JP5689861B2 - 光電変換素子、光電気化学電池およびこれに用いられる金属錯体色素 - Google Patents
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Description
本発明は、光電変換特性に優れ、かつ長期間にわたる使用後も光電変換特性の低下が少なく耐久性にも優れ、長波長におけるIPCE(Incident Photon−to−Current Efficiency)の高い光電変換素子、光電気化学電池およびこれに用いられる金属錯体色素の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
<2>前記L1が下記式(L1−1)で表される<1>に記載の光電変換素子。
<4>前記環Aおよび環Cが、前記式(L2−3)、(L2−4)、(L2−6)および(L2−9)のいずれかである<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<5>前記Vのうち少なくとも1つが2−チエニル基またはピリミジニル基である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<6>前記感光体層が下記式(2)で表される色素を、さらに含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<7>前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の光電変換素子を備える光電気化学電池。
<8>下記式(1)で表される構造の金属錯体色素。
ML1 m1L2 m2XmX・CI (1)
[式(1)において、Mは金属原子を表す。L1は下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1およびm2はそれぞれ1を表す。mXは0または1を表す。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
この理由は未解明の点を含むが、推定を含めて下記のように説明することができる。通常配位子として使用される単座配位子のNCSに代えて、2座以上の配位子を使用することにより、耐久性が向上した。これは多座配位子化することにより配位子の脱離が抑制され、配位子交換が抑制されたものと推測する。また、含窒素複素環の構造との関係で、N位のドナー性が好適化されることにより、中心金属のd軌道準位が調整され、上記性能の向上につながったと考えられる。以下に本発明の好ましい実施形態を中心に、本発明について詳細に説明する。
本発明の色素を用いることができる光電変換素子の好ましい一実施態様を、図面を参照して説明する。図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、電荷移動体層3、及び対極4からなる。前記導電性支持体1と感光体層2とにより受光電極5を構成している。その感光体層2は半導体微粒子22と色素21とを有しており、色素21はその少なくとも一部において半導体微粒子22に吸着している(色素は吸着平衡状態になっており、一部電荷移動体層に存在していてもよい。)。感光体層2が形成された導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
なお、光電変換素子の上下は特に定めなくてもよいが、本明細書において、図示したものに基づいて言えば、対極4の側を上部(天部)の方向とし、受光側となる支持体1の側を下部(底部)の方向とする。
本発明の色素は下記式(1)で表される。
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Zn又はCuであり、最も好ましくはRuである。
L1は下記式(L1)で表される。
式(L1)において、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、Za、ZbおよびZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。
Za、ZbおよびZcにより形成される環は、芳香族環がより好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシル基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基など、あるいはこれらのいずれかを有する基が挙げられ、好ましくはカルボキシル基あるいはこれを有する基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。塩となるとき対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。上記のように本発明では、酸性基は、連結基を介して結合した基でもよく、例えば、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基などを好ましいものとして挙げることができる。なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。
式(L1−1)においてA1、A2、A3はそれぞれ独立に酸性基を表す。A1、A2、A3としては、好ましくは上記酸性基Acとして挙げたものである。
R1〜R3はそれぞれ独立に置換基を表す。R1〜R3の該置換基は、例えば後述の置換基Tが挙げられる。R1〜R3として好ましくはアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、ビニル基を介したヘテロアリール基、ビニル基を介したアリール基である。
b1、b3およびc1、c3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、b2、c2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。ただし、c1〜c3がすべて0であることはない。
式(L1−2)において、R7、R8およびR9はれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基または酸性基を表す。R7、R8およびR9のうち少なくとも1つは酸性基である。該酸性基は、前記酸性基Acで挙げた基が好ましい。
m1は1を表す。
