JP5523941B2 - 金属充填微細構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、レジストとマスクを用いて導電性の柱を電鋳で作製し、これに絶縁性素材を流し込み硬化させることで異方導電性フィルムを製造する方法が検討されている。
そのため、このような電子部品に対応できるよう、異方導電性部材における導通路もその外径(太さ)をより小さくし、かつ、狭ピッチで配列させる必要が生じている。
しかしながら、上記特許文献1〜3等に記載されている異方導電性フィルムを製造する方法では、導通路のサイズを小さくすることは非常に困難であり、狭ピッチでサイズが小さい導通路を得るのは困難である。
一方、狭ピッチでサイズが小さいマイクロポアを有する微細構造体に金属を充填することは知られているが、マイクロポアの深さ方向に高い充填率で金属を充填した材料およびその製造方法は知られていない。
(1)1×10 6 〜1×10 10 /mm 2 の密度で、孔径10〜5000nm、深さ50〜1000μmの貫通孔を有する絶縁性基材からなる貫通構造体の貫通孔内部に、貫通孔の深さの80%以上の深さまで金属が充填されている金属充填微細構造体を製造する金属充填微細構造体の製造方法であって、少なくとも、
前記貫通孔への金属の充填が電解めっき方法により施され、
前記電解めっき処理時において、該電解めっきが少なくとも下記工程(A)、(B)の順で行われる、金属充填微細構造体の製造方法。
電解めっき工程(A):充填金属の高さが貫通孔の深さの0.01%〜1%まで電解めっきを行い、その時点で、充填金属の高さの平均値からの誤差が30%以内である、
電解めっき工程(B):工程(A)で行った電解めっき時よりも低い電流密度で、電解めっきする。
(2)前記電解めっき工程において、前記貫通構造体の周囲に下記式(i)により定義される最低面積以上の被めっき部分を設ける、(1)に記載の金属充填微細構造体の製造方法:
最低面積(mm2)=C(mm)×1(mm) (i)
前記式(i)中、Cは、貫通構造体の外周長を表す。
(3)前記貫通構造体の底面に形成した電極膜に接する陰極と、該陰極に対抗する対抗電極とを用いて前記貫通構造体をめっきする際に、前記貫通構造体のめっきされる平面の面積より前記最低面積以上大きな陰極を用いて、前記貫通構造体の周囲に前記最低面積以上の被めっき部分を設ける(2)に記載の金属充填微細構造体の製造方法。
(4)前記電解めっきにおいて、めっき液の平均流速が3cm/sec〜200cm/secである、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
(5)前記電解めっきにおいて、前記貫通構造体が少なくとも回転、または移動、もしくは振動する、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
(6)前記貫通構造体の底面に形成した電極膜に接する陰極と、該陰極に対抗する対抗電極とを用いて前記貫通構造体をめっきする際に、前記貫通構造体のめっきされる平面の面積と前記貫通構造体の周囲に設けた被めっき部分の面積との和より小さい面積を持つ対抗電極を用いてめっきする(2)〜(5)のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
また、未充填部分への異物混入量が低減し、洗浄の簡略化が可能となる。
本発明の金属充填微細構造体は、1×106〜1×1010/mm2の密度で、孔径10〜5000nm、深さ50〜1000μmの貫通孔を有する絶縁性基材からなる微細構造体であって、該マイクロポア貫通孔内部に、深さ方向の充填率80%以上で金属が充填されている。
本発明の金属充填微細構造体1は、図2に拡大説明図で示すように、マイクロポア貫通孔3を有する絶縁性基材2において、該マイクロポア貫通孔3には、深さ方向に80%以上の深さまで金属4が充填されている。図2の金属充填微細構造体1の場合、金属充填微細構造体の平面充填率は100%である。
ここで、マイクロポア貫通孔の深さ方向の金属の充填率(以下、深さ充填率という)は、金属充填微細構造体を貫通孔の深さ方向に対してFIBで切削加工し、その切削面をFE−SEMで観察し、充填高さを所定数の個所で観察し、充填高さの平均値を計算して、当該所定数個の貫通孔の深さの平均値で割り、%を求めることができる。
本発明の金属充填微細構造体1を異方導電性部材として用いる場合、金属4が充填されたマイクロポア貫通孔3が該異方導電性部材の導通路をなす。
本発明の金属充填微細構造体1は、貫通構造体10のマイクロポア貫通孔3内に金属が充填されたものである。貫通構造体10は、マイクロポア貫通孔3を有する絶縁性基材2で構成されている。マイクロポア貫通孔3は、好ましくは孔径10〜5000nm、深さ50〜1000μm、密度1×106〜1×1010/mm2で絶縁性基材2中の厚さ方向に存在する。ここで、絶縁性基材は、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材(例えば、熱可塑性エラストマー等)と同程度の電気抵抗率(1014Ω・cm)を有するものであればよい。
