である。 MWCNT−Niの酸処理後の10000倍のSEM写真である。 VGCF−Niの酸処理前の10000倍のSEM写真である。 VGCF−Niの酸処理後の10000倍のSEM写真である。 VGCF−Agの酸処理前の10000倍のSEM写真である。 VGCF−Agの酸処理後の10000倍のSEM写真である。 試料センサの形状を示す平面写真であり、中央部の黒色の部分(表面、裏面および側面を含む)以外は銀ペーストを塗布してある。 MWCNT−Ni、及びMWCNTからなるひずみセンサの電気伝導率と含有率との関係を示すグラフである。 MWCNT−Niからなるひずみセンサの電気抵抗変化とひずみとの関係を示すグラフである。各含有率の結果と金属抵抗体からなるひずみゲージのゲージ率K=2と併せて示してある。 MWCNT−Ni、VGCF−Ni、VGCF−Ag、MWCNT、及びVGCFからなるひずみセンサのゲージ率と含有率との関係を示すグラフである。 VGCF−Ni、及びVGCFからなるひずみセンサの電気伝導率と含有率との関係を示すグラフである。 VGCF−Niからなるひずみセンサの電気抵抗変化とひずみとの関係を示すグラフである。各含有率の結果と金属抵抗体からなるひずみゲージのゲージ率K=2と併せて示してある。 VGCF−Ag、及びVGCFからなるひずみセンサの電気伝導率と含有率との関係を示すグラフである。 VGCF−Agからなるひずみセンサの電気抵抗変化とひずみとの関係を示すグラフである。金属抵抗体からなるひずみゲージのゲージ率K=2と併せて示してある。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の記載にのみ限定されるわけではない。
本実施形態に係るひずみセンサは、金属表面処理を施したナノフィラーと、導電性ナノフィラーを保持する母材と、を有する。なおナノフィラーは、導電性ナノフィラーであることが好ましい。
ここでナノフィラーは、カーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーといった伝導性を有するものであることがもともとの電気回路系を形成することができる上で好ましいが、絶縁体ビーズ、及び、マイクロビーズの少なくともいずれかであっても、金属表面処理を施すことも可能ではある。
また本実施形態において母材は、天然高分子、合成高分子、及びセラミックスの少なくともいずれかを有していることが好ましく、例えば(1)ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリヒドロキシメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド、ポリキシレン、ポリホルマール、ポリブチラール、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン(無定形)、及び、これらポリマーのうち2種以上の共重合体、(2)ゴム類、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、変性アルキッド樹脂、及び、セルロース、並びに、(3)セラミックスの少なくともいずれかを含む、ことが好ましい。なお上記(1)において、ポリマーのうち2種以上共重合体は、酢酸ビニル−ポリエチレン系共重合体であることはこのましい一例である。
本実施形態においてナノフィラーと金属の質量比は材料によって適宜調節可能であるが、共に1:0.3以上1:1以下であることが好ましく、より好ましくは1:0.3以上0.8以下である。
なお後述の実施例により明らかとなるが、本実施形態にかかるひずみセンサは、例えば、液体のエポキシ樹脂に定量の金属表面処理を施したカーボンナノフィラーと硬化剤を添加混合し、一定の温度を設定したオーブンに圧力加工で成形して試料を作製した後、試料に電極を付与して作製することができる。このセンサに外力を加えて伸張せしめ、伸びひずみと電気抵抗を同時計測すると、試料の伸びひずみと電気抵抗の関係が、場合によって、伸びひずみの増加に伴って電気抵抗が指数的に増加するという結果が得られる。
母材が高分子である場合、金属表面処理を施したナノフィラーを高分子に分散させる方法は大まかに2通りの方法がある。1つは高分子を高温で熔融しこれに金属表面処理を施した導電性ナノフィラーを混ぜて混練する方法であるが、高分子が高粘度であるため通常ニーダー等により混練を行い、目的の形態に成形する。これに電極を設ければよい。電極を設ける方法は、前述の成形時に電極の付与されたベースと熔融した導電性ナノフィラー−高分子の組成物とを成形するか、あるいは成形された組成物に後から超音波などで電極を接着する方法がある。