L2は下記式(L2)で表される。
VはHammett則におけるσp値が正の置換基を表す。ただし環Aおよび環Cのいずれかが下記式(L2−2)であるとき、その少なくとも1つが有する置換基VのHammett則のσpは0.54未満である。
環Aおよび環Cが下記式(L2−2)でないとき、Vのσp値が、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。σp値に上限は特にないが、1以下であることが実際的である。
環Aもしくは環Cが下記式(L2−2)であるとき、Vのσp値が、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。このようなσp値を有する置換基とすることで、耐久性、変換効率を維持しつつ、吸収光のより長波長化が実現できる。
なお、本明細書において、置換基のσp値は、Corwin Hansch, A. LEO and R. W. TAFT,“A Survey of Hammett Substituent Cosntants and Resonance and Field Parameters”,Chem.Rev.,91,165〜195(1991)に記載されている値に準ずる。また、例示化合物の置換基Vのσp値は後記例示化合物の記載とともに示した。
ここで、1つのヘテロ環に複数の置換基Vがあるとき、すなわちnが2以上の場合は、各置換基Vのσp値の総和で評価し、例えば、式(L2−2)であるとき、同一のヘテロ環に存在する複数の置換基Vのσp値の総和が0.54未満である。同様に、式(L2−2)でないとき、Vのσp値が、0.05以上が好ましいとは、同一のヘテロ環に存在する複数の置換基Vのσp値の総和が、0.05以上が好ましいとの意味である。
ただし、それぞれのヘテロ環ごとに評価し、別のヘテロ環に置換したVについては、その和とせずに、それぞれのσp値で評価する。
上記のヘテロ環基における好ましいヘテロ環は、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、およびこれらのベンゾ縮環体、トリアジン、などを挙げることができる。
nは1以上の整数を表す。nは、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
環Aおよび環Cは下記式(L2−1)〜(L2−11)のいずれかで表される。
前記環Aおよび環Cが前記式(L2−2)〜(L2−6)または(L2−9)であることが好ましい。
環Bは、置換基を有していてもよい5員環以上、好ましくは5〜14員環の含窒素芳香環を表す。環Bは置換基を有しても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。環Bの環構成原子は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子から選択される原子であることが好ましく、該原子には水素原子や、ハロゲン原子を含めた置換基が置換されていてもよい。環Bは芳香族環が好ましい。環Bが5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環が好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環が好ましい。
式中、Rxは置換基を表す。Rxにおける置換基は、後述の置換基Tの置換基が挙げられる。Ryは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。また、Ryはアリール基またはヘテロ環基が好ましい。
Ryがヘテロ環基である場合、該ヘテロ環基におけるヘテロ環は、チオフェン、フラン、ピロール、セレノフェン、およびそのベンゾ縮環体、およびこれらの環の2環以上が縮環もしくは連結したもの、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノシクロペンタン、ジチエノシロール、などがより好ましい。
*は結合手を意味する。
daは0〜5の整数を表す。dbは0〜2の整数を表す。dcは0〜4の整数を表す。
Laは共役鎖を表し、daが2〜5の場合、複数の共役鎖は互いに同一でも異なってもよい。Laにおける共役鎖は、例えば、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基及びエチニレン基の少なくとも1つからなる共役鎖を挙げることができる。共役鎖(アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基)は、無置換でも置換されていてもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。Laは炭素数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、チオフェンジイル、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
aは0または1を表す。
m2は1を表す。
Xは1座の配位子を表す。Xは、例えば、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子、又はハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座の配位子を挙げることができる。なお、配位子Xがアルキル部位、アルケニル部位、アルキニル部位、アルキレン部位等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール部位、ヘテロ環部位、シクロアルキル部位等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
配位子Xの数を表し、mXは0又は1であり、好ましくは1である。
式(1)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、本発明の前記式(1)で表される金属錯体色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、式(1)で表される金属錯体色素全体の電荷はCIにより電気的に中性になる。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