絶縁性基材は、上記を満たす限り特に限定されないが、所望の孔径を有する独立したマイクロポア貫通孔3が得られ、しかも、高アスペクト比のマイクロポア貫通孔3を得られることから、金属の陽極酸化により形成される酸化皮膜が好ましく、陽極酸化される金属はいわゆるバルブ金属と呼ばれる。アルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスが例示され、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であることからアルミニウムの陽極酸化により得られるアルミナ基材が特に好ましい。
マイクロポア貫通孔3の密度がこの範囲にあることにより、本発明の微細構造体は高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の検査用コネクタ等として使用することができる。
マイクロポア貫通孔3の密度が、2×106〜8×109/mm2であるのが好ましく、5×106〜5×109/mm2であるのがより好ましい。
マイクロポア貫通孔3の孔径がこの範囲であると、電気信号を流した際に十分な応答を得ることができるため、本発明の金属充填微細構造体1を電子部品の検査用コネクタとして好適に用いることができる。
マイクロポア貫通孔3の孔径は、10〜3000nmであるのが好ましく、10〜1000nmであるのがより好ましく、20〜1000nmであるのが更に好ましい。
貫通孔の孔径に対する深さの比、すなわち貫通孔のアスペクト比は100以上が好ましく、100〜100000がより好ましく、200〜10000がより好ましい。
本発明の金属充填微細構造体1において、マイクロポア貫通孔3に充填される金属4は、電気抵抗率が103Ω・cm以下の金属であれば特に限定されず、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、タングステン(W)等が好適に例示される。これらの金属のうちいずれか一種をマイクロポア貫通孔3に充填してもよいし、これらの金属のうち2種以上の合金をマイクロポア貫通孔3に充填してもよい。
中でも、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、ニッケルが好ましく、銅、金がより好ましい。
なお、コストの観点から、マイクロポア貫通孔3内部に充填される金属4としては、金以外の材料(例えば、銅)を使用し、さらに絶縁性基材2の両面から露出した面や突出した面(以下、「端面」ともいう。)の表面を金で形成してもよい。
本発明の金属充填微細構造体は、貫通孔中への金属の深さ充填率が80%以上であり、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、本発明の金属充填微細構造体は、貫通孔中への金属の平面充填率が80%以上であるのが好ましく、90%以上がより好ましく、特には95%以上が好ましい。
(1)1×106〜1×1010/mm2の密度で、孔径10〜5000nm、深さ50μm以上のマイクロポア貫通孔を有する絶縁性基材を製造し、
(2)前記貫通孔への金属の充填が電解めっき方法により施され、少なくとも貫通孔の深さの80%以上の深さまで金属を充填する製造方法である。
ここで、電解めっきが少なくとも下記工程(A)、(B)の順で行われる、金属充填微細構造体の製造方法が好ましい。
電解めっき工程(A):充填金属の高さが貫通孔の深さの0.01%〜1%まで電解めっきを行い、その時点で、充填金属の高さの平均値からの誤差が30%以内である、
電解めっき工程(B):工程(A)で行った電解めっき時よりも低い電流密度で、電解めっきする。
マイクロポア貫通孔を有する絶縁性基材として、アルミニウムの陽極酸化によるアルミナ基材を用いる場合、アルミニウム基板に、少なくとも、
(a)陽極酸化により、マイクロポアを有する酸化皮膜を形成する処理(陽極酸化処理)、および、
(b)前記(a)処理で得られた酸化皮膜から、アルミニウムを除去する処理(アルミニウム除去処理)、
(c)前記(b)処理でアルミニウムが除去された酸化皮膜に存在するマイクロポアを貫通化させる処理(貫通化処理)、をこの順に施すことにより得ることができる。
アルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハー、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
熱処理を施す場合は、200〜350℃で30秒〜2分程度施すのが好ましい。具体的には、例えば、アルミニウム基板を加熱オーブンに入れる方法等が挙げられる。
