JP5640530B2 - ワイヤレス給電システム - Google Patents
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Description
また、近年、電磁共鳴現象を利用した磁界共鳴方式と呼ばれる方式を用いたワイヤレス給電、および充電システムが注目されている。
なお、電磁共鳴現象には磁界共鳴方式の他に電界共鳴方式がある。
また、磁界共鳴方式を採用して、60Wの電力を伝送し、50cm離れた電子機器を駆動する高効率な「ワイヤレス給電システム」の開発が報告されている。
この無線電力伝送技術では、数mの距離で数10Wの無線電力伝送ができるので、オフィスや家庭内での、新しいコンセプトの商品への応用が期待されている。
これは電磁誘導方式の伝送距離(送受信コイル直径の1/10〜1/7)に比べて大きな値である。
このような長い距離の伝送は「非常に鋭い共振現象」を利用することで実現される。伝送距離を伸ばすには「共振の鋭さ(Q値)」を大きくして共振器の特性を上げれば良い。
高いQ値は周波数領域で見た場合、急峻な周波数特性を持つことを意味し、帯域幅とはトレードオフの関係となる。
このように、高いQ値を得ることは、その副作用として帯域が狭くなり,周波数ずれ等に因り急激なエネルギー伝達効率の低下を招く。さらに具体的には下記のような欠点に繋がる。
周囲環境の変化や温度変化により共振器の共振周波数がずれると伝送効率が著しく低下する。
共振点以外の周波数では電力を伝送できない。よって予め設定した共振周波数以外で電力を伝送するには共振周波数を変更する必要がある。そこで何らかの定数の設定変更が必要となる。すると機構的に複雑になり、電気的特性の劣化に繋がる(共振器のQ値の低下など)。
電力伝送用の搬送波に変調を掛けてデータを重畳することも可能である。この場合、ノイズ耐性の高い位相変調・周波数変調ではデータの転送レートと占有帯域幅は比例関係にあるので、伝送帯域幅が狭いと高速なデータ伝送を行うことは困難となる。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(ワイヤレス給電システムの第1構成例)
2.第2の実施形態(ワイヤレス給電システムの第2構成例)
3.第3の実施形態(ワイヤレス給電システムの応用)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るワイヤレス給電システムの送電側コイルおよび受電側コイルの関係を模式的に示す図である。
本ワイヤレス給電システム10は、給電装置20および受電装置30を有する。
共振コイルは共鳴コイルとも呼ぶが、本実施形態においては共振コイルと呼ぶこととする。
共振コイル212は、給電コイル211と電磁誘導により結合する空心コイルにより形成され、給電コイル211により給電されたAC電力をワイヤレスで効率良く伝送する。
なお、給電側において、給電コイル211と共振コイル212とは電磁誘導により強く結合している。
周波数特性補正回路22は、基本的に、周波数特性補正用のLC共振回路221、および給電(送信)用のLC共振器222を含んで構成される。
図3(B)は、共有インダクタンスで結合させた例を示している。
図3(C)は、共有キャパシタンスで結合させた例を示している。
図3(D)は、容量結合させた例を示している。
図4(A)は、直結(フル・タップ)の例を示している。
図4(B)は、コイルでタップを取りインピーダンス変換した例を示している。
図4(C)は、容量でタップを取りインピーダンス変換した例を示している。
また、送信用共振器222からタップを取るなどして周波数特性補正回路と兼用しても構わない。たとえば、図3(B)において破線部を送信用共振器222で構成するなどの態様である。
また、図3および図4においては周波数特性補正用の共振回路221がひとつの例のみを示したが、複数の共振回路を挿入して段数を上げても良い(図示せず)。多段化することでより緻密な周波数特性の作り込みも可能である。
図5(A)が周波数特性補正回路を挿入しない場合の伝送特性を、図5(B)が周波数特性補正回路を挿入した場合の伝送特性を示している。