なお、配位子、特にL2における配位子は、金属原子に配位している状態、すなわちアニオンで配位している原子はアニオンで表示したが、必ずしもアニオンで配位する必要はない。
また、金属錯体色素は、対イオンを省略しているが、対イオンが不要であるのではなく、任意の対イオンを保持し得るものである。
L2ex 式 Vのσp Chem.Rev.*
――――――――――――――――――――――――――――
1 2−2 0.52 165
2 2−2 0.53 254
3 2−2 0.27 396
4 2−2 0.53 333
5 2−2 0.05 336(2−チエニル基で評価)
6 2−2 0.27 396
7 2−2 0.27 396
8 2−2 0.05 336(2−チエニル基で評価)
9 2−2 0.27 396
10 2−2 0.52 165
11 2−3 0.54 70
12 2−3 0.52 165
13 2−6 0.54 70
14 2−6 0.54 70
15 2−2 0.52 165
16 2−2 0.27 396
17 2−1 0.55 317
18 2−4 0.54 70
19 2−5 0.27 396
20 2−7 1.32 84(CNのσp×2)
21 2−8 0.54 70
22 2−9 0.06 15
23 2−10 0.66 84
24 2−11 0.54 70
―――――――――――――――――――――――――――――
*Chem.Rev.,91,165〜195(1991)で提示されている化合物データの番号
(Xex−2) NC
(Xex−3) Cl
(Xex−4) HO
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、本発明の一般式(1)で表される金属錯体色素に加えて、さらに他の金属錯体色素と併用することが好ましい。他の金属錯体色素と併用することで、互いの吸着状態を制御し、各々よりも高い光電変換効率や耐久性を達成することができる。
他の金属錯体色素としては、下記式(2)で表される金属錯体色素が好ましい。
Mzは式(1)におけるMと同義である。
L3は下記式(L3)で表される2座の配位子を表す。
m3は0〜2の整数を表す。m3は1または2が好ましく、1がより好ましい。m3が2のとき、2つのL3は同じでも異なっていてもよい。
Acは酸性基を表す。Acが複数存在する場合、これらは同一でも異なってもよい。
Acは、式(1)におけるAcと同義であり、好ましい範囲も同じである。Acはピリジン環上もしくはその置換基のどの原子に置換してもよい。
Raは置換基を表し、Raが複数存在する場合、これらは互いに同一であっても異なってもよい。Raにおける置換基は、後述の置換基Tの置換基を挙げることができる。
Raは、好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基またはアシルアミノ基である。
Rbは、アルキル基又は芳香環基を表す。芳香環基としては、好ましくは炭素数6〜30の芳香環基、例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等である。複素環(ヘテロ環)基としては、好ましくは炭素原子数1〜30のヘテロ環基、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリルおよび、これらの基の環を2つ以上組合わせたもの(縮環もしくは連結したもの)である。より好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、さらに好ましくはチエニルおよびチエニルが2つ以上縮環もしくは連結したものが挙げられる。ここで、上記の電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基またはヒドロキシ基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
e1、e2はそれぞれ独立に、0〜5の整数であるが、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
Lc及びLdはそれぞれ独立に共役鎖を表し、例えば、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基及びエチニレン基の少なくとも1つからなる共役鎖を挙げることができる。共役鎖(アリーレン基、ヘテロアリーレン基)は、無置換でも置換基を有してもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。Lc及びLdはそれぞれ独立に、炭素数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、チオフェンジイル、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LcとLdは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
e3は0または1を表す。特に、e3が0のとき式(L3)中、紙面の右側のfは1又は2が好ましく、e3が1のとき、同じく、紙面の右側のfは0又は1が好ましい。fの総和は0〜2の整数が好ましい。
gは0〜3の整数を表し、複数のgは互いに同一でも異なってもよい。gは0〜2の整数が好ましい。
fは0〜3の整数を表す。複数存在するfは互いに同一でも異なってもよい。fの和が1以上であって、配位子L3が酸性基を少なくとも1個有するときは、式(2)中のm3は2または3が好ましく、2がより好ましい。fが2以上のとき、複数存在するAcは互いに同一でも異なっていてもよい。式(L3)中、紙面の左側のfは0又は1が好ましく、同じく、紙面の右側のfは0〜2の整数が好ましい。
L4は下記式(L4)で表される2座又は3座の配位子を表す。
・m4
m4は1〜3の整数を表し、1または2が好ましい。m4が2以上のとき、複数のL4は互いに同一でも異なっていてもよい。
Zd、Ze及びZfは式(1)のZa、Zb、Zcと同義である。
hは0または1を表す。hは0が好ましく、L4は2座配位子が好ましい。
なお、置換可能数は式の番号の横の()中に表示した。Raが複数存在する場合、これらが互いに連結して、あるいは縮環して環を形成していてもよい。
