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JP5594747B2 - 微粒子分散溶液の製造方法、及びLnOX−LnX3複合体粒子の製造方法 - Google Patents

微粒子分散溶液の製造方法、及びLnOX−LnX3複合体粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子分散溶液の製造方法、及びLnOX−LnX複合体粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、ナノメートルサイズの蛍光体微粒子を溶媒中に均一に分散する微粒子分散溶液の製造方法、及びLnOX−LnX複合体粒子の製造方法に関する。
医療・生化学の研究分野における臨床検査の一つとして、特定の細胞や組織を有機系色素等の蛍光物質で標識し、紫外線を照射したときに発する蛍光で可視化し、光学顕微鏡で観察を行うバイオイメージングがある。この手法においては紫外線が蛍光物質や観察対象に損傷を及ぼしてしまい、長時間の観察が困難であるという問題があった。
このような問題を解決するために、近赤外線照射によりアップコンバージョン発光を呈する無機蛍光体微粒子を蛍光標識に用いる方法が提供されている(例えば、特許文献1を参照。)。この方法に用いる無機蛍光体微粒子の特性については、例えば、粒径がナノメーターサイズであることや、溶媒中に安定して単分散可能であることが必要である。
かかる粒径からなるナノメートルの微粒子が分散した溶液の製造方法としては、例えば、主にナノメートルサイズの微粒子を溶液に直接投入・撹拌する方法や(例えば、特許文献2を参照。)、マイクロメートルサイズの微粒子を溶液中で解粒する方法(例えば、特許文献3及び特許文献4を参照。)、及び溶液中でナノメートルサイズの微粒子を析出・成長させる方法(例えば、特許文献5及び特許文献6を参照。)が適用されてきた。
特開2004−107612号公報 特開2006−249253号公報 特開平11−35320号公報 特開2006−152032号公報 特開平6−271316号公報 特開平7−313862号公報
前記した従来の技術のうち、特許文献2に開示されるような、ナノメートルサイズの微粒子を直接溶液に投入・攪拌する方法では、あらかじめナノメートルサイズの微粒子を製造する工程、十分溶液に超音波をかけて粒子を移動・分散させる工程、またはミル式分散機を導入して機械的に攪拌する工程が必要であるため、効率的ではなかった。加えて、これらの方法では高分子分散剤を添加し、溶媒の粘度を高くすることが好適であるとされているが、溶媒の粘度を高くすることはバイオイメージング標識への用途を考えた場合は好ましくなかった。また、すべての凝集固体を単粒子にまで分離することは非常に困難であるという問題もあった。
また、特許文献3及び特許文献4に開示されるような、マイクロメートルサイズの微粒子を溶液中で解粒する方法にあっては、一般的に粉砕機やミルなどの専用装置により機械的に解粒する方法、アブレーションにより化学的に微粒子化する方法が用いられる。これらの装置は高価であり、また、溶液を専用の容器に移し替える必要があるため、製造プロセスが煩雑になるという問題があった。
更には、特許文献5及び特許文献6に開示されるような、溶液中でナノメートルサイズの微粒子を析出・成長させる方法では、上記のような機械的な分散処理や解粒処理を必要とせず、微粒子が分散した溶液を直接得ることができる一方、析出した状態のままでは、多くの場合は粒子内部に溶媒の一部が残留したり、表面に水酸基が残留して、これらがアップコンバージョン発光の効率を大きく低下させるという問題があった。これらの溶媒や水酸基を除去するためには、一度析出物を集め、電気炉などによって高温で焼成することが有効であるが、多くの場合この段階で粒の成長ないし焼結を伴い、粒径がマイクロメートルサイズに達してしまい、結局、前記した解粒作業が必要となる場合もあるため好ましくなかった。
そして、解粒工程を伴う場合にあっては、全ての粒子を均一の粒径にすることは困難であるため、必要に応じて適格な粒径のものだけを選別する工程も加える方法がある。そこで、粒径のナノメートルサイズ化と溶液の分散を効率よく行うための方法が模索されていた。
