JP5578370B2 - 二次電池用電極及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この種の二次電池の一つの典型的な構成では、電荷担体となるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る電極活物質を含む電極材料(電極活物質層)が導電性部材(集電体)に保持された電極を備えている。そしてこの電極は、代表的には、まず、電極活物質と、高導電性の導電材と、バインダ(結着剤)等の固形分材料を適切な溶媒に分散させてペースト状の電極活物質層形成用組成物を調製し、この組成物を集電体の表面に層状に塗布する。次いでこの塗布した組成物を乾燥させて溶媒を除去し、集電体上に電極活物質を含む電極活物質層を形成すること(塗布法)で、製造するようにしている。
1:上記導電性粒子と熱可塑性ポリマーとを含む中間層材料を所定の溶媒に分散させた導電性中間層形成用組成物を用意する工程
2:上記導電性中間層形成用組成物を上記集電体の表面に層状に塗布する工程、
3:上記集電体に塗布された導電性中間層形成用組成物を乾燥させて上記中間層材料からなる上記導電性中間層を形成する工程
4:上記電極活物質とバインダとを含む電極活物質材料を所定の溶媒に分散させた電極活物質層形成用組成物を用意する工程
5:上記電極活物質層形成用組成物を上記導電性中間層の上面に層状に塗布する工程
6:上記集電体に塗布された電極活物質層形成用組成物を乾燥させて上記電極活物質材料からなる上記電極活物質層を形成する工程
これにより、電極活物質層の乾燥工程において、導電性中間層中の熱可塑性ポリマーが電極活物質層へ拡散することが抑制されて、電極のシャットダウン特性を損ねることなく二次電池用電極を好適に製造することができる。
さらに、本明細書において「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウム二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。
図1に示すように、かかる正極12は、図示しない正極活物質を含む正極活物質層124と集電体122との間に、導電性粒子50を含む導電性中間層123が介在されている。このような積層構造(具体的には、2層構造)を有する正極12の製造は、図2に示すように、まず、ステップS10において、集電体122の表面に層状に導電性中間層123を形成する。次いで、ステップS20において、この導電性中間層123の上に正極活物質層124を形成することで実施される。この導電性中間層123および正極活物質層124は、各層の構成材料を溶媒に分散させてなる組成物を所定の範囲に塗布して、乾燥させることで形成され得る。
かかる導電性中間層123は、典型的には、導電性粒子50と熱可塑性ポリマー60とを含有している。導電性中間層123は、通常の充電状態および放電状態では良好な導電体として機能するが、過充電状態では抵抗が大きくなり、電流の流れを低減または遮断(シャットダウン)する機能を発揮する。また熱可塑性ポリマー60は、導電性粒子50同士を結合する結合剤としての働きと、導電性中間層123を集電体122に固着させる固着剤としての働きをする。なお、本発明の範囲を特に限定するものではないが、過充電時に導電性中間層の抵抗が大きくなる理由は、通常使用時には導電性粒子50の表面に点在した状態で導電性粒子50同士を結着していた熱可塑性ポリマー60が、過充電に伴う温度上昇により結晶化して抵抗体を形成し、これにより導電性粒子50間に高電流が流れることを抑制するためであると考えられる。
このような導電性中間層123の形成には、まず、図1のステップS12に示されるように、導電性粒子50と熱可塑性ポリマー60とを含む中間層材料を所定の溶媒に分散させた導電性中間層形成用組成物を用意する。
中間層材料を分散させる溶媒としては、使用する熱可塑性ポリマー60との組み合わせを考慮し、この熱可塑性ポリマー60を溶解または分散可能な溶媒(混合溶媒であり得る。)を適宜選択することができる。例えば熱可塑性ポリマー60としてPVDFを用いる場合、従来の溶剤系活物質層形成用組成物の調製に用いられる有機溶剤(非水系溶媒)を好適に用い得る。かかる有機溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。これらのうち、例えばNMPを好ましく採用することができる。
特に限定するものではないが、導電性粒子50として平均粒径の異なる2種以上の粒子を用いる場合の導電性中間層形成用組成物の調製にあたっては、まず、より平均粒径の大きな第2導電性粒子52および熱可塑性ポリマー60を溶媒と混合する。その後、この混合物により平均粒径の小さい第1導電性粒子51を投入して混合・分散させる態様を好ましく採用することができる。かかる態様により、相対的に平均粒径の小さい(したがって均一分散が困難な傾向にある)第1導電性粒子51が均一に分散した導電性中間層組成物を好適に調製することが可能となる。上記第1導電性粒子51の投入は、一度に行ってもよく、何回かに分割して行ってもよく、徐々に(連続的に)行ってもよい。例えば、使用する第1導電性粒子51の全量を2〜50回(より好ましくは3〜20回、例えば5〜10回)に分け(典型的には等分し)、それらを所定の間隔(例えば3〜10分程度の間隔)で投入することが好ましい。なお、熱可塑性ポリマー60と第2導電性粒子52とは、いずれを先に溶媒と混合してもよく、両者を略同時に溶媒と混合してもよい。