もう1つはいわゆる印刷法である。高分子を溶媒に溶解しておいてこれに導電性ナノフィラーを添加し混合する。溶媒は高分子が溶解すれば基本的には何でも良いのだが、次の印刷の工程を考えると沸点の低いものは好まれない。従って通常はキシレン、デカリン、テトラリンなどが使用される。またインク(金属表面処理を施した導電性ナノフィラー−高分子の溶液)の延びを向上させるため、更には印刷生地との密着性のためにテルペン油、エチレングリコールなどの添加物が少量加えられることもある。
上記の方法で得られたセンサのひずみのない状態(伸長していない状態)での抵抗値は、組成物の印刷部分のサイズ、電極間隔、金属表面処理を施した導電性ナノフィラー濃度等を変えることにより、様々な抵抗値のものを作製することができる。同様に、金属表面処理を施したナノフィラーの濃度、電極間隔を選択することにより、数ミリからから数メートルの様々なサイズのセンサの作製が可能である。この様な選択性は従来のひずみセンサでは不可能であった。
本実施形態に依れば設置する基材のひずみがある値(使用上要注意な値か、あるいは損傷に至った値)になるとき、抵抗値の増加が指数的になる様な設計が可能である。これは、金属表面処理を施したナノフィラーの濃度、ナノフィラーおよび金属の種類、希硝酸処理の濃度および時間、センサのサイズ、電極間隔を選択して実現できる。この様な幅広い選択性もまた従来のひずみセンサでは不可能であった。
本実施形態にかかるひずみセンサは、鉄骨・鉄筋に密着固定して用いる。地震その他の外力により鉄骨・鉄筋が伸びひずみを受けたとき、密着しているセンサも鉄骨・鉄筋と等価のひずみを受ける。その結果センサの電気抵抗が指数的に増加する。これにより当該鉄骨・鉄筋の受けたひずみが許容範囲か否かを判定する。鉄骨構造物・鉄筋コンクリート構造物において許容されるひずみの値は現在においては十分に知られているので、その許容値あたりで電気抵抗変化が大きく増加するようにセンサのサイズなどの設計をすればよい。
前述のように、センサがひずみと抵抗値との間に一定の関係を有しつつ伸びることができる伸びの上限値、および単位伸びひずみ当たりの抵抗変化は、系に分散する粒子濃度に依存する。従って監視すべき鉄骨・鉄筋の性質、ひずみ発生が予想される部分の寸法などを十分考慮して、これに最もふさわしいセンサを設計することができる。この場合センサの設計とはセンサの形、寸法のみを言うのではなく、センサを構成する粒子−高分子系の粒子濃度、用いる金属表面処理を施したナノフィラー、および高分子の適切な選択をも含む。
以上、本実施形態により、より高感度であり、大型化が可能であって、長期に性能を安定的に維持することのできるひずみセンサ及びその製造方法を提供することができる。
ここで、3種類の金属表面処理を施したカーボンナノフィラーからなるひずみセンサの特徴を示す。本発明では、Ni表面処理を施した多層カーボンナノチューブ(MWCNT−Ni)、Ni表面処理を施したカーボンナノファイバー(VGCF−Ni)、Ag表面処理を施したカーボンナノファイバー(VGCF−Ag)についての計測を行った。
まずは、MWCNT−Ni、VGCF−Ni、及びVGCF−Agの酸処理について述べる。金属表面処理を施したカーボンナノフィラーの電気伝導率が飛躍的に増加することにより、センサ全体の電気回路網の電気抵抗値におけるトンネル抵抗の割合が上昇したため、センサ感度を向上させることが可能となる。しかし、金属表面処理によりカーボンナノフィラーによる凝集の形成が容易であり、電気回路網の形成が困難となる。また、センサの電気抵抗が極めて高いことになり、現存の安価な抵抗計測装置(LCRメータ)による計測が困難となる。そのため、金属表面処理を施したカーボンナノフィラーの凝集を低減させるために希硝酸による処理が必要となる。
まず、MWCNT−Ni、及びVGCF−Niにおいて、2mol/lの希硝酸に浸して6h撹拌し、さらに1mol/lの希硝酸に浸して1h撹拌してろ過した。その後、エタノールに浸しながら遊星型混練機(AR−100 (株)シンキー)で1000rpm、10min撹拌し、超音波洗浄機(USM−1 アズワン(株))で1h超音波分散させた。そして、真空乾燥機(AVO−250N アズワン(株))で100℃にて乾燥させた。また、VGCF−Agは、1mol/lの希硝酸に浸して1h撹拌し、ろ過した後、真空乾燥機で100℃にて乾燥させた。
