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JP5599161B2 - Zn−Sn−Mg系合金線の製造方法およびZn−Sn−Mg系合金線および鉄系材料 - Google Patents

Zn−Sn−Mg系合金線の製造方法およびZn−Sn−Mg系合金線および鉄系材料 Download PDF

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Description

本発明はZn−Sn−Mg系合金の製造方法に関し、特に溶射用合金線として使用することができるZn−Sn−Mg系合金線の製造に適したZn−Sn−Mg系合金の製造方法に関する。
鉄管や鉄板などの鉄材の腐食防止を目的として、溶射によって鉄材の表面に皮膜を形成することが行われている。ここで、溶射とは、被覆材料を加熱・溶解して微粒子状にし、微粒子状にした被覆材料を被覆対象物の表面に凝固・堆積させることによって被覆対象物の表面に皮膜を形成する表面処理の一種である。例えば、被覆材料として、亜鉛合金やアルミ合金などの溶射用合金線が使用されている。また、亜鉛合金やアルミ合金などの溶射用合金線を鋳造する方法が色々と提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。主に、以下の三つの製造方法が知られている。
公知の第一の製造方法は、溶解工程、鋳造工程、押出工程、伸線工程の順に行って所定の線径の合金線を製造する方法である。この製造方法は、詳細には、所定の合金成分で調合した複数の素材を溶解して溶湯を得る溶解工程と、溶湯を鋳型に鋳造してビレットを作る鋳造工程と、ビレットを押出して所定の断面形状の合金線に加工する押出工程と、所定の断面形状の合金線を伸線して所定の線径の合金線に加工する伸線工程とを備える。
この第一の製造方法では、必要に応じて、押出工程と伸線工程との間で鍛造工程を行う場合もある。この鍛造工程では、押出工程の後に、所定の断面形状の合金線を鍛造して細径の合金線に加工する。伸線工程では、鍛造工程で得られた細径の合金線を伸線して所定の線径の合金線に加工する。
公知の第二の製造方法は、溶解工程、鋳造工程、鍛造工程、伸線工程の順に行って所定の線径の合金線を製造する方法である。つまり、上記の第一の製造方法に比べて、押出工程を省略したものである。
公知の第三の製造方法は、溶解工程、連続鋳造工程、伸線工程の順に行って所定の線径の合金線を製造する方法である。この製造方法は、詳細には、所定の合金成分で調合した複数の素材を溶解して溶湯を得る溶解工程と、溶湯を鋳造輪の外周に形成された溝に流し込んで所定の断面形状の合金線を作る連続鋳造工程と、所定の断面形状の合金線を伸線して所定の線径の合金線に加工する伸線工程とを備える。この第三の製造方法においても、同様に、必要に応じて、連続鋳造工程と伸線工程との間に、鍛造工程を行う場合もある。
特開平11−181562号公報 特開2002−12932号公報 特開2007−21584号公報
しかしながら、上記のいずれの製造方法においても、加工時に合金線の径を細くするので、合金線の素材に強度や延性がないと、断線する場合がある。このため、合金線の素材によっては、熱処理などを行う場合がある。特に、Zn−Sn−Mg系合金線については、Sn量が少ないと、若干脆くなり、加工性が悪くなる。このため、伸線工程で断線する場合がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、伸線工程において断線し難
いZn−Sn−Mg系合金の製造方法およびZn−Sn−Mg系合金線および鉄系材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明のZn−Sn−Mg系合金の製造方法は、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部である素材を溶解し、溶解して得られた溶湯を凝固させるとともに、凝固中の溶湯をZn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から20℃/秒以上の冷却速度で50℃以下まで冷却することを特徴とする。
第2発明のZn−Sn−Mg系合金の製造方法によれば、凝固中の溶湯に冷却水を噴霧することが好適である。
また本第3発明のZn−Sn−Mg系合金の製造方法によれば、冷却後に熱処理を施すことが好適である。
さらに本第4発明のZn−Sn−Mg系合金の製造方法によれば、100℃以上で熱処理を施すことが好適である。
