JP5666498B2 - インク組成物、インクセット、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Description
更に、本発明は、優れた吐出安定性を有するインクセットおよび画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、インク組成物の経時による粘度低下は、架橋ポリマー被覆顔料の作製に用いるポリマーが、架橋せずにインク組成物中に遊離して存在していることが原因であろうこと、この場合に、インク組成物が特定量の2価の金属イオンを含有していることで、インク組成物の粘度低下を抑制し得ることを見出し、完成したものである。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
更に、本発明によれば、優れた吐出安定性を有するインクセットおよび画像形成方法を提供することができる。
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう)は、水と、架橋されたポリマーによって顔料の表面の少なくとも一部が被覆されている架橋ポリマー被覆顔料と、前記顔料から遊離しているポリマーと、インク組成物の全質量に対して30ppm〜200ppmの少なくとも1種の2価の金属イオンとを含んでなり、必要に応じて、更に、水溶性有機溶媒、界面活性剤等の成分を含有していてもよい。
本発明のインク組成物が上記構成であることで、吐出安定性に優れるインク組成物とすることができる。
以下、単に「ポリマー」と称するときは、未架橋のポリマーを指す。
また、「顔料から遊離しているポリマー」を「遊離ポリマー」ともいう。
本発明においては、インク組成物の全質量に対して60ppm〜160ppmの少なくとも1種の2価の金属イオンを含んでなる。
そこで、顔料の表面の少なくとも一部を、架橋されたポリマーで被覆した架橋ポリマー被覆顔料を用いることで、インク組成物に分散安定性を付与し、低粘度のインク組成物を得ることが試みられてきた。
また、インク液滴は、ある程度の粘度があることで、インク組成物がインクジェットノズル内を滞りなくスムーズに流れ、インクジェットノズルから液滴が吐出されたときには、一定の液適量で吐出されることで、液滴の飛行方向が曲がる「吐出曲がり」が抑制される。
また、インク組成物が、インクジェットノズル内をスムーズに流れ難くなるため、決められた液適量の液滴を形成することができなくなる。その結果、インク液滴の液適量にばらつきが生じるため、インク液滴のドット径等がばらつき、精度のよい画像を形成することができなくなる。特に、高速で、インク組成物の連続吐出を行うときには、インク液滴が吐出されないことも生じて、ドット抜け等の画像故障を起こすことがあった。
この理由は定かではないが、次の理由によるものと考えられる。
また、インク液滴量のばらつきが抑制されるため、インク液滴が記録媒体に着弾したときのドット径のばらつきが抑えられるため、精度の良い画像を形成することができる。
さらに、インク組成物を連続吐出したときでも、ノズル内のインク組成物の流れが滑らかであるためドット抜けが生じ難くなる。
また、本発明のインク組成物は、経時の粘度低下を抑制するため、長期に亘り優れた吐出信頼性を有する。
以下、本発明のインク組成物を構成する各種成分について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種の2価の金属イオンを含有する。
2価の金属イオンの種類は、特に制限されず、例えば、Mg2+、Zn2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+等を挙げることができる。
中でも、イオン化傾向の観点から、Mg2+、Ca2+、及びZn2+が好ましく、Mg2+、及びCa2+がより好ましい。
インク組成物は、2価の金属イオン、1種のみを含有していてもよいし、2種以上を含有していてもよい。
2価の金属イオンの含有量が30ppm未満であると、インク組成物の低粘度化を抑制することができず、インク組成物の吐出安定性が得られない。2価の金属イオンの含有量が200ppmを超過すると、インク組成物を、フッ素化合物を含有する撥液膜が設けられたノズルプレートに備えられた吐出口から吐出するときに、撥液膜を劣化させる。なお、ノズルプレートの詳細は後述するが、インク組成物をインクジェット法によって記録媒体上に付与するときに、インク組成物の吐出を、フッ素化合物を含有する撥液膜が設けられたノズルプレートに備えられた吐出口から吐出することがある。撥液膜は、吐出口の縁や、ノズルプレートの吐出口が存在する面に、インク組成物が付着し、固着することによって吐出性が阻害されることを防ぐために形成されている。したがって、撥液膜が、インク組成物中の2価の金属イオンの過多のために劣化すると、吐出安定性を得ることができない。
測定装置としては、通常使用されるものを使用することができる。例えば、パーキンエルマー社製Optima7300DVにて定量を行なえばよい。
また、測定にあたっては、インク組成物を適量採取してHNO3を添加し、マイクロウェーブ灰化(230℃)した試料を使用すればよい。
インク組成物中に含まれ得る2価のアニオンとしては、2価の無機酸または2価の有機酸からプロトン(H+)が脱離したものが挙げられる。
2価の無機酸からプロトンが2つ脱離した2価の無機酸アニオンとしては、リン酸イオン〔PO4 2−〕、硫酸イオン〔SO4 2−〕、炭酸イオン〔CO3 2−〕等が挙げられる。
2価の有機酸からプロトンが2つ脱離した2価の有機酸アニオンとしては、シュウ酸イオン〔(COO)2−〕、マロン酸イオン〔CH2(COO)2−〕等が挙げられる。