それぞれのカーボンナノフィラーの酸処理前後のSEM写真を図1〜6に示す。以上の処理によりカーボンナノフィラーの凝集が低減され、分散性を向上させることにより、系全体の電気抵抗値の計測が可能となった。また、Ni、及びAgが溶けたことにより、MWCNT、及びVGCFとNiの質量比は共に1:2.5から1:0.5へと、VGCFとAgの質量比は1:1から1:0.5へと変化した。
(実施例1)
MWCNT−Niからなるひずみセンサの作製手順を示す。エポキシ樹脂と硬化剤を質量比5:3で投入し、遊星型混練機にて2000rpm、30s撹拌し、そこへ上記の処理を施したMWCNT−Niを2.5、3、5wt%のもと投入して2000rpm、5minで撹拌した。その混合物をポリプロピレンシート、アルミブロックで挟んで厚さ約180μmになるよう圧力をかけながら、オーブンにて80℃で2h硬化させ、硬化後のシートを16×7mmの短冊状に切り取り、長手方向の両端から3mmの部分にAgペーストを塗布し、導電性テープで銅線を貼り付けひずみセンサとした。作製した本発明のひずみセンサの写真は、図7に示されている。
MWCNT−NiからなるひずみセンサにDC電流を印加した際の電気伝導率を計測した。2本の銅線を各々ケルビンクリップで挟み、LCRメータ(3522−50日置電機(株))を用いて、印加電圧5Vの定圧条件下で電気抵抗値の測定を行った。このLCRメータは10.00mΩ〜200.00MΩまでの電気抵抗値の測定が可能である。また、電気抵抗測定の際には4端子プローブによる4端子法を用いることで、配線抵抗や試料との接触抵抗、及びLCRメータの内部抵抗などの影響を極力避け、センサ自体の電気抵抗値の検出が可能となる。なお、電気抵抗値Rから電気伝導率σcomを算出するには、式(1)を用いる。なお下記式中L、Sはそれぞれ測定区間の長さ、断面積である。
絶縁体である母材に導電性フィラーを加えていくと、ある含有率を境にして絶縁体から導電体の電気特性へと遷移する。その境の含有率をパーコレーション閾値というが、このパーコレーション理論によると導電性複合材料の電気伝導率σcomは以下の式(2)で与えられる。なお下記式中、σ、φ、φ、nはそれぞれフィラーの電気伝導率、パーコレーション閾値、フィラーの含有率、臨界指数である。
MWCNT−Ni、及び金属表面処理をしていない純粋なMWCNTからなるセンサの電気伝導率をそれぞれ表1、表2に示す。また、電気伝導率と含有率との関係を図8に示す。
MWCNT−Niからなるひずみセンサの電気伝導率は純粋なMWCNTからなるセンサに比べて2〜3桁程度低いが、含有率を上げるほど電気伝導率も増加する傾向は一致していた。電気伝導率低下の原因としては、材料破断面でのSEM観察により、系におけるMWCNT−Ni同士の軽微な凝集によるものであることを明らかにした。前述したように、このような軽微な凝集により、系に疎な導電回路網を形成させることにより、センサの感度を向上させた。
MWCNT−Niからなるひずみセンサに片持ちはりにより準静的ひずみを加えた際の電気抵抗値の変化を計測した。使用するはりは厚さ2mmの塩化ビニルであり、その片面にMWCNT−Niからなるひずみセンサを貼付し、その真裏に、センサの測定データ校正用のひずみゲージを貼付した。はりを準静的にたわませた際のひずみセンサの電気抵抗変化はLCRメータにより取得し、ひずみゲージから得られたデータはひずみ計測モジュール(Interface:NR−500/Bridge box:NR−ST04 KEYENCE)により取り込まれる。LCRメータの印加電圧は5Vとし、サンプリング周期は0.5sとした。電気抵抗変化ΔR/RはLCRメータにより測定した電気抵抗値R、及び無ひずみ状態の初期抵抗値Rを用いて、式(3)で表される。
また、ひずみセンサの感度を表すパラメータであるゲージ率Kは、ひずみεと電気抵抗変化を用いて、式(4)で示される。
なお、従来の金属抵抗体からなるひずみゲージのゲージ率は一般的にK=2〜3.2となる。
MWCNT−Niからなるひずみセンサにひずみを加えた際の、各含有率における電気抵抗変化とひずみの関係を図9に示す。なお、金属抵抗体からなる従来のひずみゲージのゲージ率K=2も併せて示す。また、MWCNT−Ni、及びMWCNTからなるひずみセンサの6000μεにおけるデータ点から算出したゲージ率をそれぞれ表3、表4に示し、含有率とゲージ率との関係を図10に示す。