また本第5発明のZn−Sn−Mg系合金線は、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部である素材を溶解し、溶解して得られた溶湯を凝固させるとともに、凝固中の溶湯をZn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から20℃/秒以上の冷却速度で冷却して製造され、
亜鉛結晶と共晶部とを有し、
亜鉛結晶が針状結晶であり、
針状の亜鉛結晶は幅50μm以下かつ長さ1mm以下であり、
複数の針状の亜鉛結晶が方向性を示さずにランダムに存在していることを特徴とする。
また本第6発明は、上記第5発明に記載されたZn−Sn−Mg系合金線を用いた溶射によって表面に皮膜が形成された鉄系材料であって、
皮膜は、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部であることを特徴とする。
さらに本第7発明は、上記第5発明に記載されたZn−Sn−Mg系合金線とZn線とを用いた溶射によって表面に皮膜が形成された鉄系材料であって、
皮膜は、Snが1質量%を超えかつ50質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部であることを特徴とする。
本発明によれば、凝固中の溶湯をZn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から20℃/秒以上の冷却速度で50℃以下までに急冷するので、亜鉛結晶を微細化することができ、合金の機械的性質を向上させることができる。これによって、合金の延性が向上し、伸線工程において断線し難いZn−Sn−Mg系合金を作ることができる。
また本発明によれば、冷却後に熱処理を施すことによって、合金の延性をさらに向上させることができる。
本発明の合金の製造方法に用いられる製造装置を示す図である。 本発明にもとづく曲げ試験の方法を示す図である。 水冷なしの条件で製造された試験片の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す図である。 水冷ありの条件で製造された試験片の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す図である。 熱処理温度およびその時間と試験片の伸びとの測定結果を示すグラフである。 熱処理なしの条件で製造された試験片の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す図である。 熱処理ありの条件で製造された試験片の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す図である。
本発明の製造方法は、上述のように、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部である素材を溶解し、溶解して得られた溶湯を凝固させながら、その凝固中の溶湯を、Zn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から、20℃/秒以上の冷却速度で50℃以下まで冷却する。こうすると、亜鉛結晶を微細化することができて、合金材の機械的性質を向上させることができる。これによって、伸線工程において断線し難いZn−Sn−Mg系合金線を作ることができる。
本発明の製造方法において、素材は、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、残部がZnである。本発明の製造方法により得られる合金は、鉄材の表面に溶射被膜を形成するための合金材料として特に適したものであり、この材料からなる線材を用いた溶射により被膜を形成する場合や、この材料からなる線材とZn線とを用いた溶射により被膜を形成する場合に、好適に使用することができる。こうすることで、Znだけを用いた溶射被膜に比べて防食性能を向上させることができる。その防食性能は、Zn−15Al(Znが85質量%、Alが15質量%)と比べて、同等以上とすることができる。
この材料からなる合金線材を用いた溶射により被膜を形成する場合や、この材料からなる線材とZn線とを用いた溶射により被膜を形成する場合において、得られる溶射被膜は、Snが1質量%を超えかつ50質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、残部がZnであることが好ましい。詳しく説明すると、この材料からなる線材とZn線とを用いた溶射により被膜を形成する場合には、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、残部がZnである素材からなる線材と、Zn線とを用いた溶射により、Snが1質量%を超えかつ50質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、残部がZnである溶射被膜を形成することになる。