次いで、上記のとおり用意した導電性中間層形成用組成物を、ステップS14に示した通り、集電体122の表面に層状に塗布する。
集電体122としては、従来の二次電池(典型的にはリチウム二次電池)の正極に用いられる集電体と同様、導電性の良好な金属およびその合金等を用いることができる。例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、鉄等を主成分とする金属またはその合金等をであり、より好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。集電体122の形状は、所望の二次電池の形状等に応じて様々なものを考慮することができる。例えば、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態のものであり得る。本実施形態では、シート状のアルミニウム製の集電体122が用いられる。例えば、厚みが10μm〜30μm程度のアルミニウムシートを好適に用いることができる。
次いで、ステップS16において、集電体122に塗布された導電性中間層形成用組成物を乾燥させて、集電体122の表面に上記の中間層材料からなる導電性中間層123を形成させる。乾燥は、余分な揮発成分を除去できるものであれば特に限定されず、必要に応じて適切な手段を採用することができる。例えば、上記乾燥を行う手段としては、熱風装置、各種赤外線装置、電磁誘導装置、マイクロ波装置等の適当な乾燥装置や送風機等の乾燥促進手段を用いることができる。乾燥の後は、必要に応じて全体をプレスするなどして導電性中間層123の形態を所望の形状に整えても良い。
ここに開示される発明においては、導電性中間層形成用組成物における溶媒の量が減少されているため、乾燥は、より短縮された時間で行うことができる。例えば、溶媒量が減少されていない組成物を用いる場合に比べて、例えば、乾燥時間を2〜5割程度の割合で短縮することができる。さらに、ここに開示される製造方法では、高温による高速乾燥を採用し得る。導電性中間層形成用組成物の高速乾燥は、例えば、乾燥温度を100℃以上150℃以下の高温範囲で適宜設定することができる。具体的には、導電性中間層形成用組成物の目付量が0.1〜0.5mg/cm2程度の場合、100〜150℃で、20〜40秒間の乾燥を行うことができる。したがって、短時間で効率的な乾燥が実現可能とされる。
ステップS22においては、典型的には、正極活物質と、導電材と、バインダとを含む正極活物質材料を所定の溶媒に分散させて、正極活物質層形成用組成物を用意する。
正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウム二次電池に用いられている各種の物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。このような正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)が好適に用いられ、典型的には、層状構造の酸化物あるいはスピネル構造の酸化物を適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(代表的には、LiNiO2)、リチウムコバルト系酸化物(代表的には、LiCoO2)およびリチウムマンガン系酸化物(代表的には、LiMn2O4)から選択される一種または二種以上のリチウム遷移金属酸化物の使用が好ましい。
Li(LiaMnxCoyNiz)O2
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z=1を満足する実数)
で表わされるような、遷移金属元素を3種含むいわゆる三元系リチウム遷移金属酸化物や、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O2・(1−x)LiMeO2
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす)
で表わされるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等であってもよい。
また、溶媒として非水溶媒を用いる場合には、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。