このような熱処理を施すことにより、後述する陽極酸化処理により生成するマイクロポアの独立性が向上する。
また、熱処理後のアルミニウム基板は、急速に冷却するのが好ましい。冷却する方法としては、例えば、水等に直接投入する方法等が挙げられる。
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、アルミニウム基板表面に付着した、ほこり、脂、樹脂等の有機成分等を溶解させて除去し、有機成分を原因とする後述の各処理における欠陥の発生を防止することを目的として行われる。
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム基板の表面の凹凸、例えば、アルミニウム基板の圧延時に発生した圧延筋等をなくして、電着法等による封孔処理の均一性や再現性を向上させるために行われる。
本発明において、鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
また、リン酸−硝酸法、Alupol I法、Alupol V法、Alcoa R5法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好適に挙げられる。中でも、リン酸−硝酸法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好ましい。
化学研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
電解研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
なお、光沢度は、圧延方向に垂直な方向において、JIS Z8741−1997の「方法3 60度鏡面光沢」の規定に準じて求められる正反射率である。具体的には、変角光沢度計(例えば、VG−1D、日本電色工業社製)を用いて、正反射率70%以下の場合には入反射角度60度で、正反射率70%を超える場合には入反射角度20度で、測定する。
アルミニウム基板を陽極酸化することにより、該アルミニウム基板表面にマイクロポアを有する酸化皮膜を形成する。
陽極酸化処理としては、従来公知の方法を用いることができる。本発明の微細構造体を異方導電性部材として用いる場合、マイクロポアの独立性が重要であるため、例えば、特許第3,714,507号、特開2002−285382号公報、特開2006−124827号公報、特開2007−204802号公報、特開2007−231339号公報、特開2007−231405公報、特開2007−231340号公報、特開2007−231340号公報、特開2007−238988号公報、等に記載されている、自己規則化法による陽極酸化処理が好ましい。これらの処理は、各特許および公報の処理条件にて記載されている処理が好ましい。
また、アルミニウム基板表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
上記(a)処理で得られた酸化皮膜から、アルミニウム基板を溶解して除去する。
即ち、アルミニウム溶解速度1μm/分以上、好ましくは3μm/分以上、より好ましくは5μm/分以上、および、酸化皮膜(アルミナ)溶解速度0.1nm/分以下、好ましくは0.05nm/分以下、より好ましくは0.01nm/分以下の条件を有する処理液を用いる。
具体的には、アルミニウムよりもイオン化傾向の低い金属化合物を少なくとも1種含み、かつ、pHが4以下8以上、好ましくは3以下9以上、より好ましくは2以下10以上の処理液を使用する。
濃度としては、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。
処理温度としては、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
上記(b)処理でアルミニウム基板が除去された酸化皮膜について、酸化皮膜の底部のみを除去することにより、酸化皮膜に存在するマイクロポアを貫通化させる。
この処理は、酸化皮膜の底部のみを酸水溶液またはアルカリ水溶液に接することにより行う。酸化皮膜の底部が除去されることにより、マイクロポアが貫通する(マイクロポア貫通孔が形成される)。
この処理にアルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
具体的には、上記(a)処理により形成した酸化皮膜の下方、即ち、酸化皮膜におけるアルミニウム基板側の部分を、レーザー等による切削処理や種々の研磨処理等を用いて物理的に除去し、マイクロポア貫通孔を有する酸化皮膜とする方法が好適に例示される。
電極形成処理は、上記(c)処理の後に、マイクロポア貫通孔を有する酸化皮膜の一方の表面に空隙のない電極膜を形成する処理である。
酸化皮膜の表面には、マイクロポア貫通孔による開口部が存在しているが、本処理により該酸化皮膜の表面に空隙のない電極膜を形成することにより、該開口部が電極膜で覆われた状態となる。
