本発明の一実施形態に係る車体後部構造を図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る車体後部構造は、走行駆動用の電動機を有するハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車等の四輪自動車の車体後部構造である。なお、各図において「UP」は上方を示し、「FR」は車両の進行方向前方を示す。また、以下の説明において前後左右は、車両の進行方向を基準とする前後左右となっている。
本実施形態に係る車体後部構造は、図1に示すように、トランクルーム11の底面を構成するリヤフロアパネル12と、リヤフロアパネル12の車幅方向両側に設けられたリヤホイールハウス13,13と、リヤフロアパネル12上で前後方向に沿う左右一対のリヤフレーム14,14とを有している。また、本実施形態に係る車体後部構造は、左右一対のリヤフレーム14,14の後端部に連結される左右一対のリヤバンパビームエクステンション15,15と、左右一対のリヤバンパビームエクステンション15,15を結ぶように車幅方向に延在するリヤバンパビーム16とを有している。なお、リヤバンパビーム16の後側には、これを覆うように図示略のリヤバンパフェイスが配置される。
リヤフロアパネル12には、スペアタイヤ等を収納するための収納凹部21が車幅方向の中央に下方に凹んで形成されており、この収納凹部21の車幅方向両外側に左右一対のリヤフレーム14,14が配置されている。
左右一対のリヤフレーム14,14は、それぞれハット型断面形状をなしており、リヤフロアパネル12に接合されることでリヤフロアパネル12とで閉断面構造の左右一対の車体骨格部22,22を構成する。左右一対のリヤフレーム14,14は、リヤフロアパネル12と同様にトランクルーム11の位置に配置されており、これらで形成される車体骨格部22,22は、図示は略すが、前方のキャビンの位置で車体前後方向に延在する左右一対の車体骨格部であるサイドシルに繋がっている。これらサイドシルは、さらにエンジンルームの位置で車体前後方向に延在する左右一対の車体骨格部であるフロントフレームに繋がっている。
リヤフロアパネル12上のトランクルーム11の前部かつリヤシート25の後方には、走行駆動用の図示略の電動機に給電を行うための電装部品ボックス26が配置されている。この電装部品ボックス26は、IPU(インテリジェントパワーユニット)と呼ばれるものであり、走行駆動用の電動機に電力を供給する一方、減速回生時においては電動機を発電機として機能させて、電動機で発電した電力を蓄電する。電装部品ボックス26内には、給電および蓄電を行うバッテリや、制御用の高電圧系デバイス等が収容されている。なお、電装部品ボックス26はバッテリを主体として収納するバッテリボックスであっても良い。
電装部品ボックス26の上部の左右方向一側、具体的には右側には、冷却装置31が設けられている。冷却装置31は、電装部品ボックス26の上部後面に接続されて車幅方向外側に延出するダクト32と、このダクト32の延出先端側に接続される冷却ファン33と、この冷却ファン33から下方に延出した後に後方に延出し後方に向け開口するダクト34とを有している。冷却ファン33およびダクト34は、右側のリヤホイールハウス13の車幅方向内側に配置されており、このリヤホイールハウス13と電装部品ボックス26との間に配置されている。なお、冷却ファン33は、電装部品ボックス26内の空気をダクト32を介して吸引しダクト34を介してトランクルーム11内に排気する。電装部品ボックス26は、図示は略すがキャビン側に開口する吸気口を有しており、冷却ファン33による吸引力でキャビン側の空気を電装部品ボックス26内に導入する。
電装部品ボックス26の後面には、複数具体的には5本の補強用スチフナ38,38,…が設けられている。これら補強用スチフナ38,38,…は、車幅方向に間隔をあけて配列されている。
電装部品ボックス26の車幅方向両側の後側には、左右一対の保護構造部41,41が設けられている。保護構造部41,41は、電装部品ボックス26より後側に位置してリヤフレーム14,14の上面に上下方向に延在するように立設される保護フレーム42,42を有している。保護構造部41,41は、車幅方向に鏡面対称の構造であり、以下では左側の保護構造部41を例にとり、車両への取付姿勢に基づいて説明する。
図2〜図4に示すように、保護構造部41は、上下方向に延在する保護フレーム42と、保護フレーム42の上端部から前方に先側ほど下側に位置するように若干傾斜して延出する上方荷重伝達部材43と、図4に示すように保護フレーム42と上方荷重伝達部材43とに跨って接合される補強部材44と、図2〜図4に示すように、保護フレーム42の上端部から車幅方向内側に先側ほど下側に位置するように傾斜して延出する傾斜フレーム45とを有している。