得られた溶射被膜において、Snの含有量が1質量%以下である場合および、またはMgの含有量が0.01質量%以下である場合には、これらを加えることによる実質的な防食性能の向上効果を得ることができない。一方、Snの含有量が50質量%以上である場合および、またはMgの含有量が5質量%以上である場合も、同様に、これらを加えることによる実質的な防食性能の向上効果を得ることができない。
本発明の製造方法によって得られる合金を線材とする場合に、同合金におけるSnの含有量が60質量%未満であると、本発明にもとづき冷却や熱処理を施したときの延性向上効果がより顕著になり、Snの含有量が45質量%未満であると、その効果がいっそう顕著になる。
鉄材の表面にこのような組成のZn−Sn−Mg系合金溶射被膜を形成した場合は、白錆が発生しにくく、線材を作製しやすく、また衛生面の問題もないという利点がある。
本発明の製造方法の詳細を説明する。図1は、Zn−Sn−Mg系合金を用いた線材の製造方法を実施するための製造装置の構成を示す。この装置では、連続鋳造機101と巻き取り機102とが設けられている。連続鋳造機101は、回転式の鋳造輪111の外周に横断面U字形の溝112が形成されている。鋳造輪111よりも上方には坩堝115が配置されている。坩堝115は、その内部にZn−Sn−Mg系合金の溶湯103を貯留可能であるとともに、その底部に出湯口116が形成されている。坩堝115の近傍にはスプレーノズル113が設けられており、このスプレーノズル113は、冷却水をスプレーするための噴出口114を備えている。
製造に際しては、鋳造輪111をゆっくりと回転させながら、坩堝115から、溝112における鋳造輪111の頂部に位置した部分に溶湯103を供給する。すると、溶湯103は、鋳造輪111に熱を奪われることにより凝固を開始する。そして、その直後に、スプレーノズル113から、溝12の内部の凝固中の溶湯104に向けて冷却水を噴霧する。
これにより、凝固中の溶湯104が急冷されて、合金線105が製造される。この合金線105は、凝固中の溶湯104の急冷により形成されるものであるため、結晶が微細になり、このため、その延性を向上させることができる。得られた合金線105は、巻き取り機102によって巻き取られる。
スプレーノズル113から凝固中の溶湯104に向けて冷却水をスプレーすることによる急冷は、できる限り、溝102に溶湯103を流し込んだ直後に行うことが好ましい。結晶の微細化による延性の向上を達成するためには、Zn−Sn−Mg系合金の共晶温度である198℃以上から20℃/秒以上の冷却速度で50℃以下まで冷却するという冷却条件を採用することが必要である。
冷却方法は、上記した冷却条件を採用できるのであれば、上述の水冷以外に、冷気による空冷でも構わないし、他の流動体を使用した冷却でもよい。
巻き取り機102によって巻き取られた合金線105は、その後に伸線工程に供される。
本発明によれば、冷却された合金を熱処理することが好適である。熱処理によって、その延性をさらに向上させることができる。たとえば、上記のように急冷された合金線を、いったん巻き取った後の伸線工程の前に、あるいは巻き取る前に、熱処理することが好適である。
熱処理条件としては、100〜200℃の温度条件が好ましい。特に130〜170℃が効果的である。たとえば100℃で60分以上の熱処理を施すことで、延性を向上させることができる。あるいは130℃以上では30分以上の熱処理を施すことで、同様に延性を向上させることができる。
[実施例1]
図1に示される装置を用いて、後述の条件によって、結晶が微細になりかつ延性が向上した、直径10mmの合金線105を得た。そして、この合金線105を図外の伸線機によって、直径1.6mmの合金線に加工した。
詳細には、前述の製造方法において、冷却水を噴霧する時期を変えて急冷した。より詳細には、表1に示すように、冷却水を噴霧するタイミング(以下、「水冷タイミング」と呼称する)を変えて、試験片1〜試験片4を製造した。
すなわち、Zn、Sn、Mgを450℃で溶解し、溶解したこれらの素材を、Snが30質量%、Mgが0.3質量%、Znが残部となるように調合して、溶湯を得た。図1に示される坩堝115の出湯口116から出湯した溶湯103が溝102に到達したタイミング(以下、「到達タイミング」と呼称する)を基準にして水冷タイミングを変化させた。詳細には、所要の水冷タイミングとなるように、図1に示されるスプレーノズル113の位置を、鋳造輪111の回転方向に沿って調節した。
得られた試験片1〜試験片4について、引張試験を行い、引張強さと伸びとを測定した。また、曲げ試験を行い、荷重と破断角度とを測定した。また、ビッカース硬さHvを測定した。6回測定した結果の平均値を、測定結果とした。