電極膜を形成する方法としては、マイクロポア貫通孔を有する酸化皮膜の一方の表面に空隙のない電極膜を形成することができる限り特に限定されない。具体的な形成方法としては、導電性材料、例えば、金属、の無電解めっき処理、導電性材料、例えば、金属、の直接塗布、等が好ましく、これらの中でも電極膜の均一性、及び操作の簡便性の観点から、無電解めっき処理が好ましい。
上記のようにめっき核を付与したのち、無電解めっき処理により電極膜を形成する。処理方法は温度、時間により電極層の厚さを制御できる観点から、浸漬法が好ましい。
無電解めっき液の種類としては、従来公知のものを使用することができるが、濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましく、100〜200g/Lであるのがより好ましい。
また、形成される電極膜の通電性を高める観点から、金めっき液、銅めっき液、銀めっき液等、貴金属を有するめっき液が好ましく、経時による電極の安定性すなわち、酸化による劣化を防ぐ観点から、金めっき液がより好ましい。
また、無電解めっきの処理温度、処理時間としては、形成しうる電極の厚さに依存するが、0℃〜90℃、1分〜10時間が好ましく、5℃〜75℃、10分〜7時間がより好ましく、10℃〜60℃、30分〜5時間が特に好ましい。
上記金属充填工程は、上記電極膜形成処理の後に、形成された電極膜を用いた電解めっき処理により、上記酸化皮膜のマイクロポア貫通孔の内部に導電性部材である金属を充填して上記した本発明の微細構造体を得る工程である。
ここで、充填する金属は、本発明の微細構造体において説明したものと同様である。
電解めっき工程(A):充填金属の高さが貫通孔の深さの0.01%〜1%まで電解めっきを行い、その時点で、充填金属の高さの平均値からの誤差が30%以内とする。
電解めっき工程(B):工程(A)で行った電解めっき時よりも低い電流密度で、電解めっきする。
上記の二段階、工程(A)と工程(B)とのめっきを行うと該酸化皮膜に存在するマイクロポア貫通孔に対して深さ方向に高い充填率で金属を充填することができる。
電解めっき工程(B)は、工程(A)で行った電解めっき時よりも低い電流密度で、貫通孔の深さ方向の残りの79%〜79.99%以上99%〜99.99%まで金属を充填する電解めっきをする。工程(A)で電流密度が変化した場合は、変化した電流密度の平均値よりさらに低い電流密度で電解めっき工程(B)を行う。
電流密度を低くする割合は限定されないが、3/4〜1/40が好ましく、1/2〜1/20がより好ましい。
この二段階の電解めっきを行えば、貫通孔の深さ方向の80%以上が金属充填された金属充填微細構造体を得ることができる。
また、電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えることも望ましい。
更に、電解電圧は、通常20V以下であって望ましくは10V以下であるが、使用する電解液における目的金属の析出電位を予め測定し、その電位+1V以内で定電位電解を行うことが好ましい。なお、定電位電解を行う際には、サイクリックボルタンメトリを併用できるものが望ましく、Solartron社、BAS社、北斗電工社、IVIUM社等のポテンショスタット装置を用いることができる。
定電流電解で行なう場合の電流密度の好ましい範囲は、電解液濃度、細孔径、細孔密度、金属種別によって異なるが、銅めっきの場合、0.05〜50A/dm2が好ましく、0.2〜20A/dm2が更に好ましい。金めっきの場合、0.05〜40A/dm2が好ましく、0.1〜5A/dm2が更に好ましい。ニッケルめっきの場合、0.05〜50A/dm2が好ましく、0.1〜10A/dm2が更に好ましい。
具体的には、銅を析出させる場合には硫酸銅水溶液が一般的に用いられるが、硫酸銅の濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましく、50〜200g/Lであるのがより好ましい。また、電解液中に塩酸を添加すると析出を促進することができる。この場合、塩酸濃度は10〜20g/Lであるのが好ましい。
また、金を析出させる場合、テトラクロロ金の硫酸溶液を用い、交流電解でめっき処理を行なうのが望ましい。
ニッケルを析出させる場合には、硫酸浴、ワット浴、塩化物浴、スルファミン酸ニッケル浴など公知の電解液が使用できる。
Si元素をマイクロポア貫通孔の内表面に付与する方法は特に限定されないが、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩が溶解している水溶液に直接浸せきして処理する方法が一般的である。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す。)と濃度によって保護膜厚の調節が可能である。