いずれの含有率においても、金属抵抗体からなるひずみゲージに比べて極めて高感度となっており、2.5wt%のセンサがK=42.5と最も高感度であった。さらに、金属表面処理を施していないMWCNTからなるセンサと比べても感度は向上しており、含有率の低下に伴い高感度となる傾向も一致していた。
センサのひずみが増加する場合、抵抗測定方向の電気回路網は切断される傾向にある。その際、導電性ナノフィラー同士の完全接触が切断された場合でも、ナノフィラー間距離が1nm程度以下の範囲で接近している場合、トンネル効果による電気伝導が生じる可能性がある。トンネル効果とは、古典的には乗り越えることのできないポテンシャル障壁を電子のような微細な粒子が乗り越えていくように見える現象である。これは、粒子のエネルギーの大きさが不確定であり、ある瞬間には障壁を乗り越えてしまうほど大きくなってしまうためである。このトンネル効果により電気伝導する際のトンネル電流密度は、以下の式(5)で表される。
ここで、e、m、φ、h、s、Vはそれぞれ電気素子、電子の質量、トンネル障壁高さ、プランク定数、ナノフィラー間距離、ナノフィラー間の負荷電圧である。式(5)より、ナノフィラー間のトンネル抵抗Rtunnelは、式(6)で示される。
ここで、Aは導電面積である。トンネル抵抗はナノフィラー間距離sに大きく依存し、距離の増加に伴い指数関数的に増加することが分かる。上記のトンネル抵抗の特徴により、本発明では、センサの変形によるこのような電気抵抗の指数関数的な増加は、計測ひずみおよび電気抵抗の相対変化値に同時に対数を取ることにより、線形的なセンサ応答が得られる利点もある。
(実施例2)
VGCF−Niからなるひずみセンサの作製手順は実施例1と同様であり、含有率は6、7、9wt%とした。
VGCF−NiからなるひずみセンサにDC電流を印加した際の電気伝導率を計測した。LCRメータより得られた電気抵抗値から式(1)を用いて電気伝導率を算出した。なお、計測には4端子プローブによる4端子法を用い、印加電圧5Vの定電圧条件下で行った。
VGCF−Ni、及びVGCFからなるひずみセンサの電気伝導率を表5、6に示す。また、電気伝導率と含有率との関係を図11に示す。MWCNT−Niのケースと同様に、VGCF−Niからなるセンサの電気伝導率はVGCFからなるセンサに比べ比較的小さい値となった。また、両者とも、フィラー含有率が増加するにつれ電気伝導率は増加した。
VGCF−Niからなるひずみセンサに片持ちはりにより準静的なひずみを加えた際の電気抵抗値の変化を計測した。計測条件は実施例1と同様で、LCRメータの印加電圧は5V、サンプリング周期は0.5sである。電気抵抗変化は式(3)により得られ、式(4)よりゲージ率を算出した。
VGCF−Niからなるひずみセンサの電気抵抗変化とひずみの関係を図12に示す。なお、グラフには一般的なひずみゲージのゲージ率K=2も併せて示す。また、VGCF−Ni、及びVGCFからなるセンサの6000μεにおけるゲージ率をそれぞれ表7、8に示し、含有率とゲージ率の関係を図10に示す。VGCF−Niからなるセンサは、金属抵抗体からなるひずみゲージに比べて極めて高感度であり、最大で約38倍の感度となった。また、金属表面処理を施していないVGCFからなるセンサに比べても、非常に高いゲージ率が得られた。
(実施例3)
VGCF−Agからなるひずみセンサの作製手順は実施例1と同様で、含有率は3wt%とした。
VGCF−AgからなるひずみセンサにDC電流を印加した際の電気伝導率を計測した。LCRメータより得られた電気抵抗値から式(1)を用いて電気伝導率を算出した。なお、計測には4端子プローブによる4端子法を用い、印加電圧5Vの定電圧条件下で行った。
VGCF−Agからなるセンサの電気伝導率をそれぞれ表9に示す。また、電気伝導率と含有率との関係を図13に示す。前述した2つの実施例と同様に、VGCF−Agからなるひずみセンサの電気伝導率は純粋なVGCFからなるセンサに比べて1桁程度低い値であった。
VGCF−Agからなるひずみセンサに片持ちはりにより準静的なひずみを加えた際の電気抵抗値の変化を計測した。計測条件は実施例1と同様で、LCRメータの印加電圧は5V、サンプリング周期は0.5sである。電気抵抗変化は式(3)により得られ、式(4)よりゲージ率を算出した。
VGCF−Agからなるひずみセンサにひずみを加えた際の、3wt%の含有率における電気抵抗変化とひずみの関係を図14に示す。なお、金属抵抗体からなるひずみゲージのゲージ率K=2も併せて示す。また、VGCF−Agからなるひずみセンサの6000μεにおけるデータ点から算出したゲージ率を表10に示し、含有率とゲージ率との関係を図10に示す。VGCF−Agからなるひずみセンサのゲージ率は金属抵抗体からなるひずみゲージの約77倍であり、MWCNT−Ni、及びVGCF−Niからなるひずみセンサと比較しても極めて高い感度を示した。