曲げ試験は、JIS Z2248「金属材料曲げ試験方法」に準じて行った。詳細には、図2に示すように、軸方向を水平方向にした直径1.6mmの試験片150を、水平方向に間隔をおいて配置された一対の直径10mmの支え161、162の上にわたして配置した。先端部の断面形状が半径5mmの半円状である押金具163によって、支え161と支え162との間で、試験片150に対して、その垂直方向に荷重170を掛けた。
それによって図2に示すように試験片150がV字形に変形した。変形により試験片150が破断したときの、この試験片150における一方の支え161に接した部分151の延長線と他方の支え162に接した部分152の延長線との交差により生じる曲げ角度θを測定した。なお、曲げ角度θは、荷重170が加えられているときの角度であって、荷重が取り去られた後の角度ではない。このときに、試験片150の湾曲部分153のカーブの外側部分における裂け、傷、その他の欠点の有無を調査した。
(試験片1)
水冷なしの条件で製造された合金線を試験片1とした。この試験片1は、引張強さが125N/mm、伸びが1%、曲げ試験を行ったときの荷重が20Nで、曲げ角度θが40度となったときに破断した。ビッカース硬さHvは26であった。
試験片1についての評価結果を表1に示す。
(試験片2)
水冷ありの条件で製造された合金線を試験片2とした。水冷タイミングは、図1に示される溶湯103が溝102に到達した到達タイミングから30秒後とした。冷却に際しては、常温の冷却水を連続的に5〜10秒間噴霧した。水冷前の溶湯104の温度は200〜250℃であり、水冷後の線材105の温度は20〜40℃であった。この試験片2は、引張強さが154N/mm、伸びが10%、曲げ試験を行っときの荷重が25Nで、曲げ角度θが150度となったときに破断した。ビッカース硬さHvは35であった。
試験片2についての評価結果を表1に示す。
(試験片3)
水冷ありの条件で製造された合金線を試験片3とした。水冷タイミングは、上述の到達タイミングから15秒後とした。冷却に際しては、常温の冷却水を連続的に5〜10秒間噴霧した。水冷前の溶湯104の温度は250〜300℃であり、水冷後の線材105の温度は30〜50℃であった。この試験片3は、引張強さが150N/mmで、伸びが14%であった。曲げ試験を行った結果、荷重が25Nで曲げ角度が180度でも破断しなかった。ビッカース硬さHvは35であった。
試験片3についての評価結果を表1に示す。
(試験片4)
水冷ありの条件で製造された合金線を試験片4とした。水冷タイミングは、到達タイミングから5秒後とした。冷却に際しては、常温の冷却水を連続的に5〜10秒間噴霧した。水冷前の溶湯104の温度は300〜350℃であり、水冷後の線材105の温度は30〜50℃であった。この試験片4は、引張強さが155N/mmで、伸びが16%であった。曲げ試験を行った結果、荷重が25Nで曲げ角度が180度でも破断しなかった。ビッカース硬さHvは35であった。
試験片4についての評価結果を表1に示す。
これらの測定とは別に組織観察も行った。図3は、水冷なしの条件で製造された試験片1の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す。図示のように、亜鉛結晶が樹枝状に析出して生じた樹枝状組織が見られた。図3において、黒い部分が亜鉛結晶であり、白い部分が共晶である。
図4は、水冷ありの条件で製造された試験片4の組織を光学顕微鏡で観察した結果を示す。図示のように、亜鉛結晶が針状に析出して生じた針状組織が見られた。さらに、水冷なしの条件で製造された図3の合金線に比べて亜鉛結晶が微細であった。
このように、冷却水を噴霧して急冷した場合は、合金線の機械的性質が向上した。さらに、冷却水を噴霧するタイミングが早い程、良好な結果が得られた。詳細には、引張試験の測定結果から明らかなように、水冷ありの条件で製造された試験片2〜試験片4は、水冷なしの条件で製造された試験片1に比べて、引張強さは2割程度向上し、伸びは大幅に向上した。また、曲げ試験の測定結果から、破断し難いことが示された。ビッカース硬さは高い値を示した。
同じ水冷ありの条件で製造された合金線であっても、試験片2よりは、それに比べて冷却水を噴射するタイミングが早かった試験片3の方が、破断し難かった。試験片3よりは、それに比べて冷却水を噴射するタイミングが早かった試験片4の方が、伸びが大きかった。
このため、上述のように直径10mmの合金線を伸線機によって直径1.6mmの合金線に加工するときに、水冷なしの条件で製造された試験片1を得る場合には断線の発生が見られたが、水冷ありの条件で製造された試験片2〜4を得る場合には断線は起こらなかった。