2価のアニオンのインク組成物中の含有量が40ppm以下であることで、インク組成物の経時的な粘度低下をより一層抑制することができる。
2価のアニオンのインク組成物中の含有量は、少ないほど良く、インク組成物に2価のアニオンが含まれていない(0ppm)であることが好ましいが、通常、インク組成物を調製する際に、顔料を水で十分洗浄するなどの対処をしても、残存してしまう傾向にある。
測定装置としては、通常使用されるものがいずれも使用可能である。例えば、(株)ダイオネクス社製の商品名「ICS−2000」、東ソー株式会社製「IC2010」、東亜ディーケーケー株式会社製「ICA-2000」等が挙げられる。
測定条件は、特に制限されるものではなく、使用するカラムや溶離液組成、流速、カラム温度、注入量などは適宜選択されればよい。
例えば、カラムとしては、例えば(株)ダイオネクス社製の商品名「AS18 4mm」、「AS15 4mm」、「AS20 4mm」等が使用可能である。
溶離液としては、特に制限されるものではなく、所定濃度の水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。
具体的な測定条件としては、例えば流量1ml/分以上2ml/分以下の範囲で、カラム温度38℃以上42℃以下にて、サンプル注入量を50μL以上200μL以下の範囲とすればよい。
本発明のインク組成物は、架橋ポリマー被覆顔料と、前記顔料から遊離しているポリマー(遊離ポリマー)とを含有する。
なお、遊離ポリマーは、インク組成物の粘度低下を抑制する観点からは、インク組成物に含まれていないことが好ましい成分であるが、架橋ポリマー被覆顔料を調製するときに、インク組成物に必然的に含まれる成分である。そのため、本発明では、遊離ポリマーがインク組成物に含まれてしまう場合でも、インク組成物の粘度低下を抑制できるように、既述の2価の金属イオンを含有する。
架橋ポリマー被覆顔料は、架橋されたポリマーによって顔料の表面の少なくとも一部が被覆されている顔料である。
したがって、本発明では、遊離ポリマーとしては、架橋ポリマー被覆顔料の作製時(架橋反応時)に未反応成分として残存するポリマーを用いることができる。
架橋ポリマーは、ポリマー(未架橋のポリマー)を、架橋剤を用いて架橋したポリマーである。
ポリマーとしては、特に制限されず、種々のポリマーを用いることができるが、中でも、水溶性分散剤として機能し得るポリビニル類、ポリウレタン類、ポリエステル類等が好ましく、さらにポリビニル類が好ましい。
ポリマーは、共重合成分としてカルボキシル基含有モノマーを用いて得られる共重合体であることが好ましい。カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、中でも、ポリマーの架橋性および分散安定性の観点から、(メタ)アクリル酸やβ−カルボキシエチルアクリレートが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸はアクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。
さらには、顔料の分散性、分散安定性の観点から、100mgKOH/g〜180mgKOH/gであることが好ましく、100mgKOH/g〜170mgKOH/gであることがより好ましく、100mgKOH/g〜60mgKOH/gが特に好ましい。
ポリマーの共重合形態は特に制限されず、ポリマーは、ランダムポリマーでも、ブロックポリマーでも、グラフトポリマーでもよい。
具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられ、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが好ましい。
架橋ポリマー被覆顔料を構成する顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
黒色系のものとしては、特開2011−231315号公報の段落番号[0031]に列挙されるカーボンブラックを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10質量%〜99質量%であり、30質量%〜80質量%であることがより好ましく、50質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
特に、本発明のインク組成物を用いた画像形成時に、インク組成物と接触したときにインク組成物に含まれる成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を用いる場合には、水溶性重合性化合物を顔料と共に用いることで、処理液と接触して凝集するときに粒子間に取り込まれて、その後の重合硬化により画像を強化する。
本発明におけるインク組成物は、重合性基の少なくとも1種を有する水溶性重合性化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。水溶性重合性化合物は、活性エネルギー線が照射されることにより重合する。
なお、水溶性重合性化合物における「水溶性」とは、重合性化合物が、25℃において蒸留水に2質量%以上溶解することを意味する。
水溶性重合性化合物は、蒸留水に5質量%以上溶解することが好ましく、10質量%以上溶解することがより好ましく、20質量%以上溶解することがさらに好ましく、任意の割合で水と均一に混合することが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の少なくとも一方を意味する。
水溶性重合性化合物が2以上の重合性基を有する場合、前記2以上の重合性基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