本発明は、上記問題に鑑みて研究を行った結果なされたものであり、機械的な分散、解粒処理を行うことなく、ナノメートルサイズの微粒子が分散された分散溶液の製造を効率よく行うことが可能な微粒子分散溶液の製造方法、及び前駆体となるLnOX−LnX複合体粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の請求項に係るLnOX−LnX複合体粒子の製造方法は、希土類ハロゲン化物の水和物LnX・nHO(Lnは希土類元素、Xはハロゲン、nは1〜7の整数)を100〜350℃で1時間以上加熱して仮焼結体を得る第1の加熱処理と、前記第1の加熱処理で得られた仮焼結体を400℃以上で1時間以上加熱する第2の加熱処理と、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項2に係るLnOX−LnX複合体粒子の製造方法は、前記した請求項1において、前記第1の加熱処理における加熱が前記100〜350℃の間の温度で段階的に行われ、各段階の温度差は、20〜80℃であり、各段階の保持時間は、1段階について1〜10時間とすることを特徴とする。
本発明の請求項に係る微粒子分散溶液の製造方法は、前記した請求項または請求項で得られたLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入してなることを特徴とする。
本発明の請求項に係るLnOX−LnX複合体粒子の製造方法は、希土類ハロゲン化物の水和物LnX・nHOを2段階で加熱処理するようにしているので、分散溶液を調製するための前駆体となるLnOX−LnX複合体粒子を簡便に得ることができる。
本発明の請求項に係るLnOX−LnX複合体粒子の製造方法は、第1の加熱処理における加熱を段階的に行うようにしているので、当該加熱処理における反応を確実に進行させることができ、また、水和結晶からの水分の脱理の度合を制御することにより残留する水和物の体積を制御することにより、自己加水分解で得られるLnOCl粒子の粒径を制御できるというメリットもある。
本発明の請求項に係る微粒子分散溶液の製造方法は、請求項または請求項で得られた、内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入することにより製造することができるので、従来の製造では必要とされていた機械的な分散、解粒処理を行うことなく、平均粒子径がナノメートルサイズのLnOX微粒子が溶媒に均一に分散された微粒子分散溶液を簡便かつ低コストで得ることができる。
実施例1で得られた前駆体のX線回折パターンを示した図である。 実施例1で得られた微粒子分散溶液から抽出した微粒子のX線回折パターンを示した図である。 実施例1で得られた微粒子分散溶液から抽出した微粒子を980nmの赤外線で励起したときのアップコンバージョン発光スペクトルを示した図である。 比較例1で得られた前駆体のX線回折パターンを示した図である。
以下、本発明の一態様を説明する。本発明の微粒子分散溶液は、溶媒に平均粒子径が1〜800nmの希土類元素(Ln)のオキシハロゲン化物(LnOX:Lnは希土類元素、Xはハロゲン)微粒子が均一に分散することによりなる。
本発明の微粒子分散溶液にあっては、分散される微粒子は希土類元素(Ln)のオキシハロゲン化物(LnOX)からなる。適用可能なLn(希土類元素)としては、例えば、ランタン(La)、エルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)等が挙げられる。これらは、その1種類を単独で使用してもよく、またはその2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
分散される希土類元素のオキシハロゲン化物微粒子の平均粒子径は、1〜800nmといったナノオーダーメートルの範囲である。なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡写真より100個の蛍光体微粒子を抽出し、それぞれの粒子径を平均した値とする。
分散される微粒子を構成する希土類元素(Ln)のオキシハロゲン化物(LnOX)における希土類元素(Ln)は、前記した中から要求される特性等に応じて選択することができるが、例えば、LnLnOXのように、1つの微粒子に対して2つ(あるいはそれ以上)の希土類元素(Ln)が存在するようにしてもよい。1つの微粒子に対して2つ(あるいはそれ以上)の希土類元素が存在する場合における希土類元素の種類やその割合(モル分率)は、必要とされる特性や用途に応じて適宜決定されるが、例えば、溶液に分散される微粒子の用途をアップコンバージョン発光とした場合、エルビウム(Er)またはツリウム(Tm)を10%以下(モル分率。以下同じ。)とし、また、増感剤としてイッテルビウム(Yb)を10%以下とすることが好ましい。また、微粒子を造影剤として用いるためには、Gdを40%以上含有するようにすることが好ましい。