図5からわかるように、周波数特性補正回路22を挿入することにより、伝送帯域幅を広帯域化できる。
高周波電力発生部24で発生された高周波電力は、送電コイル部21の給電コイル211に給電(印加)される。
送電側の給電コイル211と共振コイル212が電磁誘導により結合している。
さらに、共振コイル212と受電側の受電コイル311が結合して電力を負荷34に供給する。
送電側の給電コイル211と共振コイル212を送電(給電)装置として一体化することで、受電側には受電コイル311と整合回路32のみの構成とすることが可能なため、受電装置30を小型化、簡略化することができる。
周波数特性補正回路22においては、高いQ値を維持しながら、周波数特性を広帯域化して、送電コイル部21の給電コイル211に結合される。
このように、周波数特性が拡大されて広帯域化された電力が給電コイル211に給電され、給電コイル211を介し、電磁誘導による結合で送電用共振コイル212に伝送される。
送電用共振コイル212に供給された電力は、共振コイル212によって定まる周波数において整合回路32に接続された受電コイル311を介し整流回路33に供給される。
整流回路33ではAC電力は、DC電力に変換された後、図示しない電圧安定化回路において、DC電力が、供給先である電子機器の仕様に応じたDC電圧に変換されて、その安定化したDC電圧がバッテリやLED等の負荷34に供給される。
このため、送電側の共振コイル212と受電コイル311との距離によって変わる結合の強さの調整と、マッチング回路32でのインピーダンス調整によって、異なる共振周波数の送電コイルとの組み合わせでも受電側は使用することができる。
そして、送電側の共振コイル212と受電コイル311との距離Dによって変わる結合の強さと、受電側の整合回路32でのインピーダンス調整によって伝送特性を調整できる。
図6は、本実施形態に係るマッチング回路が接続された受電コイルのインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
図7は、整合回路を持たない受電コイルのインピーダンス特性を比較例として示すスミスチャートである。
そのため、比較例のようにマッチング回路を持たない場合、受電側の負荷34とのインピーダンスが合わずに伝送ロスが大きくなり、図7に示すように、このままの構成では効率よく使用することができない。
これに対して、本実施形態のように、受電コイル311と負荷34との間に整合回路32を追加することで、図6に示すように、負荷とのインピーダンスのマッチングをとり伝送効率を上げることができる。
ここで、磁界共鳴型ワイヤレス給電システムおよび電磁誘導型ワイヤレス給電システムの伝送ロス特性を比較例として示す。
図9は、本実施形態に係るワイヤレス給電システムの伝送距離と伝送ロスと周波数との関係を対応付けて示す図である。
図10は、本実施形態に係るワイヤレス給電システムの送受電コイルを模式的に示す図である。
この例では、共振コイル212は、その巻数が14で、一辺が170mmの矩形状に形成される。
受電ループコイル311aは、その巻数が1で、一辺が90mmの矩形状に形成される。
コイルの線径はともに1mmである。
そして、共振コイル212と受電コイル311a間の距離が伝送距離Dとなる。
図8において、Kで示す曲線は伝送距離Dが10mmのときの伝送ロス特性を、Lで示す曲線は伝送距離Dが30mmのときの伝送ロス特性を示している。
図8において、Mで示す曲線は伝送距離Dが50mmのときに伝送特性を、Nで示す曲線は伝送距離Dが100mmのときの伝送特性を示している。
伝送距離Dが30mmのとき、伝送ロスが−0.26[dB]で、周波数は12.9[MHz]である。
伝送距離Dが50mmのとき、伝送ロスが−0.64[dB]で、周波数は12.8[MHz]である。
伝送距離Dが100mmのとき、伝送ロスが−4.13[dB]で、周波数は12.8[MHz]である。
図12は、比較例として共鳴型ワイヤレス給電システムの伝送距離と伝送ロスと周波数との関係を対応付けて示す図である。