本発明においては、硬化感度と耐ブロッキング性の観点から、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、及びビニルスルホン基からなる群から選択される2以上の重合性官能基を有することが好ましく、(メタ)アクリルアミド基を少なくとも1つ有することがより好ましく、(メタ)アクリルアミド基を2以上有することがさらに好ましい。
親水性基として具体的には、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー、ヒドロキシル基、アミド基、糖アルコール残基、ウレア基、イミノ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、チオール基、4級アンモニウム基等を挙げることができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール類。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
ピリジン、イミダゾール、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどの飽和もしくは不飽和のヘテロ環類。
多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
水溶性重合性化合物のインク組成物中における含有率としては、4質量%〜30質量%であることが好ましく、10質量%〜22質量%であることがより好ましい。
水溶性重合性化合物の顔料の固形分に対する含有率としては、顔料:水溶性重合性化合物=1:1〜1:30が好ましく、1:3〜1:15がより好ましい。水溶性重合性化合物の含有率は、顔料の1倍以上であると画像強度がより向上して画像の耐擦過性に優れ、30倍以下であるとパイルハイトの点で有利である。
本発明のインク組成物が水溶性重合性化合物を含有する場合、インク組成物は、活性エネルギー線により水溶性重合性化合物の重合を開始する開始剤(以下、重合開始剤ともいう。)の少なくとも1種を含有する。開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を特に制限なく使用することができるが、本発明においては、光重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明で使用され得る好ましい光重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
重合開始剤の具体例としては、例えば、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明のインク組成物は、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有してもよい。
水溶性有機溶媒は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、インクジェットノズルの吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
このうち、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物中に10〜50質量%の範囲とするのが好ましい。
浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、インク組成物中に5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒としては、特開2011−231315号公報の段落番号[0069]に列挙される水溶性有機溶媒を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
水溶性有機溶媒は1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、上記水溶性有機溶媒以外の乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、既述のポリマー以外の分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加する。
表面張力調整剤の添加量は、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲が好ましく、20〜45mN/mに調整できる範囲がより好ましく、25〜40mN/mに調整できる範囲が更に好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット法で良好に打滴することができる。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
本発明のインク組成物の製造方法は、水と、架橋されたポリマーによって顔料の表面の少なくとも一部が被覆されている架橋ポリマー被覆顔料と、遊離ポリマーと、インク組成物の全質量に対して30ppm〜200ppmの少なくとも1種の2価の金属イオンとを含むインク組成物を製造し得る手法であれば特に制限されない。
なお、2価の金属イオンの顔料分散物への添加は、2価の金属を含む水溶性の化合物を顔料分散物に添加することにより行うことができる。
2価の金属を含む水溶性の化合物としては、例えば、水酸化物〔Ma(OH)2、Ca(OH)2〕や、塩化物〔MaCl2、CaCl2〕等が挙げられる。
例えば、顔料分散工程後に、顔料分散物に、さらに、水溶性重合性化合物と、重合開始剤とを混合する重合性化合物混合工程を含んでいてもよい。