一方、ハロゲン元素(X)としては、特に限定されるものではなく、Cl(塩素)、Br(ホウ素)、I(ヨウ素)等を使用することができるが、より効率的な発光のためにはBrやIを用いることが好ましい。
微粒子分散溶液において、前記した希土類元素のオキシハロゲン化物を溶解させるための溶媒としては、水やエタノール、メタノールの有機溶剤等を使用することができる。また、溶媒は、界面活性剤や水溶性ポリマー等の修飾物を添加するようにしてもよく、溶媒がこれらの修飾物を含有することにより、微粒子の表面が修飾され、観察対象に吸着しやすくなる。これら修飾物は、溶液全体に対して概ね0.01〜1.0質量%添加するようにすればよいが、特には限定されない。
使用できる界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。また、水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、リン脂質等を使用することができる。これらはその1種類を単独で使用してもよく、またはその2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の微粒子分散溶液に対する微粒子の含有量は、微粒子の種類や要求される特性等に応じて適宜決定すればよいが、溶液全体に対して適量を含有させ、概ね0.5〜10.0質量%程度含有させることが好ましく、0.5〜5.0質量%程度含有させることが特に好ましい。
なお、本発明の微粒子分散溶液における「均一に分散された」状態とは、微粒子分散溶液を所定の容器(容量が1〜1000mL程度)に入れて撹拌ないし振とうして所定の時間(例えば1時間程度)放置した後であっても、分散状態を保持することができるものをいう。
本発明の微粒子分散溶液は、希土類元素(Ln)のオキシハロゲン化物(LnOX)微粒子が溶媒中に分散されてなるものであるが、当該分散溶液を得るには、例えば、前駆体となる、内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入ないし添加するようにすればよい。一般に、ナノメートルサイズのLnOXを溶媒中に分散することは非常に困難であるが、内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入した場合には、両者の溶解性(溶解挙動)の違いにより、可溶性のLnXが溶媒に溶解する一方、難溶性のLnOX微粒子が溶媒中に均一に分散された分散溶液となる。
また、かかる前駆体である内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子は、希土類ハロゲン化物の水和物LnX・nHO(nは1〜7の整数)に対して100〜350℃で1時間以上加熱する第1の加熱処理と、第1の加熱処理後、400℃以上で1時間以上加熱する第2の加熱処理を施すことにより、簡便に得ることができる。
出発物質となる希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)は、対応する希土類ハロゲン化物(LnX)を純水等の水中に溶解させることにより簡便に得ることができる。また、出発物質の形態は特に限定されないが、前駆体中にLnOX微粒子を効率的に析出させるためには、粒子状であることが好ましく、希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)の結晶粒径をあらかじめマイクロメートルサイズ(概ね1〜20μm程度)にしておくことが好ましい。かかる水和物の結晶粒径をマイクロメートルサイズにする方法としては、出発物質を水等の溶媒に溶解させたものを、例えば、100〜200℃程度の温度で急速に加熱し、溶媒のみを急速に蒸発させて乾燥させることにより簡便に得ることができる。
また、出発物質の希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)は、その1種類を単独で使用するようにしてもよく、また、例えば、Ln・nHO、Ln・nHOといった2種類(あるいはそれ以上)を組み合わせて使用するようにしてもよい。後者の場合は、得られる前駆体としてLnLnOX−LnLnLnX複合体粒子(Ln:LnOCl−Ln:LnCl複合体)といった2種類の(あるいはそれ以上の)希土類元素が存在する複合体粒子が得られることになる。また、分散溶液中の微粒子としてLnLnOX(Ln:LnOCl)が2種類の(あるいはそれ以上の)希土類元素が存在する微粒子となる微粒子分散溶液が得られることになる。
なお、希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)として、2種類のLn(希土類元素)が存在する希土類ハロゲン化物の水和物LnLn・nHOや、3種類以上の希土類元素が存在する希土類ハロゲン化物の水和物を使用するようにしてもよい。
