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JP5664022B2 - 芳香族ポリアミド多孔質膜、多孔性フィルムおよび電池用セパレーター - Google Patents

芳香族ポリアミド多孔質膜、多孔性フィルムおよび電池用セパレーター Download PDF

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JP5664022B2 JP2010190459A JP2010190459A JP5664022B2 JP 5664022 B2 JP5664022 B2 JP 5664022B2 JP 2010190459 A JP2010190459 A JP 2010190459A JP 2010190459 A JP2010190459 A JP 2010190459A JP 5664022 B2 JP5664022 B2 JP 5664022B2
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Description

本発明は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる芳香族ポリアミド多孔質膜、多孔性フィルムおよびそれらを用いた電池用セパレーターに関する。
従来、芳香族ポリアミド多孔質膜としては、例えば特許文献1〜3に記載されるように、全芳香族ポリアミド繊維からなる不織布または紙状シートを電池用セパレーターに使用することが開示されている。しかし、不織布または紙状シートでは、実質的に50μm以下の薄い厚みで、なおかつ十分な強度を有するもので、しかも繊維などの有無などによる局部的な不均一部が無く、加工時に繊維の離脱が無いものを工業的に製造することは困難である。
さらに、特許文献4では、ポリマー溶液に金属酸化物微粒子を分散させたものをキャストし膜を得た後、金属酸化物微粒子を溶解除去することを特徴とする芳香族ポリアミド多孔質フィルムが開示されている。しかし、この技術は、金属酸化物微粒子を完全に除去するに至っておらず、緻密な連続孔構造を形成することは困難である。
リチウムイオン二次電池用のセパレーターとして用いる場合、特に携帯電話やノートパソコン等のモバイル用途では、安全対策として130℃付近で透過性が喪失する、所謂シャットダウン性が要求されることがある。芳香族ポリアミドの多孔質フィルムは、実質的に融点を持たないため、シャットダウン機能を発現しないという課題があった。
このようなシャットダウン性を有しない多孔質膜については、低融点の樹脂と複合化する様々な方法が提案されている(例えば、特許文献5〜15参照)。これらの中で、特に、低融点の粒子をフィルム表面に塗布することでシャットダウン性を付与する方法が、フィルムの厚みを薄く保てるために好ましく用いられている。このような粒子として多くの場合、ポリエチレン製の粒子が使用されるが、ポリエチレンと芳香族ポリアミドでは分子構造が大きく異なり、密着性が低いことが問題となっていた。
また、リチウムイオン電池の容量、出力が向上するにつれて、シャットダウン動作速度が上昇してきているが、電池の劣化が起こりやすくなることがある。劣化の原因は様々あり得るが、セパレーターの絶縁性に起因する短絡が生じることにより劣化することもある。
特開平5−335005号公報 特開平7−78608号公報 特開平7−37571号公報 特開2001−98106号公報 特開平10−6453号公報 特開2000−100408号公報 特開2000−223107号公報 特開2006−164761号公報 特開2006−164873号公報 特開2006−289657号公報 特開2007−149507号公報 特開2007−275580号公報 特開2007−299612号公報 特開2007−324073号公報 特開2008−41606号公報
本発明は、上記した従来の問題を解決し、薄膜化が可能で、耐熱性に優れかつ、高温時の動作が安定で、シャットダウン性付与が可能な芳香族ポリアミド多孔質膜、多孔性フィルムおよびそれらを用いた電池用セパレーターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、連続孔を有する三次元網目構造を備え、少なくとも片面の開口密度が5個〜1,000個/10μmであり、かつ60°入射における光沢度が20〜120%の芳香族ポリアミド多孔質膜であることを特徴とする。
本発明によれば、以下に説明するとおり、所望の空孔率、ガーレ値を有しつつ、薄膜化が可能で、耐熱性に優れかつ、高温時の動作が安定で、シャットダウン性付与が可能な芳香族ポリアミド多孔質膜が得られ、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる。
本発明の一実施態様に係る三次元網目構造を示す概略断面図である。 ストレートホールを有する構造を示す概略図である。 ストレートホールが湾曲あるいは分岐した貫通孔を有する構造を示す概略図である。 球状あるいは円盤状の空孔がごく狭い経路でつながっている構造を示す概略図である。
本発明において用いることができる芳香族ポリアミドとしては、次の化学式(1)および/または化学式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好適である。
化学式(1):
化学式(2):
ここで、Ar、Ar、Arの基としては、例えば、次の化学式(3)〜(7)