上記インク組成物の製造方法が有する各工程では、各工程における成分に加え、必要に応じて、既述の「その他の添加剤」を添加してもよい。
各成分の混合は、公知の分散機等を用いて行ってもよい。
顔料分散工程で用いる2価の金属イオン、顔料、ポリマー、架橋剤等の詳細は、本発明のインク組成物が含有する2価の金属イオン、顔料、ポリマー、架橋剤等と同義であり、好ましい例も同様である。
本発明のインクセットは、既述の本発明のインク組成物と、インク組成物と接触したときにインク組成物に含まれる成分を凝集させる凝集成分を含む処理液と、を含んで構成される。
本発明のインクセットは、インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット法による画像形成(画像記録)を高速化することができ、高速で画像形成しても光学濃度が高く、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液は、インク組成物中の成分(特に、顔料)を凝集させる凝集成分の少なくとも1種を含有する。インクジェット法で吐出された前記インク組成物に処理液が混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料の凝集が促進される。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このとき、インク組成物の液性〔pH(25℃)〕は、pH7.5以上であることが好ましく、pH8.0以上であることがより好ましい。
中でも、画像濃度、解像度、及び画像形成の高速化の観点から、インク組成物および処理液の液性〔pH(25℃)〕は、インク組成物がpH8.0以上であって、処理液がpH0.5〜4である場合が好ましい。
インク組成物を凝集させる凝集成分の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
処理液の粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
処理液の表面張力は、インク組成物の凝集速度の観点から、20mN/m〜60mN/mが好ましく、25mN/m〜50mN/mがより好ましく、30mN/m〜45mN/mがさらに好ましい。
処理液の表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインク組成物を、インクジェット法によって記録媒体上に付与するインク付与工程を有して構成される。
本発明の画像形成方法は、インク組成物と接触したときにインク組成物に含まれる成分(特に、顔料)を凝集させる凝集成分を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程を含んでいてもよい。
本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に他の工程を設けて構成することができる。
本発明の画像形成方法では、本発明のインク組成物を用いて画像形成をするため、上記のように吐出安定性に優れる。
〔インク付与工程〕
インク付与工程は、水と、架橋されたポリマーによって顔料の表面の少なくとも一部が被覆されている架橋ポリマー被覆顔料と、遊離ポリマーと、インク組成物の全質量に対して30ppm〜200ppmの少なくとも1種の2価の金属イオンとを含むインク組成物を、記録媒体にインクジェット法によって付与する。
本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物は、さらに、水溶性の重合性化合物を含有していてもよい。インク組成物が含有し得る各成分の詳細及び好ましい態様などインク組成物の詳細については、既述した通りである。
なお、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
なお、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェット法として、(1)静電吸引方式とよばれる方法がある。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又はインク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。また、(2)小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法がある。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。次に、(3)インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法(ピエゾ)、(4)印刷信号情報にしたがって微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射し、記録媒体上に画像を記録する方法〔バブルジェット(登録商標)〕がある。
また、ライン方式には、記録素子が配列されている1列のラインヘッド群が、当該列と直行する方向に複数列並んだノズルプレートを用いる方法もある。
本発明のインク組成物は、どの方式のインクジェットヘッドにも好適に用いられるが、中でも、高速の画像形成が実現可能なノズルプレートを用いた場合に、吐出安定性の向上効果が大きい。
プレート方式で用いられる吐出ヘッドは、少なくとも一部に撥液膜が設けられたノズルプレートを備えている。図1は、吐出ヘッドの内部構造の一例を示す概略断面図である。
ノズルプレート11は、表面にフッ素化合物であるフルオロカーボンを含む膜(以下、「フルオロカーボン膜」という。)として、フッ化アルキルシランを用いて形成される撥液膜が設けられた構成とされる。