本発明の製造方法にあっては、出発物質である希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)は、2段階の加熱処理が施される。まず、100〜350℃で1時間以上の加熱処理が施される(第1の加熱処理)。かかる条件で加熱されることにより、得られる粒子の表面においては下記式(I)の反応により無水LnXが生じる一方、粒子の内部には加熱温度と加熱時間に応じた量のLnX・HOが残留した仮焼結体が製造されることになる。
Figure 0005594747
ここで、加熱温度(保持温度)が100℃より低いと反応が進まず、所望量の無水LnXが生成されないことになる。一方、加熱温度が350℃より高いと、希土類ハロゲン化物の水和物(LnX・nHO)の多くが第1の加熱処理の段階でLnOXとなってしまい、マトリックスとなる無水LnXが存在せず、不安定な粒子が生成することになる。
加熱時間(保持時間)は、1時間より短いと反応が進まず、所望量の無水LnXが生成されないことになる。加熱時間は、長ければそれに応じた量の無水LnXが生成した仮焼結体が製造されることになるが、概ね1〜100時間とすることが好ましく、1〜50時間とすることがさらに好ましく、1〜5時間とすることが特に好ましい。また、第1の加熱処理における昇温速度は、特に限定されないが、50〜100℃/時間程度としておけばよい。
また、第1の加熱処理は、100℃から350℃の間の温度で段階的に加熱するようにしてもよい。加熱を段階的に行うことにより、反応を確実に進行させることができ、また、水和結晶からの水分の脱理の度合を制御することにより残留する水和物の体積を制御することにより、自己加水分解で得られるLnOCl粒子の粒径を制御できることになる。各段階の温度差は、20〜80℃であることが好ましく、30〜60℃であることが特に好ましい。また、各段階の保持時間は、1段階について1〜10時間とすることが好ましく、1〜5時間とすることが特に好ましい。
次に、第2の加熱処理として、第1の加熱処理で得られた仮焼結体を400℃以上の温度で1時間以上加熱するようにする。第1の加熱処理と比較して高温で加熱することにより、下記式(II)の反応により、第1の加熱処理で得られた仮焼結体の内部の残留するLnX・nHOがLnOXに変化する。この結果、内部に分散体となる、平均粒子径がナノメートルサイズの無数のLnOX微粒子が存在し、その外部を無水LnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子が得られる。
Figure 0005594747
加熱温度(保持温度)は、400℃以上であればよく、加熱温度が400℃より低いと、反応が進まず、所望量の無水LnOXが生成されないことになる。加熱温度は、高ければ反応が進行するが、LnOXをナノメートルサイズの微粒子とするためには、概ね400〜500℃程度とすればよい。
加熱時間(保持時間)は、1時間より短いと反応が進まず、所望量の無水LnOXが生成されないことになる。加熱時間は、長ければそれに応じた量のLnOXが生成した前駆体(LnOX−LnX複合体粒子)が製造されることになるが、概ね1〜5時間とすることが好ましく、1〜2時間とすることが特に好ましい。
また、第2の加熱処理における昇温速度は、特に限定されないが、前駆体に含まれる微粒子の平均粒子径は、第2の加熱処理における昇温速度が大きいほど、結晶の成長を抑えることができるため小さくなる傾向にあり、最終的に得られる微粒子分散溶液中に含まれる微粒子の平均粒子径を制御することが可能である。昇温速度は、50〜100℃/時間程度としておけばよい。
前記した第1の加熱処理及び第2の加熱処理にあっては、効率的な前駆体の調製のために、雰囲気を真空雰囲気、あるいは窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。また、第1の加熱処理及び第2の加熱処理における加熱手段は、電気炉等といった公知の加熱手段を用いて行えばよい。