ここで、Mとしては、特にナトリウム、カリウムが好適に用いられる。
また、モル比は、〔SiO2〕/〔M2O〕が0.1〜5.0が好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。
更に、SiO2の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
(1)被めっき部分
また、以下で説明する被めっき部分を設けるめっき方法を用いて電極を配置して電解めっきを行えば、上記の電解めっき工程(A)および・または電解めっき工程(B)を容易に行うことができる。また、以下で説明する電極配置方法、特に陰極および・または対抗電極配置方法を用いるのが好ましい。
被めっき部分は、貫通構造体のめっきされる表面積以外の部分で、めっきしたい部分の周囲に設けられる追加のめっき部分である。
図3(A)〜(C)は、本発明の製造方法におけるめっきされる部分の配置の例を説明する模式的な平面図であり、(D)、(E)は(B)、(C)の立面断面図である。
被めっき部分を、図3(C)およびその立面断面図である図3(E)を用いて説明する。図3(C)は、貫通構造体10とその周りに設けられた被めっき部分12のみを示している。図3(E)は、めっき時の電極の配置を示し、めっきされる貫通構造体10に接して配置される陰極14と陰極のマスク部分11と、対向電極16を示す。めっきされる貫通構造体の表面積は、図3(C)で、マイクロポア貫通孔3を有する貫通構造体10で示され、この例では正方形であるが、図3(E)では矢印Hでその一辺が示される。図3(C)では、被めっき部分12が、貫通構造体の周囲に設けられる追加のめっき部分として示される。図3(C)の被めっき部分12は、図3(E)でその一辺が矢印Lで示される。
被めっき部分は、図3(E)に示されるように、陰極の一部がめっきされ、陰極の一部である場合が例示できるが、貫通構造体のめっきされる部分の周囲に存在する貫通構造体であって製品としてはトリミングされて除去される部分であってもよい。
被めっき部分の面積は、具体的には、前記電解めっき工程(A)および・または(B)において、前記貫通構造体の周囲に下記式(i)により定義される最低面積以上の被めっき部分を設けるのが好ましい。図3(E)では最低面積の一辺が矢印Sで示される。
最低面積(mm2)=C(mm)×1(mm) (i)
前記式(i)中、Cは、貫通構造体の外周長を表す。
[対抗電極の面積]
また、以下で説明する対抗電極の面積で電解めっきを行えば、電流がめっきされる貫通構造体のエッジ部分に集中することが防げて金属の深さ充填率が高くなり、上記の電解めっき工程(A)および・または電解めっき工程(B)を容易に行うことができる。めっきされる面内の電流密度分布を均一化することで面内の充填を均一にすることが可能となる。この観点から、対抗電極の面積が、貫通構造体のめっきされる平面の面積と該貫通構造体の周囲に設けた被めっき部分の面積の和よりも小さいことが好ましい。但し、対抗電極が小さすぎると対抗電極側の電流密度が大きくなりすぎることから一定以上の大きさである必要がある。具体的には、対抗電極の面積が貫通構造体のめっきされる平面の面積と該貫通構造体の周囲に設けた被めっき部分の面積の和の3/4〜1/100が好ましく、1/2〜1/75が更に好ましい。
図3(E)では、対向電極16の一辺が、矢印Dで示される。
以下で説明する、図3(B)、図3(D)のように貫通構造体のめっきされる部分の周囲にマスク部分11が設けられている場合は、対抗電極16の面積は、貫通構造体のめっきされる平面の面積+該貫通構造体の周囲に設けたマスク部分の面積+被めっき部分の面積の和の3/4〜1/100が好ましく、1/2〜1/75が更に好ましい。
図3(A)、図3(B)は、平面図であり、図3(D)は、図3(B)の立面断面図である。本発明の陰極の配置をこれらの図を用いて説明する。図3(A)、(B)の場合は紙面に示されるのはめっきされる貫通構造体10の表面と、その周囲のめっきされないマスク部分11と被めっき部分12である。図3(E)は、めっき時の電極の配置を示し、めっきされる貫通構造体10に接して配置される陰極14と、貫通構造体10の周囲に設けられたマスク部分と陰極のマスク部分11とを示し、陰極14に対して設けられる対抗電極16を示す。被めっき部分12はめっきされる貫通構造体10の周囲[図3(C)]またはマスク部分11の周囲[図3(A)、(B)]に、上記の最低面積以上で設けられる。陰極14は、めっきされる貫通構造体10より所定面積以上の大きさ(面積)であることが好ましい。
本発明の好ましいめっき方法では、貫通構造体10の周囲に上記式(i)により定義される最低面積以上の被めっき部分12を設ける。そのためには貫通構造体10のめっきされる平面の面積より前記最低面積以上大きな面積の陰極14を用いて、貫通構造体10の周囲に前記最低面積以上の被めっき部分12を設ける。