図13は、比較例として共鳴型ワイヤレス給電システムの送受電コイルを模式的に示す図である。
この例では、送電側共振コイル212および受電側共振コイル313は、その巻数が共に14で、一辺が170mmの矩形状に形成される。
コイルの線径はともに1mmである。
そして、送電側共振コイル212と受電側共振コイル313間の距離が伝送距離Dとなる。
図11において、Mで示す曲線は伝送距離Dが50mmのときに伝送特性を、Nで示す曲線は伝送距離Dが100mmのときの伝送特性を示している。
伝送距離Dが50mmのとき、伝送ロスが−6.45[dB]で、周波数は13.4[MHz]である。
図15は、比較例として電磁誘導型ワイヤレス給電システムの伝送距離と伝送ロスと周波数との関係を対応付けて示す図である。
図16は、比較例として電磁誘導ワイヤレス給電システムの送受電コイルを模式的に示す図である。
送電側給電コイル211bと受電側給電コイル311bの距離が伝送距離Dとなる。
図14において、Jで示す曲線は伝送距離Dが5mmのときの伝送特性を、Kで示す曲線は伝送距離Dが10mmのときの伝送特性を、Lで示す曲線は伝送距離Dが50mmのときの伝送特性を示している。
伝送距離Dが10mmのとき、伝送ロスが−4.22[dB]で、周波数は0.7[MHz]である。
伝送距離Dが50mmのとき、伝送ロスが−10.40[dB]で、周波数は0.3[MHz]である。
すなわち、電磁誘導型ワイヤレス給電システムにおいては、伝送距離は数mm程度である。
これに対して、本実施形態に係るワイヤレス給電システム10においては、電磁誘導型よりも伝送距離を延ばせるため、設置の自由度があり、小型機器への給電、充電に適している。
また、上述したように、本実施形態に係るワイヤレス給電システム10においては、共鳴型のように、伝送距離を近づけると周波数特性が変化し、かえって伝送特性が劣化してしまうことがない。
すなわち、本実施形態に係るワイヤレス給電システム10においては、伝送距離を近づけても共振コイルの周波数特性の変化がないため、伝送特性は劣化しない。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
共振器結合型の長い伝送距離の実現に要求される共振器の高い性能(Q値)を維持したまま広帯域化が可能である。
搬送波の周波数がずれても伝送効率が低下しない。よって給電装置(送信機)内の発振器の周波数精度は低くて済む。また、温度変化や電源変動による発振周波数変動の影響を受けずに済む。
電力伝送においては通信とは比較にならない大きなパワーを扱う。その際に近傍の通信端末や受信機に妨害を与えてはならない。もし、与干渉により妨害を与える様な場合には速やかに異なる周波数へ遷移するなどの処置が必要となる。その際に本実施形態は広帯域な伝送特性を有するので搬送波周波数を変更する場合にも共振器から構成される伝送部の変更は不要である。よって高い特性を維持したまま、容易に与干渉への対応が可能となる。
データ通信を行う場合、電力伝送用の搬送波を変調することで通信を行うことが可能であるが、通信と電力伝送を同時に行うことは必要・十分な送信電力が異なることから不都合もある。よって通信と電力伝送を異なる周波数で行いたい場合もあるが、帯域が狭い従来方式では別途アンテナを持たなければ不可能だった。これに対して、本発明の実施形態を用いれば送信部を広帯域化できるため、電力伝送用の周波数とは異なる周波数で同時に通信を行うことが可能となる。
周波数特性補正回路は多様な変形が可能であり、条件に応じて適当な物を使用可能である。因みに周波数特性補正回路は受信装置側のみに配置することも可能であるし(図示せず)、送信装置と受信装置の双方に配置することも可能である(図示せず)。
共振器の段数を増やすことで更なる広帯域化やスプリアス発射の抑制が可能である。
図17は、本発明の第2の実施形態に係るワイヤレス給電システムの構成例を示すブロック図である。
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