以上、水冷ありの条件で製造することによって、亜鉛結晶を微細化することができ、合金線の機械的性質を向上させることができた。さらに、冷却水を噴霧するタイミングを早くすることで、亜鉛結晶の微細化を促進して、特に延性を向上させることができた。
[実施例2]
熱処理を施した。
すなわち、実施例1と同様にして、Snが30質量%、Mgが0.3質量%、Znが残部である素材を溶解し、350℃の溶湯を15秒間水冷することで50℃まで冷却して、直径10mmの合金線を得た。これを300mmの長さにカットしたうえで機械加工を施すことにより、JIS Z2201(金属材料引張試験片)に規定される4号試験片を得た。詳細には、平行部の径が6mm、平行部の長さが30mm、標点距離が20mmの複数の引張試験片を得た。
各引張試験片について、70℃、100℃、130℃、150℃、170℃の熱処理を施した。そして、熱処理なしのものと、上記の熱処理を施したものとについて引張試験を行い、伸びを測定した。その結果を図5に示す。図示のように、熱処理なしの場合の伸びが8.0%であったのに対し、熱処理を施すことにより伸びすなわち延性の向上が見られた。
詳細には、熱処理温度が70℃では、実質的な伸びの向上は認められなかった。100℃では、60分以上加熱した場合に伸びの向上率が20%以上となり実質的な伸びの向上が認められた。130℃〜170℃では、30分以上加熱した場合に伸びの向上率が20%以上となり実質的な伸びの向上が認められた。なお、図5には示していないが、180℃〜200℃で加熱した場合は、合金中のSnが若干溶け出したために、試験片が軟化しやすい傾向が生じた。
これらの測定とは別に組織観察も行った。図6は、水冷を行っただけで熱処理は施さなかった試験片の組織で、図4と同じものであるが拡大倍率を低くしたものを示す。図4の場合と同様に、黒い部分が亜鉛結晶であり、白い部分が共晶であるが、亜鉛結晶が針状に析出して生じた針状組織が見られた。
図7は、水冷後に150℃で2時間の熱処理を施した試験片の組織で、熱処理を施さなかったものに比べて結晶が大きくなり、これによって伸びが向上していることが確認された。
図7に示した組織の試験片と同様に、水冷後に150℃で2時間の熱処理を施したうえで得られた線材を用いて伸線加工を行った。そうしたところ、断線は発生せず、良好に加工を行うことができた。
101 連増鋳造機
103 溶湯
104 線状の鋳造体に凝固中の溶湯
105 合金線
113 スプレーノズル

Claims (7)

  1. Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部である素材を溶解し、溶解して得られた溶湯を凝固させるとともに、凝固中の溶湯をZn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から20℃/秒以上の冷却速度で50℃以下まで冷却することを特徴とするZn−Sn−Mg系合金の製造方法。
  2. 凝固中の溶湯に冷却水を噴霧することを特徴とする請求項1記載のZn−Sn−Mg系合金の製造方法。
  3. 冷却後に熱処理を施すことを特徴とする請求項1または2記載のZn−Sn−Mg系合金の製造方法。
  4. 100℃以上で熱処理を施すことを特徴とする請求項3記載のZn−Sn−Mg系合金の製造方法。
  5. Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部である素材を溶解し、溶解して得られた溶湯を凝固させるとともに、凝固中の溶湯をZn−Sn−Mg系合金の共晶温度以上から20℃/秒以上の冷却速度で冷却して製造され、
    亜鉛結晶と共晶部とを有し、
    亜鉛結晶が針状結晶であり、
    針状の亜鉛結晶は幅50μm以下かつ長さ1mm以下であり、
    複数の針状の亜鉛結晶が方向性を示さずにランダムに存在していることを特徴とするZn−Sn−Mg系合金
  6. 上記請求項5に記載されたZn−Sn−Mg系合金線を用いた溶射によって表面に皮膜が形成された鉄系材料であって、
    皮膜は、Snが1質量%を超えかつ80質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部であることを特徴とする鉄系材料。
  7. 上記請求項5に記載されたZn−Sn−Mg系合金線とZn線とを用いた溶射によって表面に皮膜が形成された鉄系材料であって、
    皮膜は、Snが1質量%を超えかつ50質量%未満であり、Mgが0.01質量%を超えかつ5質量%未満であり、Znが残部であることを特徴とする鉄系材料。
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