化学式(3)〜(7):
などが挙げられ、X、Yの基は、
A群: −O−、−CO−、−CO−、−SO−、
B群: −CH−、−S−、−C(CH
などから選択することができる。
さらに、これら芳香環上の水素原子の一部が、フッ素や臭素、塩素などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、メチルやエチル、プロピルなどのアルキル基(特にメチル基)、メトキシやエトキシ、プロポキシなどのアルコキシ基等の置換基で置換されているものが、吸湿率を低下させ湿度変化による寸法変化が小さくなるため好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されていてもよい。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以上を占めていることが好ましく、より好ましくは90モル%以上を占めていることである。ここでいうパラ配向性とは、芳香核上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状態をいう。このパラ配向性が80モル%未満の場合、多孔質膜の剛性および耐熱性が不十分となる場合がある。さらに、芳香族ポリアミドが下記化学式(8)で表される繰り返し単位を60モル%以上含有する場合、延伸性及び多孔質特性が特に優れることから好ましい。
化学式(8):
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜(以下、単に多孔質膜ということがある)は、連続孔を有する3次元網目構造を有している。三次元網目構造が連続孔を形成すると、多孔質膜の剛性や耐熱性を保ちつつ、空孔率を上げることができ、かつ、得られた空間全体に速やかに電解液や空気を送ることができることから好ましい。本発明でいう3次元網目構造とは、多孔質膜を構成するポリマーからなる繊維体が、三つ又以上に分岐する交点を持って接合している網目構造が3次元に広がっている構造をいう(図1参照)。他方、3次元網目構造に属さない孔構造としてストレートホールを有する構造(図2参照)、ストレートホールが湾曲あるいは分岐した貫通孔を有する構造(図3参照)及び球状あるいは円盤状の空孔がごく細い経路でつながっている構造(図4参照)が挙げられるが、これらの孔構造は、片面に存在する1個の開口部から、もう一方の面までをつなぐ経路の数があまりにも少なく、開口部や、経路中に存在する最も細い部分が、変形や、異物によって閉塞した場合、透気性やイオン伝導度が著しく低下する。
また、本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、少なくとも片側の表面の開口密度が5個〜1,000個/10μm、好ましくは10個〜800個/10μmであり、かつこのような開口密度を有する面について60°入射における光沢度が20〜120%、好ましくは40〜120%である。表面の開口密度が5個/10μm未満であると、片面に存在する1個の開口部から、もう一方の面までをつなぐ経路の長さが長く複雑になってしまい、透気性やイオン伝導度が低下したりすることがある。また、開口部が少ないために、表面に加工を行う際、開口部が塞がれてしまう傾向があり、その場合、透気性やイオン伝導度が変動するおそれが強い。一方、表面の開口密度が1,000個/10μmを超えると、開口面積は大きいものの個々の開口部の径が小さくなる傾向があり、その場合、透液性が著しく低下することがある。
60°入射における光沢度は20〜120%であると、デンドライト状結晶の発生抑制効果によると思われる電池保存特性の向上、また、熱可塑性樹脂の積層によるシャットダウン性付与が好適にできるため好ましい。20%未満であると、表面が不均質で、ほかの物と重ねたり、貼り合わせて用いるときに、突き刺したり、引っかかりがおきてしまい、電池特性が低下することがある。光沢度の上限は特に定めることはないが、測定法上120%を超えることは多孔質膜では難しいため、120%とする。
本発明に用いる芳香族ポリアミドは、屈折率が1.55以上であると好ましい。屈折率を1.55以上に高めることで、多孔質膜としたときの表面の光沢度を高くすることができ、また延伸を行っても光沢度の低下を抑えることが可能となる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、三次元網目構造を持つ内部と、開口と所定の光沢度とを持つ表面とが、連続して形成された単層膜(単一膜)であることが好ましい。三次元網目構造を有する多孔質膜に、開口部を設けたフィルムを貼り合わせた場合、多孔質膜、フィルム共に開口部が塞がってしまったり、透気性に斑ができたり、貼合部から剥がれが生じることがある。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、ガーレ透気度が0.5〜1,000秒/100mlであることが好ましい。ガーレ透気度が0.5秒/100mlより小さいと、強度が著しく低下し、ガーレ透気度が1,000秒/100mlより大きいと、通気、通液の抵抗が大きく、フィルターやセパレーター等に現実的に使用することが困難となる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜の厚みは、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜25μmである。