式(2)中、Yは1座又は2座の配位子を表す。mYは配位子Yの数を表す。mYは0〜2の整数を表し、mYは好ましくは1又は2である。Yが1座配位子のとき、mYは2であるのが好ましく、Yが2座配位子のとき、mYは1であるのが好ましい。mYが2以上のとき、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のYが互いに連結していてもよい。
式(2)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。式(1)中のCIと同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(2)で表される金属錯体色素は、半導体微粒子の表面に結合もしくは吸着する結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を金属錯体色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。結合基としては先のAcが挙げられる。
なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離して、プロトン(H+)を放出してもよく、本発明においては、これらも包含される。
式(2)で表される金属錯体色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記式(1)で表される金属錯体色素と、式(2)で表される金属錯体色素を用いて、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。
本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基及び配位子についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていないは、この置換基Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみに時は、この置換基Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル、トリフルオロメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20での、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、2−プロペニルオキシ、4−ブチニルオキシ等)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、イミダゾリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、トリアジニルオキシ、プリニルオキシ)、
(感光体層)
本発明の光電変換素子の好ましい一実施態様については図1に基づき既に説明した。本実施形態において感光体層2は、本発明の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。また、感光体層2は目的に応じて設計され、多層構造からなるものであってもよい。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質には、酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ、2価と3価のコバルト錯体の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
図1に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。本発明においては半導体微粒子として、前記の特定の界面活性剤を用いて調製したものを適用する。
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などがあげられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしてもよい。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989号、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
以下に、実施例により本発明の色素の調製法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体および調製ルートについてはこれにより限定されるものではない。
金属錯体色素1を下記に示すスキームに従って調製した。
窒素雰囲気下、THF(テトラヒドロフラン)150mlに18.75gの2−アセチル−4−メチルピリジンを加えて外設0℃で冷却した。そこへナトリウムエトキシド14.2gを徐々に加えた。添加後そのまま30分攪拌した後、ペンタフルオロプロピオン酸エチル30.3gを徐々に加えて、発熱が収まったのを確認してから室温で1時間攪拌した。その後外設70℃で昇温し、内温55℃以上で10時間反応した。冷却後、反応液へ飽和塩化アンモニウム水溶液200mlと酢酸エチル200mlを加えて抽出・分液を行い、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥後、濃縮して13.0gの化合物1−Aを得た。
窒素雰囲気下、エタノール110mlに13.0gの1−Aを加え、室温で攪拌した。そこへヒドラジン・1水和物を2.7ml滴下して加え、外設90℃で昇温して8時間反応を行った。反応液へ濃塩酸5mlを滴下して加え、さらに1時間反応を行った。
反応液を冷却後、エタノールを留去し、飽和重曹水と酢酸エチルを加えて抽出・分液を行った。酢酸エチル層をさらに水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより6.5gの化合物1−Bを得た。
THF120mlに化合物1−B 6.7gを溶解し、窒素雰囲気下、外設−20℃で冷却した。
この溶液にリチウムジイソプロピルアミド(約2mol/L溶液)25.5mlを滴下し、そのまま1.5時間攪拌した。そこへ5−ヘキシルチオフェン−2−カルボキシアルデヒド5.4gを滴下し、2時間攪拌を行った。
その後、反応液を室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて抽出・分液を行った。酢酸エチル層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより4.57gの化合物1−Cを得た。