以上、上述したように金属表面処理を施したナノフィラーを高分子に分散させた系を伸長せしめると、伸び歪みに対して系の電気抵抗は非線形的に増加する事が判明した。また、線形的なセンサ応答を得たい場合においても、前述したような対数処理を用いて、線形化も簡単に実現できるとなる。今回、VGCF−Ni、MWCNT−NiおよびVGCF−Agからなるセンサの電気抵抗の変化特徴が多少異なるが、いずれしても、表面処理しないナノフィラーからなるひずみセンサよりは、極めて高い感度を示すことができた。このことにより、精密機器などにおける高精度のひずみ計測が可能となる。
上記実施例においては、特に、VGCF−Agからなるセンサの電気抵抗は明確な指数的に増加している(図14)。また、この系で伸び歪みに対して抵抗値増加が最も鋭敏であることも解った。ひずみによる抵抗値変化が鋭く変化するように様々な選択可能な因子によるセンサを設計することは上に示されたデータから可能となる。センサ出力がひずみに対して指数的であることは安全管理基準を定めることが極めて容易になる。もしもセンサ出力が直線的であれば、危険と判断する限界値を決めるのにかなりの労力を必要とするし、またその判断そのものの信頼性も問題となる。またセンサ特性の経時変化の点についても、認識したいひずみ量に対して例えばセンサ出力が二桁の抵抗値増加であれば、長期間後にセンサ特性が数十%変化しても十分使用に耐え得る。この点からもこのセンサは従来にない特性を持つ。
上記実施例から伸びひずみセンサを設計するにあたり式(4)で示されるゲージ率K以外にもセンサの機械的性質そのものの利用価値がある。すなわち金属表面処理を施したナノフィラーの濃度を高くすると伸びひずみに対する抵抗変化の鋭敏性は犠牲になるけれど、系を脆くしてセンサが切断を受けるようにすることもできる。この場合ある量のひずみを受けたことは、破壊がセンサ切断という事実で記録される。逆に金属表面処理を施したナノフィラーの濃度が低い場合、低いひずみを受けた後のセンサの復元がある程度期待できる。ひずみを常時監視するシステムの場合は、この様な金属表面処理を施したナノフィラーの濃度の低い系が有用であると考えられる。また、精密機器などへの応用においては、金属表面処理を施したナノフィラーの濃度の低い系が望ましいことになる。
導電性粒子としての金属表面処理を施したナノフィラーの濃度、金属の種類、金属表面の付着処理および希硝酸処理の制御で抵抗値を幅広く選択することができる。また電極間距離を選択して、設置基材の危険ひずみに対してセンサ出力を明確に急増せしめることが可能である。これらの選択によりセンサのサイズとして大型のものが可能であり、建築物、船舶、航空機、高速車両、メガフロート等に対するセンサが初めて可能になった。
金属表面処理を施したナノフィラー−高分子系を伸張して電気抵抗変化を観測する際、次の4つの点が重要となる。1つはナノフィラーそのものの問題である。ナノフィラーの種類によって得られる結果が異なることが考えられる。例えば、長いナノフィラーを選択する場合、少ない添加量で系の電気回路網が疎になる可能性が高くなり、センサの感度も高くになる。2つ目は、金属の種類によって、センサの性能が異なることが考えられる。例えば、高い電気伝導率を有する金属を選んだ場合、今回の実施例のように、高いセンサ感度を予測できる。3つ目は、希硝酸の処理において、希硝酸の濃度や処理時間により、系に導入した凝集が変わることで、センサの性能を制御できる。
4つ目は、高分子について言えば、原則として高分子の伸長する範囲内でどの様な高分子を用いてもセンサの作製が可能であることは前述の実施例より明らかである。このセンサの更なる展開について述べると、高分子の機械的性質の2つの要素、弾性と粘性を適宜使い分けることで新たな展開が生ずる。粘性の支配的な高分子であれば伸びひずみを受けた後外力を除去しても、電気抵抗は増加したままの状態に留りやすく、弾性的性質が支配的なものであれば、外力を除去すれば抵抗値も元の状態に戻りやすい。この様に粘弾性を見極めて、常時モニター用のセンサに用いるか、外力を受けた後のみセンサを調べるようなタイプに用いるか使い分けることができる。上記のように、様々なことを選択して、目的にかなったセンサの作製をすることができる。