被めっき部分は上記式(i)により定義される最低面積以上であればよいが、あまりに広い被めっき部分を設けるのは経済的ではないのでその上限は、上限面積(mm2)=C(mm)×200(mm)としてもよい。
本発明の製造方法に用いる電解めっき工程は、めっき液の平均流速が3cm/sec〜200cm/secであるのが好ましい。めっき液流速は、加振装置、攪拌装置でめっき液を攪拌してもよいし、ポンプ等で連続的にめっき液を還流してもよい。電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えてもよい。めっき液流の方向は特に限定されないが、貫通孔の深さ方向と平行な方向にめっき液流が生じているのが好ましい。
本発明の製造方法に用いる電解めっき工程では、めっきされる貫通構造体が回転、移動または振動しているのが好ましい。めっきされる貫通構造体が、少なくとも、回転、移動または振動していると、貫通構造体の深さ方向への金属充填率がより高くなる。回転数は限定されないが例えば10〜80回転/分が好ましい。
本発明の製造方法では、該酸化皮膜に存在するマイクロポア貫通孔に対して深さ方向に高い充填率で金属を充填することができ、金属の貫通孔深さ充填率が80%以上の金属充填微細構造体を得ることができる。
上記酸化皮膜表面から電極膜を除去する方法としては、以下に述べる表面平滑化処理を行うことができる。
本発明の製造方法においては、上記金属充填工程の後に、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理によって、酸化皮膜の表面および裏面を平滑化する表面平滑処理を行うことが好ましい。
表面平滑化処理を行うことにより、酸化皮膜の一方の表面に形成された電極膜が除去される。また、金属を充填させた後の酸化皮膜の表面および裏面の平滑化と表面に付着した余分な金属を除去することができる。
CMP処理には、フジミインコーポレイテッド社製のPLANERLITE−7000、日立化成社製のGPX HSC800、旭硝子(セイミケミカル)社製のCL−1000等のCMPスラリーを用いることができる。
機械的研磨処理に用いる試料台としては、その耐久性から、例えばセラミック製冶具(ケメット・ジャパン株式会社製)を用いることができる。また、表面平滑化処理する対象を試料台に貼り付ける材料としては、接合/剥離の容易性からワックスが好ましく、例えばアルコワックス(日化精工株式会社製)、アクアワックス(日化精工株式会社製)を用いることができる。また、研磨剤としては、研磨対象がアルミナであることからダイヤモンド砥粒を有するものが好ましく、例えばDP−懸濁液P−6μm・3μm・1μm・1/4μm(ストルアス製)を所望により用いることができる。
高純度アルミニウム基板(住友軽金属社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm)を10cm四方の面積で陽極酸化処理できるようカットし、以下組成の電解研磨液を用い、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、特開2007−204802号公報に記載の手順にしたがって自己規則化法による陽極酸化処理を施した。
電解研磨処理後のアルミニウム基板に、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、5時間のプレ陽極酸化処理を施した。
その後、プレ陽極酸化処理後のアルミニウム基板を、0.2mol/L無水クロム酸、0.6mol/Lリン酸の混合水溶液(液温:50℃)に12時間浸漬させる脱膜処理を施した。
その後、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、16時間の再陽極酸化処理を施し、膜厚130μmの酸化皮膜を得た。
なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。更に、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解し、更に、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させることにより酸化皮膜の底部を除去し、マイクロポア貫通孔を有する酸化皮膜を作製した。
密度(個/μm2)=(1/2個)/{Pp(μm)×Pp(μm)×√3×(1/2)}
次いで、上記で得られた貫通構造体に、温度400℃で1時間の加熱処理を施した。
次いで、上記加熱処理後の貫通構造体の一方の表面に電極膜を形成する処理を施した。
すなわち、0.7g/L塩化金酸水溶液を、一方の表面に塗布し、140℃/1分で乾燥させ、更に500℃/1時間で焼成処理し、金のめっき核を作成した。
その後、無電解めっき液としてプレシャスファブACG2000基本液/還元液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製)を用いて、50℃/1時間浸漬処理し、表面との空隙のない電極膜を形成した。