トルエン20mlに化合物1−C5.67gとp−トルエンスルホン酸ピリジニウム4.12gを加え、窒素雰囲気下、外設140℃で昇温した。内温70℃以上で反応を5時間行った後冷却し、反応液へ飽和重曹水と酢酸エチルを加えて抽出・分液を行った。その後有機層を飽和重曹水で1回、水で1回洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより4.64gの化合物1−Dを得た。
黄色灯下、窒素雰囲気において150mlの無水メタノールに1.0gのジクロロ(p-シメン)ルテニウム(II)二量体と1.85gの化合物1−Dを加え、60℃で4時間反応を行った後、溶媒を留去した。残渣にジエチレングリコールモノエチルエーテル410mlを加えて溶解した後、トリメチル2,2’:6’−2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボキシレート 1.33gを加えて160℃で8時間反応を行った。溶媒を減圧留去して残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した。
得られた生成物にDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)310mlと3.17gのKSCNを加えて160℃で8時間反応を行った。溶媒を減圧留去し、アセトン100ml、1.0M水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えて24時間加熱還流を行った。
溶媒を液量が半分になるまで濃縮した後、2M塩酸水溶液を滴下してpH=3に調整した。得られた結晶を濾取し、少量のメタノールを加えてセファデックスLH−20カラムで精製を行った。メインバンドを集めて濃縮して析出した結晶をイオン交換水とアセトンで洗浄し、金属錯体色素1を0.38g得た。
同定はミリマスにより行い、以下のような結果を得た。
Mass実測値(m/z);(M)+:979.0812
Mass計算値(m/z);(M)+:979.0819(C41H32F5N7O6RuS2)
金属錯体色素9は下記に示すスキームに従って調製した。
窒素雰囲気下、DME80mlに4−tert−ブチルフェニルボロン酸4.45、フッ化セシウム7.6g、4−クロロ−2−ピリジンカルボン酸メチル3.86g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.9gを加えて、外設90℃で加熱した。内温65℃以上で12時間反応を行い、冷却後、酢酸エチルを加えて水で3回洗浄した。
酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をして濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより2.42gの化合物9−Aを得た。
窒素雰囲気下、THF80mlに14.7gの2’,3’,4',5’,6’−ペンタフルオロアセトフェノンを加えて外設10℃で冷却した。そこへナトリウムエトキシド5.1gを徐々に加えた後、そのまま30分攪拌した。その後、化合物9−A
13.5gを徐々に加えて、発熱が収まったのを確認してから外設70℃で昇温し、内温55℃以上で15時間反応した。冷却後、反応液を塩酸で中和して分液し、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。有機層を集めて無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をした後濃縮をし、残渣に対してエタノール60mlを加えて溶解した。そこへ98%ヒドラジン一水和物2.8mlを加えて加熱還流を12時間行った。その後、反応液へ濃塩酸5mlを滴下して加え、さらに1時間反応を行った。
反応液を冷却後、エタノールを留去し、飽和重曹水と酢酸エチルを加えて抽出・分液を行った。酢酸エチル層をさらに水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥をして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより10.2gの化合物9−Cを得た。
黄色灯下、窒素雰囲気において100mlの無水メタノールに0.66gのジクロロ(p-シメン)ルテニウム(II)二量体と1.19gの化合物9−Cを加え、60℃で4時間反応を行った後、溶媒を留去した。残渣にジエチレングリコールモノエチルエーテル275mlを加えて溶解した後、トリメチル2,2’:6’−2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボキシレート 0.89gを加えて160℃で8時間反応を行った。溶媒を減圧留去して残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した。
得られた生成物にDMF210mlと2.11gのKSCNを加えて160℃で8時間反応を行った。溶媒を減圧留去し、アセトン67ml、1.0M水酸化ナトリウム水溶液67mlを加えて24時間加熱還流を行った。
溶媒を液量が半分になるまで濃縮した後、2M塩酸水溶液を滴下してpH=3に調整した。得られた結晶を濾取し、少量のメタノールを加えてセファデックスLH−20カラムで精製を行った。メインバンドを集めて濃縮して析出した結晶をイオン交換水とアセトンで洗浄し、金属錯体色素9を0.28g得た。
同定はミリマスにより行い、以下のような結果を得た。
Mass実測値(m/z);(M)+:967.0781
Mass計算値(m/z);(M)+:967.0785(C43H28F5N7O6RuS)
金属錯体色素81は下記に示すスキームに従って調製した。
同定はミリマスにより行い、以下のような結果を得た。
Mass実測値(m/z);(M+1)+:1079.0881
Mass計算値(m/z);(M+1)+:1079.0893(C43H31F10N8O6RuS)
光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するための種々のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
[ペーストの調製]