0.1μm未満であると、強度が不足し加工時に膜切れが起きやすくなる。50μmを超えると、電池セパレーターとして用いる場合、電池内に組み込める電極、電解液の容量がその分少なくなり、結果として電池の容量が小さくなってしまう。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、長さ方向、幅方向とも、破断伸度が5%以上であることが好ましい。破断伸度が5%未満であると、局部的に圧縮や変形があった場合、隣接する多孔質膜が追従して変形することなく、界面にて裂け、割れが生じることがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に100%程度が限界である。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、少なくとも1方向の破断強度が20MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは50MPa以上である。破断強度が20MPa未満であると、加工する場合、工程中での突起や張力の変動により容易に破断してしまうことがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に1GPa程度が限界である。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、少なくとも1方向のヤング率が300MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは500MPa以上である。ヤング率が300MPa未満であると、ガスや液体を透過させる時の圧力変動で変形してしまうことがある。上限は特に定めることはないが、多孔質膜であれば一般的に10GPa程度が限界である。
なお、破断伸度、破断強度、ヤング率の測定は、JIS−K7127(1999年)に規定された方法に従って、ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて25℃、相対湿度65%において測定した。試験片は幅10mm、長さ100mmで引っ張り速度は300mm/分である。
次に本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜の製造方法について、代表例として、以下説明するが、これに限定されるものではない。
まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。この時、低分子量物の生成を抑制するため、反応を阻害するような水、その他の物質の混入は避けるべきであり、効率的な撹拌手段をとることが好ましい。また、原料の当量性は重要であるが、製膜性を損なう恐れのある時は、適当に調整することができる。また、溶解助剤として塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウムなどを添加してもよい。
単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの周期律表I族かII族のカチオンと水酸化物イオン、炭酸イオンなどのアニオンからなる塩に代表される無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、多孔質膜の湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロリド、アニリンなどを重合の完了した系に添加し、ポリマーの末端を封鎖してもよい。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜を得るためには、ポリマーの固有粘度ηinh(重合体0.5gを98質量%硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5(dl/g)以上であることが多孔質膜にしたときのハンドリング性が良くなるので好ましい。
これらポリマー溶液は、そのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸などの無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。製膜原液中のポリマー濃度は2〜30質量%程度が好ましい。薄く、安定した多孔質特性の多孔質膜を効率良く得られることから、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは8〜20質量%である。また、水を吸収させた際、速やかにポリマーが析出され、表面の開口密度を制御できることから、親水性ポリマーを混合してもよく、混合される親水性ポリマーは2〜40質量%が好ましい。より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは、8〜25質量%である。ポリマー濃度や、後述する製膜条件によってもコントロールが可能ではあるが、混合される親水性ポリマーが少ないと、開口密度は低く、多いと開口密度は高くなる傾向がある。親水性ポリマーとしてはポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸およびポリビニル硫酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性ポリマーが好ましい。