CnF2n+1−CmH2m−Si−X3 ・・・一般式(F)
一般式(F)において、nは1以上の整数を表し、mは0又は1以上の整数を表す。Xは、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。なお、Xの一部がアルキル基で置換されていてもよい。
前記一般式(F)中、撥液性および撥液膜の耐久性の点で、nが1〜14の整数であって、mが0又は1〜5の整数であって、Xがアルコキシ基又はハロゲン原子である場合が好ましく、更には、nが1〜12の整数であって、mが0又は1〜3の整数であって、Xがアルコキシ基又はハロゲン原子である場合が好ましい。
第1の例として、CF3(CF2)8C2H4SiCl3などのフルオロアルキルトリクロロシランを基材と反応させて、撥水性の単分子膜や重合膜を形成する方法がある(特許第2500816号、特許第2525536号参照)。前記化学式において、CF3(CF2)8C2H4−がフルオロアルキル基であり、−SiCl3がトリクロロシリル基である。この方法では、活性水素が表面に存在する基材をフルオロアルキルトリクロロシランが溶解した溶液にさらし、クロロシリル基(−SiCl)と活性水素とを反応させて基材とSi−O結合を形成する。この結果、フルオロアルキル鎖はSi−Oを介して基材に固定される。ここで、フルオロアルキル鎖が膜に撥水性を付与する。膜の形成条件によって、撥水膜は単分子膜や重合膜となる。
フッ化アルキルシランを用いた撥液膜は、例えば、低圧力でCF3(CF2)8C2H4SiCl3などのフルオロアルキルトリクロロシラン及び水蒸気をCVDリアクタの中に導入することによって、コーティングされていない基盤の外部表面上に堆積することができる。CF3(CF2)8C2H4SiCl3などのフルオロアルキルトリクロロシランの分圧は、0.05torr〜1torr(6.67Pa〜133.3Pa)の間(例えば0.1torr〜0.5torr(13.3Pa〜66.5Pa))とすることができ、H2Oの分圧は0.05torr〜20torrの間(例えば0.1torr〜2torr)とすることができる。堆積温度は、室温と摂氏100度との間とすることができる。コーティングプロセスは、例えば、AppliedMicroStructures, Inc.からのMolecular Vapor Deposition(MVD)TMマシンを用いて実施することができる。
処理液付与工程は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与し、処理液をインク組成物と接触させて画像化する。この場合、インク組成物中の顔料をはじめとする分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。なお、処理液は凝集成分を少なくとも含有してなり、各成分の詳細及び好ましい態様については、既述した通りである。
インク組成物が、更に、既述の水溶性重合性化合物および重合開始剤を含有する場合は、本発明の画像形成工程は、さらに、水溶性重合性化合物の重合を開始し、液滴を硬化するための活性エネルギー線照射工程を有することが好ましい。
すなわち、本発明の画像形成方法は、記録媒体上に付与されたインク組成物(インク液滴)に活性エネルギー線を照射する工程を含むことが好ましい。活性エネルギー線を照射することでインク組成物に含まれる重合性化合物が重合して、架橋ポリマー被覆顔料を含む硬化膜を形成する。これにより画像の耐擦性、耐ブロッキング性が向上する。
さらに、この活性エネルギー線照射の際、処理液中に含まれる酸発生剤から供給される酸により、インク組成物がさらに凝集(固定化)し、画像部品質(耐擦性・耐ブロッキング性等)が向上する。
活性放射線の出力としては、5000mJ/cm2以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cm2であることがより好ましく、20〜3000mJ/cm2であることがさらに好ましい。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。
本発明で特に好ましい活性エネルギー線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
本発明の画像形成方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
次に、本発明の画像形成方法におけるインクジェット法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例について、図3を参照して具体的に説明する。図3は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
本発明のインク組成物では、2価の金属イオンの含有量が200ppm以下であるため、ノズルプレートに設けられた撥液膜の劣化を抑制することができる。
紫外線照射部116はインク乾燥ゾーン115の前後のどちらでも設置してもよい。
(ポリマーP−1の合成)
下記に従って、ポリマーP−1を合成した。
イソプロパノール(1167部)を窒素雰囲気下、80℃に加温した中に、モノマー供給組成物及び開始剤供給組成物の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後に、25℃まで冷却した。溶媒を減圧除去することにより、重量平均分子量約80000、酸価132.08mgKOH/gのポリマーP−1(ポリマー)を得た。
上記で得られたポリマーP−1(150部)を水に溶かして、水酸化カリウム水溶液を用いて中和後のpHが9、ポリマー濃度が約25%となるようにポリマー水溶液を調製した。