本発明は、ひずみセンサ及びその製造方法として、産業上の利用可能性がある。主要な応用分野としては、航空機、宇宙構造物、高速車両、船舶、ビル、橋梁、高架道路、トンネル、ダムなどの構造物の安全監視、及び材料特性計測、精密機器、圧力センサなどの工業汎用センサにある。例えば、ビル、橋梁、高架道路、トンネル、ダム等、現代社会の構築物は殆ど全てが鉄骨、鉄筋コンクリートを主要材料とした構造物からなっている。これら鉄骨、鉄筋コンクリートの安全確認が地震国である我が国の主要なテーマであることは言うまでもない。しかもコンピューターによる情報システムを設置すれば、日本中何処ででもリアルタイムによるオンライン監視が可能である。
また上記構造物のみならず、重化学産業のタンクなどの不等沈下のオンラインシステムによる監視も可能である。また危険物取扱法で定められているので、危険物貯蔵所、たとえば地下タンク等の検査も、検査日に内容物を取り出して検査しなくても、通常の業務中に、常時検査することも可能になる。
上記の他にも船舶、メガフロート、航空機、大型車両等にも設置して安全管理にも寄与できる。特にメガフロートは現在のところ一定期間後にドックに曳航して検査しているので莫大な経費が必要となる。本発明のようなセンサ設置によりドックの使用回数を減らすことができれば大きな経費節減につながる。

Claims (7)

  1. 金属表面処理を施したカーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーの少なくともいずれかを含む導電性ナノフィラーと、
    前記導電性ナノフィラーを保持する母材と、を有し、
    前記金属の質量は、前記導電性ナノフィラーの質量を1とした場合、0.3以上0.8以下であるひずみセンサ。
  2. 前記母材は、(1)ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリヒドロキシメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド、ポリキシレン、ポリホルマール、ポリブチラール、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン(無定形)、及び、これらポリマーのうち2種以上の共重合体、(2)ゴム類、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、変性アルキッド樹脂、及び、セルロース、並びに、(3)セラミックスの少なくともいずれかを含む、請求項1記載の高感度ひずみセンサ。
  3. 前記ポリマーのうち2種以上共重合体は、酢酸ビニル−ポリエチレン系共重合体である請求項1記載のひずみセンサ。
  4. カーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーの少なくともいずれかを含む導電性ナノフィラーに金属表面処理を施し、
    前記金属表面処理を施した導電性ナノフィラーに酸処理を施し、
    前記導電性ナノフィラーを母材の溶媒溶液に混合分散させた後、溶媒を除去して所定形状に形成するひずみセンサの製造方法。
  5. カーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーの少なくともいずれかを含む導電性ナノフィラーに金属表面処理を施し、
    前記金属表面処理を施した導電性ナノフィラーに酸処理を施し、
    前記導電性ナノフィラーを、熱可塑性高分子に溶融混練させた後、所定形状に形成するひずみセンサの製造方法。
  6. カーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーの少なくともいずれかを含む導電性ナノフィラーに金属表面処理を施し、
    前記金属表面処理を施した導電性ナノフィラーに酸処理を施し、
    前記導電性ナノフィラーを、硬化性樹脂と硬化剤に混合分散させた後、成型及び硬化させるひずみセンサの製造方法。
  7. カーボンナノブラック、黒鉛、活性炭、カーボンウィスカー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーの少なくともいずれかを含む導電性ナノフィラーに金属表面処理を施し、
    前記金属表面処理を施した導電性ナノフィラーに酸処理を施し、
    前記導電性ナノフィラーを、ゲル状の水酸化アルミニウムに混合分散させた後、成形焼結するひずみセンサの製造方法。
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