上記のようにして調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法により多孔質膜化が行われる。溶液製膜法には乾湿式法、湿式法、析出法などがあり、いずれの方法で製膜しても差し支えないが、多孔質膜の内部構造を任意に制御しやすいことから析出法がより好ましい。
析出法で多孔質膜を製造する場合、溶液をガラス板や、ドラム、エンドレスベルト等の支持体上に流延することによって、膜形状とした後、水を吸収させることにより、ポリマーを析出させる。この時、水を吸収させる方法は、霧状の水を付着させる方法、水中に導入する方法、調湿空気中に導入する方法、いずれの方法でも差し支えないが、水の吸収速度、量を細かくコントロール可能である調湿空気中へ導入する方法が好適に用いられる。
調湿雰囲気下で吸湿させて多孔質膜を製造する方法では、雰囲気の温度を20〜90℃、相対湿度を55〜95%RHとすることが好ましい。温度が20℃未満では、絶対湿度が低いため吸湿がゆっくりと進行し、ポリマーの溶解性が溶液膜内すべて均一に変化することから、光沢を持つ表面が形成されないことがあり、90℃を超えるとポリマー溶液に用いた溶媒によっては乾燥してしまうことがあり、表面に緻密な層ができ、光沢をもつ表面は形成されるものの、内部の多孔質構造が形成されないことがある。また、相対湿度が55%RH未満では、吸湿が進まず、ポリマーの溶解性が低下しないことから、孔構造が形成されないことがあり、95%RHを超えると表層のポリマーの溶解性が急激に低下して、表面に緻密な層ができ、多孔質構造が形成されないことがある。本発明の多孔質構造がより速やかに形成されることから、温度は30〜80℃、相対湿度は60〜95%RHであることがより好ましく、温度は40〜70℃、相対湿度は65〜90%RHであることがさらに好ましい。
高温高湿下においては、空孔率は小さく、個々の空孔径が大きい三次元網目構造有し、高い光沢度の表面を持つ多孔質膜が得られ、低温低湿下においては、空孔率が大きく、空孔径の小さい三次元網目構造を有し、両表面が同等の光沢度を有する多孔質膜が得られる。
また、調湿雰囲気下で吸湿させて多孔質膜を製造する方法では、支持体上に流延されてからポリマーが析出を終えるまでの時間は、0.1〜30分が好ましい。0.1分未満であると、厚み方向に空孔率が大きく変化することがあり、多孔質膜がカールしたり、折り曲げに弱い脆いものになることがあり、30分を超えると、両面ともに光沢度が低下することがある。
ポリマー析出を終えた溶液(高分子膜)は、湿式浴に導入され、脱溶媒が行われる。浴組成は、ポリマーの溶解度が低ければ特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いるのが、経済性、取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。この時同時に延伸を行ってもよく、延伸倍率は1.02〜3倍が好ましい。更に好ましくは1.05〜2倍である。
この際、多孔質膜中の不純物を減少させるために、浴組成は有機媒/水=70/30〜5/95、浴温度40℃以上であることが好ましい。さらに、最後に溶媒を完全に除去するために、水浴を通すことが有効である。水浴は、残存溶媒等を効率的に除去できることから、30℃以上であることが好ましい。30℃未満では、溶媒や添加した水溶性ポリマーが残存し、その後の乾燥熱処理時に、蒸発や分解することにより表面の光沢度を低下させることがある。浴温度の上限は特に定めることはないが、水の蒸発や沸騰による気泡の発生の影響を考えると、80℃までに抑えることが効率的である。導入時間は、1〜20分にすることが好ましい。
脱溶媒を終えた多孔質膜は、テンター内で乾燥、熱処理が行われる。この時の温度は、高温時の寸法安定性が向上するため、より高温にて行われることが好ましいが、用いたポリマーの熱分解温度以下で行う必要がある。芳香族ポリアミドにおいては、350〜400℃において熱分解が生じるため、それ以下の温度で熱処理を行うことが好ましい。好ましくは150〜320℃である。更に好ましくは180〜300℃である。また、この時幅方向への延伸、リラックスが施されてもよい。
本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる。
上記した本発明の芳香族ポリアミド多孔質膜は、開口密度と光沢度が上記した範囲(開口密度:5〜1,000個/10μm、60°光沢度:20〜120%)にある表面に熱可塑性樹脂層を設けて多孔性フィルムとすることが好ましい。開口密度が5個/10μm未満である表面に設けた場合、熱可塑性樹脂層中に含まれるバインダーや粒子によって、開口部が封止される可能性が高く避けた方がよい。一方、開口密度が1,000個/10μmを超える表面に設けた場合、開口の径が小さいために、熱可塑性樹脂層をバインダーを用いて設けた場合、バインダーによって開口部が封止される可能性がある。
また、60°入射における光沢度が20%未満である表面に設けた場合、表面に突起やうねりが多く、熱可塑性樹脂層を均一に形成することが困難であったり、層間の接触面積が著しく少なくなるため、接着強度の低下が起こる場合がある。