まず、光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するためのペーストを以下の表4の組成で調製した。なお以下の調製ではTiO2を媒体に入れて撹拌することによりスラリーを調製し、そこに増粘剤を加え、混練することでペーストを得た。
TiO2粒子2:アナターゼ、平均粒径;200nm
棒状TiO2粒子S1:アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5
棒状TiO2粒子S2:アナターゼ、直径;30nm、アスペクト比;6.3
棒状TiO2粒子S3:アナターゼ、直径;50nm、アスペクト比;6.1
棒状TiO2粒子S4:アナターゼ、直径;75nm、アスペクト比;5.8
棒状TiO2粒子S5:アナターゼ、直径;130nm、アスペクト比;5.2
棒状TiO2粒子S6:アナターゼ、直径;180nm、アスペクト比;5
棒状TiO2粒子S7:アナターゼ、直径;240nm、アスペクト比;5
棒状TiO2粒子S8:アナターゼ、直径;110nm、アスペクト比;4.1
棒状TiO2粒子S9:アナターゼ、直径;105nm、アスペクト比;3.4
板状マイカ粒子P1 :直径;100nm、アスペクト比;6
CB:セルロース系バインダー
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、光電変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/m2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率(η/%)を求めた。
また、400〜900nmにおけるIPCE(量子収率)をペクセル社製のIPCE測定装置にて測定した。(850nmにおけるIPCEを下記の表5〜7に示す。)
下記の各項目について評価・判定を行った。すべてにおいてA以上であると市場において高い評価を得ることができる。
AA:7.5%以上のもの
A :7.0%以上7.5%未満のもの
B :6.5%以上7.0%未満のもの
C :6.5%未満のもの
AA:30%以上のもの
A :20%以上30%未満のもの
B :10%以上20%未満のもの
C :10%未満のもの
80℃、300時間暗所経時後の光電変換効率(ηf)を測定した。このηfの初期の光電変換効率(ηi)に対する降下率(γd:下式)を求めて評価を行った。
式: 降下率(γd)=(ηi−ηf)/(ηi)
AA:γdが5%未満のもの
A : γdが5%以上10%未満のもの
B : γdが10%以上20%未満のもの
C : γdが20%以上のもの
500時間連続光照射後の光電変換効率(ηg)を測定した。このηgの初期の光電変換効率(ηi)に対する降下率(γL:下式)を求めて評価を行った。
A :γLが5%以上10%未満のもの
B :γLが10%以上15%未満のもの
C :γLが15%以上のもの
得られた結果を下表5〜7に示す。
以下に示す手順により、特開2010−218770公報に記載の図1に示されたものと同様の構成を有する色素増感太陽電池を作成した。具体的な構成は本願の図面に添付の図3に示した。本願の図3では、51が透明基板、52が透明導電膜、53がバリア層、54がn型半導体電極、55がp型半導体層、56がp型半導体膜、57が対極(57aが対極の突起部)である。
次に、Ti〔OCH(CH3)2〕4と水とを容積比4:1で混合した溶液5mlを、塩酸塩でpH1に調整されたエチルアルコール溶液40mlと混合し、TiO2前駆体の溶液を調製した。そして、この溶液を、TCOガラス基板上に1000rpmでスピンコートし、ゾル−ゲル合成を行った後、真空下で78℃、45分間加熱し、450℃、30分間のアニーリングを行い、酸化チタン薄膜からなるバリア層(53)を形成した。
次に、エタノールに、粘度調整剤としてのエチルセルロースを濃度が10質量%となるように溶解させた溶液と、アルコール系有機溶媒(ターピネオール)とを上記で調製した酸化チタンのスラリーに添加し、再度、ホモジナイザーで均質に分散させた。この後、ターピネオール以外のアルコールをエバポレータで除去し、ミキサーで混合して、ペースト状の酸化チタン粒子含有組成物を調製した。なお、調製した酸化チタン粒子含有組成物の組成は、酸化チタン粒子含有組成物を100質量%として、酸化チタン粒子が20質量%、粘度調整剤が5質量%であった。
以下の方法で、光電極にCdSe量子ドット化処理を行い、コバルト錯体を用いた電解質を使用して、図4に示す色素増感太陽電池を作成した。
セレナイド(Se2−)はArやN2雰囲気下、0.068gのNaBH4(0.060Mの濃度となる様に)を0.030Mの SeO2エタノール溶液に加えることによって系内で調整した。
電解質に加えたコバルト錯体はChemical Communications,46巻,8788頁−8790頁(2010年)に記載の方法で調整した。
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
23 CdSe量子ドット
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池
M 電動モーター(扇風機)
42 半導体電極
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
40 光電極
20 色素増感型太陽電池
CE 対極
E 電解質
S スペーサー
51 透明基板
52 透明導電膜
53 バリア層
54 n型半導体電極
55 p型半導体層
56 p型半導体膜
57 対極
57a 突起部
Claims (8)
- 導電性支持体上側に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体層と、電荷移動体層と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、該色素が下記式(1)で表される金属錯体色素である光電変換素子。
ML1 m1L2 m2XmX・CI (1)
[式(1)において、MはRuを表す。L1は下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1およびm2はそれぞれ1を表す。mXは0または1を表す。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