なお、バインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、電極活物質層を形成する電極活物質層形成用組成物に調製する増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
正極活物質層124の全体に占める正極活物質の割合(典型的には、正極活物質組成物の固形分に占める正極活物質の割合と概ね一致する。)はおよそ50質量%以上(典型的には50〜95質量%)であることが好ましく、およそ75〜90質量%であることがより好ましい。導電材を含む組成の正極活物質層124では、活物質層124に占める導電材の割合を例えば凡そ3〜25質量%とすることができ、およそ3〜15質量%とすることが好ましい。この場合において、活物質層124に占める正極活物質の割合は凡そ80〜95質量%(例えば85〜95質量%)とすることが適当である。
また、正極活物質層形成用組成物における正極活物質材料の割合(固形分濃度)については特に制限はないが、後工程で正極活物質層形成用組成物を高温で高速乾燥する場合には、例えば、この固形分濃度を50〜60%程度を目安に調整することが好ましい。
混練のためのミキサーとしては、活物質層形成用ペーストの調製に用いられる一般的な混練機を用いることができる。例えば、ニーダー、撹拌機、分散機、混合機などと呼ばれるペーストの調製が可能な装置等を使用できる。
次いで、上記のとおり用意した正極活物質層形成用組成物を、ステップS24に示した通り、上記で形成した導電性中間層123の上面に層状に塗布する。
正極活物質層形成用組成物の塗布についても、公知の各種の塗工装置を用いて行うことができ、上記の導電性中間層形成用組成物の塗布と同様に行い得る。活物質層形成用組成物の塗布量は特に限定されず、例えば、目的の電極を備える二次電池の用途に応じて任意に設定することができる。例えば、3〜50mg/cm2程度の範囲内で適宜に設定することができる。
最後に、ステップS26において、塗布された正極活物質層形成用組成物を乾燥させて、導電性中間層の上に正極活物質材料からなる正極活物質層を形成する。この乾燥についても、上記の導電性中間層の乾燥と同様で、余分な揮発成分を除去できるものであれば特に限定されず、必要に応じて適切な手段を採用することができる。そしてここに開示される製造方法では、前記のとおり導電性中間層の熱可塑性ポリマーの数平均分子量が調製されているため、高温で短時間の乾燥を行う高速乾燥を採用することができる。正極活物質層形成用組成物の高速乾燥の条件については、乾燥温度を、例えば、120℃〜150℃程度の温度範囲に適宜に設定することができ、より好ましくは、135℃〜150℃程度の温度範囲である。これにより、乾燥時間は、例えば、従来より2〜5割程度の割合で短縮することができる。具体的には、例えば正極活物質形成用組成物の目付量が5〜10mg/cm2程度の場合、100〜150℃の雰囲気において、15〜25秒間程度の乾燥を行うことができる。これにより、正極が完成される。
本発明により提供される電極は、各種形態の電池を構築するための電極(例えば正極)として好ましく利用される。例えば、上記電極を用いてなる正極と、負極集電体に負極活物質層が保持された負極と、該正負極間に配置される電解質と、典型的には正負極集電体を離隔するセパレータ(電解質が固体である場合には不要であり得る。)とを備えるリチウム二次電池の構成要素として好適である。かかる電池を構成する外容器の構造(例えば金属製の筐体やラミネートフィルム構造物)やサイズ、あるいは正負極集電体を主構成要素とする電極体の構造(例えば捲回構造や積層構造)等について特に制限はない。
≪導電性中間層形成用組成物の粘性≫
導電性中間層を形成するための導電性中間層形成用組成物を、以下のようにして調製した。すなわち、導電性粒子として、平均粒径が35nmのカーボンブラックを用いた。熱可塑性ポリマーとしては、数平均分子量の異なる4とおりのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。すなわち、PVdFは、数平均分子量が、PVdF(A):28万、PVdF(B):50万、PVdF(C):63万、PVdF(D):100万の4とおりのものを用意した。また、溶媒としてはN−メチルピロリドン(NMP)を用いた。
これらの中間層材料を、導電性粒子、熱可塑性ポリマー、溶媒の質量比が10:2:88(すなわち、固形分濃度NVが約13.6質量%)となるように混合して、4とおりの導電性中間層形成用の組成物を調製した。組成物(A)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(A)を、組成物(B)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(B)を、組成物(C)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(C)、組成物(D)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(D)を用いたものである。これら組成物(A)〜(D)の粘性を調べた。粘性の測定は、B型粘度計を用い、25℃、0.1s−1の条件で測定した。組成物(A)〜(D)の粘性を測定した結果を、熱可塑性ポリマーの数平均分子量と導電性中間層形成用組成物の粘性の関係として、図4に示した。