また、上記熱可塑性樹脂層は、融点が100〜150℃であると好ましい。これにより、多孔性フィルムにシャットダウン性を具備させることができる。熱可塑性樹脂層の融点が100℃未満であると、リチウムイオン二次電池用セパレーターとして用いた際に、使用環境が電池の他の素材には問題のない、100℃程度の低温でフィルムの貫通孔を遮蔽し、シャットダウンしてしまい誤作動が発生してしまう。一方、融点が150℃を超えるとセパレーターとした場合にシャットダウンする前に電池内で自己発熱反応が開始してしまうことがある。セパレーターとして用いる場合、シャットダウンが130〜150℃で機能することが好ましいので、熱可塑性樹脂層の融点は120〜150℃であることが好ましく、125〜150℃であればより好ましい。なお、熱可塑性樹脂層が複数の融点を有する場合には、最も高温の融点が上記範囲内であればよい。
芳香族ポリアミド多孔質膜上に形成される熱可塑性樹脂層は、融点が100〜150℃の粒子および融点が100〜150℃のバインダーを含んでいることが好ましい。熱可塑性樹脂層が粒子だけの場合、粒子の脱落が起こり、製造工程を汚染する場合があり、逆に熱可塑性樹脂層がバインダーだけの場合、シャットダウン性は発揮できるものの、芳香族ポリアミド多孔質膜の孔内にバインダーが侵入してしまい、透過性を阻害してしまう場合がある。なお、粒子、バインダー共に融点を複数示す場合には、最も高温の融点が上記範囲内であればよい。
熱可塑性樹脂層に用いる粒子としては、融点が100〜150℃の範囲内であれば特に限定されないが、非水電解液二次電池であるリチウムイオン電池に用いる場合、水分の系内への持ち込みを著しく嫌うことから、ポリオレフィン類を好ましく用いることができ、特に高密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレンなどからなる粒子を好ましく用いることができる。
熱可塑性樹脂層に用いるバインダーとしては、融点が100〜150℃の範囲内であり、なおかつ芳香族ポリアミド多孔質膜表面と粒子とを保持し、粒子の脱落が容易に発生しないものであれば特に限定されないが、粒子と同様に、非水電解液二次電池であるリチウムイオン電池に用いる場合、水分の系内への持ち込みを著しく嫌うことから、親水性官能基を多数有することなく、基材であるポリプロピレンとの親和性に優れるプロピレン共重合体を用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂層を構成する粒子とバインダーはその質量組成比が95:5〜60:40であることが好ましい。バインダーの質量組成比が5未満であると、芳香族ポリアミド多孔質膜と粒子の密着が悪く、粒子が容易に脱落してしまう場合がある。一方、バインダーの質量組成比が40を超えると、芳香族ポリアミド多孔質膜の孔内にバインダーが侵入してしまい、透過性を阻害してしまう場合がある。粒子とバインダーの質量組成比は、より好ましくは90:10〜65:35であり、90:10〜70:30であれば特に好ましい。
本発明の多孔性フィルムは電池のセパレーターなどに用いるために、透気性を有していることが好ましく、ガーレ透気度が10〜500秒/100mlの範囲内であることが、電池の内部抵抗低減、さらには出力密度向上の観点から好ましい。ガーレ透気度が10秒/100ml未満であるとリチウムイオン二次電池内で負極に析出した金属リチウムが多孔性フィルムを突き抜け短絡してしまい、問題となる場合がある。一方ガーレ透気度が500秒/100mlを超えると透気性が悪いために電池の内部抵抗が高く、高い出力密度を得られない場合がある。
本発明の多孔性フィルムはリチウムイオン二次電池のセパレーターとして用いた際に、シャットダウン性を有することが好ましいことから、130℃、30秒間の熱処理後のガーレ透気度が120分/100ml以上であることが好ましい。シャットダウン性とは、透気性が喪失されることを意味し、ガーレ透気度が120分以上ということは実質的に透気性を喪失し、透気度が無限大になっていることを示している。
なお、ガーレ透気度の測定は、JIS−P8117(1998年)に規定された方法に従って空気100ccが通過する時間を測定した。測定は、一方向に5cm以上の間隔で3カ所、その直角方向に5cm以上の間隔で3カ所、合計6カ所について行い、平均値を求めた。また、上記方法で測定を行えない場合は、多孔性フィルムの一方向に5cm以上の間隔で10カ所測定を行い、平均値を求めた。
本発明の多孔性フィルムは熱可塑性樹脂層含めて、全体の厚みが1〜100μmであることが好ましい。全体の厚みが1μm未満ではフィルムの強度不足により、電池内で短絡が発生しやすくなる場合がある。一方、フィルム全体の厚みが100μmを超えると電極間の距離が遠く、抵抗が大きくなってしまう。フィルム全体の厚みは2〜25μmであればより好ましい。
本発明の多孔性フィルムは、少なくとも一方向の200℃における熱収縮率が2%以下であることが好ましい。2%を超える場合、電池を高温で使用する場合や長時間使用して蓄熱した場合、セパレーターの収縮によって短絡が起こることがある。下限は0%である。耐熱性がより高くなり、安全性も向上することから、200℃における熱収縮率が1.5%以下であることがより好ましくは、1.0%以下であることが更に好ましい。
なお、熱収縮率の測定は以下のように行うことができる。多孔性フィルムを、幅1cm、長さ22cmの短冊状に、長辺が測定方向になるように切り取る。長辺の両端から1cmの部分に印をつけ、200℃の熱風オーブン中で30分間、実質的に張力を掛けない状態で熱処理を行った後、常温に戻し、印の間隔を測定し、下記の式で計算する。
熱収縮率(%)=((熱処理前の間隔−熱処理し冷却後の間隔)/熱処理前の間隔)×100