保護フレーム42は、上下に延在する保護フレーム本体51と、保護フレーム本体51の下端部が上面に接合されるベース部材52と、図4に示すように、保護フレーム本体51の下端部周縁にこの下端部周縁を囲むようにベース部材52と共に結合される二つの補強部材53および補強部材54とからなっている。
図2〜図4に示すように、保護フレーム本体51は、下部フレーム部61と上部フレーム部62とからなる一部品である主部材63と、主部材63の上部フレーム部62に接合されるカバー部材64とからなっている。
下部フレーム部61は、図2〜図4に示す前板部66と、図5に示す後板部67と、図2,図3に示す車幅方向外側の側板部68と、図4,図5に示す車幅方向内側の側板部69とからなる四角筒状をなしている。
上部フレーム部62は、図2〜図4に示すように下部フレーム部61の前板部66に連続して上方に延出する前板部71と、図2,図3に示すように下部フレーム部61の車幅方向外側の側板部68に連続して側板部68の前部位置から上方に延出する側板部72と、図4,図5に示すように下部フレーム部61の車幅方向内側の側板部69に連続して側板部69の前部位置から上方に延出する側板部73とからなる断面コ字状をなしている。
カバー部材64は、図3〜図5に示すように、上部フレーム部62の車幅方向外側の側板部72に接合される接合板部76と、上部フレーム部62の車幅方向内側の側板部73に接合される接合板部77と、上部フレーム部62の前板部71と平行をなす後板部78と、図5に示すように後板部78の下縁部から屈曲しつつ後方に延出して下部フレーム部61の後板部67の内面に接合される接合片部79とを有している。カバー部材64は主部材63に例えばMIG溶接等の溶接により一体に固定されている。
以上により、保護フレーム本体51は、中空フレームとなっており、その上端部のカバー部材64は、主部材63の下部フレーム部61よりも前方にオフセットしている。よって、保護フレーム本体51のうちカバー部材64で形成される部分が、保護フレーム本体51において前方に凹む凹部81となっている。図6に示すように、カバー部材64の後板部78には挿通孔82が形成されており、カバー部材64にはボルト部材84が内側から挿通孔82にネジ軸部85を挿通させた状態で溶接により固定されている。これにより、凹部81にはボルト部材84のネジ軸部85が突出している。この凹部81は、傾斜フレーム45の端部を収容するためのものである。
図4に示すように、ベース部材52は、略水平に沿い保護フレーム本体51の下端部が搭載される基板部91と、基板部91の車幅方向外側の縁部から立ち上がる補強板部92と、基板部91の車幅方向内側の前後方向中間部から車幅方向内方に突出する取付座93と、基板部91の車幅方向内側の縁部の取付座93より前方から下方に延出する締結座(リヤフレーム内側面締結座)94と、基板部91の車幅方向内側の縁部の取付座93よりも前方から下方に延出する延出板部95とを有している。締結座94には図2に示すように車幅方向に沿って挿通孔96が形成されている。また、図4に示すように取付座93には上下方向に貫通する挿通孔97が形成されており、取付座93の下面には、挿通孔97の位置に、図2に示すようにナット部材98が溶接により固定されている。
図4に示すように、保護フレーム本体51は、その下端部がベース部材52の基板部91の後部の上面に突き当て溶接により固定されることになり、その際に、図2,図3に示すように下部フレーム部61の車幅方向外側の側板部68が補強板部92に溶接される。保護フレーム本体51のベース部材52への溶接はMIG溶接となっている。
図4に示すように、一方の補強部材53は、保護フレーム本体51の前側に配置されるもので、ベース部材52の基板部91の上面に載置される基板部101と、基板部101の後縁部から立ち上がる接合板部102と、基板部101の車幅方向外側の端縁部から立ち上がって接合板部102の車幅方向外側の端縁部まで連続する接合板部103と、基板部101の車幅方向内側の端縁部から立ち上がって接合板部102の車幅方向内側の端縁部まで連続する補強板部104とからなっている。
この補強部材53は、基板部101においてベース部材52の基板部91の前部に溶接により固定され、接合板部102において保護フレーム本体51の下部フレーム部61の前板部66に溶接により固定され、接合板部103においてベース部材52の補強板部92に溶接により固定される。補強部材53の保護フレーム本体51およびベース部材52への溶接は、基板部101の基板部91への溶接がスポット溶接であり、それ以外はMIG溶接となっている。
補強部材53の基板部101およびベース部材52の基板部91の重なり部分は、締結座(リヤフレーム上面締結座)105となっており、この締結座105には、図2に示すように上下方向に貫通する挿通孔106が形成されている。