次いで、上記電極膜を形成した面に銅電極を密着させ、該銅電極を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。
以下の組成のめっき液を使用し、定電流電解を施すことにより、マイクロポアに金属が充填された金属充填微細構造体を作製した。
ここで、定電流電解は、山本鍍金社製のめっき装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後に、下記表1に示す条件で処理を施し、実施例1〜14の金属充填微細構造体を得た。貫通構造体を回転してめっきする場合はめっきされる面の中心を軸として回転した。
・硫酸銅 100g/L
・硫酸 50g/L
・塩酸 15g/L
・温度 25℃
・硫酸ニッケル 300g/L
・塩化ニッケル 60g/L
・ホウ酸 40g/L
・温度 50℃
10時間の再陽極酸化処理を施し、膜厚80μmの酸化皮膜を得たことと、得られた貫通孔としてのマイクロポアの平均深さが、80μmであったこと、以外は上記実施例1〜12と同様にして表1に示す金属充填微細構造体を得た。
(実施例14)
20時間の再陽極酸化処理を施し、膜厚160μmの酸化皮膜を得たことと、得られた貫通孔としてのマイクロポアの平均深さが、160μmであったこと、以外は上記実施例1〜12と同様にして表1に示す金属充填微細構造体を得た。
上記処理(6)金属充填処理工程において、下記表1記載の条件で処理した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1〜4の微細構造体を作製した。
具体的には、作製した実施例および比較例の金属充填微細構造体を厚さ方向に対してFIBで切削加工し、その切削面をFE−SEMで観察し、充填高さを100個所で観察し、充填高さの平均値と最低値を計算した。結果を表1に示す。なお、実施例の金属充填微細構造体の平面充填率はいずれも100%であった。
2 絶縁性基材
3 マイクロポア貫通孔
4 金属
6 絶縁性基材の厚み
7 マイクロポア貫通孔間の幅
8 マイクロポア貫通孔の直径
9 マイクロポア貫通孔の中心間距離(周期)
10 貫通構造体
11 マスク部分
12 被めっき部分
14 陰極
16 対抗電極
51 マイクロポアの単位格子
52 マイクロポア
Claims (6)
- 1×10 6 〜1×10 10 /mm 2 の密度で、孔径10〜5000nm、深さ50〜1000μmの貫通孔を有する絶縁性基材からなる貫通構造体の貫通孔内部に、貫通孔の深さの80%以上の深さまで金属が充填されている金属充填微細構造体を製造する金属充填微細構造体の製造方法であって、少なくとも、
前記貫通孔への金属の充填が電解めっき方法により施され、
前記電解めっき処理時において、該電解めっきが少なくとも下記工程(A)、(B)の順で行われる、金属充填微細構造体の製造方法:
電解めっき工程(A):充填金属の高さが貫通孔の深さの0.01%〜1%まで電解めっきを行い、その時点で、充填金属の高さの平均値からの誤差が30%以内である、
電解めっき工程(B):工程(A)で行った電解めっき時よりも低い電流密度で、電解めっきする。 - 前記電解めっき工程において、前記貫通構造体の周囲に下記式(i)により定義される最低面積以上の被めっき部分を設ける、請求項1に記載の金属充填微細構造体の製造方法:
最低面積(mm2)=C(mm)×1(mm) (i)
前記式(i)中、Cは、貫通構造体の外周長を表す。 - 前記貫通構造体の底面に形成した電極膜に接する陰極と、該陰極に対抗する対抗電極とを用いて前記貫通構造体をめっきする際に、前記貫通構造体のめっきされる平面の面積より前記最低面積以上大きな陰極を用いて、前記貫通構造体の周囲に前記最低面積以上の被めっき部分を設ける請求項2に記載の金属充填微細構造体の製造方法。
- 前記電解めっきにおいて、めっき液の平均流速が3cm/sec〜200cm/secである、請求項1〜3のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
- 前記電解めっきにおいて、前記貫通構造体が少なくとも回転、または移動、もしくは振動する、請求項1〜4のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
- 前記貫通構造体の底面に形成した電極膜に接する陰極と、該陰極に対抗する対抗電極とを用いて前記貫通構造体をめっきする際に、前記貫通構造体のめっきされる平面の面積と前記貫通構造体の周囲に設けた被めっき部分の面積との和より小さい面積を持つ対抗電極を用いてめっきする請求項2〜5のいずれかに記載の金属充填微細構造体の製造方法。
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