[式(L1)において、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、ピリジン環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、Za、ZbおよびZcが形成する環のうち少なくとも1つはカルボキシル基もしくはその塩を有する。]
[式(L2)において、環Bは下記式(L2−21)または(L2−22)で表される含窒素芳香環を表す。環Aおよび環Cは、それぞれ独立に、下記式(L2−2)〜(L2−6)または(L2−9)を表す。aは0または1を表す。Vはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロフェニル基、フッ素原子、2−チエニル基、またはピリミジニル基を表す。ただし環Aおよび環Cのいずれかが下記式(L2−2)であるとき、その少なくとも1つが有する置換基Vは、パーフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロフェニル基、フッ素原子、2−チエニル基またはピリミジニル基である。nは1を表す。]
[式中、R x は置換基を表す。R y は水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。daは1を表す。L a はエテニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。dbは0を表す。dcは0を表す。ここで、*は結合手を表す。ただし、aが0で、環Aが式(L2−2)または(L2−5)であるとき、L a がエテニレン基で、かつR y がチオフェン単環の基であるか、またはL a がアリーレン基である。]
[式中、V、nは、式(L2)におけるV、nと同義である。ここで、*は結合手を表す。Rは置換基を表し、mは0を表す。] - 前記Ryがヘテロ環基である請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記環Aおよび環Cが、前記式(L2−3)、(L2−4)、(L2−6)および(L2−9)のいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Vのうち少なくとも1つが2−チエニル基またはピリミジニル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記感光体層が下記式(2)で表される色素を、さらに含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
MzL3 m3L4 m4YmY・CI (2)
[式(2)において、Mzは金属原子を表す。L3は下記式(L3)で表される配位子を表す。L4は下記式(L4)で表される配位子を表す。Yは1座または2座の配位子を表す。m3は0〜2の整数を表す。m4は1〜3の整数を表す。mYは0〜2の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
[式(L3)において、Acは酸性基を表す。Raは置換基を表す。Rbはアルキル基または芳香環基を表す。e1およびe2はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表す。LcおよびLdはそれぞれ独立に共役鎖を表す。e3は0または1を表す。fは0〜3の整数を表す。gは0〜3の整数を表す。]
[式(L4)において、Zd、Ze及びZfはそれぞれ独立に、5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。hは0または1を表す。ただし、Zd、ZeおよびZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。] - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子を備える光電気化学電池。
- 下記式(1)で表される構造の金属錯体色素。
ML1 m1L2 m2XmX・CI (1)
[式(1)において、MはRuを表す。L1は下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1およびm2はそれぞれ1を表す。mXは0または1を表す。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
[式(L1)において、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、ピリジン環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、Za、ZbおよびZcが形成する環のうち少なくとも1つはカルボキシル基もしくはその塩を有する。]
[式(L2)において、環Bは下記式(L2−21)または(L2−22)で表される含窒素芳香環を表す。環Aおよび環Cは、それぞれ独立に、下記式(L2−2)〜(L2−6)または(L2−9)を表す。aは0または1を表す。Vはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロフェニル基、フッ素原子、2−チエニル基、またはピリミジニル基を表す。ただし環Aおよび環Cのいずれかが下記式(L2−2)であるとき、その少なくとも1つが有する置換基Vは、パーフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロフェニル基、フッ素原子、2−チエニル基またはピリミジニル基である。nは1を表す。]
[式中、R x は置換基を表す。R y は水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。daは1を表す。L a はエテニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。dbは0を表す。dcは0を表す。ここで、*は結合手を表す。ただし、aが0で、環Aが式(L2−2)または(L2−5)であるとき、L a がエテニレン基で、R y がチオフェン単環の基であるか、またはL a がアリーレン基である。]
[式中、V、nは、式(L2)におけるV、nと同義である。ここで、*は結合手を表す。Rは置換基を表し、mは0を表す。]
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