図4に示すように、他方の補強部材54は、保護フレーム本体51の車幅方向内側に配置されるもので、ベース部材52の基板部91の後部の上面に載置される基板部111と、基板部111の車幅方向の外側縁部から立ち上がる接合板部112と、基板部111の車幅方向の内側縁部から下方に延出する接合板部113と、基板部111の後側の端縁部から立ち上がって接合板部112および接合板部113のそれぞれの後側の端縁部まで連続する補強板部114とからなっている。
この補強部材54は、基板部111においてベース部材52の基板部91の後部に溶接により固定され、接合板部112において保護フレーム本体51の下部フレーム部61の車幅方向内側の側板部69に溶接により固定され、接合板部113においてベース部材52の延出板部95に溶接により固定される。補強部材54の保護フレーム本体51およびベース部材52への溶接はMIG溶接となっている。
補強部材54の接合板部113およびベース部材52の延出板部95の重なり部分は、締結座(リヤフレーム内側面締結座)115となっており、この締結座115には、図2に示すように、車幅方向に貫通する挿通孔116が形成されている。
図2〜図4に示すように、上方荷重伝達部材43は、保護フレーム本体51の上端部となる上部フレーム部62の前板部71の前面に一端部が接合されて前方に延出する上方荷重伝達部材本体121と、上方荷重伝達部材本体121の他端側の車幅方向内側に接合される締結延出部材122と、図2,図3に示すように上方荷重伝達部材本体121の他端部に結合されるとともに締結延出部材122にも結合される蓋部材123とからなっている。
上方荷重伝達部材本体121は、図2〜図4に示す上部の上板部126と、図5に示す下部の下板部127と、図2,図3に示す車幅方向外側の側板部128と、図4,図5に示す車幅方向内側の側板部129とからなる四角筒状をなす中空フレームとなっている。上方荷重伝達部材本体121の両端部は、互いに略平行をなすとともに上方荷重伝達部材本体121の長さ方向に対し傾斜している。上方荷重伝達部材本体121は、図2〜図4に示すように、その一端部が保護フレーム本体51の上端部の前板部71の前面に突き当てられた状態でMIG溶接等の溶接により固定されることになる。
図4に示すように、締結延出部材122は、基板部131と、基板部131と連続して前方に延出する延出板部132と、基板部131の上縁部から車幅方向外側に延出する接合板部133と、基板部131の下縁部から車幅方向外側に延出する図5に示す接合板部134と、図2〜図4に示すように延出板部132の上縁部に上縁部に沿うように形成された補強用のビード部135と、延出板部132の下縁部に下縁部に沿うように形成された補強用のビード部136を有している。
締結延出部材122は、図4に示す基板部131が上方荷重伝達部材本体121の車幅方向内側の側板部129に、上部の接合板部133が上方荷重伝達部材本体121の上板部126に、図5に示す下部の接合板部134が上方荷重伝達部材本体121の下板部127に、それぞれMIG溶接等の溶接により固定される。この状態で、図2〜図4に示すように延出板部132およびビード部135,136が上方荷重伝達部材本体121よりも前方に延出して締結延出部137を構成する。図3に示すように、締結延出部137の延出板部132には、車幅方向に沿って挿通孔138が形成されている。図2〜図4に示すように上側の接合板部133および上側のビード部135は連続しており、図5に示すように下側の接合板部134および下側のビード部136も連続している。
図2,図3に示すように、蓋部材123は、上方荷重伝達部材本体121の保護フレーム42とは反対の他端部つまり前端部に設けられるもので、上方荷重伝達部材本体121の他端開口部を覆うように配置される基板部141と、基板部141の車幅方向外側の縁部から後方に延出する接合板部142と、基板部141の車幅方向内側の縁部から前方に延出する接合板部143と、基板部141の上縁部から後方に延出する接合板部144と、基板部141の下縁部から後方に延出する接合板部145とを有している。
蓋部材123は、図2に示すように上部の接合板部144が上方荷重伝達部材本体121の上板部126に、下部の接合板部145が上方荷重伝達部材本体121の下板部127に、接合板部142が上方荷重伝達部材本体121の側板部128に、接合板部143が締結延出部材122の締結延出部137を構成する延出板部132に、それぞれMIG溶接等の溶接により結合され、固定されている。上方荷重伝達部材43において前方に向く蓋部材123の基板部141には、位置決め穴146が前後方向に貫通して形成されている。
図4に示すように、補強部材44は、前部の前板部151と、後部の後板部152と、これらを繋ぐ中間板部153と、前板部151、後板部152および中間板部153の連続する上縁部から車幅方向内方に延出する補強板部154と、前板部151、後板部152および中間板部153の連続する下縁部から車幅方向内方に延出する補強板部155とを有している。補強部材44は、前板部151が上方荷重伝達部材本体121の車幅方向内側の側板部129に、後板部152が保護フレーム本体51の上部フレーム部62の車幅方向内側の側板部73に、それぞれMIG溶接等の溶接により固定されている。