芳香族ポリアミド多孔質膜上に熱可塑性樹脂層を設けて、本発明の多孔性フィルムとする方法として特に限定されるものではないが、たとえば、芳香族ポリアミド多孔質膜にマイヤーバー法やグラビアコート法、ダイコート法などにより、溶媒に分散させた塗剤を表面に塗布し、その後乾燥させることにより熱可塑性樹脂層を造膜する方法を採ることができる。ここで、塗剤は所定の組成比となるように粒子とバインダーを計量して混合する。また、溶媒としては、芳香族ポリアミドを侵さないものであれば自由に選択できる。安全性、環境への揮発溶媒の飛散防止の観点から水系液体を用いることが好ましい。
本発明の多孔性フィルムは、優れた耐熱性、機械特性を有するだけでなく、シャットダウン性を有していることから、特にリチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池のセパレーターとして好ましく用いることができる。リチウムイオン二次電池以外の蓄電デバイスとしては、リチウムイオンキャパシタ等の電気二重層キャパシタを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源装置として使用することができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)表面の開口密度
電界放射型走査型顕微鏡(UHR−FE−SEM)を用いて、下記条件で芳香族ポリアミド多孔質膜の任意の場所で5×2μmの範囲を10点(回)観察した。
装置 :日立(株)製S−900H
加速電圧 :5kV
試料調製 :直接法
倍率 :10,000倍
得られた写真を観察し、開口部の個数を数え10点(回)の平均値を10μmあたりの個数とした。また、開口部であるかどうか判定が難しい場合は、傾斜法により観察し、その影の状態から判定してもよい。
(2)光沢度
JIS−Z8741(1997年)に規定された方法(Gs(60°))に従って測定を行った。測定装置として、スガ試験機(株)製ハンディーグロスメーターを使用した。
(3)熱可塑性樹脂層(コート層)および熱可塑性樹脂層を構成する粒子、バインダーの融点
熱可塑性樹脂層が粒子およびバインダーを含む場合は、粒子およびバインダーを次の方法で個別に測定し、最も高温の融点を熱可塑性樹脂層の融点とした。
粒子またはバインダーが分散した塗剤を適量採取し、熱風オーブンにて70℃で乾燥させ、固形分のみを採取する。固形分5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。窒素雰囲気下で室温から200℃まで20℃/分で昇温したときに観察される融解ピークについて、最も高温側のピーク温度をその粒子またはバインダーの融点とし、中でも、最も高温の融点を熱可塑性樹脂層の融点とした。
また、熱可塑性樹脂層が混合物でない場合や、粒子、バインダー以外の第3成分を含む場合、さらには、粒子とバインダーを所定の組成比で混合した後であっても、上記方法と同様に塗剤を乾燥させて固形分のみを採取し、示差走査熱量計で測定を行い、最も高温側のピーク温度を熱可塑性樹脂層の融点とした。なお、熱可塑性樹脂層を有するフィルムの表面から熱可塑性樹脂層のみを削り取ることで試料を採取し、同様の条件で測定することで熱可塑性樹脂層の融点を決定することもできる。
(4)コート層の密着性
コート層面にセロハンテープ(ニチバン製18mm幅)を貼り、その後勢いよくテープをはがし,テープはく離時の破壊モードでコート層とフィルムの密着性を以下の基準で評価した。
○:コート層、多孔質フィルムともに変化なし。
△:多孔質フィルム内での材料破壊であった。
×:コート層とフィルムの界面剥離であった。
(5)熱処理前のガーレ透気度
JIS−P8117(1998年)に規定された方法に従って測定を行った。
まず、試料の多孔質膜を直径28.6cm、面積645mmの円孔に締め付け、内筒により(内筒質量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通過する時間を測定し、ガーレ透気度とした。測定装置として、B型ガーレデンソメーター(安田精機製作所製)を使用した。
(6)熱処理後のガーレ透気度
内辺100mm四方のステンレス製金属枠にフィルムを固定し、130℃、30秒間の熱処理を熱風オーブンの中で行った。熱処理後、金属枠からフィルムを採取し、上記(5)と同様に測定することで、熱処理後のガーレ透気度を求めた。
(7)シャットダウン作動温度、内部電気抵抗比
フィルムを一辺の長さ25mmの正方形に切り取り、LiBFの1Nプロピレンカーボネート溶液の電解液を含浸させる。これを厚み0.5mm、直径18mmの2枚の白金製円盤の電極の間にはさみ、この電極間に1KHzで1ボルトの電圧をかけて、平板電池の内部電気抵抗を測定し、25℃での内部電気抵抗をセパレーターの電気抵抗とした。本平板電池を熱板上に置き、25℃から260℃まで、10℃/分で昇温した。この過程で内部電気抵抗が増大する温度をシャットダウン作動温度とした。
また、260℃から25℃まで10℃/分で降温した。降温後の25℃での内部電気抵抗を加熱前の内部電気抵抗で割ることで、シャットダウン後の内部電気抵抗比を求めた。なお、計算の結果、300以上の値となった場合は、実質的に意味のない数値となるため「∞」と表記した。
(8)熱収縮率
多孔性フィルムを、幅1cm、長さ22cmの短冊状に、長辺が測定方向になるように切り取った。長辺の両端から1cmの部分に印をつけ、200℃の熱風オーブン中で30分間、実質的に張力を掛けない状態で熱処理を行った後、常温に戻し、印の間隔を測定して、下記の式で計算した。フィルムの長手方向(MD)および幅方向(TD)にそれぞれ5回測定し、平均値を求めた。