得られたポリマー水溶液180部に対し、ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製、フタロシアニンブルーA220)90部と水330部を混合し、ビーズミル(ビーズ径:0.1mmΦ、ジルコニアビーズ)で4時間分散し、顔料濃度15%の未架橋のポリマー被覆顔料の分散物N(未架橋分散物)を得た。
上記未架橋分散物N(136部)に対し、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル〔アルドリッチ製カタログ番号47,569−6〕(0.23部)を添加し、50℃にて6時間半反応後、25℃に冷却することにより、顔料濃度15%の、表面が架橋されたポリマーで被覆された架橋ポリマー被覆顔料含有分散物1(架橋分散物)を得た。
[インクセット1の作製]
下記インク組成物A1と処理液B1のインクセット1を作製した。
(インク組成物A1の調製)
上記で得られた架橋された顔料含有樹脂粒子の分散物を使い、下記の組成を混合し、5μmメンブランフィルタでろ過してインク組成物A1を調製した。
・架橋ポリマー被覆顔料含有分散物1(顔料固形分濃度15%)・・26.8部
・下記ノニオン性化合物2(重合性化合物) ・・・・19部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤)・・・・・1部
・イルガキュア 2959 ・・・2.9部
(チバ・ジャパン(株)製;光重合開始剤)
・MgCl2の5%水溶液 ・・・0.2部
・CaCl2の5%水溶液 ・・・0.06部
・イオン交換水 ・・・合計で100部になる残量
インクを超遠心装置(日立工機社製 小型超遠心機 CS−GXII)にてサンプル2mlを100,000rpmで30分間の遠心を行い、上澄みを採取した。採取した上澄みを真空オーブンで120℃・3時間加熱乾燥し、質量を求めることで固形分量[g]を測定した。この固形分量から遊離率を算出した。
下記組成の成分を混合して、処理液B1を調製した。処理液の上記と同様にして測定した粘度、表面張力、及びpH(25±1℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・25%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)・・・20.0%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) ・・・1.0%
・イオン交換水 ・・・合計で100%になる残量
実施例1におけるインク組成物A1の調製において、ポリマーP−1を後述するポリマーP−2〜P−10に変更し、インク組成物に添加した2価の金属イオンを含有する化合物の添加量を、下記表1に示す量に変更した以外は同様にして、実施例2〜実施例4、参考例5〜7および比較例1〜比較例3の各インクセットを作製した。
ポリマーP−1の合成において、メタクリル酸を202部から216部に、メタクリル酸メチルを448部から434部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−2を合成した。ポリマーP−2の重量平均分子量は78000であった。
ポリマーP−3の合成において、メタクリル酸を216部部から169部に、メタクリル酸メチルを434部から481部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−3を合成した。ポリマーP−3の重量平均分子量は60000であった。
ポリマーP−4の合成において、メタクリル酸を169部から189部に、メタクリル酸メチルを481部から461部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−4を合成した。ポリマーP−4の重量平均分子量は80000であった。
ポリマーP−5の合成において、メタクリル酸を189部から175部に、メタクリル酸メチルを461部から475部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−5を合成した。ポリマーP−5の重量平均分子量は60000であった。
ポリマーP−6の合成において、メタクリル酸を175部から236部に、メタクリル酸メチルを475部から414部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−6を合成した。ポリマーP−6の重量平均分子量は75000であった。
ポリマーP−7の合成において、メタクリル酸を236部から162部に、メタクリル酸メチルを414部から488部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−7を合成した。ポリマーP−7の重量平均分子量は65000であった。
ポリマーP−8の合成において、メタクリル酸を162部から100部に、メタクリル酸メチルを488部から550部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−8を合成した。ポリマーP−8の重量平均分子量は70000であった。
ポリマーP−9の合成において、メタクリル酸を100部から162部に、メタクリル酸メチル(550部から488部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−7を合成した。ポリマーP−7の重量平均分子量は50000であった。
ポリマーP−1の合成において、メタクリル酸を162部から110部に、メタクリル酸メチルを488部から540部に、それぞれ変更したほかは同様にして、表2に示す酸価のポリマーP−7を合成した。ポリマーP−7の重量平均分子量は55000であった。