かかる2段階の加熱処理によって得られた前駆体(LnOX−LnX複合体粒子)は、粒径が1〜1000μmの粒子となり、マトリックスとなる溶解性ホスト(LnX)の内部に、平均粒子径が1〜800nmの難溶性微粒子(LnOX)が無数に存在している構成となる。なお、得られる前駆体は、希土類酸ハロゲン化物微粒子であるLnOX微粒子、希土類ハロゲン化物であるLnXともに結晶質であると考えられる。また、複合体1つあたりには、無数のLnOX微粒子がマトリックスとなるLnXの中に単分散して存在しているものと考えられる。例えば、マトリックスとなるLnX粒子のサイズが約1μmであるならば、粒子の表面は純粋なLnXとなり、内部の一部に水分子が残留し、自己加水分解するので、純粋なLnXを除いた1μmよりも小さな体積の粒子となる。前記の加熱処理の程度によって粒子の表面から水が抜ける程度は変化し、ある程度長時間加熱処理することによりそれだけ純粋なLnXが増える一方でLnX・HOが減り、結果としてLnX・HOが自己加水分解してできるLnOClの体積、すなわちLnOClの粒径が小さくなる。
そして、内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子を、水や、メタノール、エタノール等の有機溶媒等の溶媒に適量(例えば、溶液全体に対して複合体粒子を好ましくは0.5〜10.0質量%程度、特に好ましくは0.5〜5.0質量%程度)投入ないし添加することにより、複合体粒子の外部に存在する可溶性のLnXが溶媒に溶解し、内部に存在する、平均粒子径が1〜800nmの難溶性のLnOX微粒子が均一に分散された微粒子分散溶液が得られることになる。また、溶媒としては、前記したように、水等のほか、修飾物として界面活性剤や水溶性ポリマー等を添加するようにしてもよい。
本発明の微粒子分散溶液は、平均粒子径がナノメートルサイズであり、近赤外線照射により励起されてアップコンバージョン発光を呈する希土類元素(Ln)のオキシハロゲン化物であるLnOX微粒子を均一に分散するので、アップコンバージョン発光蛍光体、造影剤、増感剤、映像表示デバイス、蛍光イムノアッセイプローブ、バイオイメージングプローブ、一分子イメージングプローブ等として、遺伝子診断分野、免疫診断分野、医療開発分野、環境試験分野、バイオテクノロジー分野、蛍光検査等における蛍光標識等として使用することができ、今後の生化学研究から臨床診断まで幅広い分野に多大な貢献をすることができる。
また、かかる本発明の微粒子分散溶液は、前駆体となる、内部に難溶性のLnOX微粒子が存在し、その外部を可溶性のLnXが覆った状態のLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入することにより製造することができるので、従来の製造では必要とされていた機械的な分散、解粒処理を行うことなく、平均粒子径がナノメートルサイズのLnOX微粒子が溶媒に均一に分散された微粒子分散溶液を簡便かつ低コストで得ることができるものである。よって、生化学研究から医療診断までの幅広い分野におけるバイオイメージング用蛍光標識として応用可能な、微粒子が均一に単分散した溶液を、解粒工程、選別工程を経ることなく提供することができる。
さらに、かかる前駆体(LnOX−LnX複合体粒子)も、希土類ハロゲン化物の水和物LnX・nHOに対して2段階の加熱処理をすることにより簡便に得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
[実施例1]
出発物質としてLaCl・6HO及びErCl・6HOを用いて、下記の方法により、本発明の微粒子分散溶液であるEr:LaOCl微粒子分散溶液(La0.99Er0.01OCl微粒子分散溶液)を調製した。
(1)LaCl・6HO水溶液及びErCl・6HO水溶液の調製:
出発物質として、LaCl・6HOを使用して水に溶解し、濃度が1.345mol/LであるLaCl水溶液を調製した。
(2)ErCl・6HO水溶液の調製:
出発物質として、ErCl・6HOを使用して水に溶解し、濃度が0.873mol/LであるErCl水溶液を調製した。
(3)仮焼結体の調製(第1の加熱処理):
(1)(2)で得られたLaCl水溶液及び(2)で得られたErCl・6HO水溶液を、モル比でLaCl/ErCl=99/1となるような分量を秤量して混合して混合溶液を得た。得られた混合溶液を80℃にて3時間加熱することにより粒子状の水和物(La0.99Er0.01Cl・6HO)を得た。
得られた水和物をアルミナ製の耐火ボートに入れ、窒素ガス雰囲気の電気炉を用いて昇温速度50℃/分として、室温から120℃、180℃、240℃、300℃の各温度まで昇温し、それぞれの温度で3時間保持することにより、粒子外部に無水La0.99Er0.01Cl、粒子内部にあってはLa0.99Er0.01Cl・HOが残留する仮焼結体を得た。
(4)前駆体の調製(第2の加熱処理):
(3)で得られた仮焼結体を、(3)で用いた窒素ガス雰囲気の電子炉を用いて、温度を400℃として3時間加熱することにより、粒子内部のLa0.99Er0.01Cl・HOがLa0.99Er0.01OClとなり、La0.99Er0.01OClがLa0.99Er0.01Clで被覆された前駆体(Er:LaOCl−Er:LaCl複合体粒子)(平均粒子径:1〜1000μm)を得た。