図18は、本発明の実施形態に係るワイヤレス給電システムの応用例を示す図である。
図18において、受電装置としては、携帯端末などの小型機器30Bや電飾体30Cが例示されている。
小型機器30Bや電飾体30Cには、受電用ループコイル311が組み込まれている。
給電装置20Bの主面25上に置かれた、あるいは数十mm程度に近接された小型機器30Cの充電や電飾体30Cに対して、給電装置20Bに組み込まれた共振コイル212から電力が送電され、小型機器30Bや電飾体30Cなどの給電に使用できる。
すなわち、本実施形態によれば、共振コイルが1つですむため、受電側には簡単なループコイルとマッチング回路のみで構成できるため受電側の小型化ができる。
近い距離でも共振する周波数が変化しないため、周波数の調整回路などがなくても効率良く給電することが可能なので構成が簡単になる。
電磁誘導のように厳密な位置合わせが必要なく、ユーザーの使い勝手が良い。
異なる共振周波数の送電コイルとの組み合わせの使用でも、受電側の距離とマッチング回路の調整によって使用することができる。
本実施形態に係るワイヤレス給電システムにおいては、整合回路を通して供給される伝送すべき電力の高いQ値を維持しながら、周波数特性を拡大して広帯域化して、送電コイル部の給電コイルに結合させる周波数特性補正回路を有する。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
共振器結合型の長い伝送距離の実現に要求される共振器の高い性能(Q値)を維持したまま広帯域化が可能である。
搬送波の周波数がずれても伝送効率が低下しない。よって給電装置(送信機)内の発振器の周波数精度は低くて済む。また、温度変化や電源変動による発振周波数変動の影響を受けずに済む。
Claims (6)
- 給電装置と、
上記給電装置から送電された電力を受電する受電装置と、を有し、
上記給電装置は、
給電すべき電力を生成する電力生成部と、
上記電力生成部で生成される電力が給電される1つの共振素子と、を含み、
上記受電装置は、
上記共振素子との非共振状態での結合関係をもって、上記給電装置から送電された電力を受電する1つの受電素子を含み、受電した電力に応じた電力を負荷に供給し、
上記給電装置の上記共振素子への電力伝搬経路、および上記受電装置の受電電力伝搬経路の少なくとも上記給電装置の上記共振素子への電力伝搬経路に、電力の周波数特性を拡大して広帯域化する周波数特性補正回路を有し、
上記受電装置は、
上記電力の上記受電素子の負荷との接続部におけるインピーダンス整合機能を含む整合部を含む
ワイヤレス給電システム。 - 上記周波数特性補正回路は、
周波数特性補正用の共振回路、および周波数特性補正用の共振回路と結合する給電用の共振回路を含む
請求項1記載のワイヤレス給電システム。 - 上記給電装置は、
給電すべき電力を生成する上記電力生成部と、
上記電力の周波数特性を拡大して広帯域化する上記周波数特性補正回路と、
上記周波数特性補正回路で周波数特性が拡大されて広帯域化された電力が給電され、電磁誘導によって上記共振素子と結合する給電素子と、を含み、
上記共振素子は、
上記給電素子により電磁誘導により結合する
請求項1または2記載のワイヤレス給電システム。 - 上記給電装置は、
給電すべき電力を生成する上記電力生成部と、
上記電力の周波数特性を拡大して広帯域化する上記周波数特性補正回路と、を含み、
上記共振素子は、
上記周波数特性補正回路の一端部とタップ接続されている
請求項1から3のいずれか一に記載のワイヤレス給電システム。 - 上記給電装置は、
上記電力生成部による電力の給電点におけるインピーダンス整合機能を含む整合部を含む
請求項1から4のいずれか一に記載のワイヤレス給電システム。 - 周波数は上記共振素子により定まり、
伝送特性は、
送電側の上記共振素子と受電素子との距離によって変わる結合の強さと、受電側の上記整合部でのインピーダンス調整によって調整可能である
請求項1から5のいずれか一に記載のワイヤレス給電システム。
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