図2〜図4に示すように、傾斜フレーム45は、基板部161と、基板部161の長さ方向の一端部を除く周縁部から後方に延出する補強部162とを有している。基板部161の両端部には前後方向に沿う図6に示す挿通孔163および図2〜図4に示す挿通孔164が形成されている。図6に示すように、補強部162が形成されている側の端部にある挿通孔163に、上記した保護フレーム42の凹部81のネジ軸部85を挿通させて、このネジ軸部85にナット部材165を螺合させることにより、傾斜フレーム45がカバー部材64の後板部78とナット部材165とで挟持される。このようにして、傾斜フレーム45の一端部が保護フレーム42に締結されることになり、その際にこの一端部が凹部81に配置される。
図7に示すように、リヤフレーム14における保護フレーム42の取付位置の内側には、取付用スチフナ171が溶接等により固定されている。この取付用スチフナ171は、リヤフレーム14の車幅方向内側の側板部172に接合される縦板部173と、リヤフレーム14の上板部174の内側に接合される横板部175とを有している。縦板部173には前後に二つのナット部材176,176が、リヤフレーム14の側板部172に形成された図示略の二つの挿通孔および縦板部173に形成された図示略の二つの挿通孔と位置を合わせて溶接等により固定されている。また、横板部175には一つのナット部材178が、リヤフレーム14の上板部174および横板部175に形成された図示略の挿通孔と位置を合わせて溶接等により固定されている。
保護フレーム42の図4に示す締結座105が、図7に示すリヤフレーム14の上板部174の上面に突き当てられた状態で、ボルト部材181がネジ軸部182を図2に示す締結座105の挿通孔106等に挿通後、図7に示す取付用スチフナ171のナット部材178に螺合されることで、図4に示すボルト部材181の頭部183と図7に示すリヤフレーム14とで図4に示す締結座105が挟持されることになる。
また、保護構造部41の図4に示す締結座94および締結座115が、図7に示すリヤフレーム14の側板部172の車幅方向内側の内側面に突き当てられた状態で、二本のボルト部材185,185が、それぞれのネジ軸部186,186を図2に示す締結座94,115の挿通孔96,116等に挿通後、図7に示す取付用スチフナ171のナット部材176,176に螺合されることで、図4に示すボルト部材185,185の頭部187,187と図7に示すリヤフレーム14とで図4に示す締結座94,115が挟持されることになる。
以上により、図8に示すように、保護構造部41の保護フレーム42の下部が、締結座105においてリヤフレーム14の上面に、締結座94および図4に示す締結座115においてリヤフレーム14の内側面に、それぞれ締結され、リヤフレーム14に取り付けられる。この状態で、図7に示すようにリヤフレーム14内に設けられた取付用スチフナ171は、リヤフレーム14の上板部174を挟んで図4に示す締結座105に対峙し、図7に示すリヤフレーム14の側板部172を挟んで図4に示す締結座94,115に対峙する。なお、図8に示すように保護フレーム42の下部に設けられたベース部材52は、リヤフレーム14に固定されるとリヤフレーム14と一体となり、リヤフレーム14の一部として機能する。
リヤホイールハウス13の車幅方向内側の内側面には、リヤホイールハウス13を補強するためのホイールハウス補強ガセット191が接合されており、保護構造部41の上方荷重伝達部材43は、保護フレーム42の上端部から前方のホイールハウス補強ガセット191に延びこのホイールハウス補強ガセット191に締結される。このホイールハウス補強ガセット191は、ハット型断面をなすもので、リヤホイールハウス13とで閉断面構造をなして上下に延在している。ここで、リヤフレーム14の車幅方向外側はリヤホイールハウス13と繋がって角部を形成しており、ホイールハウス補強ガセット191は、この角部まで延在してこの角部に下端部が連結されている。
ホイールハウス補強ガセット191は、上部の上ガセット192と、下部の下ガセット193とからなっており、下ガセット193の上部は、上ガセット192の下部を覆うようにして、上ガセット192の下部と上下方向の位置を重ね合わせている。ホイールハウス補強ガセット191は、位置を重ね合わせた上ガセット192の下部および下ガセット193の上部からなる重なり部194の位置に、図9に示すように後面から後方(つまり図1に示すトランクルーム11の方向)に向けて係合ピン195が突設されている。
係合ピン195は、フランジ部196とフランジ部196より小径の主軸部197と主軸部197より小径の先端軸部198とを有している。下ガセット193の重なり部194を構成する部分の後面には取付穴199が形成されており、係合ピン195は、この取付穴199に先端軸部198および主軸部197が前方から挿入され、フランジ部196において下ガセット193の前面に突き当てられて溶接等により固定される。これにより、係合ピン195の先端軸部198および主軸部197が、ホイールハウス補強ガセット191の重なり部194から後方に突出する。