得られた実施例、参考例および比較例のインクセットを用いて、下記画像形成方法により画像形成を行い、後述する評価方法に基づいて、吐出安定性および着弾位置精度(吐出曲がり)の評価を行った。吐出安定性評価および着弾位置精度(吐出曲がり)評価の結果を、表2に示す。
まず、図3に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド112Sを備えた処理液付与部112と、付与された処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン113と、各種水性インクを吐出するインク吐出部114と、吐出された水性インクを乾燥させるインク乾燥ゾーン115と、紫外線(UV)を照射可能なUV照射ランプ116Sを備えたUV照射部116とが配設されたインクジェット装置を準備した。
得られた各インクセットの各インク組成物を、室温(25℃)で12週間保存後、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニル製のシートへの記録を行い、常温(25℃)で48時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。
A:ドット抜け又はインクの飛び散りが発生しないか、発生が2回以下である。
B:ドット抜け又はインクの飛び散りが3回〜10回発生した。
C:ドット抜け又はインクの飛び散りが11回以上発生した。
吐出ヘッドを25.7kHzで6000億回、連続吐出した後、画像の記録を行ない、96ノズルを用いて吐出周波数25.7kHzで75×2400dpiの線画像を描画した。そして、この線画像を王子計測機器(株)製のドットアナライザDA−6000にて線の中心値を計測し、各線のズレ量の標準偏差σを算出した。評価結果を下記表2に示す。 尚、ズレ量の標準偏差σが2μmよりも小さい場合が正常な状態であり、5μmよりも小さければ、実用レベルにあることを表す。
A:σ<3μm
B:3μm≦σ<5μm
C:5μm≦σ<7μm
D:7μm≦σ
各インク組成物を超遠心分離(140,000rpm、60min)して、上澄み液を採取し、超純水で10倍〜1000倍に希釈した試料得た。得られた試料を下記条件で陰イオンクロマトグラフ法により測定した。
測定装置:(株)ダイオネクス製、商品名「ICS−2000」
カラム:(株)ダイオネクス製、商品名「AS18 4mm」
ガードカラム:(株)ダイオネクス製、商品名「AG18 4mm」
溶離液:5mmol/l水酸化カリウム水溶液
流量:1ml/分
カラム温度:30℃
注入量:25μl
検出:電気伝導度(サプレッサ方式)
各インク組成物を0.03ml採取してHNO33mlを添加し、マイクロウェーブ灰化(230℃)した試料を用いて、ICP−MS(アジレント社製HP−4500)にて全元素サーベイを行なった。試料中に数mg/l以上存在する可能性のある元素をICP−OES(パーキンエルマー社製Optima7300DV)にて定量を行なった。
なお、2価の金属イオン量が200ppmを超える比較例1(230ppm)においては、ノズルプレートに設けられた撥液膜が劣化していた。かかる劣化により吐出口周辺(縁など)にインク組成物が付着ないし固着し、液滴の着弾位置精度の低下や吐出安定性の低下を及ぼしたものと考えられる。
12・・・・・吐出口(ノズル)
23・・・・・インク供給流路
30・・・・・圧電素子(圧電アクチュエータ;圧力発生手段)
200・・・・吐出ヘッド
112・・・・処理液付与部
112S・・・処理液吐出用ヘッド
113・・・・処理液乾燥ゾーン
114・・・・インク吐出部
115・・・・インク乾燥ゾーン
116・・・・紫外線照射部
116S・・・紫外線照射ランプ
130K,130C,130M,130Y・・・インク吐出用ヘッド
Claims (8)
- 水と、架橋されたポリマーによって顔料の表面の少なくとも一部が被覆されている架橋ポリマー被覆顔料と、前記顔料から遊離しているポリマーと、インク組成物の全質量に対して60ppm〜160ppmの少なくとも1種の2価の金属イオンとを含むインク組成物。
- 前記インク組成物は、2価のアニオンの含有量が、インク組成物の全質量に対して40ppm以下である請求項1に記載のインク組成物。
- 前記顔料から遊離しているポリマーが、アニオン性基を有し、かつ、酸価が95mgKOH/g以上である請求項1または請求項2に記載のインク組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物と、前記インク組成物と接触したときに前記インク組成物に含まれる成分を凝集させる凝集成分を含む処理液と、を有するインクセット。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物を、インクジェット法によって記録媒体上に付与するインク付与工程を有する画像形成方法。
- さらに、前記インク組成物と接触したときに前記インク組成物に含まれる成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程を含む請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記凝集成分が酸性化合物である請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記インク組成物は、フッ素化合物を含有する撥液膜が設けられたノズルプレートに備えられた吐出口から吐出する請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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