熱収縮率(%)=((熱処理前の間隔−熱処理し冷却後の間隔)/熱処理前の間隔)×100。
(9)高温保存試験
以下の通りリチウムイオン電池を作成し、評価を行った。
・正極材料
LiCoO(セイミケミカル製C−012):89.5質量部
アセチレンブラック(電気化学工業製75%プレス品):4.5質量部
ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業製):6質量部
N−メチル−2−ピロリドン:40質量部
上記物質を混合し、スラリーを作成した。得られたスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗着、乾燥後、打抜き加工を行った。
・負極材料
メソカーボンマイクロビーズ(MCMB:大阪ガスケミカル製25−28):93質量部
アセチレンブラック:2質量部
ポリフッ化ビニリデン:5質量部
N−メチル−2−ピロリドン:50質量部
上記物質を混合し、スラリーを作成した。得られたスラリーを集電体である銅箔上に塗着、乾燥後、打抜き加工を行った。
プロピレンカーボネートとメチルカーボネートを質量比3:7で混合した溶媒に、LiPFを濃度が1mol/Lとなるように溶解させ、これを電解液として用いた。正極と負極の間に、フィルムをセパレーターとして挟み、打ち抜き加工後、正極、負極各端子を取り出し、アルミラミネートタイプの外装体に挿入した。当該外装体の3方をシール後、120℃で1時間乾燥を行い、電解液を注入し、減圧下で4方目をシールした。このようにして、各フィルム10個ずつリチウムイオン電池を作成し、1Cにて充放電を3回繰り返した後、1Cにて満充電を行い、45℃雰囲気化に電流をかけない状態で100時間放置し、以下の基準で評価を行った。
◎:短絡なく、全て正常に作動した。
○:正負極が短絡した電池が1個であった。
△:正負極が短絡した電池が2〜3個であった。
×:正負極が短絡した電池が4個以上であった。
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施例1)
脱水したN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す)に、ジアミン全量に対して80モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、ジアミン全量に対して20モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これにジアミン全量に対して98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリド(以下、CTPCと記す)を添加し、2時間撹拌により重合し、芳香族ポリアミドの溶液を得た。重合開始時の溶液温度は4℃で、CTPCを10等分し、10分間隔で添加することにより、重合中の温度上昇を28℃までに抑えた。この溶液を水とともにミキサーに投入し、攪拌しながらポリマーを沈殿させて、取り出した。
このポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、重量平均分子量が10,000のポリビニルピロリドン(以下、PVPと記す)を加え、均一に完全相溶した製膜原液を得た。それぞれの添加量は、ポリマー10質量%、NMP70質量%、PVP20質量%となるように調製した。
この製膜原液を、ダイコーターで100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み約120μmの膜状に塗布し、温度30℃、相対湿度85%RHの調湿空気中で2分間処理した。次に、失透した多孔質層を剥離後、60℃の水浴に2分間導入し、溶媒の抽出を行った。続いて、テンター中で最初は90℃で1分乾燥を行った。最後に、幅方向はそのままで、250℃で2分間の熱処理を行い、多孔質膜を得た。
ついで、塗剤として、三井化学(株)製ケミパール“W100”(融点128℃)を80質量部と、同じくケミパール“EP150H”(融点115℃)を20質量部、イオン交換水80質量部、エタノール(特級)20質量部を混合した懸濁液を準備した。塗剤をマイヤーバーにてポリエチレンテレフタレートフィルムと接している面にコーティングし、その後70℃の熱風オーブン中で1分間乾燥させることで、トータル厚み25μm、コート層厚み3μmの多孔性フィルムを得た。
主な製造条件を表1に、評価結果を表2、3に示した。特性はすべて優れたものであった。
(実施例2〜3)
実施例1と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。
以下、実施例1と同様にコート層を形成した。
(実施例4)
実施例1と同様にして得たポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、重量平均分子量が10,000のPVPを加え、均一に完全相溶した製膜原液を得た。それぞれの添加量は、ポリマー10質量%、NMP65質量%、PVP25質量%となるように調製した。このポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。
以下、実施例1と同様にコート層を形成した。
(比較例1)