この係合ピン195には、図2,図3に示す保護構造部41の上方荷重伝達部材43の蓋部材123に形成された位置決め穴146が、図9に示すように嵌合されることになり、これにより、係合ピン195が上方荷重伝達部材43の後部を上下方向および車幅方向に位置決めして支持する。
図10に示すように、ホイールハウス補強ガセット191の重なり部194の車幅方向内側部分には、締結部201が設けられている。締結部201は、重なり部194の車幅方向内側部分からなる座部202と、この座部202を車幅方向に貫通する挿通孔203と、上ガセット192の内面に挿通孔203と位置を合わせて溶接等により固定されたナット部材204とからなっている。
そして、この締結部201に、上方荷重伝達部材43の締結延出部137が締結される。つまり、上方荷重伝達部材43の締結延出部137に形成された挿通孔138および締結部201の挿通孔203に、ボルト部材205のネジ軸部206が車幅方向内側から挿通されてこのネジ軸部206がナット部材204に螺合される。これにより、ボルト部材205の頭部207とホイールハウス補強ガセット191の重なり部194の座部202とで、上方荷重伝達部材43の締結延出部137の延出板部132を挟持する。これにより、図8に示すように上方荷重伝達部材43の締結延出部137がホイールハウス補強ガセット191の車幅方向内側(中央側)の内側面に締結されて固定される。
図1に示すように、トランクルーム11の前部かつリヤシート25の後方には、左右のリヤフレーム14,14間に車幅方向に沿って架設されるボックス用横メンバ211が設けられている。また、図11に示すように、ボックス用横メンバ211の前方には、左右のリヤフレーム14間に車幅方向に沿って架設されるリヤクロスメンバ212が設けられている。このリヤクロスメンバ212はハット型断面形状をなしており、リヤフロアパネル12に溶接により接合されることで、リヤフロアパネル12とで閉断面構造の車体骨格部213を構成している。よって、リヤクロスメンバ212およびリヤフロアパネル12により形成される車幅方向に沿う車体骨格部213が、リヤフレーム14,14とリヤフロアパネル12により形成される車幅方向両側で前後方向に沿う車体骨格部22,22に連結されている。
ボックス用横メンバ211とリヤクロスメンバ212との間には、一対のボックス用縦メンバ214,214が車幅方向に離間しそれぞれ前後方向に沿って架設されている。一対のボックス用縦メンバ214,214は、それぞれの後端部がボックス用横メンバ211に溶接等により接合されており、このボックス用横メンバ211とでボックスフレーム215を構成している。このボックスフレーム215上に、図1に示す電装部品ボックス26が搭載されることになる。
図12に示すように、ボックス用横メンバ211は、上メンバ221と下メンバ222とからなっており、閉断面構造をなしている。上メンバ221は、略水平に沿う前板部225と、前板部225の後縁部から後上がりに延出する傾斜板部226と、傾斜板部226の上縁部から略水平に沿って後方に延出する上板部227と、上板部227の後縁部から上方に延出する後板部228とからなっている。下メンバ222は、略水平に沿う前板部231と、前板部231の後縁部から後下がりに延出する傾斜板部232と、傾斜板部232の後縁部から略水平に沿って後方に延出する下板部233と、下板部233の後縁部から上方に延出する後板部234とからなっている。
上メンバ221と下メンバ222とは、前板部225と前板部231とが溶接により接合され、後板部228と後板部234とが溶接により接合される。なお、上メンバ221および下メンバ222は、ボックス用縦メンバ214の接合位置については、図12に示すように前板部225と前板部231とでボックス用縦メンバ214の後端部を挟持し、この状態でボックス用縦メンバ214を含んで溶接により接合される。
ボックス用横メンバ211は、図13に示すように、車幅方向に鏡面対称の形状をなしており、左右両端に左右のリヤフレーム14,14に取り付けられる取付部235,235を有している。
図14に示すように、取付部235は、上メンバ221および下メンバ222の間に内蔵されるカラー236を有している。上メンバ221には上板部227を上下方向に貫通する挿通孔237が形成されており、下メンバ222には下板部233を上下方向に貫通する挿通孔238が形成されていて、これら挿通孔237,238に位置を合わせてカラー236が上メンバ221および下メンバ222に溶接により固定されている。