≪二次電池用電極の作製≫
アルミニウム箔を集電体とし、正極活物質層として一般式LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2で表わされる組成のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を有し、これらの層間に導電性中間層を備えるシート状電極を作製した。
導電性中間層を形成するための導電性中間層形成用組成物を、以下のようにして調製した。すなわち、導電性粒子として、平均粒径が35nmのカーボンブラックを用いた。熱可塑性ポリマーとしては、数平均分子量の異なる4とおりのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。すなわち、PVdFは、数平均分子量が、PVdF(A):28万、PVdF(B):50万、PVdF(C):63万、PVdF(D):100万の4とおりを用意した。また、溶媒としてはN−メチルピロリドン(NMP)を用いた。
これらの中間層材料を、導電性粒子と熱可塑性ポリマーの質量比が28:72となるように配合し、これを溶媒中に固形分濃度NVが9.5質量%となるように混合して、4とおりの導電性中間層形成用の組成物を調製した。組成物(a)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(A)を、組成物(b)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(B)を、組成物(c)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(C)、組成物(d)は熱可塑性ポリマーとしてPVdF(D)を用いたものである。
また、乾燥条件は、115℃の乾燥炉内で30秒間の乾燥を行うものとした。
正極活物質層は以下のようにして形成した。すなわち、上式で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粉末(正極活物質、平均粒径8μm)と、アセチレンブラック(導電材、平均粒径48nm)とPVdF(バインダ)とを、これら材料の質量比が88:10:2となり且つNVが58質量%となるようにイオン交換水と混合して、正極活物質層形成用組成物を調製した。そして、導電性中間層(a)〜(d)の上から活物質層形成用の組成物を塗布して乾燥させることにより、それぞれ正極活物質層(a)〜(d)を形成した。正極活物質層形成用組成物の塗布量(目付量)は約5.6mg/cm2(固形分基準)となるように調整した。また、正極活物質層の形成のための乾燥条件は、150℃で20秒間の乾燥を行う高速乾燥を採用した。この乾燥時間は、通常の乾燥(典型的には、95℃で125秒間)よりも100秒以上(すなわち84%程度)も短縮されたことになる。
なお、導電性中間層(a)については集電体の両面に形成されているが、ここでは片面に形成された導電性中間層(a)に対してのみ、正極活物質層を形成した。正極活物質層形成用組成物を乾燥させたままの状態において、集電体とその両面に形成された電極膜(導電性中間層および正極活物質層)とを含む全体の厚みは約100μmであった。
上記のとおり形成した正極活物質層(a)〜(d)を備える電極を、それぞれ正極サンプル(A)〜(D)とした。これらの電極サンプル(A)〜(D)をCP処理(Cross Section Polisher処理)することによりその断面出しを行った。そしてこれらの断面に対してEPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線マイクロアナライザ)による分析を行い、元素F(フッ素)に関する定量分析と、元素分布を調べた。その結果を、F元素マップとして、図5(A)(B)(D)に示した。また、表1および図6に、電極サンプル(A)〜(D)の導電性中間層における元素Fの検出濃度の平均値を示した。
なお、図5(A)(B)(D)においてF元素は、導電性中間層に熱可塑性ポリマーとして使用したPVdFと、正極活物質層にバインダとして使用したPVdFに含まれるフッ素(F)に由来する。すなわち、図5(A)(B)(D)から、熱可塑性ポリマーおよびバインダが存在する場所とその濃度を確認することができる。なお、各層におけるPVdFの濃度は、単純な算術平均値として、導電性中間層で72質量%、正極活物質層で2質量%である。