実施例1と同様にして得たポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、重量平均分子量が10,000のPVPを加え、均一に完全相溶した製膜原液を得た。それぞれの添加量は、ポリマー10質量%、NMP75質量%、PVP15質量%となるように調製した。このポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。
以下、実施例1と同様にコート層を形成した。
(比較例2)
実施例1と同様にして得たポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、重量平均分子量が300のポリエチレングリコール(以下、PEGと記す)を加え、均一に完全相溶した製膜原液を得た。それぞれの添加量は、ポリマー10質量%、NMP70質量%、PEG20質量%となるように調製した。このポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。
以下、実施例1と同様にコート層を形成した。
(比較例3)
実施例4と同様にして得たポリマー溶液を、表1に示す条件にて流延、析出、延伸、乾燥、熱処理を行い多孔質膜とした。
以下、実施例1と同様にコート層を形成した。
シャットダウン作動温度測定において、130℃で内部電気抵抗が極大化したが、その後低下、シャットダウンは得られなかった。
(比較例4)
脱水したN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す)に、ジアミン全量に対して80モル%に相当するメタパラフェニレンジアミンと、ジアミン全量に対して20モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これにジアミン全量に対して98.5モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌により重合し、芳香族ポリアミドの溶液を得た。重合開始時の溶液温度は4℃で、CTPCを10等分し、10分間隔で添加することにより、重合中の温度上昇を28℃までに抑えた。この溶液を水とともにミキサーに投入し、攪拌しながらポリマーを沈殿させて、取り出した。
このポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、重量平均分子量が60,000のポリビニルピロリドン(以下、PVPと記す)を加え、均一に完全相溶した製膜原液を得た。それぞれの添加量は、ポリマー10質量%、NMP88質量%、PVP2質量%となるように調製した。
この製膜原液を、ダイコーターで100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み約120μmの膜状に塗布し、温度30℃、相対湿度85%RHの調湿空気中で2分間処理した。次に、失透した多孔質層を剥離後、60℃の水浴に2分間導入し、溶媒の抽出を行った。続いて、テンター中で最初は90℃で1分乾燥を行った。最後に、幅方向はそのままで、250℃で2分間の熱処理を行い、多孔質膜を得た。
ついで、塗剤として、三井化学(株)製ケミパール“W100”(融点128℃)を80質量部と、同じくケミパール“EP150H”(融点115℃)を20質量部、イオン交換水80質量部、エタノール(特級)20質量部を混合した懸濁液を準備した。塗剤をマイヤーバーにてポリエチレンテレフタレートフィルムと接していない面にコーティングし、その後70℃の熱風オーブン中で1分間乾燥させることで、トータル厚み22μm、コート層厚み3μmの多孔性フィルムを得た。
主な製造条件を表1に、評価結果を表2、3に示した。
本発明は、フィルター、分離膜、電池用セパレーター、プリント基板などに好適に使用できる芳香族ポリアミド多孔質膜に関するが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
1:樹脂組成物
2:連続孔
3:樹脂組成物
4:ストレートホール
5:樹脂組成物
6:ストレートホールが湾曲あるいは分岐した貫通孔
7:樹脂組成物
8:ごく細い経路でつながっている球状あるいは円盤状の空孔

Claims (7)

  1. 連続孔を有する三次元網目構造を備え、少なくとも片面の開口密度が5個〜1,000個/10μmであり、かつ60°入射における光沢度が20〜120%である芳香族ポリアミド多孔質膜。
  2. 単層膜である、請求項1に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
  3. ガーレ透気度が0.5〜1,000秒/100mlである、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド多孔質膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜を用いてなる電池用セパレーター。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリアミド多孔質膜の、開口密度が5個〜1,000個/10μmであり、かつ60°入射における光沢度が20〜120%である表面に熱可塑性樹脂層を設けた多孔性フィルム。
  6. ガーレ透気度が10〜500秒/100mlである、請求項5に記載の多孔性フィルム。
  7. 請求項5または6に記載の多孔性フィルムを用いてなる電池用セパレーター。
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