ボックス用横メンバ211は、取付部235において、ボルト部材241により、保護フレーム42のベース部材52の取付座93に取り付けられる。つまり、ベース部材52の取付座93にボックス用横メンバ211の取付部235を載置させた状態でボルト部材241のネジ軸部242が挿通孔237、カラー236の内側および挿通孔238に挿入され、取付座93の挿通孔97に挿通されて、ナット部材98に螺合されることで、ボックス用横メンバ211が保護フレーム42の取付座93とボルト部材241の頭部243とに挟持される。このとき、ボックス用横メンバ211は、端部にカラー236を内蔵しこのカラー236を挟んで取付座93に締結される。
よって、保護フレーム42の取付座93は、図1に示す電装部品ボックス26を支持するボックスフレーム215のボックス用横メンバ211の取付座となっている。なお、図14に示すように取付座93を有する保護フレーム42のベース部材52は、リヤフレーム14に固定された状態ではリヤフレーム14の一部を構成するため、ボックス用横メンバ211は、端部がリヤフレーム14に締結される。
図13に示すように、ボックス用横メンバ211の下メンバ222の後板部234の後面には、車幅方向両側に一対のブラケット251,251が溶接により接合されている。
ブラケット251は、図15に示すように、後板部234の後面に接合される一対の接合板部252,252と、接合板部252,252の相互近接側の縁部から後方に延出する一対の中間板部253,253と、これら中間板部253,253の後縁部同士を繋ぐ支持板部254とを有している。支持板部254には、図12に示すように前後方向に貫通する挿通孔255が形成されており、支持板部254の前面にはこの挿通孔255にネジ軸部257を挿通させてボルト部材258が溶接等により固定されている。よって、ボルト部材258はネジ軸部257をブラケット251の支持板部254から後方に突出させている。ボルト部材258のネジ軸部257は、傾斜フレーム45の挿通孔164に挿通され、この状態で、ネジ軸部257にナット部材259が螺合されることで、傾斜フレーム45の基板部161をブラケット251の支持板部254とナット部材259とで挟持する。これにより、ボックス用横メンバ211に傾斜フレーム45が固定される。
このとき、傾斜フレーム45は、図13に示すように、車幅方向内側に向けて先側ほど下側に位置するように傾斜して保護フレーム42の上端部とボックス用横メンバ211とを結ぶことになる。これにより、保護フレーム42とボックス用横メンバ211と傾斜フレーム45とが車幅方向に沿うトラス構造部261を形成する。つまり、保護フレーム42とボックス用横メンバ211と傾斜フレーム45とが車幅方向に沿うトラス構造をなす。そして、左右一対の保護構造部41,41とボックス用横メンバ211とで、左右一対のトラス構造部261,261が設けられる。
図15に示すように、電装部品ボックス26の後面を補強する補強用スチフナ38は、上下方向に延在する主補強部271と、この主補強部271の上縁部から前方に延出する取付部272とを有しており、主補強部271の下端部がボルト部材273により電装部品ボックス26の後面に締結され、取付部272がボルト部材274により、電装部品ボックス26の上面に締結される。図1に示すように、複数の補強用スチフナ38,38,…のうち、車幅方向の外端に配置されるものが、保護構造部41,41の傾斜フレーム45と車幅方向の位置および上下方向の位置を重ね合わせており、車幅方向の両外端以外のものが車幅方向両側の保護構造部41,41の間に配置されている。
図2〜図4に示す保護構造部41を取り付ける場合、例えば、図5に示すように傾斜フレーム45を取り付ける前の、保護フレーム42、上方荷重伝達部材43および補強部材44が一体化された一体部品を、後方から、図4に示すベース部材52の締結座105を図8に示すリヤフレーム14の上面に載置させ、図4に示すベース部材52の締結座94,115を図8に示すリヤフレーム14の内側面に対向させつつ、図9に示すように上方荷重伝達部材43の位置決め穴146をホイールハウス補強ガセット191の係合ピン195に嵌合させる。
この状態では、図2に示すベース部材52の締結座105の挿通孔106とリヤフレーム14の図示略の挿通孔と図7に示す取付用スチフナ171のナット部材178との位置がほぼ合い、図2に示すベース部材52の締結座94,115の挿通孔96,116とリヤフレーム14の図示略の挿通孔と図7に示す取付用スチフナ171のナット部材176,176との位置がほぼ合い、図10に示す上方荷重伝達部材43の締結延出部137の挿通孔138とホイールハウス補強ガセット191の締結部201の挿通孔203との位置がほぼ合う。
そして、図2に示すベース部材52の締結座105の挿通孔106にボルト部材181を上方から挿通させて、図7に示す取付用スチフナ171のナット部材178に螺合させるとともに、図2に示すベース部材52の締結座94,115の挿通孔96,116にボルト部材185,185を側方から挿通させて、図7に示す取付用スチフナ171のナット部材176,176に螺合させ、さらに図10に示す上方荷重伝達部材43の締結延出部137の挿通孔138にボルト部材205を車幅方向内側から挿通させて、ホイールハウス補強ガセット191の締結部201のナット部材204に螺合させる。これにより、保護フレーム42、上方荷重伝達部材43および補強部材44が一体化された一体部品を、リヤフレーム14およびホイールハウス補強ガセット191に固定する。