(4)で得られた前駆体を瑪瑙乳鉢にて粉砕し、粉末X線回折装置(XRD−6100:(株)島津製作所製)により結晶相を分析した結果(X線回折パターン)を図1に示す。図1に示すように、X線回折パターンからはLaCl相とLaOCl相が示され、前駆体はEr:LaOCl相−Er:LaCl相の複合体であることが確認できた。
(5)微粒子分散溶液の調製:
(4)で得られた前駆体を溶媒となる水に投入して溶解・分散させ、溶液全体に対して当該前駆体を10.0質量%含有するEr:LaOCl微粒子分散溶液(La0.99Er0.01OCl微粒子分散溶液)を得た。得られた微粒子分散溶液は、Er:LaOCl微粒子が溶液中に均一に分散されるものであり、得られた分散溶液を容量が50mLのスクリュー管に入れ振とうして1時間放置した後でも分散状態を保持するものであった。
(5)で得られた微粒子分散溶液について、遠心分離、沈殿物の蒸留水への再分散、超音波洗浄からなる一連の工程を3回繰り返し、遠心分離により得られた沈殿物をP上で真空乾燥させることにより粉末試料を得た。得られた粉末試料について、粉末X線回折装置(XRD−6100:(株)島津製作所製)により結晶相を分析した結果を図2に示した。図2に示すように、得られたX線回折パターンからはLaOCl相のパターンのみ観測され、微粒子分散液中に分散される微粒子はEr:LaOCl微粒子であることが確認できた。
さらに、得られた粉末試料に980nmの赤外線を照射したところ、黄色のアップコンバージョン発光を呈した。かかる発光を蛍光分光測定装置(RF−5000:(株)島津製作所製)で分析したところ、図3に示すように、550nm付近の緑色の発光と660nm付近の赤色の発光であることが分かった。なお、これは粉末中のEr3+イオンからの発光であるものと考えられる。
そして、得られた粉末試料について電解放出型走査電子顕微鏡(S−4200:(株)日立ハイテクノロジー製)を用いて平均粒子径を観察したところ、得られた粉末試料(分散溶液中の微粒子)の平均粒子径30〜300nmの微粒子であることが確認できた。
以上の結果より、作製された前駆体はEr:LaOCl微粒子−Er:LaClホストの複合体であり、これを水に溶解することにより、平均粒子径が30〜300nmのEr:LaOCl微粒子分散溶液を得られたことが確認できた。
[比較例1]
実施例1において、(3)及び(4)の加熱処理を1工程として、加熱温度を900℃、加熱時間を40分(昇温速度:1350℃/時間)とした以外は実施例1と同じ条件で前駆体を調製した。
比較例1で得られた前駆体について、粉末X線回折測定を行った結果を図4に示す。図4に示すように、比較例1で得られた前駆体においてはEr:LaOCl相のみのパターンが観測され、Er:LaCl相によるパターンは観測されなかった。以上より、熱処理温度を900℃として1段階で加熱した場合は、Er:LaOCl−Er:LaCl複合体を得ることができないことが確認できた。
なお、比較例1で得られた前駆体を用いて実施例1と同様にして微粒子分散溶液を調製した。一方、得られた微粒子分散溶液をスクリュー管に入れ振とうして1時間放置した後では、微粒子が沈降して、分散状態を保持することはできなかった。
本発明によれば、例えば、X線や蛍光発光を用いたバイオイメージングに用いられる標識を簡便かつ低コストで提供することができるので、遺伝子診断分野、免疫診断分野、医療開発分野、環境試験分野、バイオテクノロジー分野、蛍光検査等で有利に使用することができる。

Claims (3)

  1. 希土類ハロゲン化物の水和物LnX・nHO(Lnは希土類元素、Xはハロゲン、nは1〜7の整数)を100〜350℃で1時間以上加熱して仮焼結体を得る第1の加熱処理と、
    前記第1の加熱処理で得られた仮焼結体を400℃以上で1時間以上加熱する第2の加熱処理と、
    を含むことを特徴とするLnOX−LnX複合体粒子の製造方法。
  2. 前記第1の加熱処理における加熱が前記100〜350℃の間の温度で段階的に行われ
    各段階の温度差は、20〜80℃であり、
    各段階の保持時間は、1段階について1〜10時間とすることを特徴とする請求項1に記載のLnOX−LnX複合体粒子の製造方法。
  3. 前記請求項1または請求項2で得られたLnOX−LnX複合体粒子を溶媒に投入してなることを特徴とする微粒子分散溶液の製造方法。
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