これに対し、図5(B)において、導電性中間層中のF元素の分布と正極活物質層中のF元素の分布とは、コントラストの斑模様の粗さによって識別できなくはないが、その境界を明確に確認するのは困難である。さらに図5(A)においては、導電性中間層中のF元素の分布と正極活物質層中のF元素の分布との境界をほとんど確認することができない。すなわち、電極サンプル(A)および(B)においては、電極サンプル(D)と比較して、導電性中間層と正極活物質層の境界付近でF元素に濃度差がなくなっていることがわかる。また、正極活物質層におけるF元素の濃度が明らかに高いことが見てとれる。つまり、導電性中間層中のF元素(すなわちPVdF)が正極活物質層中に移動したことが予想される。
以上の表1、図5(A)(B)(D)および図6から、導電性中間層に用いるPVdFの数平均分子量が少ないほど、導電性中間層中のPVdFが正極活物質層中に移動していることが確認された。
上記の電極サンプル(A)(B)(D)を正極として用いて、リチウム二次電池(A)(B)(D)を構築した。負極には、厚み約15μmの長尺状銅箔からなる負極集電体の両面に、天然黒鉛とSBRとCMCとを98:1:1の質量比で含む負極合材層が設けられた構成のものを使用した。この負極と上記正極とを二枚の長尺状セパレータ(ここでは多孔質ポリエチレンシートを用いた。)とともに積層し、その積層シートを長尺方向に捲回して捲回電極体を作製した。この電極体を非水電解液とともに外装ケースに収容して、18650型(直径18mm、高さ65mm)リチウム二次電池を構築した。非水電解液としては、ECとDMCとEMCとを3:3:4の体積比で含む混合溶媒中に1.0Mの濃度でLiPF6を含む組成のものを使用した。このようにして得られたリチウム二次電池を、各電池に使用した電極サンプルの番号に対応付けて、それぞれ電池(A)(B)(D)とする。
電池(A)(B)(D)について、環境温度を50℃から150℃に昇温した際の直流抵抗値の測定を行った。具体的には、各電池をSOC30%に調整し、50℃から2℃/secの昇温速度で150℃まで加熱する高温環境下において各々の電池に対して1Cの直流電流を流し、内部抵抗の絶対値の変化を測定した。その測定結果を図7に示した。図7のグラフにおいて、横軸は環境温度(℃)を、縦軸は内部抵抗の絶対値(|Z|(mΩ))を示している。
以上のことから、導電性中間層に用いるPVdFの数平均分子量は、63万以上100万未満が適切であることが確認できた。
12 正極(電池用電極)
50 導電性粒子
51 第1導電性粒子
52 第2導電性粒子
60 バインダ
122 集電体
123 中間層
124 活物質層
Claims (7)
- 電極活物質を含む電極活物質層と集電体との間に導電性粒子を含む導電性中間層が介在された二次電池用電極の製造方法であって、
前記導電性粒子と熱可塑性ポリマーとを含む中間層材料を所定の溶媒に分散させた導電性中間層形成用組成物を用意する工程、
前記導電性中間層形成用組成物を前記集電体の表面に層状に塗布する工程、
前記集電体に塗布された導電性中間層形成用組成物を乾燥させて前記中間層材料からなる前記導電性中間層を形成する工程、
前記電極活物質とバインダとを含む電極活物質材料を所定の溶媒に分散させた電極活物質層形成用組成物を用意する工程、
前記電極活物質層形成用組成物を前記導電性中間層の上面に層状に塗布する工程、
前記集電体に塗布された電極活物質層形成用組成物を乾燥させて前記電極活物質材料からなる前記電極活物質層を形成する工程、を包含し、
前記導電性中間層形成用組成物は、前記熱可塑性ポリマーとして数平均分子量が63万以上100万未満の熱可塑性ポリマーを用いる、二次電池用電極の製造方法。 - 前記導電性中間層形成用組成物の乾燥は、100℃以上150℃以下の高温で行われる、請求項1に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記電極活物質層形成用組成物の乾燥は、120℃以上150℃以下の高温で行われる、請求項1または2に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記電極活物質層形成用組成物は、前記バインダとして数平均分子量が100万以上の熱可塑性ポリマーを用いて調製される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記導電性中間層形成用組成物は、前記熱可塑性ポリマーとしてポリフッ化ビニリデンを用いて調製される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記導電性中間層形成用組成物は、固形分材料の割合が8質量%以上となるように調製される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 電極活物質とバインダとを含む電極活物質層と、集電体との間に、導電性粒子と熱可塑性ポリマーとを含む導電性中間層が介在されている二次電池用電極であって、
前記導電性中間層に含まれる前記熱可塑性ポリマーは数平均分子量が63万以上100万未満である、二次電池用電極。
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