図11に示す保護フレーム42、上方荷重伝達部材43および補強部材44が一体化された一体部品の取付作業を左右両側について行った後、これら一体部品の保護フレーム42,42のベース部材52,52の取付座93,93の上に、ボックスフレーム215のボックス用横メンバ211の両端部を載置させるとともにボックスフレーム215のボックス用縦メンバ214,214の前端部を前方のリヤクロスメンバ212に載置させる。
この状態で、図14に示すように、ボルト部材241をボックス用横メンバ211の挿通孔237、カラー236の内側、挿通孔238に挿入して、保護フレーム42のベース部材52の取付座93のナット部材98に螺合させてボックス用横メンバ211を取付座93に締結する作業を左右両側について行い、図11に示すボックス用縦メンバ214,214の前端部をボルト部材276,276でリヤクロスメンバ212の上面に締結する。これにより、ボックスフレーム215が両側のリヤフレーム14,14とリヤクロスメンバ212とに固定される。この状態では、閉断面構造の左右の車体骨格部22,22と、閉断面構造の前側の車体骨格部213と、閉断面構造の後側のボックス用横メンバ211とが矩形枠状に繋がって強固な矩形枠部280を形成する。
そして、傾斜フレーム45を、図6に示すように挿通孔163に保護フレーム本体51の上端部のボルト部材84を挿通させ、図12に示すように挿通孔164にボックス用横メンバ211のブラケット251のボルト部材258を挿通させて、ボルト部材84,258にナット部材165,259を螺合させる。これにより、傾斜フレーム45が保護フレーム42とボックス用横メンバ211とに固定される。
上記の作業を、左右両側の傾斜フレーム45,45について行った後、図1に示す電装部品ボックス26をボックスフレーム215上に載置させて、このボックスフレーム215に固定する。この状態では、図11に示す矩形枠部280が、水平方向において電装部品ボックス26の下部の一回り外側に位置する。
上記のように組み付けられた状態では、図1に示すように、保護フレーム42,42が、電装部品ボックス26より後側に位置してリヤフレーム14,14の上面に立設されることになる。なお、組み付けられた状態での左右の保護フレーム42,42の配置間隔は、リヤバンパビーム16の長さよりも狭くなっている。
また、上記のように組み付けられた状態では、図8に示すように、上方荷重伝達部材43が、保護フレーム42の上端部から前方のホイールハウス補強ガセット191に延び、図9に示すホイールハウス補強ガセット191の後面から後方へ向け突設する係合ピン195に位置決め穴146において嵌合し、かつ図10に示すようにホイールハウス補強ガセット191の内側面に締結延出部137が締結される。また、図1に示すように、保護フレーム42は、電装部品ボックス26を支持するボックスフレーム215のボックス用横メンバ211と、保護フレーム42の上端部およびボックスフレーム215を結ぶ傾斜フレーム45とによって車幅方向に沿うトラス構造部261を形成する。加えて、電装部品ボックス26の後面には、車幅方向両側のトラス構造部261,261の間に位置して複数の補強用スチフナ38,38,…が設けられている。また、電装部品ボックス26に接続された冷却装置31の冷却ファン33およびダクト34が、車幅方向右側のリヤフレーム14および車幅方向右側の保護構造部41と、車幅方向右側のリヤホイールハウス13との間に配置されている。
以上に述べた本実施形態によれば、後面衝突時に、例えばリヤバンパビームエクステンション15,15がリヤフレーム14,14から剥離してリヤバンパビームエクステンション15,15とともにリヤバンパビーム16が衝突車両に押されて前方に移動してきても、図16(a)に示すように、リヤバンパビーム16は電装部品ボックス26よりも先に保護フレーム42に当接する。このとき、保護フレーム42は、図11に示すように、リヤフレーム14の上面に立設されるとともにその上端部から上方荷重伝達部材43がホイールハウス補強ガセット191に延びているため、保護フレーム42が受けた荷重をリヤフレーム14が下方で伝達し、上方荷重伝達部材43が上方で伝達することになる。これにより、リヤバンパビーム16からの荷重を保護フレーム42が良好に受け止めることになり、保護フレーム42より前方に位置する電装部品ボックス26への荷重入力を抑制することができる。このように、リヤフレーム14に立設される保護フレーム42と、保護フレーム42の上端部から前方のホイールハウス補強ガセット191に延びる上方荷重伝達部材43とで電装部品ボックス26を保護するため、トランクルーム11の容積の減少を抑制しつつ電装部品ボックス26を保護することができる。
また、図9に示すようにホイールハウス補強ガセット191の後面から後方へ向け突設する係合ピン195に上方荷重伝達部材43の位置決め穴146を嵌合させて、図10に示すように上方荷重伝達部材43の締結延出部137をホイールハウス補強ガセット191の内側面に締結する構造であるため、トランクルーム11側または室内側から上方荷重伝達部材43の組付作業を行うことができ、組付作業の作業性が向上する。ホイールハウス補強ガセット191の後面から後方へ向け突設する係合ピン195に、上方荷重伝達部材43の位置決め穴146を嵌合させるため、上方荷重伝達部材43からホイールハウス補強ガセット191への安定した荷重伝達が可能となる。
また、図4に示すように、保護フレーム42は、上下に延在する保護フレーム本体51の下端部にベース部材52が突き当て溶接されるとともに、このベース部材52と補強部材53,54とが保護フレーム本体51の下端部周縁を囲むように結合されるため、保護フレーム42から下方伝達荷重を確実にリヤフレーム14に伝達可能となる。
また、保護フレーム42が、締結座105でリヤフレーム14の上面に締結されるとともに締結座94,115でリヤフレーム14の内側面に締結されるため、締結作業が容易となるとともに、確実に保護フレーム42をリヤフレーム14に締結することができる。よって、保護フレーム42からリヤフレーム14に安定して下方伝達荷重を伝達可能となる。
また、締結座105および締結座94,115とリヤフレーム14内に設けられた図7に示す取付用スチフナ171とでリヤフレーム14を挟んで保護フレーム42をリヤフレーム14に締結可能となるため、保護フレーム42をリヤフレーム14に確実に締結することができる。よって、保護フレーム42からリヤフレーム14により一層確実に下方伝達荷重を伝達可能となる。
また、図11に示すように、保護フレーム42が、電装部品ボックス26を支持するボックスフレーム215の取付座93を備えるため、ボックスフレーム215に加わる荷重をリヤフレーム14に伝達可能となるとともに、取付座93を有する別途のブラケットが不要となる。
また、保護フレーム42が、電装部品ボックス26を支持するボックスフレーム215と、保護フレーム42の上端部およびボックスフレーム215を結ぶ傾斜フレーム45とによって車幅方向に沿うトラス構造をなすため、コンパクトな構成で、保護フレーム42の車幅方向の内外への倒れを抑制できる。
また、図2〜図4に示すように、保護フレーム42の上端部の凹部81に、傾斜フレーム45の端部を収容できるため、傾斜フレーム45がトランクルーム11側に突出することを抑制することができ、トランクルーム11の容積の減少を抑制できる。
また、図16(b)に示すように、後面衝突時にリヤバンパビーム16が折れたとしても、保護フレーム42に加えて、電装部品ボックス26の後面に設けられた補強用スチフナ38,38,…でリヤバンパビーム16を受け止めることができ、電装部品ボックス26を保護することができる。
また、図1に示すようにトランクルーム11の前部かつリヤシート25の後方で車幅方向に架設されるボックス用横メンバ211と、図11に示すようにボックス用横メンバ211および前方のリヤクロスメンバ212間に架設されるボックス用縦メンバ214とを有するボックスフレーム215に、図1に示す電装部品ボックス26を搭載するため、電装部品ボックス26をトランクルーム11の最前部に寄せて配置でき、トランク容量を増大可能となる。
また、図8に示すように、ホイールハウス補強ガセット191が、リヤホイールハウス13とで閉断面構造をなしてリヤフレーム14とリヤホイールハウス13との角部まで延在するため、ホイールハウス補強ガセット191の強度が向上する。
また、図9に示すように、ホイールハウス補強ガセット191の上ガセット192と下ガセット193との強度の高い重なり部194から後方へ向け突設する係合ピン195に、上方荷重伝達部材43の位置決め穴146を嵌合させるとともに、図10に示すように上ガセット192と下ガセット193との強度の高い重なり部194に締結延出部137を締結するため、上方荷重伝達部材43からホイールハウス補強ガセット191への安定した荷重伝達が可能となる。
また、図2,図3に示すように、上方荷重伝達部材43が、中空フレームからなる上方荷重伝達部材本体121と、上方荷重伝達部材本体121の他端部に設けられ位置決め穴146を備える蓋部材123とを有し、蓋部材123が締結延出部137に結合されるため、上方荷重伝達部材43からホイールハウス補強ガセット191への安定した荷重伝達が可能となる。
また、図12に示すように、ボックス用横メンバ211が、閉断面構造をなすため強度向上を図ることができる上、図14に示すようにカラー236を挟んでリヤフレーム14に締結されるため締結強度を向上することができる。